JP2011223488A - 受信機のリファレンス電圧設定装置 - Google Patents

受信機のリファレンス電圧設定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】第1無線通信及び第2無線通信の両方において受信感度を確保することができる受信機のリファレンス電圧設定装置を提供する。
【解決手段】受信回路24のリファレンス電圧生成回路33に、リファレンス電圧Vrefの時定数の設定要素として複数のコンデンサC1,C2を設け、コンデンサC2に切換スイッチ34を接続して、C2を増設コンデンサとする。そして、スマート受信時には、常設コンデンサC1のみを有効とすることで、リファレンス電圧Vrefの立ち上がりを速くし、スマート受信時に必要とされるリファレンス立ち上がりを確保する。また、ワイヤレス受信時には、切換スイッチ34をオンして増設コンデンサC2も有効とすることで、リファレンス電圧Vrefの立ち上がりを遅くし、ワイヤレス受信に好適とされるリファレンス立ち上がりとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、受信機のリファレンス電圧を設定する受信機のリファレンス電圧設定装置に関する。
従来、車両には、電子キーから無線により送信されたIDコードでID照合を行う電子キーシステム(特許文献1等参照)が搭載されている。この電子キーシステムには、車両からのリクエスト信号に電子キーが自動で応答してID信号を返信し、ID信号に含まれるIDコードによりID照合を行うキー操作フリーシステムがある。また、この電子キーシステムには、電子キー上の各種ボタンを操作することで電子キーからID信号を飛ばすことにより、電子キーによって車両機器を遠隔操作するワイヤレスキーシステムもある。
ところで、キー操作フリーシステムの通信(スマート通信)において、電子キーが車両に送信する電波(例えば、アック信号等)は、単発及び短時間で送信される。よって、図9に示すように、電子キーからの応答電波を車両の受信機が受信するスマート受信時には、受信信号Rxを1ビット目から確実に復調する必要があるので、受信信号RxのH/L判断の基準となるリファレンス電圧Vrefは、急速に立ち上がる必要がある。
ここで、スマート受信の受信精度を確保するために、リファレンス電圧Vrefを急速に立ち上げるようにすると、リファレンス電圧Vrefの変動が大きくなってしまう。しかし、スマート通信は、通信距離が車両近傍という比較的狭い範囲の通信であるので、電波にノイズが乗り難く、S/N比がよいと言える。よって、リファレンス電圧Vrefを急速に立ち上げても、受信信号Rxを正常に復調できることになる。
一方、ワイヤレスキーシステムの通信(ワイヤレス通信)は、電子キーから電波が同一内容の複数フレームによって長時間に亘り送信され、この送信電波途中のフレーム先頭が車両の受信機によって取得されることにより、電子キーからの電波が受信機で受信される。よって、図10に示すように、電子キーからの送信電波を車両が受信するワイヤレス受信時、受信機は受信信号Rxを途中から判別できれば足りるので、リファレンス電圧Vrefは急速に立ち上がる必要はない。
ところで、ワイヤレス通信は、通信距離が車両から数mというようにスマート通信よりも距離が長い。よって、ワイヤレス通信の電波は、電波強度が小さく、かつ電波にノイズが乗り易いため、S/N比が悪いという現状がある。従って、ワイヤレス受信の受信精度を確保するためには、リファレンス電圧Vrefの立ち上がりが遅くなっていれば、リファレンス電圧Vrefが過敏にノイズに反応しなくなるので、電波受信時に誤判定が生じ難くなる。
特開2008−255665号公報
しかし、リファレンス電圧Vrefの立ち上がり速度を決める時定数は、1つの受信機においてそれぞれの通信ごとに用意されている訳ではなく、1つの受信機で通常は1つであることが多い。よって、リファレンス電圧Vrefの時定数は、1つの時定数がスマート通信及びワイヤレス通信で共用されることになる。この場合、スマート受信時でリファレンス電圧Vrefの立ち上がり速度が満足すれば、通信範囲はともかくワイヤレス受信も成立するので、現状はスマート受信の時定数が優先されている。
しかし、リファレンス電圧Vrefを急速立ち上がりとすると、背反としてリファレンス電圧Vrefの変動が大きくなることは前述した。よって、ワイヤレス通信にはS/N比が悪いという実情があるので、このようにリファレンス電圧Vrefの変動が大きいと、ワイヤレス受信時において復調判定に誤りが発生する可能性が高くなる。このため、ワイヤレス受信時の感度がよくないという問題があった。
本発明の目的は、第1無線通信及び第2無線通信の両方において受信感度を確保することができる受信機のリファレンス電圧設定装置を提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明では、通信端末から第1無線通信及び第2無線通信のいずれからでも電波を受信し、当該通信端末から受信した受信電波を、リファレンス電圧生成部により生成したリファレンス電圧と比較することにより、前記受信電波を復調する受信機のリファレンス電圧設定装置において、前記リファレンス電圧の時定数を、前記第1無線通信及び前記第2無線通信のそれぞれで異なる値に設定するリファレンス電圧設定手段を備えたことを要旨とする。
この構成によれば、第1無線通信時のリファレンス電圧の時定数と、第2無線通信時のリファレンス電圧の時定数とを、それぞれ異なる値に設定可能としたので、第1無線通信及び第2無線通信のそれぞれのリファレンス電圧の時定数を、受信信号に適した値に設定することが可能となる。よって、第1無線通信時の受信機の受信感度をよくしつつ、更には第2無線通信時の受信機の受信感度もよくなる。このため、第1無線通信及び第2無線通信の両方で、受信機の受信感度を確保することが可能となる。
本発明では、前記リファレンス電圧設定手段は、前記リファレンス電圧の時定数設定要素と、通信が前記第1無線通信及び前記第2無線通信のどちらであるのかの通知を外部から入力する通知入力手段と、前記通知入力手段により得た当該通知を基に前記設定要素を切り換えることにより、前記リファレンス電圧を設定する電圧値設定手段とを備えたことを要旨とする。
この構成によれば、受信機が第1無線通信及び第2無線通信のどちらの通信をとるのかの通知を受信機の外部から入力し、この通知を基に受信機がリファレンス電圧の時定数を設定する。このため、受信機が第1無線通信及び第2無線通信のどちらをとるのかのを判断する処理回路を受信機に組み込まずに済むので、受信機の構成を簡素なもので済ますことが可能となる。
本発明では、前記リファレンス電圧設定手段は、前記リファレンス電圧の時定数設定要素と、前記受信機の現在状態を監視する監視手段と、前記監視手段の監視結果を基に前記設定要素を切り換えることにより、前記受信機に自ら前記リファレンス電圧を設定させる電圧値設定手段とを備えたことを要旨とする。
この構成によれば、受信機が外部から特別な通知を得ることなく自らが受信機の現在状態を判断し、この判断結果を基にリファレンス電圧の時定数を設定する。よって、受信機に通知入力用の信号線を設けずに済むので、この種の信号線を1本削減することが可能となる。
本発明では、前記時定数設定要素は、時定数設定用のコンデンサを複数備え、前記電圧値設定手段は、複数の前記コンデンサを順に有効としていくことにより、前記リファレンス電圧の時定数を変化させることを要旨とする。
この構成によれば、複数のコンデンサを順に有効としていくというハードウェア回路によってリファレンス電圧の時定数を変化させるので、より確実にリファレンス電圧の時定数を正しく切り換えることが可能となる。
本発明では、前記時定数設定要素は、前記リファレンス電圧の時定数を設定するためのソフトウェアであり、前記電圧値設定手段は、前記ソフトウェアによってデジタル式に前記リファレンス電圧を変化させることを要旨とする。
この構成によれば、リファレンス電圧の時定数をソフトウェアによってプログラム的に変化させるので、複雑なハードウェア回路を用意しなくともリファレンス電圧の時定数を切り換えることが可能となる。
本発明では、前記リファレンス電圧設定手段は、前記リファレンス電圧の時定数の設定要素としての複数のコンデンサと、前記受信機の現在状態を監視する監視手段と、前記監視手段の監視結果を基に複数の前記コンデンサを順に有効としていくことにより、前記受信機に自ら前記リファレンス電圧を設定させる電圧値設定手段とを備えたことを要旨とする。
この構成によれば、受信機が外部から特別な通知を得ることなく自らが受信機の現在状態を判断し、この判断結果を基にリファレンス電圧の時定数を設定する。よって、受信機に通知入力用の信号線を設けずに済むので、この種の信号線を1本削減することが可能となる。また、複数のコンデンサを順に有効としていくというハードウェア回路によってリファレンス電圧の時定数を変化させるので、より確実にリファレンス電圧の時定数を正しく切り換えることが可能となる。
本発明によれば、第1無線通信及び第2無線通信の両方において受信感度を確保することができる。
第1実施形態における電子キーシステムの概要を示すブロック図。 キー操作フリーシステムの通信シーケンスを示すタイミングチャート。 リファレンス電圧設定装置の構成を示す回路ブロック図。 受信信号とリファレンス電圧との関係を示す波形図。 第2実施形態におけるリファレンス電圧設定装置の構成を示す回路ブロック図。 演算式による時定数増加処理の概要を示す波形図。 第3実施形態におけるリファレンス電圧設定装置の構成を示す回路ブロック図。 時定数変化の動作態様を示す遷移図。 従来におけるスマート受信時の理想的なリファレンス電圧と受信信号との関係を示す波形図。 同じく従来におけるワイヤレス受信時の理想的なリファレンス電圧と受信信号との関係を示す波形図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した受信機のリファレンス電圧設定装置の第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、車両1からから電子キー2に無線による問い合せ(リクエスト信号Srq)を送信して、この問い合せに対する電子キー2の応答(ID信号Sid)によりID照合を行うキー操作フリーシステム3が搭載されている。キー操作フリーシステム3には、車外でID照合が成立するとドアロック施解錠が許可又は実行されるエントリー機能と、車内でID照合が成立すると車内のエンジンスイッチ4による車両1の電源遷移操作及びエンジン始動操作が許可されるエンジン始動機能とがある。なお、電子キー2が通信端末に相当する。
この場合、車両1には、電子キー2との間でID照合を実行するキー照合装置5と、ドアロック動作を管理するドアロック装置6と、エンジンの動作を管理するエンジン始動装置7とが設けられ、これらが車内バス8によって接続されている。キー照合装置5には、キー照合装置5のコントロールユニットとして照合ECU(Electronic Control Unit)9が設けられている。照合ECU9のメモリ(図示略)には、車両1と組みをなす電子キー2のIDコードが登録されている。
照合ECU9には、車外にLF(Low Frequency)帯の電波を発信する車外発信機10と、車内にLF帯の電波を発信する車内発信機11と、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波を受信する車両チューナ12とが接続されている。車外発信機10及び車内発信機11は、電子キー2へのID返信要求としてリクエスト信号SrqをLF帯の電波によって送信し、いわゆるスマート通信の成立可否を試みる。なお、スマート通信が第1無線通信及び第2無線通信の一方を構成し、車両チューナ12が受信機に相当する。
図2に示すように、車両駐車時、車外発信機10からウェイク信号13が断続的に送信されて、車外のスマート通信(車外通信)の成立可否が監視される。このとき、ウェイク信号13の通信エリアに電子キー2が進入すると、電子キー2はウェイク信号13によって起動し、アック信号14をUHF帯の電波により送信する。照合ECU9は、アック信号14を車両チューナ12で受信すると、車両IDとしてビークルID15をLF帯の電波により送信する。電子キー2は、ビークルID15を受信すると、ビークルID照合を行い、ビークルID照合が成立すれば、アック信号16をUHF帯の電波により送信する。
続いて、照合ECU9は、チャレンジレスポンス認証を実行すべく、チャレンジ17をLF帯の電波により送信する。チャレンジ17には、送信の度にコードが毎回異なるチャレンジコードと、車両1の何番目の登録キーかを表すキー番号とが含まれている。電子キー2は、チャレンジ17を受信すると、まずキー番号照合を行い、キー番号照合が成立すれば、チャレンジコードを自身の暗号鍵に通してレスポンスコードを生成する。そして、照合ECU9は、このレスポンスコードと自身のIDコードとを含むレスポンス18を、UHF帯の電波により送信する。
照合ECU9は、チャレンジ17を電子キー2に送信する際、自身が持つ暗号鍵にチャレンジコードを通して、自らもレスポンスコードを演算する。そして、照合ECU9は、電子キー2からレスポンス18を受信した際、レスポンス18に含まれるレスポンスコードが正しいか否かレスポンス照合を行う。また、照合ECU9は、レスポンス18に含まれるIDコードが正しいか否かIDコード照合も行う。そして、照合ECU9は、両照合が成立したことを確認すると、スマート照合(車外照合)を成立として処理し、ドアロック装置6によるドアロック施解錠を許可又は実行する。
また、運転者が乗車したことが例えばカーテシスイッチ等により検出されると、車外発信機10に代えて今度は車内発信機11からウェイク信号13の送信が開始されて、車内のスマート通信(車内通信)が実行される。そして、車外照合と同様の手順で車内のスマート照合(車内照合)の成立可否が確認され、車内照合の成立が確認されると、エンジン始動装置7による電源遷移操作及びエンジン始動操作が許可される。
図1に示すように、車両1には、電子キー2による遠隔操作によってドアロックの施解錠を切り換え操作可能なワイヤレスキーシステム19が設けられている。この場合、電子キー2には、ドアロックを施錠する際に操作する施錠ボタン20と、ドアロックを解錠する際に操作する解錠ボタン21とが設けられている。施錠ボタン20や解錠ボタン21が操作されたことを検出すると、各ボタンに応じたワイヤレス信号SwlがUHF帯の電波によって送信される。
照合ECU9は、電子キー2からのワイヤレス信号Swlを車両チューナ12で受信してワイヤレス通信が確立すると、このワイヤレス信号Swl内のIDコードでID照合(ワイヤレス照合)を行い、ID照合が成立すれば、それに続く機能コードによりドアロックを施解錠する。つまり、照合ECU9は、電子キー2から施錠要求信号を受信すると、ワイヤレス照合が成立すればドアロック装置6にドアロックを施錠させる。一方、照合ECU9は、電子キー2から解錠要求信号を受信すると、ワイヤレス照合が成立すればドアロック装置6のドアロックを解錠させる。なお、ワイヤレス通信が第1無線通信及び第2無線通信の他方を構成する。
図3に示すように、車両チューナ12には、スマート受信動作時とワイヤレス受信動作時とでリファレンス電圧Vrefの時定数を切り換える時定数設定装置22が設けられている。リファレンス電圧Vrefは、図4に示すように、車両チューナ12の受信信号Rxを復調する際のH/L判定の基準電圧であって、受信信号Rxを基に生成される。そして、受信信号Rxがリファレンス電圧Vrefよりも高ければ「H」と判定され、受信信号Rxがリファレンス電圧Vrefよりも低ければ「L」と判定される。リファレンス電圧Vrefは、受信信号Rxの受信により立ち上がり、受信信号Rxを追従するように波形をとる。また、リファレンス電圧Vrefの時定数は、リファレンス電圧Vrefの立ち上がり速度を決める一パラメータである。なお、時定数設定装置22がリファレンス電圧設定手段に相当する。
ところで、スマート通信で電子キー2から車両1に送信される電波は、例えばアック信号14,16など、単発で比較的短時間のデータとなっている。よって、これらデータを滞りなく受信するには、リファレンス電圧Vrefの早急な立ち上がりが必要となる。従って、スマート通信では、リファレンス電圧Vrefの時定数を小さくして、リファレンス電圧Vrefの立ち上がりを速くすることが好ましい。
一方、ワイヤレス通信では電子キー2から電波が複数フレームで長時間送信され、これらいずれかのフレームを捕獲できれば通信が成立するので、リファレンス電圧Vrefは急速に立ち上がる必要はない。よって、ワイヤレス受信では、リファレンス電圧Vrefの時定数が大きくても何ら問題はない。むしろ、ワイヤレス信号SwlはS/N比が悪いので、ワイヤレス受信の感度をよくするには、リファレンス電圧Vrefの立ち上がりは遅い方が好ましい。
よって、本例の時定数設定装置22は、車両チューナ12がスマート受信をとる際、リファレンス電圧Vrefの時定数を小さく設定して、リファレンス電圧Vrefの立ち上がり速度を速く設定することにより、スマート受信感度を確保する。また、時定数設定装置22は、車両チューナ12がワイヤレス受信をとる際、リファレンス電圧Vrefの時定数を大きく設定して、リファレンス電圧Vrefの立ち上がり速度を遅く設定することにより、ワイヤレス受信感度を確保する。
車両チューナ12には、受信アンテナ23に繋がる受信回路24が設けられている。受信回路24は、信号線25を介して照合ECU9に接続されている。照合ECU9は、信号線25を介して受信回路24からH/Lの2値情報からなる受信データSoutを入力し、受信データSoutのデータ内容を解読する。
また、受信回路24は、電源線26を介して照合ECU9に接続されている。ところで、車両チューナ12は、常時起動している訳ではなく、消費電力削減のため、ある特定のタイミングでのみ電源線26を介して照合ECU9から電力を得て受信動作をとる。しかし、ワイヤレス信号Swlはいつ送信されるか分からないので、照合ECU9は一定の時間間隔をおいて車両チューナ12に定期的に受信動作をとらせる。
さらに、スマート通信では、ウェイク信号13やビークルID15の送信後、電子キー2からのアック応答を受け付けなければならない。従って、照合ECU9は、スマート通信のアック応答タイミングでも車両チューナ12に受信動作をとらせる。よって、照合ECU9は、スマート受信やワイヤレス受信の実行タイミングに合わせて、車両チューナ12を都度起動させる。
受信回路24には、受信アンテナ23の受信信号Rxからノイズを除去する1次フィルタ27と、1次ノイズ除去後の受信信号Rxを増幅するアンプ28と、増幅後の受信信号Rxをテヘロダイン方式により周波数変換するミキサ29とが設けられている。また、受信回路24には、周波数変換後の受信信号Rxからノイズを除去する2次フィルタ30と、2次ノイズ除去後の受信信号Rxを検波する検波回路31とが設けられている。ミキサ29には、周波数変換に必要な局部発信周波数を生成するオシレータ32が接続されている。
受信回路24には、検波後の受信信号Rxを基にリファレンス電圧Vrefを生成するリファレンス電圧生成回路33が設けられている。リファレンス電圧生成回路33には、リファレンス電圧Vrefの時定数を決定するための要素として、抵抗Rと、複数(本例は2つ)のコンデンサC1,C2の並列回路とが直列接続されている。抵抗Rは、バイアス用である。また、コンデンサC1,C2は、一端が抵抗Rに接続されるとともに、他端がGNDに接地されている。本例の場合、常時有効状態となるC1を常設コンデンサとし、ワイヤレス受信時のタイミングで有効状態となるC2を増設コンデンサとする。検波後の受信信号Rxは、抵抗R及びコンデンサC1,C2から決まる時定数の立ち上がり波形を持つ信号に変換され、これがリファレンス電圧Vrefとして出力される。なお、リファレンス電圧生成回路33がリファレンス電圧生成部を構成する。
増設コンデンサC2には、リファレンス電圧生成回路33への増設コンデンサC2の接続有無を切り換える切換スイッチ34が接続されている。切換スイッチ34がオフされると、リファレンス電圧生成回路33にはコンデンサC1,C2のうちC1のみが利き、リファレンス電圧Vrefの時定数が小さく設定される。一方、切換スイッチ34がオンされると、リファレンス電圧生成回路33にはC1,C2が両方とも利き、リファレンス電圧Vrefの時定数が大きく設定される。なお、切換スイッチ34が電圧値設定手段を構成する。
受信回路24には、検波後の受信信号Rxとリファレンス電圧Vrefとを比較することにより、「H」「L」の2値情報からなる受信データSoutを照合ECU9に出力するデータ形成回路35が設けられている。データ形成回路35は、検波後の受信信号Rxを入力するとともに、リファレンス電圧生成回路33からリファレンス電圧Vrefを入力して、リファレンス電圧Vrefとの大小を比較する。そして、データ形成回路35は、受信信号Rxがリファレンス電圧Vref以上となるとき「H」を出力し、受信信号Rxがリファレンス電圧Vref未満となるとき「L」を出力することにより、「H」「L」の群からなる受信データSoutを出力する。
照合ECU9には、車両チューナ12が受信動作としてスマート受信及びワイヤレス受信のどちらをとっているのかを受信回路24に通知する切換通知出力部36が設けられている。ところで、前述したように、照合ECU9は車両チューナ12がスマート受信及びワイヤレス受信のどちらをとっているのか分かっている。よって、切換通知出力部36は、この判断結果を基に、車両チューナ12がスマート受信及びワイヤレス受信のどちらをとっているのかの通知として、信号線37を通じて受信動作実行通知Skを受信回路24に出力する。なお、切換通知出力部36が外部に相当し、受信動作実行通知Skが通知に相当する。
受信回路24には、切換通知出力部36からの受信動作実行通知Skを入力する通知入力部38が設けられている。通知入力部38は、受信回路24の外部、つまり照合ECU9から、信号線37を通じて受信動作実行通知Skを入力するインターフェースである。なお、通知入力部38が通知入力手段に相当する。
受信回路24には、通知入力部38で入力した受信動作実行通知Skを基に、切換スイッチ34のオンオフを切り換えてリファレンス電圧Vrefの時定数を設定する時定数切換部39が設けられている。時定数切換部39は、通知入力部38で受信動作実行通知Skとしてスマート受信実行通知を入力すると、切換スイッチ34をオフして、リファレンス電圧Vrefの時定数を小さく設定する。一方、時定数切換部39は、通知入力部38で受信動作実行通知Skとしてワイヤレス受信実行通知を入力すると、切換スイッチ34をオンして、リファレンス電圧Vrefの時定数を大きく設定する。なお、時定数切換部39が電圧値設定手段を構成する。
次に、本例の時定数設定装置22の動作を図4に従って説明する。
車両1の通信動作がスマート通信の開始タイミング(開始時刻)に至ると、照合ECU9は車外発信機10(車内発信機11)からウェイク信号13の送信を開始する。照合ECU9は、ウェイク信号13の送信後、ウェイク信号13に対する電子キー2からのアック応答有無を確認するために、電源線26を介して車両チューナ12に電力を供給して、車両チューナ12に受信動作をとらせる。
このとき、切換通知出力部36は、車両チューナ12の受信動作がスマート通信に準ずるものであることを認識しているので、受信動作実行通知Skとしてスマート受信動作実行通知を受信回路24に出力する。
時定数切換部39は、切換通知出力部36からのスマート受信動作実行通知を、通知入力部38を介して入力すると、車両チューナ12がとるべき受信動作がスマート受信であることを認識する。よって、時定数切換部39は、切換スイッチ34をオフのままとして、コンデンサC1のみを有効とすることにより、リファレンス電圧Vrefの時定数を小さく設定する。
なお、常設コンデンサC1のみを有効とした際のリファレンス電圧VrefをVref1とし、受信信号Rxの振幅最大値をE0とし、コンデンサC1のみを有効とした際のリファレンス電圧Vrefのt時間経過後電圧をE1とすると、リファレンス電圧Vrefは次式(A),(B)により算出される。
Figure 2011223488
このように、スマート受信時には、リファレンス電圧Vrefの時定数が小さく設定されるので、図4に示すように、リファレンス電圧Vrefが急速に立ち上がる。よって、スマート通信の受信信号Rxは単発及び短時間で終了するものであるが、これを問題なく受信することが可能となる。そして、以降の通信で車両チューナ12がスマート受信動作をとる際には、切換スイッチ34がオフとなって常設コンデンサC1のみが有効となり、リファレンス電圧Vrefの時定数が小さく設定される。
一方、車両1の通信動作がワイヤレス通信の開始タイミング(開始時刻)に至ると、照合ECU9は、電源線26を介して車両チューナ12に電力を供給して、車両チューナ12に受信動作をとらせる。
このとき、切換通知出力部36は、車両チューナ12の受信動作がワイヤレス通信に準ずるものであることを認識しているので、受信動作実行通知Skとしてワイヤレス受信動作実行通知を受信回路24に出力する。
時定数切換部39は、切換通知出力部36からのワイヤレス受信動作実行通知を、通知入力部38を介して入力すると、車両チューナ12がとるべき受信動作がワイヤレス受信であることを認識する。よって、時定数切換部39は、切換スイッチ34をオンに切り換え、増設コンデンサC2も有効に切り換える。よって、コンデンサC1,C2の両方が有効となり、リファレンス電圧Vrefの時定数が大きく設定される。
なお、コンデンサC1,C2の両方を有効とした際のリファレンス電圧VrefをVref2とし、このときのリファレンス電圧Vrefのt時間経過後電圧をE2とすると、リファレンス電圧Vrefは次式(C),(D)により算出される。
Figure 2011223488
このように、ワイヤレス受信時には、リファレンス電圧Vrefの時定数が大きく設定されるので、図4に示すように、リファレンス電圧Vrefの立ち上がりが遅くなる。よって、ワイヤレス通信の受信信号RxはS/N比が悪いものであるが、これを問題なく受信することが可能となる。そして、車両チューナ12がワイヤレス受信をとる度に、切換スイッチ34がオンに切り換えられ、リファレンス電圧Vrefの時定数がスマート受信時に比べて大きく設定される。
以上により、本例においては、スマート受信時には、常設コンデンサC1のみを有効として、車両チューナ12のリファレンス電圧Vrefの時定数を小さく設定し、ワイヤレス受信機には、常設コンデンサC1のみならず増設コンデンサC2も有効として、車両チューナ12のリファレンス電圧Vrefの時定数を大きく設定する。よって、スマート受信時にはリファレンス電圧Vrefの立ち上がり速くなり、ワイヤレス受信時にはリファレンス電圧Vrefの立ち上がりが遅くなるので、それぞれの受信においてリファレンス電圧Vrefの立ち上がり速度が好適な値となる。よって、スマート受信の受信感度及びワイヤレス受信の受信感度を両方とも確保することが可能となる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)リファレンス電圧生成回路33に常設コンデンサC1及び増設コンデンサC2を設け、これらコンデンサC1,C2の接続状態を切り換えることにより、リファレンス電圧Vrefの時定数を変更可能とした。よって、車両チューナ12のリファレンス電圧Vrefの時定数を、スマート受信及びワイヤレス受信のそれぞれに応じた好適な値に設定可能となるので、スマート受信及びワイヤレス受信の両方において受信感度を確保することができる。
(2)照合ECU9と車両チューナ12とを信号線37で繋ぎ、照合ECU9から信号線37を介して受信動作実行通知Sk(スマート受信実行通知、ワイヤレス受信実行通知)を車両チューナ12に出力する。そして、照合ECU9から得た受信動作実行通知Skによって車両チューナ12は現在実行中の受信動作を知り、リファレンス電圧Vrefの時定数を受信動作に応じた値に設定する。このため、受信動作内容を判断するための処理回路を車両チューナ12に組み込まずに済むので、車両チューナ12の構成を簡素なもので済ますことができる。
(3)常設コンデンサC1の他にもう1つ増設コンデンサC2を設け、切換スイッチ34によって増設コンデンサC2の有効無効を切り換えることにより、リファレンス電圧Vrefの時定数の大小を変更する。よって、増設コンデンサC2の有効無効を切換スイッチ34により切り換えるというハードウェア回路によってリファレンス電圧Vrefの時定数を変化させるので、より確実にリファレンス電圧Vrefの時定数を正しく切り換えることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図5及び図6に従って説明する。なお、本例は、リファレンス電圧Vrefの時定数切換えを受信回路24でのみ実行可能とした技術であって、他の基本的構成は、第1実施形態と同様である。よって、第1実施形態と同一箇所には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
図5に示すように、受信回路24には、リファレンス電圧Vrefの時定数に相当する値(以降、時定数相当値と記す)をソフトウェアにより設定するデジタル式リファレンス電圧設定回路41が設けられている。なお、時定数相当値は、ソフトウェアの計算によって時定数を設定する関係上、時定数に対応した計算上の値であって、厳密には時定数と呼べないため、本例ではこのように称することとする。
デジタル式リファレンス電圧設定回路41は、メモリ42に記憶されたリファレンス電圧設定ソフトウェア43の実行処理によって、リファレンス電圧Vrefの時定数をプログラム処理により適宜設定可能である。デジタル式リファレンス電圧設定回路41は、例えば1チップIC(Integrated Circuit)からなる。なお、デジタル式リファレンス電圧設定回路41がリファレンス電圧生成部を構成し、リファレンス電圧設定ソフトウェア43が時定数設定要素を構成する。
受信回路24には、車両チューナ12が電波受信を開始してからの経過時間T(図6参照)を計時するタイマ回路44が設けられている。タイマ回路44は、スマート通信又はワイヤレス通信によらず車両チューナ12で電波受信を開始してからの経過時間Tを計時し、その経過時間Tをデジタル式リファレンス電圧設定回路41に出力する。なお、タイマ回路44が監視手段に相当する。
デジタル式リファレンス電圧設定回路41には、リファレンス電圧設定ソフトウェア43を基にリファレンス電圧Vrefの時定数を設定する時定数設定部45が設けられている。なお、時定数設定部45は、デジタル式リファレンス電圧設定回路41のCPU(図示略)がリファレンス電圧設定ソフトウェア43を実行することにより、機能的に生成されるものである。なお、時定数設定部45が電圧値設定手段を構成する。
時定数設定部45は、図6に示すように、タイマ回路44による経過時間Tがスマート通信のアック受信終了相当時間になると、リファレンス電圧Vrefを決定するための変数Nを、初期値のNsから徐々に増加させていき、変数Nが最大値Nkに到達すると、その時点で値増加を停止する。なお、アック受信終了相当時間とは、スマート受信の際に電子キー2から送信されるアック信号14,16を受信し終えるまでに要する時間のことを言う。よって、電波受信初期時は、スマート受信に対応すべくリファレンス電圧Vrefの時定数が小さくなっていたものが、時間を経るに従い、ワイヤレス受信に好適な時定数に変位する。
さて、車両チューナ12が電波を受信すると、タイマ回路44は受信開始からの経過時間Tの計測を開始する。このとき、図6に示すように、リファレンス電圧Vrefの設定パラメータである変数Nは初期値のNsになっているので、リファレンス電圧Vrefの時定数は小さい値に設定されている。このため、リファレンス電圧Vrefの立ち上がりは高速であるので、受信電波がスマート通信の電波であれば、この電波を問題なく受信することが可能である。
一方、受信電波がワイヤレス信号Swlの場合、電波受信初期時はリファレンス電圧Vrefの立ち上がりが速いので、ワイヤレス信号Swlを正しく受信できない可能性が高い。しかし、本例の場合は、時間が経つに連れて徐々にリファレンス電圧Vrefの立ち上がりが徐々に遅く設定変更され、かつワイヤレス信号Swlは信号途中の一フレームを捕獲できれば受信が成立するので、ワイヤレス信号Swlは初期時に受信できなくとも、後々受信できるので何ら問題はない。
時定数設定部45は、タイマ回路44による経過時間Tがアック受信終了相当時間になると、次式(E)によってリファレンス電圧Vrefを変化させる。なお、式(E)では、リファレンス電圧Vrefを設定するための変数をNとし、受信信号Rxの振幅(強度)をSiとする。
Figure 2011223488
このため、電波受信初期時には、スマート受信に対応すべくリファレンス電圧Vrefの時定数が小さく設定されていたが、時間経過とともに、リファレンス電圧Vrefの時定数が徐々に増加していく。よって、リファレンス電圧Vrefの時定数が増加するに従って、リファレンス電圧Vrefの立ち上がり速度が徐々に遅く設定されていく。
ところで、スマート受信時の車両チューナ12は、アック応答を受信してリファレンス電圧Vrefの時定数を増加した後に、レスポンス18を受信する。つまり、リファレンス電圧Vrefの立ち上がりが若干遅くなった状態でレスポンス18を受信することになる。しかし、リファレンス電圧Vrefの立ち上がりが遅くなったといっても、リファレンス電圧Vrefが「0」と「E0」と中間値付近になった後の変動の速さは復調にほとんど影響を与えないため、レスポンス18を問題なく受信することが可能である。
一方、受信電波がワイヤレス信号Swlの場合、受信初期時には、車両チューナ12で受信できないが、リファレンス電圧Vrefの時定数が徐々に大きな値をとっていくので、リファレンス電圧Vrefの立ち上がりが遅くなった時点で、ワイヤレス信号Swlが捕獲される。よって、電波受信初期時にスマート受信を優先した時定数に設定していても、時間経過とともに時定数がワイヤレス受信に適した値に切り換えられるので、ワイヤレス信号Swlも問題なく受信することが可能である。
以上により、本例の場合、電波受信初期時には、スマート受信対応すべくリファレンス電圧Vrefの時定数を小さく設定していても、最終的には、リファレンス電圧Vrefの時定数が大きくなって、ワイヤレス受信に好適な値をとる。よって、スマート受信及びワイヤレス受信の両方で受信感度を確保することが可能となる。また、車両チューナ12が自ら時定数を切り換えるので、第1実施形態で述べた信号線37を不要にすることも可能となる。
本実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1)と同様の効果を得ることができる他に、以下に記載の効果を得ることができる。
(4)車両チューナ12にタイマ回路44を組み込んで、タイマ回路44により求まる経過時間Tに従って式(F)のプログラムを作動させることにより、リファレンス電圧Vrefの時定数を変化させる。よって、車両チューナ12は外部から特別な通知を得ることなく、自らが受信動作内容を判断して時定数を設定することが可能である。このため、第1実施形態で述べた信号線37を車両チューナ12に設けずに済むので、この種の信号線を1本削減することができる。
(5)車両チューナ12にデジタル式リファレンス電圧設定回路41を設け、デジタル式リファレンス電圧設定回路41のメモリ42に記憶されたリファレンス電圧設定ソフトウェア43によって、リファレンス電圧Vrefの時定数をプログラム的に変化させる。よって、リファレンス電圧Vrefの時定数をソフトウェア回路によって変更可能となるので、複雑なハードウェア回路を用意しなくともリファレンス電圧Vrefの時定数を切り換えることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図7及び図8に従って説明する。なお、本例も、リファレンス電圧Vrefの時定数切換えを受信回路24でのみ実行可能とした技術であるので、第1及び第2実施形態と異なる部分についてのみ詳述する。
図7に示すように、リファレンス電圧生成回路33には、増設コンデンサがC2のみならず、C3,C4…というように複数設けられている。これら増設コンデンサC2,C3…は、並列状に接続されるとともに、一端が抵抗Rに接続され、他端がGNDに接地されている。本例の増設コンデンサC2,C3…は、リファレンス電圧Vrefを増加に変位させる際、1つずつ順番にリファレンス電圧生成回路33に接続される。なお、増設コンデンサC3,C4も時定数設定要素を構成する。
各増設コンデンサC2,C3…には、それぞれ切換スイッチ34a,34b,34c…が接続されている。これら切換スイッチ34a,34b,34c…のスイッチ群46は、時定数切換部39によってオンオフの切り換えが管理されている。なお、切換スイッチ34a、34b,34c…が電圧値設定手段を構成する。
受信回路24には、車両チューナ12が電波受信を開始してからの経過時間Tを計時するタイマ回路44が設けられている。タイマ回路44は、スマート通信又はワイヤレス通信によらず車両チューナ12で電波受信を開始してからの経過時間Tを計時し、その経過時間Tを時定数切換部39に出力する。
時定数切換部39は、タイマ回路44による経過時間Tがスマート通信のアック受信終了相当時間になると、増設コンデンサC2,C3…を、常設コンデンサC1に1つずつ順番に接続していく。よって、電波受信初期時には、常設コンデンサC1のみ利いて、リファレンス電圧Vrefの時定数が小さく設定されていたものが、増設コンデンサがC2,C3…と順に1つずつ増設されていく度に、リファレンス電圧Vrefの時定数が徐々に大きな値に変化する。
さて、車両チューナ12が電波を受信すると、タイマ回路44は受信開始からの経過時間Tの計測を開始する。このとき、リファレンス電圧生成回路33では、常設コンデンサC1のみが有効となっているので、リファレンス電圧Vrefの時定数は小さい値に設定されている。よって、リファレンス電圧Vrefの立ち上がりは高速であるので、受信電波がスマート通信の電波の場合には、この電波を問題なく受信することが可能である。
一方、受信電波がワイヤレス信号Swlの場合、電波受信初期時はリファレンス電圧Vrefの立ち上がりが速いので、ワイヤレス信号Swlを正しく受信できない可能性が高い。しかし、本例の場合は、増設コンデンサC2,C3…が順番に接続されることにより、リファレンス電圧Vrefの立ち上がりが徐々に遅く設定変更され、かつワイヤレス信号Swlは信号途中の一フレームを捕獲できれば受信が成立するので、ワイヤレス信号Swlは初期時に受信できなくとも、一定時間経過後に受信可能となるので何ら問題はない。
また、時定数切換部39は、タイマ回路44による経過時間Tがアック受信終了相当時間になると、まずは最初に増設コンデンサC2の切換スイッチ34aをオンして、増設コンデンサC2を有効にする。これにより、リファレンス電圧Vrefの時定数が抵抗Rと2つのコンデンサC1,C2から決まる値をとる。よって、リファレンス電圧Vrefの時定数が増加し、リファレンス電圧Vrefの立ち上がり速度が遅く設定される。
そして、増設コンデンサC2をオンしてから所定時間後、増設コンデンサC2の切換スイッチ34aをオンしたまま増設コンデンサC3の切換スイッチ34bをオンして、増設コンデンサC3も有効にする。これにより、リファレンス電圧Vre fの時定数が更に増加し、リファレンス電圧Vrefの立ち上がり速度が更に遅くなる。そして、そして、所定時間経過する度に、増設コンデンサC2,C3…を1つずつ順番にオンしていき、時定数を徐々に大きくしていく。
以上により、本例においては、電波受信初期時には、リファレンス電圧Vrefが小さく設定されるので、受信電波がスマート通信の電波であっても、この電波を問題なく受信することが可能となる。また、受信電波がワイヤレス信号Swlの場合には、一定時間後の高い時定数の時点で受信することが可能となるので、ワイヤレス信号Swlも問題なく受信することが可能となる。よって、スマート受信及びワイヤレス受信の両方で受信感度を確保することが可能となる。
本実施形態の構成によれば、前記実施形態の(1),(3),(4)と同様の効果を得ることができるとともに、以下に記載の効果を得ることができる。
(6)第1実施形態に記載の信号線37の省略と、時定数変更をハードウェア回路とすることによる時定数の確実な切換えとを両立することができる。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・第1及び第2実施形態において、時定数変更は、増設コンデンサを順次有効にしていく方式に限定されない。例えば、独立して機能するコンデンサを複数設け、これらコンデンサを選択的に有効状態とすることにより、時定数を切り換えるものでもよい。
・第1実施形態において、信号線37は、独立した1本の線であることに限らず、例えば電源線26と重畳して、これらを1本の線としてもよい。
・第1及び第3実施形態において、切換スイッチ34(34a,34b,34c…)は、例えばトランジスタ等のスイッチング素子やマイクロスイッチ等が使用可能である。
・第1〜第3実施形態において、車両1と電子キー2との通信系統は、スマート通信及びワイヤレスの2系統に限らず、これらに他の通信系統を加えて3系統以上としてもよい。
・第1〜第3実施形態において、第1無線通信及び第2無線通信は、スマート通信及びワイヤレス通信に限定されない。例えば、電子キー2に組み込んだトランスポンダと近距離無線通信によりID照合を行うイモビライザー通信としてもよい。つまり、第1無線通信及び第2無線通信は、どのような通信を採用してもよい。
・第1〜第3実施形態において、通信に使用する周波数は、LFやUHFに限定されず、例えばHF(High Frequency)等の他の帯域を使用してもよい。
・第1〜第3実施形態において、キー操作フリーシステム3は、双方向通信の往路と復路とで周波数が異なることに限定されず、同じとしてもよい。
・第1〜第3実施形態において、通信端末は、電子キー2に限らず、電波を送信できる端末であれば、どのようなものでもよい。
・第1及び第2実施形態において、時定数設定要素は、コンデンサに限らず、例えば抵抗やコイル等を使用してもよい。また、コンデンサ、抵抗、コイルを適宜組み合わせたものでもよい。
・第1〜第3実施形態において、車両チューナ12は、受信機能のみを持つものに限らず、送受信可能な通信機としてもよい。
・第2実施形態において、車両チューナ12が自ら受信動作内容を判断する際の方式は、時間を要素とすることに限定されない。例えば、受信信号Rxの受信強度を判断要素とし、受信強度が所定値をとると、時定数の増加処理が開始されるものでもよい。
・第2実施形態において、時定数増加処理の開始は、アック受信終了相当時刻に限定されず、例えばレスポンス受信終了相当時刻としてもよい。
・第2実施形態において、時定数を増加させる演算式は、式(F)に限定されず、他の式を採用してもよい。
・第2実施形態において、リファレンス電圧設定ソフトウェア43は、他プログラムに上書き可能(変更可能)としてもよい。
・第1〜第3実施形態において、時定数設定装置22は、車両1に使用されることに限らず、他の無線機器や無線装置に応用可能である。
2…通信端末としての電子キー、12…受信機としての車両チューナ、22…リファレンス電圧設定手段としての時定数設定装置、33…リファレンス電圧生成部を構成するリファレンス電圧生成回路、34(34a,34b,34c)…電圧値設定手段を構成する切換スイッチ、36…外部としての切換通知出力部、38…通知入力手段としての通知入力部、39…電圧値設定手段を構成する時定数切換部、41…リファレンス電圧生成部を構成するデジタル式リファレンス電圧設定回路、43…時定数設定要素を構成するリファレンス電圧設定ソフトウェア、44…監視手段としてのタイマ回路、45…電圧値設定手段を構成する時定数設定部、Vref(Vref1,Vref2)…リファレンス電圧、C1,C2,C3,C4…時定数設定要素を構成するコンデンサ、Sk…通知として受信動作実行通知。

Claims (6)

  1. 通信端末から第1無線通信及び第2無線通信のいずれからでも電波を受信し、当該通信端末から受信した受信電波を、リファレンス電圧生成部により生成したリファレンス電圧と比較することにより、前記受信電波を復調する受信機のリファレンス電圧設定装置において、
    前記リファレンス電圧の時定数を、前記第1無線通信及び前記第2無線通信のそれぞれで異なる値に設定するリファレンス電圧設定手段を備えた
    ことを特徴とする受信機のリファレンス電圧設定装置。
  2. 前記リファレンス電圧設定手段は、
    前記リファレンス電圧の時定数設定要素と、
    通信が前記第1無線通信及び前記第2無線通信のどちらであるのかの通知を外部から入力する通知入力手段と、
    前記通知入力手段により得た当該通知を基に前記設定要素の接続を切り換えることにより、前記リファレンス電圧を設定する電圧値設定手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の受信機のリファレンス電圧設定装置。
  3. 前記リファレンス電圧設定手段は、
    前記リファレンス電圧の時定数設定要素と、
    前記受信機の現在状態を監視する監視手段と、
    前記監視手段の監視結果を基に前記設定要素を切り換えることにより、前記受信機に自ら前記リファレンス電圧を設定させる電圧値設定手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の受信機のリファレンス電圧設定装置。
  4. 前記時定数設定要素は、時定数設定用のコンデンサを複数備え、
    前記電圧値設定手段は、複数の前記コンデンサを順に有効としていくことにより、前記リファレンス電圧の時定数を変化させる
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の受信機のリファレンス電圧設定装置。
  5. 前記時定数設定要素は、前記リファレンス電圧の時定数を設定するためのソフトウェアであり、
    前記電圧値設定手段は、前記ソフトウェアによってデジタル式に前記リファレンス電圧を変化させる
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の受信機のリファレンス電圧設定装置。
  6. 前記リファレンス電圧設定手段は、
    前記リファレンス電圧の時定数の設定要素としての複数のコンデンサと、
    前記受信機の現在状態を監視する監視手段と、
    前記監視手段の監視結果を基に複数の前記コンデンサを順に有効としていくことにより、前記受信機に自ら前記リファレンス電圧を設定させる電圧値設定手段と
    を備えたことを要旨とする請求項2又は3に記載の受信機のリファレンス電圧設定装置。
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