JP2011221466A - 電気光学装置の駆動方法、電気光学装置、電気光学装置用の制御回路、電子機器 - Google Patents

電気光学装置の駆動方法、電気光学装置、電気光学装置用の制御回路、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】残像が低減された高画質の表示が得られる電気光学装置の駆動方法を提供する。
【解決手段】電気光学物質を含む画素を複数有する表示部を備えた電気光学装置の駆動方法であって、前記表示部に第1の階調で表示された画像成分を消去する表示消去ステップが、複数の前記画素のうち、前記画像成分を第1の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第1の領域の画素に、前記第1の階調と異なる第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第1の消去ステップと、複数の前記画素のうち、前記画像成分を前記第1の方向と異なる第2の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第2の領域の画素に、前記第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第2の消去ステップと、を含むことを特徴とする駆動方法を採用する。
【選択図】図7

Description

本発明は、電気光学装置の駆動方法、電気光学装置、電気光学装置用の制御回路、電子機器に関するものである。
記憶型の表示素子を備えた電気光学装置の一態様である電気泳動表示装置の駆動方法として、表示部の表示画像を更新する際に、更新前の画像(前画像)の黒表示部分を構成する画素のみを駆動して全面を白表示とすることで画像を消去する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−206267号公報
しかし上記のような駆動方法では、前画像における黒表示部分と白表示部分との境界に残像が発生してしまうという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、残像が低減された高画質の表示が得られる電気光学装置の駆動方法及び電気光学装置を提供することを目的の一つとする。
本発明の電気光学装置の駆動方法は、電気光学物質を含む画素を複数有する表示部を備えた電気光学装置の駆動方法であって、前記表示部に第1の階調で表示された画像成分を消去する表示消去ステップが、複数の前記画素のうち、前記画像成分を第1の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第1の領域の画素に、前記第1の階調と異なる第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第1の消去ステップと、複数の前記画素のうち、前記画像成分を前記第1の方向と異なる第2の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第2の領域の画素に、前記第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第2の消去ステップと、を含むことを特徴とする。
この駆動方法では、表示部に第1の階調で表示されている画像成分を消去する際に、この画像成分から少なくとも1画素ずらした第1の領域に対する消去動作と、第1の方向とは異なる方向に上記画像成分をずらした第2の領域に対する消去動作とを行うので、画像成分の外側の領域に属する画素に対しても消去動作を実行することになる。これにより、画像成分を構成する画素のみを駆動して表示を消去する場合に画像成分の輪郭に沿って発生していた残像を低減することができる。したがって、残像が低減された高画質の表示を得ることができる。
前記第1の消去ステップにおいて、複数の前記画素のうち、前記画像成分を構成する画素と前記第1の領域の画素とに前記駆動電圧を供給し、前記第2の消去ステップにおいて、前記画像成分を構成する画素と前記第2の領域の画素とに前記駆動電圧を供給する駆動方法としてもよい。
この駆動方法によれば、第1の消去ステップと第2の消去ステップの双方において、必ず画像成分を構成する画素を駆動するので、画像成分を構成する画素における電流履歴のバランスが崩れるのを低減でき、電気光学装置の表示品質や信頼性が低下するのを回避することができる。
前記画像成分を構成する画素にのみ前記駆動電圧を供給する第3の消去ステップをさらに有する駆動方法としてもよい。
この駆動方法によれば、画像成分を構成する画素を確実に駆動することができるため、電流履歴のバランスをより確実に維持することができる。
前記表示消去ステップにおけるフレーム周波数は、前記表示部に前記第1の階調を含む画像成分を表示させるときのフレーム周波数よりも高い駆動方法としてもよい。
この駆動方法によれば、第1の消去ステップと第2の消去ステップの実行時間を短くすることができるため、画像成分の周囲に位置する画素に対する消去動作の時間を短くすることができ、これら周囲の画素における電流履歴のバランスが崩れるのを低減することができる。
次に、本発明の電気光学装置は、電気光学物質を含む画素を複数有する表示部と、前記表示部を駆動制御する制御部と、を備えた電気光学装置であって、前記制御部は、前記表示部に第1の階調で表示された画像成分を消去する表示消去動作において、複数の前記画素のうち、前記画像成分を第1の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第1の領域の画素に、前記第1の階調と異なる第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第1の消去動作と、複数の前記画素のうち、前記画像成分を前記第1の方向と異なる第2の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第2の領域の画素に、前記第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第2の消去動作と、を実行することを特徴とする。
この構成では、表示部に第1の階調で表示されている画像成分を消去する際に、この画像成分から少なくとも1画素ずらした第1の領域に対する消去動作と、第1の領域とは異なる方向に上記画像成分をずらした第2の領域に対する消去動作とを行うので、画像成分の外側の領域に属する画素に対しても消去動作を実行することになる。これにより、画像成分を構成する画素のみを駆動して表示を消去する場合に画像成分の輪郭に沿って発生していた残像を低減することができる。したがって、残像が低減された高画質の表示を得ることができる。
前記制御部は、前記第1の消去動作において、複数の前記画素のうち、前記画像成分を構成する画素と前記第1の領域の画素とに前記駆動電圧を供給し、前記第2の消去動作において、前記画像成分を構成する画素と前記第2の領域の画素とに前記駆動電圧を供給する構成としてもよい。
この構成によれば、第1の消去動作と第2の消去動作の双方において、必ず画像成分を構成する画素を駆動するので、画像成分を構成する画素における電流履歴のバランスが崩れるのを低減でき、電気光学装置の表示品質や信頼性が低下するのを回避することができる。
本発明の電気光学装置用の制御回路は、電気光学物質を含む画素を複数有する表示部を備えた電気光学装置に適用される制御回路であって、前記表示部に第1の階調で表示された画像成分を消去する表示消去動作において、複数の前記画素のうち、前記画像成分を第1の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第1の領域の画素に、前記第1の階調と異なる第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第1の消去動作と、複数の前記画素のうち、前記画像成分を前記第1の方向と異なる第2の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第2の領域の画素に、前記第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第2の消去動作と、を実行することを特徴とする。
かかる構成を備えた制御回路は、表示部に第1の階調で表示されている画像成分を消去する際に、この画像成分から少なくとも1画素ずらした第1の領域に対する消去動作と、第1の領域とは異なる方向に上記画像成分をずらした第2の領域に対する消去動作とを行うので、画像成分の外側の領域に属する画素に対しても消去動作を実行することになる。これにより、画像成分を構成する画素のみを駆動して表示を消去する場合に画像成分の輪郭に沿って発生していた残像を低減することができる。したがって、残像が低減された高画質の表示を得ることができる。
前記第1の消去動作において、複数の前記画素のうち、前記画像成分を構成する画素と前記第1の領域の画素とに前記駆動電圧を供給し、前記第2の消去動作において、前記画像成分を構成する画素と前記第2の領域の画素とに前記駆動電圧を供給する構成としてもよい。
この構成によれば、第1の消去動作と第2の消去動作の双方において、必ず画像成分を構成する画素を駆動するので、画像成分を構成する画素における電流履歴のバランスが崩れるのを低減でき、電気光学装置の表示品質や信頼性が低下するのを回避することができる。
本発明の電子機器は、先に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、高品質の表示が可能な表示手段を備えた電子機器を提供することができる。
第1の実施形態に係る電気光学装置の機能ブロック図。 電気光学パネルの回路構成を示す図。 電気泳動素子の動作説明図。 画像信号生成部の機能ブロック図。 画像信号生成部において生成される画像データを示す説明図。 画素データの出力タイミングの比較説明図。 第1実施形態に係る電気光学装置の駆動方法を示すフローチャート。 電気光学パネルの表示部の遷移の様子を画像データとともに示す説明図。 駆動方法の他の例を示すフローチャート。 第2の実施形態に係る画像信号生成部の機能ブロック図。 画像信号生成部において生成される画像データを示す説明図。 第2の実施形態に係る電気光学装置の作用説明図。 電子機器の一例を示す図。 電子機器の一例を示す図。 電子機器の一例を示す図。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の機能ブロック図である。図2は、電気光学パネルの回路構成を示す図である。図3は、電気泳動素子の動作説明図である。
電気光学装置100は、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)102、表示部制御装置110(制御部、制御回路)、記憶装置111、電気光学パネル112、プログラムメモリ113、ワークメモリ114、VY電源161、VX電源162、及び共通電源163を備えている。
CPU102に、表示部制御装置110と、プログラムメモリ113と、ワークメモリ114とが接続されている。表示部制御装置110には、記憶装置111と、電気光学パネル112と、共通電源163とが接続されている。電気光学パネル112には、VY電源161と、VX電源162と、共通電源163とが接続されている。
CPU102は、プログラムメモリ113に格納された基本制御プログラムやアプリケーションプログラム等の各種プログラム及びデータを読み込み、それら各種プログラム及びデータをワークメモリ114内に設けられるワークエリアに展開実行して、電気光学装置100が備える各部の制御を実行する。
例えば、図示略の上位装置から供給される画像データを電気光学パネル112に表示させる場合に、CPU102は、上位装置から入力される制御信号に基づいて電気光学パネル112を制御する命令を生成し、画像データとともに表示部制御装置110に出力する。
プログラムメモリ113は各種プログラムを保持したROM(Read Only Memory)等であり、ワークメモリ114はCPU102の作業領域を構成するRAM(Random Access Memory)である。プログラムメモリ113及びワークメモリ114は、記憶装置111に含まれていてもよい。あるいは、CPU102にプログラムメモリ113やワークメモリ114が内蔵されている構成としてもよい。
表示部制御装置110(制御部、制御回路)は、全体制御部140と、画像データ書込制御部141と、タイミング信号生成部142と、共通電源制御部143と、記憶装置制御部144と、画像データ読出制御部145と、画像信号生成部146と、選択信号生成部147とを有する。
全体制御部140には、画像データ書込制御部141と、タイミング信号生成部142と、共通電源制御部143とが接続されている。画像データ書込制御部141には記憶装置制御部144が接続されている。タイミング信号生成部142には画像データ読出制御部145と画像信号生成部146と選択信号生成部147とが接続されている。共通電源制御部143には共通電源163が接続されている。
表示部制御装置110は、全体制御部140においてCPU102と接続され、画像信号生成部146及び選択信号生成部147において電気光学パネル112と接続され、記憶装置制御部144において記憶装置111と接続されている。
記憶装置111は、いずれもRAMからなる前画像保持部120と次画像保持部121とを備えている。前画像保持部120は電気光学パネル112に表示させた後の画像データ(現在表示されている画像に対応する画像データすなわち前画像)を保持する記憶領域であり、次画像保持部121は電気光学パネル112にこれから表示させる画像データ(更新画像に対応する画像データ)を保持する記憶領域である。
前画像保持部120及び次画像保持部121はいずれも表示部制御装置110の記憶装置制御部144と接続されており、表示部制御装置110は、記憶装置制御部144を介して記憶装置111に対する画像データの読み書きを実行する。
電気光学パネル112は、電気泳動素子やコレステリック液晶素子などの記憶性表示素子を備えた表示部150と、表示部150に接続された走査線駆動回路151及びデータ線駆動回路152と、を備えている。表示部150には共通電源163が接続されている。走査線駆動回路151には、VY電源161と、表示部制御装置110の選択信号生成部147とが接続されている。データ線駆動回路152には、VX電源162と、表示部制御装置110の画像信号生成部146が接続されている。
図2に示すように、電気光学パネル112の表示部150には、図示のX軸方向に延在する複数の走査線G(G1、G2、…、Gm)と、Y軸方向(X軸と直交する方向)に延在する複数のデータ線S(S1、S2、…、Sn)とが形成されている。走査線Gとデータ線Sとの交差部に対応して画素10が形成されている。画素10は、Y軸方向に沿ってm個、X軸方向に沿ってn個のマトリクス状に配列されており、各々の画素10に走査線Gとデータ線Sとが接続されている。また表示部150には、共通電源163から延びる共通電極配線COMと容量線Cとが形成されている。
画素10には、画素スイッチング素子としての選択トランジスタ21と、保持容量22と、画素電極24と、共通電極25と、電気光学物質層26とが形成されている。
選択トランジスタ21はN−MOS(Negative-channel Metal Oxide Semiconductor)TFTで構成されている。選択トランジスタ21のゲートに走査線Gが接続され、ソースにデータ線Sが接続され、ドレインには保持容量22の一方の電極と画素電極24とが接続されている。
保持容量22は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなる。保持容量22の一方の電極は選択トランジスタ21のドレインに接続され、他方の電極は容量線Cに接続されている。保持容量22によって選択トランジスタ21を介して書き込まれた画像信号を一定期間だけ維持することができる。
電気光学物質層26は、電気泳動素子やコレステリック液晶素子、電子粉粒素子などからなる。例えば電気泳動素子としては、電気泳動粒子と分散媒とが封入されたマイクロカプセルを配列したものや、隔壁と基板により区画された空間に電気泳動粒子と分散媒とを封入したものが挙げられる。
走査線駆動回路151は、表示部150に形成された走査線Gと接続されており、各々の走査線Gを介してそれぞれ対応する行の画素10に接続されている。走査線駆動回路151は、図1に示したタイミング信号生成部142から選択信号生成部147を介して供給されるタイミング信号に基づいて、走査線G1、G2、…、Gmの各々に選択信号をパルス状に順次供給し、走査線Gの一本一本を逐次的に選択状態にする。選択状態とは、走査線Gに接続される選択トランジスタ21がオンしている状態である。
データ線駆動回路152は、表示部150に形成されたデータ線Sと接続されており、各々のデータ線Sを介してそれぞれ対応する列の画素10に接続されている。データ線駆動回路152は、タイミング信号生成部142から画像信号生成部146を介して供給されるタイミング信号に基づいて、データ線S1、S2、…、Snに画像信号生成部146で生成された画像信号を供給する。
なお、後述する動作説明では、画像信号はハイレベル電位VH(例えば15V)又はローレベル電位VL(例えば0Vや−15V)の2値的な電位をとるものとしている。また本実施形態では、黒色(第1の表示状態)が表示されるべき画素10に対して画素データ「1」に対応するハイレベルの画像信号(電位VH)が供給され、白色(第2の表示状態)が表示されるべき画素10に対して画素データ「0」に対応するローレベルの画像信号(電位VL)が供給されるものとする。
また、共通電極25には、共通電源163から電位Vcomが供給され、容量線Cには、共通電源163から電位Vssが供給される。
ただし後述する動作説明では、説明の簡単のために、共通電極25の電位Vcomは、ローレベル電位VL(例えば0Vや−15V)、又はハイレベル電位VH(例えば15V)の2値的な電位をとるものとする。また容量線Cの電位Vssは、基準電位GND(例えば0V)に固定されているものとする。
上述したように、本実施形態の電気光学物質層26には種々の構成を適用することができるが、以下の説明では、発明を理解しやすくするために電気光学物質層26が電気泳動素子であるとして説明する。図3は電気泳動素子の動作説明図であり、図3(a)は画素を白表示する場合、図3(b)は画素を黒表示する場合をそれぞれ示している。
図3(a)に示す白表示の場合には、共通電極25が相対的に高電位、画素電極24が相対的に低電位に保持される。これにより、負に帯電した白色粒子27が共通電極25に引き寄せられる一方、正に帯電した黒色粒子28が画素電極24に引き寄せられる。その結果、表示面側となる共通電極25側からこの画素を見ると、白色(W)が認識される。
図3(b)に示す黒表示の場合、共通電極25が相対的に低電位、画素電極24が相対的に高電位に保持される。これにより、正に帯電した黒色粒子28が共通電極25に引き寄せられる一方、負に帯電した白色粒子27が画素電極24に引き寄せられる。その結果、共通電極25側からこの画素を見ると黒色(B)が認識される。
なお、本実施形態では走査線駆動回路151とデータ線駆動回路152とを備えたアクティブマトリクス方式の電気光学パネル112を示したが、電気光学パネル112としては、パッシブマトリクス方式やセグメント駆動方式の電気光学パネルであってもよい。また、他のアクティブマトリクス方式を採用してもよい。例えば、画素毎に選択トランジスタと駆動トランジスタと保持容量とを備え、選択トランジスタのドレイン及び保持容量の一方の電極が駆動トランジスタのゲートに接続されている2T1C(2トランジスタ1キャパシタ)方式を採用してもよい。あるいは、画素毎にラッチ回路を備えたSRAM方式を採用してもよく、ラッチ回路の出力により画素電極と制御線との接続を制御する方式であってもよい。
これらの方式であっても、表示部150の一部の画素10を選択的に駆動することができ、後述する駆動方法を適用して画像表示を行うことができる。
次に、図4は、図1に示した画像信号生成部146(画像信号生成回路)の詳細な構成を示す機能ブロック図である。
画像信号生成部146は、端子T1、T2と、1ライン遅延回路181、182と、画素データ保持部183と、第1選択回路185(第1セレクタ)と、第2選択回路189(第2セレクタ)と、を備えている。
画像信号生成部146には、画像データ読出制御部145から「次画像画素データ」と「前画像画素データ」が入力される。「次画像画素データ」は、図1に示した次画像保持部121に保持された画像データ(次画像データ)を構成する画素データである。「前画像画素データ」は、前画像保持部120に保持された画像データ(前画像データ)を構成する画素データである。
画像データ読出制御部145は、上位装置(全体制御部140)から供給される命令に基づいて、画像信号生成部146に次画像データ又は前画像データを構成する画素データを供給する。
次画像データを供給する場合には、画像データ読出制御部145は、記憶装置制御部144を介して次画像保持部121から次画像データを読み出し、次画像データを構成する画素データを1つずつ逐次的に端子T1に供給する。一方、前画像データを供給する場合には、画像データ読出制御部145は、前画像保持部120から前画像データを読み出し、前画像データを構成する画素データを1つずつ逐次的に端子T2に供給する。
「次画像画素データ」が供給される端子T1は、配線171を介して第2選択回路189の入力端子の1つ(入力1)に接続されている。第2選択回路189は、2入力1出力のセレクタであり、1ビット以上の制御信号の入力により2つの入力信号から1つを選択してデータ線駆動回路152に出力する。
一方、「前画像画素データ」が供給される端子T2は、配線173と接続されている。配線173は、配線173は、画素データ保持部183(データ保持回路190のD入力)と、1ライン遅延回路181の入力端子とに接続されている。
画素データ保持部183は、4個のデータ保持回路190〜193を備えている。各々のデータ保持回路190〜193は、本実施形態ではDフリップフロップである。4個のデータ保持回路のうち、2個のデータ保持回路191、193が直列に接続されている。画素データ保持部183において、3個のデータ保持回路190、191、192のD入力が入力端子(3入力)であり、3個のデータ保持回路190、193、192のそれぞれのQ出力が出力端子(3出力)である。
データ保持回路190〜193はDフリップフロップに限定されず、画素データを一時的に保持できる他の回路を用いてもよい。
1ライン遅延回路181、182は、入力端子を介して供給された画素データを、所定期間(走査線Gの選択周期)だけ保持した後、出力端子から出力する回路である。
配線173を入力端子に接続された1ライン遅延回路181の出力端子は、配線175を介して画素データ保持部183(データ保持回路191のD入力)と、1ライン遅延回路182の入力端子と、第1選択回路185の入力端子の1つ(入力1)とに接続されている。さらに、1ライン遅延回路182の出力端子は、配線176を介して画素データ保持部183(データ保持回路192のD入力)に接続されている。
したがって、1ライン遅延回路182には、1ライン遅延回路181により1ライン分タイミングを遅らされた画素データが入力され、1ライン遅延回路182によりさらに1ライン分タイミングを遅らされた画素データが画素データ保持部183に対して出力されることになる。
第1選択回路185は、4入力1出力のセレクタであり、2ビットの制御信号の入力により4つの入力信号(画像データD1〜D4)から1つを選択して出力する。第1選択回路185の出力端子は、NOT回路186の入力端子に接続され、NOT回路186の出力端子は第2選択回路189の入力端子の1つ(入力2)に接続されている。
第1選択回路185の4つの入力端子(入力1〜入力4)のうち、入力1には、1ライン遅延回路181の出力端子(配線175)が接続されている。入力2には、データ保持回路193のQ出力が接続されている。入力3には、データ保持回路190のQ出力が接続されている。入力4には、データ保持回路192のQ出力が接続されている。
本明細書では、第1選択回路185の入力1〜入力4に入力される画素データにより構成される画像データをそれぞれ画像データD1〜D4と規定する。第1選択回路185は、制御端子SSに入力される制御信号に基づいて入力1〜入力4のいずれかをNOT回路186に出力する。NOT回路186は第1選択回路185から供給された画像データD1〜D4の各画素データを白黒反転(階調値反転)させて第2選択回路189に出力する。
画像信号生成部146の具体的な動作を以下に説明する。
端子T2に入力された「前画像画素データ」は、まず、所定のタイミングで、配線173を介して画素データ保持部183のデータ保持回路190に入力されるとともに、1ライン遅延回路181に入力され保持される。その後、走査線Gの選択周期に相当する期間が経過したタイミングで、1ライン遅延回路181から配線175を介して画素データ保持部183のデータ保持回路191に入力されるとともに、第1選択回路185の入力1に入力され、また1ライン遅延回路182に入力され保持される。さらにその後、走査線Gの選択周期に相当する期間が経過したタイミングで、1ライン遅延回路182から配線176を介して画素データ保持部183のデータ保持回路192に入力される。以上の動作により、画素データ保持部183の3つの入力端子に、前画像データの同一列に属する連続した3画素の画素データが入力される。
画素データ保持部183では、各行のデータ保持回路のうち、第2行のデータ保持回路191にのみデータ保持回路193が接続されており、他の2つのデータ保持回路190、192のQ出力はそのまま画素データ保持部183の出力となる。したがって、データ保持回路190、191、192に入力された画素データのうち、データ保持回路190、192に入力された画素データは、次のクロックに同期して、第1選択回路185の入力3、入力4に出力される。一方、データ保持回路191に入力された画素データは、上記の次クロックに同期して1段後のデータ保持回路193に転送され、その次のクロックに同期して第1選択回路185の入力2に出力される。
ここで図5は、画像信号生成部146において生成される画像データD1〜D4を、元の画像データD0(次画像データ)とともに示す説明図である。図5に示す画像データのデータ開始位置は左上端であり、表示部150に対応させて所定数の画素(25画素)ごとに改行した状態で示されている。
図6は、画像データD0〜D4を構成する画素データの出力タイミングの比較説明に用いる図であり、図6(a)は、画素データの配列状態を示す説明図、図6(b)は画素データの出力タイミングを示すタイミングチャートである。
図5(a)は、元の画像データD0(次画像データ)を示す図である。画像データD0は、25画素×25画素の正方形の領域の中央に黒色の正方形の図形F(画像成分)が描かれた画像データである。画像データD0は、第1選択回路185への画素データ入力のタイミングにおいて、データ保持回路191のQ出力から出力される画素データにより構成される画像データである。
図6(b)に示すタイミングチャートは、データ保持回路191のQ出力から画像データD0を構成する画素データが出力されるタイミングを基準としており、クロックSCLKに同期して、図6(a)に斜線を付して示す2行目の128個の画素データ(画素データp10〜p1127)が順次出力される場合が示されている。
図5(b)に示す画像データD1は、1ライン遅延回路181から第1選択回路185の入力1に供給される画素データにより構成される画像データである。画像データD1を構成する画素データは、画像データD0を構成する画素データに対して1クロック分(データ保持回路191を通過する時間)だけ早いタイミングで第1選択回路185へ入力される。すなわち、第1選択回路185の入力1には、図6(b)の「D1」に示すように、画像データD0の画素データp10がデータ保持回路191から出力されるタイミングで、次の画素データp11が入力される。そのため画像データD1は、画像データD0に対して図形Fが1画素分左側へずれた画像となる。
図5(c)に示す画像データD2は、1ライン遅延回路181からデータ保持回路191,193を経由して第1選択回路185の入力2に供給される画素データにより構成される画像データである。画像データD2を構成する画素データは、画像データD0を構成する画素データに対して1クロック分(データ保持回路193を通過する時間)だけ遅いタイミングで第1選択回路185へ入力される。すなわち、第1選択回路185の入力2には、図6(b)の「D2」に示すように、画像データD0の画素データp10、P11、…がデータ保持回路191から出力されるタイミングで、画素データpDMY、P10、…が入力される。そのため画像データD2は、画像データD0に対して図形Fが1画素分右側へずれた画像となる。なお、pDMYは画像データD0において存在しない位置の画素データを出力する場合に用いられるダミーデータである。pDMYとしては、画素10を駆動しない場合に対応する値の画素データが用いられる。
図5(d)に示す画像データD3は、端子T2からデータ保持回路190を介して第1選択回路185の入力3に供給される画素データにより構成される画像データである。画像データD3を構成する画素データは、画像データD0を構成する画素データに対して、1ライン分(1ライン遅延回路181を通過する時間)だけ早いタイミングで第1選択回路185へ入力される。すなわち、第1選択回路185の入力3には、図6(b)の「D3」に示すように、画像データD0の画素データp10、P11、…がデータ保持回路191から出力されるタイミングで、画素データp00、P01、…が入力される。そのため画像データD3は、画像データD0に対して図形Fが1画素分上側へずれた画像となる。
図5(e)に示す画像データD4は、1ライン遅延回路182からデータ保持回路192を経由して第1選択回路185の入力4に供給される画素データにより構成される画像データである。画像データD4を構成する画素データは、画像データD0を構成する画素データに対して1ライン分(1ライン遅延回路182を通過する時間)だけ遅いタイミングで第1選択回路185へ入力される。すなわち、第1選択回路185の入力4には、図6(b)の「D4」に示すように、画像データD0の画素データp10、P11、…がデータ保持回路191から出力されるタイミングで、画素データp20、p21、…が入力される。そのため画像データD4は、画像データD0に対して図形Fが1画素分下側へずれた画像となる。
画像信号生成部146は、第1選択回路185及び第2選択回路189に入力する制御信号の設定により、第2選択回路189からデータ線駆動回路152に対して、画像データD1〜D4の1つに対応する反転画像の画素データを同じタイミングで選択出力することができる。
なお、本実施形態では、画像データD1〜D4を、画像データD0を左右上下のいずれかの方向に1画素ずらした画像としたが、2画素以上ずらしてもよいのはもちろんである。また、左右上下のうちの一方向ではなく、斜め方向にずらしてもよい。例えば、画像データD0を左方向に1画素、及び上方向に1画素ずらした画像を画像データD1とし、画像データD0を右方向に1画素、及び下方向に1画素ずらした画像を画像データD2とすることもできる。
[駆動方法]
次に、電気光学装置100の駆動方法について、図7及び図8を参照しつつ説明する。
図7は、第1実施形態の駆動方法を示すフローチャートであり、図8は、電気光学パネルの表示部の遷移の様子を、図7の各ステップで用いる画像データとともに示した説明図である。
図7に示すフローチャートは、電気光学装置100の表示画像を更新する際の一連のフローを示したものであり、表示消去ステップS101と、画像表示ステップS102とを含む。本実施形態に係る表示消去ステップS101は、第1の消去ステップST11と、第2の消去ステップST12と、第3の消去ステップST13と、第4の消去ステップST14とからなる。
図8(a)の上段は、図7に示す各ステップを実行する前の表示部150の状態を示す図である。領域R0の画素によって黒色(第1の階調)が表示され、領域R0以外の画素によって白色(第2の階調)が表示されている。図8(b)〜(e)、図8(f)の上段は、それぞれ、ステップS101、S102の実行結果に対応する表示部150の表示状態を示す図である。
図8(a)の下段は、上段に示す画像の表示に用いた画像データD0(前画像データ)を示す図である。図8(b)〜(e)の下段は、ステップS101における消去範囲を規定する画像データ(画像データD1〜D4の反転画像データD1b〜D4b)を示したものである。図8(f)の下段は、ステップS102で用いる画像データD5を示す図である。
本実施形態の駆動方法では、表示消去ステップS101(第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14)を実行することで、図8(a)に示す状態の表示部150から黒色(第1の階調)の矩形の画像を消去して全面を白色(第2の階調)の表示とする。その後、画像表示ステップS102を実行することで、図8(f)に示す黒色の帯状の画像を表示部150に表示させる。
本実施形態の駆動方法により電気光学パネル112の表示を更新する場合に、まず、CPU102は、表示部制御装置110に対して、次に表示させる画像データ(次画像データ)を含むパネル駆動要求を送信する。
パネル駆動要求を受信した表示部制御装置110の全体制御部140は、受信した次画像データ(図8(f)に示す画像データD5)を画像データ書込制御部141に出力する。画像データ書込制御部141は、受信した画像データを、記憶装置制御部144を介して記憶装置111の次画像保持部121に記憶させる。このとき、前画像保持部120には、図8(a)に対応する画像データD0が保持されている。その後、全体制御部140によって、予め設定された駆動シーケンスであるステップS101、S102が順次実行される。
<表示消去ステップS101>
全体制御部140は、パネル駆動要求に基づいて、表示消去ステップS101を構成する第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14を実行する。
表示消去ステップS101では、前画像の反転消去動作が4フレーム(第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14)にわたって実行される。より詳しくは、第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14のそれぞれにおいて、前画像データから異なる画像データD1〜D4の反転画像データD1b〜D4bが生成され、かかる反転画像データD1b〜D4bに基づく画像を電気光学パネル112の表示部150に対して表示させる動作が実行される。第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14は1フレームずつ実行され、これらを合計した4フレームが表示消去ステップS101の実行期間となる。
なお、図7に示す「反転消去1」〜「反転消去4」は、下記表1に示すように、使用される画像データの差異に対応させて消去方法の名称を記載したものである。
[第1の消去ステップST11]
全体制御部140はまず、第1の消去ステップST11を実行するための命令を、タイミング信号生成部142及び共通電源制御部143に出力する。
タイミング信号生成部142は、画像データ読出制御部145に対して、第1の消去ステップST11で用いる前画像データを記憶装置111の前画像保持部120から読み出させる命令を出力する。画像データ読出制御部145は、記憶装置制御部144を介して前画像保持部120から前画像データを取得し、取得した前画像データを1画素分ずつ画像信号生成部146に出力する。
画像信号生成部146は、タイミング信号生成部142を介して入力された制御信号により、画像データD1の反転画像データD1b(図8(b)下段)を出力するモードに設定される。すなわち、第1選択回路185の制御端子SSに対して入力1(1ライン遅延回路181と接続された端子)を選択する制御信号が入力されるとともに、第2選択回路189の制御端子SSに対して入力2(NOT回路186と接続された端子)を選択する制御信号が入力される。
これにより、画像データ読出制御部145から端子T2を介して画像信号生成部146に入力された画素データは、1ライン遅延回路181の作用により画像データD1を構成する画素データに変換されて第1選択回路185に入力され、第1選択回路185からNOT回路186に出力される。NOT回路186に入力された画素データは、その後、NOT回路186により反転画像データD1bを構成する画素データに変換されて第2選択回路189に入力され、第2選択回路189からデータ線駆動回路152に出力される。
上記の動作により、第2選択回路189から、前画像データ(画像データD0)を1画素分だけ図示左方向(第1の方向)へずらした画像データD1の反転画像データD1bに対応する画像信号が出力される。画像信号生成部146は、上記の画像信号をタイミング信号とともにデータ線駆動回路152に出力する。
本実施形態に係る第1の消去ステップST11では、表示部150を構成する画素10のうち、図8(b)に示す領域R1(第1の領域)に属する画素10にのみ白を書き込む。そのためには、図8(b)に示す反転画像データD1bのうち、領域B1(白色で示した画素データ「0」)に対応する画素10に、画像信号としてローレベル電位VL(例えば−15V)が入力される。一方、黒色で示した画素データ「1」に対応する画素10には、画像信号として、基準電位GND(例えば0V)が入力される。
選択信号生成部147は、タイミング信号生成部142の制御のもと、画像表示に必要な選択信号を生成し、タイミング信号とともに走査線駆動回路151に出力する。また、共通電源制御部143は、共通電源163に対して、共通電極25に基準電位GND(例えば0V)を供給する命令を出力する。
そして、電気光学パネル112では、選択信号を入力された走査線駆動回路151と画像信号を入力されたデータ線駆動回路152とによって、画素10の画素電極24に、反転画像データD1bに基づく画像信号(ローレベル電位VL又は基準電位GND)が入力される。また、共通電極25には基準電位GNDが入力される。
これにより、図8(b)に示す領域R1に属する画素10において、画素電極24がローレベル電位VLとされることで、共通電極25(基準電位GND)に対して相対的に低電位となり、電気光学物質層26(電気泳動素子)が白表示動作する(図3(a)参照)。すなわち、領域R1に属する画素10に白が書き込まれる。一方、領域R1以外の画素10では、画素電極24に基準電位GNDが入力され、共通電極25と同電位となるので、電気光学物質層26は駆動されない。すなわち、領域R1以外の画素10は駆動されず、表示状態は変化しない。
上記の動作により、図8(a)に示した領域R0から1画素分左にずれた領域R1に白が書き込まれる。ただし、領域R0のうち領域R1と重ならない部分は、黒表示のままである。また、領域R0のうち領域R1と重なる部分において、表示状態が完全に黒色から白色に変化せず、灰色になる場合もあるが、本明細書ではこのような場合も、白を書き込む、と表現する。つまり、白色の表示状態に近づくように画素10を動作させていれば足り、表示状態が白色となるまで画素10を動作させることまでは要しない。
[第2の消去ステップST12]
次に、全体制御部140は、第2の消去ステップST12を実行する。
第2の消去ステップST12において、画像信号生成部146は、タイミング信号生成部142を介して入力された制御信号により、画像データD2の反転画像データD2b(図8(c)下段)を出力するモードに設定される。すなわち、第1選択回路185の制御端子SSに対して入力2(データ保持回路193と接続された端子)を選択する制御信号が入力されるとともに、第2選択回路189の制御端子SSに対して入力2(NOT回路186と接続された端子)を選択する制御信号が入力される。
これにより、画像データ読出制御部145から端子T2を介して画像信号生成部146に入力された画素データは、1ライン遅延回路181、及びデータ保持回路191、193の作用により画像データD2を構成する画素データに変換されて第1選択回路185に入力され、第1選択回路185からNOT回路186に出力される。NOT回路186に入力された画素データは、その後、NOT回路186により反転画像データD2bを構成する画素データに変換されて第2選択回路189に入力され、第2選択回路189からデータ線駆動回路152に出力される。
上記の動作により、第2選択回路189から、前画像データ(画像データD0)を1画素分だけ図示右方向(第2の方向)にずらした画像データD2の反転画像データD2bに対応する画像信号が出力される。画像信号生成部146は、上記の画像信号をタイミング信号とともにデータ線駆動回路152に出力する。
第2の消去ステップST12では、表示部150を構成する画素10のうち、図8(c)に示す領域R2(第2の領域)に属する画素10のみに白を書き込む。これにより、第1の消去ステップST11で白を書き込まれなかった画素にも白が書き込まれる。そのためには、図8(c)に示す反転画像データD2bのうち、領域B2(白色で示した画素データ「0」)に対応する画素10に、画像信号としてローレベル電位VL(例えば−15V)が入力される。一方、黒色で示した画素データ「1」に対応する画素10には、画像信号として、基準電位GND(例えば0V)が入力される。
選択信号生成部147及び共通電源制御部143の動作は第1の消去ステップST11と同様である。
そして、電気光学パネル112では、選択信号を入力された走査線駆動回路151と画像信号を入力されたデータ線駆動回路152とによって、画素10の画素電極24に、反転画像データD2bに基づく画像信号(ローレベル電位VL又は基準電位GND)が入力される。また、共通電極25には基準電位GNDが入力される。
これにより、図8(c)に示す領域R2に属する画素10に白が書き込まれるため、第1の消去ステップST11で白を書き込まれなかった画素、すなわち図8(a)に示した領域R0のうち領域R1と重ならない部分の画素にも白が書き込まれる。また、第1の消去ステップST11において領域R0のうち領域R1と重なる部分を完全に消去できなかった場合には、その領域の表示状態がさらに白色に近づく。一方、領域R2以外の画素10の表示は変化しない。
[第3の消去ステップST13]
次に、全体制御部140は、第3の消去ステップST13を実行する。
第3の消去ステップST13において、画像信号生成部146は、タイミング信号生成部142を介して入力された制御信号により、画像データD3の反転画像データD3b(図8(d)下段)を出力するモードに設定される。すなわち、第1選択回路185の制御端子SSに対して入力3(データ保持回路190と接続された端子)を選択する制御信号が入力されるとともに、第2選択回路189の制御端子SSに対して入力2(NOT回路186と接続された端子)を選択する制御信号が入力される。
これにより、画像データ読出制御部145から端子T2を介して画像信号生成部146に入力された画素データは、データ保持回路190の作用により画像データD3を構成する画素データに変換されて第1選択回路185に入力され、第1選択回路185からNOT回路186に出力される。NOT回路186に入力された画素データは、その後、NOT回路186により反転画像データD3bを構成する画素データに変換されて第2選択回路189に入力され、第2選択回路189からデータ線駆動回路152に出力される。
上記の動作により、第2選択回路189から、前画像データ(画像データD0)を1画素分だけ図示上方向(第3の方向)にずらした画像データD3の反転画像データD3bに対応する画像信号が出力される。画像信号生成部146は、上記の画像信号をタイミング信号とともにデータ線駆動回路152に出力する。
第3の消去ステップST13では、表示部150を構成する画素10のうち、図8(d)に示す領域R3(第3の領域)に属する画素10のみに白を書き込む。そのためには、図8(d)に示す反転画像データD3bのうち、領域B3(白色で示した画素データ「0」)に対応する画素10に、画像信号としてローレベル電位VL(例えば−15V)が入力される。一方、黒色で示した画素データ「1」に対応する画素10には、画像信号として、基準電位GND(例えば0V)が入力される。
選択信号生成部147及び共通電源制御部143の動作は第1の消去ステップST11と同様である。
そして、電気光学パネル112では、選択信号を入力された走査線駆動回路151と画像信号を入力されたデータ線駆動回路152とによって、画素10の画素電極24に、反転画像データD3bに基づく画像信号(ローレベル電位VL又は基準電位GND)が入力される。また、共通電極25には基準電位GNDが入力される。
これにより、図8(d)に示す領域R3に属する画素10に白が書き込まれる。一方、領域R3以外の画素10の表示は変化しない。
[第4の消去ステップST14]
次に、全体制御部140は、第4の消去ステップST14を実行する。
第4の消去ステップST14において、画像信号生成部146は、タイミング信号生成部142を介して入力された制御信号により、画像データD4の反転画像データD4b(図8(e)下段)を出力するモードに設定される。すなわち、第1選択回路185の制御端子SSに対して入力4(データ保持回路192と接続された端子)を選択する制御信号が入力されるとともに、第2選択回路189の制御端子SSに対して入力2(NOT回路186と接続された端子)を選択する制御信号が入力される。
これにより、画像データ読出制御部145から端子T2を介して画像信号生成部146に入力された画素データは、データ保持回路190の作用により画像データD4を構成する画素データに変換されて第1選択回路185に入力され、第1選択回路185からNOT回路186に出力される。NOT回路186に入力された画素データは、その後、NOT回路186により反転画像データD4bを構成する画素データに変換されて第2選択回路189に入力され、第2選択回路189からデータ線駆動回路152に出力される。
上記の動作により、第2選択回路189から、前画像データ(画像データD0)を1画素分だけ下方向(第4の方向)にずらした画像データD4の反転画像データD4bに対応する画像信号が出力される。画像信号生成部146は、上記の画像信号をタイミング信号とともにデータ線駆動回路152に出力する。
第4の消去ステップST14では、表示部150を構成する画素10のうち、図8(e)に示す領域R4(第4の領域)に属する画素10のみに白を書き込む。そのためには、図8(e)に示す反転画像データD4bのうち、領域B4(白色で示した画素データ「0」)に対応する画素10に、画像信号としてローレベル電位VL(例えば−15V)が入力される。一方、黒色で示した画素データ「1」に対応する画素10には、画像信号として、基準電位GND(例えば0V)が入力される。
選択信号生成部147及び共通電源制御部143の動作は第1の消去ステップST11と同様である。
そして、電気光学パネル112では、選択信号を入力された走査線駆動回路151と画像信号を入力されたデータ線駆動回路152とによって、画素10の画素電極24に、反転画像データD3bに基づく画像信号(ローレベル電位VL又は基準電位GND)が入力される。また、共通電極25には基準電位GNDが入力される。
これにより、図8(e)に示す領域R4に属する画素10に白が書き込まれる。一方、領域R2以外の画素10の表示は変化しない。
以上の表示消去ステップS101により、表示部150の領域R0を含む領域が白表示となり、図8(e)に示すように、表示部150の全面がほぼ均一な白表示状態となる。
<画像表示ステップS102>
表示消去ステップS101により表示部150の全面が白表示されたならば、画像表示ステップS102が実行される。
画像表示ステップS102は、新たな画像(次画像)を表示部150に表示させるステップであり、本実施形態の場合、次画像表示動作が4回(4フレーム)繰り返し実行される。
まず、全体制御部140は、画像表示ステップS102を実行するための命令を、タイミング信号生成部142及び共通電源制御部143に出力する。
タイミング信号生成部142は、画像データ読出制御部145に対して、画像表示ステップS102で用いる次画像データを記憶装置111の次画像保持部121から読み出させる命令を出力する。画像データ読出制御部145は、記憶装置制御部144を介して次画像保持部121から次画像データ(図8(f)に示す画像データD5)を取得し、取得した次画像データを1画素分ずつ画像信号生成部146に出力する。
画像信号生成部146は、タイミング信号生成部142を介して入力された制御信号により、次画像を出力するモードに設定される。すなわち、第2選択回路189の制御端子SSに対して、入力1(配線171と接続された端子)を選択する制御信号が入力される。
上記の動作により、第2選択回路189から、図8(f)に示す画像データD5に対応する画像信号が出力される。画像データD5は、白色の背景に上下方向に延びる黒色の帯(領域B5)が描かれたものである。白色の背景に対応する領域に画素データ「0」が配置され、領域B5に画素データ「1」が配置されている。画像信号生成部146は、上記の画像信号をタイミング信号とともにデータ線駆動回路152に出力する。
本実施形態に係る画像表示ステップS102では、図8(f)に示す画像データD5のうち、領域B5(黒色で示した画素データ「1」)に対応する画素10には、画像信号として、ハイレベル電位VH(例えば15V)が入力される。一方、それ以外の白色で示した画素データ「0」に対応する画素10には、画像信号として、基準電位GND(例えば0V)が入力される。
選択信号生成部147は、タイミング信号生成部142の制御のもと、画像表示に必要な選択信号を生成し、タイミング信号とともに走査線駆動回路151に出力する。
共通電源制御部143は、共通電源163に対して、共通電極25に基準電位GND(例えば0V)を供給する命令を出力する。
そして、電気光学パネル112では、選択信号を入力された走査線駆動回路151と画像信号を入力されたデータ線駆動回路152とによって、画素10の画素電極24に、前画像の反転画像に基づく画像信号(ハイレベル電位VH又は基準電位GND)が入力される。また、共通電極25には基準電位GNDが入力される。これにより、表示部150の中央部に黒色の帯状の領域R5が描画される。
画像表示ステップS102では、上記した電気光学パネル112への次画像表示動作が、4回(4フレーム)繰り返して実行される。これにより、電気光学物質層26の駆動時間を長くし、所望のコントラストの表示を得ることができる。
以上のステップS101、S102により、表示部150の表示画像が更新される。
以上に詳細に説明した第1実施形態の電気光学装置100及びその駆動方法では、表示部150の黒色の画像成分(例えば図8(a)に示す領域R0)を消去する際に、領域R0を左右上下に1画素分ずらした領域R1〜R4の画素10を駆動して消去を行う。これにより、領域R0に属する画素10のみを駆動して画像の消去を行った場合に領域R0の輪郭に沿って生じていた残像を低減することができる。
さらに詳細に説明すると、図8(b)に示した第1の消去ステップST11では、領域R1を消去範囲としている。領域R1は、領域R0の図示左側の端縁R0aを内包しているため、端縁R0aを挟んで配置された2つの画素10に少なくとも白を書き込むことができる。これにより、領域R0の内側の画素10のみを駆動した場合に生じていた残像を低減することができる。
同様に、第2の消去ステップST12では、領域R0の図示右側の端縁R0bを内包する領域R2を消去範囲に設定しているため、端縁R0bにおいて残像が生じるのを低減することができる。また、第3の消去ステップST13では、領域R0の図示上側の端縁R0cにおいて残像が生じるのを低減し、第4の消去ステップST14では、領域R0の図示下側の端縁R0dにおいて残像が生じるのを低減することができる。以上により、領域R0を取り囲む端縁R0a〜R0dの全てで残像を低減することができ、高品質の表示を得ることができる。
また本実施形態の電気光学装置100及びその駆動方法では、第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14を、1フレームずつ実行している。これにより、電気光学物質層26における電流バランスが崩れるのを低減し、電気光学物質層26の信頼性が低下するのを抑えることができる。以下、かかる作用効果について詳細に説明する。
第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14では、図8(a)に示した領域R0の外側に位置する画素10(以下「周囲画素」と称する場合もある。)に白を書き込むが、これらの周囲画素は、元々白表示されていた画素である。そのため、これらの周囲画素に対して、画像表示ステップS102と同様の4フレームにわたって白を書き込むための電圧を印加すると、領域R0の周囲に他の領域よりも白く表示された領域が形成され、その領域が残像のように視認されてしまう。
また、上記の周囲画素には、黒を書き込むための電圧を印加することなく白を書き込むための電圧を印加することになるため、電気光学物質層26の電流履歴のバランスが崩れ、電気光学物質層26の寿命を短縮させたり、電気光学パネル112の信頼性を低下させるおそれがある。
そこで、本実施形態に係る表示消去ステップS101では、周囲画素を駆動する時間を可能な限り短くするために、第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14を各々1フレームのみ実行することにした。領域R0の輪郭に沿って生じる残像は灰色であり、領域R0において表示されている黒よりも薄い色である。したがって、たとえば黒色から白色に書き換えるために4フレームにわたって駆動しなければならない場合であっても、上記の過書き込みや電流バランスの問題を回避しつつ、1フレームの駆動で輪郭の残像を視認されにくくすることができる。
上記では、第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14を1フレームずつ実行することで電気光学物質層26の電流履歴のバランスを維持するようにしたが、電流履歴のバランスへの影響をさらに小さくするには、フレーム数では調整することができない。そこで、図9に示すように、表示消去ステップS101aと、選択消去ステップS101bと、画像表示ステップS102とを順次実行することとしてもよい。
図9に示す選択消去ステップS101aは図7に示す選択消去ステップS101と同じであるため、説明を省略する。図9に示す選択消去ステップS101bでは、画像データD0の反転画像データを用いて表示の消去を行う動作(「反転消去0」と表記している。)を、4フレームにわたって実行する。すなわち、図8(a)に示した領域R0の画素10のみに白を書き込み、表示部150の全面を白表示に移行させる。
そして、図9に示す表示消去ステップS101a及び選択消去ステップS101bでは、画像表示ステップS102に対してフレーム周波数が例えば2倍に設定される。
上記の駆動方法によれば、第1の消去ステップST11a〜第4の消去ステップST14aにおける画素10の選択期間が、図7に示した第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14の1/2になるため、電気光学物質層26を駆動する時間も短くなる。これにより、領域R0の外側に位置する周囲画素の駆動時間を短くすることができ、電流履歴のバランスをより良好に維持することができる。
一方、表示消去ステップS101aのフレーム周波数を上昇させると、領域R0に属する画素10の駆動時間も短くなるため、領域R0の消去が不十分になる虞がある。そこで、選択消去ステップS101bをさらに設け、領域R0にのみ白を書き込んで消去することで、図7に示した表示消去ステップS101と同等の消去状態を得られるようにしている。
また本実施形態では、表示消去ステップS101を、第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14の4ステップで構成したが、2ステップや3ステップで構成することもできる。
図8に示したように、第1の消去ステップST11と第2の消去ステップST12とを実行すれば、表示部150の全面をほぼ白表示に移行させることができる。したがって、領域R1の図示上側の端縁R0cや図示下側の端縁R0dにおいて残像が生じにくい場合などには、表示消去ステップS101を第1の消去ステップST11および第2の消去ステップST12の2ステップで構成することが可能である。
あるいは、第1の消去ステップST11において、図8(b)及び図8(d)に示す消去動作を同時に実行し、第2の消去ステップST12において、図8(c)及び図8(e)に示す消去動作を同時に実行してもよい。この場合、第1の消去ステップST11において、画像データD0を左方向及び上方向にそれぞれ1画素分ずらした画像データの反転画像データを用いて消去を行い、第2の消去ステップST12において、画像データD0を右方向及び下方向にそれぞれ1画素分ずらした画像データの反転画像データを用いて消去を行えばよい。
また本実施形態では、第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14において、前画像の画像データD0を左右上下に1画素分だけずらした画像データD1〜D4を生成することとしたが、画像データD0に対して2画素分以上ずらして画像データD1〜D4を生成してもよい。画素の大きさが残像の幅よりも小さい場合などは、画像データD0に対して2画素分以上ずらして画像データD1〜D4を生成したほうが、効果的に残像を低減することができる。
また本実施形態では、消去動作時に画像データD1〜D4を生成する手段を備えた表示部制御装置110を具備する場合について説明したが、これらの画像データD1〜D4の反転画像データD1b〜D4bを外部で作製する構成としてもよい。例えば、パーソナルコンピューターなどの上位装置において予め反転画像データD1b〜D4bを生成しておき、画像データD0とともに電気光学装置100に転送するようにしてもよい。あるいは、CPU102による画像処理によって反転画像データD1b〜D4bを生成する構成としてもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図10から図12を参照して説明する。
図10は、第2実施形態の電気光学装置に備えられた画像信号生成部246を示す図である。図11は、画像信号生成部246において生成される画像データD1A〜D4Aを示す説明図である。図12は、第2実施形態に係る電気光学装置の作用説明図である。
図10に示す画像信号生成部246は、画像データ読出制御部145と接続される端子T1、T2と、1ライン遅延回路181、182と、画素データ保持部283と、OR回路211〜214と、第1選択回路185と、NOT回路186と、第2選択回路189と、を備えている。
画素データ保持部283は、4つのデータ保持回路290〜293を有する。データ保持回路290〜293はいずれもDフリップフロップであり、これらのうちデータ保持回路290とデータ保持回路293とが直列に接続されている。画素データ保持部283において、3つのデータ保持回路290、291、292のD入力が入力端子とされ、データ保持回路293、291、292のQ出力が出力端子とされている。
端子T2は、配線174を介して1ライン遅延回路181と、データ保持回路291のD入力とに接続されている。1ライン遅延回路181の出力端子は、配線175を介してデータ保持回路290のD入力と、OR回路212の第2入力端子と、1ライン遅延回路182の入力端子とに接続されている。1ライン遅延回路182の出力端子は、データ保持回路292のD入力に接続されている。
OR回路211〜214は、画素データ保持部283と第1選択回路185との間に設けられており、OR回路211〜214の第1入力端子は、データ保持回路290のQ出力(データ保持回路293のD入力)に配線177を介して接続されている。
OR回路211の第2入力端子はデータ保持回路293のQ出力に接続され、出力端子は第1選択回路185の入力端子(入力1)に接続されている。
OR回路212の第2入力端子は配線175を介して1ライン遅延回路181の出力端子に接続され、出力端子は第1選択回路185の入力端子(入力2)に接続されている。
OR回路213の第2入力端子はデータ保持回路291のQ出力に接続され、出力端子は第1選択回路185の入力端子(入力3)に接続されている。
OR回路214の第2入力端子はデータ保持回路292のQ出力に接続され、出力端子は第1選択回路185の入力端子(入力4)に接続されている。
上記構成を備えた画像信号生成部246において、端子T2に入力された「前画像画素データ」は、データ保持回路291と、1ライン遅延回路181とに入力される。また、1ライン遅延回路181に保持された画素データは、走査線Gの選択期間に相当する期間保持された後、データ保持回路290と1ライン遅延回路182とに出力される。さらに、1ライン遅延回路182に保持された画素データは、走査線Gの選択期間に相当する期間保持された後、データ保持回路292に出力される。
上記の動作により、画素データ保持部283の3つの入力端子には、前画像データにおいて同一列に属するとともに行方向に連続した3個の画素データが同時に入力される。
画素データ保持部283は、4つの出力端子を有している。データ保持回路290のQ出力と接続された出力端子から画像データD0(前画像データ)を構成する画素データが出力され、OR回路211〜214に入力される。
データ保持回路293のQ出力と接続された出力端子から画像データD1を構成する画素データが出力され、OR回路211に入力される。データ保持回路291のQ出力と接続された出力端子から画像データD3を構成する画素データが出力され、OR回路213に入力される。データ保持回路292のQ出力と接続された出力端子から画像データD4を構成する画素データが出力され、OR回路214に入力される。
一方、画像データD2を構成する画素データは、1ライン遅延回路181の出力端子から出力され、OR回路212に入力される。
OR回路211〜214は、画像データD0と、画像データD1〜D4との論理和を出力する。OR回路211〜214から出力される画素データは、図11に示す画像データD1A〜D4Aを構成するものである。画像データD1A〜D4Aには、それぞれ、画像データD0の図形Fを左右上下のいずれか一方向に1画素分拡張した図形F1〜F4が描かれている。
なお、画像信号生成部246から出力される画像データは、NOT回路186により画像データD1A〜D4Aを白黒反転(階調値を反転)させた反転画像データである。
以上の画像信号生成部246を備えた本実施形態の電気光学装置では、第1実施形態と同様の駆動方法を用いて表示部150の表示画像を更新することができる。すなわち、図7に示した表示消去ステップS101(第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14)と、画像表示ステップS102とを順に実行することで、図8(a)に示す領域R0(黒色の図形)を選択的に消去することで表示部150を全面白表示させ、図8(f)に示す黒色の帯状の図形を表示部150に表示させることができる。
上記構成を備えた第2実施形態の電気光学装置及びその駆動方法では、表示消去ステップS101を構成する第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14において、図11に示した画像データD1A〜D4Aの反転画像データを用いて画像の選択的な消去が行われる。これにより、画素10における電流履歴のバランスを維持しつつ、残像のない高品質の表示を得ることができる。かかる作用効果について、以下に図12を参照しつつ説明する。
図12(a)は、第1実施形態に係る電気光学装置100の駆動方法を実行した場合に、表示消去ステップS101で実行される消去回数の表示部150上の分布Reを示す図である。図12(b)は、第2実施形態の場合における消去回数の分布ReAを示す図である。図12(a)及び図12(b)において、点線で示した正方形の領域が画像データD0に対応する領域R0である。ここで、消去回数は、ある領域において実行された消去操作の回数、つまり白が書き込まれた回数、を意味する。
図12(a)に示すように、第1実施形態に係る駆動方法では、画像データD0を左右上下に1画素分ずらした画像データD1〜D4の反転画像データを用いて消去を行うので、領域R0の輪郭のすぐ内側の画素において消去回数が少なくなる。例えば、第1の消去ステップST11では、図示左側の領域R11が消去範囲に含まれる一方で、領域R0右端の領域R23、R33、R24が消去範囲に含まれない。第2の消去ステップST12〜第4の消去ステップST14でも同様に領域R0の輪郭の一部が消去範囲から外れてしまう。
これにより、領域R0の中央のR10では4回の消去動作が実行されるのに対して、領域R0の輪郭の角部(領域R21〜R24)では消去動作は2回、輪郭の辺部(領域R31〜R34)では消去動作は3回と少なくなる。一方、領域R0に黒色の正方形を表示させたときには、4回の黒表示動作(画像表示ステップS102)が行われている。したがって、第1実施形態の駆動方法では、領域R0の輪郭部分(領域R21〜24、R31〜R34)において、黒表示動作と白表示動作の実行回数のバランス(電流履歴のバランス)が崩れてしまう。
これに対して、第2実施形態の駆動方法では、図11に示した画像データD1A〜D4Aの反転画像データを用いて第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14が実行される。すなわち、第1の消去ステップST11では、図12(b)に示す領域R0と領域R11とが消去範囲とされ、第2の消去ステップST12では、領域R0と領域R13とが消去範囲とされ、第3の消去ステップST13では、領域R0と領域R14とが消去範囲とされ、第4の消去ステップST14では、領域R0と領域R12とが消去範囲とされる。これにより、領域R0の全体で4回の消去動作が実行されることとなるので、領域R0における黒表示動作と白表示動作の実行回数のバランスを維持することができる。その結果、電流履歴のバランスを維持しつつ、残像のない高品質の表示を得ることができる。
なお、第2実施形態の電気光学装置についても、図9に示した駆動方法を適用することができる。これにより、電流履歴のバランスをさらに良好に維持することが可能になる。
また、第1の消去ステップST11〜第4の消去ステップST14において、前画像の画像データD0を左右上下のいずれか一方向に1画素分だけ拡張させた画像データD1A〜D4Aを生成することとしたが、画像データD0に対して2画素分以上拡張させた画像データD1A〜D4Aを生成してもよい。画素の大きさが残像の幅よりも小さい場合などは、画像データD0に対して2画素分以上ずらして画像データD1A〜D4Aを生成したほうが、効果的に残像を低減することができる。
また本実施形態では、消去動作時に画像データD1A〜D4Aを生成する手段を備えた表示部制御装置110を具備する場合について説明したが、これらの画像データD1A〜D4Aの反転画像データを外部装置から供給する構成としてもよく、CPU102によって生成する構成としてもよい。
(電子機器)
次に、上記実施形態の電気光学装置を、電子機器に適用した場合について説明する。
図13は、腕時計1000の正面図である。腕時計1000は、時計ケース1002と、時計ケース1002に連結された一対のバンド1003とを備えている。
時計ケース1002の正面には、上記各実施形態の電気光学装置からなる表示部1005と、秒針1021と、分針1022と、時針1023とが設けられている。時計ケース1002の側面には、操作子としての竜頭1010と操作ボタン1011とが設けられている。竜頭1010は、ケース内部に設けられる巻真(図示は省略)に連結されており、巻真と一体となって多段階(例えば2段階)で押し引き自在、かつ、回転自在に設けられている。表示部1005では、背景となる画像、日付や時間などの文字列、あるいは秒針、分針、時針などを表示することができる。
図14は電子ペーパー1100の構成を示す斜視図である。電子ペーパー1100は、上記実施形態の電気光学装置を表示領域1101に備えている。電子ペーパー1100は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1102を備えて構成されている。
図15は、電子ノート1200の構成を示す斜視図である。電子ノート1200は、上記の電子ペーパー1100が複数枚束ねられ、カバー1201に挟まれているものである。カバー1201は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する図示は省略の表示データ入力手段を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
以上の腕時計1000、電子ペーパー1100、及び電子ノート1200によれば、本発明に係る電気光学装置が採用されているので、高品質の表示が可能な表示手段を備えた電子機器となる。
なお、上記の電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部にも好適に用いることができる。
10 画素、26 電気光学物質層、100 電気光学装置、102 CPU、110 表示部制御装置(制御部、制御回路)、150 表示部、S101,S101a 表示消去ステップ、S101b 選択消去ステップ、S102 画像表示ステップ、ST11,ST11a 第1の消去ステップ、ST12,ST12a 第2の消去ステップ、ST13,ST13a 第3の消去ステップ、ST14,ST14a 第4の消去ステップ、R1 第1の領域、R2 第2の領域

Claims (9)

  1. 電気光学物質を含む画素を複数有する表示部を備えた電気光学装置の駆動方法であって、
    前記表示部に第1の階調で表示された画像成分を消去する表示消去ステップが、
    複数の前記画素のうち、前記画像成分を第1の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第1の領域の画素に、前記第1の階調と異なる第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第1の消去ステップと、
    複数の前記画素のうち、前記画像成分を前記第1の方向と異なる第2の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第2の領域の画素に、前記第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第2の消去ステップと、
    を含むことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  2. 前記第1の消去ステップにおいて、複数の前記画素のうち、前記画像成分を構成する画素と前記第1の領域の画素とに前記駆動電圧を供給し、
    前記第2の消去ステップにおいて、前記画像成分を構成する画素と前記第2の領域の画素とに前記駆動電圧を供給することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。
  3. 前記画像成分を構成する画素にのみ前記駆動電圧を供給する第3の消去ステップをさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の駆動方法。
  4. 前記表示消去ステップにおけるフレーム周波数は、前記表示部に前記第1の階調を含む画像成分を表示させるときのフレーム周波数よりも高いことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電気光学装置の駆動方法。
  5. 電気光学物質を含む画素を複数有する表示部と、前記表示部を駆動制御する制御部と、を備えた電気光学装置であって、
    前記制御部は、
    前記表示部に第1の階調で表示された画像成分を消去する表示消去動作において、
    複数の前記画素のうち、前記画像成分を第1の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第1の領域の画素に、前記第1の階調と異なる第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第1の消去動作と、
    複数の前記画素のうち、前記画像成分を前記第1の方向と異なる第2の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第2の領域の画素に、前記第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第2の消去動作と、
    を実行することを特徴とする電気光学装置。
  6. 前記制御部は、
    前記第1の消去動作において、複数の前記画素のうち、前記画像成分を構成する画素と前記第1の領域の画素とに前記駆動電圧を供給し、
    前記第2の消去動作において、前記画像成分を構成する画素と前記第2の領域の画素とに前記駆動電圧を供給することを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
  7. 電気光学物質を含む画素を複数有する表示部を備えた電気光学装置に適用される制御回路であって、
    前記表示部に第1の階調で表示された画像成分を消去する表示消去動作において、
    複数の前記画素のうち、前記画像成分を第1の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第1の領域の画素に、前記第1の階調と異なる第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第1の消去動作と、
    複数の前記画素のうち、前記画像成分を前記第1の方向と異なる第2の方向に少なくとも1画素分ずらした位置に対応する第2の領域の画素に、前記第2の階調を表示させるための駆動電圧を供給する第2の消去動作と、
    を実行することを特徴とする制御回路。
  8. 前記第1の消去動作において、複数の前記画素のうち、前記画像成分を構成する画素と前記第1の領域の画素とに前記駆動電圧を供給し、
    前記第2の消去動作において、前記画像成分を構成する画素と前記第2の領域の画素とに前記駆動電圧を供給することを特徴とする請求項7に記載の制御回路。
  9. 請求項5又は6に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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