JP2008304489A - 表示装置の駆動装置、駆動方法、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】サブフィールド駆動方式を用いて、走査速度を上げることなく階調再現力を向上させることが可能な表示装置の駆動装置を提供する。
【解決手段】表示装置の駆動装置は、電気光学材料、複数の画素、画素ごとに設けられたスイッチング素子、各スイッチング素子に接続する走査線及びデータ線を有し、電気光学材料の透過率を変化させることによって表示装置を駆動する。駆動制御手段は、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドにおいて表示すべき階調に応じたオン電圧/オフ電圧の2値によるデータ信号を印加し、少なくとも一つのサブフィールド周期において、画素電極にデータ信号が供給される期間を制御する。これにより、最小階調制御単位を小さくすることができ、より詳細な階調制御が可能となる。よって、走査速度を上げることなく、階調表現力を高めることが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】表示装置の駆動装置は、電気光学材料、複数の画素、画素ごとに設けられたスイッチング素子、各スイッチング素子に接続する走査線及びデータ線を有し、電気光学材料の透過率を変化させることによって表示装置を駆動する。駆動制御手段は、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドにおいて表示すべき階調に応じたオン電圧/オフ電圧の2値によるデータ信号を印加し、少なくとも一つのサブフィールド周期において、画素電極にデータ信号が供給される期間を制御する。これにより、最小階調制御単位を小さくすることができ、より詳細な階調制御が可能となる。よって、走査速度を上げることなく、階調表現力を高めることが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、サブフィールド駆動方式により階調表示制御を行う表示装置の駆動装置、駆動方法、及び電子機器に関する。
従来から、例えば液晶表示装置における液晶パネルに対するデジタル的な駆動方式として、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して各サブフィールドにおいて各画素を階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加するサブフィールド駆動方式が提案されている。例えば、特許文献1には、オン電圧を印加した場合に電気光学材料の透過率が飽和するまでの飽和応答時間よりもサブフィールドの時間を短く設定し、表示データに基づいてオン電圧を印加するサブフィールドとオフ電圧を印加するサブフィールドとを決定して階調表現を行う技術が記載されている。
ところで、サブフィールド駆動方式を用いた場合、表示可能な階調が、分割したサブフィールドの数に制限されてしまう傾向にある。つまり、最小パルス幅(1サブフィールドの時間幅に対応する)によって、階調再現力が決定されると言える。例えば、フィールドをM個のサブフィールドに分割した場合、表示可能な階調は(M+1)となる。ここで、階調数を増やすためには、パルスの組み合わせによって液晶のアナログ応答部の特性を利用したり、サブフィールドの数を増やしたりすることが考えられるが、この場合には画面の走査を高速にする必要がある。しかし、実際には駆動素子の動作速度により限界があると言える。
上記した特許文献1に記載された方法では、透過率を飽和させることが可能なオン電圧又はオフ電圧が画素電極にチャージされるため、特に電圧を印加する側の液晶の応答は速く、階調を細かく制御するにはサブフィールド数を高くしなければならかなった(つまり走査速度を上げなくてはならなかった)。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、サブフィールド駆動方式を用いて、走査速度を上げることなく階調再現力を向上させることが可能な表示装置の駆動装置、駆動方法、及び電子機器を提供することを課題の一つとする。
本発明の1つの観点では、電気光学材料と、表示領域を形成する複数の画素と、前記画素ごとに設けられたスイッチング素子と、前記各スイッチング素子に接続する走査線およびデータ線とを含み、前記表示領域における前記電気光学材料の透過率を変化させることによって表示を形成する表示装置を表示駆動するための駆動装置は、前記表示領域における1枚分の画像を形成する1フィールドを時間軸上で一定周期の複数のサブフィールドに分割し、前記各サブフィールドにおいて前記各画素に対して表示すべき階調に応じたオン電圧および/またはオフ電圧の2値によるデータ信号を印加するデジタル駆動を行うとともに、少なくとも一つの前記サブフィールド周期において、前記画素電極に前記データ信号が供給される期間を制御するための駆動制御手段を備えたことを特徴とする。
上記の表示装置の駆動装置は、電気光学材料と、表示領域を形成する複数の画素と、画素ごとに設けられたスイッチング素子と、各スイッチング素子に接続する走査線およびデータ線とを含み、表示領域における電気光学材料の透過率を変化させることによって表示を形成する表示装置を表示駆動する。この場合、駆動制御手段は、表示領域における1枚分の画像を形成する1フィールドを時間軸上で一定周期の複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドにおいて各画素に対して表示すべき階調に応じたオン電圧および/またはオフ電圧の2値によるデータ信号を印加するデジタル駆動(サブフィールド駆動)を行う。また、駆動制御手段は、少なくとも一つのサブフィールド周期において、画素電極にデータ信号が供給される期間を制御する。これにより、画素電極にデータ信号が供給される期間を一定にして駆動させる場合と比較して、最小階調制御単位を小さくすることが可能となる。したがって、上記の表示装置の駆動装置によれば、より詳細な階調制御が可能となる。つまり、走査速度を上げることなく(即ち1フィールドにおけるサブフィールド数を増やすことなく)、階調表現力を高めることが可能となる。
上記の表示装置の駆動装置の一態様では、前記駆動制御手段は、複数の前記走査線ごとに順次走査信号を供給する走査線駆動回路と、複数の前記データ線ごとに前記データ信号を供給するデータ線駆動回路と、前記走査線駆動回路に前記走査信号の出力期間を制御するためのイネーブル信号を含む複数の信号を供給するコントロール回路と、を含み、前記データ信号は、前記走査信号によって前記スイッチング素子がオン状態となっているときに前記画素に印加され、前記コントロール回路は、前記1フィールド内における1以上の所定のサブフィールドに供給される前記走査信号の振幅を、前記所定のサブフィールド以外のサブフィールドにおける前記走査信号の振幅よりも短くするための前記イネーブル信号を前記走査線駆動回路に供給する。つまり、駆動制御手段は、走査線駆動回路に供給するイネーブル信号を変化させることによって、1フィールド内における所定のサブフィールドに供給される走査信号の振幅を所定のサブフィールド以外のサブフィールドにおける走査信号の振幅よりも短くすることにより、画素電極にデータ信号が供給される期間を制御することができる。
上記の表示装置の駆動装置の他の一態様では、前記駆動制御手段は、複数の前記走査線ごとに順次走査信号を供給する走査線駆動回路と、複数の前記データ線ごとに前記データ信号を供給するデータ線駆動回路と、前記データ線駆動回路に前記データ信号の出力期間を制御するためのイネーブル信号を含む複数の信号を供給するコントロール回路と、を含み、前記データ信号は、前記走査信号によって前記スイッチング素子がオン状態となっているときに前記画素に印加され、前記コントロール回路は、前記1フィールド内における1以上の所定のサブフィールドに供給される前記データ信号の振幅を、前記所定のサブフィールド以外のサブフィールドにおける前記データ信号の振幅よりも短くするための前記イネーブル信号を前記データ線駆動回路に供給する。つまり、駆動制御手段は、データ線駆動回路に供給するイネーブル信号を変化させることによって、1フィールド内における所定のサブフィールドに供給されるデータ信号の振幅を所定のサブフィールド以外のサブフィールドにおけるデータ信号の振幅よりも短くすることにより、画素電極にデータ信号が供給される期間を制御することができる。
上記の表示装置の駆動装置の他の一態様では、前記駆動制御手段は、1水平期間において、同一の走査線に対して複数回連続して信号を書き込み、前記複数回の中で前記信号の書き込み方を変える制御を行う。例えば、1水平期間において同一の画素に対して4回連続で信号を書き込むところを、4回のうち3回のみ書き込んだり、4回のうち1回のみ書き込んだりすることによって、スイッチング素子をオンにする時間を制御する。これにより、表示画像のコントラストの低下を抑制しつつ、階調表現力を高めることができる。
上記の表示装置の駆動装置の他の一態様では、前記駆動制御手段は、複数の画素を一度にまとめて選択して信号を供給する場合に、前記複数の画素を選択する時間を変化させる制御を行うことができる。
上記の表示装置の駆動装置において好適には、所定数の走査線を走査し終えるタイミング、所定数の画素を走査し終えるタイミング、前記1サブフィールドが終了するタイミング、及び前記1フィールドが終了するタイミングのいずれかのタイミングで、前記印加する電圧の極性を反転させる極性反転駆動手段を更に備える。これにより、一方の極性の電圧のみを印加させ続けた場合に発生し得る表示部の劣化などを適切に抑制することが可能となる。
上記の表示装置の駆動装置は、表示装置の駆動装置によって駆動され、画像を表示する表示部を備える画像表示装置に好適に適用することができる。
本発明の他の観点では、電気光学材料と、表示領域を形成する複数の画素と、前記画素ごとに設けられたスイッチング素子と、前記各スイッチング素子に接続する走査線およびデータ線とを含み、前記表示領域における前記電気光学材料の透過率を変化させることによって表示を形成する表示装置を表示駆動するための駆動方法は、前記表示領域における1枚分の画像を形成する1フィールドを時間軸上で一定周期の複数のサブフィールドに分割し、前記各サブフィールドにおいて前記各画素に対して表示すべき階調に応じたオン電圧および/またはオフ電圧の2値によるデータ信号を印加するデジタル駆動を行うとともに、少なくとも一つの前記サブフィールド周期において、前記画素電極に前記データ信号が供給される期間を制御するための駆動制御工程を備えたことを特徴とする。上記の表示装置の駆動方法によっても、走査速度を上げることなく、階調表現力を高めることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る画像表示装置100の概略構成を示すブロック図である。画像表示装置100は、主に、コントローラ10と、走査線駆動回路11と、データ線駆動回路12と、表示パネル14と、を備える。画像表示装置100は、画像信号を取得し、これを表示させるための装置である。具体的には、画像表示装置100は、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して各サブフィールドにおいて各画素を階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加するサブフィールド駆動方式(デジタル駆動方式)に基づいて、画像を表示する。つまり、1サブフィールド期間内で全画素を順次、オン若しくはオフに相当する2値の電圧のどちらかで書込み、これを1フィールドを構成する全てのサブフィールドにおいて繰り返して実行することで、1フィールド期間の明るさを決定する。なお、ここでは、画像表示装置100の表示モードはノーマリーホワイトであり、画素に電圧が加わった状態で黒表示(オン状態)、電圧が加わらない状態で白表示(オフ状態)を行うものとして説明する。
コントローラ10は、クロック信号clkと、垂直走査信号VSと、水平走査信号HSと、画像信号Dと、を外部から取得する。そして、コントローラ10は、これらの取得した信号に基づいて、スタートパルスDYと、走査側転送クロックCLYと、イネーブル信号ENBYと、データ転送クロックCLXと、2値のデータ信号Dsと、を生成する。スタートパルスDYは、走査側(Y側)に対する走査の開始タイミングで出力されるパルス信号である。走査側転送クロックCLYは、走査側(Y側)の水平走査を規定する信号である。イネーブル信号ENBYは、ハイレベル又はローレベルを示すデータであり、走査線駆動回路11から表示パネル14(詳しくは走査線14a)に対して出力される走査信号G1、G2、G3、…、Gnを制御するために用いられる。データ転送クロックCLXは、データ線駆動回路12へデータを転送するタイミングを規定する信号である。データ信号Dsは、画像信号Dに対応するデータであり、各サブフィールド期間毎に画素14cをオン状態又はオフ状態にするためのハイレベル又はローレベルを示すデータである。なお、コントローラ10、走査線駆動回路11、及びデータ線駆動回路12には、その他にも各種の信号が入力されるが、本実施形態と特に関係の無いものについては説明を省略する。
走査線駆動回路11は、コントローラ10から、スタートパルスDYと、走査側転送クロックCLYと、イネーブル信号ENBYとを取得し、表示パネル14の走査線14aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnを出力する。具体的には、走査線駆動回路11は、コントローラ10から供給されるスタートパルスDYを走査側転送クロックCLYに従って転送し、走査線14aの各々に走査信号G1、G2、G3、…、Gnとして順次排他的に供給するものである。
データ線駆動回路12は、コントローラ10から、データ転送クロックCLXと、データ信号Dsとを取得し、表示パネル14のデータ線14bに対してデータ信号d1、d2、d3、…、dmを出力する。具体的には、データ線駆動回路12は、ある水平走査期間において2値信号Dsをデータ線14bの本数に相当するm個順次ラッチした後、ラッチしたm個の2値信号Dsを、次の水平走査期間において、それぞれ対応するデータ線14bにデータ信号d1、d2、d3、…、dmとして一斉に供給するものである。
表示パネル14は、液晶(LCD)などによって構成され、電圧が印加されることによって画像信号などを表示する表示部である。具体的には、表示パネル14は、走査線14aと、データ線14bと、画素14cとを備える。詳しくは、表示パネル14には、n本の走査線14aが、図1においてX(行)方向に延在して形成され、m本のデータ線14bがY(列)方向に沿って延在して形成されている。そして、画素14cは、走査線14aとデータ線14bとの各交差に対応して設けられて、マトリクス状に配列されている。
なお、上記したコントローラ10、走査線駆動回路11、及びデータ線駆動回路12は、主に、本発明における表示装置の駆動回路として機能する。具体的には、コントローラ10、走査線駆動回路11、及びデータ線駆動回路12は、協調して動作することにより、駆動制御手段、及び極性反転駆動手段として機能する。また、コントローラ10はコントロール回路として機能する。
ここで、図2を参照して、画素14cの具体的な構成について説明する。画素14cは、主に、トランジスタ14dと、蓄積容量14eと、画素電極14fと、液晶14gと、対向電極14hと、を有する。
図2に示す構成では、スイッチング素子としてのトランジスタ14dのゲートが走査線14aに、ソースがデータ線14bに、ドレインが画素電極14fに、それぞれ接続される。そして、画素電極14fと対向電極14hとの間に、電気光学材料たる液晶14gが挟持されて液晶層が形成されている。ここで、対向電極14hは、実際には画素電極14fと対向するように対向基板の全面に形成される透明電極である。また、対向電極14hには対向電極電圧Vcomが印加されるようなっている。更に、画素電極14fと対向電極14hとの間においては蓄積容量14eが形成されて、液晶層を挟む電極と共に電荷を蓄積する。なお、図2中の電圧Vlcは、画素14cにチャージされる電圧(以下、「チャージ電圧Vlc」と呼ぶ。)に相当する。
各走査線14aには前述した走査線駆動回路11から夫々走査信号G1、G2、…、Gn(以下では、これらをまとめて単に「Gn」とも表記する。)が供給される。各走査信号によって、各ラインの画素を構成するトランジスタ14dが導通状態となり、これにより、前述したデータ線駆動回路12から各データ線14bに供給されたデータ信号d1、d2、…、dm(以下では、これらをまとめて単に「dm」とも表記する。)が供給されることとなる。そして、書き込まれた画素電極14fと対向電極14hとの電位差に応じて液晶14gの分子集合の配向状態が変化して、光の変調が行われ、階調表示が可能となる。
次に、図3を参照して、第1実施形態に係る走査線駆動回路11の構成について具体的に説明する。図3は、走査線駆動回路11の概略構成を示す図である。
走査線駆動回路11は、シフトレジスタ11aと、アンド回路11b1〜11bnと、信号線11c1〜11cnと、信号線11d1〜11dnと、を有する。なお、以下では、アンド回路11b1〜11bnの区別をしない場合には単に「アンド回路11b」と呼び、信号線11c1〜11cnの区別をしない場合には単に「信号線11c」と呼び、信号線11d1〜11dnの区別をしない場合には単に「信号線11d」と呼ぶ。
シフトレジスタ11aは、コントローラ10からスタートパルスDY及び走査側転送クロックCLYを取得する。シフトレジスタ11aには、n本の信号線11cが接続されており、コントローラ10から供給されるスタートパルスDYを走査側転送クロックCLYに従って転送し、信号線11cの各々に信号を順次排他的に供給する。信号線11cは、アンド回路11bに入力している。更に、各アンド回路11bからは、それぞれ信号線11dが出力されており、信号線11dは、前述した走査線14a(図1参照)として、走査信号G1〜Gnを出力することとなる。
また、アンド回路11bには、コントローラ10からイネーブル信号ENBYが入力される。この場合、イネーブル信号ENBYがハイレベルである場合には、信号線11dから走査信号が出力されることとなる。つまり、走査線14aが走査されることとなる。これに対して、イネーブル信号ENBYがローレベルである場合には、信号線11dから走査信号が出力されない。つまり、走査線14aは走査されない。
このように、走査線駆動回路11は、コントローラ10から供給されるイネーブル信号ENBYに応じて、走査線14aの走査を制御することができる。第1実施形態では、コントローラ10はイネーブル信号ENBYのレベル(ハイレベルとローレベル)を変化させることによって、画素14cのトランジスタ14dをオンにする時間を制御する。具体的には、画素14cのトランジスタ14dにおけるゲート選択時間を変化させる制御を行う。これによって、画素14cの電荷チャージ量を変化させる。
(駆動方法)
次に、第1実施形態における駆動方法について具体的に説明する。第1実施形態では、1フィールド内の所定のサブフィールドにおけるゲート選択時間を、この所定のサブフィールド以外のサブフィールドにおけるゲート選択時間よりも短くする制御を行う。具体的には、所定のサブフィールドにおいて、1水平期間の所定期間においてイネーブル信号ENBYをローレベルにする(つまり1水平期間の所定期間以外のみ、イネーブル信号ENBYをハイレベルにする)ことによって、トランジスタ14dにおけるゲート選択時間を短くする。このようにゲート選択時間を短くした場合、ゲート選択時間を短くしない場合と比較すると、画素14cのチャージ電圧Vlcが低くなり、液晶14gは低くなったチャージ電圧Vlcに相当する応答をする。したがって、第1実施形態によれば、ゲート選択時間を短くせずに一定にして駆動させる場合と比較して、最小階調制御単位を小さくすることが可能となる。つまり、第1実施形態によれば、走査速度を上げることなく階調表現力を高めることができ、より詳細な階調制御が可能となる。
次に、第1実施形態における駆動方法について具体的に説明する。第1実施形態では、1フィールド内の所定のサブフィールドにおけるゲート選択時間を、この所定のサブフィールド以外のサブフィールドにおけるゲート選択時間よりも短くする制御を行う。具体的には、所定のサブフィールドにおいて、1水平期間の所定期間においてイネーブル信号ENBYをローレベルにする(つまり1水平期間の所定期間以外のみ、イネーブル信号ENBYをハイレベルにする)ことによって、トランジスタ14dにおけるゲート選択時間を短くする。このようにゲート選択時間を短くした場合、ゲート選択時間を短くしない場合と比較すると、画素14cのチャージ電圧Vlcが低くなり、液晶14gは低くなったチャージ電圧Vlcに相当する応答をする。したがって、第1実施形態によれば、ゲート選択時間を短くせずに一定にして駆動させる場合と比較して、最小階調制御単位を小さくすることが可能となる。つまり、第1実施形態によれば、走査速度を上げることなく階調表現力を高めることができ、より詳細な階調制御が可能となる。
ここで、図4乃至図9を参照して、第1実施形態に係る駆動方法を具体的に説明する。ここでは、1フィールドを32サブフィールドに分割した場合を一例として説明する。
図4は、第1実施形態に係る走査方法を説明するための図である。図4(a)は、1フィールドと、それを構成する32サブフィールドとを示しており、図4(b)は、サブフィールドSF1において走査される走査線14a、及び走査信号G1、G2、G3、…、Gnを示している。第1実施形態では、図4(a)中でハッチングして示した4つのサブフィールドを所定のサブフィールドとし、他のサブフィールド(以下、「通常サブフィールド」と呼ぶ。)よりも、トランジスタ14dのゲート選択時間を短くする。具体的には、通常サブフィールドでは、1水平期間をゲート選択時間として用い、ハッチングして示した所定の4サブフィールドでは、1水平期間よりも短い期間をゲート選択時間として用いる。
図5は、第1実施形態で用いる、垂直走査信号VS及びスタートパルスDYを示す図である。図5(a)は垂直走査信号VSを示しており、図5(b)はスタートパルスDYを示している。図5(b)に示すように、コントローラ10は、1垂直期間(1フィールド期間)において、32発のスタートパルスDYを発生する。また、前述したように、図5(b)中の符号T1aで示す所定の4サブフィールドを、符号T1bで示す通常サブフィールドよりも、トランジスタ14dのゲート選択時間を短くする。
次に、図6は、上記した通常サブフィールドにおいて用いる各制御信号のタイミングチャートを示す。図6(a)はスタートパルスDYを示し、図6(b)は走査側転送クロックCLYを示し、図6(c)はイネーブル信号ENBYを示し、図6(d)は走査信号G1、G2、G3、…、Gnを示している。図6(c)に示すように、通常サブフィールドでは、コントローラ10は、イネーブル信号ENBYをハイレベルに維持する。これにより、走査側転送クロックCLYに同期して、走査線14aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnが出力される(図6(d)参照)。この場合、通常サブフィールドでは、トランジスタ14dのゲート選択時間は1水平期間H1となる。
図7は、通常サブフィールドにおいて図6に示すような駆動を行った場合のチャージ電圧Vlc及び透過率LCを示している。なお、ここでは、データ信号dmの電圧が「12V」であり、対向電極電圧Vcomが「7V」である場合を一例として説明する。
図7(a)は1サブフィールドにおける走査信号Gnを示し、図7(b)は1つの画素14cのチャージ電圧Vlcを示し、図7(c)は液晶14gの透過率LCを示している。この場合、画素14cはデータ信号dmの12Vをチャージし(図7(b)参照)、液晶14gは12Vの印加電圧に相当する応答をする(図7(c)参照)。具体的には、1サブフィールドの終了時に透過率が0%まで落ちる。この場合、図7(c)中の面積M1(電圧積分値)に相当するだけ暗くなる。この面積M1は、通常サブフィールドにおける駆動を行った場合の最小階調制御単位に相当する。
次に、図8及び図9を参照して、ゲート選択時間を短くした場合について具体的に説明する。
図8は、ゲート選択時間を短くした1つの所定のサブフィールドにおいて用いる各制御信号のタイミングチャートを示す。図8(a)はスタートパルスDYを示し、図8(b)は走査側転送クロックCLYを示し、図8(c)はイネーブル信号ENBYを示し、図8(d)は走査信号G1、G2、G3、…、Gnを示している。図8(c)に示すように、ゲート選択時間を短くする場合には、コントローラ10は、1水平期間H1においてイネーブル信号ENBYをハイレベルとローレベルとの間で切り替える。このようなイネーブル信号ENBYを用いた場合、図8(d)に示すように、イネーブル信号ENBYがハイレベルとなっている期間T3cのみ、走査信号G1、G2、G3、…、Gnが出力されることとなる。つまり、トランジスタ14dのゲート選択時間が1水平期間H1よりも短くなる。言い換えると、前述した通常サブフィールドのゲート選択時間よりも短くなることがわかる(図6(d)参照)。
図9は、ゲート選択時間を短くした4サブフィールドにおいて図8に示すような駆動を行った場合の、チャージ電圧Vlc及び透過率LCを示している。なお、ここでは、データ信号dmの電圧が「12V」であり、対向電極電圧Vcomが「7V」である場合を一例として説明する。また、図9では、比較のため、ゲート選択時間を短くした駆動を行った場合の結果を実線で示し、通常サブフィールドにおける駆動を行った場合の結果を一点鎖線で示している。
図9(a)は走査信号Gnを示し、図9(b)はチャージ電圧Vlcを示し、図9(c)は透過率LCを示している。この場合、図9(a)に示すように、走査信号Gnが出力される期間は、通常サブフィールドにおける駆動を行った場合よりも短い。そのため、図9(b)に示すように、画素14cはデータ信号dmの12Vをチャージしきれずに、10Vしかチャージできていない。したがって、液晶14gは10Vの印加電圧に相当する応答をする(図9(c)参照)。具体的には、1サブフィールドの終了時に透過率が30%までしか落ちない。この場合、図9(c)中の面積M2(電圧積分値)に相当するだけ暗くなる。この面積M2は、通常サブフィールドにおける駆動を行った場合の面積M1(図7(c)参照)よりも小さいと言える。つまり、ゲート選択時間を短くした場合には、通常サブフィールドにおける駆動を行った場合よりも、最小階調制御単位を小さくすることができると言える。
以上のように、第1実施形態によれば、ゲート選択時間を変化させることによって最小階調制御単位を小さくすることができるため、より詳細な階調制御が可能となる。つまり、第1実施形態によれば、走査速度を上げることなく(即ち1フィールドにおけるサブフィールド数を増やすことなく)、階調表現力を高めることが可能となる。
なお、上記では、ゲート選択時間を短くする所定のサブフィールドを4つ用いる実施形態を示したが、これに限定はされない。ゲート選択時間を短くするサブフィールドを、3以下又は5以上用いても良い。また、上記では、1フィールド期間の後半の連続するサブフィールドにおいて、ゲート選択時間を短くする実施形態を示したが、これに限定はされない。つまり、ゲート選択時間を短くするサブフィールドを連続させなくても良いし、1フィールド期間の種々の期間においてゲート選択時間を短くしても良い。
更に、表示パネル14に対して印加する電圧(駆動電圧)の極性を、所定のタイミングで反転させることが好ましい。つまり、表示パネル14をコモン反転駆動又はライン反転駆動することが好ましい。具体的には、所定数の走査線14aを走査し終えるタイミング、所定数の画素14cを走査し終えるタイミング、1サブフィールドが終了するタイミング、及び1フィールドが終了するタイミングのいずれかのタイミングで、印加する電圧の極性を反転させることができる。この場合、コントローラ10が、データ線駆動回路12から出力される信号の電圧の極性が反転するように制御を行う。例えば、コントローラ10は、所定電圧を基準にして正極性のハイレベル信号と負極性のハイレベル信号とが反転するように制御を行う。
図10は、駆動電圧の極性を反転させた場合におけるタイミングチャートの一例を示す図である。ここでは、1サブフィールドの間に走査線を1回走査し終えるタイミングで(即ち1サブフィールドが終了するタイミングで)、駆動電圧の極性を反転させた場合を例に挙げる。
図10(a)はスタートパルスDYを示し、図10(b)は液晶の駆動電圧を示している。図10(b)に示すように、1サブフィールドが終了するタイミングで、液晶14gの駆動電圧が、電圧V0を基準にして正極性のハイレベル信号「+V1」と負極性のハイレベル信号「−V1」とに反転されていることがわかる。このように駆動電圧の極性を反転させることにより、一方の極性の電圧のみを印加させ続けた場合に発生し得る表示パネル14の劣化などを抑制することが可能となる。なお、図10(b)に示すように、1サブフィールド期間の全体に渡って同一の電圧に保持することには限定されない。他の例では、1サブフィールド期間において、電圧を印加する期間と電圧を印加しない期間とを設けて、液晶を駆動させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態でも、前述した第1実施形態と同様、1フィールド内の所定のサブフィールドにおけるゲート選択時間を、この所定のサブフィールド以外のサブフィールドにおけるゲート選択時間よりも短くする制御を行う。しかしながら、第2実施形態では、1つの走査線14aにおける複数の画素14cごとに信号を供給する駆動方式を採用する画像表示装置に対して、前述した制御を実行させる点で第1実施形態と異なる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態でも、前述した第1実施形態と同様、1フィールド内の所定のサブフィールドにおけるゲート選択時間を、この所定のサブフィールド以外のサブフィールドにおけるゲート選択時間よりも短くする制御を行う。しかしながら、第2実施形態では、1つの走査線14aにおける複数の画素14cごとに信号を供給する駆動方式を採用する画像表示装置に対して、前述した制御を実行させる点で第1実施形態と異なる。
図11は、第2実施形態に係る画像表示装置101の概略構成を示すブロック図である。画像表示装置101は、主に、コントローラ10pと、走査線駆動回路11pと、データ線駆動回路12pと、表示パネル14と、を備える。画像表示装置101は、画像表示装置100と同様に、サブフィールド駆動方式に基づいて画像を表示する。また、画像表示装置101は、1つの走査線14aにおける複数の画素14cごとに走査を行う駆動方式(ブロック順次駆動)を採用する。具体的には、画像表示装置101は、データ線駆動回路12pによって、1つの走査線14a上の6つの画素14cを、一度にまとめて選択して信号を供給する。なお、画像表示装置100における同一の構成要素及び信号に対しては同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
コントローラ10pは、主に、スタートパルスDYと、走査側転送クロックCLYと、スタートパルスDXと、データ転送クロックCLXと、イネーブル信号ENBXと、を生成する。スタートパルスDXは、データ線側(X側)に対して信号を供給する開始タイミングで出力されるパルス信号である。イネーブル信号ENBXは、ハイレベル又はローレベルを示すデータであり、データ線駆動回路12pから表示パネル14(詳しくはデータ線14b)に対して出力されるデータ信号d1、d2、d3、…、dmを制御するために用いられる。
走査線駆動回路11pは、コントローラ10pからスタートパルスDY及び走査側転送クロックCLYを取得し、表示パネル14の走査線14aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnを出力する。なお、走査線駆動回路11pは、前述した走査線駆動回路11と異なり、イネーブル信号ENBYを取得しない。よって、走査線駆動回路11pは、主に走査側転送クロックCLYにのみ従って、走査線14aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnを出力することとなる。
データ線駆動回路12pは、基本的には、コントローラ10pから、データ転送クロックCLX、スタートパルスDX、及びイネーブル信号ENBXを取得し、表示パネル14のデータ線14bに対してデータ信号d1、d2、d3、…、dmを出力する。具体的には、データ線駆動回路12pは、主に、シフトレジスタ12paと、アンド回路12pb1〜12plbと、電圧選択回路12pcと、を有する。
シフトレジスタ12paは、データ転送クロックCLXに従って、信号S1’〜Sl’を出力する(なお、「l」は「m/6」に相当する)。つまり、シフトレジスタ12paは、1つの走査線14aにおける6つの画素14cを、一度にまとめて走査するためのデータを出力する。アンド回路12pb1〜12plbには、信号S1’〜Sl’及びイネーブル信号ENBXが入力される。この場合、イネーブル信号ENBXがハイレベルである場合には、アンド回路12pb1〜12plbから、信号S1’〜Sl’に対応する信号S1〜Slが出力される。これに対して、イネーブル信号ENBXがローレベルである場合には、アンド回路12pb1〜12plbから信号S1〜Slは出力されない。電圧選択回路12pcは、信号S1〜Slを取得すると共に、コントローラ10pから供給される信号に応じてデータ信号d1、d2、d3、…、dmに対応する電圧を選択する。
このように、データ線駆動回路12pは、コントローラ10pから供給されるイネーブル信号ENBXに応じて、データ線14bへの信号の供給を制御することができる。第2実施形態では、イネーブル信号ENBXのレベル(ハイレベルとローレベル)を変化させることによって、画素14cのトランジスタ14dにおけるゲート選択時間を変化させる制御を行う。これによって、画素14cの電荷チャージ量を変化させる。
次に、図12は、第2実施形態において用いる各制御信号のタイミングチャートを示す。図12(a)はスタートパルスDXを示し、図12(b)はデータ転送クロックCLXを示し、図12(c)はシフトレジスタ12paから出力される信号S1’〜Sl’を示し、図12(d)はコントローラ10pから出力されるイネーブル信号ENBXを示し、図12(e)はアンド回路12pb1〜12plbから出力される信号S1〜Slを示している。図12(d)に示すように、コントローラ10pは、イネーブル信号ENBXをハイレベルとローレベルとの間で切り替える。これにより、図12(e)に示すように、イネーブル信号ENBXがハイレベルとなっている期間T2のみ、アンド回路12pb1〜12plbから信号S1〜Slが出力されることがわかる。したがって、この期間T2のみ、データ線駆動回路12pからデータ信号d1、d2、d3、…、dmが出力されることとなる。即ち、期間T2は、画素14cのトランジスタ14dにおけるゲート選択時間に相当する。
図13は、イネーブル信号ENBXがハイレベルとなる期間の具体例について説明するための図である。図13(a)は、期間T2aだけ、イネーブル信号ENBXがハイレベルとなる場合を示している。また、図13(b)は、期間T2aよりも短い期間T2bだけ、イネーブル信号ENBXがハイレベルとなる場合を示している。第2実施形態では、1フィールド内の所定のサブフィールドにおいて、イネーブル信号ENBXがハイレベルとなる期間を期間T2bに設定し、この所定のサブフィールド以外のサブフィールドにおいて、イネーブル信号ENBXがハイレベルとなる期間を期間T2aに設定する。これによって、所定のサブフィールドにおけるトランジスタ14dのゲート選択時間を、所定のサブフィールド以外のサブフィールドにおけるゲート選択時間よりも短くすることができる。
以上の第2実施形態によっても、ゲート選択時間を変化させることによって最小階調制御単位を小さくすることができるため、より詳細な階調制御が可能となる。つまり、第2実施形態によれば、走査速度を上げることなく、階調表現力を高めることが可能となる。また、第2実施形態によれば、表示画像のコントラストの低下を抑制しつつ、階調表現力を高めることができる。
なお、第2実施形態においても、表示パネル14に対して印加する電圧(駆動電圧)の極性を、前述したような所定のタイミングで反転させることができる。
また、ブロック順次駆動における1つの走査線14a当たりの画素14c数は、6相に限定するものではなく、複数であれば良い。例えば、8つの画素14cによる8相ブロック順次駆動であっても良いし、12の画素14cによる12相ブロック順次駆動であっても良い。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態においても、前述した第1実施形態及び第2実施形態と同様に、画素14cのトランジスタ14dをオンにする時間を制御することによって、画素14cの電荷チャージ量を変化させる。しかしながら、第3実施形態では、1水平期間において、同一の走査線14aに対して複数回連続して信号の書き込みを行い、この複数回の中で信号の書き込み方を変える制御を行う点で、第1実施形態及び第2実施形態と異なる。例えば、第3実施形態では、1水平期間において同一の画素14cに対して4回連続で信号を書き込むところを、4回のうち3回のみ書き込んだり、4回のうち1回のみ書き込んだりすることによって、トランジスタ14dをオンにする時間を制御する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態においても、前述した第1実施形態及び第2実施形態と同様に、画素14cのトランジスタ14dをオンにする時間を制御することによって、画素14cの電荷チャージ量を変化させる。しかしながら、第3実施形態では、1水平期間において、同一の走査線14aに対して複数回連続して信号の書き込みを行い、この複数回の中で信号の書き込み方を変える制御を行う点で、第1実施形態及び第2実施形態と異なる。例えば、第3実施形態では、1水平期間において同一の画素14cに対して4回連続で信号を書き込むところを、4回のうち3回のみ書き込んだり、4回のうち1回のみ書き込んだりすることによって、トランジスタ14dをオンにする時間を制御する。
図14は、第3実施形態に係る画像表示装置102の概略構成を示すブロック図である。画像表示装置102は、主に、コントローラ10と、走査線駆動回路11qと、データ線駆動回路12と、表示パネル14と、を備える。画像表示装置102は、画像表示装置100と同様に、サブフィールド駆動方式に基づいて画像を表示する。また、画像表示装置102は、1水平期間において、同一の走査線14aに対して4回連続して信号を書き込む制御を行う。なお、画像表示装置100における同一の構成要素及び信号に対しては同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
走査線駆動回路11qは、コントローラ10からスタートパルスDY及び走査側転送クロックCLYを取得し、表示パネル14の走査線14aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnを出力する。走査線駆動回路11qは、前述した走査線駆動回路11と異なり、イネーブル信号ENBYを取得しない。よって、走査線駆動回路11qは、主に走査側転送クロックCLYにのみ従って、走査線14aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnを出力することとなる。
また、第3実施形態では、コントローラ10は、1水平期間において、同一の走査線14aに対して4回連続して信号の書き込みを行い、この4回の中で信号の書き込み方を変える制御を行う。具体的には、コントローラ10は、1水平期間を4つの期間に分割し、この4つの期間の中で信号を書き込む期間を変える制御を行う。
次に、図15乃至図17を参照して、1水平期間において4回連続して信号を書き込む場合において、1水平期間の4つの期間(期間T3a〜T3d)の中で信号を書き込む期間を変える制御を行った場合の結果について説明する。なお、ここでは、データ信号dmの電圧が「12V」であり、対向電極電圧Vcomが「7V」である場合を一例として説明する。
図15は、4つの期間T3a〜T3d全てを12Vで書き込んだ場合(つまり、1水平期間の間、12Vで信号を書き込んだ場合)の結果を示す。図15(a)は走査信号Gnを示し、図15(b)はチャージ電圧Vlcを示し、図15(c)は透過率LCを示している。この場合、画素14cはデータ信号dmの12Vをチャージし(図15(b)参照)、液晶14gは12Vの印加電圧に相当する応答をする(図15(c)参照)。具体的には、1サブフィールドの終了時に透過率が0%まで落ちる。この場合、図15(c)中の面積M3(電圧積分値)に相当するだけ暗くなる。
図16は、3つの期間T3b〜T3dのみを12Vで書き込んだ場合の結果を示す。図16(a)は走査信号Gnを示し、図16(b)はチャージ電圧Vlcを示し、図16(c)は透過率LCを示している。この場合、図16(b)に示すように、画素14cはデータ信号dmの12Vをチャージしきれずに、11Vしかチャージできていない。そのため、液晶14gは11Vの印加電圧に相当する応答をする(図16(c)参照)。具体的には、1サブフィールドの終了時に透過率が20%までしか落ちない。この場合、図16(c)中の面積M4(電圧積分値)に相当するだけ暗くなる。この面積M4は、4つの期間T3a〜T3d全てを12Vで書き込んだ場合の面積M3(図15(c)参照)よりも小さいと言える。つまり、3つの期間T3b〜T3dにのみ信号を書き込んだ場合には、4つの期間T3a〜T3d全てを書き込んだ場合よりも、最小階調制御単位を小さくすることができると言える。
図17は、1つの期間T3dのみを12Vで書き込んだ場合の結果を示す。図17(a)は走査信号Gnを示し、図17(b)はチャージ電圧Vlcを示し、図17(c)は透過率LCを示している。この場合、図17(b)に示すように、画素14cはデータ信号dmの12Vをチャージしきれずに、8Vしかチャージできていない。そのため、液晶14gは8Vの印加電圧に相当する応答をする(図17(c)参照)。具体的には、1サブフィールドの終了時に透過率が80%までしか落ちない。この場合、図17(c)中の面積M5(電圧積分値)に相当するだけ暗くなる。この面積M5は、4つの期間T3a〜T3d全てを12Vで書き込んだ場合の面積M3(図15(c)参照)、及び3つの期間T3b〜T3dを12Vで書き込んだ場合の面積M4(図16(c)参照)よりも小さいと言える。つまり、1つの期間T3dのみ信号を書き込んだ場合には、4つの期間T3a〜T3d全てを書き込んだ場合、及び3つの期間T3b〜T3dを書き込んだ場合よりも、最小階調制御単位を小さくすることができると言える。
このように、第3実施形態では、1水平期間において、同一の走査線14aに対して4回連続して信号の書き込みを行い、この4回の中で信号の書き込み方を変える制御を行う。これによっても、最小階調制御単位を小さくすることができるため、より詳細な階調制御が可能となる。つまり、第3実施形態によれば、走査速度を上げることなく、階調表現力を高めることが可能となる。
なお、1水平期間において同一の走査線14aに対して連続して信号を書き込む回数は、4回に限定はされない。
また、第3実施形態においても、表示パネル14に対して印加する電圧(駆動電圧)の極性を、前述したような所定のタイミングで反転させることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態では、1つの走査線14aにおける複数の画素14cごとに信号を供給する駆動方式を採用する画像表示装置に対して、前述した第3実施形態に示したような制御を適用するものである。つまり、第4実施形態では、第2実施形態で示した画像表示装置101によって(図11参照)、第3実施形態と同様の制御を実行させる。なお、第4実施形態に係る制御は画像表示装置101によって実行されるため、ここでは、画像表示装置101が用いる構成要素及び信号などの説明を省略するものとする。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態では、1つの走査線14aにおける複数の画素14cごとに信号を供給する駆動方式を採用する画像表示装置に対して、前述した第3実施形態に示したような制御を適用するものである。つまり、第4実施形態では、第2実施形態で示した画像表示装置101によって(図11参照)、第3実施形態と同様の制御を実行させる。なお、第4実施形態に係る制御は画像表示装置101によって実行されるため、ここでは、画像表示装置101が用いる構成要素及び信号などの説明を省略するものとする。
図18は、第4実施形態に係る制御を説明するための図である。図18(a)は、イネーブル信号ENBXをハイレベルにする期間を説明するための図である。第4実施形態では、1つのブロックを選択可能な期間(1ブロック選択期間)を4分割し、分割された4つの期間T4a〜T4dにおいて、イネーブル信号ENBXをハイレベルにする期間を変える制御を行う。これにより、データ線駆動回路12pからデータ信号d1、d2、d3、…、dmが出力される期間を変えることが可能となる。即ち、このようにイネーブル信号ENBXをハイレベルにする期間を変えることにより、前述した第3実施形態で示したような、4回連続して信号の書き込みを行う場合において信号の書き込み方を変える制御と同様の制御を行うことが可能となる。
図18(b)には、イネーブル信号ENBXをハイレベルにする期間を変えた場合における、画素14cのチャージ電圧Vlcの例を示している。なお、データ信号dmの電圧は「12V」であり、対向電極電圧Vcomは「7V」であるものとする。
イネーブル信号ENBXをハイレベルにする期間として期間T4a〜T4dを選択した場合、画素14cはデータ信号dmの12Vをチャージする。これに対して、イネーブル信号ENBXをハイレベルにする期間として期間T4b〜T4dを選択した場合、画素14cはデータ信号dmの12Vをチャージしきれずに、11Vのみチャージする。更に、イネーブル信号ENBXをハイレベルにする期間として期間T4dのみを選択した場合、画素14cはデータ信号dmの12Vをチャージしきれずに、8Vのみチャージする。
このようにイネーブル信号ENBXをハイレベルにする期間を変えることによって、液晶14gの応答(透過率)を変化させることができ、最小階調制御単位を小さくすることが可能となる。したがって、より詳細な階調制御が可能となる。つまり、第4実施形態によれば、走査速度を上げることなく、階調表現力を高めることが可能となる。
なお、1ブロック選択期間を4分割した期間T4a〜T4dにおいて、イネーブル信号ENBXをハイレベルにする期間を変える制御を行うことに限定はされない。他の例では、1ブロック選択期間を3以下又は5以上に分割して、イネーブル信号ENBXをハイレベルにする期間を変えることができる。
また、第4実施形態においても、表示パネル14に対して印加する電圧(駆動電圧)の極性を、前述したような所定のタイミングで反転させることができる。
[電子機器]
次に、上述した実施形態に係る画像表示装置100(画像表示装置101、102も含むものとする。)を適用可能な電子機器の具体例について図19を参照して説明する。
次に、上述した実施形態に係る画像表示装置100(画像表示装置101、102も含むものとする。)を適用可能な電子機器の具体例について図19を参照して説明する。
まず、上述した実施形態に係る画像表示装置100を、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について説明する。図19(a)は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ710は、キーボード711を備えた本体部712と、本発明に係る液晶表示装置100を適用した表示部713とを備えている。
続いて、上述した実施形態に係る画像表示装置100を、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。図19(b)は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機720は、複数の操作ボタン721のほか、受話口722、送話口723とともに、本発明に係る画像表示装置100を適用した表示部724を備える。
なお、本発明に係る画像表示装置100を適用可能な電子機器は、上記したものに限られない。
[変形例]
本発明は、プロジェクタの光変調素子として用いられる透過型や反射型(例えば、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)など)の液晶表示装置にも適用することができる。
本発明は、プロジェクタの光変調素子として用いられる透過型や反射型(例えば、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)など)の液晶表示装置にも適用することができる。
更に、本発明は、TN(Twisted Nematic)方式や、VA(Virtical Alignment)方式や、IPS(In-Place-Switching)方式などの駆動方式を用いた種々の液晶に適用することができる。
また、本発明の適用は、液晶(LCD)を用いた表示パネル14に限定されない。走査型の表示デバイスであれば良く、例えば、PDP(Plasma Display Panel)やDLP(digital light processing)などの走査型表示デバイスの駆動装置、または駆動方法として本発明を適用することができる。
10 コントローラ、 11 走査線駆動回路、 11a シフトレジスタ、 11b アンド回路、 12 データ線駆動回路、 14 表示パネル、 14a 走査線、 14b データ線、 14c 画素、 14g トランジスタ、 100 画像表示装置
Claims (8)
- 電気光学材料と、表示領域を形成する複数の画素と、前記画素ごとに設けられたスイッチング素子と、前記各スイッチング素子に接続する走査線およびデータ線とを含み、前記表示領域における前記電気光学材料の透過率を変化させることによって表示を形成する表示装置を表示駆動するための駆動装置であって、
前記表示領域における1枚分の画像を形成する1フィールドを時間軸上で一定周期の複数のサブフィールドに分割し、前記各サブフィールドにおいて前記各画素に対して表示すべき階調に応じたオン電圧および/またはオフ電圧の2値によるデータ信号を印加するデジタル駆動を行うとともに、
少なくとも一つの前記サブフィールド周期において、前記画素電極に前記データ信号が供給される期間を制御するための駆動制御手段を備えたことを特徴とする表示装置の駆動装置。 - 前記駆動制御手段は、
複数の前記走査線ごとに順次走査信号を供給する走査線駆動回路と、
複数の前記データ線ごとに前記データ信号を供給するデータ線駆動回路と、
前記走査線駆動回路に前記走査信号の出力期間を制御するためのイネーブル信号を含む複数の信号を供給するコントロール回路と、を含み、
前記データ信号は、前記走査信号によって前記スイッチング素子がオン状態となっているときに前記画素に印加され、
前記コントロール回路は、前記1フィールド内における1以上の所定のサブフィールドに供給される前記走査信号の振幅を、前記所定のサブフィールド以外のサブフィールドにおける前記走査信号の振幅よりも短くするための前記イネーブル信号を前記走査線駆動回路に供給することを特徴とする請求項1に記載の表示装置の駆動装置。 - 前記駆動制御手段は、
複数の前記走査線ごとに順次走査信号を供給する走査線駆動回路と、
複数の前記データ線ごとに前記データ信号を供給するデータ線駆動回路と、
前記データ線駆動回路に前記データ信号の出力期間を制御するためのイネーブル信号を含む複数の信号を供給するコントロール回路と、を含み、
前記データ信号は、前記走査信号によって前記スイッチング素子がオン状態となっているときに前記画素に印加され、
前記コントロール回路は、前記1フィールド内における1以上の所定のサブフィールドに供給される前記データ信号の振幅を、前記所定のサブフィールド以外のサブフィールドにおける前記データ信号の振幅よりも短くするための前記イネーブル信号を前記データ線駆動回路に供給することを特徴とする請求項1に記載の表示装置の駆動装置。 - 前記駆動制御手段は、1水平期間において、同一の走査線に対して複数回連続して信号を書き込み、前記複数回の中で前記信号の書き込み方を変える制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置の駆動装置。
- 前記駆動制御手段は、複数の画素を一度にまとめて選択して信号を供給する場合に、前記複数の画素を選択する時間を変化させる制御を行うことを特徴とする請求項1又は3に記載の表示装置の駆動装置。
- 所定数の走査線を走査し終えるタイミング、所定数の画素を走査し終えるタイミング、前記1サブフィールドが終了するタイミング、及び前記1フィールドが終了するタイミングのいずれかのタイミングで、前記印加する電圧の極性を反転させる極性反転駆動手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示装置の駆動装置。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の表示装置の駆動装置と、
前記表示装置の駆動装置によって駆動され、画像を表示する表示部と、を備えることを特徴とする電子機器。 - 電気光学材料と、表示領域を形成する複数の画素と、前記画素ごとに設けられたスイッチング素子と、前記各スイッチング素子に接続する走査線およびデータ線とを含み、前記表示領域における前記電気光学材料の透過率を変化させることによって表示を形成する表示装置を表示駆動するための駆動方法であって、
前記表示領域における1枚分の画像を形成する1フィールドを時間軸上で一定周期の複数のサブフィールドに分割し、前記各サブフィールドにおいて前記各画素に対して表示すべき階調に応じたオン電圧および/またはオフ電圧の2値によるデータ信号を印加するデジタル駆動を行うとともに、
少なくとも一つの前記サブフィールド周期において、前記画素電極に前記データ信号が供給される期間を制御するための駆動制御工程を備えたことを特徴とする表示装置の駆動方法。
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