JP2011214496A - 流体機械 - Google Patents

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健一 佐多
Yoshitaka Shibamoto
祥孝 芝本
Ryuzo Sotojima
隆造 外島
Sachihiro Inada
幸博 稲田
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Abstract

【課題】駆動軸が軸受等と干渉することによる焼き付き等の防止。
【解決手段】回転式圧縮機(10)は、第1及び第2シリンダ(31,41)に対して偏心回転可能に設けられた第1及び第2ピストン(32,42)をそれぞれに備えた第1圧縮機構(30)及び第2圧縮機構(40)と、主軸部(24)と、主軸部(24)の軸心に対して偏心して第1圧縮機構(30)に係合する下側偏心部(26)と、主軸部(24)の軸心に対して偏心して第2圧縮機構(40)に係合する上側偏心部(25)とを有する駆動軸(23)とを備え、駆動軸(23)は、下側偏心部(26)と上側偏心部(25)との間に、主軸部(24)よりも大径に形成された連結部(27)を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体機械に関し、特に、2つのシリンダを有する流体機械に係るものである。
従来より、固定部材と偏心回転する可動部材とによって圧縮室を形成し、可動部材が偏心回転することによって圧縮室内に吸入した流体を圧縮する圧縮機構を備えた回転式圧縮機が知られている。
この種の回転式圧縮機としては、2つのシリンダを有する単段圧縮型の圧縮機構を備えた単段圧縮型の回転式圧縮機や、図5に示すように圧縮機構を高段側と低段側に2つ備えた二段圧縮型の回転式圧縮機等が知られている。
この二段圧縮型の回転式圧縮機(a)は、それぞれにシリンダ(b)及びピストン(c)を有する第1圧縮機構(d)及び第2圧縮機構(e)を有している。そして、第1及び第2圧縮機構(d,e)では、駆動軸(f)の回転に伴ってピストン(c)が回転し、シリンダ(b)とピストン(e)とが相対的に偏心回転運動をするように構成されている。これにより、シリンダ(b)とピストン(c)との間に形成された圧縮室(g)で流体を圧縮している。
特開2007−239666号公報
しかしながら、従来の回転式圧縮機(a)においては、単段圧縮型の回転式圧縮機よりも二段圧縮型の回転式圧縮機の方が同一容量でも各シリンダあたりの容積が大きくなる。このため、圧縮機の運転条件と高低段の容積比により高低段の圧力バランスが崩れることで、片側の圧縮機構のシリンダへ負荷が偏ってしまう。これにより、駆動軸では、高段側の圧縮機構と低段側の圧縮機構との間の連結部に過大な荷重が加わる。この結果、駆動軸が撓んで変形してしまい、軸受と干渉して焼き付き等を生じてしまうという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、駆動軸の変形を防止して軸受部材等との干渉を防止することを目的とする。
第1の発明は、固定部材(31,41)と、該固定部材(31,41)に対して偏心可能に設けられた可動部材(32,42)とを備えた第1偏心回転機構(30)及び第2偏心回転機構(40)と、主軸部(24)と、該主軸部(24)の軸心に対して偏心して上記第1偏心回転機構(30)に係合する第1偏心部(26)と、上記主軸部(24)の軸心に対して偏心して上記第2偏心回転機構(40)に係合する第2偏心部(25)とを有する駆動軸(23)とを備え、上記第1及び第2偏心回転機構(30,40)の固定部材(31,41)と可動部材(32,42)との間に形成された圧縮室(S11,S12,S21,S22)で流体を圧縮する流体機械であって、上記駆動軸(23)は、第1偏心部(26)と第2偏心部(25)との間に、主軸部(24)よりも大径に形成された連結部(27)を備えている。
上記第1の発明では、駆動軸(23)がその軸心周りに回転する。そして、駆動軸(23)に伴う主軸部(24)の回転によって第1偏心部(26)、及び第2偏心部(25)が上記主軸部(24)の軸心に対して偏心回転する。
上記第1偏心部(26)の偏心回転に伴って、該第1偏心部(26)に係合する第1偏心回転機構(30)の可動部材(32,42)が固定部材(31,41)に対して偏心回転する。これにより、可動部材(32,42)と固定部材(31,41)との間に形成された圧縮室(S11,S12,S21,S22)で流体を圧縮する。また、第2偏心部(25)の偏心回転に伴って、該第2偏心部(25)に係合する第2偏心回転機構(40)の可動部材(32,42)が固定部材(31,41)に対して偏心回転する。これにより、可動部材(32,42)と固定部材(31,41)との間に形成された圧縮室(S11,S12,S21,S22)で流体を圧縮する。
上記駆動軸(23)が回転すると、第1偏心回転機構(30)又は第2偏心回転機構(40)で流体が圧縮されるところ、圧縮条件が異なることで両偏心回転機構(30,40)の位置での駆動軸(23)に加わる荷重のバランスが崩れることがあり、第1偏心部(26)と第2偏心部(25)との間の連結部(27)に大きな荷重が加わる。しかしながら、主軸部(24)よりも大径に形成したため、連結部(27)が荷重によって撓んだり変形したりすることがない。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記連結部(27)は、上記第1偏心部(26)、又は第2偏心部(25)よりも大径に形成されている。
上記第2の発明では、駆動軸(23)が回転すると、第1偏心回転機構(30)、及び第2偏心回転機構(40)で流体が圧縮されるため、第1偏心部(26)と第2偏心部(25)との間の連結部(27)には、大きな荷重が加わる。しかしながら、第1偏心部(26)又は第2偏心部(25)よりも大径に形成されているため、連結部(27)が荷重によって撓んだり、変形したりすることがない。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記連結部(27)は、上記第1偏心部(26)及び第2偏心部(25)との少なくとも何れか一方の対向面において、平面視で可動部材(32,42)と重なる領域に低段部(27a)が形成されている。
上記第3の発明では、駆動軸(23)が回転すると、第1偏心回転機構(30)、及び第2偏心回転機構(40)で流体が圧縮される。この回転によって第1偏心部(26)及び第2偏心部(25)に係合する可動部材(32,42)が上下方向にがたつくことや揺れることがある。しかしながら、平面視で可動部材(32,42)と重なる領域には低段部(27a)が形成されているため、可動部材(32,42)と連結部(27)とが干渉することはない。
第4の発明は、上記第1〜第3の発明の何れか1つにおいて、上記第1偏心回転機構(30)は、低段側の圧縮機構を構成する一方、上記第2偏心回転機構(40)は、上記第1偏心回転機構(30)で圧縮された流体を圧縮する高段側の圧縮機構に構成され、両偏心回転機構(30,40)は、流体を二段圧縮するように構成されている。
第4の発明では、駆動軸(23)がその軸心周りに回転する。そして、駆動軸(23)に伴う主軸部(24)の回転によって第1偏心部(26)、及び第2偏心部(25)が上記主軸部(24)の軸心に対して偏心回転する。低段側の圧縮機構を構成する第1偏心回転機構(30)では、上記第1偏心部(26)の偏心回転に伴って該第1偏心部(26)に係合する第1偏心回転機構(30)の可動部材(32,42)が固定部材(31,41)に対して偏心回転する。これにより、可動部材(32,42)と固定部材(31,41)との間に形成された圧縮室(S11,S12,S21,S22)で流体を圧縮する。圧縮した流体は、高段側の圧縮機構を構成する第2偏心回転機構(40)に送られる。第2偏心回転機構(40)では、上記第2偏心部(25)の偏心回転に伴って該第2偏心部(25)に係合する第2偏心回転機構(40)の可動部材(32,42)が固定部材(31,41)に対して偏心回転する。これにより、可動部材(32,42)と固定部材(31,41)との間に形成された圧縮室(S11,S12,S21,S22)で流体を圧縮する。これにより、低段側の第1偏心回転機構(30)で圧縮された流体をさらに圧縮することで流体を二段圧縮する。
上記第1の発明によれば、連結部(27)を大径にしたため、両偏心部(25,26)の荷重によって連結部(27)が撓むのを確実に防止することができる。これにより、駆動軸(23)全体の変形を抑えることができる。この結果、駆動軸(23)が軸受部材等と干渉するのを防止することができる。
上記第2の発明によれば、連結部(27)を第1偏心部(26)、又は第2偏心部(25)よりも大径に形成したため、さらに連結部(27)をさらに撓みにくくすることができる。これにより、駆動軸(23)全体の変形を抑えることができる。この結果、駆動軸(23)が軸受部材等と干渉するのを防止することができる。
上記第3の発明によれば、可動部材(32,42)と連結部(27)との重なる領域に低段部(27a)を形成したため、可動部材(32,42)の上下方向のがたつきや揺れによっても可動部材(32,42)と連結部(27)とが干渉するのを確実に防止することができる。
上記第4の発明では、第1偏心回転機構(30)と第2偏心回転機構(40)とで二段圧縮させるようにしたため、第1偏心回転機構(30)と第2偏心回転機構(40)との間の連結部(27)に加わる荷重が大きくなり、且つ両偏心回転機構(30,40)における荷重のバランスも崩れやすくなる。このため、従来の駆動軸では、撓みや変形が生じ易くなる。しかしながら、本発明では、連結部(27)を大径としたため、連結部(27)が撓んだり、変形したりするのを確実に防止することができる。この結果、駆動軸(23)が軸受部材等と干渉するのを確実に防止することができる。
実施形態に係る回転式圧縮機の縦断面図である。 実施形態に係る第1圧縮機構(第2圧縮機構)の横断面図である。 実施形態に係る駆動軸の構造を示す図である。 実施形態に係る駆動軸の横断面を模式的に示した図である。 従来例に係る回転式圧縮機の縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る回転式圧縮機(10)は、例えば空気調和装置の冷媒回路に設けられ、蒸発器から吸入した冷媒を圧縮して凝縮器へ吐出する。
図1に示すように、回転式圧縮機(10)は、縦長で密閉容器状のケーシング(11)を備えている。このケーシング(11)は、縦長の円筒状に形成された胴部(12)と、碗状に形成されて、該胴部(12)の両端に外側に凸に配設される一対の端板部(13)とによって構成されている。ケーシング(11)の内部には、電動機(20)と、低段側の第1圧縮機構(30)及び高段側の第2圧縮機構(40)を有して冷媒を二段圧縮する圧縮機部(50)とが収容されている。
上記ケーシング(11)の胴部(12)には、低段側の第1圧縮機構(30)に接続される第1吸入管(14)及び第1吐出管(15)が、該胴部(12)を厚み方向に貫通するように設けられている。また、胴部(12)には、高段側の第2圧縮機構(40)に接続される第2吸入管(16)が、胴部(12)を貫通するように設けられている。さらに、胴部(12)の上方側を塞ぐ端板部(13)には、第2吐出管(図示なし)が該端板部(13)を貫通するように設けられ、該第2吐出管(図示なし)はケーシング(11)の内部空間(S10)と連通している。尚、図示を省略するが、第1吐出管(15)と第2吸入管(16)とは、ケーシング(11)の外部において接続されている。
このような構成により、本回転式圧縮機(10)は、高段側の第2圧縮機構(40)において圧縮された冷媒がケーシング(11)の内部空間(S10)に吐出され、第2吐出管(図示なし)を介してケーシング(11)の外部へ排出されるように構成されている。つまり、ケーシング(11)の内部空間(S10)が高圧圧力状態となる、いわゆる高圧ドーム型の圧縮機に構成されている。
上記ケーシング(11)の内部には、胴部(12)と平行に延びる駆動軸(23)が設けられている。上記電動機(20)及び圧縮機部(50)は、該駆動軸(23)を介して連結されている。尚、密閉容器状のケーシング(11)の底部には、圧縮機部(50)の各摺動部に供給される潤滑油を貯留する油溜まり(18)が形成されている。尚、駆動軸(23)の詳細については後述する。
上記電動機(20)は、ステータ(21)とロータ(22)とを備えている。ステータ(21)は、ケーシング(11)の胴部(12)に固定されている。一方、ロータ(22)は、ステータ(21)の内側に配置され、駆動軸(23)の主軸部(24)に連結されている。
上記圧縮機部(50)は、電動機(20)の下方に配置され、第1圧縮機構(30)と、第2圧縮機構(40)と、両圧縮機構(30,40)の間に設けられたミドルプレート(51)とを有している。
図1及び図2に示すように、上記第1圧縮機構(30)は、環状の第1シリンダ室(S11,S12)を形成する第1シリンダ(31)と、該第1シリンダ室(S11,S12)内に位置して該第1シリンダ室(S11,S12)を外側圧縮室(S11)と内側圧縮室(S12)とに区画する環状ピストン部材(32b)を有する第1ピストン(32)と、第1シリンダ室(S11,S12)を第1室の高圧室(S11H,S12H)と第2の低圧室(S11L,S12L)とに区画する第1ブレード(33)とを備えている。この第1圧縮機構(30)は本発明に係る第1偏心回転機構を構成している。上記第1シリンダ室(S11,S12)と第1ピストン(32)とは、相対的に偏心回転運動をするように構成されている。尚、本実施形態では、上記第1シリンダ(31)が第1圧縮機構(30)の固定部材を構成し、第1ピストン(32)が第1圧縮機構(30)の可動部材を構成している。
上記第1シリンダ(31)は、中央に軸受部が形成された平板状の鏡板部(31a)と、該鏡板部(31a)から上方に突出するように形成された筒状の外側シリンダ部材(31b)及び内側シリンダ部材(31c)とを備えている。第1シリンダ(31)は、鏡板部(31a)及び外側シリンダ部材(31b)がケーシング(11)の胴部(12)の内面に溶接されることにより固定されている。また、鏡板部(31a)の軸受部には、駆動軸(23)の主軸部(24)が挿通され、該駆動軸(23)の主軸部(24)は、鏡板部(31a)の軸受部に滑り軸受を介して回転可能に支持されている。
上記第1シリンダ(31)の鏡板部(31a)には、外周面から径方向の内側向きに延びる第1吸入ポート(14a)が形成されている。この第1吸入ポート(14a)の一端は、外側圧縮室(S11)及び内側圧縮室(S12)に挿通するように構成され、他端には上記第1吸入管(14)が接続されている。つまり、第1吸入ポート(14a)は第1吸入管(14)から外側圧縮室(S11)及び内側圧縮室(S12)に吸入される冷媒を流通させる吸入通路を構成している。
また、上記第1シリンダ(31)の鏡板部(31a)には、外周面から径方向の内側向きに延びる第1吐出ポート(15a)が形成されている。この第1吐出ポート(15a)の一端は、外側圧縮室(S11)及び内側圧縮室(S12)に連通するように構成され、他端には上記第1吐出管(15)が接続されている。具体的には、第1吐出ポート(15a)には、外側圧縮室(S11)及び内側圧縮室(S12)の吐出口(35,36)が開口し、該両吐出口(35,36)には吐出弁(37,38)が設けられている。外側圧縮室(S11)の吐出弁(図示なし)は、該外側圧縮室(S11)の高圧室(S11H)と第1吐出ポート(15a)との差圧が設定値に達すると吐出口(図示なし)を開くように構成されている。同様に、内側圧縮室(S12)の吐出弁(図示なし)は、該内側圧縮室(S12)の高圧室(S12H)と第1吐出ポート(15a)との差圧が設定値に達すると吐出口(図示なし)を開くように構成されている。
上記外側シリンダ部材(31b)の内周面と内側シリンダ部材(31c)の外周面とは、互いに同一中心上に配置された円筒面に形成されている。上記第1ピストン(32)の環状ピストン部材(32b)の外周面と外側シリンダ部材(31b)の内周面との間には外側圧縮室(S11)が形成され、第1ピストン(32)の環状ピストン部材(32b)の内周面と内側シリンダ部材(31c)の外周面との間には内側圧縮室(S12)が形成されている。
上記第1ピストン(32)は、平板状の鏡板部(32a)と、該鏡板部(32a)の一方側に形成された環状ピストン部材(32b)と、該環状ピストン部材(32b)の内側に形成された筒状の軸受部(32c)とを備えている。環状ピストン部材(32b)は、円環の一部分が分断されたC型形状に形成されている。軸受部(32c)には、駆動軸(23)の下側偏心部(26)が摺動自在に嵌め込まれている。尚、軸受部(32c)と内側シリンダ部材(31c)との間に空間(80)が形成されるが、この空間(80)では冷媒の圧縮は行われない。
上記第1ブレード(33)は、第1シリンダ室(S11,S12)の径方向に、外側シリンダ部材(31b)の内周面から内側シリンダ部材(31c)の外周面に亘って延びている。そして、第1ブレード(33)は、環状ピストン部材(32b)の分断箇所を挿通して第1シリンダ室(S11,S12)を高圧室(S11H,S12H)と低圧室(S11L,S12L)とに区画するように構成されている。尚、本実施形態では、第1ブレード(33)は、外側シリンダ部材(31b)及び内側シリンダ部材(31c)と一体形成されているが、該両シリンダ部材(31b,31c)と別部材として形成し、これらに固定するものであってもよい。
また、第1圧縮機構(30)は、環状ピストン部材(32b)の分断箇所に設けられ、第1ピストン(32)と第1ブレード(33)とを揺動可能に連結する第1揺動ブッシュ(34)を備えている。第1揺動ブッシュ(34)は、第1ブレード(33)に対して高圧室(S11H,S12H)側に位置する吐出側ブッシュ(34a)と、第1ブレード(33)に対して低圧室(S11L,S12L)側に位置する吸入側ブッシュ(34b)とから構成されている。この吐出側ブッシュ(34a)及び吸入側ブッシュ(34b)は、いずれも断面形状が略半円形の同一形状に形成されている。両ブッシュ(34a,34b)の対向面の間には、上記第1ブレード(33)が進退自在に挟まれている。そして、第1揺動ブッシュ(34)は、第1ブレード(33)を挟み込んだ状態において、第1ピストン(32)に対して揺動可能に形成されている。尚、両ブッシュ(34a,34b)は一部において連結されて一体形成されていてもよい。
そして、上記第1圧縮機構(30)では、第1ピストン(32)が第1シリンダ(31)に対して偏心回転運動を行う。その偏心回転運動では、環状ピストン部材(32b)の外周面と外側シリンダ部材(31b)の内周面とが実質的に1点で摺接し、その摺接点と位相が180°ずれた位置において環状ピストン部材(32b)の内周面と内側シリンダ部材(31c)の外周面とが実質的に1点で摺接するように構成されている。
上記第2圧縮機構(40)は、上記第1圧縮機構(30)と同様の機械要素によって構成されている。この第2圧縮機構(40)は本発明に係る第2偏心回転機構を構成している。また、第2圧縮機構(40)は、ミドルプレート(51)を挟んで第1圧縮機構(30)を反転させた状態で設けられている。尚、図2では、第2圧縮機構(40)の構成要素に関する符号を括弧内に示している。
具体的には、上記第2圧縮機構(40)は、環状の第2シリンダ室(S21,S22)を形成する第2シリンダ(41)と、該第2シリンダ室(S21,S22)内に位置して該第2シリンダ室(S21,S22)を外側圧縮室(S21)と内側圧縮室(S22)とに区画する環状ピストン部材(42b)を有する第2ピストン(42)と、第2シリンダ室(S21,S22)を第1室の高圧室(S21H,S22H)と第2室の低圧室(S21L,S22L)とに区画する第2ブレード(43)とを備えている。
上記第2シリンダ(41)と第2ピストン(42)とは、相対的に偏心回転運動をするように構成されている。また、本実施形態では、上記第2シリンダ(41)が第2圧縮機構(40)の固定部材を構成し、第2ピストン(42)が第2圧縮機構(40)の可動部材を構成している。
上記第2シリンダ(41)は、中央に軸受部が形成された平板状の鏡板部(41a)と、該鏡板部(41a)から下方に突出して形成された筒状の外側シリンダ部材(41b)及び内側シリンダ部材(41c)とを備えている。第2シリンダ(41)は、鏡板部(41a)及び外側シリンダ部材(41b)がケーシング(11)の胴部(12)の内面に溶接されることにより固定されている。また、鏡板部(41a)の軸受部には、駆動軸(23)の主軸部(24)が挿通され、該駆動軸(23)の主軸部(24)は、鏡板部(41a)の軸受部に滑り軸受を介して回転自在に支持されている。
上記第2シリンダ(41)の鏡板部(41a)には、外周面から径方向の内側向きに延びる第2吸入ポート(16a)が形成されている。この第2吸入ポート(16a)の一端は、外側圧縮室(S21)及び内側圧縮室(S22)に連通するように構成され、他端には上記第2吸入管(16)が接続されている。つまり、第2吸入ポート(16a)は第2吸入管(16)から外側圧縮室(S21)及び内側圧縮室(S22)に吸入される冷媒を流通させる吸入通路を構成している。
また、上記第2シリンダ(41)の鏡板部(41a)には、上面から下方に向かって延びる第2吐出ポート(17a)が形成されている。この第2吐出ポート(17a)の一端は、外側圧縮室(S21)及び内側圧縮室(S22)に連通するように構成され、他端はケーシング(11)の内部空間(S10)に開口している。具体的には、第2吐出ポート(17a)には、外側圧縮室(S21)及び内側圧縮室(S22)の吐出口(45,46)が開口し、両吐出口(45,46)には吐出弁(47,48)が設けられている。外側圧縮室(S21)の吐出弁(図示なし)は、該外側圧縮室(S21)の高圧室(S21H)と第2吐出ポート(17a)との差圧が設定値に達すると吐出口(図示なし)を開くように構成されている。同様に、内側圧縮室(S22)の吐出弁(図示なし)は、該内側圧縮室(S22)の高圧室(S22H)と第2吐出ポート(17a)との差圧が設定値に達すると吐出口(図示なし)を開くように構成されている。
上記外側シリンダ部材(41b)の内周面と内側シリンダ部材(41c)の外周面とは、互いに同一中心上に配置された円筒面に形成されている。上記第2ピストン(42)の環状ピストン部材(42b)の外周面と外側シリンダ部材(41b)の内周面との間には外側圧縮室(S21)が形成され、第2ピストン(42)の環状ピストン部材(42b)の内周面と内側シリンダ部材(41c)の外周面との間には内側圧縮室(S22)が形成されている。
上記第2ピストン(42)は、平板状の鏡板部(42a)と、該鏡板部(42a)の一方側に形成された環状ピストン部材(42b)と、鏡板部(42a)の環状ピストン部材(42b)の内側に形成された筒状の軸受部(42c)とを備えている。環状ピストン部材(42b)は、円環の一部分が分断されたC型形状に形成されている。軸受部(42c)には、駆動軸(23)の上側偏心部(25)が摺動自在に嵌め込まれている。なお、該軸受部(42c)と内側シリンダ部材(41c)との間に空間(90)が形成されるが、この空間(90)では冷媒の圧縮は行われない。
上記第2ブレード(43)は、第2シリンダ室(S21,S22)の径方向に、外側シリンダ部材(41b)の内周面から内側シリンダ部材(41c)の外周面に亘って延びている。そして、第2ブレード(43)は、環状ピストン部材(42b)の分断箇所を挿通して第2シリンダ室(S21,S22)を高圧室(S21H,S22H)と低圧室(S21L,S22L)とに区画するように構成されている。なお、本実施形態では、第2ブレード(43)は、外側シリンダ部材(41b)及び内側シリンダ部材(41c)と一体形成されているが、両シリンダ部材(41b,41c)と別部材として形成し、これらに固定するものであってもよい。
また、第2圧縮機構(40)は、環状ピストン部材(42b)の分断箇所に設けられ、第2ピストン(42)と第2ブレード(43)とを揺動可能に連結する第2揺動ブッシュ(44)を備えている。第2揺動ブッシュ(44)は、第2ブレード(43)に対して高圧室(S21H,S22H)側に位置する吐出側ブッシュ(44a)と、該第2ブレード(43)に対して低圧室(S21L,S22L)側に位置する吸入側ブッシュ(44b)とから構成されている。この吐出側ブッシュ(44a)及び吸入側ブッシュ(44b)は、いずれも断面形状が略半円形の同一形状に形成されている。該両ブッシュ(44a,44b)の対向面の間には、上記第2ブレード(43)が進退自在に挟まれている。そして、第2揺動ブッシュ(44)は、該第2ブレード(43)を挟み込んだ状態において、第2ピストン(42)に対して揺動可能に形成されている。なお、両ブッシュ(44a,44b)は一部において連結されて一体的に形成されていてもよい。
そして、上記第2圧縮機構(40)では、第2ピストン(42)が第2シリンダ(41)に対して偏心回転運動を行う。その偏心回転運動では、環状ピストン部材(42b)の外周面と外側シリンダ部材(41b)の内周面とが実質的に1点で摺接し、その摺接点と位相が180°ずれた位置において環状ピストン部材(42b)の内周面と内側シリンダ部材(41c)の外周面とが実質的に1点で摺接するように構成されている。
上記ミドルプレート(51)は、互いに対向するように配置された第1ピストン(32)の鏡板部(32a)及び第2ピストン(42)の鏡板部(42a)の外周面を覆う筒部(51a)と、該筒部(51a)の内部において両ピストン(32,42)の鏡板部(32a,42a)と平行に延びる円板状の平板部(51b)とによって構成されている。筒部(51a)は、第1シリンダ(31)の外側シリンダ部材(31b)と第2シリンダ(41)の外側シリンダ部材(41b)とに当接するように設けられている。このような構成により、ミドルプレート(51)は、第1圧縮機構(30)との間に第1空間(S1)を区画する一方、第2圧縮機構(40)との間に第2空間(S2)を区画している。
上記ミドルプレート(51)の平板部(51b)の第1圧縮機構(30)側には、第1内側シールリング(62)と第1外側シールリング(63)とが設けられ、第2圧縮機構(40)側には第2シールリング(64)が設けられている。
上記第1内側シールリング(62)は、平板部(51b)に形成された第1内側環状溝(52)に取り付けられ、第1外側シールリング(63)は、平板部(51b)に形成された第1外側環状溝(53)に取り付けられている。第1内側シールリング(62)、及び第1外側シールリング(63)は、第1ピストン(32)の鏡板部(32a)の上面に接している。このような構成により、上記第1空間(S1)は、第1内側シールリング(62)及び第1外側シールリング(63)により、内側の第1内側背圧空間(S3)と外側の第1外側背圧空間(S4)とに分割される。
上記第2シールリング(64)は、平板部(51b)に形成された第2環状溝(54)に取り付けられている。第2シールリング(64)は、第2ピストン(42)の鏡板部(42a)の下面に接している。このような構成により、上記第2空間(S2)は、第2シールリング(64)により、内側の第2内側背圧空間(S5)と外側の第2外側背圧空間(S6)とに分割される。
上記第1内側背圧空間(S3)及び第2内側背圧空間(S5)は、ケーシング(11)の内部空間(S10)に連通し、該内部空間(S10)に形成された油溜まり(18)から高圧の潤滑油が流入するように構成されている。具体的には、油溜まり(18)から各駆動部(両圧縮機構(30,40)の摺動部や、駆動軸(23)と両圧縮機構(30,40)の摺動部等)に供給された高圧の潤滑油が該第1内側背圧空間(S3)及び第2内側背圧空間(S5)に流入するように構成されている。これにより、第1内側背圧空間(S3)及び第2内側背圧空間(S5)は、高圧圧力状態のケーシング(11)の内部空間(S10)と同等の高圧圧力状態となる。そして、第1内側背圧空間(S3)の高圧の潤滑油によって第1ピストン(32)の鏡板部(32a)は第1シリンダ(31)側に押し付けられ、第2内側背圧空間(S5)の高圧の潤滑油によって第2ピストン(42)の鏡板部(42a)は第2シリンダ(41)側に押し付けられる。
一方、第1外側背圧空間(S4)は、第1圧縮機構(30)の圧縮室(S11,S12)に吸入される冷媒の圧力(低圧圧力)よりも高く吐出される冷媒の圧力(中間圧力)よりも低い圧力となり、第2外側背圧空間(S6)は、第2圧縮機構(40)の圧縮室(S21,S22)に吸入される冷媒の圧力(中間圧力)よりも高く吐出される冷媒の圧力(高圧圧力)よりも低い圧力となる。これにより、第1外側背圧空間(S4)の圧力によって第1ピストン(32)の鏡板部(32a)は第1シリンダ(31)側に押し付けられ、第2外側背圧空間(S6)の圧力によって第2ピストン(42)の鏡板部(42a)は第2シリンダ(41)側に押し付けられる。
上記駆動軸(23)は、図1及び図3に示すように、主軸部(24)と2つの偏心部(25,26)と連結部(27)とを有している。
上記主軸部(24)は、円筒状の回転軸に形成され、その外径はd1に形成されている。
上記上側偏心部(25)は、主軸部(24)の中央寄りに設けられ、下側偏心部(26)は、主軸部(24)の下端寄りの位置に設けられている。上側偏心部(25)は本発明に係る第2偏心部を構成し、下側偏心部(26)は第1偏心部を構成している。
両偏心部(25,26)は、主軸部(24)よりも大径の円柱状に形成され、それぞれ軸心が主軸部(24)の軸心に対して偏心している。両偏心部(25,26)は、その外径がd2に形成されている。また、上側偏心部(25)と下側偏心部(26)とは、主軸部(24)の軸心を中心として互いに180°位相がずれるように形成されている。
上記連結部(27)は、主軸部(24)の中央寄りで上側偏心部(25)と下側偏心部(26)との間の位置に設けられている。連結部(27)は、主軸部(24)よりも大径、且つ両偏心部(25,26)よりも大径の円柱状に形成され、その軸心が主軸部(24)と一致している。連結部(27)の外径はd3に形成されている。尚、主軸部(24)、両偏心部(25,26)、及び連結部(27)の外径はd3>d2>d1の関係となっている。
上記連結部(27)は、図4に示すように、下端面で且つ平面視において第1ピストン(32)と重なる領域(図4の破線のハッチングで示された領域)、及び上端面で且つ平面視において第2ピストン(42)と重なる領域(図4の実線のハッチングで示された領域)に面取り部(27a)が形成されている。この面取り部(27a)は径方向外方に向かって低くなるテーパ状に形成されている。このため、第1及び第2ピストン(32,42)が回転することによって上下方向にがたつきや揺れが生じても各ピストン(32,42)と連結部(27)とが干渉することはない。尚、連結部(27)の下端面及び上端面に形成された面取り部(27a,27a)は、それぞれが本発明に係る低段部を構成している。
上記駆動軸(23)の下端には、油溜まり(18)に浸漬する給油ポンプ(28)が設けられている。また、駆動軸(23)の内部には、軸方向に延びて上記給油ポンプ(28)が吸い上げられた潤滑油が流通する給油路(図示省略)が形成されている。上記給油路は、油溜まり(18)の潤滑油を両圧縮機構(30,40)の摺動部や、駆動軸(23)と両圧縮機構(30,40)との摺動部に供給する。
−運転動作−
次に、回転式圧縮機(10)の運転動作について説明する。まず、第1圧縮機構(30)について説明する。第1圧縮機構(30)では、低圧冷媒が圧縮されて中間圧の冷媒となる。
まず、電動機(20)を起動すると、第1ピストン(32)の環状ピストン部材(32b)が第1ブレード(33)に沿って往復運動(進退動作)を行うと共に揺動動作を行う、その際、第1揺動ブッシュ(34)は、環状ピストン部材(32b)及び第1ブレード(33)に対して実質的に面接触をする。そして、環状ピストン部材(32b)が外側シリンダ部材(31b)及び内側シリンダ部材(31c)に対して揺動しながら公転し、第1圧縮機構(30)が圧縮動作を行う。
具体的には、外側圧縮室(S11)では、図2(B)の状態で低圧室(S11L)の容積がほぼ最小となり、ここから駆動軸(23)が図の矢印方向に回転して図2(C)〜図2(A)の状態へ変化するのに伴って該低圧室(S11L)の容積が増大し、第1吸入ポート(14a)の冷媒が外側圧縮室(S11)の低圧室(S11L)に吸入される。
そして、上記駆動軸(23)が一回転して再び図2(B)の状態になると、上記低圧室(S11L)への冷媒の吸入が完了する。そして、該低圧室(S11L)は、冷媒が圧縮される高圧室(S11H)となり、第1ブレード(33)を隔てて新たな低圧室(S11L)が形成される。駆動軸(23)がさらに回転すると、低圧室(S11L)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(S11H)の容積が減少し、該高圧室(S11H)で冷媒が圧縮される。高圧室(S11H)の圧力が所定値となって第1吐出ポート(15a)との差圧が設定値に達すると、吐出弁(図示なし)が開き、高圧室(S11H)の中間圧の冷媒が第1吐出ポート(15a)を通じて第1吐出管(15)へ流出する。
上記内側圧縮室(S12)では、図2(F)の状態で低圧室(S12L)の容積がほぼ最小となり、ここから駆動軸(23)が図の矢印の方向に回転して図2(G)〜図2(E)の状態へ変化するのに伴って、該低圧室(S12L)の容積が増大し、第1吸入ポート(14a)の冷媒が内側圧縮室(S12)の低圧室(S12L)へ吸入される。
そして、上記駆動軸(23)が一回転して再び図2(F)の状態になると、上記低圧室(S12L)への冷媒の吸入が完了する。そして、該低圧室(S12L)は、冷媒が圧縮される高圧室(S12H)となり、第1ブレード(33)を隔てて新たな低圧室(S12L)が形成される。駆動軸(23)がさらに回転すると、低圧室(S12L)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(S12H)の容積が減少し、該高圧室(S12H)で冷媒が圧縮される。高圧室(S12H)の圧力が所定値となって第1吐出ポート(15a)との差圧が設定値に達すると、吐出弁(図示なし)が開き、高圧室(S12H)の中間圧の冷媒が第1吐出ポート(15a)を通じて第1吐出管(15)へ流出する。
上記外側圧縮室(S11)では、ほぼ図2(E)のタイミングで冷媒の吐出が開始され、内側圧縮室(S12)でほぼ図2(A)のタイミングで吐出が開始される。つまり、外側圧縮室(S11)と内側圧縮室(S12)とでは、吐出のタイミングが略180°ずれている。第1吐出管(15)へ流出した中間圧の冷媒は、第2吸入管(16)に流入して第2圧縮機構(40)に吸入される。
第2圧縮機構(40)では、第1圧縮機構(30)とほぼ同様にして中間圧の冷媒が圧縮されて高圧冷媒となる。
電動機(20)を駆動すると、第2ピストン(42)の環状ピストン部材(42b)が第2ブレード(43)に沿って往復運動(進退動作)を行うと共に揺動運動を行う。その際、第2揺動ブッシュ(44)は、環状ピストン部材(42b)及び第2ブレード(43)に対して実質的に面接触をする。そして、環状ピストン部材(42b)が外側シリンダ部材(41b)及び内側シリンダ部材(41c)に対して揺動しながら公転し、第2圧縮機構(40)が圧縮動作を行う。
具体的には、外側圧縮室(S21)では、図2(B)の状態で低圧室(S21L)の容積がほぼ最小となり、ここから駆動軸(23)が図の矢印の方向に回転して図2(C)〜図2(A)の状態へ変化するのに伴って該低圧室(S21L)の容積が増大し、第2吸入ポート(16a)の冷媒が外側圧縮室(S21)の低圧室(S21L)に吸入される。
そして、上記駆動軸(23)が一回転して再び図2(B)の状態になると、上記低圧室(S21L)への冷媒の吸入が完了する。そして、該低圧室(S21L)は、冷媒が圧縮される高圧室(S21H)となり、第2ブレード(43)を隔てて新たな低圧室(S21L)が形成される。駆動軸(23)がさらに回転すると、低圧室(S21L)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(S21H)の容積が減少し、該高圧室(S21H)で冷媒が圧縮される。高圧室(S21H)の圧力が所定値となって第2吐出ポート(17a)との差圧が設定値に達すると、吐出弁(図示なし)が開き、高圧室(S21H)の高圧冷媒が第2吐出ポート(17a)を通じてケーシング(11)内の内部空間(S10)へ流出する。
上記内側圧縮室(S22)では、図2(F)の状態で低圧室(S22L)の容積がほぼ最小となり、ここから駆動軸(23)が図の矢印の方向に回転して図2(G)〜図2(E)の状態へ変化するのに伴って該低圧室(S22L)の容積が増大し、第2吸入ポート(16a)の冷媒が内側圧縮室(S22)の低圧室(S22L)に吸入される。
そして、上記駆動軸(23)が一回転して再び図2(F)の状態になると、上記低圧室(S22L)への冷媒の吸入が完了する。そして、該低圧室(S22L)は、冷媒が圧縮される高圧室(S22H)となり、第2ブレード(43)を隔てて新たな低圧室(S22L)が形成される。駆動軸(23)がさらに回転すると、低圧室(S22L)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(S22H)の容積が減少し、該高圧室(S22H)で冷媒が圧縮される。高圧室(S22H)の圧力が所定値となって第2吐出ポート(17a)を通じてケーシング(11)内の内部空間(S10)へ流出する。
上記外側圧縮室(S21)では、ほぼ図2(E)のタイミングで冷媒の吐出が開始され、内側圧縮室(S22)でほぼ図2(A)のタイミングで吐出が開始される。つまり、外側圧縮室(S21)と内側圧縮室(S22)とでは、吐出のタイミングが略180°ずれている。ケーシング(11)内の内部空間(S10)へ流出した高圧冷媒は、第2吐出管(図示なし)から吐出される。尚、冷媒回路において、回転式圧縮機(10)から吐出された冷媒は、凝縮工程および蒸発工程を経て、再び該回転式圧縮機(10)に吸入される。
一方、上記油溜まり(18)の潤滑油は、駆動軸(23)の下端の給油ポンプ(28)の遠心ポンプ作用により、該駆動軸(23)の給油溝内を上方へ押し上げられて、両圧縮機構(30,40)の摺動部や駆動軸(23)と両圧縮機構(30,40)との摺動部に供給される。そして、これらの摺動部に供給された潤滑油は、各摺動部の隙間を通って第1内側背圧空間(S3)及び第2内側背圧空間(S5)に流入する。
上記第1内側背圧空間(S3)は、内部空間(S10)に連通するとと共に、上記潤滑油が流入するため高圧圧力状態となる。また、同様に上記第2内側背圧空間(S5)は、内部空間(S10)に連通すると共に上記潤滑油が流入するため高圧圧力状態になる。
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、連結部(27)を大径にしたため、両偏心部(25,26)の荷重によって連結部(27)が撓むのを確実に防止することができる。これにより、駆動軸(23)全体の変形を抑えることができる。この結果、駆動軸(23)が軸受部材等と干渉するのを防止することができる。
また、連結部(27)を第1偏心部(26)、又は第2偏心部(25)よりも大径に形成したため、連結部(27)をさらに撓みにくくすることができる。これにより、駆動軸(23)全体の変形を抑えることができる。この結果、駆動軸(23)が軸受部材等と干渉するのを防止することができる。
続いて、第1及び第2ピストン(32,42)と連結部(27)との重なる領域に面取り部(27a)を形成したため、第1及び第2ピストン(32,42)の上下方向のがたつきや揺れによっても第1及び第2ピストン(32,42)と連結部(27)とが干渉するのを確実に防止することができる。
最後に第1圧縮機構(30)と第2圧縮機構(40)とで二段圧縮させるようにしたため、第1圧縮機構(30)と第2圧縮機構(40)との間の連結部(27)に加わる荷重が大きくなり、且つ両圧縮機構(30,40)における荷重のバランスも崩れやすくなる。このため、従来の駆動軸では、撓みや変形が生じ易くなる。しかしながら、連結部(27)を大径としたため、連結部(27)が撓んだり、変形したりするのを確実に防止することができる。この結果、駆動軸(23)が軸受部材等と干渉するのを確実に防止することができる。
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
本実施形態に係る連結部(27)の外径は一例であり、これに限られない。本実施形態では、具体的に連結部(27)の外径d3はミドルプレート(51)に形成された第1内側環状溝(52)よりも内側となる外径まで拡径することができる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、2つのシリンダを有する回転式圧縮機について有用である。
23 駆動軸
24 主軸部
25 上側偏心部
26 下側偏心部
27 連結部
27a 面取り部
30 第1圧縮機構
31 第1シリンダ
32 第1ピストン
40 第2圧縮機構
41 第2シリンダ
42 第2ピストン
S11,S21 外側圧縮室
S12,S22 内側圧縮室

Claims (4)

  1. 固定部材(31,41)と、該固定部材(31,41)に対して偏心回転可能に設けられた可動部材(32,42)とをそれぞれに備えた第1偏心回転機構(30)及び第2偏心回転機構(40)と、
    主軸部(24)と、該主軸部(24)の軸心に対して偏心して上記第1偏心回転機構(30)に係合する第1偏心部(26)と、上記主軸部(24)の軸心に対して偏心して上記第2偏心回転機構(40)に係合する第2偏心部(25)とを有する駆動軸(23)とを備え、
    上記第1及び第2偏心回転機構(30,40)の固定部材(31,41)と可動部材(32,42)との間に形成された圧縮室(S11,S12,S21,S22)で流体を圧縮する流体機械であって、
    上記駆動軸(23)は、第1偏心部(26)と第2偏心部(25)との間に、主軸部(24)よりも大径に形成された連結部(27)を備えている
    ことを特徴とする流体機械。
  2. 請求項1において、
    上記連結部(27)は、上記第1偏心部(26)、又は第2偏心部(25)よりも大径に形成されている
    ことを特徴とする流体機械。
  3. 請求項1又は2において、
    上記連結部(27)は、上記第1偏心部(26)及び第2偏心部(25)との少なくとも何れか一方の対向面において、平面視で可動部材(32,42)と重なる領域に低段部(27a)が形成されている
    ことを特徴とする流体機械。
  4. 請求項1〜3の何れか1つにおいて、
    上記第1偏心回転機構(30)は、低段側の圧縮機構を構成する一方、上記第2偏心回転機構(40)は、上記第1偏心回転機構(30)で圧縮された流体を圧縮する高段側の圧縮機構に構成され、両偏心回転機構(30,40)は、流体を二段圧縮するように構成されている
    ことを特徴とする流体機械。
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