JP2011220594A - 冷凍サイクル - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍サイクルの冷媒循環経路内に酸が発生した場合に、その酸を直接除去することにより酸による腐食発生を抑制することができる冷凍サイクルを提供すること。
【解決手段】電動圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器とを備えると共にこれらを連絡する循環経路を備え、循環経路に冷媒及び潤滑油を循環させる冷凍サイクルにおいて、循環経路には、循環経路内で発生した酸を中和する中和剤61と水分を吸着する吸着剤62とを備えた酸中和吸着器6を設けてなる。循環経路の凝縮器と膨張弁との間にはレシーバが設けられており、レシーバ内に酸中和吸着器6が配設されていることが好ましい。酸中和吸着器6は、冷媒の流れ方向の上流側に位置する中和室610と、下流側に位置する水分吸着室620とに区画されており、中和室610に中和剤61が充填され、水分吸着室620に吸着剤62が充填されていることが好ましい。
【選択図】図5

Description

本発明は、車載空調機等の冷凍サイクルに関する。
車載空調機などの冷凍サイクルにおいては、地球温暖化防止策の一環として、従来のフロンと称される冷媒よりもオゾン層破壊への影響が少ない冷媒が使われるようになってきた。このような新しいタイプの冷媒としては、例えば、特許文献1に記載のCF3−CF=CH2(2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン)に代表されるような、分子式:C3mn(但し、mは1〜5の整数、nは1〜5の整数、かつ、m+n=6)で表され分子構造中に二重結合を1個有する冷媒が注目されている(以下、適宜、「HFO1234yfタイプ冷媒」という。)。
特開2009−225636号公報
HFO1234yfタイプ冷媒は、上記のごとく二重結合を含むことから、空気、水、酸、熱等の影響で比較的分解しやすい特徴を有する。そのため、冷媒循環路中に空気、水又は酸が混入した場合には、冷媒が分解し、冷媒を構成していたFからフッ酸(HF)が生じる。フッ酸などのいわゆる「酸」は、耐食性の低い金属部材を比較的早期に腐食させる原因となる。
冷凍サイクルに用いられる電動圧縮機を構成する部品のうち最も耐食性が低いものは、電動モータに内蔵される永久磁石である。永久磁石としては、フェライト磁石あるいは希土類磁石が主に用いられており、これらは酸の存在下において腐食しやすい。特に希土類磁石はフェライト磁石よりも腐食しやすい傾向がある。電動モータの永久磁石が腐食すれば、その性能が低下し、ひいては電動圧縮機全体の性能低下にも繋がりかねない。
このような問題はHFO1234yfタイプ冷媒に限らず、今後開発される新種の冷媒、あるいは、冷媒と共に電動圧縮機内に配置される潤滑油などについても、これらが水分と遭遇して酸を発生する可能性がある場合には、同様の問題が生じる可能性がある。
このような問題を解決する方策としては、冷媒循環経路内への水分の浸入の抑制、浸入した水分の吸着除去などがあるが、さらに一歩進んで、水分の侵入によって冷媒等が変質して酸が発生してしまった場合においてもその酸を除去する方策を講じておくことも重要である。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、冷凍サイクルの冷媒循環経路内に酸が発生した場合に、その酸を直接除去することにより酸による腐食発生を抑制することができる冷凍サイクルを提供しようとするものである。
本発明は、電動圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とを備えると共にこれらを連絡する循環経路を備え、該循環経路に冷媒及び潤滑油を循環させる冷凍サイクルにおいて、
上記循環経路には、該循環経路内で発生した酸を中和する中和剤と水分を吸着する吸着剤とを備えた酸中和吸着器を設けてなることを特徴とする冷凍サイクルにある(請求項1)。
本発明の冷凍サイクルにおいては、上記冷媒の循環経路に、上記酸中和吸着器を積極的に設けてなる。酸中和吸着器は、上記のごとく、循環経路内において発生した酸を中和する中和剤と、水分を吸着する吸着剤とを備えたものである。そのため、上記循環経路内に水分が浸入し、やがて、水分の影響によって冷媒又は潤滑油が変質して酸が生じたとしても、この酸を、上記酸中和吸着器における中和剤が中和して、酸を消滅させることができる。
また、酸の中和反応においては、水が生じるが、これをそのまま冷媒中に放出すれば、新たな酸の生成に繋がってしまう。ここで、上記酸中和吸着器には、上記中和剤と共に上記吸着剤を必須構成として具備しており、中和反応において生じた水をその反応直後に吸着除去することができ、中和反応で生じた水に起因する新たな酸の発生を抑制することができる。
このように、本発明の冷凍サイクルにおいては、上記酸中和吸着器を循環経路に設けることによって、循環経路内に酸が発生した場合であっても、その酸を直接除去することにより酸による腐食発生を抑制することができる。
なお、上記酸中和吸着器が吸着剤を備えていることによって、酸が生じていない場合においても、循環経路内の水分を吸着除去する効果をも得ることができる。
実施例1における、車載空調機の構成を示す説明図。 実施例1における、レシーバ内に配置された酸中和吸着器の構成を示す説明図。 実施例1における、電動圧縮機の構成を示す説明図。 実施例1における、冷媒が分解してフッ酸になる反応過程を示す説明図。 実施例1における、酸中和吸着器の構成を示す説明図。 実施例2における、酸中和吸着器の構成を示す説明図。
本発明の冷凍サイクルにおいて、上記循環経路の上記凝縮器と上記膨張弁との間には、冷媒を貯えると共に気液分離を行うためのレシーバが設けられており、該レシーバ内に上記酸中和吸着器が配設されていることが好ましい(請求項2)。上記凝縮器において冷却された冷媒が気体状態のまま膨張弁に送られた場合の能力低下防止や冷媒の供給量の調整のために、上記レシーバが循環経路に設けられる場合がある。また、レシーバ内には、循環経路内の水分を取り除くための乾燥剤が配置される場合がある。このような構成を利用し、上記レシーバ内に、乾燥剤に代えて、あるいは、乾燥剤とは別個に上記酸中和吸着器を配置することにより、新たな酸中和吸着器設置のためのユニットを設ける必要がない。それ故、レシーバを有する冷凍サイクルにおいては、これまでの全体設計を大幅に変えることなく酸中和吸着器の導入を実施することができる。
また、上記酸中和吸着器は、上記冷媒の流れ方向の上流側に位置する中和室と、下流側に位置する水分吸着室とに区画されており、上記中和室に上記中和剤が充填され、上記水分吸着室に上記吸着剤が充填されていることが好ましい(請求項3)。この場合には、上記中和室内に充填された中和剤によって、冷媒と共に流れてくる酸を中和し、その下流側の水分吸着室において酸の中和反応によって生じた水を吸着除去することができる。
また、上記酸中和吸着器は、上記中和剤と上記吸着剤とを分散配置してなる中和吸着室を有することも好ましい(請求項4)。すなわち、中和剤と吸着剤とを別個に分けることなく上記中和吸着室内に混在させてもよい。この場合には、冷媒と共に流れてくる酸を中和剤によって中和した後、中和剤の周りに存在する吸着剤が中和反応において生じた水をその生成直後に吸着除去することができる。
なお、上記中和吸着室は、これ単独で設けることもできるし、上述した中和室と水分吸着室とに区画した構成に組み合わせ、例えば、中和室と水分吸着室との間に中和吸着室を設けてもよい。
また、例えば、上記中和剤は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び炭酸ナトリウムのうちのいずれか1種以上よりなることが好ましい(請求項5)。これらは、固体状で長期間安定して存在するため、冷媒循環経路中に配置する中和剤として適する。
また、上記吸着剤は、ゼオライト、活性炭、アルミナ及びシリカゲルのうちいずれか1種以上よりなることが好ましい(請求項6)。これらは、単位体積当たりの水分吸着性能に優れ、配置スペースを小さくするのに有効である。
また、上記電動圧縮機は、吸入ポートと吐出ポートとを設けたハウジングと、該ハウジング内に配置され上記吸入ポートから吸入する冷媒を圧縮して上記吐出ポートから吐出する圧縮部と、上記ハウジング内に配置され上記圧縮部を駆動する回転軸を回転させる上記電動モータとを有し、該電動モータは上記回転軸の周囲に固定されたロータと上記ハウジングに支持されたステータとを有すると共に、上記ロータに内蔵された複数の永久磁石を有し、該永久磁石が希土類磁石よりなるものを採用することができる(請求項7)。
冷凍サイクルは、冷媒を圧縮する圧縮機が必須構成要素となるが、この圧縮機として上記構成の電動モータを内蔵した電動圧縮機を採用することができる。この場合には、冷媒の循環経路内に電動モータが存在することとなり、循環経路内に酸が発生した場合には、この電動モータが攻撃されやすい。特に、電動モータのロータ内に内蔵される永久磁石として希土類磁石を採用した場合、この希土類磁石が酸の存在下で非常に腐食しやすい。そのため、このような電動圧縮機を採用した冷凍サイクルにおいては、上記の酸中和吸着器を備えることが非常に有効である。
また、上記冷媒は、分子式:C3mn(但し、mは1〜5の整数、nは1〜5の整数、かつ、m+n=6)で表され分子構造中に二重結合を1個有する冷媒又は該冷媒を含む混合冷媒を採用することができる(請求項8)。このHFO1234yfタイプ冷媒は、前述したように水分存在下で分解してフッ酸を生じるおそれがある。そのため、上記の酸中和吸着器を備えることが非常に有効である。
また、上記潤滑油は、ポリオールエステル(POE)、ポリビニルエーテル(PVE)及びポリアルキレングリコール(PAG)の少なくとも一つを含有する潤滑油を採用することができる(請求項9)。これらの潤滑油を含む場合においても、冷媒循環経路中への水や酸の浸入は好ましくない。例えば、ポリオールエステルは、水分存在下において加水分解して有機カルボン酸を発生する。有機カルボン酸も上述したフッ酸と同様に、永久磁石を腐食させる原因となりうる。そのため、この場合にも、上記の酸中和吸着器を備えることが非常に有効である。
また、上記冷凍サイクルは車載用であり、上記潤滑経路の一部に非金属製配管を有する構成を採用することができる(請求項10)。車載空調機の循環経路を構成する配管の一部には、可撓性を持たせるために非金属製配管としてのゴム製配管を採用することが多い。このゴム製配管等の非金属製配管は、非常にわずかながらも水分を透過させる特性を有している。そのため、例えば高温多湿の環境において長年使用を続ければ、ゴム製配管等の非金属製配管を通して空気中から循環経路内に水分が浸入するおそれがある。したがって、循環経路にゴム製配管を備えた車載空調機は、ゴム製配管等の非金属製配管をあまり採用しない他の冷凍サイクルに比べて、前述したような冷媒の分解等による酸の発生が生じやすいと言える。そのため、上記の酸中和吸着器を備えることが非常に有効である。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる冷凍サイクルにつき、図1〜図5を用いて説明する。
本例の冷凍サイクルは、電動圧縮機1と、凝縮器51と、膨張弁53と、蒸発器54とを備えると共にこれらを連絡する循環経路55を備え、循環経路55に冷媒及び潤滑油を循環させるよう構成された車載空調機5である。
循環経路55には、循環経路55内で発生した酸を中和する中和剤61と水分を吸着する吸着剤62とを備えた酸中和吸着器6を設けてなる。
以下、さらに詳説する。
図1に示すごとく、本例の冷凍サイクルである車載空調機5は、循環経路55の凝縮器51と膨張弁53との間に、冷媒を貯えると共に気液分離を行うためのレシーバ53を設けてあり、電動圧縮機1から、循環経路55によって、順次、凝縮器51、レシーバ52、膨張弁53、蒸発器54が連絡されている。膨張弁53は、蒸発器54の下流側に配置された温度センサ56により測定された冷媒の温度に応じて、制御部57によって弁開度が調整されるにようになっている。また、循環経路55内には、冷媒として、CF3−CF=CH2(2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン)が封入され、かつ、潤滑油として、ポリオールエステルが封入されている。そして、循環経路55を構成する配管の一部は、非金属製配管であるゴム製配管が採用されている。
レシーバ52内には、酸中和吸着器6が配設されている。レシーバ52は、図2に示すごとく、密閉された筒状のケース520を有し、ケース520には循環経路55の上流側の配管551と、下流側の配管553とが挿入されている。上流側の配管551は、その開口部552がケース520内の上端近傍に開口し、下流側の配管553は、その開口部554がケース520内の下端近傍に開口している。冷媒は、矢印Cの方向に流れ、配管551を通ってきた冷媒が開口部552からレシーバ52の内部に導入され、レシーバ52内に溜まった冷媒が開口部554から配管553内へと導かれ、循環していく。このような構成にすることにより、冷媒が気液混合状態で配管551を流れてきたとしても、配管553に対してはレシーバ52内に溜まった液状の冷媒のみを供給することができる。
そして、本例では、同図に示すごとく、配管551の開口部552から導出された冷媒の流路に、酸中和吸着器6を設けた。酸中和吸着器6は、冷媒の流れ方向の上流側に位置する中和室610と、下流側に位置する水分吸着室620とに区画されており、中和室610に中和剤61が充填され、水分吸着室620に吸着剤62が充填されている。中和室610の上面、中和室610と水分吸着室620の間、及び水分吸着室620の下面には、それぞれ、網目状仕切り材611、615、625が配設されている。
中和剤61としては、平均粒径0.5〜10mmの粒子状の水酸化カルシウムを採用した。また、吸着剤62としては、平均粒径0.5〜10mmの粒子状のゼオライトを採用した。上記仕切り材611、615、625は、中和剤61及び吸着剤62の粒径より十分小さく、かつ、冷媒を流通可能な貫通孔を多数設けた網目状に設けられている。
次に、車載空調機5の圧縮機として採用した電動圧縮機1について簡単に説明する。
図3に示すごとく、電動圧縮機1は、吸入ポート11と吐出ポート12とを設けたハウジング10と、ハウジング10内に配置され吸入ポート11から吸入する冷媒を圧縮して吐出ポート12から吐出する圧縮部15と、ハウジング10内に配置され圧縮部15を駆動する回転軸21を回転させる電動モータ2とを有する。
圧縮部15は、ハウジング10内に固定された固定スクロール13と、これに対向配置された可動スクロール14とにより構成されている。固定スクロール13と可動スクロール14との間には、冷媒を圧縮するための容積可変の圧縮室150が形成されている。可動スクロール14は、ベアリング216及び偏心ブッシュ215を介して回転軸21の偏心ピン210に連結されており、回転軸21の回転に応じて揺動し、圧縮室150の容積を変化させるよう構成されている。
回転軸21は、電動モータ2を構成するロータ22の中心孔221に固定され、中心孔221から両側へ突出した両端が、軸受け部41、42を介して回転可能にハウジング10に固定されている。
電動モータ2は、上記回転軸21の周囲に固定されたロータ22と、該ロータ22の外周側においてハウジング10に支持されたステータ23とを有する。ステータ23には、コイル235が配設されており、コイル235に通電することにより、永久磁石3を内蔵したロータ22が回転するよう構成されている。ロータ22は、複数枚の電磁鋼板を積層することにより円筒状に構成されており、その軸方向に貫通する6つの磁石配設孔222を有し、ここにそれぞれ板状の永久磁石3が挿入配置されている。各磁石配設孔222に挿入配置された永久磁石3としては、ネオジム(Nd)、鉄(Fe)、ボロン(B)を主成分とする公知のネオジム磁石(希土類磁石)を採用した。
このような構成の車載空調機5を長期間運転すると、循環経路55を構成するゴム製配管を透過して、徐々に循環経路55内に水分が入り込んでくる。この水分によって、上記冷媒は分解し、フッ酸を生じるおそれがある。冷媒の分解反応は、図4に示すごとく、次のように説明することができる。
まず、第1ステップ(Step I)として、冷媒中に浸入した水(H2O)のOH基が、CF3−CF=CH2における二重結合部分に攻撃する現象が生じる。そして、第1ステップ(Step I)から第2ステップ(Step II)に進み、二重結合部分が崩れてOH基が結合し、さらに第3ステップ(Step III)に進んで、OH基のHが取れてゆり戻しが起こり、第4ステップ(Step IV)にあるように、OとCが二重結合してFが放出される。これにより、FとHとが結びついてフッ酸(HF)が生じる。
また、本例では、潤滑油としてポリオールエーテルを用いている。これは、水の存在下において加水分解し、カルボン酸を生じるおそれがある(図示略)。
このようにしてフッ酸やカルボン酸が冷媒中に生じた場合には、Fe、Ndを含む永久磁石3が腐食しやすい環境におかれることとなる。
ここで、本例では、上述したごとく、レシーバ52内に、酸中和吸着器6を配設してある。図5は、酸中和吸着器6を模式的に示したものである。同図に示すごとく、矢印Cに従って流れてきた冷媒(及び潤滑油)の中に酸が混じっていた場合には、まず、その酸が中和室610内において中和剤61と接触する。これにより、酸は、中和剤61と中和反応を起こし、水を発生させると共に中和される。次いで、酸の中和反応によって生じた水、および酸中和吸着器6に到達する前から冷媒に混じってきた水が、水分吸着室620の吸着剤62に接触して吸着され、冷媒中から除去される。
このように、本例の冷凍サイクルである車載空調機5においては、冷媒の循環経路55に、酸中和吸着器6を積極的に設けてなる。そのため、循環経路55内に水分が浸入し、やがて、水分の影響によって冷媒又は潤滑油が変質して酸が生じたとしても、この酸を、酸中和吸着器6における中和剤61が中和して、酸を消滅させることができる。さらにまた、酸の中和反応においては水が生じるが、中和吸着器6における吸着剤62により中和反応において生じた水をその反応直後に吸着除去することができ、中和反応で生じた水に起因する新たな酸の発生を抑制することができる。
従って、本例においては、酸によって腐食しやすい希土類磁石よりなる永久磁石3を採用していても、酸中和吸着器6を循環経路55に設けることによって、循環経路55内に酸が発生した場合であっても、その酸を直接除去することにより、永久磁石3等の腐食を抑制することができる。
さらに、本例では、酸中和吸着器6を上記レシーバ52内に配置してある。そのため、これまでの車載空調機5の全体設計を大幅に変えることなく酸中和吸着器6の導入を実施することができる。
(実施例2)
本例では、実施例1の冷凍サイクル(車載空調機5)における酸中和吸着器の構成の変形例を示す。
図6に示すごとく、本例の酸中和吸着器602は、中和剤61と吸着剤62とを分散配置してなる中和吸着室630を1室のみを有する。中和吸着室630の両端には、それぞれ網目状仕切り材631、632が配設されている。中和剤61及び吸着剤62としては、実施例1と同じものを用い、これらを十分に混合分散させた状態で中空吸着室630内に充填されている。なお、この酸中和吸着器602も、車載空調機5におけるレシーバ52内に配置される。
本例の場合には、冷媒と共に流れてくる酸を中和剤61によって中和した後、中和剤61の周りに存在する吸着剤62が中和反応において生じた水をその生成直後に吸着除去することができる。その他は、実施例1と同様の作用効果が得られる。
1 電動圧縮機
10 ハウジング
11 吸入ポート
12 吐出ポート
15 圧縮部
2 電動モータ
21 回転軸
22 ロータ
23 ステータ
3 永久磁石
5 車載空調機
55 循環経路
6、602 酸中和吸着器
61 中和剤
610 中和室
620 水分吸着室
630 中和吸着室

Claims (10)

  1. 電動圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とを備えると共にこれらを連絡する循環経路を備え、該循環経路に冷媒及び潤滑油を循環させる冷凍サイクルにおいて、
    上記循環経路には、該循環経路内で発生した酸を中和する中和剤と水分を吸着する吸着剤とを備えた酸中和吸着器を設けてなることを特徴とする冷凍サイクル。
  2. 請求項1の記載において、上記循環経路の上記凝縮器と上記膨張弁との間には、冷媒を貯えると共に気液分離を行うためのレシーバが設けられており、該レシーバ内に上記酸中和吸着器が配設されていることを特徴とする冷凍サイクル。
  3. 請求項1又は2の記載において、上記酸中和吸着器は、上記冷媒の流れ方向の上流側に位置する中和室と、下流側に位置する水分吸着室とに区画されており、上記中和室に上記中和剤が充填され、上記水分吸着室に上記吸着剤が充填されていることを特徴とする冷凍サイクル。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項の記載において、上記酸中和吸着器は、上記中和剤と上記吸着剤とを分散配置してなる中和吸着室を有することを特徴とする冷凍サイクル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項の記載において、上記中和剤は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び炭酸ナトリウムのうちのいずれか1種以上よりなることを特徴とする冷凍サイクル。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項の記載において、上記吸着剤は、ゼオライト、活性炭、アルミナ及びシリカゲルのうちいずれか1種以上よりなることを特徴とする冷凍サイクル。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項の記載において、上記電動圧縮機は、吸入ポートと吐出ポートとを設けたハウジングと、該ハウジング内に配置され上記吸入ポートから吸入する冷媒を圧縮して上記吐出ポートから吐出する圧縮部と、上記ハウジング内に配置され上記圧縮部を駆動する回転軸を回転させる上記電動モータとを有し、該電動モータは上記回転軸の周囲に固定されたロータと上記ハウジングに支持されたステータとを有すると共に、上記ロータに内蔵された複数の永久磁石を有し、該永久磁石が希土類磁石よりなることを特徴とする冷凍サイクル。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項の記載において、上記冷媒は、分子式:C3mn(但し、mは1〜5の整数、nは1〜5の整数、かつ、m+n=6)で表され分子構造中に二重結合を1個有する冷媒又は該冷媒を含む混合冷媒であることを特徴とする冷凍サイクル。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項の記載において、上記潤滑油は、ポリオールエステル(POE)、ポリビニルエーテル(PVE)及びポリアルキレングリコール(PAG)の少なくとも一つを含有する潤滑油であることを特徴とする冷凍サイクル。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項の記載において、上記冷凍サイクルは車載用であり、上記潤滑経路の一部にゴム製配管を有することを特徴とする冷凍サイクル。
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