JP5217818B2 - 回転式圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転式圧縮機に関し、特に、作動流体を二段階で圧縮する二段圧縮機構を備えた回転式圧縮機に関するものである。
従来より、シリンダ室を有するシリンダと該シリンダ室に偏心して収納されたピストンとを有し、該ピストンの偏心回転運動に伴うシリンダ室の容積変化によって流体を圧縮する圧縮機構を備えた回転式圧縮機が知られている。
例えば、特許文献1には、2つの圧縮機構を備えた圧縮機が開示されている。この特許文献1の圧縮機は、駆動モータと、該駆動モータに駆動される駆動軸と、該駆動軸に連結されて、上下二段に配置された第1と第2の圧縮機構を備えている。この圧縮機では、二段での圧縮動作が可能に構成されている。
また、特許文献2には、環状のシリンダ室を有するシリンダと、該シリンダ室に偏心して収納された環状ピストンとを有する圧縮機構を備えた圧縮機が開示されている。上記環状ピストンは、円環の一部分を分断したC型形状であり、圧縮機のケーシングに固定されたハウジングに一体形成されている。一方、上記シリンダは、圧縮機の駆動軸の偏心部に連結される一方、環状のシリンダ室の内周側の壁面から外周側の壁面まで環状ピストンの分断箇所を挿通して延在するようにブレードが一体形成されている。
そして、このブレードと環状ピストンとの間に揺動ブッシュが設けられており、該揺動ブッシュを介して環状ピストンとシリンダとが揺動自在に連結されている。
また、特許文献3には、固定スクロールと可動スクロールにより作動流体を圧縮する圧縮機構を有するスクロール圧縮機が開示されている。
特開昭64−010066号公報 特開2005−337012号公報 特開2007−315224号公報
ところで、特許文献2や特許文献3に示されている圧縮機構を、特許文献1に示されているように二段圧縮機構にして回転式圧縮機を構成することが考えられる。しかしながら、二段圧縮機構は一般に低段側の圧縮機構と高段側の圧縮機構のシリンダ容積(閉じ込み容積)が異なるため、各圧縮機構の環状ピストンや可動スクロールの遠心力が低段側と高段側で相違する。そのため、この遠心力の相違に起因して上記回転式圧縮機が振動するおそれがある。
本発明は、このような問題点に着目して創案されたものであり、その目的は、二段圧縮機構を備えた回転式圧縮機において、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構の遠心力の相違に起因して圧縮機が振動するのを抑えることである。
第1の発明は、作動流体を二段階で圧縮する二段圧縮機構(20,30)を備え、該二段圧縮機構(20,30)が有する第1圧縮機構(20)及び第2圧縮機構(30)が、それぞれクランク軸(53)に連結されて偏心回転動作をする圧縮要素(22,32)を備え、上記圧縮要素(22,32)が軸方向端部に鏡板(22c,32c)を有する回転式圧縮機を前提としている。
そして、この回転式圧縮機は、第1圧縮機構(20)の圧縮要素(22)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)の偏心部(53a)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値と、第2圧縮機構(30)の圧縮要素(32)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)の偏心部(53b)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値が、互いに同一になるように構成されている。
この第1の発明では、第1圧縮機構(20)の圧縮要素(22)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)の偏心部(53a)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値と、第2圧縮機構(30)の圧縮要素(32)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)の偏心部(53b)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値が、互いに同一になるように構成しているので、各圧縮機構(20,30)の環状ピストン(22,32)の遠心力が互いに同一になり、圧縮機の動作がより安定する。
また、第1の発明では、上記各圧縮機構(20,30)が、環状のシリンダ室を有するシリンダ(21,31)と、該シリンダ室を外側シリンダ室と内側シリンダ室に区画するように該シリンダ室に偏心して収納された上記圧縮要素としての環状ピストン(22,32)と、各シリンダ室を第1室と第2室とに区画するブレード(23,33)とを有し、上記第1圧縮機構(20)及び第2圧縮機構(30)が、上記環状ピストン(22,32)がシリンダ(21,31)に対して偏心回転運動をするように構成されている。
この第1の発明では、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)が環状ピストン(22,32)の内外にシリンダ室を有する構成において、各圧縮機構(20,30)の環状ピストン(22,32)とクランク軸偏心部(53a,53b)の遠心力の和が互いに同一の値となり、圧縮機の動作が安定する。
また、第1の発明では、上記第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)のシリンダ容積が相違するように構成されている。
この第1の発明では、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)が環状ピストン(22,32)の内外にシリンダ室を有し、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)のシリンダ容積が相違する構成において、各圧縮機構(20,30)の環状ピストン(22,32)の遠心力が互いに同一の値となり、圧縮機の動作が安定する。
第2の発明は、第1の発明において、上記第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)の環状ピストン(22,32)が、それぞれ、環状ピストン本体部(22b,32b)を有するとともにその軸方向端部に上記鏡板(22c,32c)が形成され、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)の一方は、環状ピストン本体部(22b,32b)の軸方向長さ寸法が他方より小さいとき、鏡板(22c,32c)の厚さ寸法が他方より大きい値となるように構成されていることを特徴としている。
この第2の発明では、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)の一方の環状ピストン本体部(22b,32b)の軸方向長さ寸法が他方より小さいとき、鏡板(22c,32c)の厚さ寸法が他方より大きい値となるように構成しているので、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)の環状ピストン(22,32)の質量をバランスさせることができる。そのため、第1圧縮機構(20)(70)の圧縮要素(22)(72)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)(93)の偏心部(53a)(93a)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値と、第2圧縮機構(30)(80)の圧縮要素(32)(82)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)(93)の偏心部(53b)(93b)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値が、同一の値となり、圧縮機の動作が安定する。
第3の発明は、第1または第2の発明において、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)が、鏡板(22c,32c)の背面同士が接触する配置となるように構成されていることを特徴としている。
この第3の発明では、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)の遠心力が偶力の関係になるが、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)の鏡板(22c,32c)の背面同士が接触しているため、偶力間の平行距離が小さな値になる。
第4の発明は、作動流体を二段階で圧縮する二段圧縮機構(70,80)を備え、該二段圧縮機構(70,80)が有する第1圧縮機構(70)及び第2圧縮機構(80)が、それぞれクランク軸(93)に連結されて偏心回転動作をする圧縮要素(72,82)を備え、上記圧縮要素(72,82)が軸方向端部に鏡板(72b,82b)を有する回転式圧縮機であって、第1圧縮機構(70)の圧縮要素(72)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(93)の偏心部(93a)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値と、第2圧縮機構(80)の圧縮要素(82)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(93)の偏心部(93b)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値が、互いに同一になるように構成されている。
また、第4の発明は、上記各圧縮機構(70,80)が、渦巻き状の固定側ラップ(71a,81a)を有する固定スクロール(71,81)と、該固定スクロール(71,81)の固定側ラップ(71a,81a)に噛み合う渦巻き状の可動側ラップ(72a,82a)を有する上記圧縮要素としての可動スクロール(72,82)とを有し、上記第1圧縮機構(70)及び第2圧縮機構(80)が、上記可動スクロール(72,82)が固定スクロール(71,81)に対して偏心回転運動をするように構成されている。
この第4の発明では、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)がスクロール圧縮機構である構成において、各圧縮機構(70,80)の可動スクロール(72,82)と偏心部(93a,93b)の遠心力の和が互いに同一の値となり、圧縮機の動作が安定する。
また、第4の発明は、上記第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の閉じ込み容積が相違するように構成されている。
この第4の発明では、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)がスクロール圧縮機構であり、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の閉じ込み容積が相違する構成において、各圧縮機構(70,80)の可動スクロール(72,82)と偏心部(93a,93b)の遠心力の和が互いに同一の値となり、圧縮機の動作が安定する。
また、第4の発明は、上記第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の可動スクロール(72,82)が、それぞれ、上記可動側ラップ(72a,82a)の軸方向端部に上記鏡板(72b,82b)が形成され、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の一方は、可動側ラップ(72a,82a)の軸方向長さ寸法が他方より小さいとき、鏡板(72b,82b)の厚さ寸法が他方より大きい値となるように構成されている。
この第4の発明では、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の一方の可動側ラップ(72a,82a)の軸方向長さ寸法が他方より小さいとき、鏡板(72b,82b)の厚さ寸法が他方より大きい値となるように構成しているので、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の可動スクロール(72,82)の質量をバランスさせることができる。そのため、第1圧縮機構(20)(70)の圧縮要素(22)(72)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)(93)の偏心部(53a)(93a)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値と、第2圧縮機構(30)(80)の圧縮要素(32)(82)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)(93)の偏心部(53b)(93b)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値が、同一の値となり、圧縮機の動作が安定する。
第5の発明は、第4の発明において、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)が、鏡板(72b,82b)の背面同士が接触する配置となるように構成されていることを特徴としている。
この第5の発明では、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の遠心力が偶力の関係になるが、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の鏡板(72b,82b)の背面同士が接触しているため、偶力間の平行距離が小さな値になる。
本発明によれば、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構を構成する第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)について、第1圧縮機構(20)の圧縮要素(22)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)の偏心部(53a)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値と、第2圧縮機構(30)の圧縮要素(32)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)の偏心部(53b)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値が、互いに同一になるように構成して、各圧縮機構(20,30)の環状ピストン(22,32)の遠心力が互いに同一になるようにしている。したがって、圧縮機の動作が安定し、二段圧縮機構(20,30)を備えた回転式圧縮機において、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構の遠心力の相違に起因して圧縮機が振動するのを確実に抑えられる。
また、第1の発明によれば、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)が環状ピストン(22,32)の内外にシリンダ室を有する構成において、各圧縮機構(20,30)の環状ピストン(22,32)の遠心力が互いに同一の値となり、圧縮機の動作が安定する。
また、第1の発明によれば、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)が環状ピストン(22,32)の内外にシリンダ室を有し、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)のシリンダ容積が相違する構成において、各圧縮機構(20,30)の環状ピストン(22,32)の遠心力が互いに同一となり、圧縮機の動作が安定する。
上記第2の発明によれば、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)の一方の環状ピストン本体部(22b,32b)の軸方向長さ寸法が他方より小さいとき、鏡板(22c,32c)の厚さ寸法が他方より大きい値となるように構成しているので、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)の環状ピストン本体部(22b,32b)の質量をバランスさせることができる。そのため、第1圧縮機構(20)の圧縮要素(22)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)の偏心部(53a)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値と、第2圧縮機構(30)の圧縮要素(32)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)の偏心部(53b)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値が、同一となり、圧縮機の動作が安定する。したがって、圧縮機の振動を抑えられるし、鏡板(22c,32c)の厚さ寸法を調整するだけでよいので振動を抑えるための構成が複雑になるのも防止できる。
上記第3の発明によれば、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)の遠心力が偶力の関係になるが、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)の鏡板(22c,32c)の背面同士が接触しているため、偶力間の平行距離が小さな値になる。そのため、圧縮機構の動作を不安定にする力の発生を抑えられる。
上記第4の発明によれば、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)がスクロール圧縮機構であり、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の閉じ込み容積が相違する構成において、各圧縮機構(70,80)の可動スクロール(72,82)の遠心力が互いに同一の値となり、圧縮機の動作が安定する。したがって、第1の発明と同様に圧縮機の振動を抑えられる。
また、上記第4の発明によれば、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の一方の可動側ラップ(72a,82a)の軸方向長さ寸法が他方より小さいとき、鏡板(72b,82b)の厚さ寸法が他方より大きい値となるように構成しているので、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の可動スクロール(72,82)の質量をバランスさせることができる。そのため、第1圧縮機構(70)の圧縮要素(72)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(93)の偏心部(93a)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値と、第2圧縮機構(80)の圧縮要素(82)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(93)の偏心部(93b)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値が、同一の値となり、圧縮機の動作が安定する。したがって、圧縮機の振動を抑えられるし、鏡板(72b,82b)の厚さ寸法を調整するだけでよいので振動を抑えるための構成が複雑になるのも防止できる。
上記第5の発明によれば、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の遠心力が偶力の関係になるが、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の鏡板(72b,82b)の背面同士が接触しているため、偶力間の平行距離が小さな値になる。そのため、圧縮機構の動作を不安定にする力の発生を抑えられる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
図1は、この実施形態1に係る回転式圧縮機(1)の縦断面図、図2は第1圧縮機構(20)の横断面図、図3は第1圧縮機構(20)の動作状態図である。なお、第2圧縮機構(30)の横断面図及び動作状態図は、第1圧縮機構(20)と実質的に同一であるため図2に第2圧縮機構の符号を記入して詳細は省略している。また、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)は位相が180°異なるが、図では便宜上、同一位相で表している。
この実施形態1は、圧縮機(1)の冷媒(作動流体)として二酸化炭素を用い、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)で冷媒を二段階に圧縮する二段圧縮機構を構成した例である。
図1に示すように、この圧縮機(1)は、ケーシング(10)内に、第1圧縮機構(20)、第2圧縮機構(30)及び電動機(駆動機構)(50)が収納されたものであって、全密閉型に構成されている。上記圧縮機(1)は、例えば、空気調和装置の冷媒回路において、蒸発器から吸入した冷媒を圧縮して、凝縮器へ吐出するために用いられる。また、第1圧縮機構(20)が低段側圧縮機構、第2圧縮機構(30)が高段側圧縮機構になっている。
ケーシング(10)は、円筒状の胴部(11)と、この胴部(11)の上端部に固定された上部鏡板(12)と、胴部(11)の下端部に固定された下部鏡板(13)とから構成されている。胴部(11)の下方の位置には、第1吸入管(14a)と第1吐出管(15a)が第1圧縮機構(20)の吸入管及び吐出管として設けられている。また、胴部(11)には、第1吸入管(14a)よりも若干上方位置に第2吸入管(14b)が、上方の位置に第2吐出管(15b)が、それぞれ第2圧縮機構(30)の吸入管及び吐出管として設けられている。
上記第1圧縮機構(20)及び第2圧縮機構(30)は上下二段に重ねられて、ケーシング(10)に固定されたフロントヘッド(16)とリアヘッド(17)との間に構成されている。なお、第2圧縮機構(30)が電動機側(図1の上側)に配置され、第1圧縮機構(20)がケーシング(10)の底部側(図1の下側)に配置されている。また、フロントヘッド(16)とリアヘッド(17)の間には、ミドルプレート(19)が設けられている。
上記第1圧縮機構(20)は、環状の第1シリンダ室(C1,C2)を有する第1シリンダ(21)と、該第1シリンダ室(C1,C2)内に配置された第1環状ピストン(22)と、図2及び図3に示すように第1シリンダ室(C1,C2)を第1室である高圧室(圧縮室)(C1-Hp,C2-Hp)と第2室である低圧室(吸入室)(C1-Lp,C2-Lp)とに区画する第1ブレード(23)とを有している。
一方、上記第2圧縮機構(30)は、該第1圧縮機構(20)に対して上下反転している。該第2圧縮機構(30)は、環状の第2シリンダ室(C3,C4)を有する第2シリンダ(31)と、該第2シリンダ室(C3,C4)内に配置された第2環状ピストン(32)と、第2シリンダ室(C3,C4)を第1室である高圧室(図示なし)と第2室である低圧室(図示なし)とに区画する第2ブレード(33)とを有している。
この実施形態では、フロントヘッド(16)が第2シリンダ(31)を構成し、リアヘッド(17)が第1シリンダ(21)を構成している。また、本実施形態では、第1シリンダ室(C1,C2)を有する第1シリンダ(21)、第2シリンダ室(C3,C4)を有する第2シリンダ(31)が固定側で、第1環状ピストン(22)、第2環状ピストン(32)が可動側であり、第1環状ピストン(22)が第1シリンダ(21)に対して偏心回転運動をし、第2環状ピストン(32)が第2シリンダ(31)に対して偏心回転運動をするように構成されている。
電動機(50)は、ステータ(51)とロータ(52)とを備えている。ステータ(51)は、第2圧縮機構(30)の上方に配置され、ケーシング(10)の胴部(11)に固定されている。ロータ(52)には駆動軸(クランク軸)(53)が連結されていて、該駆動軸(53)がロータ(52)とともに回転するように構成されている。駆動軸(53)は、上記第1シリンダ室(C1,C2)と上記第2シリンダ室(C3,C4)とを上下方向に貫通している。
上記駆動軸(53)には、該駆動軸(53)の内部を軸方向にのびる給油路(図示省略)が設けられている。また、駆動軸(53)の下端部には、給油ポンプ(54)が設けられている。そして、上記給油路は、該給油ポンプ(54)から上方へのびている。この構成により、ケーシング(10)内の底部に貯まる潤滑油を、この給油ポンプ(54)で上記給油路を通じて第1圧縮機構(20)の摺動部及び第2圧縮機構(30)の摺動部に供給するようにしている。
駆動軸(53)には、第1シリンダ室(C1,C2)の中に位置する部分に第1偏心部(53a)が形成され、第2シリンダ室(C3,C4)の中に位置する部分に第2偏心部(53b)が形成されている。第1偏心部(53a)は、該第1偏心部(53a)の下方の部分よりも大径に形成され、駆動軸(53)の軸心から所定量だけ偏心している。上記第2偏心部(53b)は、上記第1偏心部(53a)と同径に形成され、第1偏心部(53a)と同じ量だけ駆動軸(53)の軸心から偏心している。なお、第1偏心部(53a)と上記第2偏心部(53b)とは、駆動軸(53)の軸心を中心として互いに180°位相がずれている。
上記第1環状ピストン(22)は、一体的に形成した部材であって、駆動軸(53)の第1偏心部(53a)に摺動自在に嵌合する第1軸受部(22a)と、第1軸受部(22a)の外周側で該第1軸受部(22a)と同心上に位置する第1環状ピストン本体部(22b)と、第1軸受部(22a)と第1環状ピストン本体部(22b)とを連接する第1ピストン側鏡板(鏡板)(22c)とを備え、第1環状ピストン本体部(22b)は、円環の一部分が分断されたC型形状に形成されている。
上記第2環状ピストン(32)は、上記第1環状ピストン(22)と同様に、一体的に形成した部材であって、駆動軸(53)の第2偏心部(53b)に摺動自在に嵌合する第2軸受部(32a)と、第2軸受部(32a)の外周側で該第2軸受部(32a)と同心上に位置する第2環状ピストン本体部(32b)と、第2軸受部(32a)と第2環状ピストン本体部(32b)とを連接する第2ピストン側鏡板(鏡板)(32c)とを備え、第2環状ピストン本体部(32b)は、円環の一部分が分断されたC型形状に形成されている。
上記第1シリンダ(21)は、第1軸受部(22a)と第1環状ピストン本体部(22b)との間で駆動軸(53)と同心上に位置する第1内側シリンダ部(21b)と、第1環状ピストン本体部(22b)の外周側で第1内側シリンダ部(21b)と同心上に位置する第1外側シリンダ部(21a)と、第1内側シリンダ部(21b)と第1外側シリンダ部(21a)とを連接する第1シリンダ側鏡板(21c)とを備えている。
上記第2シリンダ(31)は、第2軸受部(32a)と第2環状ピストン本体部(32b)との間で駆動軸(53)と同心上に位置する第2内側シリンダ部(31b)と、第2環状ピストン本体部(32b)の外周側で第2内側シリンダ部(31b)と同心上に位置する第2外側シリンダ部(31a)と、第2内側シリンダ部(31b)と第2外側シリンダ部(31a)とを連接する第2シリンダ側鏡板(31c)とを備えている。
フロントヘッド(16)とリアヘッド(17)には、それぞれ上記駆動軸(53)を支持するための軸受け部(16a,17a)が形成されている。このように、本実施形態の圧縮機(1)は、上記駆動軸(53)が上記第1シリンダ室(C1,C2)及び上記第2シリンダ室(C3,C4)を上下方向に貫通し、第1偏心部(53a)及び第2偏心部(53b)の軸方向両側部分が軸受部(16a,17a)を介してケーシング(10)に保持される貫通軸構造となっている。
次に、第1、第2圧縮機構(20,30)の内部構造について説明するが、後述するように環状ピストン(22,32)の軸方向長さ寸法とそれに対応するシリンダ(21,31)の軸方向長さ寸法を除いては互いに実質的に同一の構成であるため、第1圧縮機構(20)を代表例として説明する。
上記第1圧縮機構(20)は、図2に示すように、上記第1ブレード(23)に対して第1環状ピストン(22)を該第1環状ピストン(22)の分断箇所において揺動可能に連結する連結部材として、第1揺動ブッシュ(27)を備えている。上記第1ブレード(23)は、第1シリンダ室(C1,C2)の径方向線上で、第1シリンダ室(C1,C2)の内周側の壁面(第1内側シリンダ部(21b)の外周面)から外周側の壁面(第1外側シリンダ部(21a)の内周面)まで、第1環状ピストン(22)の分断箇所を挿通して延在するように構成され、第1外側シリンダ部(21a)及び第1内側シリンダ部(21b)に固定されている。なお、第1ブレード(23)は、第1外側シリンダ部(21a)及び第1内側シリンダ部(21b)と一体的に形成してもよいし、別部材を両シリンダ部(21a,21b)に取り付けてもよい。図2に示す例は、別部材を両シリンダ部(21a,21b)に固定した例である。
第1外側シリンダ部(21a)の内周面と第1内側シリンダ部(21b)の外周面は、互いに同一中心上に配置された円筒面であり、その間に上記第1シリンダ室(C1,C2)が形成されている。上記第1環状ピストン(22)は、外周面が第1外側シリンダ部(21a)の内周面よりも小径で、内周面が第1内側シリンダ部(21b)の外周面よりも大径に形成されている。このことにより、第1環状ピストン(22)の外周面と第1外側シリンダ部(21a)の内周面との間に第1外側シリンダ室(C1)が形成され、第1環状ピストン(22)の内周面と第1内側シリンダ部(21b)の外周面との間に第1内側シリンダ室(C2)が形成されている。
具体的には、第1シリンダ側鏡板(21c)と第1ピストン側鏡板(22c)と第1外側シリンダ部(21a)と第1環状ピストン本体部(22b)との間に第1外側シリンダ室(C1)が形成され、第1シリンダ側鏡板(21c)と第1ピストン側鏡板(22c)と第1内側シリンダ部(21b)と第1環状ピストン本体部(22b)との間に第1内側シリンダ室(C2)が形成されている。また、第1シリンダ側鏡板(21c)と第1ピストン側鏡板(22c)と第1環状ピストン(22)の第1軸受部(22a)と第1内側シリンダ部(21b)との間には、第1内側シリンダ部(21b)の内周側で第1軸受部(22a)の偏心回転動作を許容するための動作空間(25)が形成されている。
また、第1環状ピストン(22)と第1シリンダ(21)は、第1環状ピストン(22)の外周面と第1外側シリンダ部(21a)の内周面とが1点で実質的に接する状態(厳密にはミクロンオーダーの隙間があるが、その隙間での冷媒の漏れが問題にならない状態)において、その接点と位相が180°異なる位置で、第1環状ピストン(22)の内周面と第1内側シリンダ部(21b)の外周面とが1点で実質的に接するようになっている。
上記第1揺動ブッシュ(27)は、第1ブレード(23)に対して高圧室(中間圧室)(C1-Hp,C2-Hp)側に位置する吐出側ブッシュ(27A)と、第1ブレード(23)に対して低圧室(C1-Lp,C2-Lp)側に位置する吸入側ブッシュ(27B)とから構成されている。吐出側ブッシュ(27A)と吸入側ブッシュ(27B)は、いずれも断面形状が略半円形で同一形状に形成され、フラット面同士が対向するように配置されている。そして、両ブッシュ(27A,27B)の対向面の間のスペースがブレード溝(28)を構成している。
このブレード溝(28)に第1ブレード(23)が挿入され、第1揺動ブッシュ(27A,27B)のフラット面が第1ブレード(23)と実質的に面接触し、第1揺動ブッシュ(27A,27B)の円弧状の外周面が第1環状ピストン(22)と実質的に面接触している。第1揺動ブッシュ(27A,27B)は、ブレード溝(28)に第1ブレード(23)を挟んだ状態で、第1ブレード(23)の面方向に進退するように構成されている。また、第1揺動ブッシュ(27A,27B)は、第1環状ピストン(22)が第1ブレード(23)に対して揺動するように構成されている。したがって、上記第1揺動ブッシュ(27)は、該第1揺動ブッシュ(27)の中心点を揺動中心として上記第1環状ピストン(22)が第1ブレード(23)に対して揺動可能となり、かつ上記第1環状ピストン(22)が第1ブレード(23)に対して該第1ブレード(23)の面方向へ進退可能となるように構成されている。
なお、この実施形態では両ブッシュ(27A,27B)を別体とした例について説明したが、両ブッシュ(27A,27B)は、一部で連結することにより一体構造としてもよい。
以上の構成において、駆動軸(53)が回転すると、第1環状ピストン(22)は、第1揺動ブッシュ(27)が第1ブレード(23)に沿って進退しながら、第1揺動ブッシュ(27)の中心点を揺動中心として揺動する。また、駆動軸(53)が回転すると、第2環状ピストン(32)も、第1環状ピストン(22)と同じように、第2揺動ブッシュ(37)の中心点を揺動中心として揺動する。
この揺動動作により、第1環状ピストン(22)と第1シリンダ(21)との第1接触点が図3(A)から図3(H)へ順に移動する。一方、第2環状ピストン(32)と第2シリンダ(31)との第2接触点は、第1接触点に対して駆動軸(53)の軸心回りに180°ずれている。つまり、駆動軸(53)の上側から見て、第1圧縮機構(20)の動作状態が図3(A)のとき、第2圧縮機構(30)の動作状態は図3(E)となる。
なお、図3は第1圧縮機構(20)の動作状態を表す図であり、図3(A)から図3(H)まで45°間隔で第1環状ピストン(22)が図の時計回り方向に移動している様子を表している。このとき、上記第1環状ピストン(22)は駆動軸(53)の周りを公転するが、自転はしない。
第1圧縮機構(20)は、低圧冷媒を吸入する上記第1吸入管(14a)と、中間圧冷媒を吐出する上記第1吐出管(15a)とを有している。リアヘッド(17)には、上記第1吸入管(14a)が接続される第1吸入口(41a)が第1外側シリンダ室(C1)の低圧室に連通するように形成されている。また、リヤヘッド(17)の第1吸入口(41a)は、第1内側シリンダ室(C2)の低圧室に第1導入通路(42a)を介して連通している。そして、第1吸入管(14a)は、リアヘッド(17)に固定され、第1圧縮機構(20)のシリンダ室(C1,C2)に連通している。
リアヘッド(17)には、第1圧縮機構(20)のシリンダ室(C1,C2)に連通する中間吐出空間(17b)が形成されている。第1圧縮機構(20)で圧縮された中間圧の冷媒は、図2に示す外側吐出口(45)及び内側吐出口(46)と、これらを開閉する吐出弁(図示せず)を介して中間吐出空間(17b)に吐出される。また、リアヘッド(17)には、ケーシング(10)の胴部(11)を貫通する上記第1吐出管(15a)が固定され、この第1吐出管(15a)は、内側端部がリアヘッド(17)の中間吐出空間(17b)に開口するとともに、外側端部が冷媒回路の中間圧冷媒配管(図示せず)に接続されている。
第2圧縮機構(30)は、中間圧冷媒を吸入する上記第2吸入管(14b)を有している。フロントヘッド(16)には、上記第2吸入管(14b)が接続される第2吸入口(41b)が第2外側シリンダ室(C1)の低圧室に連通するように形成されている。また、フロントヘッド(16)の第2吸入口(41b)は、第1内側シリンダ室(C2)の低圧室(C2-Lp)に第2導入通路(42b)を介して連通している。そして、第2吸入管(14b)は、フロントヘッド(16)に固定され、第2圧縮機構(30)のシリンダ室(C3,C4)に連通している。また、第2吸入管(14b)には、中間圧冷媒を第1圧縮機構(20)にインジェクションするためのインジェクション配管(14c)が接続されている。
第2圧縮機構(30)のシリンダ室(C3,C4)で圧縮された高圧の冷媒は、吐出口(45b,46b)及び吐出弁(図示せず)を介して吐出空間(49)に吐出され、この吐出空間(49)からケーシング(10)内の高圧空間(11a)に流出する。ケーシング(10)内に充満した高圧冷媒は、ケーシング(10)の上部に設けられている第2吐出管(15b)から冷媒回路の高圧ガス管に吐出される。
吐出空間(49)は、フロントヘッド(16)とカバー部材(18)との間に形成されている。上記カバー部材(18)は、第2圧縮機構(30)からの吐出ガスを、一旦上記吐出空間(49)に吐出させた後、カバー部材(18)と軸受部(16a)との間の吐出開口を通じてケーシング(10)内の高圧空間(11a)に流出させて消音機能を得るためのマフラ機構を構成している。
この実施形態1では第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)により二段圧縮機構が構成され、高段側である第2圧縮機構(30)のシリンダ容積が、低段側である第1圧縮機構(20)のシリンダ容積より小さくなっている。そのため、図4に詳細に示すように、第2環状ピストン本体部(32b)の軸方向長さ寸法L2が第1環状ピストン本体部(22b)の軸方向長さ寸法L1より小さい。一方、第2ピストン側鏡板(32c)の厚さ寸法t2は第1ピストン側鏡板(22c)の厚さ寸法t1より大きい。こうすることにより、第1環状ピストン(22)と第2環状ピストン(32)の質量をバランスさせ、第1圧縮機構(20)で発生する遠心力の大きさと第2圧縮機構(30)で発生する遠心力の大きさが等しくなるようにしている。具体的には、第1圧縮機構(20)の圧縮要素(環状ピストン)(22)の軸中心から重心までの距離と質量の積と駆動軸(クランク軸)(53)の偏心部(53a)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値と、第2圧縮機構(30)の圧縮要素(環状ピストン)(32)の軸中心から重心までの距離と質量の積と駆動軸(クランク軸)(53)の偏心部(53b)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値が、互いに同一になるように構成されている。
−運転動作−
次に、この圧縮機(1)の運転動作について説明する。ここで、第1、第2圧縮機構(20,30)の動作は、位相が互いに180°異なる状態で行われる。
電動機(50)を起動すると、低段側圧縮機構である第1圧縮機構(20)では、ロータ(52)の回転が駆動軸(53)を介して第1環状ピストン(22)に伝達される。そうすると、第1揺動ブッシュ(27A,27B)が第1ブレード(23)に沿って往復運動(進退動作)を行い、かつ、第1環状ピストン(22)と第1揺動ブッシュ(27A,27B)が一体的になって第1ブレード(23)に対して揺動動作を行う。その際、第1揺動ブッシュ(27A,27B)は、第1環状ピストン(22)及び第1ブレード(23)に対して実質的に面接触をする。そして、第1環状ピストン(22)が第1外側シリンダ部(21a)及び第1内側シリンダ部(21b)に対して揺動しながら公転し、第1圧縮機構(20)が所定の圧縮動作を行う。
具体的に、第1外側シリンダ室(C1)では、図3(B)の状態で低圧室(C1-Lp)の容積がほぼ最小であり、ここから駆動軸(53)が図の右回りに回転して図3(C)〜図3(A)の状態へ変化するのに伴って該低圧室(C1-Lp)の容積が増大するときに、冷媒が、第1吸入管(14a)を通って該低圧室(C1-Lp)に吸入される。
駆動軸(53)が一回転して再び図3(B)の状態になると、上記低圧室(C1-Lp)への冷媒の吸入が完了する。そして、この低圧室(C1-Lp)は今度は冷媒が圧縮される高圧室(中間圧室)(C1-Hp)となり、第1ブレード(23)を隔てて新たな低圧室(C1-Lp)が形成される。駆動軸(53)がさらに回転すると、上記低圧室(C1-Lp)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(中間圧室)(C1-Hp)の容積が減少し、該高圧室(中間圧室)(C1-Hp)で冷媒が圧縮される。高圧室(中間圧室)(C1-Hp)の圧力が所定値となって中間吐出空間(17b)との差圧が設定値に達すると、該高圧室(中間圧室)(C1-Hp)の中間圧冷媒によって吐出弁が開き、中間圧冷媒が中間吐出空間(17b)から第1吐出管(15a)を通ってケーシング(10)から流出する。
第1内側シリンダ室(C2)では、図3(F)の状態で低圧室(C2-Lp)の容積がほぼ最小であり、ここから駆動軸(53)が図の右回りに回転して図3(G)〜図3(E)の状態へ変化するのに伴って該低圧室(C2-Lp)の容積が増大するときに、冷媒が、第1吸入管(14a)及び第1導入通路(42a)を通って第1内側シリンダ室(C2)の低圧室(C2-Lp)へ吸入される。
駆動軸(53)が一回転して再び図3(F)の状態になると、上記低圧室(C2-Lp)への冷媒の吸入が完了する。そして、この低圧室(C2-Lp)は今度は冷媒が圧縮される高圧室(中間圧室)(C1-Hp)となり、第1ブレード(23)を隔てて新たな低圧室(C2-Lp)が形成される。駆動軸(53)がさらに回転すると、上記低圧室(C2-Lp)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(中間圧室)(C2-Hp)の容積が減少し、該高圧室(中間圧室)(C2-Hp)で冷媒が圧縮される。高圧室(中間圧室)(C2-Hp)の圧力が所定値となって中間吐出空間(17b)との差圧が設定値に達すると、該高圧室(中間圧室)(C2-Hp)の中間圧冷媒によって吐出弁が開き、中間圧冷媒が中間吐出空間(17b)から第1吐出管(15a)を通ってケーシング(10)から流出する。
第1外側シリンダ室(C1)ではほぼ図3(E)のタイミングで冷媒の吐出が開始され、第1内側シリンダ室(C2)ではほぼ図3(A)のタイミングで吐出が開始される。つまり、第1外側シリンダ室(C1)と第1内側シリンダ室(C2)とでは、吐出のタイミングがほぼ180°異なっている。第1外側シリンダ室(C1)と第1内側シリンダ室(C2)で圧縮されてケーシング(10)から流出した中間圧の冷媒は、第2吸入管(14b)から高段側圧縮機構である第2圧縮機構(30)に吸入される。
第2圧縮機構(30)では、ロータ(52)の回転が駆動軸(53)を介して第2環状ピストン(32)に伝達される。そうすると、第2揺動ブッシュ(37)が第2ブレード(33)に沿って往復運動(進退動作)を行い、かつ、第2環状ピストン(32)と第2揺動ブッシュが一体的になって第2ブレード(33)に対して揺動動作を行う。その際、第2揺動ブッシュ(37)は、第2環状ピストン(22)及び第2ブレード(33)に対して実質的に面接触をする。そして、第2環状ピストン(32)が第2外側シリンダ部(31a)及び第2内側シリンダ部(31b)に対して揺動しながら公転し、第2圧縮機構(30)が所定の圧縮動作を行う。
圧縮動作は、圧力が高いのを除いては実質的に第1圧縮機構(20)の圧縮動作と同じであり、中間圧冷媒がシリンダ室(C3,C4)内で圧縮されて高圧冷媒になる。第2内側シリンダ室(C4)と第2外側シリンダ室(C3)において、高圧室(C3-Hp,C4-Hp)の圧力が所定値となって吐出空間(49)との差圧が設定値に達すると、該高圧室(C3-Hp,C4-Hp)の高圧冷媒によって吐出弁が開き、高圧冷媒がフロントヘッド(16)の吐出口及び吐出弁を介して吐出空間(49)に流出する。吐出空間(49)の高圧冷媒はさらにケーシング(10)内の高圧空間に流出する。そして、ケーシング(10)の上部に設けられている第2吐出管(15b)を通ってケーシング(10)から流出し、冷媒回路で凝縮行程、膨張行程、及び蒸発行程を経た後、再度圧縮機(1)に吸入される。
−実施形態1の効果−
本実施形態によれば、第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)のシリンダ容積が異なる二段圧縮機構において、第2環状ピストン本体部(32b)の軸方向長さ寸法L2を第1環状ピストン本体部(22b)の軸方向長さ寸法L1よりも短くする一方で、第2ピストン側鏡板(32c)の厚さ寸法t2を第1ピストン側鏡板(22c)の厚さ寸法t1よりも大きくすることによって、両環状ピストンの質量をバランスさせ、遠心力の大きさを第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)で合わせるようにしている。そのため、第1偏心部(53a)と上記第2偏心部(53b)とが、駆動軸(53)の軸心を中心として互いに180°位相がずれていることと相まって、各圧縮機構に発生する遠心力同士が打ち消し合う。したがって、二段圧縮の圧縮機(1)において、第1及び第2圧縮機構(20,30)の遠心力に起因する振動を低減することができる。
−実施形態1の変形例−
(変形例1)
上記実施形態1では、第2環状ピストン本体部(32b)の軸方向長さ寸法L2を第1環状ピストン本体部(22b)の軸方向長さ寸法L1より小さくすることにより第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)のシリンダ容積を異ならせるようにしているが、シリンダ容積は、第1環状ピストン本体部(22b)や第2環状ピストン本体部(32b)の径寸法で調整してもよい。
(変形例2)
また、この実施形態1では、第2圧縮機構(30)のシリンダ容積が第1圧縮機構(20)のシリンダ容積より小さい二段圧縮機構を採用しているが、中間圧冷媒のインジェクション量を増やすことにより、第2圧縮機構(30)のシリンダ容積が第1圧縮機構(20)のシリンダ容積と同じになったり、第2圧縮機構(30)のシリンダ容積が第1圧縮機構(20)のシリンダ容積より大きくなったりする構成にすることも可能である。両圧縮機構(20,30)のシリンダ容積が同じ場合は各圧縮機構(20,30)に同一構成(同一形状、同一寸法)の部品を用いればよく、第2圧縮機構(30)のシリンダ容積が第1圧縮機構(20)のシリンダ容積より大きい場合は、上記とは逆に、第2環状ピストン本体部(32b)の軸方向長さ寸法L2を第1環状ピストン本体部(22b)の軸方向長さ寸法L1より長くする一方で、第2ピストン側鏡板(32c)の厚さ寸法t2を第1ピストン側鏡板(22c)の厚さ寸法t1より小さくして遠心力の大きさを合わせるとよい。
(変形例3)
また、他の変形例として、第1環状ピストン(22)と第2環状ピストン(32)で遠心力を合わせるためには、図5に示すように、第1ピストン側鏡板(22c)に第1面取り(22z)を、第2ピストン側鏡板(32c)に第2面取り(32z)を形成し、第1面取り(22z)を第2面取り(32z)よりも大きくして、第1面取り(22z)を減量部として構成してもよい。なお、第2面取り(32z)は必ずしも形成しなくてもよい。
さらに、第1環状ピストン(22)と第2環状ピストン(32)で遠心力を合わせるためには、図6に示すように、第1ピストン側鏡板(22c)と第2ピストン側鏡板(32c)の厚さt1,t2を同じ寸法に形成する一方、第1ピストン側鏡板(22c)の外径寸法D1を第2ピストン側鏡板(32c)の外径寸法D2より小さくしてもよい。また、板厚調整と外径調整を組み合わせて遠心力を合わせるようにしてもよい。
(変形例4)
また、上記実施形態では、第1環状ピストン(22)と第2環状ピストン(32)の間にミドルプレート(19)が介在するように圧縮機構を構成しているが、偶力によるアンバランスを小さくするために、ミドルプレート(19)を設けずに第1環状ピストン(22)と第2環状ピストン(32)の鏡板の背面同士が接触するように構成してもよい。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。
実施形態2は、二段圧縮機構を備えたスクロール圧縮機(2)に関するものである。
図7に示すように、このスクロール圧縮機(2)は、ケーシング(60)と、このケーシング(60)内に設けられたスクロール式の二段圧縮機構(70,80)と、この二段圧縮機構(70,80)を駆動するようにケーシング(60)内に設けられた電動機(90)とを備えている。
ケーシング(60)は、円筒状の胴部(61)と、この胴部(61)の上端に固定された上部鏡板(62)と、胴部(61)の下端に固定された下部鏡板(63)とから構成されている。上記圧縮機構(70,80)は胴部(61)の上端部に固定され、電動機(90)は圧縮機構(70,80)の下方に固定されている。
上記電動機(90)は、ケーシング(60)の胴部(61)に固定されたステータ(91)と、このステータ(91)の内側に配置されたロータ(92)とから構成されている。ロータ(92)には駆動軸(クランク軸)(93)が連結されている。この駆動軸(93)は、上記圧縮機構(70,80)を駆動するために、該圧縮機構(70,80)に連結されている。
上記圧縮機構(70,80)は、それぞれがスクロール式圧縮機構である第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)とから構成されている。第1圧縮機構(70)が低段側圧縮機構、第2圧縮機構(80)が高段側圧縮機構であり、第1圧縮機構(70)が第2圧縮機構(80)の下方に配置されている。第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の間にはミドルプレート(64)が設けられている。
第1圧縮機構(70)は、第1固定スクロール(71)と第1可動スクロール(72)とからなり、第1固定スクロール(71)と第1可動スクロール(72)は互いに噛み合う渦巻き状のラップ(71a,72a)(固定側ラップ(71a)及び可動側ラップ(72a))と、このラップ(71a,72a)の軸方向端面に形成された第1固定側鏡板(71b)及び第1可動側鏡板(72b)を有している。
第2圧縮機構(80)は、第2固定スクロール(81)と第2可動スクロール(82)とからなり、第2固定スクロール(81)と第2可動スクロール(82)は互いに噛み合う渦巻き状のラップ(81a,82a)(固定側ラップ(81a)及び可動側ラップ(82a))と、このラップ(81a,82a)の軸方向端面に形成された第2固定側鏡板(81b)及び第2可動側鏡板(82b)を有している。
第1固定スクロール(71)と第2固定スクロール(81)は、第1可動スクロール(72)、第2可動スクロール(82)及びミドルプレート(64)を間に挟んだ状態で、ラップ(71a,81a)同士が向き合うように配置されており、胴部(61)の上端に溶接等により固定されている。そして、ケーシング(60)内は、この圧縮機構(70,80)の上方が高圧空間(60a)になり、下方が中間圧空間(60b)になるように構成されている。
第1固定スクロール(71)には、ケーシング(60)の胴部(61)を貫通する第1吸入管(65a)が固定されている。第1圧縮機構(70)の渦巻きの外周から吸入された冷媒は中間圧に圧縮され、渦巻きの中心側の吐出口(図示せず)から中間圧空間(60b)に吐出される。中間圧冷媒は、ケーシング(60)の胴部(61)の高さ方向ほぼ中央に設けられている第1吐出管(66a)から流出し、冷媒配管(図示せず)を通って高段側の第1圧縮機構(70)に導入される。
第2圧縮機構(80)の第2固定スクロール(81)には、ケーシング(60)の胴部(61)を貫通する第2吸入管(65b)が固定されている。第2圧縮機構(80)の渦巻きの外周から吸入された冷媒は高圧に圧縮され、渦巻きの中心側の吐出口(図示せず)から高圧空間(60a)に吐出される。高圧冷媒は、ケーシング(60)の上部鏡板(62)に設けられている第2吐出管(66b)から流出し、冷媒回路で凝縮行程、膨張行程、及び蒸発行程を経た後、再度圧縮機(2)に吸入されるようになっている。。
この実施形態においては、第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)により二段圧縮機構(70,80)が構成され、高段側である第2圧縮機構(80)の閉じ込み容積が、低段側である第1圧縮機構(70)の閉じ込み容積より小さくなっている。そのため、図8(A)に示すように、第2可動スクロール(82)のラップ(82a)の軸方向長さ寸法L1が第1可動スクロール(72)のラップ(72a)の軸方向長さ寸法L2より小さい。一方、第2可動側鏡板(82b)の厚さ寸法t1は第1可動側鏡板(72b)の厚さ寸法t2より大きい。こうすることにより、第1可動スクロール(72)と第2可動スクロール(82)の質量をバランスさせ、第1圧縮機構(70)で発生する遠心力の大きさと第2圧縮機構(80)で発生する遠心力の大きさが等しくなるようにしている。
なお、電動機(90)の下方に設けられているのは、駆動軸(93)を回転自在に支持する下部軸受け部材(67)である。又、駆動軸(93)の下端には、ケーシング(60)の底部の溜まった冷凍機油を軸受けや圧縮機構などの摺動部に供給するため、給油ポンプ(94)が設けられており、駆動軸(93)の中に形成された給油通路(図示せず)から上記摺動部に給油されるようになっている。
−運転動作−
このスクロール圧縮機では、電動機(90)を起動するとロータ(92)が回転し、その回転力が駆動軸(93)を介して圧縮機構に伝達される。圧縮機構では、第1圧縮機構(70)において低圧冷媒が第1吸入管(65a)から吸入されて中間圧に圧縮され、ケーシング(60)内の中間圧空間(60b)に流出する。この中間圧冷媒は、第1吐出管(66a)を介してケーシング(60)から流出する。中間圧冷媒は冷媒回路の冷媒配管を介して第2吸入管(65b)から第2圧縮機構(80)に吸入される。第2圧縮機構(80)に吸入された中間圧冷媒は高圧圧力まで圧縮され、ケーシング(60)内の高圧空間(60a)に流出する。高圧冷媒は、ケーシング(60)に設けられている第2吐出管(66b)から冷媒回路へ流出し、凝縮行程、膨張行程、蒸発行程を経た後、再度圧縮機に吸入されて圧縮される。
−実施形態2の効果−
この実施形態においても、 第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の閉じ込み容積が異なる二段圧縮機構(70,80)において、第2可動スクロール(82)のラップ(82a)の軸方向長さ寸法L2を第1可動スクロール(72)のラップ(72a)の軸方向長さ寸法L1より短くする一方で、第2可動側鏡板(82b)の厚さ寸法t2を第1可動側鏡板(72b)の厚さ寸法t1より大きくすることにより、両可動スクロール(72,82)の質量をバランスさせ、遠心力の大きさを第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)で合わせるようにしている。そのため、第1偏心部(93a)と第2偏心部(93b)とが、駆動軸(93)の軸心を中心として互いに180°位相がずれることと相まって、各圧縮機構に発生する遠心力同士が打ち消し合う。したがって、二段圧縮の圧縮機(2)において、第1及び第2圧縮機構(70,80)の遠心力に起因する振動を低減することができる。
−実施形態2の変形例−
(変形例1)
この実施形態2では、第2可動スクロール(82)のラップ(82a)の軸方向長さ寸法L2を第1可動スクロール(72)のラップ(72a)の軸方向長さ寸法L1より小さくすることにより第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の閉じ込み容積を異ならせるようにしているが、閉じ込み容積は、第1圧縮機構(70)の渦巻きの巻き数と第2圧縮機構(80)の渦巻きの巻き数を異ならせることで調整してもよい。
(変形例2)
また、この実施形態2においても、第2圧縮機構(80)の閉じ込み容積が第1圧縮機構(70)の閉じ込み容積より小さい二段圧縮機構(70,80)を採用しているが、実施形態1と同様に、中間圧冷媒のインジェクション量を増やすことにより、第2圧縮機構(80)の閉じ込み容積が第1圧縮機構(70)の閉じ込み容積と同じになったり、第2圧縮機構(80)の閉じ込み容積が第1圧縮機構(70)の閉じ込み容積より大きくなったりする構成にすることも可能である。両圧縮機構(70,80)の閉じ込み容積が同じ場合は各圧縮機構(70,80)に同一構成(同一形状、同一寸法)の部品を用いればよく、第2圧縮機構(80)の閉じ込み容積が第1圧縮機構(70)の閉じ込み容積より大きい場合は、上記とは逆に、第2可動スクロール(82)のラップ(82a)の軸方向長さ寸法L2を第1可動スクロール(72)のラップ(72a)の軸方向長さ寸法L1より長くする一方で、第2可動側鏡板(82b)の厚さ寸法t2を第1可動側鏡板(72b)の厚さ寸法t1より小さくするとよい。
(変形例3)
また、第1可動スクロール(72)と第2可動スクロール(82)の遠心力を合わせるためには、図8(B)に示すように、第1可動側鏡板(72b)に面取り(72z)を形成し、この面取り(72z)を減量部としてもよい。
さらに、第1可動スクロール(72)と第2可動スクロール(82)で遠心力を合わせるためには、図8(C)に示すように、第1可動側鏡板(72b)と第2可動側鏡板(82b)の厚さt1,t2を同じに形成する一方、第1可動側鏡板(72b)の外径寸法D1を第2可動側鏡板(82b)の外径寸法D2より小さくしてもよい。板厚調整と外径調整を組み合わせて遠心力を合わせるようにしてもよい。
(変形例4)
また、上記実施形態では、第1可動スクロール(72)と第2可動スクロール(82)の間にミドルプレート(64)が介在するように圧縮機構を構成しているが、偶力によるアンバランスを小さくするために、ミドルプレート(64)を設けずに第1可動スクロール(72)と第2可動スクロール(82)の鏡板の背面同士が接触するように構成してもよい。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態1では、各環状ピストンの遠心力が同一の大きさで向きが逆になるようにしており、上記実施形態2では、各可動スクロールの遠心力が同一の大きさで向きが逆になるようにしているが、参考技術として、遠心力は必ずしも同じ大きさにしなくても、二段圧縮機構を備える圧縮機において遠心力に起因する振動を低減することは可能である。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、作動流体を二段階で圧縮する二段圧縮機構を備えた回転式圧縮機について有用である。
図1は、実施形態1に係る回転式圧縮機の縦断面図である。 図2は、第1圧縮機構の横断面図である。 図3は、第1圧縮機構の動作状態図である。 図4は、環状ピストンの拡大図である。 図5は、環状ピストンの第1の変形例を示す拡大図である。 図6は、環状ピストンの第2の変形例を示す拡大図である。 図7は、実施形態2に係る回転式圧縮機の縦断面図である。 図8は、可動スクロールの拡大図である。
20 第1圧縮機構
21 第1シリンダ
22 第1環状ピストン(圧縮要素)
22b 第1環状ピストン本体部
22c 第1ピストン側鏡板
23 ブレード
30 第2圧縮機構
31 第2シリンダ
32 第2環状ピストン(圧縮要素)
32c 第2ピストン側鏡板
32b 第2環状ピストン本体部
33 ブレード
53 クランク軸
70 第1圧縮機構
71 第1固定スクロール
71a 固定側ラップ
72 第1可動スクロール(圧縮要素)
72a 可動側ラップ
72b 第1可動側鏡板
80 第2圧縮機構
81 第2固定スクロール
81a 固定側ラップ
82 第2可動スクロール(圧縮要素)
82a 可動側ラップ
82b 第2可動側鏡板
93 クランク軸

Claims (5)

  1. 作動流体を二段階で圧縮する二段圧縮機構(20,30)を備え、
    該二段圧縮機構(20,30)が有する第1圧縮機構(20)及び第2圧縮機構(30)が、それぞれクランク軸(53)に連結されて偏心回転動作をする圧縮要素(22,32)を備え、
    上記圧縮要素(22,32)が軸方向端部に鏡板(22c,32c)を有する回転式圧縮機であって、
    第1圧縮機構(20)の圧縮要素(22)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)の偏心部(53a)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値と、第2圧縮機構(30)の圧縮要素(32)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(53)の偏心部(53b)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値が、互いに同一になるように構成され、
    第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)でクランク軸(53)の位相が180°異なり、
    上記各圧縮機構(20,30)が、環状のシリンダ室を有するシリンダ(21,31)と、該シリンダ室を外側シリンダ室と内側シリンダ室に区画するように該シリンダ室に偏心して収納された上記圧縮要素としての環状ピストン(22,32)と、各シリンダ室を第1室と第2室とに区画するブレード(23,33)とを有し、
    上記第1圧縮機構(20)及び第2圧縮機構(30)は、上記環状ピストン(22,32)がシリンダ(21,31)に対して偏心回転運動をするように構成され、
    上記第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)のシリンダ容積が相違するように構成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)の環状ピストン(22,32)は、それぞれ、環状ピストン本体部(22b,32b)を有するとともにその軸方向端部に上記鏡板(22c,32c)が形成され、
    第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)の一方は、環状ピストン本体部(22b,32b)の軸方向長さ寸法が他方より小さいとき、鏡板(22c,32c)の厚さ寸法が他方より大きい値となるように構成されていることを特徴とする回転式流体機械。
  3. 請求項1または2において、
    第1圧縮機構(20)と第2圧縮機構(30)は、鏡板(22c,32c)の背面同士が接触する配置となるように構成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  4. 作動流体を二段階で圧縮する二段圧縮機構(70,80)を備え、
    該二段圧縮機構(70,80)が有する第1圧縮機構(70)及び第2圧縮機構(80)が、それぞれクランク軸(93)に連結されて偏心回転動作をする圧縮要素(72,82)を備え、
    上記圧縮要素(72,82)が軸方向端部に鏡板(72b,82b)を有する回転式圧縮機であって、
    第1圧縮機構(70)の圧縮要素(72)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(93)の偏心部(93a)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値と、第2圧縮機構(80)の圧縮要素(82)の軸中心から重心までの距離と質量の積とクランク軸(93)の偏心部(93b)の軸中心から重心までの距離と質量の積の和の値が、互いに同一になるように構成され、
    第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)でクランク軸(93)の位相が180°異なり、
    上記各圧縮機構(70,80)が、渦巻き状の固定側ラップ(71a,81a)を有する固定スクロール(71,81)と、該固定スクロール(71,81)の固定側ラップ(71a,81a)に噛み合う渦巻き状の可動側ラップ(72a,82a)を有する上記圧縮要素としての可動スクロール(72,82)とを有し、
    上記第1圧縮機構(70)及び第2圧縮機構(80)は、上記可動スクロール(72,82)が固定スクロール(71,81)に対して偏心回転運動をするように構成され、
    上記第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の閉じ込み容積が相違するように構成され、
    上記第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の可動スクロール(72,82)は、それぞれ、上記可動側ラップ(72a,82a)の軸方向端部に上記鏡板(72b,82b)が形成され、
    第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)の一方は、可動側ラップ(72a,82a)の軸方向長さ寸法が他方より小さいとき、鏡板(72b,82b)の厚さ寸法が他方より大きい値となるように構成されていることを特徴とする回転式流体機械。
  5. 請求項4において、
    第1圧縮機構(70)と第2圧縮機構(80)は、鏡板(72b,82b)の背面同士が接触する配置となるように構成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
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