JP2011218616A - 成型用ハードコートフィルム - Google Patents

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Haruhiko Mase
晴彦 間瀬
Takeshi Nishino
剛 西野
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Abstract

【課題】塗布された活性エネルギー線硬化型樹脂が活性エネルギー線照射前の状態であってもタックやブロッキングが少なく、巻き取りやその他取扱いが可能な成型用ハードコートフィルムを提供する。
【解決手段】活性エネルギー線硬化型樹脂が表面に塗布され、該樹脂層が活性エネルギー線照射前の状態において、立体形状を有するプラスチック基材に積層されて使用される成型用ハードコートフィルムであって、前記活性エネルギー線硬化型樹脂が、水酸基含有アクリルアミドとイソシアネート化合物を反応させることによって得られるものであることを特徴とする成型用ハードコートフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は塗布された活性エネルギー線硬化型樹脂が活性エネルギー線照射前の状態であってもタックやブロッキングが少なく、巻き取りやその他取扱いが可能な成型用ハードコートフィルムに関する。
プラスチックに硬度や耐擦傷性を付与するためのハードコート剤として、(メタ)アクリレート化合物を主成分とする活性エネルギー線硬化型組成物が用いられている。特に多官能(メタ)アクリレート化合物を用いたものは架橋密度が高く、優れた物理特性を付与することができる。これらの活性エネルギー線硬化型ハードコート組成物をプラスチックフィルムに塗布・硬化したハードコートフィルムは、そのままフィルムとして平面状で用いられる他、様々な三次元形状を持つプラスチック成型品の表面保護用にも用いられている。
一方、硬化したハードコート層は剛直なため、ハードコートフィルムを曲げ加工するとハードコート層が割れたり剥離するなどの問題が発生する。そこで、ハードコートフィルムを曲面部に用いる場合は、未硬化のハードコート樹脂層を有するフィルムとプラスチックを積層して、積層後にハードコート層を硬化するという方法が用いられてきた。一般的な未硬化のハードコート樹脂層はタックやブロッキングを生じるため、重ね合わせたり、巻き取ることが出来ない欠点がある。
特許文献1には、皮膚刺激性や臭気が低減されたウレタンアクリルアミドオリゴマーが開示されているが、前記課題は解決されていない。特許文献2には、有機微粒子を配合することよりブロッキングを低減したハードコート剤が開示されているが、未硬化状態ではタックがあり、高価な有機微粒子を使用しなければならず工業的には不利である。特許文献3、4には、未硬化状態で指触によるタックが感じられない程度のタックフリー性を有する樹脂が開示されているが、巻き取りのようにハードコート層が強く圧着される条件ではブロッキングを生じる問題がある。特許文献5には、未硬化状態でタックを生じない常温付近で固体の材料は開示されているが、耐溶剤性が悪い、耐熱性が低い、活性エネルギー線照射後の硬度が劣りスクラッチ傷を生じやすいなどの課題を有している。また、タックやブロッキングが消失し、かつ成型してもハードコート層が割れたり剥離しない程度にハードコート層を硬化する方法も検討されているが、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化制御は極めて難度が高く、工業的応用には未だ不十分である。
特開2002-37849号公報 特許4137133号公報 特開2001-329031号公報 特開2006-249353号公報 特開2005-281412号公報
本発明の課題は、塗布された活性エネルギー線硬化型樹脂が未硬化の状態であってもタックやブロッキングが少なく、巻き取りやその他取扱いが可能な成型用ハードコートフィルムを提供することである。
本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂が表面に塗布され、該樹脂層が未硬化の状態において、立体形状を有するプラスチック基材に積層されて使用される成型用ハードコートフィルムであって、前記活性エネルギー線硬化型樹脂が、水酸基含有アクリルアミドとイソシアネート化合物を反応させることによって得られるものであることを特徴とする成型用ハードコートフィルムである。
本発明の成型用ハードコートフィルムは、塗布された活性エネルギー線硬化型樹脂が未硬化の状態であってもタックやブロッキングが少なく、巻き取りやその他取扱いが可能であるため、ハードコートフィルムを製造した後に巻き取り状態で保管、移送することが可能となり、取り扱い性に優れる。
本発明の成型用ハードコートフィルムの表面には、水酸基含有アクリルアミドとイソシアネート化合物を反応させることによって得られる活性エネルギー線硬化型樹脂が塗布される。本発明における水酸基含有アクリルアミドは、水酸基およびアミドを有し、活性エネルギー線硬化可能なアクリロイル基を有する化合物である。具体的には、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ヒドロキシプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられる。
イソシアネート化合物は公知のものを利用できる。具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられ、これらのアダクトタイプ、イソシアヌレートタイプ、ビュレットタイプを用いても良い。
水酸基含有アクリルアミドとイソシアネート化合物との反応は、水酸基とイソシアネート基の比が好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:2〜2:1程度となるように反応させる。反応を促進させるために錫化合物などの触媒を添加してもよい。水酸基含有アクリルアミドとイソシアネート化合物との反応は十分に速いため、必ずしもフィルムに塗布する前に十分に反応させる必要があるわけではなく、両者を混合後すぐにフィルムに塗布してフィルム上で反応が進行するようにしてもよい。
水酸基含有アクリルアミド、イソシアネート化合物がフィルムに塗布される際には適当な溶媒を用いることが好ましい。用いた溶媒は活性エネルギー線硬化型樹脂をフィルムに塗布後、加熱乾燥することによって揮発させることができる。なお、溶媒がイソシアネート化合物と反応してしまわないよう、活性水素を有しないものから適宜選択される。また、ハードコートフィルムがプラスチック基材に積層された後に硬化させやすくするため、各種重合開始剤を使用してもよい。具体的には、ラジカル型重合開始剤としてベンゾフェノン及び他のアセトフェノン、ベンジル、ベンズアルデヒド及びo−クロロベンズアルデヒド、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、9,10−フェナントレンキノン、9,10−アントラキノン、メチルベンゾインエーテル、エチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、α,α−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシアセトフェノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオール−2−o−ベンゾイルオキシム及びα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等が挙げられる。市販品としては、イルガキュア−184、イルガキュア−651(チバ・ジャパン株式会社製、商品名)、ダロキュア−1173(メルク社製、商品名)などの光重合開始剤が挙げられる。
また、帯電防止剤、屈折率調整剤、酸化防止剤、老化防止剤、光増感剤、レベリング剤
、消泡剤、防腐剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、pH調整剤、分散剤等の公知の添加剤が添加されていてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂が塗布されたフィルムは、加熱乾燥により溶剤揮散と反応促進させた状態においてタックやブロッキングが少ないため、巻き取りやその他取扱いが可能である
以下、本発明について実施例、比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって、特にこれらに限定するものではない。
実施例1
ヒドロキシエチルアクリルアミド2.53重量部、重合開始剤としてIrgacure184(チバ・ジャパン社製、商品名)0.43重量部、触媒としてネオスタンU−130(日東化成社製、商品名)0.01重量部をメチルエチルケトン6.93重量部に分散し、主剤とした。イソシアネート化合物としてD−110N(XDIアダクト、三井化学社製、商品名)7.99重量部をメチルエチルケトン11.99重量部に分散し、硬化剤とした。
主剤中のヒドロキシエチルアクリルアミドの水酸基と硬化剤中のイソシアネート基の比が1:1となるよう、前記主剤溶液9.9重量部と前記硬化剤溶液20.1重量部を混合し、#14バーコーターを用いて乾燥後の膜厚が約5μmとなるように易接着処理PETフィルムであるルミラー100U34(東レ社製、商品名)に塗布し、80℃で2分間加熱乾燥による熱硬化を行うことにより、実施例1のハードコートフィルムを得た。次いで、紫外線照射機を用いて300mJ/cmの条件で紫外線硬化を行い、実施例1のハードコートフィルムを得た。
実施例2、3、比較例1、2
実施例1において、主剤溶液の配合、硬化剤溶液の配合を表1記載のように変更した他は実施例1と同様に行うことにより、実施例2、3、比較例1、2の各ハードコートフィルムを得た。なお、実施例1で用いた配合材料の他、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、KAYARAD DPHA(ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬社製、商品名)、D−120N(H6XDIアダクト、三井化学社製、商品名)を用いた。
ブロッキングの評価方法・基準
ハードコートフィルムのハードコート層にルミラー100U34を重ね合わせ、23℃雰囲気下において荷重が1kgf/cmとなるよう10時間圧締し、フィルムのブロッキング状態を以下のように評価した。○:ブロッキングしない、×:ブロッキングする。
鉛筆硬度の評価方法
紫外線照射機を用いて300mJ/cmの条件でハードコート層を硬化させ、JIS
K 5600−5−4の規定に基づいて鉛筆硬度を測定した。測定装置は、株式会社東洋精機製作所製の鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(形式P)を用いた。
Figure 2011218616
実施例の各ハードコートフィルムはハードコート層が未硬化の状態でもブロッキングが少なく、取扱い性に優れていた。一方、多官能アクリレートを主成分とする比較例1、水酸基を含有するもののアミド基を含有しないアクリレートを用いた比較例2は、ハードコート層が活性エネルギー線照射前の状態ではブロッキングしてしまい、巻き取りやその他取扱いは困難であった。

Claims (1)

  1. 活性エネルギー線硬化型樹脂が表面に塗布され、該樹脂層が活性エネルギー線照射前の状態において、立体形状を有するプラスチック基材に積層されて使用される成型用ハードコートフィルムであって、
    前記活性エネルギー線硬化型樹脂が、水酸基含有アクリルアミドとイソシアネート化合物を反応させることによって得られるものであることを特徴とする成型用ハードコートフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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