JP2011216251A - 発光装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャピラリーコート法によって膜厚のむらを抑制した有機EL層を形成することが可能な発光装置の製造方法を提供することにある。
【解決手段】有機EL層となる塗布液を貯留するタンクと連通され、このタンクから供給される前記塗布液を吐出するノズルを、該ノズルの上方に配置される支持基板を含む被塗布体に近接させ、ノズルから吐出される塗布液を前記被塗布体に接液し、被塗布体に塗布液が接液した状態で、被塗布体とノズルとを相対移動させて前記塗布液を塗布成膜し、前記有機EL層を形成する工程を含み、塗布液を接液した後であって、被塗布体とノズルとを相対移動する前に、塗布液が接液した状態を維持したまま、被塗布体とノズルとの相対移動を開始する時のタンクの位置よりもタンクを下降させ、その後、被塗布体とノズルとの相対移動を開始する時のタンクの位置までタンクを上昇する、発光装置の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は発光装置の製造方法に関する。
有機EL(Electro Luminescence)素子は、第1電極、有機EL層および第2電極を含んで構成される。有機EL素子は、素子を構成する各構成要素を順次積層することによって作製される。
有機EL素子の一部を構成する有機EL層は塗布法によって形成することができる。たとえば有機EL層となる材料を含む塗布液を所定の塗布法によって塗布成膜し、さらにこれを固化することによって有機EL層を形成することができる。
塗布液を塗布する方法には種々の方法がある。そのうちの1つに、毛細管現象を利用したキャピラリーコート法がある。キャピラリーコート法では、塗布液を上方へ吐出するノズルを被塗布体の下方に配置し、このノズルから吐出される塗布液を被塗布体に接液させ、さらに塗布液が被塗布体に接液した状態を維持しつつ、ノズルまたは被塗布体を移動することによって、被塗布体に塗布液を塗布している(たとえば特許文献1参照)。
特開2004−164873号公報
有機EL素子の発光強度は有機EL層の膜厚にも依存するため、有機EL層を形成する際にその膜厚にむらが生じると、この膜厚のむらに起因して輝度ムラが生じる。そのため、膜厚が均一になるように有機EL層を形成することが求められている。しかしながらキャピラリーコート法では均一な膜厚の塗布膜を得ることが難しく、とくに被塗布体に塗布液を接液する位置付近の膜厚が、他の部位に比べて厚膜化する傾向がある。
したがって本発明の目的はキャピラリーコート法によって膜厚のむらを抑制した有機EL層を形成することが可能な発光装置の製造方法を提供することにある。
本発明は、支持基板と、該支持基板上に設けられる有機EL素子とを備える発光装置であり、前記有機EL素子が第1電極、有機EL層および第2電極をこの順で支持基板上に積層することによって構成される発光装置の製造方法であって、
有機EL層となる塗布液を貯留するタンクと連通され、このタンクから供給される前記塗布液を吐出するノズルを、該ノズルの上方に配置される支持基板を含む被塗布体に近接させ、ノズルから吐出される塗布液を前記被塗布体に接液し、被塗布体に塗布液が接液した状態で、被塗布体とノズルとを相対移動させて前記塗布液を塗布成膜し、前記有機EL層を形成する工程を含み、
塗布液を接液した後であって、被塗布体とノズルとを相対移動する前に、塗布液が接液した状態を維持したまま、被塗布体とノズルとの相対移動を開始する時のタンクの位置よりもタンクを下降させ、その後、被塗布体とノズルとの相対移動を開始する時のタンクの位置までタンクを上昇する、発光装置の製造方法に関する。
また本発明は、塗布液を離液する際には、タンクを下降した後にノズルを下降し、塗布液を離液する発光装置の製造方法に関する。
また本発明は、前記塗布液は、沸点が170℃未満の低沸点溶媒を含む、発光装置の製造方法に関する。
また本発明は、前記塗布液は、沸点が170℃未満の低沸点溶媒を総重量に対して30重量%〜50重量%含む、発光装置の製造方法に関する。
本発明によれば、キャピラリーコート法によって膜厚のむらを抑制した有機EL層を形成することができる。
キャップコーターシステム11を模式的に示す図である。 ノズル13の側面図である。 図2の切断面線III−IIIから見たノズル13の断面図である。 図3の切断面線IV−IVから見たノズル13の断面図である。 キャップコーターシステム11の動作を表すタイムチャートである。 塗布膜の膜厚を示すグラフである。 塗布膜の膜厚を示すグラフである。 塗布膜の膜厚を示すグラフである。 塗布膜の膜厚を示すグラフである。 塗布膜の膜厚を示すグラフである。
本発明の発光装置の製造方法は、支持基板と、該支持基板上に設けられる有機EL素子とを備える発光装置であり、前記有機EL素子が第1電極、有機EL層および第2電極をこの順で支持基板上に積層することによって構成される発光装置の製造方法であって、有機EL層となる塗布液を貯留するタンクと連通され、このタンクから供給される前記塗布液を吐出するノズルを、該ノズルの上方に配置される支持基板を含む被塗布体に近接させ、ノズルから吐出される塗布液を前記被塗布体に接液し、被塗布体に塗布液が接液した状態で、被塗布体とノズルとを相対移動させて前記塗布液を塗布成膜し、前記有機EL層を形成する工程を含み、塗布液を接液した後であって、被塗布体とノズルとを相対移動する前に、塗布液が接液した状態を維持したまま、被塗布体とノズルとの相対移動を開始する時のタンクの位置よりもタンクを下降させ、その後、被塗布体とノズルとの相対移動を開始する時のタンクの位置までタンクを上昇する。本明細書において「塗布液が被塗布体に接液した状態」とは、塗布液が被塗布体に付着した状態を意味する。
本実施形態の有機EL素子は、第1電極、有機EL層および第2電極がこの順で支持基板上に積層されて構成される。
第1電極および第2電極は、陽極と陰極とからなる一対の電極を構成する。すなわち第1および第2電極のうちの一方が陽極として設けられ、他方が陰極として設けられる。また第1および第2電極のうちの第1電極が支持基板寄りに配置され、第2電極が、第1の電極よりも支持基板から離間して配置される。
有機EL素子は1層以上の有機EL層を備える。なお有機EL層は第1電極と第2電極とに挟持される全ての層を意味する。有機EL素子は有機EL層として少なくとも1層以上の発光層を備える。また電極間には発光層に限らず、必要に応じて所定の層が設けられる。たとえば陽極と発光層との間には有機EL層として、正孔注入層、正孔輸送層、および電子ブロック層などが設けられ、発光層と陰極との間には有機EL層として、正孔ブロック層、電子輸送層、および電子注入層などが設けられる。
本実施形態の有機EL素子は第1電極と発光層との間に、有機EL層として正孔注入層を備える。以下では実施の一形態として、陽極として機能する第1電極と、正孔注入層と、発光層と、陰極として機能する第2電極とが、支持基板上にこの順番で積層されて構成される有機EL素子について説明する。
まず支持基板を用意する。支持基板はたとえばガラス板、樹脂フィルムおよびこれらの積層体によって構成される。なお有機EL素子から出射する光が支持基板を通って外界に出射するいわゆるボトムエミッション型の有機EL素子を支持基板上に設ける場合、支持基板は光透過性を示す材料によって構成される。
つぎに支持基板上に第1電極を所定のパターンで形成する。たとえば第1電極を矩形状に形成する。第1電極の構成およびその形成方法については後述する。
つぎに第1電極上に正孔注入層を形成する。正孔注入層の形成方法はとくに制限はないが、たとえば後述する発光層と同様に、塗布法によって形成することができる。
つぎに有機EL層として発光層を形成する。本実施形態ではいわゆるキャピラリーコート法によって発光層を形成する。すなわち有機EL層(本実施形態では発光層)となる塗布液を貯留するタンクと連通され、このタンクから供給される前記塗布液を吐出するノズルを、該ノズルの上方に配置される支持基板を含む被塗布体に近接させ、ノズルから吐出される塗布液を前記被塗布体に接液し、被塗布体に塗布液が接液した状態で、被塗布体とノズルとを相対移動させて前記塗布液を塗布成膜し、前記有機EL層を形成する。キャピラリーコート法では、毛管力と静圧とを利用して塗布液をノズルから上方に吐出する。なお本工程における被塗布体は、第1電極および正孔注入層がその上に形成された支持基板に相当する。たとえばキャピラリーコート法によって5nm〜200nmの膜厚の有機EL層を形成することができる。
図1は、発光層を形成するために用いられるキャップコーターシステム11を模式的に示す図である。以下、本明細書において「上方」および「下方」は、それぞれ「鉛直方向の上方」および「鉛直方向の下方」を意味する。また以下では、塗布液を塗布する際の配置を前提にして、キャップコーターシステム11の構成を説明する。
キャップコーターシステム11は、主に定盤12、ノズル13、およびタンク14を含んで構成される。定盤12は下方の主面に載置される被塗布体19を保持する。定盤12はたとえば真空吸着によって被塗布体19を保持する。定盤12は図示しない電動機および油圧機などの変位駆動手段によって水平方向に往復運動する。以下、定盤12の移動する方向を塗布方向Xということがある。
ノズル13は塗布液を吐出するスリット状吐出口23を備える。図2はノズル13の側面図であり、図3は図2の切断面線III−IIIから見たノズル13の断面図であり、図4は図3の切断面線IV−IVから見たノズル13の断面図である。
図2〜図4に示すようにノズル13は、略板状であり、主にシム21と、該シム21を挟持する一対の挟持体22とを有する。シム21は、挟持体22に対してスペーサーとして機能する。一対の挟持体22は、挟持するシム21の厚みによりその間隔が規定される。さらにスリット状吐出口23の短手方向(本実施形態では塗布方向Xに相当する。)の幅は、一対の挟持体22の間隔によって規定される。したがってスリット状吐出口23の短手方向の幅はシム21の厚みによって規定される。スリット状吐出口23の短手方向の幅は、塗布液の性状および塗布膜の厚みなどに応じて適宜設定され、通常0.01mm〜1mm程度である。この幅はシム21の厚みを変更することによって調整することができる。
一対の挟持体22にはそれぞれ半円を底面とする柱状の凹部が幅方向Yに延在して形成されている。なお幅方向Yは、塗布方向Xに垂直な方向であって、かつ鉛直方向Zに垂直な方向を意味する。一対の挟持体22を貼り合わると、上述の半円を底面とする柱状の凹部によって円柱状の空洞が構成される。この円柱状の空洞は、幅方向Yに延伸し、その軸心が貼り合わせ面に一致する。シム21を介在させて一対の挟持体22を貼り合わせた際には、この2つの凹部によって構成される空洞がマニホールド24として機能する。
ノズル13はスリット状吐出口23の長手方向が幅方向Yに一致するように配置される。スリット状吐出口23は、ノズル13の上端からマニホールド24に亘って形成されており、マニホールド24に連通している。マニホールド24には塗布液が充填されるので、スリット状吐出口23には、マニホールド24から塗布液が供給される。スリット状吐出口23の長手方向(幅方向Y)の幅は、塗布膜の幅方向Yの幅に設定され、例えば10mm〜300mmである。
前述したようにスリット状吐出口23の短手方向の幅はシム21の厚みによって規定されるが、本実施形態では、短手方向(塗布方向X)の幅だけでなく、スリット状吐出口23の長手方向(幅方向Y)の幅もシム21によって規定される。本実施形態におけるシム21は、図4に示すように、マニホールド24の直下において幅方向Yに延伸する板体21aと、この板体21aの幅方向Yの両端部から上方に延在する非通液部21bとからなる。非通液部21bに挟まれた領域がスリット状吐出口23に相当する。
ノズル13は、鉛直方向Zに変位可能に支持され、電動機および油圧機などの変位駆動手段によって鉛直方向Zに変位駆動される。
タンク14は塗布液17を貯留する。タンク14には、被塗布体19に塗布される塗布液17が貯留される。本実施形態では発光層となる有機材料を含む液体がタンク14に貯留される。ノズル13のマニホールド24とタンク14とは塗布液供給管16を介して連通している。すなわちタンク14に貯留される塗布液17は、塗布液供給管16を通してマニホールド24に供給され、さらにはスリット状吐出口23を介して被塗布体19に塗布される。タンク14は、鉛直方向Zに変位可能に支持され、電動機および油圧機などの変位駆動手段によって鉛直方向Zに変位駆動される。タンク14は、塗布液17の液面を検出する液面センサー18をさらに備える。この液面センサー18によって、塗布液17の液面の鉛直方向Zの高さが検出される。液面センサー18は、たとえば光学式センサーや超音波振動式センサーによって実現される。
塗布液供給管16を介してタンク14からスリット状吐出口23に供給される塗布液17は、タンク14内の液面の高さに応じて生じる圧力(静圧)と、スリット状吐出口23で生じる毛管現象による力とに応じて、スリット状吐出口23から押出される。したがってタンク14内の液面位置と、ノズル13内の液面位置との相対差を制御することで、スリット状吐出口23から押出される塗布液の量を制御することができる。なおタンク14内の液面位置はタンク14の上下の位置を調整することにより制御することができるため、ノズル13およびタンク14の上下の位置をそれぞれ調整することによって、スリット状吐出口23から押出される塗布液の量を制御することができる。
キャップコーターシステム11は、マイクロコンピュータなどによって実現される制御部をさらに備え、この制御部が、前述した変位駆動手段などを制御する。制御部が変位駆動手段を制御することで、ノズル13およびタンク14の鉛直方向Zの位置、および定盤12の塗布方向Xの変位が制御される。塗布液17を塗布すると、塗布液17が消費されるので、タンク14内の塗布液17の液面は経時的に低下するが、液面センサー18の検出結果に基づいて制御部が変位駆動手段を制御し、タンク14の鉛直方向Zの位置を調整することで、スリット状吐出口23から押出される塗布液17の高さを制御することができる。
つぎに、塗布液を塗布する際のキャップコーターシステム11の動作について図5を参照して説明する。図5はキャップコーターシステム11の動作を表すタイムチャートである。図5の横軸は時間経過を表す。
塗布を開始する際には、被塗布体を保持する定盤12は、塗布開始位置よりも左方の待機位置に配置されており、タンク14は液面基準位置に配置されており、ノズル13は下降位置に配置されている。そしてノズルからは塗布液が吐出されていない状態である。
<t1〜t4>塗布液を被塗布体に接液させる。
定盤12は、時刻t1から時刻t3にかけて待機位置から塗布開始位置まで右方に移動する。その後定盤12は塗布が開始される時刻t8まで塗布開始位置で停止している。
タンク14は、時刻t1から時刻t2にかけて液面基準位置から接液位置まで移動する。このようにタンク14が接液位置まで移動することによって、塗布液がスリット状吐出口23から吐出した状態になる。なおタンクの接液位置は、後述する塗布位置よりも1mm〜50mm上方に位置する。
またノズル13は、時刻t1から時刻t2にかけて下降位置から待機位置まで上昇する。その後ノズル13は、時刻t3から時刻t4にかけて待機位置から接液位置まで上昇する。なおノズル13はスリット状吐出口23から塗布液を吐出した状態のまま被塗布体に接近するので、時刻t4直前に、塗布液が被塗布体19に接液する。ノズル13の接液位置でのノズル13上端と被塗布体19との間隔は、たとえば3μm〜30μmである。
<t4〜t8>被塗布体に接液している塗布液の量を調整する。
塗布液が被塗布体19に接液した後、タンク14は時刻t5から時刻t6にかけて接液位置から液面補正位置まで下降する。なおタンク14の下降は塗布液が接液した状態を維持したまま行われる。液面補正位置は、後述する塗布位置よりも1mm〜20mm下方に位置する。このようにタンク14は、塗布位置よりも一旦下降した後、時刻t7から時刻t8にかけて液面補正位置から塗布位置まで上昇する。
このように本実施形態では、塗布液を接液した後であって、被塗布体とノズルとを相対移動する前に、塗布液が接液した状態を維持したまま、被塗布体とノズルとの相対移動を開始する時のタンクの位置よりもタンクを下降させ、その後、被塗布体とノズルとの相対移動を開始する時のタンクの位置までタンクを上昇する。
塗布位置よりも下方にタンク14を一旦下げることによって、ノズル13上端と被塗布体19との間にある塗布液の一部をスリット状吐出口23内に戻すことができる。すなわち被塗布体に接液している塗布液の量を調整することができる。このように被塗布体に接液する塗布液の量を調整することによって、塗布開始時の塗布膜の膜厚を調整することができる。これによって塗布開始時の塗布膜の厚膜化を抑制することができる。
ノズル13は、時刻t7から時刻t8にかけて接液位置から塗布位置に下降する。時刻t8でのノズル13上端と被塗布体19との間隔は30μm〜300μm程度である。
(t8〜t9)塗布液を塗布する。
時刻t8から時刻t9にかけて被塗布体に塗布液を塗布する。定盤12は、時刻t8から時刻t9にかけて塗布開始位置から塗布終了位置まで右方に移動する。塗布液が被塗布体に接液した状態を維持したまま定盤が移動するため、塗布液が被塗布体に塗布される。定盤12の移動速度はたとえば0.1m/min〜5m/minである。
本実施形態では時刻t8から時刻t9にかけてノズル13およびタンク14の位置は不変である。なお時刻t8から時刻t9にかけてタンクを所定の速度で上昇させてもよい。時刻t8から時刻t9にかけて被塗布体に塗布液を塗布するため、インキが消費され、タンク14内の塗布液の液面の高さが低下することもあるが、たとえば時刻t8から時刻t9にかけてタンク14を所定の速度で上昇させることによってタンク14内の塗布液の液面の高さを一定に保つことができる。
<t9〜t12>塗布液を離液させる。
タンク14は時刻t9から時刻t10にかけて離液位置まで下降する。時刻t9から時刻t10にかけてタンク14が下降する距離は、1mm〜20mm程度である。なお本実施形態では塗布液が被塗布体に接液した状態を維持したままタンク14が離液位置まで下降する。このようにタンク14が下降することによって、ノズル13上端と被塗布体19との間にある塗布液の一部をスリット状吐出口23内に戻すことができる。その後、ノズル13は時刻t10から時刻t11にかけて離液位置まで下降する。このようにノズル13が下降することによって塗布液が被塗布体から離液する。
以上のように塗布液を離液する際には、タンクを下降した後にノズルを下降する。ノズル13上端と被塗布体19との間にある塗布液の一部をスリット状吐出口23内に戻した後にノズルを下降し、塗布液を離液することによって、塗布終了位置での塗布膜の厚膜化を抑制することができる。
塗布液を離液した後、t12からt13にかけて、定盤12が待機位置に移動し、タンク14が液面基準位置に移動し、ノズル13が下降位置に移動することによって、塗布液の塗布を終了する。
なお本実施形態ではt12からt13にかけて、定盤12が待機位置に移動するとしたが、t12からt13にかけて定盤12をさらに右方に移動し、これを新たな待機位置として、新たにt1からt13の動作を繰り返してもよく、この動作の繰り返しを複数回行ってもよい。
以上説明したようにt1からt13の動作を行うことによって、塗布液を塗布することができる。
上述したように時刻t5〜時刻t8において、塗布位置よりも下方にタンク14を一旦下げることによって、塗布液の量を調整した後に、塗布液を塗布するため、塗布開始時の塗布膜の膜厚を調整し、平坦な膜厚の塗布膜を形成することができる。
また時刻t9〜時刻t11において、塗布液を離液する際には、タンクを下降した後にノズルを下降することによって、塗布液の一部をスリット状吐出口23内に戻した後にノズルを下降し、塗布液を離液することになり、塗布終了位置での塗布膜の厚膜化を抑制することができる。これによって塗布終了時の塗布膜の膜厚を調整し、平坦な膜厚の塗布膜を形成することができる。
塗布液は、有機EL層となる材料(本実施形態では発光層となる有機材料)と溶媒とを含む。塗布液の溶媒としては所定の沸点を示す溶媒を1種単独で用いても、複数種類の溶媒を併用してもよい。本発明の塗布液を構成する溶媒としては、形成する層となる材料(本実施形態では発光層となる有機材料)を溶解させるものが望ましく、このような溶媒としては以下のものが例示される。すなわち塗布液を構成する溶媒としては、クロロホルム(沸点61℃)、塩化メチレン(沸点40℃)、1,1−ジクロロエタン(沸点57℃)、1,2−ジクロロエタン(沸点83℃)、1,1,1−トリクロロエタン(沸点74℃)、1,1,2−トリクロロエタン(沸点113℃)等の脂肪族塩素系溶媒、クロロベンゼン(沸点132℃)、o−ジクロロベンゼン(沸点180℃)、m−ジクロロベンゼン(沸点173℃)、p−ジクロロベンゼン(沸点174℃)等の芳香族塩素系溶媒、テトラヒドロフラン(沸点66℃)、1,4−ジオキサン(沸点101℃)等の脂肪族エーテル系溶媒、アニソール(沸点154℃)、エトキシベンゼン(沸点170℃)等の芳香族エーテル系溶媒、トルエン(沸点111℃)、o−キシレン(沸点144℃)、m−キシレン(沸点139℃)、p−キシレン(沸点138℃)、エチルベンゼン(沸点136℃)、p−ジエチルベンゼン(沸点184℃)、メシチレン(沸点211℃)、n−プロピルベンゼン(沸点159℃)、イソプロピルベンゼン(沸点152℃)、n−ブチルベンゼン(沸点183℃)、イソブチルベンゼン(沸点173℃)、s−ブチルベンゼン(沸点173℃)、テトラリン(沸点208℃)、シクロヘキシルベンゼン(沸点235℃:737mmHgで測定)等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン(沸点81℃)、メチルシクロヘキサン(沸点101℃)、n−ペンタン(沸点36℃)、n−ヘキサン(沸点69℃)、n−へプタン(沸点98℃)、n−オクタン(沸点126℃)、n−ノナン(沸点151℃)、n−デカン(沸点174℃)、デカリン(cis体は沸点196℃、trans体は沸点187℃)、ビシクロヘキシル(沸点217〜233℃)等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン(沸点56℃)、メチルエチルケトン(沸点80℃)、メチルイソブチルケトン(沸点117℃)、シクロヘキサノン(沸点156℃)、2−ヘプタノン(沸点150℃)、3−ヘプタノン(沸点147℃:765mmHgで測定)、4−ヘプタノン(沸点144℃)、2−オクタノン(沸点174℃)、2−ノナノン(沸点195℃)、2−デカノン(沸点209℃)等の脂肪族ケトン系溶媒、アセトフェノン(沸点202℃)等の芳香族ケトン系溶媒、酢酸エチル(沸点77℃)、酢酸ブチル(沸点120〜125℃)等の脂肪族エステル系溶媒、安息香酸メチル(沸点200℃)、安息香酸ブチル(沸点213℃)、酢酸フェニル(沸点196℃)等の芳香族エステル系溶媒、エチレングリコール(沸点198℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(沸点171℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点135℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点125℃)、1,2−ジメトキシエタン(沸点85℃)、プロピレングリコール(沸点188℃)、1,2−ジエトキシメタン(沸点124℃)、トリエチレングリコールジエチルエーテル(沸点222℃)、2,5−ヘキサンジオール(沸点218℃)等の脂肪族多価アルコール系溶媒及び脂肪族多価アルコールの誘導体からなる溶媒、メタノール(沸点65℃)、エタノール(沸点78℃)、プロパノール(沸点97℃)、イソプロパノール(沸点82℃)、シクロヘキサノール(沸点161℃)等の脂肪族アルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド(沸点37℃)等の脂肪族スルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン(沸点202℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点153℃)等の脂肪族アミド系溶媒が例示される。
塗布液は、沸点が170℃未満の低沸点溶媒を含むことが好ましい。沸点が170℃未満の低沸点溶媒としては、上述の溶媒を使用できるが、これらの中でもo−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、およびこれらの混合溶媒、またはアニソールが好ましい。
前記塗布液は、沸点が170℃未満の低沸点溶媒を総重量に対して30重量%〜50重量%含むことが好ましい。このような塗布液を使用することで、より均一な膜厚の塗布膜を形成することができる。
つぎに、塗布された塗布膜を固化することにより発光層を形成する。塗布膜は、溶媒を除去することによって固化することができる。溶媒の除去は、自然乾燥、加熱乾燥によって行うことができる。また重合性化合物を含む塗布液を使用した場合、塗布膜に熱を加えたり光を照射したりすることによって、塗布膜を固化してもよい。
つぎに、この発光層上に第2電極を形成することにより、有機EL素子を形成することができる。
<有機EL素子の構成>
前述したように有機EL素子は種々の層構成をとりうるが、以下では有機EL素子の層構造、各層の構成、および各層の形成方法についてさらに詳しく説明する。
前述したように有機EL素子は、陽極および陰極からなる一対の電極(第1および第2の電極)と、該電極間に設けられる1または複数の有機EL層とを含んで構成され、1または複数の有機EL層として少なくとも1層の発光層を有する。なお有機EL素子は、無機物と有機物とを含む層、および無機層などを含んでいてもよい。有機層を構成する有機物としては、低分子化合物でも高分子化合物でもよく、また低分子化合物と高分子化合物との混合物でもよい。有機層は、高分子化合物を含むことが好ましく、ポリスチレン換算の数平均分子量が10〜10である高分子化合物を含むことが好ましい。
陰極と発光層との間に設けられる有機EL層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層などを挙げることができる。陰極と発光層との間に電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極に近い層を電子注入層といい、発光層に近い層を電子輸送層という。陽極と発光層との間に設けられる有機EL層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層などを挙げることができる。正孔注入層と正孔輸送層との両方の層が設けられる場合、陽極に近い層を正孔注入層といい、発光層に近い層を正孔輸送層という。
本実施の形態の有機EL素子のとりうる層構成の一例を以下に示す。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
c)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
d)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
e)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
f)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
g)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
j)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
k)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
l)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
m)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
n)陽極/発光層/電子注入層/陰極
o)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
p)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
本実施の形態の有機EL素子は2層以上の発光層を有していてもよい。上記a)〜p)の層構成のうちのいずれか1つにおいて、陽極と陰極とに挟持された積層体を「構造単位A」とすると、2層の発光層を有する有機EL素子の構成として、下記q)に示す層構成を挙げることができる。なお2つある(構造単位A)の層構成は互いに同じでも、異なっていてもよい。
q)陽極/(構造単位A)/電荷発生層/(構造単位A)/陰極
また「(構造単位A)/電荷発生層」を「構造単位B」とすると、3層以上の発光層を有する有機EL素子の構成として、下記r)に示す層構成を挙げることができる。
r)陽極/(構造単位B)x/(構造単位A)/陰極
なお記号「x」は、2以上の整数を表し、(構造単位B)xは、構造単位Bがx段積層された積層体を表す。また複数ある(構造単位B)の層構成は同じでも、異なっていてもよい。
ここで、電荷発生層とは電界を印加することにより正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としては、たとえば酸化バナジウム、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、酸化モリブデンなどから成る薄膜を挙げることができる。
有機EL素子は、陽極および陰極から構成される一対の電極のうちの陽極を陰極よりも支持基板寄りに配置して、支持基板に設けてもよく、また陰極を陽極よりも支持基板寄りに配置して、支持基板に設けてもよい。たとえば上記a)〜r)において、右側から順に各層を支持基板上に積層して有機EL素子を構成してもよく、また左側から順に各層を支持基板上に積層して有機EL素子を構成してもよい。積層する層の順序、層数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜設定することができる。
次に、有機EL素子を構成する各層の材料および形成方法についてより具体的に説明する。
<陽極>
発光層から放たれる光が陽極を通って素子外に出射する構成の有機EL素子の場合、陽極には光透過性を示す電極が用いられる。光透過性を示す電極としては、金属酸化物、金属硫化物および金属などの薄膜を用いることができ、電気伝導度および光透過率の高いものが好適に用いられる。具体的には酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、および銅などから成る薄膜が用いられ、これらの中でもITO、IZO、または酸化スズから成る薄膜が好適に用いられる。
陽極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法などを挙げることができる。また陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、求められる特性や成膜工程の簡易さなどを考慮して適宜設定され、たとえば10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
<陰極>
陰極の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易で、電気伝導度の高い材料が好ましい。また陽極側から光を取出す構成の有機EL素子では、発光層から放たれる光を陰極で陽極側に反射するために、陰極の材料としては可視光に対する反射率の高い材料が好ましい。陰極には、たとえばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属および周期表の13族金属などを用いることができる。陰極の材料としては、たとえばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、前記金属のうちの2種以上の合金、前記金属のうちの1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうちの1種以上との合金、またはグラファイト若しくはグラファイト層間化合物などが用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などを挙げることができる。また陰極としては導電性金属酸化物および導電性有機物などから成る透明導電性電極を用いることができる。具体的には、導電性金属酸化物として酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、およびIZOを挙げることができ、導電性有機物としてポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などを挙げることができる。なお陰極は、2層以上を積層した積層体で構成されていてもよい。なお電子注入層が陰極として用いられることもある。
陰極の膜厚は、求められる特性や成膜工程の簡易さなどを考慮して適宜設定され、たとえば10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法などを挙げることができる。
<正孔注入層>
正孔注入層を構成する正孔注入材料としては、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、および酸化アルミニウムなどの酸化物や、フェニルアミン系化合物、スターバースト型アミン系化合物、フタロシアニン系化合物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、およびポリチオフェン誘導体などを挙げることができる。
正孔注入層の膜厚は、求められる特性および成膜工程の簡易さなどを考慮して適宜設定され、たとえば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<正孔輸送層>
正孔輸送層を構成する正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などを挙げることができる。
正孔輸送層の膜厚は、求められる特性および成膜工程の簡易さなどを考慮して設定され、たとえば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<発光層>
発光層は、通常、主として蛍光及び/又はりん光を発光する有機物、または該有機物とこれを補助するドーパントとから形成される。ドーパントは、たとえば発光効率の向上や、発光波長を変化させるために加えられる。なお発光層を構成する有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよく、塗布法によって発光層を形成する場合には、発光層は高分子化合物を含むことが好ましい。発光層を構成する高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量はたとえば10〜10程度である。発光層を構成する発光材料としては、たとえば以下の色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料、ドーパント材料を挙げることができる。
(色素系材料)
色素系材料としては、たとえば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体などを挙げることができる。
(金属錯体系材料)
金属錯体系材料としては、たとえばTb、Eu、Dyなどの希土類金属、またはAl、Zn、Be、Ir、Ptなどを中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを配位子に有する金属錯体を挙げることができ、たとえばイリジウム錯体、白金錯体などの三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、フェナントロリンユーロピウム錯体などを挙げることができる。
(高分子系材料)
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素系材料や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどを挙げることができる。
発光層の厚さは、通常約2nm〜200nmである。
<電子輸送層>
電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、公知のものを使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体などを挙げることができる。
電子輸送層の膜厚は、求められる特性や成膜工程の簡易さなどを考慮して適宜設定され、たとえば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<電子注入層>
電子注入層を構成する材料としては、発光層の種類に応じて最適な材料が適宜選択され、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のうちの1種類以上を含む合金、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、またはこれらの物質の混合物などを挙げることができる。アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、ハロゲン化物、および炭酸塩の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウムなどを挙げることができる。また、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。電子注入層は、2層以上を積層した積層体で構成されてもよく、たとえばLiF/Caなどを挙げることができる。
電子注入層の膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
有機EL層のうちで塗布法によって形成することが可能な有機EL層が複数ある場合には、全ての有機EL層を塗布法を用いて形成することが好ましいが、たとえば塗布法によって形成することが可能な複数の有機EL層のうちの少なくとも1層を塗布法を用いて形成し、他の有機EL層を塗布法とは異なる方法によって形成してもよい。また複数の有機EL層を塗布法で形成する場合であっても、その塗布法の具体的方法が異なる塗布法によって複数の有機EL層を形成してもよい。
また塗布法とは異なる方法として、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、ラミネート法などによって有機EL層を形成してもよい。
図1に示すキャップコーターシステム11と同様のキャップコーターシステム(株)ヒラノテクシード社製、製品名:CAP Coater IIIを使用し、図5に示すタイムチャートと同様にキャップコーターシステムを動作させて、ガラス基板上に塗布液を塗布した。
ノズルのスリット状吐出口の長手方向の幅は200mm、短手方向の幅は300μmであった。ガラス基板の寸法は200mm×200mm×0.7mmであった。
発光材料にはサメイション社製のLumation GP1300(Green1300)を用いた。溶媒には、アニソールとシクロヘキシルベンゼン(CHB)との混合溶媒、またはアニソールのみを使用した。各実施例および比較例において使用した塗布液における発光材料の重量濃度、および溶媒の混合比を表1に示す。
Figure 2011216251
各実施例でのタンク位置は、塗布位置を基準にすると、接液位置は塗布位置よりも11mm上方に位置し、液面補正位置は塗布位置よりも9mm下方に位置し、離液位置は塗布位置よりも11mm下方に位置する。
各実施例でのノズル位置は、接液位置では、ガラス基板とノズル上端との距離が10μmであり、塗布位置では、ガラス基板とノズル上端との距離が220μmである。
塗布スピードは0.5m/minとし、塗布距離は70mmとした。
(比較例1)
塗布開始時にタンク位置を接液位置から塗布位置よりも下方に下降させることなく、タンク位置を接液位置から塗布位置に下降し、そのまま塗布液を塗布した。塗布液を離液する際には定盤が停止すると、タンクとノズルとを同時に下降させた。本比較例でのタンク位置は、塗布位置を基準にすると、接液位置は塗布位置よりも11mm上方に位置し、離液位置は塗布位置よりも17mm下方に位置する。接液および塗布位置でのガラス基板とノズル上端との距離は実施例1〜4と同様にした。
塗布スピードは0.5m/minとし、塗布距離は190mmとした。
実施例1〜4および比較例1において塗布した塗布膜の膜厚を触針式膜厚計 TENCOR社製、製品名:P-16+を用いて測定した。図6〜図10は塗布膜の膜厚を表す。横軸は塗布方向Xの距離を表す。
図6〜9に示すように、塗布を開始する前にタンク位置を制御することによって、接液位置付近での塗布膜の厚膜部分がガラス基板の塗布開始から塗布方向に30mm程度で収まることを確認した。さらに沸点が170℃未満の低沸点溶媒を総重量に対して30重量%〜50重量%含む塗布液を用いると、接液位置付近での塗布膜の厚膜部分をさらに短くすることができ、ガラス基板の塗布開始から塗布方向に10mm程度で収まることを確認した。また離液する際にタンクを下降した後にノズルを下降することによって、離液位置付近での塗布膜の厚膜部分を抑制することができる。
一方、図10に示すように、塗布開始時にタンク位置を接液位置から塗布位置よりも下方に下降させることなく、タンク位置を接液位置から塗布位置に下降し、そのまま塗布液を塗布し、塗布終了時には定盤が停止するとともにタンクとノズルとを同時に下降させることによって、接液位置付近での塗布膜の厚膜部分が塗布開始位置から塗布方向の長さ50mm程度発生することが確認された。また離液位置付近での塗布膜の厚膜部分は塗布方向の長さ10mm程度発生することが確認された。
11 キャップコーターシステム
12 定盤
13 ノズル
14 タンク
16 塗布液供給管
17 塗布液
18 センサー
19 被塗布体
21 シム
22 挟持体
23 スリット状吐出口
24 マニホールド

Claims (4)

  1. 支持基板と、該支持基板上に設けられる有機EL素子とを備える発光装置であり、前記有機EL素子が第1電極、有機EL層および第2電極をこの順で支持基板上に積層することによって構成される発光装置の製造方法であって、
    有機EL層となる塗布液を貯留するタンクと連通され、このタンクから供給される前記塗布液を吐出するノズルを、該ノズルの上方に配置される支持基板を含む被塗布体に近接させ、ノズルから吐出される塗布液を前記被塗布体に接液し、被塗布体に塗布液が接液した状態で、被塗布体とノズルとを相対移動させて前記塗布液を塗布成膜し、前記有機EL層を形成する工程を含み、
    塗布液を接液した後であって、被塗布体とノズルとを相対移動する前に、塗布液が接液した状態を維持したまま、被塗布体とノズルとの相対移動を開始する時のタンクの位置よりもタンクを下降させ、その後、被塗布体とノズルとの相対移動を開始する時のタンクの位置までタンクを上昇する、発光装置の製造方法。
  2. 塗布液を離液する際には、タンクを下降した後にノズルを下降し、塗布液を離液する、請求項1記載の発光装置の製造方法。
  3. 前記塗布液は、沸点が170℃未満の低沸点溶媒を含む、請求項1または2記載の発光装置の製造方法。
  4. 前記塗布液は、沸点が170℃未満の低沸点溶媒を総重量に対して30重量%〜50重量%含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
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