JP2011220019A - 鋼製ドア - Google Patents

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Abstract

【課題】 鋼製ドアにおける鋼製の骨材、同じく鋼製の室内外表面板による熱伝導を遮断して、断熱性能を高度化する。
【解決手段】 鋼製の骨材11を、見付方向に2分割した骨材構成材111を、その固定片113を重合一体化して形成するとともにこの骨材構成材111の上記固定片113間に断熱層115を配置し且つこの骨材11を被覆する鋼製の室内外表面板12の折曲見込片121間に空隙を配置することによって、これらを熱伝導遮断措置とする。断熱層115は、例えば無機系耐火性のセラミックファイバーの耐火性繊維シートを用い、固定片113の重合一体化は、該耐火性繊維シートを配置した上、ネジ等の固定金具116で固定して行う。熱伝導遮断による極めて高度な断熱性能を発揮する鋼製ドア1とすることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、建造物の開口部に設置するドアに関し、特に鋼製ドアに関する。
この種の鋼製ドアは、一般に、ドア外形を画する骨材(ドア補強材といってもよい)と、該骨材を被覆するように配置した室内外表面板と、これら骨材と表面板とによって形成される内部空間に充填した芯材乃至断熱材とを備えたものとされ、上記骨材は、鋼材を加工した断面コ字状乃至断面L字状の鋼製のものとされ、室内外表面板は、鋼板を加工したパネル状の鋼製のものとされている。このとき、下記特許文献1のものは、骨材に対して表面板を、その戸先側において折曲片同士を接合してドア縦枠の先端を覆う召合突条を形成するように室内外で一体化する一方、吊元側及び上下側においてはその折曲見込片を上記骨材に面接するか、先端突条を上記骨材に対接するように該折曲見込片によって骨材を被覆したものとされている。
特開2008−133592号
このように構成された鋼製ドアは断熱性、防音性等に優れたドア(両面フラッシュドアといってもよい)として、マンション、ホテル等の出入用の開口部に多用されており、また、近年では昭和50年代、60年代に建築された建造物の鋼製プレスドアに代えて設置するドア改装にも用いられている。
しかし乍ら、上記鋼製ドアは、断熱性、防音性に優れるとはいえ、例えば、窓開口部に用いられるペアガラス装着の窓サッシと比較すると、その断熱性能において必ずしも満足し得る断熱性能を有するものとはいえない。即ち、上記のように鋼製ドアは、鋼製の室内外表面板によって鋼製の骨材を被覆するように配置する上、特許文献1にあっては、更に戸先側において室内外表面板を一体化するものとされるから、室外側表面板、骨材を介して外気温が室内側表面板に熱伝導することによって、鋼製ドアの外気温の遮断が不充分になり、このため鋼製ドアとしての断熱性能が損なわれる結果を招くことになり易い。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、可及的に簡易な構造にして確実に鋼製の骨材及び室内外表面板における熱伝導を遮断して断熱性能を可及的高度に備えた鋼製ドアを提供するにある。
上記課題に沿って本発明は、骨材を室内外2分割の骨材構成材を室内外に重合一体化して形成するとともに該重合一体化に際して該骨材構成材相互の接触を遮断するようにこれら骨材構成材間に断熱層を介設し且つ該骨材を被覆する室内外表面板の折曲見込片相互の接触を遮断するようにこれら折曲見込片間に空隙又は断熱材を介設し、これらを鋼製ドアの熱伝導遮断措置とすることによって、簡易な構造にして確実に鋼製の骨材及び室内外表面板における熱伝導を遮断して断熱性能を可及的高度に備えるようにしたものであって、即ち、請求項1に記載の発明を、鋼製の骨材及び室内外表面板における熱伝導を遮断した鋼製ドアであって、上記鋼製の骨材を、室内外に重合一体化した見込方向中間位置で2分割した骨材構成材によって形成するとともに該重合一体化に際して該骨材構成材間に断熱層を介設することにより該骨材構成材の相互接触を遮断し且つ上記鋼製の室内外表面板の上記骨材を被覆する折曲見込片間に見込方向中間位置で空隙又は断熱材を介設することにより該折曲見込片の相互接触を遮断してなることを特徴とする鋼製ドアとしたものである。
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、骨材構成材を重合一体化に適した形状にして剛性に優れた骨材を形成するように、これを、上記2分割した骨材構成材を、それぞれ重合一体化用に相互に対向する固定片を備えた断面コ字状又は断面L字状に形成してなることを特徴とする請求項1に記載の鋼製ドアとしたものである。
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記断熱層を骨材構成材の相互接触を簡易且つ確実に遮断するに適したものとするように、これを、上記骨材構成材間に介設した断熱層を、帯状断熱材によって形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼製ドアとしたものである。
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記断熱層を無機系耐火性のものとすることによって、防火戸の鋼製ドアとして更に有効な防火性を確保したものとするように、これを、上記骨材構成材間に介設した断熱層を、アルミナ、セラミック、セラミックファイバー等の無機系耐火性の断熱材によって形成してなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の鋼製ドアとしたものである。
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として、上記課題解決の手段としたものである。
本発明は以上のとおりに構成したから、請求項1に記載の発明は、骨材を室内外2分割の骨材構成材を室内外に重合一体化して形成するとともに該重合一体化に際して該骨材構成材相互の接触を遮断するようにこれら骨材構成材間に断熱層を介設し且つ該骨材を被覆する室内外表面板の折曲見込片相互の接触を遮断するようにこれら折曲見込片間に空隙又は断熱材を介設し、これらを鋼製ドアの熱伝導遮断措置とすることによって、簡易な構造にして確実に鋼製の骨材及び室内外表面板における熱伝導を遮断して断熱性能を可及的高度に備えた鋼製ドアを提供することができる。
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、骨材構成材を重合一体化に適した形状にして剛性に優れた骨材を形成するものとすることができる。
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記断熱層を骨材構成材の相互接触を簡易且つ確実に遮断するに適したものとすることができる。
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記断熱層を無機系耐火性のものとすることによって、防火戸の鋼製ドアとして更に有効な防火性を確保したものとすることができる。
鋼製ドアの正面図である。 鋼製ドアの縦断面図である。 鋼製ドアの横断面図である。 ドア外周を画するように枠組みした骨材の正面図である。 骨材の拡大断面図である。
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば、1は鋼製ドア(両面フラッシュドアといってもよい)であり、該鋼製ドア1は、ドア外形を画する鋼製の骨材11と、該骨材11を被覆するように配置した鋼製の室内外表面板12と、これら骨材11と表面板12とによって形成される内部空間に充填した断熱性充填材13とを備えた鋼製のものとしてあり、該鋼製ドア1は、その吊元側端部に配置した丁番5、例えば耐震丁番によって吊元側の縦枠23に吊支持し、上枠21、戸先側の縦枠22、該吊元側の縦枠23、下枠24を縦長矩形に枠組みした鋼製のドア枠2に開閉自在に装着したものとしてある。
鋼製ドア1は、鋼製の骨材11及び室内外表面板12における熱伝導を遮断したものとしてあり、このとき、上記鋼製の骨材11は、これを、室内外に重合一体化した見込方向中間位置で2分割した骨材構成材111によって形成するとともに該重合一体化に際して該骨材構成材111間に断熱層115を介設することにより該骨材構成材111の相互接触を遮断し且つ上記鋼製の室内外表面板12の上記骨材11を被覆する折曲見込片121間に見込方向中間位置で空隙又は断熱材、本例にあっては空隙を介設することにより該折曲見込片121の相互接触を遮断したものとしてある。
本例にあって上記2分割した骨材構成材111は、これを、それぞれ重合一体化用に相互に対向する固定片113を備えた断面コ字状又は断面L字状、本例にあっては断面コ字状に形成したものとしてある。
本例の骨材構成材111は、鋼製ドア1の見込(厚さ)を室内外に2分割する適宜幅、本例にあっては1/2弱幅の見込片112と、該見込片112の室内外両端に直交配置した上記固定片113及び該固定片113に平行な表面板対接突片114を備えて上記断面コ字状とした鋼製のものとしてあり、本例にあって該骨材構成材111は、その見込片112を相互に同幅とするとともに固定片113及び表面板対接突片114の見込片からの突出長さを同長として、例えば0.6mm程度の亜鉛めっき鋼板に折曲加工を施したものとしてあり、このとき該見込片112の幅は、鋼製ドア1の見込、例えば3.6、3.8乃至4.0cm程度の見込から、室内外表面板12の肉厚及び断熱層115の厚さを除いた幅を基準として上記2分割、本例にあっては室内外等分に2分割した寸法、本例にあっては1.5乃至2cm程度とし、上記固定片113及び表面板対接突片114の突出長さは、これを、それぞれ2cm程度としてあり、これによって本例の骨材構成材111は室内外に共通部材としてその部材の共通化を図ったものとしてある。
骨材構成材111は、本例にあってその固定片113を相互に対面し且つ該固定片113間に上記断熱層115を介設して固定手段によって室内外に重合一体化することによって骨材11をなすものとしてあり、本例にあって該重合一体化は、相互に対面した固定片113を、所定間隔配置のネジ、リベット等の固定金具116、本例にあっては、一方の固定片113に配置した透孔からのネジの螺着により金具固定することによって行ってある。このとき該骨材構成材111を重合一体化した骨材11は、例えば、鋼製ドア1の外形を画する外周又は該外周と鋼製ドア1の面内所定位置に配置することによって該鋼製ドア1の内部構造材をなすようにしてあり、上記外周配置のものは、骨材構成材111の各長手方向端部を相互に溶着することによって上記鋼製ドア1の外形を画する縦長矩形一体のフレームをなすように枠組みを施して用い、また、必要に応じて鋼製ドア1の面内所定位置に配置する面内配置のものは、該枠組みした骨材構成材111間に架設固定するように同じく溶着して、これに一体化して用いるものとしてある。
骨材構成材111の固定片113間に配置した断熱層115は、上記重合一体化に先行して一方の固定片113に断熱塗料を塗布することによって、また、重合一体化に際して断熱材を介装配置することによって、これを形成するものとしてあるところ、本例にあっては、該断熱層115を、帯状断熱材によって形成したものとしてあり、これによって骨材構成材111の重合一体化とその断熱層115の形成を可及的簡易且つ確実になし得るようにしてあり、このとき、該断熱材、即ち帯状断熱材は、これを、アルミナ、セラミック、セラミックファイバー等の無機系耐火性のものとしてあり、これによって鋼製ドア1を防火戸とするについて、例えば1000℃程度の高温にも溶解することなく耐火性を確保し得るものとしてある。
本例にあって帯状断熱材は、例えば、アルミナとシリカを組成した耐火性繊維であるセラミックファイバー、特のその帯状シートにして、例えば1〜2mm程度の肉厚にして上記骨材構成材111の固定片113の突出長さに応じた幅、即ち2cm程度の帯幅を有するものを用いてあり、該帯状断熱材は、これを、上記固定片間にサンドイッチ状に配置して、上記金具固定を施すことによって、骨材構成材111間に介設したものとしてある。
このように形成した骨材11には、該骨材11を被覆するように室内外表面板12を配置して、鋼製ドア1を形成してあり、該表面板12は、例えば0.6mmの肉厚のポリ塩化ビニル被覆鋼板を用いて、見付面の外周に直交するように折曲加工した折曲見込片121を備えたものとしてあり、本例にあって該折曲見込片121は、これを表面板12の上下において見付面から見込方向にそれぞれ表面板12の肉厚と上記骨材構成材111の見込片112の幅を合計した、例えば2cm程度の折曲幅を備えたものとし、また、表面板12の左右において、該表面板12の左右見付幅を骨材11より幾分大きくして、その先端を見付方向に1cm程度折返して折返し片122を形成して、折曲幅を上記上下の折曲見込片121におけると同等とするとともに各先端に見付方向に向けて1cm程度折返した折返し片122を形成し、該折返し片122の配置によって、上記ドア枠2における各縦枠22、23 設置の気密材25との接触幅を確保して、該鋼製ドア1の気密性を確実に確保したものとしてある。
室内外表面板12は、その外周端部が対接する、上記骨材11の各骨材構成材111における表面板対接突片114に接着剤、例えばウレタン系接着剤を塗布して、外周端部の裏面を該骨材11に接着することによって骨材11に固定してあり、このとき室内外表面板12の各折曲見込片121は、該表面板12の上下において各骨材構成材111に対接するようにこれを被覆し且つその先端を骨材構成材111の見込片112の先端、即ち固定片113側の端部に合せるように、該先端間に空隙を介設してその配置を行う一方、該表面板12の左右において、各骨材構成材111から浮かし状にして、その折返し片122を同じく見込片112の先端に合せ且つ該見込片112に載置状に対接するように、同様に折返し片122間に空隙を介設してその配置を行ってある。
図中117は、上記骨材構成材111に断熱材として充填したグラスウール又はロックウール、4はレバーハンドル、6は錠、7はドアスコープ、8はドアクローザー、131及び132は、上記断熱性充填材として、本例において用いた、例えば同じくグラスウール又はロックウールにフレスタック処理を施した断熱性のドア芯材及びその室内外の、例えばハニカムとした断熱材をそれぞれ示す。
以上のとおり鋼製ドア1は、上記骨材11を2分割した骨材構成材111によって形成するとともにその重合一体化に際して断熱層115を該骨材構成材111間に介設して、該2分割した骨材構成材111の相互接触を遮断し、また、該骨材11を被覆する室内外表面板12の折曲見込片121間に空隙を介設して、該折曲見込片121の相互接触を遮断し、これらを鋼製ドア1の熱伝導遮断措置として、鋼製の骨材11及び室内外表面板12における熱伝導を遮断したものとしてあるから、外気温に曝される室外側表面板12と室外側の骨材構成材111間において外気温の熱伝導を生じるも、室内外の骨材構成材111間の断熱層115がこれら骨材構成材111間の熱伝導を遮断回避するから、室内側の骨材構成材111及びこれを被覆した室内側の表面板12に外気温が熱伝導するのを有効に阻害するとともに同じく外気温に曝される室内側の表面板12から室内側の表面板12に外気温が熱伝導するのを有効に阻害する結果、室内側の骨材構成材111及びこれを被覆する室内側の表面板12が、外気温の影響を受けるのを可及的に防止し、該鋼製ドア1の断熱性能を高度に備えたものとすることができ、このとき骨材構成材111に上記断熱材117を充填したことによって、該骨材構成材111の外気温の対流を防止して、断熱層115の機能が低下する如き影響を受けるのを解消してある。
従って、鋼製ドア1は、上記断熱性充填材13によってそれ自体断熱性を備えたものとした上、上記骨材構成材111の熱伝導及び室内外表面板12の熱伝導を遮断することによって、優れた断熱性能を呈するものとなり、本例の鋼製ドア1における熱貫流率は2.8強程度という如くに3watt/mKを下回るものであり、この種の断熱材を充填した鋼製ドアにおける熱貫流率が、一般に3.3watt/mKであることに比較して、断熱性能を極めて高度にして優れたものとすることができる。
図示した例は以上のとおりとしたが、骨材構成材の見込幅を広狭異幅のものとすること、該骨材構成材の重合一体化を、断熱層に含浸した接着剤を用いる等、接着固定によって行うこと、室内外表面材の折曲見込片間に、上記空隙に代えて、例えば倒H字状にして溝内に該折曲見込片先端を受入自在の断熱性連結材を用い、また、帯状断熱材を介して折曲見込片を重合配置すること等、断熱材を介設することによって該室内外表面材の熱伝導遮断措置とすること、骨材構成材の断面形状をL字状にして、室内外折曲見込片による該骨材構成材被覆を、見込面において固定することによって行うこと、帯状断熱材を用いるとき、これを発泡ウレタン等の有機系のものとすること、上記無機系耐火性の断熱層を用いるとき、これを、アルミナ、セラミック等によるものとすること等を含めて、本発明の実施に当って、鋼製ドア、骨材、骨材構成材、固定片、断熱層、室内外表面板、折曲見込片、空隙又は断熱材、必要に応じて用いる帯状断熱材、無機系耐火性の断熱材等の各具体的材質、形状、構造、これらの関係、これらに対する付加等は、上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
1 鋼製ドア
11 骨材
111 骨材構成材
112 見込片
113 固定片
114 表面板対接突片
115 断熱層
116 固定金具
117 断熱材
12 室内外表面板
121 折曲見込片
122 折返し片
13 断熱性充填材
131 ドア芯材
132 断熱性充填材
2 ドア枠
21 上枠
22 戸先側の縦枠
23 吊元側の縦枠
24 下枠
25 気密材
4 レバーハンドル
5 丁番
6 錠
7 ドアスコープ
8 ドアクローザー

Claims (4)

  1. 鋼製の骨材及び室内外表面板における熱伝導を遮断した鋼製ドアであって、上記鋼製の骨材を、室内外に重合一体化した見込方向中間位置で2分割した骨材構成材によって形成するとともに該重合一体化に際して該骨材構成材間に断熱層を介設することにより該骨材構成材の相互接触を遮断し且つ上記鋼製の室内外表面板の上記骨材を被覆する折曲見込片間に見込方向中間位置で空隙又は断熱材を介設することにより該折曲見込片の相互接触を遮断してなることを特徴とする鋼製ドア。
  2. 上記2分割した骨材構成材を、それぞれ重合一体化用に相互に対向する固定片を備えた断面コ字状又は断面L字状に形成してなることを特徴とする請求項1に記載の鋼製ドア。
  3. 上記骨材構成材間に介設した断熱層を、帯状断熱材によって形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼製ドア。
  4. 上記骨材構成材間に介設した断熱層を、アルミナ、セラミック、セラミックファイバー等の無機系耐火性の断熱材によって形成してなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の鋼製ドア。
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