JP2011216877A - 積層バリスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】未焼成のバリスタ材料とCu電極とを一体焼成しても、Pd等の貴金属の電極を用いて大気中で焼成した場合と同等レベルのバリスタ電圧と電圧非直線性を有し、優れた静電気抑制効果と静電気耐性を実現する。
【解決手段】電極の主成分をCuとしバリスタ材料の主成分をZnOとし副成分を一般式ABO3からなるペロブスカイト化合物として、AサイトをSr、Ca、Baの少なくとも一種として、BサイトをCo単体、もしくはCo、MnおよびCrから選ばれる一種とし、バリスタ材料のセラミックグリーンシートとCu導電ペースト層を交互に積層し積層体を形成し、この積層体を980℃以上1080℃未満で酸素分圧が10-5Pa〜10-1PaのCuの還元雰囲気で行う第1の熱処理と500℃〜900℃の大気中で酸化処理を行う第2の熱処理を順次行い、セラミック焼結体を形成した後、外部電極を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は未焼成のバリスタ材料と電極とを一体に熱処理した積層バリスタ及びその製造方法に関し、特に熱処理時の酸素分圧の制御によって電極に卑金属のCuを用いることを可能とした構成の積層バリスタおよびその製造方法に関する。
静電気放電等の過電圧からICやLSIの半導体デバイス等の電子部品の保護を目的として、バリスタが用いられている。特に携帯電話等の電子機器分野においては小型化や薄型化に伴い面実装型が要求され、チップ型積層バリスタが用いられている。また電子部品の低電圧化、高周波化に伴い、バリスタ電圧が低く静電容量の小さい積層バリスタが要求されているが、静電気対策部品共通の要求特性は静電気抑制効果と静電気耐性の高性能化である。
従来の積層バリスタはZnOを主成分とし、副成分としてBi等の酸化物を含むバリスタ層と内部電極とを交互に積層したもので、大気中で焼成するために内部電極の構成材料にPt、Pd、Au、Ag又はこれらの単体の金属から選ばれる合金の貴金属が用いられてきた。
このような積層バリスタとして、例えば引用文献1に主成分のZnOに副成分としてBi等の酸化物を所定の組成比で添加したセラミックグリーンシートと、Ptの内部電極の導電ペーストを複数交互に積層した後、大気中で1000℃〜1350℃の酸化雰囲気でセラミックグリーンシートと導電ペーストとを一体に焼成して積層バリスタを形成する技術が開示されている。
また、引用文献2には副成分としてPrを含有し、Pdの内部電極ペーストを用いて、大気中1000℃〜1400℃で焼成して積層バリスタを形成する技術が開示されている。
特開昭64−66907号公報 特開2005−276938号公報
このような従来の積層バリスタは、Ag、Pt、Pdなどの貴金属の内部電極材料が使用されている。それらの導電率は約9S/mと低く、積層バリスタの静電気抑制効果と静電気耐性を悪化させる原因になっていた。静電気パルスは数百MHz程度のマイクロ波帯域の高周波成分から構成されており、導体の抵抗成分は周波数が高いほど表皮効果によって増加し、導電率が低いほど顕在化して静電気の抑制効果を悪化させていた。
また、抵抗成分は動作時に大きなジュール熱を発生させ、電極の焼損、周辺バリスタ材料の特性劣化を招くため、静電気耐性を低下させる原因でもあった。これらの特性劣化に加えて貴金属は高価なため、積層バリスタの原材料費に占める電極材料費の割合は40〜80%にも達し、コストを高める最大要因となっていた。コスト高が理由で、静電気対策が施されずに各種電子機器の信頼性が不十分になっているケースも見受けられる。
そこで導電率が高く、価格が比較的安価なものとして卑金属のCu(導電率=64S/m)が内部電極の金属材料としてあげられる。しかしながら、このCu電極とセラミックグリーンシートとを同時焼成する場合、酸化雰囲気中ではCuの酸化により内部電極が酸化されてしまい、電極としての機能を果たさない。またCuの酸化が生じない低酸素濃度の雰囲気中で焼成するとバリスタ層に含有するBiの蒸発や粒界の酸化が不十分となり、絶縁抵抗が著しく低下し、バリスタ電圧、電圧非直線性が得られないという課題がある。さらには低酸素濃度で焼成することでバリスタの主成分であるZnOが蒸発してしまうという問題もありバリスタ材料とCu電極の一体焼成は非常に困難であるとされている。
本発明はこのような従来の課題を解決し、未焼成のバリスタ材料と低抵抗の卑金属Cuの電極とを還元雰囲気中で一体焼成しても、貴金属の電極を用いて大気中で焼成した場合と同等レベルのバリスタ電圧と電圧非直線性を発現し、さらに導体損失の低減によって優れた静電気抑制効果と静電気耐性を得ることができるバリスタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、主成分のZnOと一般式ABO3で表されるペロブスカイト化合物とを備えたバリスタ層と、主成分がZnOからなる保護層と、内部電極と、外部電極とを有し、前記内部電極は前記バリスタ層を挟み込むように対向配置し、前記保護層は積層方向の最表層に積層され、前記外部電極は前記内部電極の長手方向の端面に形成し、前記ペロブスカイト化合物は前記バリスタ層の結晶粒界に少なくとも介在している積層バリスタにおいて、前記内部電極の主成分をCuとし、前記保護層からなる積層バリスタの表層に、前記バリスタ層よりもZn濃度が低い層を設けた構成としたものである。
また、この積層バリスタの製造方法としては、少なくとも主成分のZnOと、副成分としてSr、Co、Ca、Ba、MnおよびCrの炭酸化合物または酸化物の少なくとも一種類とを有するバリスタシートを成形するバリスタシート成形工程と、少なくとも主成分がZnOである保護シートを成形する保護シート成形工程と、Cuを主成分とする内部電極用導電ペーストを前記バリスタシートおよび前記保護シートに塗布する内部電極用導電ペースト塗布工程と、前記バリスタシートが前記内部電極用導電ペーストに挟み込まれるように積層し、最表層に前記保護シートを積層して積層体を得るシート積層工程と、前記積層体を熱処理する、第1の熱処理工程と第2の熱処理工程を有し、前記第2の熱処理工程後に外部電極用導電ペーストを塗布して焼付けを行い、外部電極を形成する外部電極形成工程を有する積層バリスタの製造方法において、前記第1の熱処理工程は、前記バリスタシートおよび前記保護シートに含まれるZnOの蒸発が生じない酸素分圧より大きく、かつ前記内部電極用導電ペーストを熱処理してなるCu電極の酸化還元平衡酸素分圧以下とし、前記保護シートからなる保護層の表層に、前記バリスタシートからなるバリスタ層よりもZn濃度が低い層を設ける第一の焼結体を得る工程とし、前記第2の熱処理工程は前記第一の焼結体中の前記ZnOおよび前記ペロブスカイト化合物を酸化する工程としたものである。
以上のように本発明によれば、主成分がZnOからなるバリスタ層および保護層とを低抵抗なCuを主成分とする電極と一体焼成することが可能となり、貴金属の電極を用いて大気中で焼成した場合と比較しても同等レベルのバリスタ電圧と電圧非直線性を有し、さらには導体損失の低減によって、優れた静電気抑制効果と静電気耐性を得ることができるという効果を奏するものである。
本発明の一実施の形態における積層バリスタの構成を示した断面図 本発明の一実施の形態における積層バリスタの製造工程図 本発明の一実施の形態における積層バリスタの他の製造工程図 本発明の一実施の形態における積層バリスタのZn濃度の測定位置を示した断面SEM写真 本発明の一実施の形態における積層バリスタの図4に示す断面SEM写真のZn濃度測定値を示す図
以下、本発明の一実施の形態における積層バリスタについて説明する。
本実施の形態における積層バリスタは図1に示すようにセラミック焼結体15の内部にCu電極12、13と、このCu電極12、13に接し、少なくとも一部のバリスタ層11が挟み込まれた構成となっている。
さらにセラミック焼結体15の両端部の外表面には外部電極16、17が設けられ、この外部電極16、17はセラミック焼結体15の端面18、19に表出したCu電極12、13の一方の端部と接続しており、下地外部電極21、金属層22の2層構造となる。そして保護層14の表層にはバリスタ層よりもZn濃度が低いZn低濃度層23を配置している。
セラミック焼結体15の積層方向の上下面にはバリスタ層11とCu電極12、13とを挟み込む保護層14が形成されており、保護層14は高温高湿環境、外部の物理的ストレスからバリスタ層11とCu電極12、13を保護するものである。さらに保護層14は後述する第1の熱処理、第2の熱処理を施しても上記保護機能が失われない材料であることが好ましい。
バリスタ層11は主成分をZnOとし、副成分としてSr、Co、Ca、Ba、MnおよびCrの炭酸化合物または酸化物が少なくとも含有される。バリスタ層11は結晶粒子の多結晶体組織で構成され、結晶粒子の結晶粒界には副成分からなる一般式ABO3で表されるペロブスカイト化合物の固溶体が存在する。この化合物は前記結晶粒界でバリスタ特性発現物質として働くものであり、卑金属のCuが酸化されない酸素分圧で、Cuの融点未満の温度で焼成しても優れた電圧非直線性を得ることができる。
また、ペロブスカイト構造の化合物とは、具体的にAサイトはSr、Ca、Baの少なくとも一種であり、BサイトはCo単体、もしくはCoと、MnおよびCrから少なくとも一種が選ばれる構成が好ましく、未焼成のバリスタ層11および保護層14とCu電極12、13とを一体焼成する際に添加含有させる。ペロブスカイト化合物は熱的安定性が高いため、静電気に対して安定したバリスタ特性を得ることができる。ペロブスカイト化合物の含有量は、主成分のZnOとペロブスカイト化合物との総量に対する前記化合物の比が0.01〜0.15であることが好ましく、バリスタ電圧が低く優れた電圧非直線性を有し、静電容量を小さくすることができる。また、バリスタ材料の副成分としてAl等を含有してもよい。
Cu電極12、13は大気中において貴金属より容易に酸化され易い卑金属のCuを主成分として含有したもの、又は卑金属のCuと貴金属の合金を用いることができ、この合金には比較的低抵抗なCu−Ag合金等があげられる。より好ましくは低抵抗なCu単体を用いることが好ましい。
さらに本発明の積層バリスタは後述するように、還元雰囲気で第1の熱処理を行うため保護層14の表層に、バリスタ層11よりもZn濃度が低い層を設けた構成の積層バリスタとなる。
積層バリスタの公称外形寸法を長さ2.0mm×幅1.25mm×高さ1.25mm以下の小形・薄型形状とする場合、バリスタ特性を発現するバリスタ層11の厚みは2μm〜50μmでCu電極12、13の厚みは1μm〜5μmに設けたものが好適に用いられる。
次に、本実施の形態の積層バリスタの製造方法について説明する。
図2は一実施の形態の積層バリスタの製造工程を示す。
まず、図2に示すようにバリスタ層11を形成するセラミックスラリーとCu電極12、13形成用の導電ペーストを準備する。セラミックスラリーはZnOを主成分とする未焼成材料と有機バインダーと溶剤とを含有するもので、導電ペーストは卑金属のCuを主成分とし、Cu粉末と有機バインダーと溶剤とを含有するものである。
また、セラミックスラリーのセラミック粉末としては出発原料粉末の混合粉末、又は出発原料粉末を仮焼した後の仮焼粉を用いることができる。
混合粉末は、主成分のZnOと、一般式ABO3で表される元素AおよびBにあたる酸化物、又は炭酸化合物の粉末とを所定の割合となるように秤量し出発原料粉末を準備し、次にこれらの出発原料粉末をボールミル等に入れ混合した後、乾燥したものである。仮焼する場合は、前記混合粉末を大気中で約700℃〜800℃にて1〜3時間仮焼して仮焼粉末を準備し、次にこの仮焼粉末をボールミルに入れて粉砕した後、脱水乾燥して形成したものである。
次に、セラミックスラリーをドクターブレード法等によりフィルム基材に塗布、乾燥してセラミックグリーンシートを得る。
このセラミックグリーンシートに導電ペーストをスクリーン印刷法等により所定のパターンで塗布、乾燥してセラミックグリーンシートの表面に導電体層を積層し、続いてフィルム基材からセラミックグリーンシートを剥離して導電体層を形成したセラミックグリーンシートを得る。
さらに導電体層を形成しない複数枚のセラミックグリーンシート層と、導電体層を形成した複数枚のセラミックグリーンシートとを、順次積層しながら圧着してシート積層体を形成し、このシート積層体を個片に切断してチップ状の積層体を得た。
続いて、セラミックグリーンシートの焼成が生じない300℃〜600℃の温度範囲で積層体の脱バインダーを行う。脱バインダーは導電体層の卑金属の酸化を抑制するためにN2等の不活性ガス中で酸素濃度が10ppm以下の雰囲気で行うことが好ましい。脱バインダー温度の保持時間は30分〜10時間の範囲で調整して行う。
次に、積層体に第1の熱処理と第2の熱処理を順次施してセラミック焼結体15を形成する。
第1の熱処理は未焼成のバリスタ層11および保護層14と、導電ペーストとを一体に焼成して第一の焼結体を形成するもので、第一の焼結体の結晶粒界には一般式ABO3のペロブスカイト構造の化合物が存在するが、セラミック焼結体15に含有するペロブスカイト構造の化合物のOサイトのごく一部が還元されて欠乏した状態となる。
第1の熱処理の酸素分圧はZnOの蒸発が生じない酸素分圧より大きく、Cu電極12、13のCuの酸化還元平衡酸素分圧以下で、かつバリスタ材料のペロブスカイト化合物の還元が生じる雰囲気に設けられる。
ここで、ZnOの蒸発はZnOの酸化還元平衡酸素分圧より高い酸素分圧でも生じる。そこで第1の熱処理におけるZnOの蒸発が生じない酸素分圧とは、第1の熱処理で焼成したセラミックテストピースAと大気中で焼成したセラミックテストピースBとの厚み寸法差が20μmを超えないように設けられる。
ここでセラミックテストピースAおよびBは、20μm〜30μmの一定厚みのセラミックグリーンシートをセラミックグリーンシート積層毎に50℃、5MPaで圧着して所定枚数積み重ねた後、常温にて60MPaで本プレスを行って1.0mm〜1.3mmの一定厚みの積層シートとした後、金型で打ち抜いてφ13mmの成形体を作製した。
第1の熱処理で施した焼成後のセラミックテストピースAの表層はZnOの蒸発が生じた変色部分を取り除いたものであり、セラミックテストピースBは大気雰囲気で焼成する以外はセラミックテストピースAと同様に作製したものである。
第1の熱処理の酸素分圧がZnOの蒸発が生じない酸素分圧以下であるとZnOが顕著に消失してしまうため、焼結体が脆い状態になって実用的でなくなり、バリスタ特性も得られなくなる。また、卑金属のCuの酸化還元平衡酸素分圧より大きいとCu電極が酸化されてしまいバリスタ電圧が高くなり、電極としての役割を果たさなくなる。
また、ペロブスカイト化合物の還元が生じる雰囲気は電圧比αが80〜100を有する第一の焼結体が形成されることが好ましく、卑金属の酸化を抑制できる酸素分圧にすることができる。ここで電圧比αはバリスタの電圧非直線性を示し、バリスタに電流が10μA、1mA流れたときの夫々の印加電圧をV10μA、V1mAとして関係式α=V1mA/V10μAから求める。
さらに第1の熱処理はCu電極12、13の融点より低い温度に設けられる。Cu電極の融点以上であると導電ペーストのCuとバリスタ材料との反応により電圧非直線性が悪化する。
ペロブスカイト化合物をAサイトがSr、Ca、Baの少なくとも一種であり、BサイトがCo、Mn、Crの少なくとも一種とCoとする場合、第1の熱処理において結晶粒界に存在するAサイト及びBサイトの元素の蒸発が生じ難く、安定して存在できるために優れた電圧非直線性が得られる。また、焼成温度は980℃以上が好ましく、焼成温度が980℃未満であるとペロブスカイト化合物の生成が困難となり、優れた電圧非直線性が得られない。
第2の熱処理の温度は、第1の熱処理の焼成温度より低い温度に設けて第1の熱処理で還元されたペロブスカイト化合物を酸化する雰囲気で行うものであり、この雰囲気で熱処理することによりペロブスカイト化合物の酸素欠乏したサイトに酸素が取り込まれて結晶粒界でバリスタ特性発現物質として作用する。
第2の熱処理は大気雰囲気が好ましく、大気雰囲気における熱処理温度での保持時間は10分〜60分で行うことが好ましい。
また大気中における第2の熱処理の熱処理温度は500℃より高い温度が好ましく、第1の熱処理で還元されたバリスタ材料を酸化することができ、優れた電圧非直線性とすることができる。
さらに第2の熱処理の熱処理温度は、900℃以下とする。900℃よりも高いとCu電極12、13の酸化が大きく、バリスタ電圧が著しく高くなり悪化する。
また、第2の熱処理は第一の焼結体の内部に形成されたCu電極12、13の酸化が生じないように制御する。第2の熱処理では第一の焼結体の端面18、19から露出したCu電極12、13の表面酸化が生じるが、この表面酸化の厚みは端面18、19から100μm以下が好ましく、小型・薄型の積層バリスタでは10μm以下になるように第2の熱処理の条件を制御することが好ましく、表面酸化部分の除去が小さく寸法精度の高い積層バリスタを得ることができる。
次に、第一の焼結体の端面18、19から露出したCu電極12、13の表面酸化部分を除去し、続いてセラミック焼結体15の両端部にAg等を含有した導電ペーストを塗布・乾燥した後、導電ペーストを焼き付けて下地外部電極21を形成し、さらに下地外部電極21の表面に金属層22を形成することによって外部電極16、17を形成して積層バリスタを得る。なお、前述の表面酸化部分を除去する工程は、第2の熱処理後に行う面取り工程で表面酸化部分を削り取ることができる。
また、積層バリスタの他の製造方法としては、図3に示すように積層体に脱バインダーと第1の熱処理を施して第一の焼結体を形成し、第2の熱処理を行わずに、次に外部電極用の導電ペーストを第一の焼結体に塗布し乾燥した後、第2の熱処理の雰囲気で外部電極用の導電ペーストの焼付けと同時にセラミック焼結体の酸化を行ってセラミック焼結体15を形成するものであり、製造工程を簡素にでき生産性を向上できる。また、第1の熱処理の降温時に第2の熱処理を施してもよく、製造工程を簡素にでき、生産性を向上できる。
以上のように上記の製造方法を経ることで、バリスタ層11および保護層14とCu電極12、13とを一体焼成することが可能となり、第1の熱処理において積層バリスタの表層部分のZnOが少なからず蒸発する。このようにして保護層14の表層部分のZn濃度がバリスタ層11よりも低い構成とする上述の積層バリスタを実現することができる。
(実施例および比較例)
以下に記載の(表1)および(表2)において実施例の試料番号2〜試料番号4、試料番号7〜試料番号9、試料番号12〜試料番号14、試料番号17、試料番号19、試料番号21、試料番号23、試料番号25、試料番号27、試料番号29、試料番号31の積層バリスタについて説明する。
まず出発原料として主成分であるZnO及び副成分となる炭酸化合物のSrCO3とCaCO3、BaCO3、酸化物のCo23、MnO2、Cr23の粉末を準備し、バリスタ層のバリスタ材料の組成が(表1)となるようにZnO、SrCoO3、CaCoO3、BaCoO3、Co23、MnO2、Cr23を秤量し出発原料とする。
(表1)の副成分の含有量xは主成分のZnOと一般式ABO3のペロブスカイト化合物との総量に対する前記化合物の比を示し、バリスタ材料の組成は(1-x)ZnO・x(ABO3)であり、例えば試料番号2ではバリスタ材料が0.96ZnO・0.04(Sr0.4Ca0.6CoO3)である。また、バリスタ層の結晶粒界には(表1)および(表2)に示す副成分の固溶体が存在し、この結晶粒界がバリスタ特性発現物質として作用する。
次に、出発原料の粉末をボールミル等に入れて混合した後、乾燥して乾燥粉末を得て、この乾燥粉末をセラミック粉体とする。さらにセラミック粉体と有機バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂と、可塑剤としてフタル酸エステルと溶剤とを混合してセラミックスラリーを得る。
このセラミックスラリーをドクターブレード法によりポリエチレンテレフタレートのフィルム上に塗布し、セラミックグリーンシートを形成する。
電極形成用の導電ペーストは粒径0.01μm〜10μmで純度99.9%のCu粉末と、有機バインダーとしてアルキッド樹脂と溶媒とを混合したものであり、導電ペーストをスクリーン印刷法によりセラミックグリーンシートの上に矩形パターンに塗布し、50℃〜80℃で乾燥して導電体層を積層する。
続いて複数のセラミックグリーンシートを積層し圧着した後、次に導電体層を形成した複数のセラミックグリーンシートを積層して圧着し、さらに複数のセラミックグリーンシートを積層して圧着し、シート状の積層体を得る。圧着はセラミックグリーンシートの積層毎に50℃〜100℃で1MPa〜10MPaにて加圧し、最後に本プレスを常温で50MPa〜100MPaにて行った。このシート状の積層体を切断し、長さ0.6mm×幅0.3mm×高さ0.3mmのチップ状の積層体とする。
さらに酸素分圧を1ppm〜10ppmに保ったN2ガス中で、一定の昇温速度で昇温させ、500℃で5時間保持して積層体の脱バインダーを行った。
この後(表1)および(表2)に示す条件でチップ状の積層体に第1の熱処理、第2の熱処理を順次施してセラミック焼結体を得た。
第1の熱処理では酸素分圧を一定に保ったN2ガス中で常温から一定速度で昇温させ、所定の温度で5時間保持して焼成した後、常温まで降温し、冷却して第一の焼結体を得た。
次の第2の熱処理では大気中で常温から一定速度で昇温させ熱処理温度で30分保持し第一の焼結体を酸化した後、常温まで降温し冷却してCu電極12、13が端面18、19から露出したセラミック焼結体15を得た。
次に、Cu電極12、13が露出した端面18、19を研削してCu電極12、13が露出した表面部分に形成されたCu酸化物を除去してCu金属を表出させ、厚み2μm〜3μmのCu電極12、13間に挟まれた厚み20μmのバリスタ層11が5層積層されたセラミック焼結体15を形成した。
さらにAg粉末とホウケイ酸鉛を含有するガラスフリットと有機バインダーとを含有した外部電極用のAgペーストを準備する。このAgペーストをセラミック焼結体15の両端部に塗布して乾燥した後、温度650℃の大気中でAgペーストを10分〜30分焼き付けて下地外部電極21を形成し、次に下地外部電極21の表面にNi層とSn層を電気めっきで順次形成して外部電極16、17を形成することによって積層バリスタを得た。
比較例の試料番号1、試料番号5、試料番号6および試料番号10は、上記実施例に対して第1の熱処理条件の焼成温度および酸素分圧を変えて作成し、試料番号11および試料番号15は第2の熱処理条件の焼成温度および酸素分圧を変えて作成した。
また試料番号16、試料番号18、試料番号20、試料番号22、試料番号24、試料番号26、試料番号28、試料番号30および試料番号32は導電ペーストのCu粉末の代わりに貴金属のAg−Pd合金粉末(Ag70/Pd30)を用いてAg−Pd電極とし、脱バインダーを500℃の大気中で行った後、1000℃の大気中で5時間保持して積層体を焼成してセラミック焼結体を得た。さらに実施例と同様に外部電極を形成して積層バリスタを得た。
次に、各試料番号の積層バリスタの夫々試料10個についてバリスタ電圧V1mA、電圧比α、静電容量のバリスタ特性を測定した。
バリスタ電圧V1mAは電流が1mA流れたときの印加電圧であり、静電容量は測定周波数1MHz・測定電圧1Vrms・無DCバイアスで測定した。そして、これらに加えて、静電気の抑制効果と静電気耐性をIEC61000−4−2の静電気放電イミュニティ試験に基づき評価を行う。測定系では評価基板に搭載された評価試料は伝送ラインとGND間に接続される。静電気シミュレータに接続された放電ガンから所定のESD電圧を有する静電気パルスはバリスタ前段側伝送ラインに印加される。バリスタが動作すると静電気パルスはGNDへとバイパスされて吸収され、その結果バリスタの後段側ラインのパルス成分は抑制される。この後段側のパルス波形をオシロスコープで観測してピーク電圧値を抑制電圧とする。静電気シミュレータは充電容量が150pFと放電抵抗が330Ωであり、オシロスコープは50Ω系で観測する。また、静電気耐性は、IEC61000−1−4に準拠したESD電圧8kV(充電容量150pF、放電抵抗330Ω)を静電気放電シミュレータから素子に印加した前後の特性変化を測定し、ESD電圧印加後(接触放電8kV)のバリスタ電圧の初期値からの変化率ΔV1mAを求めることで評価した。これらの結果を示した。
まずバリスタ電圧V1mA、電圧比αおよび静電容量について実施例と比較例について検討を行った。
第1の熱処理についてはCu電極を用いた試料番号2〜試料番号4、試料番号7〜試料番号9において焼成温度を980℃〜1060℃で酸素分圧を10-5Pa〜10-1Paの雰囲気とすることにより、バリスタ材料および副成分の含有量が同一でAg−Pd電極を用いて大気中で焼成した試料番号16と比較して同等レベルのバリスタ電圧、電圧比および静電容量とすることができた。
一方、酸素分圧が1Paの試料番号1の場合はセラミック焼結体の内部に形成されたCu電極が内部まで酸化されてしまいバリスタ電圧も著しく高くなった。酸素分圧が10-6Paの試料番号5の場合ではバリスタ材料のZnOの蒸発が激しく生じて外形寸法が著しく小さくなりバリスタ特性が得られなかった。
また焼成温度が950℃の試料番号6の場合はペロブスカイト化合物の生成が不十分となって電圧比が著しく高くなり、試料番号10のように焼成温度がCu電極の融点1080℃となるとCu成分がバリスタ材料に拡散するため電圧比が著しく高くなり、試料番号6および試料番号10共に電圧非直線性が明らかに悪化しているのがわかる。
第2の熱処理についてはCu電極を用いた試料番号12〜試料番号14に示すように温度を500℃〜900℃で、バリスタ材料および副成分の含有量が同一でAg−Pd電極を用いて大気中で焼成した試料番号16と比較すると同等レベルのバリスタ電圧、電圧比および静電容量とすることができた。
一方、試料番号11の熱処理温度450℃ではバリスタ材料の酸化が不十分となって電圧比が著しく高く電圧非直線性が明らかに悪化しており、試料番号15のCu電極の融点1080℃ではセラミック焼結体内部までCu電極が酸化されてしまいバリスタ電圧が著しく高くなった。
次に、副成分がSrCoO3でその含有量xが0.01〜0.10でCu電極を用いた試料番号17、試料番号19および試料番号21と、バリスタ材料および副成分の含有量が同一でAg−Pd電極を用いて大気中で焼成した試料番号18、試料番号20および試料番号22を比較しても同等レベルのバリスタ電圧、電圧比および静電容量が得られている。
また、副成分の含有量xが0.15でありCu電極を用いた試料番号23と、副成分の含有量およびバリスタ材料が同一でAg−Pd電極を用いて大気中で焼成した試料番号24とを比較すると副成分の含有量が0.15と多いため、バリスタ電圧および電圧比が副成分の含有量が0.01および0.1と比較すると、共に高くなっているが同等レベルのバリスタ電圧、電圧比および静電容量が得られることがわかる。
また、Cu電極12、13を用いてAサイトを夫々Ca、Baとした試料番号25と試料番号27及びBサイトのCoの一部を夫々Mn、Crと置換した試料番号29と試料番号31についても、それぞれ副成分の含有量およびバリスタ材料が同一でAg−Pd電極を用いて大気中で焼成した試料番号26、試料番号28、試料番号30および試料番号32と比較しても同等レベルのバリスタ電圧、電圧比および静電容量が得られていることがわかる。
なお積層バリスタのバリスタ電圧および静電容量に関してはバリスタ層の厚みや内部電極の重なり等の設計を変えることで、所望の特性に合わせて調整することができる。
次に抑制電圧および静電気耐性について比較をした。まずCu電極12、13を用いた試料番号2〜試料番号4、試料番号7〜試料番号9において焼成温度を980℃〜1060℃で酸素分圧を10-5Pa〜10-1Paの雰囲気とすることにより、副成分の含有量およびバリスタ材料が同一でAg−Pd電極を用いて大気中で焼成した試料番号16とを比較すると、Cu電極12、13を用いた試料の方が抑制電圧が低く、かつ静電気耐性についてもΔV1mAが小さくなっており明らかに特性が向上しているのがわかる。
第2の熱処理についてもCu電極を用いた試料番号12〜試料番号14に示すように温度を500℃〜900℃で、バリスタ材料および副成分の含有量が同一でAg−Pd電極を用いて大気中で焼成した試料番号16と比較すると、Cu電極12、13を用いた試料の方が抑制電圧が低くなり、かつ静電気耐性についてもΔV1mAが小さくなっており明らかに特性が向上しているのがわかる。
また、副成分の含有量およびバリスタ材料が同一条件で、Cu電極12、13を用いた場合とAg−Pd電極を用いた場合とを比較しても、試料番号17と試料番号18、試料番号19と試料番号20、試料番号21と試料番号22、試料番号23と試料番号24、試料番号25と試料番号26、試料番号27と試料番号28、試料番号29と試料番号30、試料番号31と試料番号32も同様にCu電極12、13を用いた積層バリスタの方が抑制電圧、静電気耐性共に向上しているのがわかる。
次に、一例として(表1)の試料番号19のセラミック焼結体断面のZn濃度を測定した。図4は試料番号19を樹脂内で硬化した後の断面SEM写真であり、積層方向に1〜9の白丸で示すポイントでZn濃度を測定した。
測定ポイントの間隔は1〜2間で30μm、2〜3間で60μm、3〜4間で60μm、4〜5間で30μmであり、5〜9は1〜5と対称である。
測定元素としてはZn、Sr、Coに加えて、樹脂成分がZnOの蒸発により生じた空孔に浸透していることを考慮しCも測定した。上記4元素の単位体積当りの濃度を100%としてZn濃度を測定した。
Zn濃度の測定値を図5に示す。図5から第1および第2の熱処理を経ることで、セラミック焼結体表層のZnOが蒸発し、保護層14の表層部分のZn濃度が低くなることがわかる。このように第1および第2の熱処理を行った結果、積層バリスタのZnの濃度分布が表層部と内層部で異なる。特にバリスタ層内部と比較すると濃度差が顕著に現れる。また、図4においては積層平面方向の端面を図示していないが同様のZn濃度分布を示す。
なお、具体的なZn濃度の測定方法としては電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて、測定箇所一部分当たり約10μm口径で測定を行った。
以上のように、セラミック焼結体の内部にCu電極12、13とバリスタ層11とが交互に積層され、保護層14の表層にバリスタ層11よりもZn濃度が低い層を設けた積層バリスタにおいて、バリスタ層11のバリスタ材料の主成分をZnO、副成分として一般式ABO3のペロブスカイト構造の化合物を結晶粒界に固溶体として含有し、AサイトがSr、Ca、Baの少なくとも一種であり、BサイトはCo単体、もしくはCo、MnおよびCrから選ばれる未焼成のバリスタ材料を含有するセラミックグリーンシートとCu粉末を含有する導電ペースト層を交互に積層して積層体を形成し、この積層体を第1の熱処理の焼成温度が980℃以上1080℃未満で酸素分圧が10-5Pa〜10-1Paの雰囲気で行い、続いて第2の熱処理を500℃〜900℃の大気中で行ってセラミック焼結体15を形成することにより、貴金属の電極を用いて大気中で焼成した場合と同等レベルのバリスタ電圧V1mAと電圧比αを得ることができ、抑制電圧および静電気耐性に関してはさらに優れた積層バリスタを実現することができる。
本発明の積層バリスタは、未焼成のバリスタ材料と卑金属のCu電極とを一体に焼成することを可能とし、従来製品と同等のバリスタ電圧と電圧非直線性を得ることができ、より優れた抑制電圧および静電気耐性を有し、各種電子機器における静電気対策素子に有用である。
11 バリスタ層
12、13 Cu電極
14 保護層
15 セラミック焼結体
16、17 外部電極
18、19 端面
21 下地外部電極
22 金属層
23 Zn低濃度層

Claims (9)

  1. 主成分のZnOと一般式ABO3で表されるペロブスカイト化合物とを備えたバリスタ層と、
    主成分がZnOからなる保護層と、
    内部電極と、
    外部電極とを有し、
    前記内部電極は前記バリスタ層を挟み込むように対向配置され、
    前記保護層は積層方向の最表層に積層され、
    前記外部電極は前記内部電極の長手方向の端面に形成され、
    前記ペロブスカイト化合物は前記バリスタ層の結晶粒界に少なくとも介在している積層バリスタにおいて、
    前記内部電極の主成分をCuとし、
    前記保護層の表層に、前記バリスタ層よりもZn濃度が低い層を設けたことを特徴とする積層バリスタ。
  2. 前記バリスタ層と前記保護層とが同一材料からなる、請求項1に記載の積層バリスタ。
  3. 前記ペロブスカイト化合物のAサイトはSr、Ca、Baの少なくとも一種であり、BサイトはCo単体、もしくはCo、MnおよびCrから選ばれる請求項1または請求項2に記載の積層バリスタ。
  4. 少なくとも主成分のZnOと、副成分としてSr、Co、Ca、Ba、MnおよびCrの炭酸化合物または酸化物の少なくとも一種類とを有するバリスタシートを成形するバリスタシート成形工程と、
    少なくとも主成分がZnOである保護シートを成形する保護シート成形工程と、
    Cuを主成分とする内部電極用導電ペーストを前記バリスタシートおよび前記保護シートに塗布する内部電極用導電ペースト塗布工程と、
    前記バリスタシートが前記内部電極用導電ペーストに挟み込まれるように積層し、
    最表層に前記保護シートを積層して積層体を得るシート積層工程と、
    前記積層体を熱処理する、第1の熱処理工程と第2の熱処理工程を有し、
    前記第2の熱処理工程後に外部電極用導電ペーストを塗布して焼付けを行い、外部電極を形成する外部電極形成工程を有する積層バリスタの製造方法において、
    前記第1の熱処理工程は、前記バリスタシートおよび前記保護シートに含まれるZnOの蒸発が生じない酸素分圧より大きく、かつ前記内部電極用導電ペーストを熱処理してなるCu電極の酸化還元平衡酸素分圧以下とし、
    前記保護シートからなる保護層の表層に、前記バリスタシートからなるバリスタ層よりもZn濃度が低い層を設ける第一の焼結体を得る工程とし、
    前記第2の熱処理工程は前記第一の焼結体中の前記ZnOおよび前記ペロブスカイト化合物を酸化する工程であることを特徴とする積層バリスタの製造方法。
  5. 少なくとも主成分のZnOと、副成分としてSr、Co、Ca、Ba、MnおよびCrの炭酸化合物または酸化物の少なくとも一種類とを有するバリスタシートを成形するバリスタシート成形工程と、
    少なくとも主成分がZnOである保護シートを成形する保護シート成形工程と、
    Cuを主成分とする内部電極用導電ペーストを前記バリスタシートおよび前記保護シートに塗布する内部電極用導電ペースト塗布工程と、
    前記バリスタシートが前記内部電極用導電ペーストに挟み込まれるように積層し、
    最表層に前記保護シートを積層して積層体を得るシート積層工程と、
    前記積層体を熱処理して第一の焼結体を得る第1の熱処理工程と、
    前記第一の焼結体に外部電極用導電ペーストを塗布する外部電極用導電ペースト塗布工程と、
    第2の熱処理工程を有する積層バリスタの製造方法において、
    前記第1の熱処理工程は、前記バリスタシートおよび前記保護シートに含まれるZnOの蒸発が生じない酸素分圧より大きく、かつ前記内部電極用導電ペーストを熱処理してなるCu電極の酸化還元平衡酸素分圧以下とし、
    前記保護シートからなる保護層の表層に、前記バリスタシートからなるバリスタ層よりもZn濃度が低い層を設ける第一の焼結体を得る工程とし、
    前記第2の熱処理工程では前記外部電極用導電ペーストを焼付けて外部電極を形成するとともに前記第一の焼結体中の前記ZnOおよび前記ペロブスカイト化合物を酸化する工程であることを特徴とする積層バリスタの製造方法。
  6. 前記ペロブスカイト化合物のAサイトはSr、Ca、Baの少なくとも一種であり、BサイトはCo単体、もしくはCo、MnおよびCrから選ばれる請求項4または請求項5のいずれかに記載の積層バリスタの製造方法。
  7. 前記第1の熱処理工程の熱処理温度は980℃以上で1080℃未満とする請求項4〜請求項6のいずれか1つに記載の積層バリスタの製造方法。
  8. 前記第1の熱処理工程の前記酸素分圧は10-5Pa〜10-1Paとする請求項4〜請求項7のいずれか1つに記載の積層バリスタの製造方法。
  9. 前記第2の熱処理工程の熱処理温度は500℃以上で900℃以下とし、熱処理雰囲気を大気中とする請求項4〜請求項8のいずれか1つに記載の積層バリスタの製造方法。
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