JP2011214127A - 制振・免震ダンパー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 寒冷地においても使用できる低温靭性を有し、地震等により建築構造物等に作用する振動エネルギーを吸収し、かつ、その振動を速やかに収斂させることのできる制振・免震ダンパー装置を提供する。
【解決手段】
炭素0.001〜0.10重量%以下、シリコン0.1〜3.0重量%、マンガン5.0〜18.0未満重量%、クロム0.01〜20.0重量%、アルミニウム0.001〜0.1重量%、残部鉄を含んでなる鋼であって、積層欠陥エネルギーSFE(mJ/m2)を20以下の条件を満たす化学組成になるように溶製し、所定の熱処理条件、冷却条件及び冷間加工条件を満たす製造方法によってε−Ms相が10〜50体積%とする。
【選択図】図1
【解決手段】
炭素0.001〜0.10重量%以下、シリコン0.1〜3.0重量%、マンガン5.0〜18.0未満重量%、クロム0.01〜20.0重量%、アルミニウム0.001〜0.1重量%、残部鉄を含んでなる鋼であって、積層欠陥エネルギーSFE(mJ/m2)を20以下の条件を満たす化学組成になるように溶製し、所定の熱処理条件、冷却条件及び冷間加工条件を満たす製造方法によってε−Ms相が10〜50体積%とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、寒冷地においても使用できる低温靭性を有し、地震等により建築構造物等に作用する振動エネルギーを吸収し、かつ、その振動を速やかに収斂させることのできる制振・免震ダンパー装置に関する。
従来から、地震等により建築構造物等に作用する振動エネルギーを吸収するための免震ダンパー装置として、鋼棒ダンパー、オイルダンパー、粘性ダンパー、鉛ダンパー、ゴム積層ダンパー等が提案されている。鋼材を利用した免震ダンパー装置として、例えば、特開2001−234285(特許文献1)や特開2006−194284(特許文献2)が提案されている。
特許文献1で提案された免震ダンパー装置は、低温靭性にすぐれた振動吸収能を有するが、地震によって揺れ始めた振動を早期に収斂される制振機能はない。特許文献2は、材料に形状記憶合金を使用して地震の初期振動を吸収させ、その結果塑性変形した形状を付加的加熱によって復元させるものであり、現実的装置とはなり難い。
ゴム積層ダンパーは、地震の鉛直方向の振動吸収機能が不十分である。特に高層建築物の場合、例え横揺れであっても建築物に働くモーメントにより免震ダンパー装置には鉛直成分の引張応力が発生するので、積層ダンパーはこの引張応力に対する耐力が極めて低いので地震に対する基本的機能が不十分である。
鉛ダンパーは、環境問題から使用できない。
上記の背景から、寒冷地においても使用できる低温靭性を有し、地震等により建築構造物等に作用する振動エネルギーを吸収し、かつ、その振動を速やかに収斂させることのできる制振・免震ダンパー装置が求められている。
ゴム積層ダンパーは、地震の鉛直方向の振動吸収機能が不十分である。特に高層建築物の場合、例え横揺れであっても建築物に働くモーメントにより免震ダンパー装置には鉛直成分の引張応力が発生するので、積層ダンパーはこの引張応力に対する耐力が極めて低いので地震に対する基本的機能が不十分である。
鉛ダンパーは、環境問題から使用できない。
上記の背景から、寒冷地においても使用できる低温靭性を有し、地震等により建築構造物等に作用する振動エネルギーを吸収し、かつ、その振動を速やかに収斂させることのできる制振・免震ダンパー装置が求められている。
一方、金属系の制振性材料としては、鋳鉄、Mn−Cu合金、Mg−Zr合金、Mg−Ni合金、Al−Zn合金、Fe−Al−Cr合金、Ni−Ti合金、Cu−Al−Ni合金等が知られている。
これらを制振・免震ダンパー装置の観点から見れば、鋳鉄やMg系合金は強度が低いという欠点がある。Mn−Cu系合金は高い強度が得られないという欠点がある。Fe−Al−Cr合金は歪によって減衰能が低下するという欠点がある。
これらの材料は、振動減衰能は比較的優れているが、高価な元素を多く含んでいるため合金材料の価格上昇となり上記のような建築構造物への用途は限られている。
これらを制振・免震ダンパー装置の観点から見れば、鋳鉄やMg系合金は強度が低いという欠点がある。Mn−Cu系合金は高い強度が得られないという欠点がある。Fe−Al−Cr合金は歪によって減衰能が低下するという欠点がある。
これらの材料は、振動減衰能は比較的優れているが、高価な元素を多く含んでいるため合金材料の価格上昇となり上記のような建築構造物への用途は限られている。
上記の問題を解決するために、例えば、特許文献3によれば、機械的強度が高く、振動減衰能を有する材料として、高強度高減衰能Fe−Cr−Mn合金及びその製造方法が開示されている。
この特許には、Cr組成比9〜15重量パーセント、Mn重量パーセント18〜26重量%、残部鉄からなり、イプシロン・マルテンサイト相が40%以上である高強度高減衰能Fe−Cr−Mn合金及びその製造方法が開示されている。上記Fe−Cr−Mn合金は、組成的にステンレス鋼をベースとしたものである。従って、その機械的性質はステンレス鋼とほぼ同等であり、かつ、制振性に優れているので制振性の観点からは上記の問題点を解決するひとつの発明である。
この特許には、Cr組成比9〜15重量パーセント、Mn重量パーセント18〜26重量%、残部鉄からなり、イプシロン・マルテンサイト相が40%以上である高強度高減衰能Fe−Cr−Mn合金及びその製造方法が開示されている。上記Fe−Cr−Mn合金は、組成的にステンレス鋼をベースとしたものである。従って、その機械的性質はステンレス鋼とほぼ同等であり、かつ、制振性に優れているので制振性の観点からは上記の問題点を解決するひとつの発明である。
しかしながら、特許文献3によって開示された技術によれば、イプシロン・マルテンサイト相が 40%以上である高強度高減衰能Fe−Cr−Mn合金は、このような金属組織では低温靭性を発揮し得ない。また、特許文献3によって開示された技術では、マンガン重量パーセント18〜26重量%と開示されているが、この材料を溶製する場合、マンガン成分が蒸発し易いため添加するマンガン合金の歩留まりが悪く、かつ、マンガンは鋼の溶製時に用いられる耐火物の溶損を著しく増大させるという難点があるので、溶製コストが高くなるために上記の工業的用途が極めて制限されるという問題点がある。また、マンガン組成比が 18〜26重量%と高いので冷間加工コストが高くなるという問題点がある。
一方、本発明者らは、特許文献4に示すように、振動減衰能のある材料として、炭素重量パーセント0.05重量%以下、マンガン重量パーセント13〜18重量%、クロム重量パーセント9〜15重量%、ニッケル重量パーセント0.01〜6.0重量%、アルミニウム重量パーセント0.01〜0.05重量%、窒素重量パーセント0.01重量%以下、残部鉄からなる材料を冷間加工によって、マトリックスであるオーステナイト相(以下、「γ−相」という。)中にイプシロン・マルテンサイト相(以下、「ε−Ms相」という。)を10体積%以上生成させることを特徴とする高強度高減衰能Fe−Mn−Cr−Ni合金を提案している。
しかしながら、特許文献4においては、冷間加工による方法によって高強度高減衰能合金を推奨しているが、これは振動減衰能が安定して得られないばかりか、母材の低温靭性を著しく低下させるので、上記記載の用途には使用できない。
しかしながら、特許文献4においては、冷間加工による方法によって高強度高減衰能合金を推奨しているが、これは振動減衰能が安定して得られないばかりか、母材の低温靭性を著しく低下させるので、上記記載の用途には使用できない。
特許文献4においては、ニッケル重量パーセント0.01〜6.0重量%添加することによって、マンガン重量パーセント13〜18重量%とマンガン量を少なくすることができることが開示されている。この技術は、ニッケル添加によってマンガン成分を低くすることで製造コストを低減するための対策技術ではあるが、高価なニッケルを添加して冷間加工性を向上しようとするものであり、原料コストに立てば、むしろ、コストが嵩むこととなる技術であり、総合的製造コストの原理原則に立ち返って検討し直すことが必要である。
特許文献5によって開示された技術によれば、炭素重量パーセント0.01〜0.25重量%、シリコン重量パーセント0.01〜0.5重量%、マンガン重量パーセント15〜40重量%、クロム重量パーセント0.5〜10重量%の主要な化学組成を特許の構成要件として、 ε−Ms相の体積パーセントを特定の範囲とすることによって低温靭性等の特性に優れた高マンガン鋼材を提案されている。しかしながら、特許文献5におけるマンガン重量パーセントは、15〜40重量%と高いため熱間加工及び冷間加工においてコスト高となり製造技術的に問題がある。そして、特許文献5は、鋼の制振性発現に関するものではない。
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討した結果、制振性に優れた鋼として、熱処理或いは冷間加工によってε−Ms相が生成し易い度合いを示す積層欠陥エネルギーSFE(mJ/m2)(数式5、非特許文献1参照)(以下、「SFE」という。)に着目し、マンガンの効果をシリコンの微量添加によって一部置換えることによってマンガン重量パーセントの低減ができることを見出し、その効果を実証する知見を得て特許文献6として出願している。
Pickering:Proc.Conf.Stainless Steels,Gothenburg,Sept.(1984)
本発明は、寒冷地においても使用できる低温靭性を有し、地震等により建築構造物等に作用する振動エネルギーを吸収し、かつ、その振動を速やかに収斂させることのできる制振・免震ダンパー装置を提供することを目的とする。
本願発明に係る制振・免震ダンパー装置を構成する制振性鋼は、
炭素、シリコン、マンガン、クロム、アルミニウム、及び、鉄を含んでなる制振性鋼であって、
炭素、シリコン、マンガン、クロム、アルミニウム、及び、残部鉄の合計重量を基準として、
シリコンの重量パーセント[%Si]を0.1〜3.0[%]として、
マンガンの重量パーセント[%Mn]を5.0〜18.0[%]に低減することにより、
X線回折法によって測定されたイプシロン・マルテンサイト相の体積パーセント[ε−Ms相]が、数式(1)を満足することを特徴とする。
[数式1]
10[体積%] ≦ [ε−Ms相] ≦ 50[体積%] (1)
炭素、シリコン、マンガン、クロム、アルミニウム、及び、鉄を含んでなる制振性鋼であって、
炭素、シリコン、マンガン、クロム、アルミニウム、及び、残部鉄の合計重量を基準として、
シリコンの重量パーセント[%Si]を0.1〜3.0[%]として、
マンガンの重量パーセント[%Mn]を5.0〜18.0[%]に低減することにより、
X線回折法によって測定されたイプシロン・マルテンサイト相の体積パーセント[ε−Ms相]が、数式(1)を満足することを特徴とする。
[数式1]
10[体積%] ≦ [ε−Ms相] ≦ 50[体積%] (1)
本願発明に係る制振・免震ダンパー装置を構成する制振性鋼は、
炭素、シリコン、マンガン、クロム、アルミニウム、及び、残部鉄の合計重量を基準として、
炭素の重量パーセント[%C]を0.001〜0.10[%]、
シリコンの重量パーセント[%Si]を0.01〜3.0[%]、
マンガンの重量パーセント[%Mn]を5.0〜18.0[%]、
クロムの重量パーセント[%Cr]を0.01〜20.0[%]
アルミニウムの重量パーセント[%Al]を0.001〜0.10[%]
残部を鉄の重量パーセント[%Fe]として含むことを特徴とする。
炭素、シリコン、マンガン、クロム、アルミニウム、及び、残部鉄の合計重量を基準として、
炭素の重量パーセント[%C]を0.001〜0.10[%]、
シリコンの重量パーセント[%Si]を0.01〜3.0[%]、
マンガンの重量パーセント[%Mn]を5.0〜18.0[%]、
クロムの重量パーセント[%Cr]を0.01〜20.0[%]
アルミニウムの重量パーセント[%Al]を0.001〜0.10[%]
残部を鉄の重量パーセント[%Fe]として含むことを特徴とする。
本願発明に係る制振・免震ダンパー装置を構成する制振性鋼は、
片持ち梁法によって測定した制振性を表す損失係数(η)(以下、「η」という。)が、数式(2)を満足することを特徴とする。
[数式2]
0.005 ≦ η ≦ 0.10 (2)
片持ち梁法によって測定した制振性を表す損失係数(η)(以下、「η」という。)が、数式(2)を満足することを特徴とする。
[数式2]
0.005 ≦ η ≦ 0.10 (2)
本願発明に係る制振・免震ダンパー装置を構成する制振性鋼は、
日本工業規格(JIS Z 2242:2005 金属材料のシャルピー衝撃試験方法)に規定する試験方法に従って行われるシャルピー試験(Charpy Test)において、低温靭性の尺度であるシャルピー試験における50%破面遷移温度(℃)
(以下、「vTrs」という。)が、
数式(3)を満足することを特徴とする。
[数式3]
vTrs ≦ −40℃ (3)
日本工業規格(JIS Z 2242:2005 金属材料のシャルピー衝撃試験方法)に規定する試験方法に従って行われるシャルピー試験(Charpy Test)において、低温靭性の尺度であるシャルピー試験における50%破面遷移温度(℃)
(以下、「vTrs」という。)が、
数式(3)を満足することを特徴とする。
[数式3]
vTrs ≦ −40℃ (3)
本願発明に係る制振・免震ダンパー装置を構成する制振性鋼は、
炭素、シリコン、マンガン、クロム、アルミニウム、及び、残部鉄の合計重量を基準として、
炭素の重量パーセント[%C]を0.001〜0.10[%]、
シリコンの重量パーセント[%Si]を0.01〜3.0[%]、
マンガンの重量パーセント[%Mn]を5.0〜18.0[%]、
クロムの重量パーセント[%Cr]を0.01〜20.0[%]
アルミニウムの重量パーセント[%Al]を0.001〜0.10[%]
鉄の重量パーセント[%Fe]として含んでなる鋼を、
第1工程として、950〜1200℃で、1〜5時間、加熱する工程、
第2工程として、加工仕上がり温度750〜950℃で、熱間加工する工程、
第3工程として、700〜950℃で、1〜60分間、熱処理する工程、
第4工程として、500℃から20℃までの温度領域を、10〜50(℃/秒)の冷却速度で急速冷却する工程、
第5工程として、必要に応じて、冷間加工率1〜20%の冷間加工を施す工程
を含んで構成される工程によって製造されることを特徴とする。
炭素、シリコン、マンガン、クロム、アルミニウム、及び、残部鉄の合計重量を基準として、
炭素の重量パーセント[%C]を0.001〜0.10[%]、
シリコンの重量パーセント[%Si]を0.01〜3.0[%]、
マンガンの重量パーセント[%Mn]を5.0〜18.0[%]、
クロムの重量パーセント[%Cr]を0.01〜20.0[%]
アルミニウムの重量パーセント[%Al]を0.001〜0.10[%]
鉄の重量パーセント[%Fe]として含んでなる鋼を、
第1工程として、950〜1200℃で、1〜5時間、加熱する工程、
第2工程として、加工仕上がり温度750〜950℃で、熱間加工する工程、
第3工程として、700〜950℃で、1〜60分間、熱処理する工程、
第4工程として、500℃から20℃までの温度領域を、10〜50(℃/秒)の冷却速度で急速冷却する工程、
第5工程として、必要に応じて、冷間加工率1〜20%の冷間加工を施す工程
を含んで構成される工程によって製造されることを特徴とする。
本願発明に係る制振・免震ダンパー装置を構成する制振性鋼は、
炭素の重量パーセント[%C]、シリコン重量パーセント[%Si]、マンガン重量パーセント[%Mn]、クロム重量パーセント[%Cr]、ニッケルの重量パーセント[%Ni]及び窒素のパーセント[%N]によって、
数式(4)によって計算される積層欠陥エネルギー(SFE)(mJ/m2)が、
数式(5)を満足することを特徴とする。
[数式4]
SFE(mJ/m2)=25.7+2×[%Ni]+410×[%C]−0.9×[%Cr]−77×[%N]−13×[%Si]−1.2×[%Mn] (4)
[数式5]
−20(mJ/m2)≦ SFE ≦ 20(mJ/m2) (5)
炭素の重量パーセント[%C]、シリコン重量パーセント[%Si]、マンガン重量パーセント[%Mn]、クロム重量パーセント[%Cr]、ニッケルの重量パーセント[%Ni]及び窒素のパーセント[%N]によって、
数式(4)によって計算される積層欠陥エネルギー(SFE)(mJ/m2)が、
数式(5)を満足することを特徴とする。
[数式4]
SFE(mJ/m2)=25.7+2×[%Ni]+410×[%C]−0.9×[%Cr]−77×[%N]−13×[%Si]−1.2×[%Mn] (4)
[数式5]
−20(mJ/m2)≦ SFE ≦ 20(mJ/m2) (5)
本願発明に係る制振・免震ダンパー装置は、
制振・免震ダンパー装置を構成する制振性鋼部材の断面積S(mm2)及び長さL(mm)によって、数式(6)によって表わされる形状ファクタF(−)が、数式(7)を満足する制振性鋼によって構成されることを特徴とする。
[数式6]
F= S/L2 (6)
[数式7]
0.0001 ≦ F ≦ 0.01 (7)
制振・免震ダンパー装置を構成する制振性鋼部材の断面積S(mm2)及び長さL(mm)によって、数式(6)によって表わされる形状ファクタF(−)が、数式(7)を満足する制振性鋼によって構成されることを特徴とする。
[数式6]
F= S/L2 (6)
[数式7]
0.0001 ≦ F ≦ 0.01 (7)
本発明は、寒冷地においても使用できる低温靭性を有し、地震等により建築構造物等に作用する振動エネルギーを吸収し、かつ、その振動を速やかに収斂させることのできる制振・免震ダンパー装置を提供することができる。本発明に係わる装置を設置することにより地震等による建造物の被害を軽減できる技術を提供するので、社会生活の安心・安全面への貢献効果が大きい。
以下に、本発明に係わる、寒冷地においても使用できる低温靭性を有し、地震等により建築構造物等に作用する振動エネルギーを吸収し、かつ、その振動を速やかに収斂させることのできる制振・免震ダンパー装置について具体的に説明する。
図1は、本発明に係わる制振・免震ダンパー装置の1例である。
図1は、本発明に係わる制振・免震ダンパー装置の1例である。
本発明の請求項1記載事項において、シリコン重量パーセント0.1〜3.0重量%、マンガン重量パーセント5.0〜18.0重量%としている。
これは、良好な制振性発現能を持ちながら、微量のシリコンを添加することによってマンガン量を低く抑えることができることを示してしいる。
即ち、請求項6記載事項において、熱処理或いは冷間加工によってε−Ms相が生成し易い度合いを示す積層欠陥エネルギーSFE(mJ/m2)(数式4)の関係式において、マンガンの項は−1.2×[%Mn]であり、シリコンの項は−13×[%Si]であることから、シリコンはマンガンの約十倍のSFEの低減効果があることを示している。
即ち、SFEを20mJ/m2以下に保持した上で、微量の0.1〜3.0重量%のシリコン添加によってマンガン添加量を5.0〜18.0重量%と少なく抑えられている。
これは、良好な制振性発現能を持ちながら、微量のシリコンを添加することによってマンガン量を低く抑えることができることを示してしいる。
即ち、請求項6記載事項において、熱処理或いは冷間加工によってε−Ms相が生成し易い度合いを示す積層欠陥エネルギーSFE(mJ/m2)(数式4)の関係式において、マンガンの項は−1.2×[%Mn]であり、シリコンの項は−13×[%Si]であることから、シリコンはマンガンの約十倍のSFEの低減効果があることを示している。
即ち、SFEを20mJ/m2以下に保持した上で、微量の0.1〜3.0重量%のシリコン添加によってマンガン添加量を5.0〜18.0重量%と少なく抑えられている。
本発明の請求項1記載事項において、X線回折法によって測定されたε−Ms相の体積パーセントが10〜50体積%であることを開示している。
これは、本発明の基本的な制振発現の必要条件である金属組織、ε−Ms相の定量的表現であり、10体積%未満では制振性が不十分となるためであり、50体積%を超えるとε−Ms相が相互に絡みあって逆に上記の制振性を低下させ、また、低温靭性を低下させるためである。好ましくは、ε−Ms相体積パーセントが20〜40体積%である。
これは、本発明の基本的な制振発現の必要条件である金属組織、ε−Ms相の定量的表現であり、10体積%未満では制振性が不十分となるためであり、50体積%を超えるとε−Ms相が相互に絡みあって逆に上記の制振性を低下させ、また、低温靭性を低下させるためである。好ましくは、ε−Ms相体積パーセントが20〜40体積%である。
本発明の請求項2記載事項において、クロム0.01〜20.0重量%としている。
これは、本発明の基本となるγ−相生成に関するものである。
図2に、Fe−Cr−Mn−Ni鋼の状態図を示した。
図2から明らかなように、クロムが20.0重量%を超える領域ではオーステナイト相(γ−相)とフェライト相(α−相)の2相が生成するので、クロムを20.0重量%以下、好ましくは、15.0%以下とする。
クロムの下限については、積層欠陥エネルギーSFE(mJ/m2)(数式1)を20mJ/m2以下とする条件を満たす範囲を設定することによって、クロムとマンガンの相乗効果によって効果的にγ−相を生成させる領域を広くとることができる。
ここで、特許文献4との比較で、ニッケルのγ−相生成の役割をマンガン及びクロムが効果的に果しているので、制振性発現の観点からは高価なニッケルは必ずしも必要なくなっている。
即ち、本発明に於いては制振性発現以外の必要がない限りニッケルの意図的な添加の必要はない。
これは、本発明の基本となるγ−相生成に関するものである。
図2に、Fe−Cr−Mn−Ni鋼の状態図を示した。
図2から明らかなように、クロムが20.0重量%を超える領域ではオーステナイト相(γ−相)とフェライト相(α−相)の2相が生成するので、クロムを20.0重量%以下、好ましくは、15.0%以下とする。
クロムの下限については、積層欠陥エネルギーSFE(mJ/m2)(数式1)を20mJ/m2以下とする条件を満たす範囲を設定することによって、クロムとマンガンの相乗効果によって効果的にγ−相を生成させる領域を広くとることができる。
ここで、特許文献4との比較で、ニッケルのγ−相生成の役割をマンガン及びクロムが効果的に果しているので、制振性発現の観点からは高価なニッケルは必ずしも必要なくなっている。
即ち、本発明に於いては制振性発現以外の必要がない限りニッケルの意図的な添加の必要はない。
また、本発明の請求項2記載事項において、炭素重量パーセントを0.10重量%以下とするのは、振動減衰能を発現するγ相/ε−Ms相間の相互作用に悪影響を及ぼす固溶元素、特に、炭素の上限を定めることによって振動減衰能の向上及び安定を計るためであり、炭素重量パーセントが0.10重量%を越えると振動減衰能を示す損失係数(η)が低下しかつ不安定になるためである。
炭素と同様の影響を及ぼす窒素は、溶解製造時に大気中より0.020〜0.100重量%程度不可避的に混入して振動減衰能を低下させるものであるが、アルミニウムを0.01〜0.10重量%とすることによって鋼中の窒素をAlNの大きい介在物の形にすることによって制振性を阻害する作用をなくするためである。
即ち、アルミニウムが0.01重量%未満であると上記の鋼中窒素と結合するに必要なアルミニウム含有量が不足する場合がり、0.10重量%を越えると過剰のアルミニウムによって鋼材の表面や内部にAl2O3系の欠陥が発生しやすくなる危険があるためである。
炭素と同様の影響を及ぼす窒素は、溶解製造時に大気中より0.020〜0.100重量%程度不可避的に混入して振動減衰能を低下させるものであるが、アルミニウムを0.01〜0.10重量%とすることによって鋼中の窒素をAlNの大きい介在物の形にすることによって制振性を阻害する作用をなくするためである。
即ち、アルミニウムが0.01重量%未満であると上記の鋼中窒素と結合するに必要なアルミニウム含有量が不足する場合がり、0.10重量%を越えると過剰のアルミニウムによって鋼材の表面や内部にAl2O3系の欠陥が発生しやすくなる危険があるためである。
本発明の請求項3記載事項において、片持ち梁方式によって測定された制振性鋼の損失係数(η)が0.005〜0.10であることを開示しているが、これは制振性に優れた鋼材としての基本的な条件である。
ここで、本発明になる鋼の振動減衰能は振動歪依存性が大きいので、損失係数(η)測定方法は、振動歪みを約10−4以上にする必要があるため、これを可能にする方法として片持ち梁方式を選択した。
測定値においては、損失係数(η)が0.005未満であると制振性に優れた鋼としての振動減衰機能が不十分となるためであり、0.10を超えるための製造条件では鋼材の機械的性質が上記記載の用途に適さなくなるためである。
ここで、本発明になる鋼の振動減衰能は振動歪依存性が大きいので、損失係数(η)測定方法は、振動歪みを約10−4以上にする必要があるため、これを可能にする方法として片持ち梁方式を選択した。
測定値においては、損失係数(η)が0.005未満であると制振性に優れた鋼としての振動減衰機能が不十分となるためであり、0.10を超えるための製造条件では鋼材の機械的性質が上記記載の用途に適さなくなるためである。
本発明の請求項4記載事項において、JISによって規定された低温靭性の尺度であるシャルピー試験における50%破面遷移温度(vTrs)(℃)が−40℃以下としている。本発明に係わる制振性鋼の50%破面遷移温度(vTrs)(℃)が−40℃を超えると、寒冷地での制振・免震ダンパー装置への使用が出来ないためである。
本発明の請求項5記載事項において、請求項2で規定される化学組成を有する鋼を、1〜5時間、950〜1200℃に加熱する第1工程、仕上げ温度750〜950℃にて熱間加工する第2工程、常温で冷間加工する第3工程、700〜950℃で1〜60分間熱処理する第4工程、500℃から20℃までの温度領域を10〜30℃/secで急速冷却する第5工程及び、更に必要に応じて常温で1〜30%の範囲で冷間加工を施す第6工程を含んで構成される制振性に優れた鋼の製造方法を開示している。
ここで、重要な工程は、第4工程、第5工程及び第6工程である。
第4工程において、熱処理温度を700〜950℃としたのは、700℃未満の温度では冷間加工歪除去及びオーステナイト化が不十分であるために制振性発現が不十分となるためであり、950℃を超えるとオーステナイト結晶粒が粗大化して機械的性質が不良となるためである。
第5工程においては、γ−相からε−Ms相への相転移に於いて、効果的に熱誘起ε−Ms相を生成させるために500℃から常温までの冷却速度が重要であり、これを10〜50℃/secとした。10℃/sec未満の冷却速度では熱誘起ε−Ms相の生成が不十分となる為である。
第6工程において、この鋼を更に1〜20%の冷間加工を施すことによってε−Ms相の体積パーセントを増大させること又は冷間加工によって鋼のばね性を上げる製造方法を開示している。これは、用途によって必要な制振性や機械的性質或いは硬さを得るために必要に応じて選択することができる。
ここで、冷間加工率を1〜20%としたのは、20%を超えると生成するε−Ms相の体積パーセントが50体積%を超えるために逆に有効なε−Ms相の振動が阻害されるので制振性が低下し、更に、低温靭性が低下するためである。
ここで、重要な工程は、第4工程、第5工程及び第6工程である。
第4工程において、熱処理温度を700〜950℃としたのは、700℃未満の温度では冷間加工歪除去及びオーステナイト化が不十分であるために制振性発現が不十分となるためであり、950℃を超えるとオーステナイト結晶粒が粗大化して機械的性質が不良となるためである。
第5工程においては、γ−相からε−Ms相への相転移に於いて、効果的に熱誘起ε−Ms相を生成させるために500℃から常温までの冷却速度が重要であり、これを10〜50℃/secとした。10℃/sec未満の冷却速度では熱誘起ε−Ms相の生成が不十分となる為である。
第6工程において、この鋼を更に1〜20%の冷間加工を施すことによってε−Ms相の体積パーセントを増大させること又は冷間加工によって鋼のばね性を上げる製造方法を開示している。これは、用途によって必要な制振性や機械的性質或いは硬さを得るために必要に応じて選択することができる。
ここで、冷間加工率を1〜20%としたのは、20%を超えると生成するε−Ms相の体積パーセントが50体積%を超えるために逆に有効なε−Ms相の振動が阻害されるので制振性が低下し、更に、低温靭性が低下するためである。
本発明の請求項7記載事項において、制振・免震ダンパー装置を構成する制振性鋼のばね部の断面積S(mm2)及び長さL(mm)によって、数式(6)によって表わされる形状ファクタF(−)が、0.0001〜0.01としている。
これは、Fが0.0001未満であると、1〜10Hzの地震に対して共振現象が起る恐れがある。Fを0.0001以上としたのは、これを回避するためである。
Fが0.01を超えると地震の振動を十分吸収できないばかりか、制振性能を発揮するに必要な歪量である10−4を確保出来ないためである。
これは、Fが0.0001未満であると、1〜10Hzの地震に対して共振現象が起る恐れがある。Fを0.0001以上としたのは、これを回避するためである。
Fが0.01を超えると地震の振動を十分吸収できないばかりか、制振性能を発揮するに必要な歪量である10−4を確保出来ないためである。
本発明は、製造コストを抑制して、良好な低温靭性と制振性を併せ持つ制振性鋼を提供し、該鋼によって構成される制振・免震ダンパー装置を提供するものである。
該鋼の使用目的によっては、材料強度、ばね性、加工性、耐腐食性等の低温靭性と制振性能以外の特性を付与する必要がある場合には、本発明の基本要件である化学組成以外に、例えば、元素記号表示で云えば、Ni、Mo、Nb、V、Cu、Co、REM、Zr、B或いはCa等の元素を適宜添加することができるが、これらは本発明の範囲内である。
該鋼の使用目的によっては、材料強度、ばね性、加工性、耐腐食性等の低温靭性と制振性能以外の特性を付与する必要がある場合には、本発明の基本要件である化学組成以外に、例えば、元素記号表示で云えば、Ni、Mo、Nb、V、Cu、Co、REM、Zr、B或いはCa等の元素を適宜添加することができるが、これらは本発明の範囲内である。
以下、本発明を実験例によって説明する。
[実験例1]
実験例1として、表1に示す組成の鋼を溶製した。
ここで、表1に記載されていない元素について説明すると、窒素は、溶製時に不可避的に侵入するもので0.008〜0.100%の範囲とした。
リン(P)及び硫黄(S)はいずれも0.01%以下であった。
ニッケル(Ni)は、意図的には添加しなかった。
溶製した鋼を1000℃で2時間加熱し、仕上げ温度850℃で熱間加工して11mm厚の熱延板とした。これを、真空中にて800℃、1時間の熱処理を行い常温の油中に急速冷却した。この時、500℃から常温までの冷却速度は20℃/秒であった。これを、さらに必要なばね性を付与するために10%の冷間圧延加工を施した。
この材料の積層欠陥エネルギーSFE(mJ/m2)を数式4によって計算した。
鋼中のε−Ms相の体積%をX線回折法によって求め、更に片持ち梁方式によって損失係数(η)を測定した。この測定方法は一端をクランプで固定し振動部のサイズは10mm角x300mm長であり固定部を3G(3x980mm/sec2)の加速度で衝撃を与え自由減衰時間及び振動周波数を測定して損失係数(η)を求めた。この時の振動歪は10−4レベルであった。低温靭性の評価指標であるシャルピー試験における50%破面遷移温度(vTrs)(℃)を測定した。
表1に、総合評価として優良(◎ )、良好(○ )及び不可(×)の記号を付した。
実験例1として、表1に示す組成の鋼を溶製した。
ここで、表1に記載されていない元素について説明すると、窒素は、溶製時に不可避的に侵入するもので0.008〜0.100%の範囲とした。
リン(P)及び硫黄(S)はいずれも0.01%以下であった。
ニッケル(Ni)は、意図的には添加しなかった。
溶製した鋼を1000℃で2時間加熱し、仕上げ温度850℃で熱間加工して11mm厚の熱延板とした。これを、真空中にて800℃、1時間の熱処理を行い常温の油中に急速冷却した。この時、500℃から常温までの冷却速度は20℃/秒であった。これを、さらに必要なばね性を付与するために10%の冷間圧延加工を施した。
この材料の積層欠陥エネルギーSFE(mJ/m2)を数式4によって計算した。
鋼中のε−Ms相の体積%をX線回折法によって求め、更に片持ち梁方式によって損失係数(η)を測定した。この測定方法は一端をクランプで固定し振動部のサイズは10mm角x300mm長であり固定部を3G(3x980mm/sec2)の加速度で衝撃を与え自由減衰時間及び振動周波数を測定して損失係数(η)を求めた。この時の振動歪は10−4レベルであった。低温靭性の評価指標であるシャルピー試験における50%破面遷移温度(vTrs)(℃)を測定した。
表1に、総合評価として優良(◎ )、良好(○ )及び不可(×)の記号を付した。
以下、表1について詳述する。
本発明例1〜12は、シリコンを本発明の推奨範囲内である0.5〜1.0重量%を添加した例である。
ここで、本発明例1〜3は、SFE値は、10mJ/m2以下でありε−Ms相体積%は、本発明範囲内であるので損失係数(η)及び低温靭性は極めて良好である。
特に、本発明例3においては、シリコンを0.8重量%添加しているので、クロムが6.0重量%でもSFEの条件を満たせば、極めて良好な損失係数(η)と低温靭性を示すことが確認できた。
次に、本発明例4〜12は、SFE値が20mJ/m2以下でありε−Ms相体積%は本発明の請求範囲内であるので、損失係数(η)及び低温靭性共に良好である。
特に、クロムについては、SFEの条件を満足する範囲である、7.0重量%(本発明例5、7及び9)、或いは、5.0重量%(本発明例12)においても良好な制振性発現が確認された。
比較例1及び2については、SFE、ε−Ms相体積%及び損失係数(η)の指標からの判断では、良好(○)であるが、マンガン重量%が22.0及び19.0重量%と高いために材料が硬く冷間加工性が不良のために量産に当たっては製造コストが高くなるので総合評価は不可となるものであり、これは実験例3の項において詳述する。
比較例3は、シリコン無添加のために制振性が不良である。
比較例4は、シリコン量が過大のため、材料が硬く加工コストが高くなるので実生産ができない。
比較例5は、マンガン量が不足しているため制振性が不良である。
比較例6は、クロム量が過大のため、母相がγ−相とα−相の2相域となっているために、ε−Ms相の生成量が少ないので損失係数(η)が不十分である。
本発明例1〜12は、シリコンを本発明の推奨範囲内である0.5〜1.0重量%を添加した例である。
ここで、本発明例1〜3は、SFE値は、10mJ/m2以下でありε−Ms相体積%は、本発明範囲内であるので損失係数(η)及び低温靭性は極めて良好である。
特に、本発明例3においては、シリコンを0.8重量%添加しているので、クロムが6.0重量%でもSFEの条件を満たせば、極めて良好な損失係数(η)と低温靭性を示すことが確認できた。
次に、本発明例4〜12は、SFE値が20mJ/m2以下でありε−Ms相体積%は本発明の請求範囲内であるので、損失係数(η)及び低温靭性共に良好である。
特に、クロムについては、SFEの条件を満足する範囲である、7.0重量%(本発明例5、7及び9)、或いは、5.0重量%(本発明例12)においても良好な制振性発現が確認された。
比較例1及び2については、SFE、ε−Ms相体積%及び損失係数(η)の指標からの判断では、良好(○)であるが、マンガン重量%が22.0及び19.0重量%と高いために材料が硬く冷間加工性が不良のために量産に当たっては製造コストが高くなるので総合評価は不可となるものであり、これは実験例3の項において詳述する。
比較例3は、シリコン無添加のために制振性が不良である。
比較例4は、シリコン量が過大のため、材料が硬く加工コストが高くなるので実生産ができない。
比較例5は、マンガン量が不足しているため制振性が不良である。
比較例6は、クロム量が過大のため、母相がγ−相とα−相の2相域となっているために、ε−Ms相の生成量が少ないので損失係数(η)が不十分である。
[実験例2]
実験例2は、本発明の請求項5に関するものである。
即ち、制振性を発現するε−Ms相を効果的に生成させ、かつ、良好な低温靭性を持つ鋼を得るための製造条件に関するもので、本発明の主要な要件を実証するものである。
表1に記載した本発明例1の材料を用いた。
これを1000℃で2時間加熱し、仕上げ温度850℃で熱間加工して10mm厚の熱延鋼板とした。これを、真空中で800℃x1時間の熱処理を行った。これらを表2の処理条件で冷却或いは冷間加工を行った。表2に、これらの機械的性質、損失係数(η)及びシャルピー試験の50%破面遷移温度(vTrs)(℃)の測定結果を示す。総合評価は、使用用途の観点からの評価であり、制振性として損失係数(η)、低温靭性としてシャルピー試験の50%破面遷移温度(vTrs)(℃)及びばね性として機械的性質を総合した評価である。総合評価は、優良(◎)、良好(○)及び不可(×)で表示した。
実験例2は、本発明の請求項5に関するものである。
即ち、制振性を発現するε−Ms相を効果的に生成させ、かつ、良好な低温靭性を持つ鋼を得るための製造条件に関するもので、本発明の主要な要件を実証するものである。
表1に記載した本発明例1の材料を用いた。
これを1000℃で2時間加熱し、仕上げ温度850℃で熱間加工して10mm厚の熱延鋼板とした。これを、真空中で800℃x1時間の熱処理を行った。これらを表2の処理条件で冷却或いは冷間加工を行った。表2に、これらの機械的性質、損失係数(η)及びシャルピー試験の50%破面遷移温度(vTrs)(℃)の測定結果を示す。総合評価は、使用用途の観点からの評価であり、制振性として損失係数(η)、低温靭性としてシャルピー試験の50%破面遷移温度(vTrs)(℃)及びばね性として機械的性質を総合した評価である。総合評価は、優良(◎)、良好(○)及び不可(×)で表示した。
表2について詳細に説明する。
試験No.1−1〜1−5は、800℃で熱処理後に油中に急速冷却した場合である。
試験No.2−1〜2−5は、800℃で熱処理後に徐冷した場合である。
冷間加工によって引張強さが上昇するのでばね性は向上すが、低温靭性は冷間加工に敏感に劣化する。制振性は、急冷+軽冷間加工の条件が良い。即ち、試験No.1−2及び1−3に示すように、800℃で熱処理ご油中に急冷して、5及び10%の冷間加工した場合は、ばね性、制振性及び低温靭性とも満足しているので、寒冷地でも使用できる制振・免震ダンパー装置用鋼材であることが実証された。
一方、800℃で熱処理後に徐冷した場合は、最適な条件を見出し難い。
試験No.1−1〜1−5は、800℃で熱処理後に油中に急速冷却した場合である。
試験No.2−1〜2−5は、800℃で熱処理後に徐冷した場合である。
冷間加工によって引張強さが上昇するのでばね性は向上すが、低温靭性は冷間加工に敏感に劣化する。制振性は、急冷+軽冷間加工の条件が良い。即ち、試験No.1−2及び1−3に示すように、800℃で熱処理ご油中に急冷して、5及び10%の冷間加工した場合は、ばね性、制振性及び低温靭性とも満足しているので、寒冷地でも使用できる制振・免震ダンパー装置用鋼材であることが実証された。
一方、800℃で熱処理後に徐冷した場合は、最適な条件を見出し難い。
[実験例3]
実験例3は、本発明に係わる冷間加工性の評価に関するものである。
表3は、本発明例1(Mn:16%)、本発明例8(Mn:8%)、比較例1(Mn:22%)及びSUS304(Mn:1%)のマンガン(Mn)含有量の異なる鋼について、試験圧延機(ワークロール径85mmφの4段圧延機)によって、2.0mmから約0.03mm厚までの冷間圧延における中間熱処理回数と熱処理が必要となるまでの冷間圧延率を測定したものである。
本発明例1及び8は、2.0mmから約0.03mmまでに中間熱処理回数は3回であり、次の中間熱処理までの平均冷間圧延率は63〜70%である。
これに対して、比較例1(Mn:22%)は、9回の中間熱処理が必要となり、次の中間熱処理までの平均冷間圧延率は、35%である。これは、冷間加工のコストが実生産における圧延コストが過大となるために実用化が阻害されていることが明白に示されている。
本発明例1及び8は、SUS304と同等の冷間加工性であることが確認され、実生産可能との総合評価である。
実験例3は、本発明に係わる冷間加工性の評価に関するものである。
表3は、本発明例1(Mn:16%)、本発明例8(Mn:8%)、比較例1(Mn:22%)及びSUS304(Mn:1%)のマンガン(Mn)含有量の異なる鋼について、試験圧延機(ワークロール径85mmφの4段圧延機)によって、2.0mmから約0.03mm厚までの冷間圧延における中間熱処理回数と熱処理が必要となるまでの冷間圧延率を測定したものである。
本発明例1及び8は、2.0mmから約0.03mmまでに中間熱処理回数は3回であり、次の中間熱処理までの平均冷間圧延率は63〜70%である。
これに対して、比較例1(Mn:22%)は、9回の中間熱処理が必要となり、次の中間熱処理までの平均冷間圧延率は、35%である。これは、冷間加工のコストが実生産における圧延コストが過大となるために実用化が阻害されていることが明白に示されている。
本発明例1及び8は、SUS304と同等の冷間加工性であることが確認され、実生産可能との総合評価である。
[実験例4]
本発明になる鋼をその制振性能を効果的に発揮させるには、その制振・免震ダンパー装置の1次共振周波数を、適用する振動環境に適するようにした構造にする必要がある。
そこで、本発明者らは、本発明になる鋼について、箔、板及び棒の単純な断面積の様々な寸法と1次共振周波数との関係を図3に示す実験によって求めた。図4は、1次共振周波数を求めるための周波数応答関数の1例である。サンプル(振動部)の横断面積S(mm2)、長さをL(mm)から数式6によって求められる形状ファクタFと1次共振周波数fnとの関係を試行錯誤によって求めた。
結果を図5に示す。
これによって、下記の実験式(数式8)の関係が求められた。
即ち、fn=CxFの関係にあることが分かった。ただし、数式8に於ける係数(C)は、本発明になる制振性に優れた鋼にのみ適用されるものであり、他の材料では別途測定しなければならない。また上記の関係は、Fが0.0001〜1.0の広い範囲で適用できることが確認された。
[数式8]
fn(Hz)=1.0×105×F (8)
本発明になる鋼をその制振性能を効果的に発揮させるには、その制振・免震ダンパー装置の1次共振周波数を、適用する振動環境に適するようにした構造にする必要がある。
そこで、本発明者らは、本発明になる鋼について、箔、板及び棒の単純な断面積の様々な寸法と1次共振周波数との関係を図3に示す実験によって求めた。図4は、1次共振周波数を求めるための周波数応答関数の1例である。サンプル(振動部)の横断面積S(mm2)、長さをL(mm)から数式6によって求められる形状ファクタFと1次共振周波数fnとの関係を試行錯誤によって求めた。
結果を図5に示す。
これによって、下記の実験式(数式8)の関係が求められた。
即ち、fn=CxFの関係にあることが分かった。ただし、数式8に於ける係数(C)は、本発明になる制振性に優れた鋼にのみ適用されるものであり、他の材料では別途測定しなければならない。また上記の関係は、Fが0.0001〜1.0の広い範囲で適用できることが確認された。
[数式8]
fn(Hz)=1.0×105×F (8)
[実験例5]
実験例5は、本発明の請求項7に関するものである。
制振・免震ダンパー装置を設計するに当たり留意すべきことは、該装置を構成する制振性鋼の振動部寸法をその使用環境及び想定した地震の振動に適合させることが重要である。
表1に記載の本発明例1の材料を用いて、10mmφの棒状のサンプルを作成した。
図3に示すような片持ち梁方式で振動部長さを50mm〜1000mm長さに変化させて、その各々について、固定部に5Hz及び10Hzの振動を付加して共振現象を計測した。損失係数(η)は、固定部に衝撃加振を与えて自由減衰時間軸波形から求めた。
表4に結果を示す。総合評価を○(良好)及び×(不可)で示した。
F値が0.0001に近くなると、3Hz及び10Hzの連続加振に対して共振現象が観察される。即ち、共振現象を確実に回避するには、制振・免震ダンパー装置を構成する制振鋼の振動部のF値を0.0001以上にして鋼材の振動部の共振周波数を予想される地震の振動周波数より余裕代をもって3倍程度高く設定する必要があることが判明した。
良好な制振性を発現させるためには、振動歪量を10−4以上にする必要がある。
5〜10Hz程度の加振に対しては、F値を0.01以下にすることによって、加振によって十分な振幅が得られるような条件設定をすることによって本発明の効果を発揮できることが判明した。
実験例5は、本発明の請求項7に関するものである。
制振・免震ダンパー装置を設計するに当たり留意すべきことは、該装置を構成する制振性鋼の振動部寸法をその使用環境及び想定した地震の振動に適合させることが重要である。
表1に記載の本発明例1の材料を用いて、10mmφの棒状のサンプルを作成した。
図3に示すような片持ち梁方式で振動部長さを50mm〜1000mm長さに変化させて、その各々について、固定部に5Hz及び10Hzの振動を付加して共振現象を計測した。損失係数(η)は、固定部に衝撃加振を与えて自由減衰時間軸波形から求めた。
表4に結果を示す。総合評価を○(良好)及び×(不可)で示した。
F値が0.0001に近くなると、3Hz及び10Hzの連続加振に対して共振現象が観察される。即ち、共振現象を確実に回避するには、制振・免震ダンパー装置を構成する制振鋼の振動部のF値を0.0001以上にして鋼材の振動部の共振周波数を予想される地震の振動周波数より余裕代をもって3倍程度高く設定する必要があることが判明した。
良好な制振性を発現させるためには、振動歪量を10−4以上にする必要がある。
5〜10Hz程度の加振に対しては、F値を0.01以下にすることによって、加振によって十分な振幅が得られるような条件設定をすることによって本発明の効果を発揮できることが判明した。
本発明は、寒冷地においても使用できる低温靭性を有し、地震等により建築構造物等に作用する振動エネルギーを吸収し、かつ、その振動を速やかに収斂させることのできる制振・免震ダンパー装置を提供することができる。本発明に係わる装置を設置することにより地震等による建造物の被害を軽減できる技術を提供するので、社会生活の安心・安全の面への貢献効果が大きい。
本発明により、制振性にすぐれた鋼を製造するためには必須な元素であるマンガンの組成比を顕著に低減することが実現できることから、製造コストを顕著に低減することを可能としたので産業上の利用価値が高い。
本発明により、制振性にすぐれた鋼を製造するためには必須な元素であるマンガンの組成比を顕著に低減することが実現できることから、製造コストを顕著に低減することを可能としたので産業上の利用価値が高い。
Claims (7)
- 炭素、シリコン、マンガン、クロム、アルミニウム、及び、鉄を含んでなる制振性鋼において、
炭素、シリコン、マンガン、クロム、アルミニウム、及び、残部鉄の合計重量を基準として、
シリコンの重量パーセント[%Si]を0.1〜3.0[%]として、
マンガンの重量パーセント[%Mn]を5.0〜18.0[%]に低減することにより、
X線回折法によって測定されたイプシロン・マルテンサイト相の体積パーセント[ε−Ms相]が、数式(1)を満足することを特徴とする、
優れた低温靭性、及び、優れた制振性を併せ有する制振性鋼によって構成される制振・免震ダンパー装置。
[数式1]
10[体積%] ≦ [ε−Ms相] ≦ 50[体積%] (1) - 炭素、シリコン、マンガン、クロム、アルミニウム、及び、残部鉄の合計重量を基準として、
炭素の重量パーセント百分率[%C]を0.001〜0.10[%]、
シリコンの重量パーセント[%Si]を0.01〜3.0[%]、
マンガンの重量パーセント[%Mn]を5.0〜18.0[%]、
クロムの重量パーセント[%Cr]を0.01〜20.0[%]
アルミニウムの重量パーセント[%Al]を0.001〜0.10[%]
残部を鉄の重量パーセント[%Fe]として含む
ことを特徴とする制振性鋼によって構成される請求項1に記載した制振・免震ダンパー装置。 - 片持ち梁法によって測定した制振性を表す損失係数(η)が、数式(2)を満足することを特徴とする制振性鋼によって構成された請求項1又は2に記載した制振・免震ダンパー装置。
[数式2]
0.005 ≦ η ≦ 0.10 (2) - 日本工業規格(JIS Z 2242:2005 金属材料のシャルピー衝撃試験方法)に規定する試験方法に従って行われるシャルピー試験(Charpy Test)において、低温靭性の尺度であるシャルピー試験における50%破面遷移温度(vTrs)が、数式(3)を満足することを特徴とする制振鋼によって構成された請求項1乃至3の何れかに記載した制振・免震ダンパー装置。
[数式3]
vTrs ≦ −40℃ (3) - 炭素、シリコン、マンガン、クロム、アルミニウム、及び、残部鉄の合計重量を基準として、
炭素の重量パーセント[%C]を0.001〜0.10[%]、
シリコンの重量パーセント[%Si]を0.01〜3.0[%]、
マンガンの重量パーセント[%Mn]を5.0〜18.0[%]、
クロムの重量パーセント[%Cr]を0.01〜20.0[%]
アルミニウムの重量パーセント[%Al]を0.001〜0.10[%]
鉄の重量百分率[%Fe]として含んでなる鋼を、
第1工程として、950〜1200℃で、1〜5時間、加熱する工程、
第2工程として、加工仕上がり温度750〜950℃で、熱間加工する工程、
第3工程として、700〜950℃で、1〜60分間、熱処理する工程、
第4工程として、500℃から20℃までの温度領域を、10〜50(℃/秒)の冷却速度で急速冷却する工程、
第5工程として、必要に応じて、冷間加工率1〜20%の冷間加工を施す工程
を含んで構成される請求項1乃至4の何れかに記載した制振性鋼の製造方法。 - 炭素の重量パーセント[%C]、シリコン重量パーセント[%Si]、マンガン重量パーセント[%Mn]、クロム重量パーセント[%Cr]、ニッケルの重量パーセント[%Ni]及び窒素の重量パーセント[%N]によって、
数式(4)によって計算される積層欠陥エネルギー(SFE)(mJ/m2)が、
数式(5)を満足することを特徴とする制振鋼によって構成された、
請求項1乃至4に記載された制振・免震ダンパー装置。
[数式4]
SFE(mJ/m2)=25.7+2×[%Ni]+410×[%C]−0.9×[%Cr]−77×[%N]−13×[%Si]−1.2×[%Mn] (4)
[数式5]
−20(mJ/m2)≦ SFE ≦ 20(mJ/m2) (5) - 制振・免震ダンパー装置を構成する制振性鋼の振動部の断面積S(mm2)及び長さL(mm)によって、数式(6)によって表わされる形状ファクタF(−)が、数式(7)を満足することを特徴とする制振性鋼によって構成された請求項1乃至4の何れかに記載された制振・免震ダンパー装置。
[数式6]
F= S/L2 (6)
[数式7]
0.0001 ≦ F ≦ 0.01 (7)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013221191A (ja) * | 2012-04-18 | 2013-10-28 | Nagoya Institute Of Technology | 制振合金の処理方法 |
WO2014103884A1 (ja) | 2012-12-28 | 2014-07-03 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | 制振合金 |
JP2017075387A (ja) * | 2015-08-19 | 2017-04-20 | 有限会社Tkテクノコンサルティング | 疲労耐久性に優れた制振鋼及び該鋼を含んで構成される構造体 |
JP2018522137A (ja) * | 2015-05-22 | 2018-08-09 | オウトクンプ オサケイティオ ユルキネンOutokumpu Oyj | オーステナイト鋼で作られたコンポーネントを製造するための方法 |
CN110747403A (zh) * | 2019-10-29 | 2020-02-04 | 北京汽车集团有限公司 | 一种耐疲劳铆钉及其制作方法 |
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2010
- 2010-03-31 JP JP2010095426A patent/JP2011214127A/ja active Pending
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