JP2011214239A - 防波構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】非越波性能を得るために沖側壁面の上部が沖側にせり出す形状を有し且つ沿い波による越波が生じ難い防波構造物を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、沖に面して立設される防波構造物10であって、上部に沖側から到来する波をはね返すように沖側にせり出す形状を有する沖側壁面20を備え、沖側壁面20は、水平方向に沿って交互に繰り返される凹凸を有し、この凹凸は、沖側壁面20の沖側から見て奥行の最も深いところから沖側にせり出した部分22の少なくとも一部に設けられることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、港湾、海岸沿岸域において、波浪越波、波力から船舶や陸上の人命、建築物等を防護する防波堤や岸壁等の護岸用の防波構造物に関する。
護岸用の防波構造物としては、例えば、図12に示されるような直立型ケーソン112を用いた直立護岸110が従来、用いられていた。
この直立護岸110では、沖側から到来する波が垂直方向に立ち上がる沖側壁面114にぶつかることでその進行が止められ、これにより波力から船舶や人命等が防護される。しかし、十分な非越波性能を得るためには、天端高さを高くしたり、沖側壁面114の正面(沖側)に消波ブロックを積み上げる必要があった。
そこで、沖側壁面114の上部が沖側から到来する波をはね返すように沖側にせり出す形状を有する護岸(防波構造物)が開発された。具体的には、例えば、特許文献1に記載の護岸120(図13参照)のように、沖側壁面122の上部に沖側から到来する波をはね返すように沖側に傾斜する上部傾斜部124を設けることで、天端高さを低く抑えながら高い非越波性能を得ることができた。
特開平11−241323号公報
前記の防波構造物120に対し、その沖側壁面122に対して斜め方向から波が到来すると、この波が沖側壁面122とぶつかることにより沿い波(沖側壁面122に沿って水平方向に進む波)が生じる。このように沿い波が生じると、防波構造物120の配置状態によっては越波が生じ易くなる場合がある。
例えば、図14に示されるように、沖側壁面122の水平方向における一方の端部が他の防波構造物130等の壁面132と共に入隅134を構成するように前記の防波構造物120が配置された場合、沖側壁面122に沿って入隅134に向う沿い波が生じると、この入隅134において越波が生じ易くなる。これは、沖側壁面122に対して斜め方向(図14の矢印E1方向)から入射する波が沖側壁面122にぶつかることで沖側壁面122に沿って入隅134に向う(図14の矢印E2方向)沿い波が生じ、この沿い波が入隅134に次々に到達することでこれら波同士がぶつかる等するためである。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、非越波性能を得るために沖側壁面の上部が沖側にせり出す形状を有し且つ沿い波による越波が生じ難い防波構造物を提供することを課題とする。
そこで、上記課題を解消すべく、本発明は、沖に面して立設される防波構造物であって、上部に沖側から到来する波をはね返すように沖側にせり出す形状を有する沖側壁面を備え、前記沖側壁面は、水平方向に沿って交互に繰り返される凹凸を有し、この凹凸は、前記沖側壁面の沖側から見て奥行の最も深いところから前記沖側にせり出した部分の少なくとも一部に設けられることを特徴とする。
このように沖側壁面が上部に沖側にせり出す形状を有することにより、沖側から到来した波を沖側にはね返すため、越波を低減することができる。しかも、沖側壁面に対して斜め方向から入射した波により当該沖側壁面に沿って水平方向に進む沿い波が生じても、この沿い波がその進行方向に繰り返される凹凸の凸部とぶつかることにより崩される。その結果、沿い波に起因する越波を防ぐことができる。
さらに、沖側壁面の凹凸によって沿い波が崩されることで、沖側壁面に対する波圧を低減することもできる。
本発明に係る防波構造物においては、前記凹凸は、前記沖側壁面の水平方向において、少なくとも一方の端部を含む領域で繰り返されることが好ましい。
かかる構成によれば、沖側壁面において水平方向の少なくとも一方の端部で凹凸が繰り返され、この領域を通過する沿い波が崩される。そのため、例えば、沖側壁面における前記一方の端部が他の防波構造物等の壁面と共に入隅を構成するように当該防波構造物が配置されれば、沖側壁面で生じた沿い波がこの入隅に到達する前に凹凸の形成された領域を確実に通過するため、この入隅における越波を好適に低減することができる。
この場合、前記凹凸は、前記沖側壁面の水平方向において、一方端から他方端までの全域で交互に繰り返されることがより好ましい。
かかる構成によれば、沖側壁面の水平方向における全域に亘って沿い波を好適に崩すことができる。
さらに、前記沖側壁面における凹凸が交互に繰り返される領域は、前記沖側壁面の水平方向の一方端から当該沖側壁面に沿って他方端側を見たときに、前記沖側から見て奥行の最も深いところから沖側にせり出した部分において当該沖側壁面に沿ってその下端から上端に向う方向における50%以上の範囲に存在することがより好ましい。
このように、種々の潮位条件及び波浪条件において沖側壁面によって沿い波が生じたときにこの沿い波が沖側壁面に沿って進む可能性が高い範囲(即ち、沖側壁面における沖側から見て奥行の最も深いところから沖側にせり出した部分)において、沖側壁面の水平方向の一方端から他方端側を見たときに、当該沖側壁面に沿ってその下端から上端に向う方向における50%以上の範囲において凹凸が繰り返されることにより、この領域を通過する沿い波を効果的に崩すことができる。
前記沖側壁面における凹凸が交互に繰り返される領域は、当該沖側壁面に沿ってその下端から上端に向う方向に沿って均一な断面形状を有してもよい。
かかる構成によれば、沖側壁面に沿ってその下端から上端に向う方向において均一な断面形状を有する領域の全体に亘って沿い波を効果的に崩すことができる。
前記沖側壁面は、当該沖側壁面の水平方向における特定の端部である第1の端部と、この第1の端部と反対の側の端部である第2の端部とを有し、前記沖側壁面における凹凸が交互に繰り返される領域では、当該沖側壁面に沿って水平に前記第1の端部に向う波に対してその進行方向と直交若しくは略直交する直交面が前記凹凸の一部に形成されていてもよい。
かかる構成によれば、沖側壁面に沿って水平に第1の端部に向う沿い波を直交面が効果的に崩す。そのため、沖側壁面に対して常に一定の方向から波が到来するため当該沖側壁面に沿って水平に第1の端部に向う沿い波しか生じないような場所に防波構造物が配置されれば、沖側壁面において生じる沿い波を効果的に崩すことができる。
また、前記沖側壁面の凹凸は、当該沖側壁面に沿ってその下端から上端に向う方向に沿って延び、前記水平向に間隔をおいて平行若しくは略平行に並ぶ複数本の突条の表面と、前記水平方向に隣り合う突条同士の間に位置する底面とにより画定されてもよい。
かかる構成によれば、沖側壁面に沿って進む沿い波がその進行方向と直交若しくは略直交する方向に延びる突条とぶつかって崩されるため、沖側壁面の突条が延びている領域の全体に亘って効果的に沿い波を崩すことができる。
この場合、前記沖側壁面が、当該沖側壁面の水平方向における特定の端部である第1の端部と、この第1の端部と反対の側の端部である第2の端部とを有し、前記突条が、前記沖側壁面に沿って水平に前記第1の端部に向う波に対して、その進行方向と直交若しくは略直交する第1の直交面を有することにより、沖側壁面に沿って水平に第1の端部に向う沿い波が生じたときにこの沿い波を第1の直交面が効果的に崩す。
さらに、前記突条が、前記沖側壁面に沿って水平に前記第2の端部に向う波に対して、その進行方向と直交若しくは略直交する第2の直交面を有することにより、沖側壁面に沿って第2の端部に向う沿い波が生じたときにこの沿い波を第2の直交面が効果的に崩す。そのため、突条が第1の直交面及び第2の直交面を有することにより、沖側壁面に対していずれの方向から波が到来しても、この波によって生じる沿い波を効果的に崩すことが可能となる。
前記沖側壁面に沿ってその下端から上端に向う方向と直交し且つ前記水平方向と直交する方向における前記突条の高さ寸法よりも、前記水平方向における前記底面の幅寸法が大きいことが好ましい。
かかる構成によれば、沖側壁面に沿って水平方向に進む沿い波が、水平方向に平行若しくは略平行に並ぶ各突条間の底面まで確実に入り込み、この入り込んだ波が突条の側面全体とぶつかることでより効果的に崩される。即ち、突条の間隔が狭いと沿い波が底面まで入り込めないため突条の突出側先端部分としかぶつからず、沿い波があまり崩されない。
以上より、本発明によれば、非越波性能を得るために沖側壁面の上部が沖側にせり出す形状を有し且つ沿い波による越波が生じ難い防波構造物を提供することができる。
本実施形態に係る防波構造物を設置した状態の斜視図である。 前記防波構造物の縦断面図である。 図2の沖側壁面の一部拡大図である。 他実施形態に係る防波構造物における沖側壁面の一部拡大断面図である。 他実施形態に係る防波構造物における沖側壁面の一部拡大断面図である。 他実施形態に係る沖側壁面の突条の形状を説明するための図である。 (A)は、沖側壁面において突起部が縦横に並んだ防波構造物の一部拡大斜視図であり、(B)は、沖側壁面において突起部が千鳥状に並んだ防波構造物の一部拡大斜視図である。 他実施形態に係る防波構造物を設置した状態の縦断面図である。 実験1において、横軸を現地換算した突条高さHとし、縦軸を越波低減率及び波圧低減率としたときの実験結果を示すグラフである。 実験1において、横軸を突条高さHに対する突条幅Bの比、B/Hとし、縦軸を越波低減率及び波圧低減率としたときの実験結果を示すグラフである。 実験2において、横軸を突条幅Bに対する底面幅Dの比、D/Bとし、縦軸を越波低減率としたときの実験結果を示すグラフである。 従来の直立護岸を設置した状態の縦断面図である。 従来の沖側壁面の上部に上部傾斜部が設けられた防波構造物を設置した状態の断面斜視図である。 前記上部傾斜部が設けられた防波構造物の他の設置状態を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る防波構造物は、防波堤や岸壁等の護岸用に用いられるものである。本実施形態の防波構造物は、図1及び図2に示されるように、砂と捨石マウントからなる基礎Kの上に沖に面するように設置される。尚、基礎Kは、このような構成に限らず、任意の公知の構成としてもよい。また、このような基礎Kは防波構造物10を設置するのに必須ではない。
防波構造物10は、沖に面する沖側壁面20と、天端面12と、後壁面14と、底面15とを備える。天端面12は、防波構造物の上端(天端)において水平方向に拡がる面であり、後壁面14は、沖側壁面20と反対の側で垂直方向に起立した面であり、底面15は、当該防波構造物10を設置したときに基礎K等と接する面である。本実施形態の防波構造物10は、一方の端を他の防波構造物130の壁面132に当接するように配置(設置)される(図1参照)。このように防波構造物10が配置されることで、沖側壁面20の一方の端部(第1の端部R)と他の防波構造物130の壁面132とにより入隅(隅角部)134が構成される。
沖側壁面20は、後壁面14に向って凹む湾曲面状であり、上部側に沖側に向って迫り出すように傾斜する上部傾斜部22と、下部側に沖側に向って迫り出すように海底側に傾斜する下部傾斜部24とを有する。
上部傾斜部22は、沖側から到来する波を受けて沖側にはね返すことにより越波を防止することが可能な部位である。具体的に、上部傾斜部22は、沖側から到来した波を当該上部傾斜部22に沿って上端側に案内することにより波の進行方向を沖向きに変える。そのため、上部傾斜部22は、沖側から到来した波を上部傾斜部22(又は沖側壁面20)の上端側に案内し易いように湾曲している。この上部傾斜部22では、沖側壁面20に対して正面から波が入射してきた場合(図1の矢印A1の方向に進む波)、この波が上部傾斜部22に沿って上端28側に案内されることによってその進行方向を沖向き(矢印A1と反対向き)に変えられ、これにより高い被越波性能が得られる。また、沖側壁面20に対して斜め方向(本実施形態では、沖側壁面20を正面から見たときに左手前から右奥に向う方向:図1の矢印A参照)から波が入射してきた場合も、この波が上部傾斜部22によってその向きが変えられることにより、この波が沖側壁面20に到達したときの越波は防ぐことができる。しかし、この斜め方向から入射した波が沖側壁面20に沿った水平方向の速度成分を有しているため、当該波が沖側壁面20に到達したときにこの沖側壁面20に沿って水平方向(図1の矢印C参照)に進む沿い波が生じる。
上部傾斜部22は、到来する波を受けることができるように、干潮時及び満潮時を含めて常に静水面Sの高さ位置を含む領域であって、設計最大波高を有する波W(図2参照)による引き波時の水面高さ位置より下側から沖側壁面20の天端高さ位置まで形成されている。
尚、設計最大波高とは、この防波構造物10が設置される海域で想定される最大波高をいい、防波構造物10の設計を行うために設定するものである。また、本実施形態の防波構造物10には、沖側壁面20の上部傾斜部22の上側に鉛直面16が存在するが、この鉛直面16は、沖側壁面20の上部傾斜部22の一部として波を受けてはね返す機能を果たすものではなく、上部傾斜部22の最上位置部分が、上部傾斜部22として波を受けてはね返す際に作用する波圧に耐え、且つ構造物として必要な一定の強度を得るために必要な厚みを形成するものである。そのため、本実施形態において、このような鉛直面16の部分は、沖側壁面20に含めないものとする。
沖側壁面20は、水平方向(図1の矢印Cの方向)に沿って交互に繰り返される凹凸を有する。この沖側壁面20における凹凸が交互に繰り返される領域は、沖側壁面20に沿って下端27から上端28に向う方向(以下、単に「壁面に沿った上下方向」と称する。)αに沿って均一な断面形状を有する。この凹凸は、沖側壁面20に対して斜め方向(図1の矢印A参照)から入射した波によって生じた沿い波を崩す。これにより、沖側壁面20と他の防波構造物130の壁面132とにより構成される入隅134において沿い波同士がぶつかって越波が生じるのを防ぐことができる。本実施形態では、この凹凸が沖側壁面20の全域に設けられている。
尚、この凹凸は、沖側壁面20の全域に設けられなくてもよい。例えば、凹凸は、沖側壁面20の上部傾斜部22(即ち、沖側から見て奥行の最も深い位置26から沖側にせり出した部分の先端28まで)の全域に設けられてもよい。この範囲(上部傾斜部22)は、種々の潮位条件及び波浪条件において沖側壁面20によって沿い波が生じたときに、この沿い波が沖側壁面20に沿って進む可能性が高い範囲である。そのため、上部傾斜部22の全域において凹凸が繰り返されていれば、当該壁面20に沿って水平方向に進む沿い波を効果的に崩すことができる。これにより沖側壁面20において沿い波が生じても、入隅134で越波が生じるのを防ぐことができる。但し、凹凸は、上部傾斜部22の一部に設けられていてもよい。この場合、沖側壁面20における凹凸が繰り返される領域において、沿い波を崩すことができる。
具体的に、沖側壁面20の凹凸は、壁面に沿った上下方向αに沿って延び、水平方向に間隔をおいて平行若しくは略平行に並ぶ複数本(本実施形態では13本)の突条30の表面と、水平方向に隣り合う突条30同士の間に位置する底面32とにより画定されている。
突条30は、図3にも示されるように、断面形状が矩形状で水平方向の幅寸法が一定となるように壁面の上下方向αに沿って延びている。即ち、突条30は、壁面に沿った上下方向αに沿って均一な断面形状を有する。本実施形態の突条30は、沖側壁面20において壁面に沿った上下方向αの下端27から上端28まで連続している。この突条30の表面は、水平方向に対して直交する一対の起立面34a,34bと、これら一対の起立面34a,34bの突出側の先端部同士を接続する天面36と、からなる。本実施形態では、沖側壁面20の水平方向における一方の端部(沖側壁面20を正面から見て右側の端部)を第1の端部Rとし、その反対の側の端部(沖側壁面20を正面から見て左側の端部)を第2の端部Lとしたときに、一対の起立面34a,34bのうち沖側壁面20に沿って第1の端部Rに向う沿い波に対してその進行方向Cと対向する起立面を第1の起立面34aとし、反対の側を向く起立面を第2の起立面34bとする。この第1の起立面34aは、沖側壁面20に沿って入隅134に向う沿い波が生じたときにこの沿い波とぶつかってこれを崩す。また、第2の起立面34bは、沖側壁面20に沿って入隅134と反対の側に向う沿い波が生じたときにこの沿い波とぶつかってこれを崩す。
底面32は、水平方向に隣り合う突条30,30において互いに対向する起立面34a,34bの間に位置し、水平方向の幅寸法が一定となるように壁面に沿った上下方向αに沿って延びる面である。本実施形態の底面32は、水平方向に沿って滑らかな面である。
以下では、一つの突条30における一対の起立面34a,34b間の距離を突条幅Bと称し、底面32から天面36までの距離(詳しくは、壁面に沿った上下方向αと直交し且つ水平方向と直交する方向の距離)を突条高さHと称し、隣り合う突条30同士の対向する起立面34a,34b間の距離を底面幅Dと称する(図3参照)。
沖側壁面20におけるこれら突条高さH、突条幅B、底面幅Dの各値は、沖側壁面20に沿って進む沿い波を崩す性能に大きく影響する。例えば、底面幅Dが狭すぎると底面32まで沿い波が入り込むことなく突条30の天面36に沿って沿い波が進むためあまり崩れない。また、突条高さHが低すぎると、沖側壁面20に沿って進む沿い波があまり崩れない。そのため、突条高さH、突条幅B、底面幅Dの各値は、当該防波構造物10を設置する場所の潮位条件や波浪条件等に基づいて、適宜、設定される。
本実施形態の沖側壁面20では、突条高さHよりも突条幅Bの方が大きく、突条高さHよりも底面幅Dの方が大きくなるように各値が設定されている。このように、本実施形態の沖側壁面20では、突条高さHよりも底面幅Dが大きくなるようにして、沖側壁面20に沿って水平方向に進む沿い波が底面32まで入り込み、この沿い波が突条30の起立面34a(又は34b)全体と確実にぶつかるようにしている。具体的には、沖側壁面20における突条30の突条高さHが10cm、突条幅Bが40cm、底面幅Dが40cmである。尚、本実施形態の防波構造物10は、天端高さが4m、水平方向の長さが4m、沖側壁面20の沖側の先端28から奥行の最も深い位置26までの水平距離(図2のD参照)が2mである。
このような防波構造物10は、鉄筋コンクリートによって形成されている。具体的に、防波構造物10は、以下のように製造される。
先ず、鉄骨や金属製の棒材等が所定の形に組み上げられ骨組みが形成される。この骨組みの周囲が所定の型枠により囲まれる。そして、この型枠内にコンクリートが流し込まれ、このコンクリートが固まることで防波構造物10が形成される。この場合、前記の骨組み及びそれを囲う型枠によって沖側壁面20の凹凸形状が他の部位と一体に形成される。
尚、防波構造物10の具体的な製造方法は、これに限定されない。例えば、図13に示される従来の防波構造物のような凹凸のない湾曲面(沖側壁面)を有する防波構造物が形成され、後から突条が形成されてもよい。具体的には、前記湾曲面において、突条が形成される部位のコンクリートがはつられる。このはつられた部位に鉄筋やアンカーボルト等が打ち込まれ、その後、突条を形成するための型枠が組まれる。この型枠内にコンクリートが流し込まれて固まることによって、沖側壁面に前記凹凸が形成される。また、凹凸のない湾曲面に、凹凸形状の部材を固着するようにしてもよい。
以上のような防波構造物10によれば、沖側壁面20が上部に沖側にせり出す形状を有することにより、沖側から到来した波を沖側にはね返すため、越波を低減することができる。しかも、沖側壁面20に対して斜め方向から入射した波により当該沖側壁面20に沿って水平方向に進む沿い波が生じても、この沿い波がその進行方向Cに繰り返される凹凸の凸部とぶつかることで崩される。これにより、沿い波に起因する越波(例えば、防波構造物10が図1に示すように配置された場合における入隅134での越波)を防ぐことができる。
さらに、沖側壁面20の凹凸によって沿い波が崩されることで、沖側壁面20に対する波圧を低減することもできる。
また、複数の突条30が沖側壁面20の水平方向において第1の端部Rから第2の端部Lまでの全域に並んでいるため、当該沖側壁面20の水平方向の全域において沿い波を効果的に崩すことができる。
また、各突条30が第1の起立面34aをそれぞれ有することで、入隅134に向う(即ち、第1の端部Rに向かう)沿い波を効果的に崩すことができる。即ち、第1の起立面34aは、入隅134に向って進む沿い波の進行方向Cに対して直交する面であるため、この起立面34aにぶつかった入隅134に向う沿い波を効果的に崩すことができる。これにより、入隅134での越波を効果的に防ぐことができる。
さらに、各突条30は、第2の起立面34bをそれぞれ有するため、沖側壁面20に沿って入隅134と反対の側に向う(即ち、第2の端部Lに向う)沿い波を各第2の起立面34bがそれぞれ効果的に崩す。このように本実施形態の突条30は、第1の起立面34a及び第2の起立面34bを有することにより、沖側壁面20に対していずれの方向から波が到来してもこの波によって生じる沿い波を効果的に崩すことができる。
尚、本発明の防波構造物は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
突条30の具体的な形状は、限定されない。例えば、図3に示されるように、本実施形態の突条30は矩形状の断面形状を有するが、図4(A)に示されるように、角部を円弧231にした矩形状の断面形状を有する突条30Aであってもよい。この場合、沖側壁面20に沿って進む沿い波がぶつかる起立面234a(又は234b)の面積が小さくなるが、角部が欠けることを防ぐことができる。
また、図4(B)及び図4(C)に示されるように、突条30B、30Cの起立面334a(又は334b),434a(又は434b)は、沿い波の進行方向と直交していなくてもよい。このように沿い波の進行方向と対向する起立面334a(又は334b),434a(又は434b)を沿い波の進行方向に対して傾斜させる(詳しくは、突出方向先端側が後方となるように傾斜させる)ことで、突条30B,30Cに沿い波がぶつかったときの起立面334a,434aに加わる力が低減され、突条30B,30Cが損傷し難くなる。
また、沖側壁面20に沿って進む沿い波がぶつかる部位に平面(起立面)がなくてもよい。即ち、図4(D)に示されるように、突条30Dにおける波がぶつかる面が平面でなく沿い波の進行方向に対して湾曲した面であってもよい。このような形状であっても、沿い波が沖側壁面20に沿って水平方向に進むことで各突条30Dに次々にぶつかって崩される。
本実施形態では、突条30の断面形状が矩形状であるため、水平方向に隣り合う突条30,30間に底面32を要するが、凹凸の形状によっては、底面32を要しない。即ち、水平方向に沿って凹凸を繰り返し且つ壁面に沿った上下方向αに均一な断面形状を有していれば、例えば、図5(A)や図5(B)に示される沖側壁面20A,20B,20Cのような形状等であってもよい。
具体的には、断面形状において、起立面を形成するような急激に立ち上がる部位がなく、なだらかに凹凸が繰り返される形状であってもよい。例えば、図5(A)の沖側壁面20Aのように、沿い波の進行方向Cに対して湾曲した面のみで凹凸が繰り返されるような形状であっても、沖側壁面20Aに沿って水平方向に進む沿い波がその進行方向Cに並ぶ凸部50Aと次々にぶつかって崩される。
また、図5(B)の沖側壁面20Bのように、断面形状において、凸部50Bの頂き(最も高い位置)から隣の凸部50Bに向って高さが徐々に低くなるような形状であってもよい。このように沿い波の進行方向Cに対して直交する面及び傾斜した面(図5(B)参照)、若しくは傾斜した面のみにより凹凸が繰り返される形状であっても、沖側壁面20Bに沿って水平方向に進む沿い波がその進行方向Cに並ぶ凸部50Bと次々にぶつかって崩される。特に、沖側壁面に対して常に一定の方向(斜め方向)から波が入射するため、一方向に進む沿い波しか生じない場合には、図5(B)に示される沖側壁面20Bのように、沿い波の進行方向Cに対して直交若しくは略直交する直交面(起立面34a)が水平方向に所定間隔で並ぶような凹凸が好ましい。このように沿い波の進行方向Cに対して直交若しくは略直交する起立面34aが水平方向に所定間隔で並ぶ凹凸形状であれば、底面32がなくても本実施形態の断面が矩形状の突条30が設けられた沖側壁面20と同様に、沿い波を効果的に崩すことができる。尚、沖側壁面20Bにおいて、凸部50Bの頂(角部)が他の部位に比べ、波との衝突によって欠けやすいため、この頂(角部)を水平方向に沿った面にしてもよい(図5(B)の破線参照)。
沖側壁面の突条は、本実施形態のように、壁面に沿った方向αに沿って真っ直ぐでなく、湾曲や屈曲していてもよい。また、突条は、壁面に沿った方向αに対して所定の角度を有するように設けられてもよい。
具体的に、例えば、図6(A)に示される沖側壁面20Cのように、突条30Eが波打つように曲がっていてもよい。この突条30Eのように壁面に沿った上下方向αに真っ直ぐでなくても、水平方向に間隔をおいて並んでいれば、沖側壁面20Cに沿って水平方向に進む沿い波が突条30Cと次々にぶつかって崩される。また、1本の突条において、湾曲部や屈曲部は、複数箇所でもよく、また、1箇所でもよい。さらに、各突条の断面形状が全て同一でなくてもよい。
また、図6(B)に示される沖側壁面20Dのように、突条30Fが壁面に沿った上下方向αに対して傾斜していてもよい。この場合、各突条30Fの壁面に沿った上下方向αに対する傾斜角が45°未満であれば、沖側壁面20Dに沿って水平方向に進む沿い波を効果的に崩すことができる。
また、各突条30Fを壁面に沿った方向αに対して傾斜させることにより、沿い波を効果的に崩しつつ沖側壁面20Dに対するこの沿い波の波圧も効果的に低減することができる。このように波圧低減を効果的に行う場合、突条30Fの傾斜方向は、沖側壁面20に対して斜め方向から入射してくる波と直交する方向が好ましい。例えば、沿い波が第1の端部Rに向って進む場合には、この沿い波を上から押さえ込むような方向に(換言すると、上端側が沿い波の進行方向Cと反対側に向うように)突条30Fを傾斜させる。
このように傾斜した突条30Fを有する防波構造物は、沿い波を崩す効果と、沖側壁面に対する波圧を低減する効果を好適に得るためには、沿い波の進行方向が一定(図6(B)の場合、図の左から右に向う方向)となる必要があるため、沖側壁面20Dに対して入射する波の方向が一定となるような場所に配置するのが好ましい。
沖側壁面の凸部は、本実施形態のように水平方向に連続する突条30でなくてもよい。例えば、水平方向に間欠な突条であってもよく、図7(A)及び図7(B)に示されるような、壁面に沿った上下方向αに沿って互いに間隔をおいて並ぶ複数の突起部50であってもよい。このような形状であっても、沖側壁面20E,20Fに沿って水平方向に進む沿い波がこれら突起部50とぶつかることで好適に崩される。
沖側壁面において凹凸が繰り返される領域は、本実施形態のように壁面に沿った上下方向αの全域に(即ち、沖側壁面の下端27から上端28まで)形成されなくてもよく、上部傾斜部22の全域に形成されていれば、沿い波を崩す効果が十分に得られる。この場合、沖側壁面における水平方向の一方端から当該壁面に沿って他方端側を見たときに(図7(A)において矢印βの方向)、壁面に沿った上下方向αにおける50%以上の範囲に凹凸が形成されていれば、沿い波を効果的に崩すことが可能である。
また、沖側壁面は、本実施形態のように上部傾斜部22及び下部傾斜部24の両方を備えなくてもよく、図8に示されるように、沖側壁面20Gの上部側に沖側にせり出す部位(上部傾斜部22)が設けられていれば、沖から到来した波をはね返して越波を効果的に防ぐと共に沿い波に起因する越波を好適に防ぐことができる。この場合、凹凸が壁面に沿った上下方向αにおいて沖側壁面20Gの全域に設けられてもよく、図8に示されるように、上部傾斜部22のみに設けられてもよい。尚、下部傾斜部のない沖側壁面20Gにおいても、少なくとも上部傾斜部22の一部に凹凸が設けられていれば、当該部位において沖側壁面20Gに沿って水平方向に進む沿い波を好適に崩すことができる。
本実施形態の防波構造物10では、沖側壁面20の水平方向において全域に突条30が並んでいるが、当該防波構造物10が図1に示されるように配置された場合、少なくとも第1の端部Rに並んでいれば、入隅134において沿い波に起因する越波を好適に防ぐことができる。この入隅134で発生する越波は、沖側壁面20に沿って第1の端部に向かう沿い波によって発生する。この沿い波は、入隅134に到達する前に必ず沖側壁面20の第1の端部Rを通過する。そのため、少なくとも、この部位(第1の端部R)に凹凸が設けられることで、この入隅134に到達する全ての沿い波が凹凸が繰り返される領域を確実に通過し、これにより沿い波に起因する入隅での越波を好適に防ぐことができる。
上記実施形態の防波構造物における沖側壁面の凹凸によって沿い波を崩し、その結果、図1のような入隅での越波の低減効果を確認するために、縮尺1/20の防波構造物モデル(沖側壁面の高さ14cm、モデル全高16cm、長さ60cm)を用いて図1に示した入隅(端部隅角部)をモデル化し、2次元造波水槽を用いた水理実験を行った。尚、以下の実験で入隅での防波構造物モデルの設置水深を11cmとした。また、沖側壁面に対して斜め45°の方向から波が入射するように防波構造物モデル等を配置した。
<実験1>
突条幅Bを20mm(現地換算:40cm)とし、突条高さHを1.5mm、2.5mm、5mm、7.5mm、10mm、12.5mm(現地換算:3cm、5cm、10cm、15cm、20cm、25cm)とし、突条幅Bに対する底面幅Dの比、D/Bを1とした各種モデルを用意し、入隅の陸側での越波流量測定実験を行った。尚、基準モデルとして凹凸なしの滑らかな湾曲面からなる沖側壁面を有する防波構造物モデルでも実験した。
これらの各防波構造物モデルに波高10cm、周期1秒(現地換算:波高2m、周期4.47秒)の規則波を作用させて入隅での10波分の越波流量を測定した。
また、沖側壁面における入隅と反対側の端から2つめの底面(前記端から70mmの位置)に対し、沖側壁面の上端から下端までの間に複数の小型波圧計を間隔をおいて取り付け、これら小型波圧計での計測に基づいて沖側壁面の平均波圧を算出した。
その結果を以下の表1及び図9及び図10に示す。
Figure 2011214239

図9に示すグラフは、横軸を現地換算した突条高さHとし、縦軸を越波及び波圧低減率としている。この波圧低減率は、凹凸を有する沖側壁面における波圧が凹凸なしの沖側壁面における波圧と同じ場合を1としている。表1及び図9に示されるように、突条高さHが高くなるほど越波流量が低減し、越波低減率も小さくなる。これは、突条が高くなるほど沿い波をより効果的に崩すことができるためと考えられる。
一方、図9に示されるように、波圧低減率は、突条高さHが10〜15cmのときに最も小さくなり、突条高さHがそれよりも低くなっても高くなっても増加する。
これらの結果から、越波低減率が0.8以下と効果的で、且つ波圧があまり大きくならない波圧低減率約0.95以下の範囲は、突条高さHが5〜25cmの範囲であることがわかった。
また、図10に示すグラフは、横軸を突条高さHに対する突条幅Bの比、B/Hとし、縦軸を波圧低減率として表1の実験結果を整理したものである。この結果から、越波低減率0.8以下と効果的で、且つ波圧があまり大きくならない波圧低減率約0.95以下の範囲は、B/Hが1.6〜8の範囲であることがわかった。
<実験2>
次に、突条幅Bを20mm(現地換算:40cm)、突条高さHを5mm(現地換算:10cm)とし、底面幅Dを10mm、15mm、20mm、30mm、40mm、60mm、80mm(現地換算:20cm、30cm、40cm、60cm、80cm、120cm、160cm)とした各種モデルを用意し、実験1と同様に入隅の陸側での越波流量測定実験を行った。また、実験1と同様に、基準モデルとして凹凸なしの滑らかな湾曲面からなる沖側壁面の防波構造物モデルでも実験した。
これらのモデルに波高10cm、周期1秒(現地換算:波高2m、周期4.47秒)の規則波を作用させて入隅での10波分の越波流量を測定した。
その結果を以下の表2及び図11に示す。
Figure 2011214239

図11に示すグラフは、横軸を突条幅Bに対する底面幅Dの比、D/Bとし、縦軸を波圧低減率としている。この波圧低減率は、凹凸を有する沖側壁面における波圧が凹凸なしの沖側壁面における波圧と同じ場合を1としている。
図11に示されるように、D/Bが1のときに越波低減率が最も小さくなり、D/Bがそれ小さくなっても大きくなっても越波低減率は増加する。
この結果から、越波低減率が0.8以下と効果的な範囲(有意な範囲)は、D/Bが0.6〜3.5の範囲であることがわかった。
10 防波構造物
20 沖側壁面
22 上部傾斜部(沖側壁面の特定の方向において、沖側から見て奥行の最も深いところから沖側にせり出した部分)
24 下部傾斜部
30 突条
32 底面
34a,34b 起立面(直交面)
130 他の防波構造物
132 壁面
134 入隅
B 突条幅
D 底面幅
H 突条高さ
L 第1の端部
R 第2の端部
S 静水面
W 波

Claims (10)

  1. 沖に面して立設される防波構造物であって、
    上部に沖側から到来する波をはね返すように沖側にせり出す形状を有する沖側壁面を備え、
    前記沖側壁面は、水平方向に沿って交互に繰り返される凹凸を有し、この凹凸は、前記沖側壁面の沖側から見て奥行の最も深いところから前記沖側にせり出した部分の少なくとも一部に設けられることを特徴とする防波構造物。
  2. 請求項1に記載の防波構造物において、
    前記凹凸は、前記沖側壁面の水平方向において、少なくとも一方の端部を含む領域で繰り返されることを特徴とする防波構造物。
  3. 請求項1又は2に記載の防波構造物において、
    前記凹凸は、前記沖側壁面の水平方向において、一方端から他方端までの全域で交互に繰り返されることを特徴とする防波構造物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防波構造物において、
    前記沖側壁面における凹凸が交互に繰り返される領域は、前記沖側壁面の水平方向の一方端から当該沖側壁面に沿って他方端側を見たときに、前記沖側から見て奥行の最も深いところから沖側にせり出した部分において当該沖側壁面に沿ってその下端から上端に向う方向における50%以上の範囲に存在することを特徴とする防波構造物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の防波構造物において、
    前記沖側壁面における凹凸が交互に繰り返される領域は、当該沖側壁面に沿ってその下端から上端に向う方向に沿って均一な断面形状を有することを特徴とする防波構造物。
  6. 請求項5に記載の防波構造物において、
    前記沖側壁面は、当該沖側壁面の水平方向における特定の端部である第1の端部と、この第1の端部と反対の側の端部である第2の端部とを有し、
    前記沖側壁面における凹凸が交互に繰り返される領域では、当該沖側壁面に沿って水平に前記第1の端部に向う波に対してその進行方向と直交若しくは略直交する直交面が前記凹凸の一部に形成されていることを特徴とする防波構造物。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の防波構造物において、
    前記沖側壁面の凹凸は、当該沖側壁面に沿ってその下端から上端に向う方向に沿って延び、前記水平向に間隔をおいて平行若しくは略平行に並ぶ複数本の突条の表面と、前記水平方向に隣り合う突条同士の間に位置する底面とにより画定されることを特徴とする防波構造物。
  8. 請求項7に記載の防波構造物において、
    前記沖側壁面は、当該沖側壁面の水平方向における特定の端部である第1の端部と、この第1の端部と反対の側の端部である第2の端部とを有し、
    前記突条は、前記沖側壁面に沿って水平に前記第1の端部に向う波に対して、その進行方向と直交若しくは略直交する第1の直交面を有することを特徴とする防波構造物。
  9. 請求項8に記載の防波構造物において、
    前記突条は、前記沖側壁面に沿って水平に前記第2の端部に向う波に対して、その進行方向と直交若しくは略直交する第2の直交面を有することを特徴とする防波構造物。
  10. 請求項7乃至9のいずれか1項に記載の防波構造物において、
    前記沖側壁面に沿ってその下端から上端に向う方向と直交し且つ前記水平方向と直交する方向における前記突条の高さ寸法よりも、前記水平方向における前記底面の幅寸法が大きいことを特徴とする防波構造物。
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