JP2011216466A - 端子付電気化学セル及びその製造方法 - Google Patents

端子付電気化学セル及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性および耐久性が高く、また、搭載される小型電子機器の回路基板と強固に接合でき、さらに信頼性が高い、リフロー自動実装による表面実装が可能な端子付電気化学セルを提供する。
【解決手段】発電要素7と電解質Eが内部に収納された金属製の密閉外装体2と、前記発電要素7の正負の極に接続し、前記外装体2の外部に引き出された1対の端子3と、実装される回路基板に接続可能な外部端子5と、前記回路基板に接続可能な少なくとも1つの固定端子11と、を備えた表面実装可能な電気化学セルであって、前記外部端子5及び固定端子11が、前記端子3又は外装体2と、レーザスポット溶接により溶接され、各溶接箇所について複数の溶接点25を備えていることを特徴とする、リフロー自動実装可能な端子付電気化学セルを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、小型の端子付電気化学セルとその製造方法に関する。
リチウム二次電池や電気二重層キャパシタ等の電気化学セルは、携帯電話、PDA、携帯用ゲーム機等の各種小型電子機器に搭載され、主電源の補助用電源や、メモリや時計機能のバックアップ用電源等として主に利用されている。近年、実装工程のさらなる効率化が望まれてきており、バックアップ用途については主に、自動実装可能なコイン形状のキャパシタが用いられている。一方、その他の用途、特に搭載機器の主電源の補助に用いられる、低抵抗の電気二重層キャパシタなどでは、従来、ラミネートフィルムなどの耐熱性が低い外装体が用いられ、一つの辺から正極および負極を引き出す形状となっている。
このような従来の長方形状電気二重層キャパシタにおいて、片側から正極および負極端子を引き出す場合には、搭載機器の回路基板への実装時に接続安定性が悪いという問題がある。これに対し、図13のように、電極端子12および13を3箇所以上、少なくとも2辺以上から取り出すことにより、平面に置いたときの安定性に優れた薄型の電気二重層キャパシタが提供されている(例えば、特許文献1)。
特開2006−287039号公報
ところで、上記の電気二重層キャパシタは、ラミネート外装構造であり、耐熱性が低く、実装作業は、他の部品をリフロー処理で搭載した後に、半田付け等で行わざるを得ない。したがって、携帯電話等の小型電子機器の補助電源のような用途に用いられる電気化学セルが、表面実装に対応するためには、耐熱性や高温での耐久性を備える金属製の密閉容器や発電要素などの部材が求められ、これに加えて、実装時の接続安定性もまた求められるものである。
特に、パッケージ材料として、金属などを用いれば耐熱性や耐久性を保つことが可能であるが、一方で、重量がより重くなり、実装後において落下衝撃などの影響が大きい。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、耐熱性および耐久性が高く、また、搭載される小型電子機器の回路基板と強固に接合でき、リフロー自動実装による表面実装が可能な端子付電気化学セルを提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る端子付電気化学セルは、端子を備えた金属製の外装体と、前記端子または前記外装体にリードが接続され、前記外装体に収納された発電要素と、前記外装体に収納された電解質と、実装時に基板表面に接する実装面を有し、複数箇所の溶接により前記端子に固定された外部端子と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、耐熱性および耐久性が高く、搭載される小型電子機器の回路基板と強固に接合でき、リフロー自動実装による表面実装が可能な端子付電気化学セルを提供することができる。また、溶接箇所に2点以上の溶接点が、間隔を空けて形成されているので、溶接後の各工程でのハンドリングや治具への装着における外力、回路基板への自動実装機械による搭載時のハンドリングや衝撃、電子機器へ組み込まれた後の落下衝撃等に対して、優れた耐久性を持たせることが可能になる。
さらに、本発明に係る端子付電気化学セルは、前記外部端子の前記実装面を含む基板実装平面と、前記外装体の基板と対向する面との間に空隙を有することを特徴とする。
この構成によれば、溶接後の各工程でのハンドリングや治具への装着における外力、回路基板への自動実装機械による搭載時のハンドリングや衝撃、電子機器へ組み込まれた後の落下衝撃等に対して、優れた耐久性を持たせることが可能になる。
特に、本発明のような金属製の外装体を用いるセルにおいては、同サイズのアルミラミネートパッケージ等に比べて重量が2から3倍程度大きいため、上記の機械的衝撃の影響をより受けやすい。各溶接箇所での溶接点が1点の場合には、溶接箇所で外部端子等が剥離してしまう恐れがある。空間を空けて複数の溶接点で接続することにより、これを回避することができる。
さらに、本発明に係る端子付電気化学セルは、前記端子と前記外部端子との接続箇所を有する面が、基板面に対して垂直に交差すること特徴とする。
この構成によれば、端子が下方向に傾いている場合でも外部端子の底面は水平に設定することができる。
さらに、本発明に係る端子付電気化学セルは、前記外装体に直接固定された導電性の固定端子を備えること特徴とする。
この構成によれば、外装体と固定端子間の接続方法を幅広く選択できるほか、前記外装体を、前記固定端子を介して実装される回路基板のパターンと電気的に接続できる。これにより、前記外装体の電位を回路基板で特定の電位に設定できる他、接地(GND)することが可能になる。またフローティング状態にすることも可能である。
さらに、本発明に係る端子付電気化学セルは、前記外部端子が、前記端子と同種の金属である第1の材料と、第1の材料よりも抵抗率の低い第2の材料とからなる多層構造であることを特徴とする。
この構成によれば、抵抗率の低い第2の材料の層により、外部端子の材料として第1の材料のみが用いられる場合と比較して前記外部端子の抵抗値が低減される。また、前記端子と、前記外部端子の第1の材料が同種であることから、リフロー時の加熱によっても形状が保持される。
さらに、本発明に係る端子付電気化学セルは、前記溶接はレーザスポット溶接により溶接されていることを特徴とする。
この構成によれば、溶接点では十分な溶け込み深さを形成でき、互いの材料の原子同士が拡散して接合されており、1ミリオーム以下の十分低い接合抵抗値にすることができる。
さらに、本発明に係る端子付電気化学セルは、前記外装体には前記端子が複数配設され、前記各端子はそれぞれ前記外部端子と固定されていることを特徴とする。
この構成によれば、本発明に係る端子付電気化学セルを回路基板に実装するときに接続安定性を良くすることができる。
さらに、本発明に係る端子付電気化学セルは、前記一の端子と前記他の端子とが前記外装体の中心に対し対向する位置に配置されていること特徴とする。
この構成によれば、本発明に係る端子付電気化学セルを回路基板に実装するときに接続安定性を良くすることができる。
さらに、本発明に係る端子付電気化学セルの外部端子は、断面がL字形状であることを特徴とする。
この構成によれば、前記外部端子がL字形状である場合には、前記端子が前記外装体の底面に平行でない場合においても、L字状の外部端子の底面を前記外装体の底面に平行になるように前記端子に接続できるので、端子付電気化学セルを実装する回路基板に平行に接続できる。更に、外装体の形状によっては、上記各形状への加工がなされない長方形状も可能である。
さらに、本発明に係る端子付電気化学セルの外部端子は、断面がクランク形状であることを特徴とする。
この構成によれば、前記外部端子と前記端子との位置合わせが容易で、接続作業が簡単にできる。更に、外装体の形状によっては、上記各形状への加工がなされない長方形状も可能である。
さらに、本発明に係る端子付電気化学セルの外部端子は、コ字形状であることを特徴とする。
この構成によれば、クランク形状の場合と同様に接続作業が簡単である。その上、回路基板と接続する水平部が折り返されているため、セルの端子の延長方向の寸法を短縮することができ、実用上好適である。この場合には、回路基板への実装の際に、回路基板のパターンと外装体底面が混触しないようパターンを設計する必要がある。
本発明に係る端子付電気化学セルの製造方法は、端子を備える金属製の外装体を作製する外装体作製工程と、前記外装体の内部に発電要素を収納し、前記発電要素のリードを前記外装体または前記外装体に取り付けられた端子に接続する接続工程と、前記外装体に固定端子を接続する工程と、前記端子と外部端子を複数の溶接点で溶接する工程と、前記外装体内部に電解質を収納し封止する工程とを有することを特徴とする。
さらに、前記接続工程は、前記発電要素の正極または負極のリードの一方を端子に接続し、他方を前記外装体に接続することを特徴とする。
さらに、前記接続工程は、前記発電要素の正極及び負極のリードの各々を端子に接続することを特徴とする。
これらの構成によれば、特に、金属製の外装体、および正極、負極、セパレータなどで構成される発電要素に耐熱性の高い部材が用いられているので、リフロー時における温度上昇やセルの内圧上昇に対して耐えることができ、端子付電気化学セルの内部抵抗値や容量の変化を僅かな範囲に抑制した端子付電気化学セルを製造することができる。
本発明によれば、耐熱性および耐久性が高く、また、搭載される小型電子機器の回路基板と強固に接合でき、リフロー自動実装による表面実装が可能な端子付電気化学セルを得ることができる。
本発明に係る第1実施形態を示す電気二重層キャパシタの外観斜視図である。 図1に示す電気二重層キャパシタを構成する外部端子の外観斜視図である。 図1に示す電気二重層キャパシタを構成する外部端子と端子との接続形態の模式図である。 図1に示す電気二重層キャパシタを構成する固定端子の外観斜視図である。 図1に示す電気二重層キャパシタが回路基板へ実装される際の配置を示す模式図である。 図1に示す電気二重層キャパシタの変形例を示す外観斜視図である。 本発明に係る第2実施形態を示す電気二重層キャパシタの外観斜視図である。 図7に示す電気二重層キャパシタが回路基板へ実装される際の配置を示す模式図である。 本発明に係る第3実施形態を示す電気二重層キャパシタの外観斜視図である。 図9に示す電気二重層キャパシタを構成する外部端子の外観斜視図である。 図10に示す外部端子のレーザースポット溶接の構成例を示す図である。 図9に示す電気二重層キャパシタを構成する外部端子と端子との接続形態の模式図である。 本発明に係る比較例を示す電気二重層キャパシタの外観斜視図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1の実施形態を、図1から図6を参照して説明する。なお、本実施形態では、端子付電気化学セルの一例として、電気二重層キャパシタを例に挙げて説明する。一次電池、二次電池でも同様に実施可能である。
本実施形態の電気二重層キャパシタ1は、図1(a)に示すように、金属製の箱型の外装体2と、これに絶縁部材4により固定された一対の端子3と、外部端子5と、固定端子11と、正極、負極およびセパレータで構成される発電要素7と、電解質Eとで構成される。正極および負極はキャパシタ内部で端子3と電気的に接続している。尚、図1(a)は、外装体2の内部を示すために、ケース22を透明体で示してある。
なお、図1(a)は、端子付電気二重層キャパシタ1の外観斜視図である。図1(b)は、図1(a)に示すA−A’線に沿った端子付電気二重層キャパシタ1の断面図である(但し一部省略してある)。また、図1(c)は、図1(a)の背面から示した外観斜視図である。
本実施形態において、金属製の外装体2は、ステンレス、具体的にはSUS316Lにより形成されている。この外装体2は、長辺15mm、短辺10mm、高さ3mm、およびケース厚み0.3mmの略直方体の小型容器である。また、外装体2は、複数の構成部材から構成されており、具体的にはケース22と蓋部材21とが、シーム溶接等によってケース22の開口部を塞ぐように固定され、内部が気密状態に封止されている。
この蓋部材21には、横幅方向に間隔を開けて上記一対の端子3が固定されている。この端子3は、蓋部材21と同様にステンレス(SUS316L)により形成された中実丸棒の細線であり、蓋部材21を貫通するように配設されている。そして、これら一対の端子3は、ガラスを焼成した絶縁部材4によるハーメチックシール構造をなし、蓋部材21に気密に固定されている。
特に、外装体2および端子3の材料が共に、電解質Eに対する耐食性を持ち、且つ耐熱性および耐久性の高い、該ステンレスにより形成されているため、リフロー実装が可能で信頼性の高いセルを作製することができる。
本実施形態においては、蓋部材21が、「外装体2を形成する一側面であって端子3を備える側面」となる。また、図1(c)に示す様に、ケース22の底面であって、封止栓9が溶接された面が、「外装体2を形成する一側面であって端子3を備える側面の対向面」となる。
図2において(a)は断面がクランク形状、(b)はコの字型、(c)はL字形状、(d)は長方形状の外部端子5の形状を示す。本実施形態の外部端子5は、図2(a)に示すように、ステンレス(SUS304)の厚み0.15mmの平板がクランク形状に屈曲加工されることにより形成され、回路基板と接続するための底面部5bと、前記端子の上部に接続する端子接続部5aとが形成されている。また、底面部5bには、ニッケルメッキおよび金メッキが施されている。この外部端子5と、端子3の上部とが、レーザスポット溶接により接続されている。特に、図1に示すように、レーザスポット溶接による溶接点25を複数備えていることにより、接続が機械的に強固なものとなっており、かつ、接続による電気的な抵抗値を極めて低い値に抑制することが可能となる。
外部端子5の形状については、図2(a)に示すクランク形状の他、図2(b)〜(d)に示すような、コの字型、L字形状、長方形状等、表面実装に適した種々の形状を適用することができる。
図3において(a)は断面がクランク形状、(b)はコの字型、(c)はL字形状、(d)は長方形状の、それぞれの外部端子5の接続形態を示す。図2に示す外部端子5と、端子3とは、図3(a)〜(d)に示すような、種々の接続形態が可能となる。図1(a)において、クランク形状の外部端子5が、端子3の上を覆うように配設され、上方よりレーザスポット溶接されているが、図3(a)に示すように、外部端子5がクランク形状を保ちながらそれぞれの直立部を短縮し、端子接続部5aが、端子3の下側で接続してもよい。また、図3(b)のように、コの字型の外部端子5と端子3の接続であってもよい。あるいは、図3(c)のように、L字形状の外部端子5と、端子3の端面とが接続してもよいし、後述の図6の変形例のように、端子3の側面との接続でもよい。更に、図3(d)のように、外装体が薄い場合には、長方形状の外部端子5を用いることも可能である。
図4において(a)は断面がL字形状、(b)コの字型、(c)は長方形状の固定端子11を示す。実施形態の固定端子11は、図4(a)に示すように、ステンレス(SUS304)の厚み0.15mmの平板がL字構造に曲げ加工されることにより形成され、回路基板に接続するための底面部11bと、外装体2と接続するための直立部11aとを備えている。固定端子11の形状については、図4に示すように、L字形状の他、外装体の構造や回路基板の配置に合せて、コの字型や長方形状等、種々の形状が可能である。この固定端子11は、外装体2とレーザスポット溶接により接続している。
レーザスポット溶接は、スポット径や溶接のパワー、照射時間の調節が容易であり、接合するワーク同士に必要十分な溶け込み深さを形成できる。かつ、溶接の対象領域近傍以外に熱的影響を与えることが少ないことも特徴であり、小型の端子付電気化学セルの製造に好適である。
また、本実施形態の固定端子11は、金属(導電性材料)である。従って、固定端子11の底面部11bが回路基板の所定のパターンに電気的に接続されれば、外装体2の電位を該パターンの電位によって制御することが可能となっている。
封止栓9は、図1(c)に示す外装体2の1箇所に設けられた電解質の注入孔を塞ぐために用いられる。また、封止栓9は、電解質Eと接触するため、外装体2と同質のステンレス(SUS316L)からなる円板で構成される。
外部端子5の底面部5b、および固定端子11の底面部11bによって、基板に実装される平面を形成する(基板実装平面)。この基盤実装平面と、外装体2の基板に対向する面(実装面)は平行で、空隙(クリアランスH)を有する。このクリアランスHは、概ね0.2mmより小さければ好適である。ただし、表面実装部品としての実装高さが制限される場合は、このクリアランスの数値は調整可能である。リフロー実装時に、セル内に充填されている電解質の種類と量に応じて蒸気圧が高まり、外装体が膨張する。外装体2の実装面が膨らむと前記外部端子及び前記固定端子の底面が持ち上げられ、回路基板に実装できなくなる恐れがある。
上記各端子の底面によって形成される基盤実装平面よりも、前記外装体の実装面を所定の寸法だけ上の位置になるように各端子を配設することで、クリアランスHを構成できる。これにより、外装体の膨張が発生しても、上記の各端子は回路基板に接続可能である。ただし、上記各端子の底面と外装体の底面との高さの差は、端子付の素子として実装高さを必要以上高くしないよう、設計可能な必要最小限とすることが望ましい。
発電要素7は、外装体2の内部に収納されている。この発電要素7は、セパレータを挟んで正極及び負極が配設されており、これらが交互に重ねられて、倦回または積層等により作製されたものである。正極及び負極は、電解質Eに対して耐食性を有し、且つリフロー実装工程における高温環境に耐えうる材料で構成されている。本実施形態においては、アルミニウム製の集電体に、活性炭等からなる正極活物質及び負極活物質が担持されたものが用いられている。また、セパレータは、機械的強度及び耐熱性を有する樹脂が用いられている。セパレータについては、前記の樹脂の他、ガラス繊維、セラミックの多孔質体等も用いることができる。
電解質Eは、気密状態の外装体2の内部に収納され、発電要素7に浸透している。本実施形態においては、リフロー実装工程における高温環境に耐えうるよう、高沸点の非水系溶媒に支持塩が溶解している電解液が用いられる。非水系溶媒としては、例えば、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、等が含まれる。本実施形態においては、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等、沸点の高い溶媒から選ばれる単独又は複合物が用いられている。これにより、高温環境下において、外装体2内部の圧力を抑えることができる。また、支持塩については、リフロー温度に対する耐久性を備えた種々の塩の中から、上記溶媒との組み合わせにより導電率が最適となるものが用いられている。
電解質Eとしては上記の電解液の他、ポリマー電解液、無機固体電解質、イオン性液体、常温溶融塩等を用いることができる。
これらの発電要素7および電解質Eが前述のサイズに収納されている電気二重層キャパシタ1は、100mΩ以下の内部抵抗値となる。これにより、数Aの電流を瞬間的に放電したり、数十mAの電流を数秒間放電したりするなど、各種電子機器において、主電源の補助用電源等として好適に用いることができる。また、優れた耐熱性を備えることにより、リフロー実装工程による高温に晒されても電気的特性の変化を抑えることができる。
更にまた、作製した電気二重層キャパシタ1を、リフロー温度による熱処理を実施した後、携帯電話の中に組込み、1.5mの高さからコンクリート上に落下させる落下衝撃試験を行ったが、100回落下を繰り返しても、外部端子が端子から外れることはなく、接続が保持された。
図5は回路基板へ実装される際の配置を示す。本実施形態における端子付電気二重層キャパシタ1は、回路基板上において個々のセルが単独で実装される他、図5に示すように、2個のセルが直列接続される配置で回路基板31に実装される。直列接続されたセルの最も外側の外部端子5は、回路基板の+Vと記されたパターンと0Vと記されたパターンに接続される。また、外部端子5同士が直列接続している箇所においては、+Vと0Vのパターンの中間に配置されたパターン(Bal.と記されている)に接続されている。一方、固定端子11に接続されている外装体は、回路上に設けられたダミーのパターンに電気的に接続され、電位はフローティングの状態となっている。
バランス抵抗32は、外部端子5同士が直列接続している回路パターン上に配置される。バランス抵抗32は、2つのセルの漏れ抵抗値と機器の回路設計に応じて、kΩ〜MΩ単位の高抵抗の抵抗器が用いられ、充電時に電圧が等分されることにより、各キャパシタセルへの充電電圧を均等にすることが可能となる。
各キャパシタは図5に示すような配置の他、回路基板のパターンの設計に応じて自由に配設される。また、図5に示すような2個の直列接続の他、3個以上のキャパシタについても同様に直列接続することができる。
図5では、端子付電気二重層キャパシタ1は、端子を備える側面とその対向面側で、即ち、外部端子と固定端子側の合計3箇所で回路基板と接続している。この結果、セルの長手方向に垂直に印加する外力と曲げモーメントに対しても基板への固着力は優れている。また、セルの垂直方向に作用する引き剥がし力に対しても優れており、実装後に搭載機器が落下等によって受ける機械的な衝撃に対して十分耐久性を有する。
次に、上述したように構成された電気二重層キャパシタ1を製造する方法について、以下に説明する。
本実施形態の製造方法は、外装体作製工程と、発電要素を収納する工程と、固定端子および外部端子の各溶接工程と、封止工程とを備えている。これら各工程について、詳細に説明する。
はじめに、外装体を構成するケース22及び蓋部材21を製作する外装体作製工程を行う。ケース22は、ステンレスの深絞り加工によって作成する。ここでは、トランスファー加工により、徐々に深く絞り、最後にサイジング加工を施して、ケースの開口面を精密に仕上げる。
一方、蓋部材21の作製は、まず、ハーメチックシールを構成するためのガラスタブレット(焼結品)、端子用細棒、蓋部材用の穴付き板を準備する。前記穴付き板の穴に細棒を通したガラスタブレットを装着し、これらを位置決めするための焼成治具に配置し、焼成炉で熱処理する。このようにして、絶縁部材4で端子3が固定された一対のハーメチックシール構造を有する蓋部材21を作成する。
次に、外装体2に発電要素7を収納する工程を行う。まず、発電要素7を構成する正極、負極、およびセパレータをそれぞれ準備しておく。そして、正極及び負極の集電体に1対のリード8を溶接する工程を行う。
続いて、リード8が接続された正極及び負極の集電体を、セパレータを間に挟んで交互に重ねた後、倦回、積層等して発電要素7を作製する。続いて、1対のリード8をそれぞれ前記端子3に接続する。これにより、発電要素7と蓋部材21とを一体化する。さらに、蓋部材21を接続した発電要素7を、ケース22に押し込み、蓋部材21とケース22とをシーム溶接して外装体2を作製する。
この時点で、発電要素を収納する工程が終了する。
次に、固定端子11を外装体2と溶接する工程を行う。まず、固定端子11を準備する。具体的には、ステンレスの平板にニッケル及び金の部分メッキを施した後に、プレス等により打ち抜きと曲げ加工をする。これにより、図4に示す固定端子11を得ることができる。
続いて、外装体2に固定端子11の直立部11aをレーザスポット溶接によって溶接する工程を行う。詳細には、ケース22の底面に、直立部11aを重ね合わせる。そして、鉛直方向からYAGレーザ光を照射し、直立部11aと外装体2とを溶接する。溶接条件としては、例えば、出力1.2kW、照射時間1.5msecにて、直立部11aの四角形状の周縁部4点にYAGレーザ光を照射する。少なくとも2〜3点以上は溶接点を設けることにより、固定端子11と外装体2とを強固に接続することができる。
次に、外部端子5を、外装体2に固定された端子3と溶接する溶接工程を行う。まず、外部端子5を作製して用意する。具体的には、ステンレスの平板にニッケル及び金の部分メッキを施した後に、プレス等により打ち抜き屈曲加工する。これにより、図2に示す外部端子5を得ることができる。
続いて、外装体2に固定された端子3に、外部端子5の端子接続部5aをレーザスポット溶接によって溶接する工程を行う。
詳細には、図1(b)のような配置により、端子3に外部端子5の端子接続部5aを重ね合わせる。そして、上方からYAGレーザ光を照射し、端子接続部5aと端子3とを溶接する。溶接条件としては、例えば、出力1.2kW、照射時間1.5msecにて、照射箇所25に示すように、隣接する2点にYAGレーザ光を照射する。特に、2点以上の溶接点を設けることにより、外部端子5と端子3とを機械的に強固に接続することができ、かつ、電気的にも十分低い接続抵抗で接続できる。
続いて、外装体2内への電解質Eの封入と、ケース22と封止栓9との溶接と、を行って、内部に電解質Eおよび発電要素7が収納された外装体2を作製する封止工程を行う。
この封止工程について、具体的に説明する。
まず、本実施形態では、電解質Eとして、非水溶媒中に溶解した支持塩からなる電解液を用い、外装体2のケース22の1箇所に形成された注入孔から外装体2の内部に所定量注入する。所定量を注入するには、電解液の脱泡作業や外装体内部を減圧する作業及び加圧する作業を行い、発電要素の正負極材料に十分浸透させる。本実施例の場合は、約0.2gの電解液を注入した。
この後、注入孔の開口に付着した電解液を拭取り、封止栓9を注入孔に配置する。そして、封止栓9の外周をシーム溶接により封止する。
その結果、外装体2の内部に電解質Eおよび発電要素7が収納された図1に示す端子付電気二重層キャパシタ1を得ることができる。
なお、上記製造工程で示した溶接条件は一例であり、出力や照射時間などの条件はこれに限定されず実施できる。ただし、端子3と外部端子5の溶接工程においては、ハーメチック構造をなすガラスからなる絶縁部材4にレーザ照射に起因する熱衝撃でクラックが発生し、リークに至る可能性がある。該クラックの発生しない適切な範囲で溶接を実施することが望ましい。
次に、外部端子と端子との接続の変形例を図6に示す。上述した実施形態においては、図1(a)のように、クランク状の外部端子5が端子の上部に接続し、底面部5bが外装体2の長辺方向に伸びている構造を示したが、図6(a)のように、L字形状の外部端子51と、端子3の側面とが溶接された構造の電気二重層キャパシタ10であっても構わない。
先述した外装体製作工程において、端子3が絶縁部材4で固定される際、端子3が傾いて固定される可能性がある。小型化の目的で、端子の長さは4から5mm程度で、その直径も1mm以下の寸法が選択されて、焼成時に端子の位置を固定するカーボン等の焼成治具との隙間公差がやや大きい場合には、僅かな角度であるが、端子の傾きが発生しやすい。その場合、図1(a)で示すような、外部端子5の形状がクランク形状であると、端子3の水平面との傾きによって、外部端子の底面高さにバラつきを生ずる可能性があり、回路基板に水平に実装できないか、あるいは接続強度が不足する恐れが生じる。
従って、このような場合には、外部端子は、図6(a)に示す形状とし、端子3との溶接位置は、端子3の上面ではなく、側面にするのが良い。このようにすると、後述する様に端子の傾きから発生する高さ方向のバラつきを抑えることが可能となる。
また、外部端子51が端子3の長さを超えることなく溶接できるように配置されれば、図6(a)に示す例のように、端子付電気二重層キャパシタ10の長辺方向の長さを短縮できるので、実装面積を縮小できる。ここで、外部端子51と端子3との接続について説明する。2個の外部端子51は、それらの底面51bを1つの水平面に接するように端子3の側面に重ねて配置した後、端子の傾きを考慮して、端子の側面でレーザスポット溶接する。外部端子51は、横方向からレーザ照射して溶接する。この時、端子の傾きを予め画像処理技術などで認識しておけば、端子の傾いた角度に応じて、溶接位置の高さを微調整することができる。
図6(b)は、この事情を説明した模式図であり、図6(a)に示すB−B’線に沿った断面図である。絶縁部材4に固定された端子3は、水平面から僅かに下に傾いている(傾きをθとした)が、図面では誇張されて示されている。外部端子51は、端子3と2つの溶接点25a及び25bで溶接されているが、第2の溶接点25bの中心は、端子3の傾きθを考慮して、第1の溶接点25aとの水平間距離mと傾きθを勘案したm×tan(θ)の距離分だけ下側に設定されている。
このようにして、端子が傾いた場合においても、外部端子51の底面51bは、水平に設定でき、所定の高さに維持することが可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態を、図7および図8を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図7に示すような端子付電気二重層キャパシタ20においては、外装体23に端子3が1箇所だけ固定され、発電要素71における正負極の一方の極がリード81を介して端子3と接続し、他方の極はまた、リード81を介して外装体23に電気的に接続されている構造である。
また、端子3に正極負極の一方の外部端子5が接続されている。さらに、外装体23の、前記端子を備える側面の対向面に固定端子11が接続されており、外部端子及び固定端子により、回路基板に強固に接続できる構成である。尚、図7は、外装体23の内部を示すために、ケース22を透明体で示してある。
本実施形態における端子付電気二重層キャパシタ20は、回路基板上において個々のセルが単独で実装される他、図8に示すように、2個のセルが直列接続される配置で回路基板33に実装される。直列接続されたセルの外部端子5は、回路基板の+Vと記されたパターンと0Vと記されたパターンに接続される。また、固定端子11同士が直列接続している箇所においては、+Vと0Vのパターンの中間に配置されたパターン(Bal.と記されている)に接続されている。
バランス抵抗34は、固定端子11同士が直列接続している回路パターン上に配置される。バランス抵抗34は、2つのセルの漏れ抵抗値と機器の回路設計に応じて、kΩ〜MΩ単位の高抵抗の抵抗器が用いられ、充電時に電圧が等分されることにより、各キャパシタセルへの充電電圧を均等にすることが可能となる。
各キャパシタは図8に示すような配置の他、回路基板のパターンの設計に応じて自由に配設される。また、図8に示すような2個の直列接続の他、3個以上のキャパシタについても同様に直列接続することができる。
図8では、端子付電気二重層キャパシタ20は、端子を備える側面とその対向面側で、即ち、外部端子と固定端子側で回路基板と接続している。この結果、セルの長手方向に垂直に印加する外力と曲げモーメントに対しても基板への固着力は優れている。また、セルの垂直方向に作用する引き剥がし力に対しても優れており、実装後に搭載機器が落下等によって受ける機械的な衝撃に対して十分耐久性を有する。
本実施形態による電気二重層キャパシタ20を製造する方法を簡略に述べる。製造方法は、外装体作製工程と、発電要素を収納する工程と、固定端子、外部端子の各溶接工程と、封止工程とを備えている。
はじめに、外装体を作製する外装体作製工程を実施する。本実施形態では、第1の実施形態と異なり端子は1本のみとなる。従って、蓋部材には、1個のハーメチックシール構造を形成すればよい。その他の構造は、第1の実施例と同様であり、前述した作成方法に従って製造する。
次に、外装体23に発電要素71を収納する工程を行う。まず、リード81が接続された発電要素71を第1実施形態と同様に作製した後、発電要素71の正負極のリード81の一方を、蓋部材24に固定された端子3と接続し、他方を、先のリード81が接続された側の蓋部材表面に電気的に接続する。これにより、発電要素71と蓋部材24とを一体化する。
さらに、蓋部材24を接続した発電要素71をケース22内に押し込み、蓋部材24とケース22とをシーム溶接して外装体23を作製する。この時点で、発電要素71を収納する工程が終了する。
次に、固定端子11と外装体23を溶接により接続する。続いて、端子3と、外部端子5とを溶接により接続する。本実施例では、外部端子5をそれぞれ端子3の上部でレーザスポット溶接する。尚、固定端子および外部端子の接続の順序は前後してよい。
以上の各溶接条件については、第1実施形態で述べたYAGレーザの照射条件を用いればよい。また、端子3と外部端子との溶接の際には、少なくとも2点以上の溶接点を設けて、機械的な接続を強固にするともに、電気的にも十分低い接続抵抗で接続できる。
続いて、封止工程を行う。本工程は、第1実施形態と同じく、外装体23内へ電解質Eを封入した後に、封止栓をシーム溶接して封止する。
このようにして、図7に示す、外装体23の内部に電解質Eおよび発電要素71が収納された端子付電気二重層キャパシタ20を得ることができる。
(第3実施形態)
以下、本発明に係る第3の実施形態を、図9から図12を参照して説明する。なお、図9(a)は、端子付電気二重層キャパシタ30の外観斜視図である。図9(b)は、図9(a)に示すC−C’線に沿った端子付電気二重層キャパシタ30の断面図である(但し一部省略してある)。また、図9(c)は、図9(a)の背面から示した外観斜視図である。
本実施形態の電気二重層キャパシタ30は、図1(a)とほぼ同様な構成になっている。異なる点は、外部端子52である。
本実施形態の外部端子52の主要な材質は、ステンレス(SUS304)から形成される第1の材料53、および銅から形成される第2の材料54が、全面で冷間圧接されて作製されるクラッド材であり、総厚み0.2mm、第1の材料の厚み0.15mm、および第2の材料の厚み0.05mmとなっている。
この基材が、平板に打ち抜かれ、クランク形状に屈曲加工されることにより外部端子52が形成され、回路基板と接続するための底面部52bと、前記端子の上部に接続する端子接続部52aとが形成されている。この外部端子52と、端子3の上部とが、レーザスポット溶接により接続されている。特に、図9に示すように、レーザスポット溶接による溶接点25を複数備えていることにより、接続が機械的に強固なものとなっており、かつ、接続による電気的な抵抗値を極めて低い値に抑制することが可能となる。
第2の材料である銅の293Kにおける抵抗率は1.68×10-8Ωmであり、ステンレスの抵抗率(7.2×10-7Ωm)の十分の一以下であるため、外部端子の材料として用いられる場合、抵抗値が大幅に減少する。さらに、銅は回路基板の配線に用いられる材料であり、半田付けの際の濡れ性も良いため、回路基板と接する外部端子の材料としては好適である。
長辺8mm、幅2mm、厚み0.15mmのステンレスの板を屈曲加工して作製された外部端子の抵抗値は次のように計算される。
(抵抗値)=(抵抗率)×((長辺)/(幅×厚み))
=7.2×10-7Ωm×(8×10-3m/(2×10-3m×0.15×10-3m))
=19.2mΩ
一方、本実施形態の外部端子52は、長さ8mm、幅2mmの平板から形成されており、第1の材料53と第2の材料54が全面的に圧接されている場合、抵抗値は下記のように算出され、ステンレスから構成される場合に比べて大幅に低減される。
(第1の材料の抵抗値)=(抵抗率)×((長辺)/(幅×厚み))
=7.2×10-7Ωm×(8×10-3m/(2×10-3m×0.15×10-3m))
=19.2mΩ
(第2の材料の抵抗値)=(抵抗率)×((長辺)/(幅×厚み))
=1.68×10-8Ωm×(8×10-3m/(2×10-3m×0.05×10-3m))
=1.3mΩ
(抵抗値)=1/(1/(第1の材料の抵抗値)+1/(第2の材料の抵抗値))
=1.3mΩ
外部端子52は、第1の材料53と、第2の材料54とが全面的に層を成している他、特に図10に示すように、第2の材料54が、第1の材料53に部分的に接し、第1の材料53のみの層が存在してもよい。この場合には、図11に示すように、端子接続部52aが第1の材料53のみで構成され、端子3の上部とレーザスポット溶接される。これにより、同種金属間の溶接が可能になるほか、レーザスポット溶接による溶接点25を複数備えていることにより、接続が強固なものとなっている。
外部端子52の形状については、図10(a)に示すクランク形状の他、コの字型、L字形状、平板形状等、図10(b)〜(d)に示すような、表面実装に適した種々の形状を適用することができる。
図12において(a)は断面がクランク形状、(b)はコの字型、(c)はL字形状、(d)は長方形状の、それぞれの外部端子52の接続形態を示す。図10に示す外部端子52と、端子3とは、図12(a)〜(d)に示すような、種々の接続形態が可能となる。図9(a)において、クランク形状の外部端子52が、端子3の上を覆うように配設され、上方よりレーザスポット溶接されているが、図12(a)に示すように、外部端子52がクランク形状を保ちながらそれぞれの直立部を短縮し、端子接続部52aが、端子3の下側で接続してもよい。また、図12(b)のように、コの字型の外部端子52と端子3の接続であってもよい。あるいは、図12(c)のように、L字形状の外部端子52と、端子3の端面とが接続してもよいし、図示しないが、端子3の側面との接続でもよい。更に、図12(d)のように、外装体が薄い場合には、平板形状の外部端子52を用いることも可能である。
外部端子52の底面部52b、および固定端子11の底面部11bの高さは、回路基板へ水平に実装されるように等しくなっている。これら底面部によって形成される想定水平面、即ち、実装される回路基板の表面がなす水平面が、外装体の底面よりも低くなるように設計され、配設されている。図9(b)に示す想定水平面と外装体底面とのクリアランスHは、概ね0.2mmより小さければ好適である。ただし、表面実装部品としての実装高さが制限される場合は、このクリアランスの数値は調整可能である。
また、作製した電気二重層キャパシタ30を、リフロー温度による熱処理を実施した後、携帯電話の中に組込み、1.5mの高さからコンクリート上に落下させる落下衝撃試験を行ったが、100回落下を繰り返しても、外部端子が端子から外れることはなく、接続が保持された。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、電気化学セルの一例として、電気二重層キャパシタを例に挙げて説明したが、この場合に限定されず、リチウム二次電池等の非水電解質二次電池等の他の電気化学セルでも適用可能である。
また、上記各実施形態において、外部端子および固定端子のそれぞれの厚みや外寸、また端子の外寸や端子間のピッチはそれぞれ、最適な寸法や形状となるように適宜設計することが可能である。
また、上記各実施形態においては、外装体の深さ方向の断面形状は、四角形にて図示しているが、これに限らず、円筒形やトラック形状など、他の形状であっても構わない。
更にまた、外装体のケースについては、深絞り加工による製造方法を説明したが、ケースは、有底の形状でプレス加工や深絞り加工をする場合に限られず、中空の角や円筒のパイプを一定の長さに切断して、底板になる部材を溶接で接合させたものでもよい。
また、上記各実施形態においては、外装体及び端子の材料を、強度及び耐食性の観点からオーステナイト系ステンレスであるSUS316Lとした。しかし、これに限られない。例えば、二相系のステンレスであるSUS329J4L等としても構わないし、それ以外のステンレスを選択することができる。また、外装体の材料と端子の材料をそれぞれ別に選択することも可能である。
更にまた、外装体及び端子の材料は、ステンレス以外の材料を選択できる。例えば、外装体として、ニッケル等の耐食性材料でメッキされた冷間圧延鋼を選択できる。また、端子は、コバール等の材料を採用できる。
また、上記各実施形態において、外部端子および固定端子の材質については、端子との溶接が容易で、且つ加工性や耐食性の良いステンレスとしたが、その他の各種金属の他、端子や外装体と溶接可能な材質であればこれに限定されない。また、回路基板との電気的接続が容易になるよう、底面部に金、錫、銅、ニッケル等の各種金属の被膜をメッキ処理などにより形成してもよい。
また、上記各実施形態において、固定端子については、ステンレスの平板から作製されているが、これに限らず、外装体にニッケルや金などの金属が、メッキ、蒸着、スパッタリング、またスクリーン印刷などにより部分的に形成された構造でも構わない。これにより、板状の固定端子と同様に、回路基板に複数の領域で実装可能であるほか、外装体の電位を回路基板で特定の電位に設定、あるいは接地することが可能となる。
また、上記各実施形態において、レーザスポット溶接により端子と外部端子とを溶接したが、局所的なエネルギー照射により接続を行える方法であれば、レーザスポット溶接に必ずしも限定されるものではない。例えば、同じ非接触式であれば、十分な量のエネルギー照射が可能な電子ビーム溶接を採用することができる。あるいは、抵抗溶接による接続でもよい。
1、10、20、30…電気二重層キャパシタ
2、23…外装体
21、24…蓋部材
22…ケース
3…端子
4…絶縁部材
5、51、52…外部端子
5a、51a、52a…端子接続部
5b、51b、52b…底面部
53…第1の材料
54…第2の材料
11…固定端子
11a…直立部
11b…底面部
7、71…発電要素
8、81…リード
9…封止栓
E…電解質
31、33…回路基板
32、34…バランス抵抗

Claims (15)

  1. 端子を備えた金属製の外装体と、
    前記端子または前記外装体にリードが接続され、前記外装体に収納された発電要素と、
    前記外装体に収納された電解質と、
    実装時に基板表面に接する実装面を有し、複数箇所の溶接により前記端子に固定された外部端子と、
    を備えることを特徴とする端子付電気化学セル。
  2. 前記外部端子の前記実装面を含む基板実装平面と、前記外装体の基板と対向する面との間に空隙を有することを特徴とする請求項1に記載の端子付電気化学セル。
  3. 前記端子と前記外部端子との接続箇所を有する面が、基板面に対して垂直に交差すること特徴とする請求項1または請求項2に記載の端子付電気化学セル。
  4. 前記外装体に直接固定された導電性の固定端子を備えること特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端子付電気化学セル。
  5. 前記外部端子が、前記端子と同種の金属である第1の材料と、第1の材料よりも抵抗率の低い第2の材料とからなる多層構造であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の端子付電気化学セル。
  6. 前記溶接はレーザスポット溶接により溶接されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の端子付電気化学セル。
  7. 前記外装体には前記端子が複数配設され、前記各端子はそれぞれ前記外部端子と固定されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の端子付電気化学セル。
  8. 前記一の端子と前記他の端子とが前記外装体の中心に対し対向する位置に配置されていること特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端子付電気化学セル。
  9. 前記外部端子は、断面が長方形であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端子付電気化学セル。
  10. 前記外部端子は、断面がコ字形状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端子付電気化学セル。
  11. 前記外部端子は、断面がL字形状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端子付電気化学セル。
  12. 前記外部端子は、断面がクランク形状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端子付電気化学セル。
  13. 端子を備える金属製の外装体を作製する外装体作製工程と、
    前記外装体の内部に発電要素を収納し、前記発電要素のリードを前記外装体または前記外装体に取り付けられた端子に接続する接続工程と、
    前記外装体に固定端子を接続する工程と、
    前記端子と外部端子を複数の溶接点で溶接する工程と、
    前記外装体内部に電解質を収納し封止する工程と、
    を有することを特徴とする端子付電気化学セルの製造方法。
  14. 前記接続工程は、前記発電要素の正極または負極のリードの一方を前記端子に接続し、他方を前記外装体に接続することを特徴とする請求項13に記載の端子付電気化学セルの製造方法。
  15. 前記接続工程は、前記発電要素の正極及び負極のリードの各々を前記端子に接続することを特徴とする請求項13に記載の端子付電気化学セルの製造方法。
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