JP2011215129A - 温度センサと、半導体装置およびその較正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】出力電圧の温度依存性を示す曲線の曲率が小さく、レイアウト面積が小さな温度センサを提供する。
【解決手段】この温度センサは、アノードがノードN1に接続されたダイオードD0と、アノードが抵抗素子8を介してノードN2に接続されたダイオードD1〜Dnと、ノードN1,N2の電圧を一致させる演算増幅器1と、抵抗素子9,10を介してノードN1,N2に接続され、抵抗素子9,10に流れる電流を調整し、温度センサの出力電圧VOの温度依存性を示す曲線の曲率を小さくする電圧調整回路12を備える。したがって、2つのサブ温度センサを設ける従来に比べ、レイアウト面積が小さくて済む。
【選択図】図1
【解決手段】この温度センサは、アノードがノードN1に接続されたダイオードD0と、アノードが抵抗素子8を介してノードN2に接続されたダイオードD1〜Dnと、ノードN1,N2の電圧を一致させる演算増幅器1と、抵抗素子9,10を介してノードN1,N2に接続され、抵抗素子9,10に流れる電流を調整し、温度センサの出力電圧VOの温度依存性を示す曲線の曲率を小さくする電圧調整回路12を備える。したがって、2つのサブ温度センサを設ける従来に比べ、レイアウト面積が小さくて済む。
【選択図】図1
Description
この発明は温度センサと、半導体装置およびその較正方法に関し、特に、温度に応じたレベルの信号を出力する温度センサと、半導体装置およびその較正方法に関する。
プロセッサ、画像処理LSIのようなASICロジック、混載DRAM、ADC、DACなどのアナログIPを同一の半導体チップ上に集積化したシステムLSIは、高速で大量のデータ処理を可能にするものの、動作周波数の増大、回路規模の増大、半導体素子の微細化に伴うリーク電流の増大などによる、チップの発熱量の急激な増加が大きな問題となっている。
このために、チップ上の温度をリアルタイムに検出する温度センサをチップ上に配置し、動作周波数を制御することが必要になってきた。また、混載DRAMの消費電力を削減するために、データ保持特性が温度によって変化することを利用し、チップ温度に基づいてリフレッシュ間隔を制御する技術も開発されている。このような背景により、システムLSIに温度センサを搭載するニーズが大きくなってきた。
このような温度センサとしては、サイズ(すなわち電流駆動能力)が異なる2つのダイオードの順方向電圧の差が温度Tに略比例して変化する特性を利用したものがある。また、温度センサの出力電圧の温度依存性を示す曲線の曲率を小さくするため、2つのサブ温度センサの出力電流の差に基づいて出力電圧を生成するものもある(たとえば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1では、出力電圧の温度依存性を示す曲線の曲率を小さくするために2つのサブ温度センサを設けるので、温度センサのレイアウト面積が大きくなると言う問題があった。
また、製造ばらつきなどに起因して温度センサの出力電圧に誤差が発生すると言う問題もあった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、出力電圧の温度依存性を示す曲線の曲率が小さく、レイアウト面積が小さな温度センサと、それに用いられる半導体装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、出力電圧の誤差を較正することが可能な温度センサと、それを用いた半導体装置と、その半導体装置の較正方法とを提供することである。
この発明に係る温度センサは、温度に応じたレベルの電圧を出力端子に出力する温度センサであって、第1のノードと基準電圧のラインとの間に接続された第1のダイオードと、第2のノードと基準電圧のラインとの間に直列接続された第1の抵抗素子および第2のダイオードと、第3のノードと基準電圧のラインとの間に接続された第2の抵抗素子と、それらの一方電極がそれぞれ第1および第2のノードに接続され、それらの他方電極がともに第2の抵抗素子の端子間電圧を受ける第3および第4の抵抗素子と、出力端子と基準電圧のラインとの間に接続された第5の抵抗素子と、第1の抵抗素子に流れる電流に応じたレベルの電流を第1〜第3のノードおよび出力端子の各々に供給するカレントミラー回路と、第1および第2のノードの電圧が一致するようにカレントミラー回路を制御する演算増幅器とを備えたものである。第2のダイオードの電流駆動能力は第1のダイオードの電流駆動能力よりも大きい。第2の抵抗素子の抵抗値は、出力端子の電圧の温度依存性を示す曲線の曲率が小さくなるように設定されている。したがって、出力電圧の温度依存性を示す曲線の曲率を小さくすることができる。また、2つのサブ温度センサを設ける従来に比べ、レイアウト面積が小さくて済む。
また、この発明に係る他の温度センサは、温度に応じたレベルの電圧を出力する温度センサであって、第1のノードと基準電圧のラインとの間に接続された第1のダイオードと、第2のノードと基準電圧のラインとの間に直列接続された第1の抵抗素子および第2のダイオードと、第3のノードと基準電圧のラインとの間に接続された第2の抵抗素子と、第1の抵抗素子に流れる電流に応じたレベルの電流を第1〜第3のノードの各々に供給するカレントミラー回路と、第1および第2のノードの電圧が一致するようにカレントミラー回路を制御する第1の演算増幅器とを備えたものである。第2のダイオードの電流駆動能力は、第1のダイオードの電流駆動能力よりも大きい。第2の抵抗素子の端子間電圧である第1の電圧は温度上昇に応じて増大し、第2のダイオードの順方向電圧である第2の電圧は温度上昇に応じて減少する。第1の電圧の温度依存性を示す第1の曲線は正の曲率を有し、第2の電圧の温度依存性を示す第2の曲線は負の曲率を有する。温度センサは、さらに、第1および第2の曲線の曲率が一致するように、第1および第2の電圧のうちの少なくとも一方の電圧を温度に応じて補正する補正回路と、補正回路によって少なくとも一方が補正された第1および第2の電圧の差の電圧を求め、その電圧を温度に応じたレベルの電圧として出力する減算回路とを備える。したがって、出力電圧の温度依存性を示す曲線の曲率を小さくすることができる。また、2つのサブ温度センサを設ける従来に比べ、レイアウト面積が小さくて済む。
また、この発明に係るさらに他の温度センサは、温度に応じたレベルの電圧を出力する温度センサであって、第1のノードと基準電圧のラインとの間に接続された第1のダイオードと、第2のノードと基準電圧のラインとの間に直列接続された第1の抵抗素子および第2のダイオードと、第3のノードと基準電圧のラインとの間に接続された第1の可変抵抗素子と、第1の抵抗素子に流れる電流に応じたレベルの電流を第1〜第3のノードの各々に供給するカレントミラー回路と、第1および第2のノードの電圧が一致するようにカレントミラー回路を制御する第1の演算増幅器とを備えたものである。第2のダイオードの電流駆動能力は第1のダイオードの電流駆動能力よりも大きき。第1の可変抵抗素子の端子間電圧である第1の電圧は温度上昇に応じて増大する。第2のダイオードの順方向電圧である第2の電圧は温度上昇に応じて減少する。第2の電圧の温度依存性を示す曲線は負の曲率を有する。この温度センサは、さらに、第2の電圧の温度依存性を示す曲線の曲率がなくなるように、第2の電圧を温度に応じて補正する補正回路と、第1の電圧と補正回路によって補正された第2の電圧との差の電圧を求め、その電圧を温度に応じたレベルの電圧として出力する減算回路とを備える。第1の可変抵抗素子の抵抗値は、予め定められた基準温度において減算回路の出力電圧が予め定められた電圧になるように設定されている。したがって、第1の可変抵抗素子の抵抗値を調整することにより、温度センサの出力電圧の誤差を較正することができる。
また、この発明に係る半導体装置は、非反転入力端子が入力電圧を受け、反転入力端子が出力端子に接続された演算増幅器と、出力端子と基準電圧が供給される基準電圧ノードとの間に接続された抵抗素子とを備えたものである。演算増幅器は、第1の電源電圧が供給される第1の電源ノードと、第2の電源電圧が供給される第2の電源ノードと、第1の電源ノードと中間ノードとの間に接続され、ゲートがバイアス電圧を受ける第1導電型の第1のトランジスタと、ソースが中間ノードに接続され、ゲートが非反転入力端子に接続された第1導電型の第2のトランジスタと、ソースが中間ノードに接続され、ゲートが反転入力端子に接続された第1導電型の第3のトランジスタと、第2のトランジスタのドレインと第2の電源ノードとの間に接続され、ゲートがドレインに接続された第2導電型の第4のトランジスタと、第3のトランジスタのドレインと第2の電源ノードとの間に接続され、ゲートがドレインに接続された第2導電型の第5のトランジスタと、出力端子と第2の電源ノードとの間に接続され、ゲートが第4のトランジスタのゲートに接続された第2導電型の第6のトランジスタと、ソースが第2の電源ノードに接続され、ゲートが第5のトランジスタのゲートに接続された第2導電型の第7のトランジスタと、第1の電源ノードと第7のトランジスタのドレインとの間に接続され、ゲートがドレインに接続された第1導電型の第8のトランジスタと、第1の電源ノードと出力端子との間に接続され、ゲートが第8のトランジスタのゲートに接続された第1導電型の第9のトランジスタとを含む。抵抗素子の抵抗値は、演算増幅器の出力電圧が入力電圧と異なるレベルになるように設定されている。この場合、抵抗素子の抵抗値を調整することにより、温度センサの出力電圧の温度依存性を示す曲線の曲率を補正することができる。
以上のように、この発明によれば、出力電圧の温度依存性を示す曲線の曲率が小さく、レイアウト面積が小さな温度センサを実現することができる。また、温度センサの出力電圧の誤差を較正することができる。
[実施の形態1]
この発明の実施の形態1による温度センサは、図1に示すように、演算増幅器1、PチャネルMOSトランジスタ2〜5、抵抗素子6〜11、ダイオードD0〜Dn(ただし、nは2以上の整数である)、および電圧調整回路12を備える。
この発明の実施の形態1による温度センサは、図1に示すように、演算増幅器1、PチャネルMOSトランジスタ2〜5、抵抗素子6〜11、ダイオードD0〜Dn(ただし、nは2以上の整数である)、および電圧調整回路12を備える。
トランジスタ2〜5のソースはともに電源電圧VCCのラインに接続され、それらのゲートはともに演算増幅器1の出力端子に接続される。トランジスタ2〜5は、カレントミラー回路を構成する。抵抗素子6はトランジスタ2のドレインとノードN1との間に接続され、抵抗素子7はトランジスタ3のドレインとノードN2との間に接続される。
ダイオードD0のアノードはノードN1に接続され、そのカソードは接地電圧VSSのラインに接続される。抵抗素子8の一方電極はノードN2に接続される。ダイオードD1〜Dnのアノードはともに抵抗素子8の他方電極に接続され、それらのカソードはともに接地電圧VSSのラインに接続される。
ダイオードD1〜Dnの各々は、ダイオードD0と同じサイズ(すなわち電流駆動能力)を有する。ダイオードD1〜Dnは、ダイオードD0のn倍のサイズ(すなわち電流駆動能力)を有する1つのダイオードを構成する。各ダイオードDは、PNP型バイポーラトランジスタのベース−コレクタ間を接続した素子でもよいし、NPN型バイポーラトランジスタのベース−コレクタ間を接続した素子でもよい。
ノードN1,N2は、それぞれ演算増幅器1の反転入力端子(−端子)および非反転入力端子(+端子)に接続される。演算増幅器1は、ノードN1,N2の電圧が一致するようにトランジスタ2〜5のゲート電圧を制御する。
抵抗素子9,10の一方電極はそれぞれノードN1,N2に接続され、それらの他方電極はともに電圧調整回路12の出力ノード12aに接続される。電圧調整回路12の電源ノード12bはトランジスタ4のドレインに接続され、その接地ノード12cは接地電圧VSSのラインに接続される。
電圧調整回路12は、図2に示すように、抵抗素子13.1〜13.j(ただし、jは2以上の整数である)、およびスイッチ14.1〜14.jを含む。抵抗素子13.1〜13.jは、電源ノード12bと接地ノード12cとの間に直列接続される。スイッチ14.1〜14.jの一方端子はともに出力ノード12aに接続され、それらの他方端子はそれぞれ抵抗素子13.1〜13.jの電源ノード12b側の電極に接続される。温度センサの使用時には、スイッチ14.1〜14.jのうちの選択された1つのスイッチのみがオンされ、残りのスイッチはオフされる。図2では、スイッチSW4のみがオンされた状態が示されている。
図1に戻って、抵抗素子11は、トランジスタ5のドレインと接地電圧VSSのラインとの間に接続される。出力端子13は、トランジスタ5のドレインに接続される。出力端子13に現れる電圧VOが温度センサの出力電圧となる。
次に、この温度センサの動作について説明する。まず、スイッチSW1〜SWmが全てオフされている場合について説明する。ダイオードDに一定の電流を流している状態において、温度が上昇するとダイオードDの順方向電圧が減少する。このように、温度上昇に応じて電圧が減少する特性を「負の温度特性」と呼ぶ。ダイオードDは、負の温度特性を持つ素子である。
一方、演算増幅器1の反転入力端子および非反転入力端子は仮想的に短絡されており、ノードN1,N2は同じ電圧になる。したがって、抵抗素子9,10には、電流は流れない。また、抵抗素子6,7の端子間電圧は同じであるので、抵抗素子6,7に流れる電流は常に一定の比に保持され、ダイオードD0に流れる電流とダイオードD1〜Dnに流れる電流は一定の比に保持される。
このように、ダイオードD0とダイオードD1〜Dnに、一定の比を保ったまま異なる電流を流し込むと、ダイオードD0の順方向電圧VD0とダイオードD1〜Dnの順方向電圧VD1との差VD0−VD1は、ノードN1,N2が仮想的に短絡されていることを考慮すると、抵抗素子8の端子間電圧に対応することが分かる。また、抵抗素子8の端子間電圧は、温度上昇に応じて増加する。このように、温度上昇に応じて電圧が増大する特性を「正の温度特性」と呼び、抵抗素子8はあたかも正の温度特性を持つように振舞う。
また、抵抗素子7,8には同一の電流が流れ、抵抗素子6,7に流れる電流比は一定に保たれているので、抵抗素子8に対応して抵抗素子6,7の各々の端子間電圧も変動する。また、トランジスタ2〜5のゲートは互いに接続されている。したがって、抵抗素子6〜8,11の各々は、正の温度特性を持つように振舞う。よって、抵抗素子11の端子間電圧である出力端子13の電圧VOは、正の温度特性を持ち、温度上昇に応じて増大する。
温度センサの出力電圧VOは、温度上昇に応じて線形に増大することが理想的である。その場合、温度Tと電圧VOの関係は直線で表わされる。しかし実際には、温度Tと電圧VOの関係は、図3(a)(b)に示すように、ある曲率を持った曲線になる。図3(a)では、電圧VOの温度依存性を示す曲線が正の曲率を持つ場合が示されている。この場合、電圧VOの温度依存性を示す曲線の傾き(ΔVO/ΔT)は、温度上昇に応じて大きくなり、曲線は1次回帰直線の上側に位置する。また図3(b)では、電圧VOの温度依存性を示す曲線が負の曲率を持つ場合が示されている。この場合、電圧VOの温度依存性を示す曲線の傾き(ΔVO/ΔT)は、温度上昇に応じて小さくなり、曲線は1次回帰直線の下側に位置する。
このように、電圧VOの温度依存性を示す曲線が曲率を持つのは、ダイオードDの順方向電圧が温度の非線形項を有するからである。すなわち、ダイオードDをベースとコレクタが接続されたNPN型バイポーラトランジスタで構成したものとする。この場合、トランジスタのコレクタに流す電流をIC(T)とすると、トランジスタのベース−エミッタ間電圧VBE(T)は次式(1)で表わされる。
ここで、Vg0は絶対温度0Kでのバンドギャップ電圧の外挿値であり、Trはある特定の基準温度であり、ηはプロセスに依存するパラメータ値であり、VBE(Tr)は基準温度Trにおけるベース−エミッタ間電圧である。
コレクタ電流IC(T)がたとえば下式(2)で表わされるような温度Tのm乗に比例する電流である場合、ベース−エミッタ間電圧VBE(T)は下式(3)で表わされる。
IC(T)=IC(Tr)(T/Tr)m …(2)
IC(T)=IC(Tr)(T/Tr)m …(2)
このようにダイオードDが非線形特性を持つため、温度センサの出力電圧VOは温度Tに比例しない項を持つ。このため、温度Tと電圧VOの関係は、ある曲率を持った曲線になり、温度Tを高精度に検出できないと言う問題がある。
本願の温度センサでは、温度Tと電圧VOの関係を示す曲線の曲率が小さく抑制される。抵抗素子11の抵抗値をR11とし、抵抗素子11に流れる電流をI11とすると、VO=I11×R11となる。また、抵抗素子7,8,10に流れる電流をそれぞれI7,I8,I10とすると、トランジスタ2〜5のサイズは同じであり、トランジスタ2〜5はカレントミラー回路を構成しているので、I11=I7=I8+I10となる。したがって、電流I7の温度依存性を示す曲線の曲率を抑制すれば、電流I11の温度依存性を示す曲線の曲率を抑制することができ、出力電圧VO=I11×R11の温度依存性を示す曲線の曲率を抑制できる。
ここで、曲率を有する曲線Aを所望の直線Bに変換する方法について説明する。図4では、電流I7の温度依存性を示す曲線Aが負の曲率を有する場合が示されている。まず、曲線Aを数式で表わすとともに、所望の直線Bを数式(たとえば、I=aT+b)で表わす。次に、直線Bを表わす数式と曲線Aを表わす数式との差を求め、その差と直線Bを表わす数式とを加算した数式で表わされる曲線Cを求める。このとき、曲線Aと曲線Cは、直線Bを中心線として線対称になっている。曲線Aと曲線Cを加算して2で割ることにより、直線Bを求めることができる。
このように、曲線AとCの曲率が逆極性の場合、2つの曲線を加算することにより、曲線Aの曲率を低減することができる。また、2つの曲線の曲率が同極性の場合は、2つの曲線の差を演算することで、曲線の曲率を低減することができる。本願の温度センサでは、スイッチ14.1からスイッチ14.jまでスイッチを1つずつオンさせることにより、ノード12aの電圧を徐々に低下させることができ、抵抗素子10に流れる電流I10の大きさおよび極性を変えることができる。つまり、スイッチ14.1〜14.jのうちの適切な1つのスイッチをオンさせることにより、電流I7の温度依存性を示す曲線の曲率を所望の値に設定できる。
このことは、数式を用いて説明することも可能である。すなわち、抵抗素子8に流れる電流I8は、1次近似として温度Tに比例する。スイッチ14.1〜14.jがともにオフされており、抵抗素子9,10に電流が流れない場合、I7=I8となる。そのため、トランジスタ4に流れる電流I4は、1次近似として温度Tに比例する電流となり、I4≒α0+α1・Tとなる。
しかし、抵抗素子8に流れる電流I8は、厳密に言えば、lnTに比例する歪み成分を有する。この歪み成分をテーラー展開すると、p1・T2+p2・T3+p3・T4+…となる。ただし、p1,p2,p3,…の各々は1よりも十分に小さな実数である。この歪み成分が温度Tの1次項に付加され、カレントミラー回路を介して抵抗素子11に流れる。その結果、出力電圧VOに温度Tの2次項以上の成分が載ってしまい、電圧VOの温度依存性を示す曲線が曲率を有することになる。
また、電圧調整回路12内の抵抗素子13.1〜13.jの各々の抵抗値をr0とすると、r0=Q0+Q1・T+Q2・T2+Q3・T3+…となる。その結果、電圧調整回路12の出力電圧Vは、温度Tの多項式で表わされ、V=V0+V1・T+V2・T2+V3・T3+…となる。また、ノードN1,N2の各々の電圧もテーラー展開によって温度Tの多項式で表わされるので、ノードN1,N2とノードNAの間の電圧も温度Tの多項式で表わされる。このため、スイッチ14.1〜14.jのうちの1つのスイッチをオンした場合、抵抗素子9,10に流れる電流I9,I10の各々も温度Tの多項式で表わされる。
ノードN2の電圧がノード12aの電圧よりも高い場合、I7=I8+I10となる。また、ノードN2の電圧がノード12aの電圧よりも低い場合、I7=I8−I10となる。したがって、電流I8の温度Tの2次項をキャンセルするような電流I10が与えられるように、抵抗素子9,10の抵抗値を設定し、スイッチ14.1〜14.jのうちの適切なスイッチをオンさせることにより、電流I11の温度Tの2次項をキャンセルすることができる。なお、電流I11の温度Tの3次項以上の多次項が残っても、それらは十分に小さいので、出力電圧VOの温度依存性を示す曲線の曲率は十分に小さくなる。
この実施の形態1では、抵抗素子11に流れる電流I11を電圧調整回路12によって調整し、温度Tに比例して上昇する電圧VOを生成する。したがって、2つのサブ温度センサを用いていた従来に比べ、レイアウト面積が小さくて済む。
[実施の形態2]
図5は、この発明の実施の形態2による温度センサの構成を示す回路ブロック図であって、図1と対比される図である。図5を参照して、この温度センサが図1の温度センサと異なる点は、トランジスタ4、抵抗素子9,10、および電圧調整回路12が除去され、抵抗素子16,17、曲率補正回路18、および減算回路19が追加されている点である。
図5は、この発明の実施の形態2による温度センサの構成を示す回路ブロック図であって、図1と対比される図である。図5を参照して、この温度センサが図1の温度センサと異なる点は、トランジスタ4、抵抗素子9,10、および電圧調整回路12が除去され、抵抗素子16,17、曲率補正回路18、および減算回路19が追加されている点である。
抵抗素子16は、ノードN1とダイオードD0のアノード(ノードN3)との間に介挿されている。抵抗素子17の一方端子はノードN2に接続され、その他方端子(ノードN4)は抵抗素子8を介してダイオードD1〜Dnのアノードに接続されている。抵抗素子6,7の抵抗値は等しく、抵抗素子16,17の抵抗値は等しい。また、トランジスタ2,3には、同じ値の電流が流れる。演算増幅器1によってノードN1,N2が同じ電圧にされると、ノードN3,N4は同じ電圧になる。
実施の形態1で説明したように、ダイオードDに一定の電流を流している状態において、温度が上昇するとダイオードDの順方向電圧が減少する。このように、温度上昇に応じて電圧が減少する特性を「負の温度特性」と呼び、ダイオードDは負の温度特性を持つ素子である。
ダイオードD0とダイオードD1〜Dnには、同じ値の電流が流れる。この場合、ダイオードD0の順方向電圧VD0とダイオードD1〜Dnの順方向電圧VD1との差VD0−VD1は、ノードN3,N4が同じ電圧であることを考慮すると、抵抗素子8の端子間電圧に対応することが分かる。また、抵抗素子8の端子間電圧は、温度上昇に応じて増加する。このように、温度上昇に応じて電圧が増大する特性を「正の温度特性」と呼び、抵抗素子8はあたかも正の温度特性を持つように振舞う。
また、トランジスタ2,3,5のゲートは互いに接続されている。したがって、抵抗素子6〜8,11,16,17の各々は、正の温度特性を持つように振舞う。よって、抵抗素子11の端子間電圧VA1は、正の温度特性を持ち、図6(a)に示すように、温度上昇に応じて増大する。また、ダイオードD1〜Dnの順方向電圧VB1は、負の温度特性を持ち、図6(b)に示すように、温度上昇に応じて減少する。
また、ダイオードDの順方向電圧が温度の非線形項を有するので、ダイオードD0〜Dnの順方向電圧VB1の温度依存性を示す曲線は曲率CB1を有し、抵抗素子11の端子間電圧VA1の温度依存性を示す曲線も曲率CA1を有する。曲率CB1の極性と曲率CA1の極性とは逆になる。図6(a)(b)では、曲率CA1が正の極性を有し、曲率CB1が負の極性を有する場合が示されている。
曲率補正回路18は、抵抗素子11の端子間電圧VA1を温度Tに応じて補正し、補正した電圧VA2を出力する。電圧VA2の温度依存性を示す曲線は、図6(c)に示すように、正の曲率CA2を有する。曲率CA2の絶対値は、曲率CB1の絶対値と同じである。減算回路19は、曲率補正回路18の出力電圧VA2とダイオードD0〜Dnの順方向電圧VB1との差を求め、その差の電圧VA2−VB1を温度センサの出力電圧VOとして出力する。温度センサの出力電圧VOは、図6(d)に示すように、温度Tに比例して増大する。
図7は、曲率補正回路18の構成を示す回路図である。図7において、曲率補正回路18は、入力端子20、演算増幅器21、抵抗素子22、および出力端子23を含む。入力端子20は、演算増幅器21の非反転入力端子に接続される。演算増幅器21の反転入力端子および出力端子は、出力端子23に接続される。抵抗素子22は、出力端子23と接地電圧VSSのラインとの間に接続される。入力端子20には、抵抗素子11の端子間電圧VA1が与えられる。
もし、抵抗素子22の抵抗値が十分に大きく、演算増幅器21の電流駆動能力が十分に大きい場合は、演算増幅器21はボルテージフォロワを構成し、出力端子23の電圧VA2は入力端子20の電圧VA1に等しくなる。しかし、この曲率補正回路18では、抵抗素子22の抵抗値と演算増幅器21の電流駆動能力が所定の関係を持つように調整されている。この場合、電圧VA1の温度依存性を示す曲線の曲率が補正される。これについては後述する。
演算増幅器21は、図8に示すように、PチャネルMOSトランジスタ30〜34およびNチャネルMOSトランジスタ35〜38を含む。トランジスタ30のソースは電源電圧VCCのラインに接続され、そのゲートはバイアス電圧Vbiasを受け、そのドレインはノードN30に接続される。トランジスタ30は、一定の電流をノードN30に流す定電流素子を構成する。
トランジスタ31,32のソースはともにノードN30に接続され、それらのゲートはそれぞれ出力電圧VA2および入力電圧VA1を受ける。トランジスタ35は、トランジスタ31のドレインと接地電圧VSSのラインとの間に接続され、そのゲートはそのドレインに接続される。トランジスタ36は、トランジスタ32のドレインと接地電圧VSSのラインとの間に接続され、そのゲートはそのドレインに接続される。
トランジスタ33,37は電源電圧VCCのラインと接地電圧VSSのラインとの間に直列接続され、トランジスタ33のゲートはそのドレインに接続され、トランジスタ37のゲートはトランジスタ35のゲートに接続される。トランジスタ34は電源電圧VCCのラインと出力端子23との間に接続され、そのゲートはトランジスタ33のゲートに接続される。トランジスタ38は出力端子23と接地電圧VSSのラインとの間に接続され、そのゲートはトランジスタ36のゲートに接続される。
トランジスタ31,35,37,33,34の各々には、同じレベルの電流Iaが流れる。また、トランジスタ32,36,38の各々には、同じレベルの電流Ibが流れる。VA1>VA2の場合は、Ia>Ibとなり、VA2が上昇する。VA1<VA2の場合は、Ia<Ibとなり、VA2が低下する。この結果、抵抗素子22の抵抗値が十分に大きい場合は、VA2=VA1となる。
次に、抵抗素子22の抵抗値が十分に大きいとは限らない場合における曲率補正回路18の動作について説明する。まず、VA1=p−qT+c(T)とおく。ここで、c(T)は、1次線形性からのずれ(2次曲率)を示す。演算増幅器21は、ボルテージフォロワであるので、VA2=p−q′T+c′(T)とおける。また、抵抗素子22に流れる電流をIcとすると、Ib=Ia+Icなる。PチャネルMOSトランジスタの電流利得をβpとし、ノードN30の電圧をVpとし、PチャネルMOSトランジスタのしきい値電圧をVtpとし、抵抗素子22の抵抗値をRとすると、次式(4)が得られる。
Ib=βp/2×(Vp−VA2−Vtp)2
=βp/2×(Vp−VA1−Vtp)2+VA2/R …(4)
ここで、Vp−Vtp=Vnとおくと、次式(5)が得られる。
Ib=βp/2×(Vp−VA2−Vtp)2
=βp/2×(Vp−VA1−Vtp)2+VA2/R …(4)
ここで、Vp−Vtp=Vnとおくと、次式(5)が得られる。
ここで、q=q′、c(T)2=c′(T)2と近似すると、次式(6)が得られる。
この式(6)よりc′(T)とc(T)の関係は、次のようになる。
Rβp(Vn−p+qT)<1の場合、c′(T)とc(T)は逆極性の曲率を持つ。
Rβp(Vn−p+qT)>1の場合、c′(T)とc(T)は同極性の曲率を持つ。
R=∞の場合、c′(T)=c(T)となる。以上の結果より、抵抗素子22の抵抗値Rを調整することにより、入力電圧VA1の温度依存性を示す曲線の曲率を任意の値に補正することが可能となる。
Rβp(Vn−p+qT)<1の場合、c′(T)とc(T)は逆極性の曲率を持つ。
Rβp(Vn−p+qT)>1の場合、c′(T)とc(T)は同極性の曲率を持つ。
R=∞の場合、c′(T)=c(T)となる。以上の結果より、抵抗素子22の抵抗値Rを調整することにより、入力電圧VA1の温度依存性を示す曲線の曲率を任意の値に補正することが可能となる。
図9および図10の各々は、曲率補正回路18の入力電圧Vinと出力電圧Voutの関係を示す図である。図9では、入力電圧Vinの温度依存性を示す曲線が正極性の曲率を有する場合が示されている。抵抗素子22の抵抗値R22を5MΩから1MΩまで1MΩずつ減少させ、1MΩから150kΩまで50kΩずつ減少させ、各抵抗値において出力電圧Voutを測定した。
抵抗素子22の抵抗値Rが5MΩ〜1MΩの場合、Vout≒Vinとなった。抵抗素子22の抵抗値Rを1MΩよりも小さくして行くと、出力電圧Voutの温度依存性を示す曲線の曲率が徐々に小さくなり、R=350kΩで曲線の曲率はほぼ0になった。抵抗値Rをさらに小さくして行くと、曲率の極性が負になり、曲率は増大した。図9の例では、R=200kΩのときに、出力電圧Voutの温度依存性を示す曲線の曲率の絶対値が出力電圧Vinの温度依存性を示す曲線の曲率の絶対値にほぼ等しくなった。
また、図10では、入力電圧Vinの温度依存性を示す曲線が負極性の曲率を有する場合が示されている。抵抗素子22の抵抗値Rを5MΩから1MΩまで1MΩずつ減少させ、1MΩから150kΩまで50kΩずつ減少させ、各抵抗値において出力電圧Voutを測定した。
抵抗素子22の抵抗値Rが5MΩの場合、Vout≒Vinとなった。抵抗素子22の抵抗値Rを5MΩよりも小さくして行くと、出力電圧Voutの温度依存性を示す曲線の曲率が徐々に小さくなり、R=300kΩで曲線の曲率はほぼ0になった。抵抗値Rをさらに小さくして行くと、曲率の極性が正になり、曲率は増大した。
図9および図10から分かるように、曲率補正回路18によれば、抵抗素子22の抵抗値Rを調整することにより、入力電圧Vinの温度依存性を示す曲線の曲率を所望の極性および大きさに補正することができる。
図11は、減算回路19の構成を示す回路図である。図11において、減算回路19は、入力端子40,41、スイッチSW1〜SW5、キャパシタ42,43、演算増幅器44、および出力端子45を含む。
スイッチSW1の一方端子は入力端子40に接続され、その他方端子(ノードN42)はキャパシタ42を介して演算増幅器44の反転入力端子(ノードN44)に接続される。スイッチSW2の一方端子は入力端子40に接続され、その他方端子(ノードN43)はキャパシタ43を介してノードN44に接続される。スイッチSW3は、ノードN44と演算増幅器44の非反転入力端子との間に接続され、演算増幅器44の非反転入力端子は接地電圧VSS(0V)を受ける。
スイッチSW4は、ノードN42と演算増幅器44の出力端子との間に接続される。スイッチSW5は、入力端子41とノードN43の間に接続される。演算増幅器44の出力端子は、出力端子45に接続される。入力端子40,41には、それぞれ電圧VA2,VB1が与えられる。出力端子45に現れる電圧が、温度センサの出力電圧VOとなる。
図12は、減算回路19の動作を示すタイムチャートである。図12において、初期状態では、スイッチSW1〜SW3がオンし、スイッチSW4,SW5がオフしている。図11では、その状態が示されている。この状態では、キャパシタ42,43の各々は電圧VA2に充電されている。また、非反転入力端子と反転入力端子とが短絡されて0Vになっているので、演算増幅器44の出力電圧VOは0Vになっている。
次に、時刻t0においてスイッチSW1,SW2がオフし、ノードN42,N43がハイ・インピーダンス状態にされる。次いで時刻t1において、スイッチSW3がオフされ、ノードN44がハイ・インピーダンス状態にされる。このとき、ノードN44の電圧は0Vに維持され、非反転入力端子と反転入力端子が0Vになっているので、演算増幅器44の出力電圧VOは0Vに維持される。
次に、時刻t2においてスイッチSW4がオンされ、キャパシタ42が放電されてノードN42が0Vにされる。次いで時刻t3においてスイッチSW5がオンされ、容量結合によってノードN44の電圧がVB1−VA2になる。非反転入力端子が0Vにされ、反転入力端子の電圧がVB1−VA2にされるので、演算増幅器44の出力電圧VOはVO=VA2−VB1となる。時刻t4においてスイッチSW1〜SW3がオンし、スイッチSW4,SW5がオフして初期状態に戻る。
この実施の形態2では、温度依存性を示す曲線が正の曲率CA1を持つ抵抗素子11の端子間電圧VA1を補正して、温度依存性を示す曲線が負の曲率CA2を持つ電圧VA21を生成し、その電圧VA2から温度依存性を示す曲線が負の曲率CB1を持つダイオードD1〜Dnの順方向電圧VB1を減算し、温度Tに比例して上昇する電圧VOを生成する。したがって、2つのサブ温度センサを用いていた従来に比べ、レイアウト面積が小さくて済む。
図13は、実施の形態2の変更例を示す回路ブロック図であって、図5と対比される図である。図13を参照して、この温度センサが図5の温度センサと異なる点は、抵抗素子11が電圧調整回路50で置換されている点である。電圧調整回路50の電源ノード50aはトランジスタ5のドレインに接続され、その接地ノード50bは接地電圧VSSのラインに接続され、その出力ノード50cは曲率補正回路18の入力端子に接続される。電圧調整回路50は、トランジスタ5から供給される電流に応じたレベルの電圧VA1を生成して曲率補正回路18に与える。電圧VA1のレベルは、調整可能になっている。たとえば、図6(a)(b)において、温度Tが最も低いときに電圧VA1とVB1のレベルが一致するように、電圧VA1が調整される。
電圧調整回路50は、図14に示すように、電源ノード50aと接地ノード50bの間に直列接続されたi個(ただし、iは2以上の整数である)の抵抗素子51.1〜51.iと、i個のスイッチ52.1〜52.iを含む。スイッチ52.1〜52.iの一方端子はそれぞれ抵抗素子51.1〜51.iの電源ノード50a側の電極に接続され、それらの他方端子はともに出力ノード50cに接続される。スイッチ52.1〜52.iのうちの選択された1つのスイッチがオンされる。図14では、スイッチ52.4がオンされている状態が示されている。この場合は、抵抗素子51.4〜51.iの抵抗値の総和と、トランジスタ5から供給される電流値との積の電圧VA1が出力ノード50cに出力される。このように、オンさせるスイッチを変えることにより、電圧VA1のレベルを所望のレベルに調整することができる。
図15は、実施の形態2の他の変更例を示す回路ブロック図であって、図5と対比される図である。図15を参照して、この温度センサが図5の温度センサと異なる点は、曲率補正回路18が曲率補正回路55で置換されている点である。図16(a)(b)に示すように、抵抗素子11の端子間電圧VA1の温度依存性を示す曲線は正の曲率CA1を有し、ダイオードD0〜Dnの順方向電圧VB1の温度依存性を示す曲線は負の曲率CB1を有する。
曲率補正回路55は、曲率補正回路18と同じ構成であり、ダイオードD1〜Dnの順方向電圧VB1を温度Tに応じて補正し、補正した電圧VB2を出力する。電圧VB2の温度依存性を示す曲線は、図6(d)に示すように、正の曲率CB2を有する。曲率CB2の絶対値は、曲率CA1の絶対値と同じである。減算回路19は、抵抗素子11の端子間電圧VA1と曲率補正回路55の出力電圧VB2との差を求め、その差の電圧VA1−VB2を温度センサの出力電圧VOとして出力する。温度センサの出力電圧VOは、図6(c)に示すように、温度Tに比例して増大する。
図17は、実施の形態2のさらに他の変更例を示す回路ブロック図であって、図5と対比される図である。図17を参照して、この温度センサが図5の温度センサと異なる点は、曲率補正回路55が追加されている点である。図18(a)(b)に示すように、抵抗素子11の端子間電圧VA1の温度依存性を示す曲線は正の曲率CA1を有し、ダイオードD0〜Dnの順方向電圧VB1の温度依存性を示す曲線は負の曲率CB1を有する。
曲率補正回路18は、抵抗素子11の端子間電圧VA1を温度Tに応じて補正し、補正した電圧VA2を出力する。電圧VA2は、図18(c)に示すように、ほぼ温度Tに比例して増大する。曲率補正回路55は、ダイオードD1〜Dnの順方向電圧VB1を温度Tに応じて補正し、補正した電圧VB2を出力する。電圧VB2は、図18(d)に示すように、ほぼ温度Tに比例して減少する。減算回路19は、曲率補正回路18,55の出力電圧VA2,VB2の差を求め、その差の電圧VA2−VB2を温度センサの出力電圧VOとして出力する。温度センサの出力電圧VOは、図18(e)に示すように、温度Tに比例して増大する。
図19は、実施の形態2のさらに他の変更例を示す回路図であって、図8と対比される図である。図19を参照して、この変更例では、曲率補正回路18の演算増幅器21は、NチャネルMOSトランジスタ60〜64およびPチャネルMOSトランジスタ65〜88を含む。トランジスタ60のソースは接地電圧VSSのラインに接続され、そのゲートはバイアス電圧Vbiasを受け、そのドレインはノードN60に接続される。トランジスタ60は、ノードN60から一定の電流を流出させる定電流素子を構成する。
トランジスタ61,62のソースはともにノードN60に接続され、それらのゲートはそれぞれ出力電圧VA2および入力電圧VA1を受ける。トランジスタ65は、電源電圧VCCのラインとトランジスタ61のドレインとの間に接続され、そのゲートはそのドレインに接続される。トランジスタ66は、電源電圧VCCのラインとトランジスタ62のドレインとの間に接続され、そのゲートはそのドレインに接続される。
トランジスタ67,63は電源電圧VCCのラインと接地電圧VSSのラインとの間に直列接続され、トランジスタ67のゲートはトランジスタ65のゲートに接続され、トランジスタ63のゲートはそのドレインに接続される。トランジスタ68は電源電圧VCCのラインと出力端子23との間に接続され、そのゲートはトランジスタ66のゲートに接続される。トランジスタ64は出力端子23と接地電圧VSSのラインとの間に接続され、そのゲートはトランジスタ63のゲートに接続される。
トランジスタ61,65,67,63,64の各々には、同じレベルの電流Iaが流れる。また、トランジスタ62,66,68の各々には、同じレベルの電流Ibが流れる。VA1>VA2の場合は、Ia<Ibとなり、VA2が上昇する。VA1<VA2の場合は、Ia>Ibとなり、VA2が低下する。この結果、抵抗素子22の抵抗値が十分に大きい場合は、VA2=VA1となる。
また、抵抗素子22の抵抗値が十分に大きいとは限らない場合、図8で説明したように、抵抗素子22の抵抗値Rを調整することにより、入力電圧VA1の温度依存性を示す曲線の曲率を任意の値に補正することができる。この変更例でも、実施の形態2と同じ効果が得られる。
[実施の形態3]
図20は、この発明の実施の形態3による温度センサの構成を示す回路ブロック図であって、図15と対比される図である。図20を参照して、この温度センサが図15の温度センサと異なる点は、電圧調整回路70(可変抵抗素子)が追加され、曲率補正回路55および減算回路19がそれぞれ曲率補正回路73および減算回路74で置換されている点である。
図20は、この発明の実施の形態3による温度センサの構成を示す回路ブロック図であって、図15と対比される図である。図20を参照して、この温度センサが図15の温度センサと異なる点は、電圧調整回路70(可変抵抗素子)が追加され、曲率補正回路55および減算回路19がそれぞれ曲率補正回路73および減算回路74で置換されている点である。
電圧調整回路70の電源ノード70aはトランジスタ5のドレインに接続され、その接地ノード70bは接地電圧VSSのラインに接続され、その出力ノード70cは減算回路74に接続される。電圧調整回路70は、トランジスタ5から供給される電流に応じたレベルの電圧VA1を生成して減算回路74に与える。電圧VA1のレベルは、トリミングコードTC1によって調整可能になっている。トリミングコードTC1は、複数ビットのデータ信号を含むデータコードである。電圧調整回路70は、温度センサの出力電圧VOの誤差をキャリブレーション(較正)するために設けられている。これについては、後で詳細に説明する。
電圧調整回路70は、図21に示すように、電源ノード70aと接地ノード70bの間に直列接続されたX個(ただし、Xは2以上の整数である)の抵抗素子71.1〜71.Xと、X個のスイッチ72.1〜72.Xを含む。スイッチ72.1〜72.Xの一方端子はそれぞれ抵抗素子71.1〜71.Xの電源ノード70a側の電極に接続され、それらの他方端子はともに出力ノード70cに接続される。
スイッチ72.1〜72.XのうちのトリミングコードTC1によって選択された1つのスイッチがオンされる。図21では、スイッチ72.4がオンされている状態が示されている。この場合は、抵抗素子71.4〜71.Xの抵抗値の総和と、トランジスタ5から供給される電流値との積の電圧VA1が出力ノード70cに出力される。このように、トリミングコードTC1によって、オンさせるスイッチを変えることにより、電圧VA1のレベルを所望のレベルに調整することができる。
ここで、トリミングコードTC1によって、X個のスイッチ72.1〜72.Xのうちのx番(ただし、xは1以上でX以下の整数である)のスイッチ72.xがオンされているものとする。抵抗素子71.1〜71.Xの各々の抵抗値をR71とすると、抵抗素子71.x〜71.Xの抵抗値の総和RLはRL=(X−x+1)×R71となる。
また、図20において、ダイオードD0の順方向電圧(ノードN3の電圧)とダイオードD1〜Dnの順方向電圧VB1との差の電圧dVfはdVf=Vt×ln(n)である。ただし、Vt=kT/qであり、kはボルツマン係数であり、Tは絶対温度であり、qは電子の電荷量である。抵抗素子8の抵抗値をR8とすると、抵抗素子8に流れる電流I8はI8=dVf/R8となる。トランジスタ2,3,5のゲートは互いに接続されているので、トランジスタ2,3,5の各々には同じ値の電流I8が流れる。したがって、VA1は次式(7)で表わされる。
VA1=RL×dVf/R8
=(kT/q)×ln(n)×(X−x+1)×R71/R8 …(7)
図22は、温度T(K)と電圧VA1の関係を示す図である。電圧VA1は、上記数式(7)から分かるように、正の温度係数を有し、温度Tに比例するPTAT(Proportional To Absolute Temperature)電圧である。温度Tが0Kの場合は、VA1=0である。オンさせるスイッチの番号xを大きくすると、電圧VA1の値が減少するとともに、正の温度係数も減少する。逆に、オンさせるスイッチの番号xを小さくすると、電圧VA1の値が増大するとともに、正の温度係数も増大する。つまり、電圧VA1の値を増大させると正の温度係数も増大し、電圧VA1の値を減少させると正の温度係数も減少する。
VA1=RL×dVf/R8
=(kT/q)×ln(n)×(X−x+1)×R71/R8 …(7)
図22は、温度T(K)と電圧VA1の関係を示す図である。電圧VA1は、上記数式(7)から分かるように、正の温度係数を有し、温度Tに比例するPTAT(Proportional To Absolute Temperature)電圧である。温度Tが0Kの場合は、VA1=0である。オンさせるスイッチの番号xを大きくすると、電圧VA1の値が減少するとともに、正の温度係数も減少する。逆に、オンさせるスイッチの番号xを小さくすると、電圧VA1の値が増大するとともに、正の温度係数も増大する。つまり、電圧VA1の値を増大させると正の温度係数も増大し、電圧VA1の値を減少させると正の温度係数も減少する。
図23は、曲率補正回路73の構成を示す回路図であって、図7と対比される図である。図23を参照して、この曲率補正回路73が図7の曲率補正回路18と異なる点は、抵抗素子22が可変抵抗素子80で置換されている点である。可変抵抗素子80の一方端子80aは出力端子23に接続され、その他方端子80bは接地電圧VSSのラインに接続される。可変抵抗素子80の抵抗値は、トリミングコードTC2によって調整可能になっている。トリミングコードTC2は、複数ビットのデータ信号を含むデータコードである。可変抵抗素子80は、温度センサの出力電圧VOの誤差をキャリブレーションするために設けられている。これについては、後で詳細に説明する。
可変抵抗素子80は、図24に示すように、Y個(ただし、Yは2以上の整数である)の抵抗素子81.1〜81.Yと、Y個のスイッチ82.1〜82.Yを含む。スイッチ82.1および抵抗素子81.1〜81.Yは、一方端子80aと他方端子80bの間に直列接続される。スイッチ82.2〜82.Yの一方端子はそれぞれ抵抗素子81.2〜81.Yの一方端子80a側の電極に接続され、それらの他方端子はともに一方端子80aに接続されている。
スイッチ82.1〜82.YのうちのトリミングコードTC2によって選択された1つのスイッチがオンされる。図24では、スイッチ82.4がオンされている状態が示されている。この場合は、抵抗素子81.4〜81.Yの抵抗値の総和が可変抵抗素子80の抵抗値となる。このように、トリミングコードTC2によって、オンさせるスイッチを変えることにより、可変抵抗素子80の抵抗値を所望の値に調整することができる。
ここで、トリミングコードTC2によって、Y個のスイッチ82.1〜82.Yのうちのy番(ただし、yは1以上でY以下の整数である)のスイッチ82.yがオンされているものとする。抵抗素子81.1〜81.Yの各々の抵抗値をR81とすると、抵抗素子81.y〜81.Yの抵抗値の総和RLはRL=(Y−y+1)×R81となる。
ここで、ダイオードD1〜Dnの順方向電圧VB1の温度依存性を示す特性曲線は、数式(1)〜(3)で示したように2次以上の曲率を有する。曲率補正回路73は、電圧VB1の2次以上の項を抑圧して電圧VB2を出力する。曲率補正回路73の出力電圧VB2は、ほぼ温度の1次項で表わされる電圧である。
図25は、温度T(K)と電圧VB2の関係を示す図である。図25において、電圧VB2は、負の温度係数を有し、温度Tに比例して減少する。温度Tが所定の温度Tpの場合、VB2=0となる。T=Tpのとき、数式(1)においてVBE=0となる。オンさせるスイッチの番号yを大きくすると、電圧VB2の値が減少するとともに、負の温度係数も減少する。逆に、オンさせるスイッチの番号yを小さくすると、電圧VB2の値が増大するとともに、負の温度係数も増大する。つまり、電圧VB2の値を増大させると負の温度係数も増大し、電圧VB2の値を減少させると負の温度係数も減少する。
図20に戻って、減算回路74は、電圧調整回路70の出力電圧VA1と曲率補正回路73の出力電圧VB2との差を求め、その差の電圧VA1−VB2を温度センサの出力電圧VOとして出力する。温度センサの出力電圧VOは、温度Tに比例して増大する。また、減算回路74のゲインは、ゲイン設定コードGSTによって調整可能になっている。ゲイン設定コードGSTは、複数ビットのデジタル信号を含むデータコードである。
図26は、温度Tと温度センサの出力電圧VOの関係を示す図である。なお、図26で示される関係では、減算回路74のゲインを一定値としている。また、図22のx=Xにおける電圧VA1を減算回路74に与え、図25のy=1〜Yにおける電圧VA2を減算回路74に与えている。上述したように温度センサの出力電圧VOは、電圧VA1と電圧VB2の差であるため、たとえば基準温度Trにおいて、yが減少して電圧VB2が上昇すると温度センサ87の出力電圧VOが低下し、yが増加して出力電圧VB2が低下すると温度センサ87の出力電圧VOが上昇する。
次に、図20〜図26に示した温度センサの使用方法について説明する。図27は、温度センサを用いた半導体チップ85の構成を示す図である。図27において、この半導体チップ85は、四角形状の半導体基板86と、その表面に形成された温度センサ87、内部回路88、および記憶部89を備える。
温度センサ87は、図20〜図26で説明したものであり、記憶部89からのトリミングコードTC1,TC2およびゲイン設定コードGSCに基づいて動作し、半導体チップ85の温度を検出し、検出した温度を示す電圧VOを出力する。内部回路88は、温度センサ87の出力電圧VOに基づいて所定の動作を行なう。
記憶部89は、データの書換えが可能な不揮発性半導体記憶装置(たとえばフラッシュメモリ)である。記憶部89のアドレスADD1〜ADD3には、それぞれトリミングコードTC1の初期設定値、トリミングコードTC2の初期設定値、およびゲイン設定コードGSCの初期設定値が格納されている。
トリミングコードTC1の初期設定値により、図21に示した1〜Xのうちの略中間の番号(約X/2番)のスイッチがオンされる。また、トリミングコードTC2の初期設定値により、図24に示した1〜Yのうちの略中間の番号(約Y/2番)のスイッチがオンされる。また、ゲイン設定コードGSCの初期設定値により、減算回路74のゲインは、上限値と下限値の略中間の値に設定される。
半導体チップ85が標準品である場合は、これらの初期設定値により、基準温度において温度センサ87の出力電圧VOは規定値となる。しかし、多数の半導体チップ85を製造すると、種々の原因により、温度センサ87の出力電圧VOは規定値にならずにばらつく。このため、温度センサ87の出力電圧VOの誤差をキャリブレーションする必要がある。
非特許文献1(“PRECISION TEMPERATURE SENSORS IN CMOS TECHNOLOGY”Michiel A.P.Pertijs,Johan H.Huijsing 著)には、温度センサ87の出力電圧VOの誤差の種々の原因が記載されている。第1の原因は、製造プロセス変動によるダイオードの飽和電流変動である。ダイオードの飽和電流が正規の値IsからΔIsだけずれている場合、ダイオードの順方向電圧VBEは、次式(8)で表わされる(非特許文献1の第29頁参照)。
数式(8)から、ΔIs/Isの温度依存性が十分に小さいと仮定すると、ダイオードの順方向電圧VBEの変動成分ΔVBEは、温度Tに比例することが分かる。図28は、VBEの温度依存性を示す図である。図28において、VBEの誤差ΔVBEは、温度Tに比例する広がりを持つ。VBEの温度依存性を示す曲線は、T=0の点を中心に回転するように、誤差を生じる。このような誤差は、1点(1つの温度T)におけるキャリブレーションで解消可能である。
また第2の原因は、製造プロセス変動による抵抗素子の抵抗値の変動である。抵抗素子の抵抗値が正規の値RbiasからΔRbiasだけずれている場合、ダイオードの端子間電圧VBEは、次式(9)で表わされる(非特許文献1の第43頁参照)。
数式(9)から、ΔRbias/Rbiasの温度依存性が十分に小さいと仮定すると、ダイオードの順方向電圧VBEの変動成分ΔVBEは、温度Tに比例することが分かる。このような誤差は、1点(1つの温度T)におけるキャリブレーションで解消可能である。
また第3の原因は、トランジスタおよび抵抗素子のミスマッチである(非特許文献1の第59頁参照)。図20において、トランジスタ3,5に流れる電流をそれぞれi3,i5とし、i3/i5=1+Aとする。ミスマッチが発生しているので、i3/i5≠1である。この場合、dVf=Vt×ln[(1+p)×n]=Vt×ln(n)×[1+p/ln(n)]となる。したがって、dVfの変動成分Δ(dVf)は、Δ(dVf)=Vt×pとなる。Vt=kT/qであるから、Δ(dVf)は温度Tに比例する。
また第4の原因は、ダイオードのミスマッチである。図20において、ダイオードD1〜Dnの数(面積)がΔNだけずれたものとし、B=ΔN/Nとする。B≠0である。この場合、dVf=Vt×ln[(1+B)×n]=Vt×ln(n)×[1+B/ln(n)]となる。したがって、dVfの変動成分Δ(dVf)は、Δ(dVf)=Vt×pとなる。Vt=kT/qであるから、Δ(dVf)は温度Tに比例する。
このように第1〜第4の原因によって発生する誤差は、温度Tが0Kのときに0となり、温度Tに比例して増大するPTAT誤差となる。したがって、温度センサ87の出力電圧VOの誤差は、図29に示すように、温度Tに比例する広がりを持つ。VOの温度依存性を示す曲線は、T=0の点を中心に回転するように、誤差を生じる。このような誤差は、1点(1つの温度T)におけるキャリブレーションで解消可能である。トリミングコードTC1を調整し、VA1を増大または減少させることにより、VOを規定値に一致させる。これにより、VOの温度依存性を示す曲線を理想曲線に一致させることができる。
次に、この半導体チップ85を樹脂で封入してパッケージングすると、半導体チップ85と樹脂の熱膨張係数の差などに起因して半導体チップ85に機械的なストレスが発生する。このため、半導体チップ85のトランジスタなどの特性が変化し、温度センサ87の出力電圧VOが再度、規定値からずれてしまう。非特許文献2(“THE PIEZOJUNCTION EFECT IN SILICON INTEGRATED CIRCUITS AND SENSORS”Fabiano Fruett and Gerard C.M.Meijer)には、機械的ストレスがトランジスタの特性に与える影響が記載されている。
すなわち、バイポーラトランジスタに機械的ストレスが印加されると、ピエゾ接合(piezojunction)効果によって飽和電流Isが変化し、その結果、VBEが変化する。ストレスによって誘起される飽和電流Isの変化成分をΔIsとすると、ΔIs/Isは次式(10)で表わされる。
ストレスによって誘起されるVBEの変化成分ΔVBEは、ΔVBE=−Vt×ln(1+ΔIs/Is)である。dVfは、ストレスの影響をほとんど受けない。したがって曲率補正回路73の出力電圧VB2はパッケージングによって変化するが、電圧調整回路70の出力電圧VA1はパッケージングによって変化しない。
また、非特許文献3(B.Abesingha,et al,“Voltage shift in Plastic-packaged Bandgap References”IEEE Trans on Circuits and System,vol49,no10,2002,pp681-pp685)には、パッケージング前後のVBEの温度依存性が記載されている。図30は、BGR電圧発生回路の出力電圧VBGの温度依存性を示す図である。図30において、VBG1は、BGR電圧発生回路を搭載した半導体チップがパッケージングされる前におけるBGR電圧発生回路の出力電圧である。VBG2は、その半導体チップがパッケージングされた後におけるBGR電圧発生回路の出力電圧である。
ある温度Tspでは、半導体チップとパッケージ(樹脂)との温度膨張係数が同じになり、半導体チップにストレスがかからないため、VBG1=VBG2となる。温度がTspよりも低下するに従って、半導体チップとパッケージ(樹脂)との温度膨張係数の差が大きくなり、半導体チップに対するストレスが増大し、VBG1とVBG2の差VBG1−VBG2が大きくなる。
図31は、非特許文献3の記載から予想される図であって、ダイオードの順方向電圧VBEの温度依存性を示す図である。図31において、パッケージング前は、VBEは温度に比例して低下し、ある温度Tpで0となる(理想曲線)。パッケージング後は、VBEはマイナス側にシフトする。VBEの変化量ΔVBEは、ある温度Tssでは0であり、Tsp−Tが大きくなるに従って増大する。
図32は、非特許文献3の記載から予想される図であって、曲率補正回路73の出力電圧VB2の温度依存性を示す図である。図32において、パッケージング前は、VB2は温度に比例して低下し、ある温度Tpで0となる。オンさせるスイッチの番号yを増加させると、VB2は低下する。初期状態では、y=y0≒Y/2である。パッケージング後は、VB2はマイナス側にシフトする。VBEの変化量ΔVB2は、ある温度Tspでは0であり、Tsp−Tが大きくなるに従って増大する。
ここで、トリミングコードTC2を変更してオンさせるスイッチの番号を減少させ、VB2をΔVB2だけプラス側にシフトさせることにより、パッケージング後のVB2をパッケージング前のVB2に較正することができる。また、温度センサ86が実際に使用される温度範囲がTsp,Tpよりも十分に低い範囲であれば、TspとTpの不一致に起因する誤差は十分に小さくなる。
以上のように、この実施の形態3では、半導体チップ85がパッケージングされる前はトリミングコードTC1によって温度センサ87の出力電圧VOの誤差を較正し、半導体チップ85がパッケージングされた後はトリミングコードTC2によって温度センサ87の出力電圧VOの誤差を較正する。したがって、温度センサ87の出力電圧VOの誤差を簡単かつ正確に較正することができる。
[実施の形態4]
図33は、この発明の実施の形態4による半導体チップ90の構成を示す図であって、図27と対比される図である。図33において、この半導体チップ90が図27の半導体チップ85と異なる点は、A/Dコンバータ91、比較回路92、および加算/減算器93が追加されている点である。
図33は、この発明の実施の形態4による半導体チップ90の構成を示す図であって、図27と対比される図である。図33において、この半導体チップ90が図27の半導体チップ85と異なる点は、A/Dコンバータ91、比較回路92、および加算/減算器93が追加されている点である。
A/Dコンバータ91は、温度センサ87の出力電圧VOをデータコードDOに変換する。データコードDOは、複数ビットのデータ信号を含む。内部回路88は、データコードDOに基づいて所定の動作を行なう。記憶部89のアドレスADD4には、半導体チップ90がパッケージングされる前において、半導体チップ90が基準温度にされたときの参照データコードDORが格納されている。
半導体チップ90がパッケージングされた後において半導体チップ90が基準温度にされたとき、比較回路92は、A/Dコンバータ91の出力データコードDOの値と記憶部89のアドレスADD4に記憶された参照データコードDORの値との大小を比較し、比較結果を示す信号を出力する。
加算/減算器93は、比較回路92の出力信号に基づいて動作し、データコードDOが参照データコードDORに一致するように、記憶部89のアドレスADD2内のトリミングコードTC2を書き換える。具体的に説明すると、データコードDOの値が参照データコードDORの値よりも大きい場合は、加算/減算器93はトリミングコードTC2をデクリメント(−1)する。これにより、図20の曲率補正回路73の出力電圧VB2が上昇する。また、図26に示すように温度センサ87の出力電圧VOが低下し、データコードDOの値が小さくなる。
逆に、データコードDOの値が参照データコードDORの値よりも小さい場合は、加算/減算器93はトリミングコードTC2をインクリメント(+1)する。これにより、図20の曲率補正回路73の出力電圧VB2が低下する。また、図26に示すように温度センサ87の出力電圧VOが上昇し、データコードDOの値が大きくなる。このため、データコードDOの値は参照データコードDORの値に一致する。データコードDOの値が参照データコードDORの値に一致した場合は、比較回路92および加減算器93を非活性化させて、パッケージング後のキャリブレーションを終了する。
この実施の形態4では、実施の形態4と同じ効果が得られる他、パッケージング後のキャリブレーションを半導体チップ90内の回路で実行することができる。
[実施の形態5]
図34は、温度センサ87の出力電圧VOの温度依存性を示す図である。図34において、温度センサ87の出力電圧VOは、理想的には曲線Z1で示され、正の温度係数を有し、温度に比例するPTAT電圧である。曲線Z1において温度が0Kの場合は、VO=0である。
図34は、温度センサ87の出力電圧VOの温度依存性を示す図である。図34において、温度センサ87の出力電圧VOは、理想的には曲線Z1で示され、正の温度係数を有し、温度に比例するPTAT電圧である。曲線Z1において温度が0Kの場合は、VO=0である。
実施の形態3,4では、半導体チップがパッケージングされる前における温度センサ87の出力電圧VOは、曲線Z3で示されるように、曲線Z1よりも小さな正の温度係数を有し、温度に比例するPTAT電圧である。曲線Z3において温度が0Kの場合は、VO=0である。曲線Z1に対する曲線Z3の誤差ΔVOは、1次近似としてPTAT誤差として与えられる。
しかし、誤差要因によってはΔVOは完全なPTAT誤差とはならず、曲線Z4で示されるように、温度0Kで有限の誤差を持つ場合がある。曲線Z4で示されるような誤差を完全なPTAT誤差としてキャリブレーションすると、曲線Z2で示されるように、温度係数に誤差が残る。本実施の形態5は、このような誤差をも較正することが可能な温度センサを実現するものである。
図35(a)(b)は、この発明の実施の形態5による半導体チップの動作原理を示す図であって、それぞれ図22および図25から得られる図である。図35(a)において、トリミングコードTC1が初期値に設定されて電圧調整回路70のx番目のスイッチがオンしているものとする。また、温度センサ87の出力電圧VOはPTAT電圧であり、温度Tが0Kの場合はVO=0となっている。
この状態で、トリミングコードTC1をインクリメント(+1)するとx+1番目のスイッチがオンし、図22で示したようにVA1の温度依存性を示す直線がT=0の点を中心として時計針と同じ方向に回転し、VO=VA1−VB2の温度依存性を示す直線もT=0の点を中心として時計針と同じ方向に回転する。すなわち、VOの温度依存性を示す直線の傾きがマイナス側にシフトし、VOの値もマイナス側にシフトする。
逆に、トリミングコードTC1をデクリメント(−1)するとx−1番目のスイッチがオンし、図22で示したようにVA1の温度依存性を示す直線がT=0の点を中心として時計針と反対の方向に回転し、VO=VA1−VB2の温度依存性を示す直線もT=0の点を中心として時計針と反対の方向に回転する。すなわち、VOの温度依存性を示す直線の傾きがプラス側にシフトし、VOの値もプラス側にシフトする。
また、図35(b)において、トリミングコードTC2が初期値に設定されて電圧調整回路70のy番目のスイッチがオンしているものとする。また、温度センサ87の出力電圧VOはPTAT電圧であり、温度Tが0Kの場合はVO=0となっている。
この状態で、トリミングコードTC2をインクリメント(+1)するとy+1番目のスイッチがオンし、図25で示したようにVB2の温度依存性を示す直線がT=Tpの点を中心として時計針と反対の方向に回転し、VO=VA1−VB2の温度依存性を示す直線はT=Tpの点を中心として時計針と同じ方向に回転する。すなわち、VOの温度依存性を示す直線の傾きがマイナス側にシフトし、VOの値はプラス側にシフトする。
逆に、トリミングコードTC2をデクリメント(−1)するとy−1番目のスイッチがオンし、図25で示したようにVB2の温度依存性を示す直線がT=Tpの点を中心として時計針と同じ方向に回転し、VO=VA1−VB2の温度依存性を示す直線はT=Tpの点を中心として時計針と反対の方向に回転する。すなわち、VOの温度依存性を示す直線の傾きがプラス側にシフトし、VOの値はマイナス側にシフトする。
図36(a)(b)は、この半導体チップの動作原理を示す他の図であって、それぞれ図35(a)(b)から得られる図である。図36(a)の横軸は温度センサ87の出力電圧VOのシフト量ΔVOを示し、その縦軸はVOの温度依存性を示す直線の傾きのシフト量ΔUを示している。オンさせるスイッチの番号をxからx+1,x+2に増加させると、図35(a)で示したようにΔVO,ΔUはともにマイナス側にシフトし、ΔUはそれぞれΔU(+1),ΔU(+2)となる。逆に、オンさせるスイッチの番号をxからx−1,x−2に減少させると、ΔVO,ΔUはともにプラス側にシフトし、ΔUはそれぞれΔU(−1),ΔU(−2)となる。ΔUは、ΔVOに比例して増加する。
また、図36(b)の横軸は温度センサ87の出力電圧VOのシフト量ΔVOを示し、その縦軸はVOの温度依存性を示す直線の傾きのシフト量ΔUを示している。オンさせるスイッチの番号をyからy+1,y+2に増加させると、図35(b)で示したように、ΔVO,ΔUはそれぞれプラスおよびマイナス側にシフトし、ΔUはそれぞれΔU(+1),ΔU(+2)となる。オンさせるスイッチの番号をyからy−1,y−2に変更すると、ΔVO,ΔUはそれぞれマイナスおよびプラス側にシフトし、ΔUはそれぞれΔU(−1),ΔU(−2)となる。ΔUは、ΔVOに比例して減少する。
図37は、この半導体チップの動作原理を示すさらに他の図であって、図36(a)(b)から得られる図である。図37の横軸は温度センサ87の出力電圧VOのシフト量ΔVOを示し、その縦軸はVOの温度依存性を示す直線の傾きのシフト量ΔUを示している。オンさせるスイッチの番号を(x,y)から(x+1,y+1)にインクリメントさせると、図36(a)(b)で示したようにxをインクリメントしたことによるVOのシフト量ΔVOとyをインクリメントしたことによるVOのシフト量ΔVOとが相殺され、VOのシフト量ΔVOは0となる。このとき、ΔUは、ΔU(+1)となる。
逆に、オンさせるスイッチの番号を(x,y)から(x−1,y−1)にデクリメントさせると、図36(a)(b)で示したようにxをデクリメントしたことによるVOのシフト量ΔVOとyをデクリメントしたことによるVOのシフト量ΔVOとが相殺され、VOのシフト量ΔVOは0となる。このとき、ΔUは、ΔU(−1)となる。したがって、図38に示すように、オンさせるスイッチの番号(x,y)をともにインクリメントまたはデクリメントさせることにより、基準温度TrにおいてVOをシフトさせずに曲線の傾きのみをシフトさせることができる。
たとえば、図34では、温度0Kで有限の誤差を持つ曲線Z4を示した。曲線Z4で示されるような誤差を完全なPTAT誤差としてキャリブレーションすると、曲線Z2で示されるように、温度係数に誤差が残る。この曲線Z2に対して傾きΔUを補正することにより、VOの誤差を完全に較正することができる。
また、図33で示した半導体チップ90では、温度センサ87の減算回路74にゲイン設定コードGSCが与えられている。この半導体チップ90では、A/Dコンバータ91で生成されるデジタルコードDOが十分な温度分解能を持つように、A/Dコンバータ91のフルスケールインプットレンジに対応する電圧範囲に温度センサ97の出力電圧VOを調整する必要がある。ゲイン設定コードGSCは、この機能を担っている。
A/Dコンバータ91のフルスケールインプットレンジがA/Dコンバータ91の動作電圧によって変わる場合、ゲイン設定コードGSCを変えて減算回路74のゲインを変え、温度センサ87の出力電圧VOを調整することになる。しかし、A/Dコンバータ91のフルスケールインプットレンジの種類が多い場合は、減算回路74のゲイン設定だけでは対応できなくなる。
本実施の形態5では、減算回路74のゲイン設定に加え、温度センサ87の出力電圧VOの温度依存性を示す曲線の傾きのみをシフトさせることにより、温度センサ87のより細かい出力範囲設定が可能となる。したがって、フルスケールインプットレンジの種類の多いA/Dコンバータ91にも対応可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,21,44 演算増幅器、2〜5,30〜34,65〜68 PチャネルMOSトランジスタ、6〜11,13,16,17,22,51,71 抵抗素子、12,50,70 電圧調整回路、13,20,23,40,41,45 端子、D ダイオード、14,52,72,82,SW スイッチ、18,55,73 曲率補正回路、19, 減算回路、35〜38,60〜64 NチャネルMOSトランジスタ、42,43 キャパシタ、80 可変抵抗素子、85,90 半導体チップ、86 半導体基板、87 温度センサ、88 内部回路、89 記憶部、91 A/Dコンバータ、92 比較回路、93 加算/減算器。
Claims (18)
- 温度に応じたレベルの電圧を出力端子に出力する温度センサであって、
第1のノードと基準電圧のラインとの間に接続された第1のダイオードと、
第2のノードと前記基準電圧のラインとの間に直列接続された第1の抵抗素子および第2のダイオードと、
第3のノードと前記基準電圧のラインとの間に接続された第2の抵抗素子と、
それらの一方電極がそれぞれ前記第1および第2のノードに接続され、それらの他方電極がともに前記第2の抵抗素子の端子間電圧を受ける第3および第4の抵抗素子と、
前記出力端子と前記基準電圧のラインとの間に接続された第5の抵抗素子と、
前記第1の抵抗素子に流れる電流に応じたレベルの電流を前記第1〜第3のノードおよび前記出力端子の各々に供給するカレントミラー回路と、
前記第1および第2のノードの電圧が一致するように前記カレントミラー回路を制御する演算増幅器とを備え、
前記第2のダイオードの電流駆動能力は前記第1のダイオードの電流駆動能力よりも大きく、
前記第2の抵抗素子の抵抗値は、前記出力端子の電圧の温度依存性を示す曲線の曲率が小さくなるように設定されている、温度センサ。 - 前記第2の抵抗素子の抵抗値は調整可能になっている、請求項1に記載の温度センサ。
- さらに、それらの一方電極がそれぞれ前記第1および第2のノードに接続された第6および第7の抵抗素子を備え、
前記カレントミラー回路は、それらのソースがともに電源電圧のラインに接続され、それらのドレインがそれぞれ前記第6の抵抗素子の他方電極、前記第7の抵抗素子の他方電極、前記第3のノード、および前記出力端子に接続され、それらのゲートがともに前記演算増幅器の出力電圧を受ける第1〜第4のP型トランジスタを含む、請求項1または請求項2に記載の温度センサ。 - 温度に応じたレベルの電圧を出力する温度センサであって、
第1のノードと基準電圧のラインとの間に接続された第1のダイオードと、
第2のノードと前記基準電圧のラインとの間に直列接続された第1の抵抗素子および第2のダイオードと、
第3のノードと前記基準電圧のラインとの間に接続された第2の抵抗素子と、
前記第1の抵抗素子に流れる電流に応じたレベルの電流を前記第1〜第3のノードの各々に供給するカレントミラー回路と、
前記第1および第2のノードの電圧が一致するように前記カレントミラー回路を制御する第1の演算増幅器とを備え、
前記第2のダイオードの電流駆動能力は前記第1のダイオードの電流駆動能力よりも大きく、
前記第2の抵抗素子の端子間電圧である第1の電圧は温度上昇に応じて増大し、
前記第2のダイオードの順方向電圧である第2の電圧は温度上昇に応じて減少し、
前記第1の電圧の温度依存性を示す第1の曲線は正の曲率を有し、
前記第2の電圧の温度依存性を示す第2の曲線は負の曲率を有し、
さらに、前記第1および第2の曲線の曲率が一致するように、前記第1および第2の電圧のうちの少なくとも一方の電圧を温度に応じて補正する補正回路と、
前記補正回路によって少なくとも一方が補正された前記第1および第2の電圧の差の電圧を求め、その電圧を前記温度に応じたレベルの電圧として出力する減算回路とを備える、温度センサ。 - 前記第2の抵抗素子の抵抗値は調整可能になっている、請求項4に記載の温度センサ。
- さらに、それらの一方電極がそれぞれ前記第1および第2のノードに接続された第3および第4の抵抗素子を備え、
前記カレントミラー回路は、それらのソースがともに電源電圧のラインに接続され、それらのドレインがそれぞれ前記第3の抵抗素子の他方電極、前記第4の抵抗素子の他方電極、および前記第3のノードに接続され、それらのゲートがともに前記第1の演算増幅器の出力電圧を受ける第1〜第3のP型トランジスタを含む、請求項4または請求項5に記載の温度センサ。 - 前記補正回路は、
非反転入力端子が前記第1の電圧を受け、反転入力端子が出力端子に接続された第2の演算増幅器と、
前記第2の演算増幅器の出力端子と前記基準電圧のラインとの間に接続された第5の抵抗素子とを含み、
前記第5の抵抗素子の抵抗値は、前記第1の曲線の曲率が前記第2の曲線の曲率に一致するように設定され、
前記減算回路は、前記第2の演算増幅器の出力電圧と前記第2の電圧の差の電圧を求め、その電圧を前記温度に応じたレベルの電圧として出力する、請求項4から請求項6までのいずれかに記載の温度センサ。 - 前記補正回路は、
非反転入力端子が前記第2の電圧を受け、反転入力端子が出力端子に接続された第2の演算増幅器と、
前記第2の演算増幅器の出力端子と前記基準電圧のラインとの間に接続された第5の抵抗素子とを含み、
前記第5の抵抗素子の抵抗値は、前記第2の曲線の曲率が前記第1の曲線の曲率に一致するように設定され、
前記減算回路は、前記第1の電圧と前記第2の演算増幅器の出力電圧との差の電圧を求め、その電圧を前記温度に応じたレベルの電圧として出力する、請求項4から請求項6までのいずれかに記載の温度センサ。 - 前記補正回路は、
非反転入力端子が前記第1の電圧を受け、反転入力端子が出力端子に接続された第2の演算増幅器と、
前記第2の演算増幅器の出力端子と前記基準電圧のラインとの間に接続された第5の抵抗素子と、
非反転入力端子が前記第2の電圧を受け、反転入力端子が出力端子に接続された第3の演算増幅器と、
前記第3の演算増幅器の出力端子と前記基準電圧のラインとの間に接続された第6の抵抗素子とを含み、
前記第5および第6の抵抗素子の抵抗値は、それぞれ前記第1および第2の曲線の曲率がなくなるように設定され、
前記減算回路は、前記第1および第2の演算増幅器の出力電圧の差の電圧を求め、その電圧を前記温度に応じたレベルの電圧として出力する、請求項4から請求項6までのいずれかに記載の温度センサ。 - 温度に応じたレベルの電圧を出力する温度センサであって、
第1のノードと基準電圧のラインとの間に接続された第1のダイオードと、
第2のノードと前記基準電圧のラインとの間に直列接続された第1の抵抗素子および第2のダイオードと、
第3のノードと前記基準電圧のラインとの間に接続された第1の可変抵抗素子と、
前記第1の抵抗素子に流れる電流に応じたレベルの電流を前記第1〜第3のノードの各々に供給するカレントミラー回路と、
前記第1および第2のノードの電圧が一致するように前記カレントミラー回路を制御する第1の演算増幅器とを備え、
前記第2のダイオードの電流駆動能力は前記第1のダイオードの電流駆動能力よりも大きく、
前記第1の可変抵抗素子の端子間電圧である第1の電圧は温度上昇に応じて増大し、
前記第2のダイオードの順方向電圧である第2の電圧は温度上昇に応じて減少し、
前記第2の電圧の温度依存性を示す曲線は負の曲率を有し、
さらに、前記第2の電圧の温度依存性を示す曲線の曲率がなくなるように、前記第2の電圧を温度に応じて補正する補正回路と、
前記第1の電圧と前記補正回路によって補正された前記第2の電圧との差の電圧を求め、その電圧を前記温度に応じたレベルの電圧として出力する減算回路とを備え、
前記第1の可変抵抗素子の抵抗値は、予め定められた基準温度において前記減算回路の出力電圧が予め定められた電圧になるように設定されている、温度センサ。 - さらに、それらの一方電極がそれぞれ前記第1および第2のノードに接続された第2および第3の抵抗素子を備え、
前記カレントミラー回路は、それらのソースがともに電源電圧のラインに接続され、それらのドレインがそれぞれ前記第2の抵抗素子の他方電極、前記第3の抵抗素子の他方電極、および前記第3のノードに接続され、それらのゲートがともに前記第1の演算増幅器の出力電圧を受ける第1〜第3のP型トランジスタを含む、請求項10に記載の温度センサ。 - 前記補正回路は、
非反転入力端子が前記第2の電圧を受け、反転入力端子が出力端子に接続された第2の演算増幅器と、
前記第2の演算増幅器の出力端子と前記基準電圧のラインとの間に接続された第2の可変抵抗素子とを含み、
前記第2の可変抵抗素子の抵抗値は、前記予め定められた基準温度において前記減算回路の出力電圧が前記予め定められた電圧になるように設定されている、請求項10または請求項11に記載の温度センサ。 - 請求項12に記載の温度センサと、
第1および第2のデータコードを記憶し、データの書き換えが可能な記憶部とを備え、
前記第1および第2の可変抵抗素子の抵抗値は、それぞれ前記記憶部に記憶された前記第1および第2のデータコードに応じて変化する、半導体装置。 - 前記記憶部はさらに第3のデータコードを記憶し、
前記減算回路は、前記第1の電圧と前記補正回路によって補正された前記第2の電圧との差の電圧を求め、その電圧を前記第3のデータコードに応じたゲインで増幅し、増幅した電圧を前記温度に応じたレベルの電圧として出力する、請求項13に記載の半導体装置。 - さらに、前記減算回路の出力電圧を第4のデータコードに変換するA/Dコンバータを備え、
前記記憶部は、さらに、前記半導体装置が樹脂で封止される前において前記半導体装置が前記予め定められた基準温度にされたときに前記A/Dコンバータで生成された前記第4のデータコードを参照データコードとして記憶し、
さらに、前記半導体装置が樹脂で封止された後において前記半導体装置が前記予め定められた基準温度にされたときに前記A/Dコンバータで生成された前記第4のデータコードが前記記憶部に記憶された前記参照データコードに一致するように、前記記憶部に記憶された前記第2のデータコードを変換する信号変換回路とを備える、請求項13または請求項14に記載の半導体装置。 - 請求項13に記載の半導体装置において前記温度センサの出力電圧の誤差を較正する方法であって、
前記半導体装置が樹脂で封止される前において前記半導体装置が前記予め定められた基準温度にされたときに前記温度センサの出力電圧が前記予め定められた電圧になるように、前記記憶部に記憶された前記第1のデータコードを書き換え、
前記半導体装置が樹脂で封止された後において前記半導体装置が前記予め定められた基準温度にされたときに前記温度センサの出力電圧が前記予め定められた電圧になるように、前記記憶部に記憶された前記第2のデータコードを書き換える、半導体装置の較正方法。 - 請求項13に記載の半導体装置において前記温度センサの出力電圧の誤差を較正する方法であって、
前記半導体装置が樹脂で封止される前において前記半導体装置が前記予め定められた基準温度にされたときに前記温度センサの出力電圧が前記予め定められた電圧になるように、前記記憶部に記憶された前記第1のデータコードを書き換え、
前記半導体装置が樹脂で封止された後において前記半導体装置が前記予め定められた基準温度にされたときに前記温度センサの出力電圧が前記予め定められた電圧になるように、前記記憶部に記憶された前記第1および第2のデータコードを書き換える、半導体装置の較正方法。 - 非反転入力端子が入力電圧を受け、反転入力端子が出力端子に接続された演算増幅器と、
前記出力端子と基準電圧が供給される基準電圧ノードとの間に接続された抵抗素子とを備え、
前記演算増幅器は、
第1の電源電圧が供給される第1の電源ノードと、
第2の電源電圧が供給される第2の電源ノードと、
前記第1の電源ノードと中間ノードとの間に接続され、ゲートがバイアス電圧を受ける第1導電型の第1のトランジスタと、
ソースが前記中間ノードに接続され、ゲートが前記非反転入力端子に接続された第1導電型の第2のトランジスタと、
ソースが前記中間ノードに接続され、ゲートが前記反転入力端子に接続された第1導電型の第3のトランジスタと、
前記第2のトランジスタのドレインと前記第2の電源ノードとの間に接続され、ゲートがドレインに接続された第2導電型の第4のトランジスタと、
前記第3のトランジスタのドレインと前記第2の電源ノードとの間に接続され、ゲートがドレインに接続された第2導電型の第5のトランジスタと、
前記出力端子と前記第2の電源ノードとの間に接続され、ゲートが前記第4のトランジスタのゲートに接続された第2導電型の第6のトランジスタと、
ソースが前記第2の電源ノードに接続され、ゲートが前記第5のトランジスタのゲートに接続された第2導電型の第7のトランジスタと、
前記第1の電源ノードと前記第7のトランジスタのドレインとの間に接続され、ゲートがドレインに接続された第1導電型の第8のトランジスタと、
前記第1の電源ノードと前記出力端子との間に接続され、ゲートが前記第8のトランジスタのゲートに接続された第1導電型の第9のトランジスタとを含み、
前記抵抗素子の抵抗値は、前記演算増幅器の出力電圧が前記入力電圧と異なるレベルになるように設定されている、半導体装置。
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