JP2011220429A - オイルエア潤滑システムの配管異常検知方法および配管異常検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の潤滑点にオイルエアを供給する場合にも簡易な構成で、且つ、オイルエア潤滑システム稼働中にもオイルエア配管の異常を検知できる、オイルエア潤滑システムの配管異常検知方法を提供する。
【解決手段】潤滑油と圧縮空気を混合してオイルエアを生成し、圧縮空気の流れによって、オイルエアを、オイルエア配管の内壁に沿って潤滑点(軸受け箱B1〜B10)まで搬送するオイルエア潤滑システム1において、圧縮空気の流量および圧力を測定し、流量に対する圧力の値を、予め測定した正常時と比較することにより、オイルエア配管11、12、21〜30の漏洩または閉塞の有無を検知する。
【選択図】図1
【解決手段】潤滑油と圧縮空気を混合してオイルエアを生成し、圧縮空気の流れによって、オイルエアを、オイルエア配管の内壁に沿って潤滑点(軸受け箱B1〜B10)まで搬送するオイルエア潤滑システム1において、圧縮空気の流量および圧力を測定し、流量に対する圧力の値を、予め測定した正常時と比較することにより、オイルエア配管11、12、21〜30の漏洩または閉塞の有無を検知する。
【選択図】図1
Description
本発明は、潤滑油と圧縮空気を混合したオイルエアを軸受け等に供給する際、オイルエア配管の漏洩または閉塞の有無を検知するための、オイルエア潤滑システムの配管異常検知方法および配管異常検知装置に関するものである。
従来、軸受け等を潤滑するために、潤滑油を圧縮空気によって搬送するオイルエア潤滑システムが用いられている。オイルエア潤滑システムは、潤滑油と圧縮空気とをオイルエア混合装置で混合してオイルエアを生成し、圧縮空気の流れによって、潤滑油を、配管の内壁に沿って潤滑点まで搬送する。オイルエア潤滑システムによれば、高粘度の潤滑油を搬送でき、さらに高速、低速、高温等の様々な用途に適用可能であり、例えば連続鋳造機の鋳片ガイドロールを支持する軸受けの潤滑等に用いられている。
このようなオイルエア潤滑システムにおいて、オイルエアを搬送する配管に閉塞や漏洩等の異常が発生すると、軸受け等の潤滑点まで潤滑油を搬送できなくなり、軸受けが破損する原因となる。そのため、配管異常を早期に発見できる配管異常検知システムが必要とされている。
例えば連続鋳造機のように、複数のガイドロールを1ユニットとするロールユニットを使用する場合には、軸受け単体や配管単体の補修は困難であり、ロールユニット単位での補修が実施される。また、ロールユニット単位の潤滑点数は数十点となり、各潤滑点ごとの異常検知は煩雑となるため、ロールユニット単位での配管異常を検出することが必要とされる。
例えば特許文献1には、軸受けの直前に逆止弁を設け、さらに逆止弁の上流に圧力計を設けて、オイルエア供給停止時の圧力変化を監視することで、配管異常の有無を検出する方法が開示されている。これは、オイルエア供給停止後の圧力低下が正常時よりも遅いときには閉塞、早いときには漏洩していると判断するものである。
しかしながら、特許文献1に記載された検出方法は、軸受けの直前に圧力計を設ける必要があるため、複数のロールからなるロールユニットに供給する配管を監視するためには、それぞれのロールの軸受けの数だけ圧力計を設けなければならない。しかも、圧力計を設置するために枝管を設けており、この枝管で漏洩が起こると、オイルエアの供給能力が低下する。複数のロールの軸受けにオイルエアを供給する場合には、圧力計設置用の枝管も軸受けの数だけ設ける必要があり、枝管の数が多いと故障頻度も増加する懸念がある。さらに、連鋳機内の軸受けは高温多湿の環境にあるため、軸受け近辺に圧力計を設置した場合、圧力計の信頼性を担保できないという懸念がある。
さらに、特許文献1では、圧縮空気の流量の監視を行っていないので、オイルエア搬送用の圧縮空気の流量が変動したときの影響を考慮できない。そのため、オイルエア潤滑システムを使用している最中には、配管異常を検知できないという問題点がある。
本発明の目的は、複数の潤滑点にオイルエアを供給する場合にも簡易な構成で、且つ、オイルエア潤滑システム稼働中にもオイルエア配管の異常を検知できる、オイルエア潤滑システムの配管異常検知方法および配管異常検知装置を提供することにある。
上記問題を解決するため、本発明は、潤滑油と圧縮空気を混合してオイルエアを生成し、前記圧縮空気の流れによって、前記オイルエアを、オイルエア配管の内壁に沿って潤滑点まで搬送するオイルエア潤滑システムにおいて、前記圧縮空気の流量および圧力を測定し、前記流量に対する前記圧力の値を、予め測定した正常時と比較することにより、前記オイルエア配管の漏洩または閉塞の有無を検知することを特徴とするオイルエア潤滑システムの配管異常検知方法を提供する。
前記流量は、オイルエアを生成する前の前記圧縮空気の流量を測定し、前記圧力は、オイルエア生成直後の前記オイルエアの圧力を測定することが好ましい。また、前記オイルエア配管の、前記潤滑点の直前に、オリフィスを設けることが好ましい。
また、本発明は、潤滑油と圧縮空気を混合してオイルエアを生成し、前記圧縮空気の流れによって、前記オイルエアを、オイルエア配管の内壁に沿って潤滑点まで搬送するオイルエア潤滑システムにおいて、前記圧縮空気を供給するエア配管の、前記オイルエアを生成するオイルエア混合装置の手前に、前記圧縮空気の流量を測定する流量計が設けられ、前記オイルエア混合装置の下流側の前記オイルエア配管から枝管を分岐させて、前記枝管に圧力計が設けられていることを特徴とするオイルエア潤滑システムの配管異常検知装置を提供する。
本発明によれば、例えば複数のロールの軸受部にオイルエアを供給する場合でも、個々の軸受け毎に圧力計を設ける必要がなく、オイルエアを生成する圧縮空気の流量計および圧力計をそれぞれ設けるだけで済むので、例えばロールユニット毎に1組の流量計および圧力計を設ければよく、構成が単純であり無駄なコストを省くことができる。また、圧縮空気の流量と圧力との関係から配管異常の有無を判定するので、圧縮空気が流れているオイルエア潤滑システムの連続運転中に、配管異常の有無を検知することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。
図1は、本発明にかかるオイルエア潤滑システム1の構成例を示し、例えば10個の軸受けにオイルエアを供給する場合の構成を示す。
オイルエア混合装置2に、圧縮空気および潤滑油が供給され、オイルエア混合装置2内で混合されて、オイルエアが生成される。圧縮空気をオイルエア混合装置2に供給するエア配管3の、オイルエア混合装置2の手前に、潤滑油と混合される前の圧縮空気の流量を測定する流量計4が設けられている。また、オイルエア混合装置2で生成されたオイルエアを搬送するオイルエア配管5の、オイルエア混合装置2の下流側に、枝管6が分岐して設けられ、枝管6の先端に圧力計7が設けられている。圧縮空気の圧力を測定する圧力計7は、オイルエア混合装置2内の圧力損失によってオイルエア配管5の圧力の増減を検知する精度が低下しないように、オイルエア混合装置2の下流側に設置される。
オイルエア配管5は、先端が分配器8に連結される。本実施形態では、分配器8から2つのオイルエア配管11、12に分かれて、それぞれのオイルエア配管11、12の先端が下流側分配器9、10に連結される。さらに、各下流側分配器9、10から、それぞれ5つのオイルエア配管21〜25、26〜30に分かれ、各5つずつのオイルエア配管21〜25、26〜30は、10個のロールの軸受けがそれぞれ収容された軸受け箱B1〜B10に連結される。すなわち、図1に示すオイルエア潤滑システム1では、計10個のロールからなるロールユニットの、それぞれの軸受け箱B1〜B10にオイルエアが供給される。本発明は、このように、複数に分岐されたオイルエア配管を有する場合に好適であり、図1の実施形態に限らず、3段階以上の分配器を有していてもよい。
なお、圧力計7は、オイルエア混合装置2の下流側であればよく、例えば図1に示すようにオイルエア混合装置2の直後に1台のみ設置し、複数のオイルエア配管の全てを1台の圧力計で監視してもよいし、分配器8よりも下流のオイルエア配管に設けてもよい。ただし、前述の通り、例えば連続鋳造機のように複数のガイドロールからなるロールユニットの場合、軸受け単体や配管単体の補修は困難であり、ロールユニット単位での補修が実施されるため、ロールユニット単位での配管異常が検出できればよい。そのため、個々の軸受けに対するオイルエア配管毎に圧力計を設ける必要はなく、ロールユニット毎に1台ずつ設ければよい。また、オイルエア配管全体を監視するためには、オイルエアが生成された直後に圧力計を設けることが好ましい。なお、ロールユニットは、例えば連続鋳造の鋳片ガイドロールの場合には、通常、5〜10個のロールが2列、計10〜20個程度のロールから構成される。圧力計の検知精度を確保するためには、1台の圧力計に対して50個以下のロールからなるロールユニットとすることが望ましい。
各軸受け箱B1〜B10の手前に、オイルエア配管21〜30の圧力を増加させるためのオリフィス31が設けられる。オリフィス31は、なるべく軸受け箱B1〜B10に近い直前の位置、すなわち軸受け箱B1〜B10とオイルエア配管21〜30との接合部に設けることが好ましい。オリフィス31を設けてオイルエア配管21〜30内の圧力を高くすることにより、異常時の圧力の変化が大きくなって圧力計7に伝わりやすく、圧力変化の検知精度が増す。
以上の構成を有するオイルエア潤滑システム1においては、連続運転を行いながら、流量計4で圧縮空気の流量を測定し、圧力計7で圧力を測定する。圧縮空気の流量に対する圧力値が、予め設定された正常時の値よりも高い場合には、当該ロールユニット内のオイルエア配管に閉塞があると判定する。また、圧縮空気の流量に対する圧力値が、予め設定された正常時の値よりも低い場合には、当該ロールユニット内のオイルエア配管でオイルエアが漏洩していると判定する。正常時との比較における異常の判定基準は、ロールユニットのロールの個数等により異なるが、例えば10個のロールからなるロールユニットにオイルエアを供給する場合には、予め測定した正常時の平均流量に対する平均圧力の関係よりも5%以上高いあるいは少ない場合に、異常と判定することができる。このような流量と圧力値の判定は、オイルエア潤滑システムの稼働中に、例えば制御装置にオンラインでそれぞれのデータを送信し、リアルタイムで行うことができる。
本発明によれば、圧縮空気の流量を監視し、流量に対する圧力値で配管異常の有無を判定するので、オイルエア潤滑システムの稼働中に、圧縮空気の流量が変動しても、そのときの流量に対する圧力値から、配管異常の検知を行うことができる。なお、流量調整弁を用いて、圧縮空気の流量を一定に制御することにより、更に異常検知の精度を向上させることができる。
本発明では、複数のロールからなるロールユニット単位で、オイルエア配管の異常の有無を監視するため、従来よりも大幅に圧力計の個数を削減でき、簡易な構成で且つ低コストで実施できる。また、圧力計の設置個数を少なくすることにより、故障頻度が低下するという付帯効果が得られるうえ、圧力計設置のための枝管が少なくて済むので、枝管からの漏洩によるオイルエア供給能力の低下を防ぐこともできる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
図1に示すオイルエア潤滑システム1において、正常時、および1個所のオイルエア配管21に漏洩または閉塞が生じた場合の、圧縮空気の流量と圧力との関係を測定した。結果を図2に示す。なお、軸受け箱は図1に示す通り10個であり、軸受け箱直前のオイルエア配管はΦ6mm、オリフィス径はΦ2mmである。
図2に示すように、圧縮空気の流量が25L/min、50L/min、100L/min、200L/minのいずれの場合も、オイルエア配管の閉塞時には、正常時よりも圧力が高く検出され、漏洩時には、圧力が低く検出された。したがって、このデータを元に、同様のオイルエア潤滑システム1において、圧縮空気の流量と圧力を測定して正常時と比較することにより、オイルエア配管の異常の有無を判定できる。
本発明は、流体を搬送する配管の異常検知方法に適用できる。
1 オイルエア潤滑システム
2 オイルエア混合装置
3 エア配管
4 流量計
5、11、12、21〜30 オイルエア配管
6 枝管
7 圧力計
8、9、10 分配器
31 オリフィス
B1〜B10 軸受け箱
2 オイルエア混合装置
3 エア配管
4 流量計
5、11、12、21〜30 オイルエア配管
6 枝管
7 圧力計
8、9、10 分配器
31 オリフィス
B1〜B10 軸受け箱
Claims (4)
- 潤滑油と圧縮空気を混合してオイルエアを生成し、前記圧縮空気の流れによって、前記オイルエアを、オイルエア配管の内壁に沿って潤滑点まで搬送するオイルエア潤滑システムにおいて、
前記圧縮空気の流量および圧力を測定し、前記流量に対する前記圧力の値を、予め測定した正常時と比較することにより、前記オイルエア配管の漏洩または閉塞の有無を検知することを特徴とする、オイルエア潤滑システムの配管異常検知方法。 - 前記流量は、オイルエアを生成する前の前記圧縮空気の流量を測定し、前記圧力は、オイルエア生成直後の前記オイルエアの圧力を測定することを特徴とする、請求項1に記載のオイルエア潤滑システムの配管異常検知方法。
- 前記オイルエア配管の、前記潤滑点の直前に、オリフィスを設けることを特徴とする、請求項1または2に記載のオイルエア潤滑システムの配管異常検知方法。
- 潤滑油と圧縮空気を混合してオイルエアを生成し、前記圧縮空気の流れによって、前記オイルエアを、オイルエア配管の内壁に沿って潤滑点まで搬送するオイルエア潤滑システムにおいて、
前記圧縮空気を供給するエア配管の、前記オイルエアを生成するオイルエア混合装置の手前に、前記圧縮空気の流量を測定する流量計が設けられ、
前記オイルエア混合装置の下流側の前記オイルエア配管から枝管を分岐させて、前記枝管に圧力計が設けられていることを特徴とする、オイルエア潤滑システムの配管異常検知装置。
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JP2010089551A JP2011220429A (ja) | 2010-04-08 | 2010-04-08 | オイルエア潤滑システムの配管異常検知方法および配管異常検知装置 |
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JP2018514723A (ja) * | 2015-05-14 | 2018-06-07 | エンメ・ドッピオヴ・エンメ スクミエランラーゲン ソチエタ ア リスポンサビリタ リミタータ | 電子的調整及び制御による最小連続流量のオイルエア潤滑の方法及びシステム |
KR101885479B1 (ko) | 2017-07-12 | 2018-08-03 | 홍주원 | 윤활상태 자동 감시시스템 |
CN114025251A (zh) * | 2021-11-03 | 2022-02-08 | 国家石油天然气管网集团有限公司华南分公司 | 一种仪表异常的报警方法、装置以及介质 |
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-
2010
- 2010-04-08 JP JP2010089551A patent/JP2011220429A/ja not_active Withdrawn
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