JP2011215356A - 体積ホログラム転写箔の製造方法、体積ホログラム積層体の製造方法および体積ホログラム転写箔 - Google Patents
体積ホログラム転写箔の製造方法、体積ホログラム積層体の製造方法および体積ホログラム転写箔 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明は、基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を配置する体積ホログラム層配置工程を有し、上記体積ホログラム層配置工程が、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つである平坦化層の表面に、上記体積ホログラム層を埋設する凹部を形成する凹部形成工程を有することを特徴とする体積ホログラム転写箔の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
本発明の体積ホログラム転写箔の製造方法は、基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を配置する体積ホログラム層配置工程を有し、上記体積ホログラム層配置工程が、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つである平坦化層の表面に、上記体積ホログラム層を埋設する凹部を形成する凹部形成工程を有することを特徴とするものである。
また本発明においては、剥離層と接着層とに間に体積ホログラム層を部分的に配置するので、体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際には、体積ホログラム層の破断面をなくす、あるいは体積ホログラム層の破断面を少なくすることができ、転写性を向上させることが可能である。さらに、剥離層と接着層とに間に体積ホログラム層を部分的に配置するので、体積ホログラム転写箔を用いて製造された体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層の端部の露出を防ぐ、あるいは体積ホログラム層の端部の露出を少なくすることができ、外気や水分、光によるホログラムへの影響を低減し、耐久性を向上させることが可能である。また、剥離層と接着層とに間に体積ホログラム層を部分的に配置するので、体積ホログラム転写箔を用いて製造された体積ホログラム積層体においては、券面情報等の被転写体に記載されている情報を妨げない位置に体積ホログラム層を配置することが可能である。
以下、各実施態様について説明する。
本実施態様の体積ホログラム転写箔の製造方法は、基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を配置する体積ホログラム層配置工程を有し、上記体積ホログラム層配置工程が、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つである平坦化層の表面に、上記体積ホログラム層を埋設する凹部を形成する凹部形成工程を有し、上記凹部形成工程が、上記体積ホログラム層を覆うように平坦化層形成用樹脂組成物を塗布する塗布凹部形成工程であることを特徴とするものである。
図1(a)〜(d)は、本実施態様の体積ホログラム転写箔の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図1(a)に示すように、基材1上に剥離層2を形成し、剥離層2上に機能層3を形成する。次に、図1(b)に示すように、機能層3上に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層4を転写する。次いで、図1(c)に示すように、機能層3上に体積ホログラム層4を覆うように平坦化層形成用樹脂組成物を塗布し、平坦化層11を形成する(塗布凹部形成工程)。図1(c)においては、平坦化層11として、樹脂を含有するクッション層5を形成している。続いて、図1(d)に示すように、クッション層5(平坦化層11)上に接着層6を形成する。このようにして、体積ホログラム転写箔20が得られる。
本実施態様における体積ホログラム層配置工程は、基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を配置する工程であり、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つである平坦化層の表面に、上記体積ホログラム層を埋設する凹部を形成する凹部形成工程を有している。また本実施態様においては、上記凹部形成工程が、上記体積ホログラム層を覆うように平坦化層形成用樹脂組成物を塗布する塗布凹部形成工程である。
本実施態様における凹部形成工程は、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つである平坦化層の表面に、上記体積ホログラム層を埋設する凹部を形成する工程であり、上記体積ホログラム層を覆うように平坦化層形成用樹脂組成物を塗布する塗布凹部形成工程である。
以下、塗布凹部形成工程および平坦化層について説明する。
本実施態様に用いられる平坦化層形成用樹脂組成物としては、平坦化層の種類に応じて適宜選択される。
また、平坦化層形成用樹脂組成物が光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を含有する場合には、平坦化層形成用樹脂組成物の塗布後に、光照射や加熱を行い、平坦化層形成用樹脂組成物を硬化させる。
第1塗布工程では、平坦化層形成用樹脂組成物が光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を含有する場合、平坦化層形成用樹脂組成物の塗布後に、平坦化層形成用樹脂組成物を硬化させてもよく硬化させなくてもよい。一方、第2塗布工程では、平坦化層形成用樹脂組成物の塗布後に、平坦化層形成用樹脂組成物を硬化させる。第1塗布工程にて平坦化層形成用樹脂組成物を硬化しない場合には、第2塗布工程において、第1塗布工程にて塗布した平坦化層形成用樹脂組成物と、第2塗布工程にて塗布した平坦化層形成用樹脂組成物とを硬化させる。
剥離性基材としては、例えば体積ホログラム層から剥離できるように離型処理された基材を用いることができ、一般的な剥離性基材を使用することができる。
本実施態様における平坦化層は、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層のうちいずれか一つであり、体積ホログラム層に接して配置される層である。平坦化層としては、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つであればよく、例えば、接着層、樹脂を含有するクッション層等を挙げることができる。また、平坦化層は機能層以外の層であることが好ましい。機能層の厚みが部分的に異なると、目的とする機能が損なわれるおそれがあるからである。
なお、各層については、後述の体積ホログラム転写箔の構成部材の項に記載するので、ここでの説明は省略する。
本実施態様における体積ホログラム層配置工程は、上記塗布凹部形成工程前に、第2平坦化層に上記体積ホログラム層を押圧する押圧凹部形成工程を有していてもよい。
以下、押圧凹部形成工程および第2平坦化層について説明する。
第2平坦化層に体積ホログラム層を押圧する方法としては、体積ホログラム層が配置される領域のみに圧力を加えることができる方法であれば特に限定されるものではない。中でも、体積ホログラム層が配置される領域のみに圧力および熱を加えることができる方法であることが好ましい。具体的には、金型を用いる方法、加圧ローラーを用いる方法等を挙げることができる。
本実施態様における第2平坦化層は、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層のうちいずれか一つであり、体積ホログラム層に接して配置される層である。第2平坦化層としては、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つであればよく、例えば、剥離層、樹脂を含有するクッション層等を挙げることができる。また、第2平坦化層は機能層以外の層であることが好ましい。機能層が押圧されると、目的とする機能が損なわれるおそれがあるからである。
なお、各層については、後述の体積ホログラム転写箔の構成部材の項に記載するので、ここでの説明は省略する。
本実施態様における体積ホログラム層配置工程は、上記塗布凹部形成工程前に、凹部に体積ホログラム層を埋設する前に凹部を有する第2平坦化層を予め形成する事前凹部形成工程を有していてもよい。
体積ホログラム層配置工程が、上記塗布凹部形成工程の前に、上記押圧凹部形成工程を有する場合には、事前凹部形成工程、押圧凹部形成工程、塗布凹部形成工程の順に行われる。
以下、事前凹部形成工程および第2平坦化層について説明する。
凹部を有する第2平坦化層を予め形成する方法としては、例えば、凹部が形成されるように第2平坦化層形成用樹脂組成物を塗布する方法、第2平坦化層形成後に第2平坦化層に押圧部材を押圧する方法、第2平坦化層形成後に第2平坦化層表面を部分的に削り取る方法等を適用することができる。
なお、第2平坦化層の厚みについては、上記押圧凹部形成工程の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本実施態様における第2平坦化層は、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層のうちいずれか一つであり、体積ホログラム層に接して配置される層である。第2平坦化層としては、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つであればよく、例えば、剥離層、樹脂を含有するクッション層等を挙げることができる。また、第2平坦化層は機能層以外の層であることが好ましい。機能層の厚みが部分的に異なると、目的とする機能が得られないおそれがあるからである。
なお、各層については、後述の体積ホログラム転写箔の構成部材の項に記載するので、ここでの説明は省略する。
本実施態様における体積ホログラム層配置工程は、上記基材上に形成された上記剥離層上に上記体積ホログラム層を転写する転写工程を有していてもよい。
本実施態様においては、上記体積ホログラム層配置工程が、上記体積ホログラム層に接するように密着層を形成する密着層形成工程を有していてもよい。密着層により、体積ホログラム層と、密着層を介して体積ホログラム層に接する層との密着性を高めることができ、体積ホログラム層を剥がれにくくし、偽造防止効果を向上させることができるからである。
また、密着層は、体積ホログラム層上に形成してもよく、密着層を介して体積ホログラム層に接する層上に形成してもよい。
例えば、図6(a)〜(d)は本実施態様の体積ホログラム転写箔の製造方法の他の例を示す工程図であり、上述の塗布凹部形成工程の他に、押圧凹部形成工程および事前凹部形成工程を有する場合の例である。図6(b)に示すように、体積ホログラム層4上に密着層8aを形成してもよく、密着層を介して体積ホログラム層4に接する層(図6(b)においてはクッション層5)上に密着層8bを形成してもよい。
本実施態様においては、塗布凹部形成工程、押圧凹部形成工程および事前凹部形成工程の前に、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層に含まれる重合性化合物を重合してもよく、塗布凹部形成工程、押圧凹部形成工程および事前凹部形成工程の後に、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層に含まれる重合性化合物を重合してもよい。塗布凹部形成工程、押圧凹部形成工程および事前凹部形成工程の前に、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層に含まれる重合性化合物を重合する場合には、塗布凹部形成工程、押圧凹部形成工程および事前凹部形成工程における、重合性化合物が重合されていないことによる体積ホログラム層の経時変化を防ぐことができる。一方、塗布凹部形成工程、押圧凹部形成工程および事前凹部形成工程の後に、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層に含まれる重合性化合物を重合する場合には、体積ホログラム層と体積ホログラム層に接する層との密着性を高めることができる。
中でも、体積ホログラム層配置工程が、塗布凹部形成工程前に押圧凹部形成工程を有する場合には、押圧凹部形成工程前に、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層に含まれる重合性化合物を重合することが好ましい。押圧凹部形成工程にて体積ホログラム層に圧力および熱が加えられた際に、体積ホログラム層に記録された体積ホログラムが変化してしまうおそれがあるからである。
本実施態様における体積ホログラム層配置工程においては、基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を配置する。体積ホログラム層の配置としては、剥離層と接着層との間に体積ホログラム層が配置されていれば特に限定されるものではない。
中でも、体積ホログラム層の端部の露出面積が少なくなるように、剥離層と接着層との間に部分的に体積ホログラム層が配置されていることが好ましい。体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際に、体積ホログラム層の破断面を少なくすることができ、転写性を向上させることができるからである。また、体積ホログラム転写箔を用いて製造された体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層の端部の露出を少なくすることができ、外気や水分、光によるホログラムへの影響を低減し、耐久性を向上させることができるからである。
特に、体積ホログラム層の端部が露出しないように、剥離層と接着層との間に部分的に体積ホログラム層が配置されていることが好ましい。体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際に、体積ホログラム層の破断面をなくすことができ、転写性をさらに向上させることができるからである。また、体積ホログラム転写箔を用いて製造された体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層の端部の露出を防ぐことができ、外気や水分、光によるホログラムへの影響を低減し、耐久性をさらに向上させることができるからである。
なお、図7(a)、(b)および図8(a)、(b)において、基材および体積ホログラム層以外の構成部材は省略されている。また、図8(a)、(b)において、41は被転写体を示す。
本実施態様において、体積ホログラム転写箔は、基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層が配置されたものである。体積ホログラム転写箔は、剥離層と接着層との間に任意の層が形成されていてもよい。任意の層としては、例えば、樹脂を含有するクッション層、種々の機能を有する機能層などを挙げることができる。
以下、体積ホログラム転写箔における各構成部材について説明する。
本実施態様における体積ホログラム層は、体積ホログラムが記録されたものである。
このような第1の感光材料および第2の感光材料としては、例えば、特開2005−70064号公報、特開2009−003197号公報、特開2009−274428号公報に記載されているものと同様のものを用いることができる。
なお、これらの方法については一般的に体積ホログラム層を形成する方法として公知の方法を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
本実施態様における接着層は、体積ホログラム転写箔と被転写体とを接着させるものである。
本実施態様に用いられる剥離層は、基材と体積ホログラム層、機能層、クッション層等の剥離層上に形成される層との接着力を任意の範囲に調整し、体積ホログラム転写箔を用いて体積ホログラム積層体を製造する際の体積ホログラム転写箔からの基材の剥離性を向上させるものである。また、剥離層は、体積ホログラム転写箔を用いて製造した体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層表面を覆い、体積ホログラム層を保護するものである。
本実施態様に用いられる基材は、上述した体積ホログラム層、接着層および剥離層を支持するものである。
本実施態様に用いられるクッション層は、樹脂を含有するものであり、体積ホログラム層を埋没させ得るものである。
本実施態様に用いられる機能層は、種々の機能を有する層である。機能層としては、例えば、プライマー層、バリア層、蛍光発光層、光学可変インキ層、紫外線吸収層等が挙げられる。以下、各層について説明する。
本実施態様に用いられるプライマー層は、剥離層と接着層との間の任意の位置に形成されるものであり、体積ホログラム層と接着層との接着性、あるいは、体積ホログラム層と剥離層との接着性を向上させるものである。
本実施態様に用いられるバリア層は、体積ホログラム層と接着層との間に形成されるものである。体積ホログラム層に用いられる感光材料や接着層に用いられる熱可塑性樹脂の組み合わせによっては、経時的に体積ホログラム層から他の層への低分子量成分の移行が起こり、これに起因して体積ホログラム層に記録された体積ホログラムの再生波長が青側(短波長側)に移行してしまう場合があるが、バリア層を設けることによって、このような不具合を解消することができる。
本実施態様に用いられる蛍光発光層は、紫外線が照射されることにより蛍光を発する蛍光材料を含有するものである。蛍光発光層が形成されていることにより、体積ホログラム転写箔を用いて、より偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することができる。
本実施態様に用いられる紫外線吸収層は、剥離層と体積ホログラム層との間に形成されるものである。ここで、上述したように体積ホログラム層には光重合性材料が用いられることから、当該体積ホログラム層に紫外線が照射されると体積ホログラム層が経時で劣化してしまう場合がある。しかしながら、体積ホログラム層上に紫外線吸収層を形成することにより、このような体積ホログラム層の紫外線劣化を防止することができる。
本実施態様に用いられる光学可変インキ層は、視認する角度によって色が変化する光学可変材料によって画像が形成されたものである。光学可変インキ層が形成されていることにより、光学可変材料で作製された画像は、通常のインキでは複製することが不可能であるため、体積ホログラム転写箔を用いて偽造防止機能に優れた体積ホログラム積層体を作製することが可能となる。
本実施態様における体積ホログラム転写箔20の形態としては、図7(a)、(b)に例示するように枚葉状であってもよく、図8(a)、(b)に例示するように長尺状であってもよい。中でも、体積ホログラム転写箔は長尺状であることが好ましい。長尺の体積ホログラム転写箔を用いれば、被転写体に体積ホログラム層を連続的に転写することができるからである。
本実施態様の体積ホログラム転写箔の製造方法は、基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を配置する体積ホログラム層配置工程を有し、上記体積ホログラム層配置工程が、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つである平坦化層の表面に、上記体積ホログラム層を埋設する凹部を形成する凹部形成工程を有し、上記凹部形成工程が、上記平坦化層に上記体積ホログラム層を押圧する押圧凹部形成工程であることを特徴とするものである。
図9(a)〜(e)は、本実施態様の体積ホログラム転写箔の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図9(a)に示すように、剥離性基材31上に接着層6を形成し、接着層6上に平坦化層11を形成する。図9(a)においては、平坦化層11として、樹脂を含有するクッション層5を形成している。次いで、図9(a)〜(b)に示すように、平坦化層11(クッション層5)に体積ホログラム層4を押圧する(押圧凹部形成工程)。次に、図9(c)に示すように、基材1上に剥離層2を形成し、剥離層2上に機能層3を形成する。続いて、体積ホログラム層4が押圧されたクッション層5(平坦化層11)と、機能層3とを対向させる。次いで、図9(d)に示すように、クッション層5(平坦化層11)と機能層3とを貼り合せる。その後、図9(e)に示すように、剥離性基材31を接着層6から剥離する。このようにして、体積ホログラム転写箔20が得られる。
以下、体積ホログラム転写箔の製造方法における各工程について説明する。
本実施態様における体積ホログラム層配置工程は、基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を配置する工程であり、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つである平坦化層の表面に、上記体積ホログラム層を埋設する凹部を形成する凹部形成工程を有している。また本実施態様においては、上記凹部形成工程が、上記平坦化層に上記体積ホログラム層を押圧する押圧凹部形成工程である。
以下、体積ホログラム層配置工程における各工程について説明する。
本実施態様における凹部形成工程は、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つである平坦化層の表面に、上記体積ホログラム層を埋設する凹部を形成する工程であり、上記平坦化層に上記体積ホログラム層を押圧する押圧凹部形成工程である。
本実施態様においては、図9(a)〜(b)および図11(b)〜(c)に示すように体積ホログラム層の片面のみに平坦化層を配置し、平坦化層に体積ホログラム層を押圧してもよく、図10(a)および図12(b)に示すように体積ホログラム層の両面にそれぞれ平坦化層(第1平坦化層および第2平坦化層)を配置し、第1平坦化層および第2平坦化層に体積ホログラム層を押圧してもよい。
なお、平坦化層の厚みについては、上記第1実施態様と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本実施態様における平坦化層は、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つであり、体積ホログラム層に接して配置される層である。平坦化層としては、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つであればよく、例えば、剥離層、接着層、樹脂を含有するクッション層等が挙げられる。また、平坦化層は機能層以外の層であることが好ましい。機能層が押圧されると、目的とする機能が損なわれるおそれがあるからである。
なお、各層については、上記第1実施態様の体積ホログラム転写箔の構成部材の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本実施態様における体積ホログラム層配置工程は、上記押圧凹部形成工程前に、凹部に体積ホログラム層を埋設する前に凹部を有する平坦化層を予め形成する事前凹部形成工程を有していてもよい。
なお、凹部を有する平坦化層を予め形成する方法については、上記第1実施態様の事前凹部形成工程の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施態様における体積ホログラム層配置工程は、上記平坦化層上に上記体積ホログラム層を転写する転写工程を有していてもよい。
本実施態様においては、上記体積ホログラム層配置工程が、上記体積ホログラム層に接するように密着層を形成する密着層形成工程を有していてもよい。密着層により、体積ホログラム層と、密着層を介して体積ホログラム層に接する層との密着性を高めることができ、体積ホログラム層を剥がれにくくし、偽造防止効果を向上させることができるからである。
なお、密着層、密着層の形成方法および密着層の厚み等については、上記第1実施態様の密着層形成工程の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施態様においては、押圧凹部形成工程および事前凹部形成工程の前に、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層に含まれる重合性化合物を重合してもよく、押圧凹部形成工程および事前凹部形成工程の後に、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層に含まれる重合性化合物を重合してもよい。中でも、押圧凹部形成工程前に、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層に含まれる重合性化合物を重合することが好ましい。押圧凹部形成工程にて体積ホログラム層に圧力および熱が加えられた際に、体積ホログラム層に記録された体積ホログラムが変化してしまうおそれがあるからである。
本実施態様の体積ホログラム転写箔の製造方法は、基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を配置する体積ホログラム層配置工程を有し、上記体積ホログラム層配置工程が、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つである平坦化層の表面に、上記体積ホログラム層を埋設する凹部を形成する凹部形成工程を有し、上記凹部形成工程が、上記凹部に上記体積ホログラム層を埋設する前に上記凹部を有する上記平坦化層を予め形成する事前凹部形成工程であることを特徴とするものである。
図13(a)〜(d)は、本実施態様の体積ホログラム転写箔の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図13(a)に示すように、剥離性基材31上に接着層6を形成し、接着層6上に表面に凹部を有する平坦化層11を予め形成する(事前凹部形成工程)。図13(a)においては、平坦化層11として、樹脂を含有するクッション層5を形成している。次に、図13(b)に示すように、基材1上に剥離層2を形成し、剥離層2上に機能層3を形成する。続いて、図13(b)〜(c)に示すように、平坦化層11(クッション層5)の凹部に体積ホログラム層4を転写し、クッション層5(平坦化層11)と機能層3とを貼り合わせる。その後、図13(d)に示すように、剥離性基材31を接着層6から剥離する。このようにして、体積ホログラム転写箔20が得られる。
以下、体積ホログラム転写箔の製造方法における各工程について説明する。
本実施態様における体積ホログラム層配置工程は、基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を配置する工程であり、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つである平坦化層の表面に、上記体積ホログラム層を埋設する凹部を形成する凹部形成工程を有している。また本実施態様においては、上記凹部形成工程が、上記凹部に上記体積ホログラム層を埋設する前に上記凹部を有する上記平坦化層を予め形成する事前凹部形成工程である。
以下、体積ホログラム層配置工程における各工程について説明する。
本実施態様における凹部形成工程は、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つである平坦化層の表面に、上記体積ホログラム層を埋設する凹部を形成する工程であり、上記凹部に上記体積ホログラム層を埋設する前に上記凹部を有する上記平坦化層を予め形成する事前凹部形成工程である。
本実施態様においては、図13(a)〜(b)に示すように体積ホログラム層の片面のみに、表面に凹部を有する平坦化層を配置してもよく、図14(a)〜(b)に示すように体積ホログラム層の両面にそれぞれ、表面に凹部を有する平坦化層(第1平坦化層および第2平坦化層)を配置してもよい。
なお、平坦化層の厚みについては、上記第1実施態様と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本実施態様における平坦化層は、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つであり、体積ホログラム層に接して配置される層である。平坦化層としては、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つであればよく、例えば、剥離層、接着層、樹脂を含有するクッション層等が挙げられる。また、平坦化層は機能層以外の層であることが好ましい。機能層の厚みが部分的に異なると、目的とする機能が得られないおそれがあるからである。
なお、各層については、上記第1実施態様の体積ホログラム転写箔の構成部材の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本実施態様における体積ホログラム層配置工程は、事前凹部形成工程後に、上記平坦化層の凹部に上記体積ホログラム層を転写する転写工程を有していてもよい。
体積ホログラム層を転写する方法としては、所定の位置に体積ホログラム層を転写することができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な方法を適用することができる。
本実施態様においては、上記体積ホログラム層配置工程が、上記体積ホログラム層に接するように密着層を形成する密着層形成工程を有していてもよい。密着層により、体積ホログラム層と、密着層を介して体積ホログラム層に接する層との密着性を高めることができ、体積ホログラム層を剥がれにくくし、偽造防止効果を向上させることができるからである。
なお、密着層、密着層の形成方法および密着層の厚み等については、上記第1実施態様の密着層形成工程の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施態様においては、事前凹部形成工程前に、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層に含まれる重合性化合物を重合してもよく、事前凹部形成工程後に、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層に含まれる重合性化合物を重合してもよい。
本発明の体積ホログラム積層体の製造方法は、上述の体積ホログラム転写箔の製造方法により製造される体積ホログラム転写箔の接着層上に被転写体を配置し、上記体積ホログラム転写箔の体積ホログラム層が形成されている領域よりも広い領域で、上記体積ホログラム転写箔と上記被転写体とを接着させる被転写体接着工程と、上記体積ホログラム転写箔の基材を剥離する基材剥離工程とを有することを特徴とするものである。
また本発明においては、上述の体積ホログラム転写箔の製造方法により製造される体積ホログラム転写箔を用いるので、体積ホログラム層の破断面をなくす、あるいは体積ホログラム層の破断面を少なくすることができ、転写性を向上させることが可能である。さらに、上述の体積ホログラム転写箔の製造方法により製造される体積ホログラム転写箔を用いるので、体積ホログラム層の端部の露出を防ぐ、あるいは体積ホログラム層の端部の露出を少なくすることができ、外気や水分、光によるホログラムへの影響を低減し、耐久性を向上させることが可能である。また、券面情報等の被転写体に記載されている情報を妨げない位置に体積ホログラム層を配置することが可能である。
本発明における被転写体接着工程は、上述の体積ホログラム転写箔の製造方法により製造される体積ホログラム転写箔の接着層上に被転写体を配置し、上記体積ホログラム転写箔の体積ホログラム層が形成されている領域よりも広い領域で、上記体積ホログラム転写箔と上記被転写体とを接着させる工程である。
本発明における基材剥離工程は、上記体積ホログラム転写箔の基材を剥離する工程である。
本実施態様における体積ホログラム積層体は、部分的な体積ホログラム層による段差が軽減されたものである。体積ホログラム積層体の剥離層側の表面の平坦性としては、体積ホログラム層が形成されている領域と体積ホログラム層が形成されていない領域との境界線の任意の点と、当該任意の点における上記境界線の法線上、体積ホログラム層が形成されていない領域へ向けた1mmの点との膜厚差で定義し、上記膜厚差が8μm以下であることが好ましく、4μm以下であることがより好ましい。
なお、上記段差は、触針式段差測定機または非接触(光学)式段差測定機により測定することができる。
本発明の体積ホログラム転写箔は、基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層が配置され、上記体積ホログラム層の少なくとも片面に、上記剥離層、上記接着層、および上記剥離層と上記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つであり、表面に上記体積ホログラム層を埋設する凹部が形成されている平坦化層が配置され、上記体積ホログラム層が上記平坦化層表面の凹部に埋設されていることを特徴とするものである。
図9(e)、図11(f)、図13(d)においても同様に、体積ホログラム層4の片面に平坦化層11が配置され、体積ホログラム層4が平坦化層11表面の凹部に埋設され、平坦化層11はクッション層5となっている。
図4(d)においても同様に、体積ホログラム層4の両面にそれぞれ平坦化層11および第2平坦化層12が配置され、体積ホログラム層4が平坦化層11表面の凹部および第2平坦化層12表面の凹部に埋設されており、平坦化層11および第2平坦化層12はそれぞれクッション層7,5となっている。
図10(c)においても同様に、体積ホログラム層4の両面にそれぞれ第1平坦化層11aおよび第2平坦化層11bが配置され、体積ホログラム層4が第1平坦化層11a表面の凹部および第2平坦化層11b表面の凹部に埋設されており、第1平坦化層11aおよび第2平坦化層11bはそれぞれクッション層5,7となっている。
図12(d)、図14(d)においても同様に、体積ホログラム層4の両面にそれぞれ第1平坦化層11aおよび第2平坦化層11bが配置され、体積ホログラム層4が第1平坦化層11a表面の凹部および第2平坦化層11b表面の凹部に埋設されており、第1平坦化層11aはクッション層5、第2平坦化層11bは接着層6となっている。
また本発明においては、平坦化層の表面に体積ホログラム層を埋設する凹部が形成され、体積ホログラム層が平坦化層表面の凹部に埋設されているので、平坦化層によって部分的な体積ホログラム層による段差を軽減することができる。したがって、改ざん目的のホログラムの剥離を抑制し、偽造防止効果を向上させることが可能であるとともに、上記段差に起因する製造上の不具合を改善することも可能である。
なお、図7(a)、(b)および図8(a)、(b)において、基材および体積ホログラム層以外の構成部材は省略されている。また、図8(a)、(b)において、41は被転写体を示す。
[実施例1]
1.中間転写用体積ホログラム積層フィルムの作製
(1)体積ホログラム記録用フィルムの作製
PETフィルム(東レ(株)製:ルミラーT60(50μm))に、下記組成からなる体積ホログラム記録材料を、乾燥膜厚7μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、体積ホログラム記録用フィルムとした。
<体積ホログラム記録材料の組成>
・バインダー樹脂(ポリメチルメタクリレート系樹脂(分子量200,000))
50重量部
・3,9−ジエチル−3′−カルボキシルメチル−2,2′−チアカルボシアニン沃素塩
0.5重量部
・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート 6重量部
・2,2−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン 80重量部
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 80重量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン/n−ブタノール=1/1(重量比))
200重量部
上記体積ホログラム記録用フィルムに波長532nmのレーザー光を用いて体積ホログラムを記録し、PETフィルム/体積ホログラム層からなる中間転写用体積ホログラム積層フィルムを得た。
(1)基材の作製
PETフィルム(東レ(株)製:ルミラーQT30(25μm))を用い、片面にケイ砂を用い、中心線平均粗さ(Ra)が0.4μmとなるようにサンドマット加工処理を行った。その後、ケイ砂および研磨カス等の残渣を取り除くために水で処理面を洗浄し、乾燥し、体積ホログラム転写箔基材を作製した。
下記組成からなる剥離層材料を上記体積ホログラム転写箔基材の未処理面にグラビアコートにて塗工し、100℃、30秒にて乾燥させ、50℃にて1日間エイジングを行い、0.2g/m2の剥離層を得た。
<剥離層材料の組成>
・パラフィンワックス 50重量部
・エステルワックス 50重量部
下記組成からなる機能層材料を用い、トルエン/メチルエチルケトンの80/20の比率の塗布溶剤組成で固形分40%となるよう希釈し、グラビアコートにより上記剥離層上に塗工し、乾燥膜厚10μmにした。100℃、20秒で乾燥後、メタルハライドランプにて積算露光量250mJで露光し、機能層を形成した。
<機能層材料の組成>
・NKオリゴUA31F(新中村化学工業(株)) 15重量部
・NKオリゴEA1020(新中村化学工業(株)) 40重量部
・転写箔用樹脂(下記方法にて合成) 40重量部
・イルガキュア184 5重量部
<転写箔用樹脂の合成>
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタアクリル酸エチル73部、ベンジルメタアクリレート15部、メタアクリル酸12部、エタノール500部、α、α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、トリエチルアンモニウムクロライド3部、グリシジルメタクリレート1部を加え、3時間反応させ、目的のアクリル系共重合体の合成樹脂を(Mw.17,000、酸価32)得た。
上記中間転写用体積ホログラム積層フィルムを1cm角に切り出し、そのホログラム面を、上記機能層に対し図8(b)のように点在するよう配置し、上記機能層面に市販の熱ラミネーターを用い、80℃、1m/minの速度にて熱転写した。体積ホログラムの定着のために、高圧水銀灯を用いて、全面に積算露光量2500mJの紫外線を照射し、その後、中間転写用体積ホログラム積層フィルムのPETフィルムを剥離した。
下記組成からなるクッション層用樹脂組成物を用い、上記体積ホログラム層を熱転写した機能層面にグラビアコートにて塗工し、100℃、30秒で乾燥して乾燥膜厚10μmとし、50℃、24時間で硬化させた。
<クッション層用樹脂組成物の組成>
・ポリビニルブチラール樹脂(積水化学(株)製:エスレックBX−1) 5重量部
・熱可塑性エラストマー(ダイセル化学工業(株)製:エポフレンドCT310)
3重量部
・硬化剤 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製:コロネートHX) 2重量部
・メチルエチルケトン 30重量部
・トルエン 70重量部
下記組成からなる接着層材料を用い、上記クッション層面にグラビアコートにて塗工し、70℃、30秒で乾燥し、1μmの接着層を形成した。
<接着層材料の組成>
・ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体(東邦化学工業(株)製:ハイテックS 5254B) 8重量部
・ポリアクリル酸エステル共重合体(日本純薬(株)製:ジュリマーAT510)
2重量部
・水 45重量部
・エタノール 45重量部
得られた体積ホログラム転写箔1は、ホログラム部分とそうでない部分の段差が無視できるほど小さかった。
1.中間転写用体積ホログラム積層フィルムの作製
実施例1と同様にして中間転写用体積ホログラム積層フィルムを作製した。
(1)基材/剥離層/機能層/クッション層の形成
実施例1での機能層の形成までの手順およびクッション層の形成方法に従い、図2(a)に示す層構成(基材/剥離層/機能層/クッション層)を得た。
実施例1での熱転写の方法に従い、1cm角に切り出した中間転写用体積ホログラム積層フィルムを上記クッション層面に中間転写した。市販のプレス機を用い、上記中間転写用体積ホログラム積層フィルムと同位置となるよう1cm角の金型を配置し、圧力300kg/cm2にて押圧した。体積ホログラムの定着のために、高圧水銀灯を用いて、全面に積算露光量2500mJの紫外線を照射し、その後、中間転写用体積ホログラム積層フィルムのPETフィルムを剥離し、図2(c)に示す層構成(基材/剥離層/機能層/クッション層/体積ホログラム層)を得た。
上記体積ホログラム層を熱転写したクッション層上に、実施例1でのクッション層の形成方法および接着層の形成方法に従い、クッション層および接着層を形成し、体積ホログラム転写箔2を得た。
得られた体積ホログラム転写箔2は、ホログラム部分とそうでない部分の段差が無視できるほど小さかった。
1.中間転写用体積ホログラム積層フィルムの作製
実施例1と同様にして中間転写用体積ホログラム積層フィルムを作製した。
(1)基材/剥離層/機能層/クッション層の形成
実施例1での機能層の形成までの手順およびクッション層の形成方法に従い、図2(a)に示す層構成(基材/剥離層/機能層/クッション層)を得た。
上記クッション層面に対し、市販のプレス機を用い、1cm角の金型にて、圧力300kg/cm2にて押圧し、凹部を形成した(図3(a))。
実施例1での熱転写の方法に従い、1cm角に切り出した中間転写用体積ホログラム積層フィルムを上記クッション層の凹部に配置し、市販の熱ラミネーターを用い、80℃、1m/minの速度にて熱転写した。体積ホログラムの定着のために、高圧水銀灯を用いて、全面に積算露光量2500mJの紫外線を照射した。中間転写用体積ホログラム積層フィルムのPETフィルムを剥離し、図3(b)に示す層構成(基材/剥離層/機能層/クッション層/体積ホログラム層)を得た。
上記体積ホログラム層を熱転写したクッション層上に、実施例1での接着層の形成方法に従い、接着層を形成し、体積ホログラム転写箔3を得た。
得られた体積ホログラム転写箔3は、ホログラム部分とそうでない部分の段差が無視できるほど小さかった。
1.中間転写用体積ホログラム積層フィルムの作製
実施例1と同様にして中間転写用体積ホログラム積層フィルムを作製した。
(1)基材/剥離層/機能層の形成
実施例1での機能層の形成までの手順に従い、図1(a)に示す層構成(基材/剥離層/機能層)を得た。
上記中間転写用体積ホログラム積層フィルムを1cm幅のストライプ状にスリットし、その長手方向と図1(a)に示す層構成(基材/剥離層/機能層)の長手方向とが一致するよう配置し、上記機能層面に市販の熱ラミネーターを用い、80℃、1m/minの速度にて熱転写した。体積ホログラムの定着のために、高圧水銀灯を用いて、全面に積算露光量2500mJの紫外線を照射し、その後、中間転写用体積ホログラム積層フィルムのPETフィルムを剥離し、図1(b)に示す層構成(基材/剥離層/機能層/体積ホログラム層)を得た。
上記体積ホログラム層を熱転写した機能層上に、実施例1でのクッション層の形成方法および接着層の形成方法に従い、クッション層および接着層を形成し、体積ホログラム転写箔4を得た。
得られた体積ホログラム転写箔4は、ホログラム部分とそうでない部分の段差が無視できるほど小さかった。
1.中間転写用体積ホログラム積層フィルムの作製
実施例1と同様にして中間転写用体積ホログラム積層フィルムを作製した。
(1)基材/剥離層/機能層/クッション層の形成
実施例1での機能層の形成までの手順およびクッション層の形成方法に従い、図2(a)に示す層構成(基材/剥離層/機能層/クッション層)を得た。
上記クッション層面に対し、市販のプレス機を用い、1cm角の金型にて、圧力300kg/cm2にて押圧し、凹部を形成した(図3(a))。
上記凹部が形成されたクッション層上に、下記組成からなる密着層材料を塗布し、100℃、30秒で乾燥し、乾燥膜厚1μmにした。
<密着層材料の組成>
・ポリビニルブチラール樹脂(積水化学(株)製:エスレックBX−1) 2.3重量部
・熱可塑性エラストマー(ダイセル化学工業(株)製:エポフレンドCT310)
7重量部
・紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製:TINUVIN−400) 0.5重量部
・光安定化剤(チバガイギー(株)製:TINUVIN−123) 0.2重量部
・硬化剤 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製:コロネートHX) 2重量部
・メチルエチルケトン 10重量部
・トルエン 30重量部
PETフィルム(東レ(株)製:ルミラーT60(50μm))に、上記密着層材料を塗布し、100℃、30秒で乾燥し、乾燥膜厚1μmにした。その密着層面と、上記中間転写用体積ホログラム積層フィルムの体積ホログラム面とを、市販の熱ラミネーターを用い、80℃、1m/minの速度にて貼着した。体積ホログラムの定着のために、高圧水銀灯を用いて、全面に積算露光量2500mJの紫外線を照射し、その後、体積ホログラム層側のPETフィルムを剥離することで、PET/密着層/体積ホログラム積層フィルムを得た。
上記のPET/密着層/体積ホログラム積層フィルムを、1cm角に切り出し、上記クッション層の凹部の密着層に配置し、市販の熱ラミネーターを用い、80℃、1m/minの速度にて熱転写した。PET/密着層/体積ホログラム積層フィルムのPETフィルムを剥離し、図6(c)に示す層構成(基材/剥離層/機能層/クッション層/密着層/体積ホログラム層/密着層)を得た。
上記体積ホログラム層を熱転写した密着層上に、実施例1での接着層の形成方法に従い、接着層を形成し、体積ホログラム転写箔5を得た。
得られた体積ホログラム転写箔5は、ホログラム部分とそうでない部分の段差が無視できるほど小さかった。
1.中間転写用体積ホログラム積層フィルムの作製
実施例1と同様にして中間転写用体積ホログラム積層フィルムを作製した。
(1)基材/剥離層/機能層の形成
実施例1での機能層の形成までの手順に従い、図1(a)に示す層構成(基材/剥離層/機能層)を得た。
上記中間転写用体積ホログラム積層フィルムを1cm角に切り出し、そのホログラム面を、上記機能層に対し図8(b)のように点在するよう配置し、上記機能層面に市販の熱ラミネーターを用い、80℃、1m/minの速度にて熱転写した。体積ホログラムの定着のために、高圧水銀灯を用いて、全面に積算露光量2500mJの紫外線を照射した。なお、この際にPETフィルムは剥離しなかった。
実施例1でのクッション層の形成方法に従い、上記中間転写用体積ホログラム積層フィルムを熱転写した機能層面にクッション層用樹脂組成物を塗布し、乾燥して、50℃、24時間で硬化させた。その後、上記中間転写用体積ホログラム積層フィルムのPETフィルムを剥離した。次いで、上記体積ホログラム層上に、上記クッション層用樹脂組成物を再度塗布し、乾燥し、50℃、24時間で硬化させた。
上記クッション層上に、実施例1での接着層の形成方法に従い、接着層を形成し、体積ホログラム転写箔6を得た。
得られた体積ホログラム転写箔6は、ホログラム部分とそうでない部分の段差が無視できるほど小さかった。
1.体積ホログラム積層体の作製
実施例1〜6にて作製した体積ホログラム転写箔1〜6を用いて、表面温度200℃に加熱した、直径5cmゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力150kg/cm2で1.2秒間熱をかけ、下記カード基材に転写を行なった。体積ホログラム転写箔1〜6それぞれの体積ホログラム転写箔基材を剥離することにより、体積ホログラム積層体を得た。
<カード基材の作製>
厚さ350μmのポリエチレンテレフタレート(帝人(株)製:テトロンHS350)の両面に白色ポリプロピレン樹脂(三菱油化(株)製:ノーブレンFL25HA)をエクストルージョンラミネート法で厚み50μmになるように設けた。
得られた体積ホログラム積層体はいずれも表面が平坦であった。
2 … 剥離層
3 … 機能層
4 … 体積ホログラム層
5,7 … クッション層
6 … 接着層
8a,8b … 密着層
11 … 平坦化層
11a … 第1平坦化層
11b … 第2平坦化層
12 … 第2平坦化層
20 … 体積ホログラム転写箔
31 … 剥離性基材
40 … 体積ホログラム積層体
41 … 被転写体
Claims (11)
- 基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層を配置する体積ホログラム層配置工程を有し、
前記体積ホログラム層配置工程が、前記剥離層、前記接着層、および前記剥離層と前記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つである平坦化層の表面に、前記体積ホログラム層を埋設する凹部を形成する凹部形成工程を有することを特徴とする体積ホログラム転写箔の製造方法。 - 前記凹部形成工程が、前記体積ホログラム層を覆うように平坦化層形成用樹脂組成物を塗布する塗布凹部形成工程であることを特徴とする請求項1に記載の体積ホログラム転写箔の製造方法。
- 前記凹部形成工程が、前記平坦化層に前記体積ホログラム層を押圧する押圧凹部形成工程であることを特徴とする請求項1に記載の体積ホログラム転写箔の製造方法。
- 前記凹部形成工程が、前記凹部に前記体積ホログラム層を埋設する前に前記凹部を有する前記平坦化層を予め形成する事前凹部形成工程であることを特徴とする請求項1に記載の体積ホログラム転写箔の製造方法。
- 前記平坦化層が、樹脂を含有するクッション層であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の体積ホログラム転写箔の製造方法。
- 前記体積ホログラム層配置工程にて、前記体積ホログラム層の端部が露出しないように、前記剥離層と前記接着層との間に前記体積ホログラム層を配置することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の体積ホログラム転写箔の製造方法。
- 前記体積ホログラム層配置工程が、前記体積ホログラム層に接するように密着層を形成する密着層形成工程を有することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の体積ホログラム転写箔の製造方法。
- 請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の体積ホログラム転写箔の製造方法により製造される体積ホログラム転写箔の接着層上に被転写体を配置し、前記体積ホログラム転写箔の体積ホログラム層が形成されている領域よりも広い領域で、前記体積ホログラム転写箔と前記被転写体とを接着させる被転写体接着工程と、
前記体積ホログラム転写箔の基材を剥離する基材剥離工程と
を有することを特徴とする体積ホログラム積層体の製造方法。 - 基材上に形成された剥離層と接着層との間に、部分的に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層が配置され、
前記体積ホログラム層の少なくとも片面に、前記剥離層、前記接着層、および前記剥離層と前記接着層との間に形成される任意の層の少なくともいずれか一つであり、表面に前記体積ホログラム層を埋設する凹部が形成されている平坦化層が配置され、
前記体積ホログラム層が前記平坦化層表面の凹部に埋設されていることを特徴とする体積ホログラム転写箔。 - 前記体積ホログラム層が、前記剥離層と前記接着層との間にライン状またはスポット状に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の体積ホログラム転写箔。
- 前記平坦化層が、樹脂を含有するクッション層であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の体積ホログラム転写箔。
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