JP2011213807A - ポリウレタン樹脂粉末の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン樹脂粉末の製造方法 Download PDF

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修 安原
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孝典 山本
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Abstract

【課題】高分子ジオールに脂肪族ポリエステルジオールを使用したポリウレタン樹脂粉末を含有する組成物において、その成形品のフォギングが少ないポリウレタン樹脂粉末を提供することである。
【解決手段】脂肪族ジカルボン酸(A)と脂肪族ジオール(B)を必須単量体成分として得られる脂肪族ポリエステル系高分子ジオールとジイソシアネートを反応してなるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(D)とジアミン誘導体(E)を、PH10〜13.5である水中で分散、熟成により鎖伸長反応させてポリウレタン樹脂粉末(C)を得ることを特徴とするポリウレタン樹脂粉末の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、粉末成形品のフォギングが少ないポリウレタン樹脂粉末の製造方法に関するものである。
スラッシュ成型法は、複雑な形状の製品が容易に成型できること、肉厚が均一にできること、材料の歩留まりが良いことから、熱可塑性ポリウレタン樹脂がこのような用途に使用されている。
しかし、スラッシュ成形用樹脂粉末組成物を自動車内装材として用いた場合、自動車のフロントガラスに曇りを生じるいわゆるフォギング現象を起こすことが分かっている。フォギング現象はフロントガラスを曇らせて著しく視界不良にさせるといった問題をもたらす。
この問題を解決する手法として、熱可塑性ポリウレタン樹脂とα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルおよび/または芳香族モノビニル単量体およびα,β−エチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルを含む単量体混合物を重合してなる重合体、およびメラミン樹脂(C)からなるフォギング性に優れたスラッシュ成型用パウダー組成物が、提案されている。(例えば特許文献1)
また熱可塑性樹脂に使われている可塑剤がフォギングの原因となる場合もあり、これを解決する方法として、では、副生成物のアルキレングリコールジカルボン酸エステルなどの低級ジエステルが極めて少ないカルボン酸とポリオキシアルキレンアルコールからなる可塑剤を使用することでフォギング性に優れた自動車内装用樹脂とすることが提案されている。(例えば特許文献2)
特開2004−91541 特開平06−116490
しかし、高分子ジオールに脂肪族ポリエステルジオールを使用したポリウレタン樹脂粉末を含有する組成物を成形した自動車内装材においては、フォギングの問題は十分解決されていない場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、高分子ジオールに脂肪族ポリエステルジオールを使用したポリウレタン樹脂粉末を含有する組成物において、その成形品のフォギングが少ないポリウレタン樹脂粉末を提供することである。
本発明者は鋭意研究した結果、本発明を完成させるに至った。
本発明は、脂肪族ジカルボン酸(A)と脂肪族ジオール(B)を必須単量体成分として得られる脂肪族ポリエステル系高分子ジオールとジイソシアネートを反応してなるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(D)とジアミン誘導体(E)を、PH10〜13.5である水中で分散、熟成により鎖伸長反応させてポリウレタン樹脂粉末(C)を得ることを特徴とするポリウレタン樹脂粉末の製造方法;脂肪族ジカルボン酸(A)と脂肪族ジオール(B)が反応してなる分子量256以下の環状脂肪族ジエステル(H)を500ppm以下含有する該製造方法で得られるポリウレタン樹脂粉末(C)である。
樹脂粉末組成物(C)をスラッシュ成形して得られる本発明の自動車内装材用樹脂成形品(T)は、フォギング性に優れている。
ポリウレタン樹脂粉末の製造を行うに当たり、脂肪族ポリエステル系高分子ジオールを使用する利点の一つは、ポリエステルの融点が低いため、添加剤(G)を含有したスラッシュ成形用ポリウレタン樹脂粉末組成物が低温でスラッシュ成形を可能とできることである。
脂肪族ジカルボン酸(A)
本発明に用いられる脂肪族ジカルボン酸(A)としては、好ましくは炭素数2以上11以下、特に好ましくは炭素数4以上8以下の2価の脂肪族ジカルボン酸である。本脂肪族ジカルボン酸(A)の好ましい具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等が挙げられる。
脂肪族ジオール(B)
本発明に用いられる脂肪族ジオール(B)は、好ましくは炭素数2以上11以下、特に好ましくは炭素数4以上6以下の2価の脂肪族ジオールである。本脂肪族ジオールの好ましい具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,6−シクロヘキサンジメタノール、ダイマージオール、ダイマージオールエーテル、12−ヒドロキシステアリルアルコール等が挙げられる。
ジイソシアネートとしては特に限定されないが、脂肪族ジイソシアネートが好ましく、直鎖脂肪族ジイソシアネートがさらに好ましい。炭素数6〜12の脂肪族ジイソシアネートが好ましく、炭素数8〜10のジイソシアネートがさらに好ましい。本ジイソシアネートの好ましい具体例としては、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−オクタメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート等が挙げられる。これら脂肪族ジイソシアネートは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中で好ましいものは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートである。
ジアミン誘導体(E)
本発明に用いられるジアミン誘導体(E)は、特に限定されないが、脂肪族ジアミンと脂環族ジアミンが好ましく、脂肪族ジアミンの中では直鎖脂肪族ジアミンがさらに好ましい。
脂肪族ジアミン(E1)は炭素数4〜14のジアミンが好ましく、炭素数6〜8のものがさらに好ましい。例えば1,4−テトラメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン等が挙げられる。これら直鎖脂肪族ジアミン(E1)は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中で好ましいものは1,6−ヘキサメチレンジアミンである。
脂環族ジアミン(E2)は、炭素数6〜14のジアミンが好ましく、炭素数8〜12のものがさらに好ましい。脂環族ジアミン(E2)としては、例えば1,4−シクロヘキシルジアミン、1,3−ジメチレンシクロヘキシルジアミン、イソフォロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン等が挙げられる。これら脂環族ジアミン(E2)は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中で好ましいものはイソフォロンジアミンである。
本発明のポリウレタン樹脂粉末の製造方法の各工程について説明する。
(1)脂肪族ジカルボン酸(A)と脂肪族ジオール(B)を必須単量体成分として得られる脂肪族ポリエステル系高分子ジオールを製造する工程
脂肪族ポリエステル系高分子ジオールの製造は、通常エステル化反応とそれに続く重合反応によって行われる。エステル化反応は、温度の下限が通常150℃、好ましくは180℃であり、上限が通常230℃である。反応時間は通常1時間以上10時間以下であり、不活性乾燥ガス雰囲気下で、常圧で行えばよい。それに続く重合反応は、温度の下限が通常150℃、好ましくは180℃であり、上限が通常、230℃である。反応時間の下限は通常5時間、好ましくは8時間であり、上限は通常15時間である。圧力は常圧より徐々に減圧にし、最終的に10mmHg以下、好ましくは1mmHg以下で行えばよい。ポリエステルの酸価を下げる目的で触媒を使うことができ、ポリエステルの製造に用いることのできる任意の触媒を選択することができるが、ゲルマニウム、チタン、アンチモン、スズ、マグネシウム、カルシウム、亜鉛などの反応系に可溶の金属化合物が挙げられる。
(2)脂肪族ポリエステル系高分子ジオールとジイソシアネートを反応してなるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(D)を製造する工程
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(D)を製造する際の反応温度は、ウレタン化を行う際に通常採用される温度と同じでよく、溶剤を使用する場合は通常20℃〜100℃であり、溶剤を使用しない場合は通常20℃〜220℃、好ましくは80℃〜200℃である。脂肪族ポリエステル系高分子ジオールの水酸基とジイソシアネートのイソシアネート基のモル比が、1:1.2〜1:1.6となるように反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(D)を得ることができる。
(3)イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(D)とジアミン誘導体(E)を、PH10〜13.5である水中で分散、熟成により鎖伸長反応させてポリウレタン樹脂(J)からなるポリウレタン樹脂粉末(C)を得る工程
ポリウレタン樹脂粉末を製造する工程は、(2)で得たイソシアネート含有ウレタンプレポリマー(D)を、水および分散安定剤存在下で、ブロックされたジアミン誘導体(例えばケチミン化合物)で伸長反応させる。反応温度は25℃〜90℃が好ましい。
具体的には、例えば、特開平8−120041号公報等に記載された方法を使用することができる。フォギングの原因となる脂肪族ジカルボン酸(A)と脂肪族ジオール(B)が反応してなる環状脂肪族ジエステル(H)は、分散安定剤を含む分散水をアルカリ性にすることで分散中に開環させ、水層に移すことができ、ポリウレタン樹脂粉末(C)から除去することができる。
ポリウレタン樹脂粉末(C)中の環状脂肪族ジエステル(H)を500ppm以下にするにはPHを10〜13.5に調整すればよく、好ましくはPH10.5〜13で、PH11〜12.5が特に好ましい。
PH10未満では樹脂中の環状脂肪族ジエステル(H)は開環せず、樹脂中に500ppmを超えた量を含有したままポリウレタン樹脂粉末となる。該ポリウレタン樹脂粉末に添加剤(G)を加えてなるスラッシュ成形用ポリウレタン樹脂粉末組成物は樹脂成形品として用いた場合、フロントガラスを曇らす(フォギング)原因となる。PH13.5を超えると分散の際、粒子に異形が発生し、これが収率を悪化させ問題となる。
樹脂粉末(C)中の脂肪族ポリエステル系高分子ジオール由来の環状脂肪族ジエステル(H)は、脂肪族カルボン酸と脂肪族ジオールが1:1で反応して環状化合物を形成したものであって、分子量(以下Mnと記載することがある。)256以下である時に、フォギング性に影響を与える。
環状脂肪族ジエステルは下記の一般式(1)で表される。
Figure 2011213807
一般式(1)中、nは0〜9の整数、mは2〜11の整数である。
環状脂肪族ジエステル(H)の具体的な化合物の例としては、コハク酸と1,6−ヘキサンジオールの環状物(H−1)(Mn200)、コハク酸と1,4−ブタンジオールの環状物(H−2)(Mn172)、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールの環状物(H−3) (Mn228)、アジピン酸と1,4−ブタンジオールの環状物(H―4) (Mn200)、スベリン酸と1,6−ヘキサンジオールの環状物(H−5) (Mn256)、スベリン酸と1,4−ブタンジオールの環状物(H−6) (Mn228)などが挙げられる。ポリウレタン樹脂粉末(C)中に環状脂肪族ジエステル(H)はフォギングの観点から500ppm以下が好ましく、400ppmがさらに好ましく、300ppmが特に好ましい。
分散後の熟成には、温度を50〜90℃に保つことが好ましく、さらに好ましくは60℃〜70℃である。50℃以上で熟成すると環状脂肪族ジエステルが開環し易くなる。また90℃以下では、水中のウレタン樹脂は加水分解する恐れがない。
また、本熟成工程で伸長反応を完結させることができる。
PHを10〜13.5に調整する方法として水にアルカリ金属の水酸化物(F)を溶解したものが好ましく、アルカリ金属の水酸化物としては特に限定されないが、具体例として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
得られた、ポリウレタン樹脂粉末を水中に分散されたスラリーからポリウレタン樹脂粉末を取り出す方法としては、ろ別し多量の水で洗浄した後、乾燥を行い、樹脂を得ることができる。
本発明で得たポリウレタン樹脂粉末(C)に添加剤(G)を含有させることでスラッシュ成形用ポリウレタン樹脂粉末組成物を製造することができる。
添加剤(G)は、一般的にスラッシュ成形用樹脂粉末組成物に添加される添加剤であって、顔料、無機充填剤、可塑剤、離型剤、有機充填剤、分散剤、紫外線吸収剤(光安定剤)、酸化防止剤、粉体の流動性改質剤、ブロッキング防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられ、場合により選択することができる。
これらの添加剤は、スラッシュ成形用樹脂粉末組成物の重量に対して、合計で1〜50重量%含有されることが好ましく、5〜30重量%含有されることがより好ましい。
ポリウレタン樹脂粉末組成物を混合して生産するときに使用する混合装置としては、公知の粉体混合装置を使用でき、容器回転型混合機、固定容器型混合機、流体運動型混合機のいずれも使用できる。例えば固定容器型混合機としては高速流動型混合機、複軸パドル型混合機、高速剪断混合装置(ヘンシエルミキサー(登録商標)等)、低速混合装置(プラネタリーミキサー等)や円錐型スクリュー混合機(ナウターミキサー(登録商標)等)を使ってドライブレンドする方法が良く知られている。これらの方法の中で、複軸パドル型混合機、低速混合装置(プラネタリーミキサー等)、および円錐型スクリュー混合機(ナウターミキサー(登録商標、以下省略)等)を使用するのが好ましい。
ポリウレタン樹脂粉末組成物の体積平均粒径は、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは70〜300μmである。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
製造例1
プレポリマー溶液の製造
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、数平均分子量(以下Mnと記す。)が1000のポリブチレンアジペート(167部)、Mnが1500のポリヘキサメチレンアジペート(500.9部)、ペンタエリスリトール テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート][チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製; イルガノックス1010]( 1.17部)、体積平均粒径9.2μmのカオリン(17.14部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら120℃に加熱して溶融させ、60℃まで冷却した。続いて、ベンジルアルコール(10.1部)、ヘキサメチレンジイソシアネート(131.4部)テトラヒドロフラン(170部)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(直鎖及び側鎖ドデシル)-4-メチルフェノール[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製; チヌビン571]( 2.34部)を投入し、85℃で6時間反応させプレポリマー溶液(D−1)を得た。(D−1)のNCO含量は、1.97%であった。
製造例2
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、数平均分子量(以下Mnと記す。)が1000のポリブチレンサクシネート(167部)、Mnが1500のポリヘキサメチレンアジペート(500.9部)、ペンタエリスリトール テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート][チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製; イルガノックス1010]( 1.17部)、体積平均粒径9.2μmのカオリン(17.14部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら120℃に加熱して溶融させ、60℃まで冷却した。続いて、ベンジルアルコール(10.1部)、ヘキサメチレンジイソシアネート(131.4部)テトラヒドロフラン(170部)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(直鎖及び側鎖ドデシル)-4-メチルフェノール[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製; チヌビン571]( 2.34部)を投入し、85℃で6時間反応させプレポリマー溶液(D−2)を得た。(D−2)のNCO含量は、1.97%であった。
製造例3
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、数平均分子量(以下Mnと記す。)が1000のポリヘキサメチレンイソフタレート(634.3部)、ペンタエリスリトール テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート][チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製; イルガノックス1010]( 1.17部)、体積平均粒径9.2μmのカオリン(17.1部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら120℃に加熱して溶融させ、60℃まで冷却した。続いて、ベンジルアルコール(10.1部)、ヘキサメチレンジイソシアネート(165部)テトラヒドロフラン(170部)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(直鎖及び側鎖ドデシル)-4-メチルフェノール[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製; チヌビン571]( 2.34部)を投入し、85℃で6時間反応させプレポリマー溶液(D−3)を得た。(D−3)のNCO含量は、1.97%であった。
製造例4
ジアミンのMEKケチミン化物の製造
ヘキサメチレンジアミンと過剰のMEK(ジアミンに対して4倍モル量)を80℃で24時間還流させながら生成水を系外に除去した。その後減圧にて未反応のMEKを除去してMEKケチミン化物を得た。
ポリウレタン樹脂粉末の製造
実施例1
反応容器に、製造例1で得たプレポリマー溶液(D−1)(100部)と製造例4で得たMEKケチミン化合物(5.6部)を投入し、そこに水酸化ナトリウムでPH12に調整した、ジイソブチレンとマレイン酸との共重合体のNa塩を含む分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8)(1.3重量部)の水溶液340重量部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて9000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃〜90℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ポリウレタン樹脂粉末(C)を製造した。(C)に含まれる環状脂肪族ジエステル(H)は上記の環状脂肪族ジエステル(H−3)、(H−4)であり、トータル含有量は255ppmであった。(C)のポリウレタン樹脂(J)の数平均分子量(Mn)は2万、(C)の体積平均粒径は150μmであった。
実施例2
反応容器に、製造例1で得たプレポリマー溶液(D−1)(100部)と製造例4で得たMEKケチミン化合物(5.6部)を投入し、そこに水酸化ナトリウムでPH13.5に調整した、ジイソブチレンとマレイン酸との共重合体のNa塩を含む分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8)(1.3重量部)の水溶液340重量部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて9000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃〜90℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ポリウレタン樹脂粉末(C)を製造した。(C)に含まれる環状脂肪族ジエステル(H−3)、(H−4)は検出限界の100ppm以下であり、また(J)のMnは2万、(C)の体積平均粒径は150μmであった。
実施例3
反応容器に、製造例1で得たプレポリマー溶液(D−1)(100部)と製造例4で得たMEKケチミン化合物(5.6部)を投入し、そこに水酸化ナトリウムでPH10に調整した、ジイソブチレンとマレイン酸との共重合体のNa塩を含む分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8)(1.3重量部)の水溶液340重量部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて9000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃〜90℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ポリウレタン樹脂粉末(C)を製造した。(C)に含まれる環状脂肪族ジエステル(H−3)、(H−4)のトータル含有量は450ppm、(J)のMnは2万、(C)の体積平均粒径は150μmであった。
実施例4
ポリウレタン樹脂粉末の製造
反応容器に、製造例1で得たプレポリマー溶液(D−1)(100部)と製造例2で得たMEKケチミン化合物(5.6部)を投入し、そこに水酸化カリウムでPH12に調整した、ジイソブチレンとマレイン酸との共重合体のNa塩を含む分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8)(1.3重量部)の水溶液340重量部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて9000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃〜90℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ポリウレタン樹脂粉末(C)を製造した。(C)に含まれる環状脂肪族ジエステル(H−3)、(H−4)のトータル含有量は250ppmで(J)のMnは2万、(C)の体積平均粒径は150μmであった
実施例5
反応容器に、製造例2で得たプレポリマー溶液(D−2)(100部)と製造例4で得たMEKケチミン化合物(5.6部)を投入し、そこに水酸化ナトリウムでPH12に調整した、ジイソブチレンとマレイン酸との共重合体のNa塩を含む分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8)(1.3重量部)の水溶液340重量部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて9000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃〜90℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ポリウレタン樹脂粉末(C)を製造した。(C)に含まれる環状脂肪族ジエステルは(H−2)、(H−3) であり、トータル含有量は272ppmで(J)のMnは2万、(C)の体積平均粒径は150μmであった。
比較例1
反応容器に、製造例1で得たプレポリマー溶液(D−1)(100部)と製造例2で得たMEKケチミン化合物(5.6部)を投入し、そこに水酸化ナトリウムでPH9に調整した、ジイソブチレンとマレイン酸との共重合体のNa塩を含む分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8)(1.3重量部)の水溶液340重量部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて9000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃〜90℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ポリウレタン樹脂粉末(C)を製造した。(C)に含まれる環状脂肪族ジエステル(H−3)、(H−4)のトータル含有量は2000ppm、(J)のMnは2万、(C)の体積平均粒径は150μmであった。
比較例2
反応容器に、製造例1で得たプレポリマー溶液(D−1)(100部)と製造例2で得たMEKケチミン化合物(5.6部)を投入し、そこに水酸化ナトリウムでPH14に調整した、ジイソブチレンとマレイン酸との共重合体のNa塩を含む分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8)(1.3重量部)の水溶液340重量部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて9000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃〜90℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ポリウレタン樹脂粉末(C)を製造した。(C)に含まれる環状脂肪族ジエステル(H−3)(H−4)のトータル含有量は検出限界の100ppm以下であり、(J)のMnは2万、(C)の体積平均粒径は170μmで、異形粒子が発生し、収率が大幅に低下した。
比較例3
反応容器に、製造例3で得たプレポリマー溶液(D−3)(100部)と製造例4で得たMEKケチミン化合物(5.6部)を投入し、そこに水酸化ナトリウムでPH10に調整した、ジイソブチレンとマレイン酸との共重合体のNa塩を含む分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8)(1.3重量部)の水溶液340重量部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて9000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃〜90℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ポリウレタン樹脂粉末(C)を製造した。(C)に含まれる環状脂肪族ジエステルは検出されず、(J)のMnは2万、(C)の体積平均粒径は150μmであった。
環状脂肪族ジエステル(H)の分析方法
環状脂肪族ジエステルの定性及び定量は、液体クロマトグラフ−質量分析(LC−MS)法により、以下のようにして測定した。本方法による環状脂肪族ジエステル(H)の検出限界は100ppmである。結果を表1に記載した。
また、環状脂肪族ジエステル(H)の構造は得られる分子量から推定した。
(1)樹脂粉末1.0gを秤量した後、100mlの超純水を添加し、ソックスレー抽出器にて2時間抽出を行った。
(2)(1)で得た抽出水溶液をミクロフィルターでろ過し、液体クロマトグラフ−質量分析計(LC-MS)(株式会社島津製作所、LC-MS 2010EV)を用いて次の条件にて定量した。
<LC条件>
・カラム:なし
・溶離液:メタノール/10mM酢酸アンモニウム水溶液=68/32
・流速:0.2mL/分
<MS条件>
・イオン源:ESI(+)
・測定モード:スキャン
環状脂肪族ジエステルの標品を得ることは困難なため、本発明では標準物質としてアジピン酸ジエチルを使用して検量線を作成し、この検量線を環状脂肪族ジエステルの検量線として用いた。
実施例1〜5のポリウレタン樹脂粉末(C1)〜(C5)、及び比較例1〜3の樹脂粉末(C6)〜(C8)について添加剤(G)を混合、含有させてスラッシュ成形用ポリウレタン樹脂粉末組成物(K)を製造した。具体的には以下の処方で作成した。
上記ポリウレタン樹脂粉末(C)103部、
可塑剤(三洋化成工業(株)、EB300)3部、
安定剤(三洋化成工業(株)、ネオマーDA−600)0.7部、
離型剤0.6部、
安定剤0.3部、
ポリメチルメタクリレート粉末0.6部
また組成物(K)は以下のように低温でのスラッシュ成形を行った。
予め210℃に加熱されたしぼ模様の入ったNi電鋳型にスラッシュ成形用樹脂粉末組成物(K1〜8)を充填し、10秒後余分な粉末樹脂粉末組成物を排出した。60秒放冷後、水冷してNi電鋳型から脱型することで、厚さ1mmの自動車内装材用表皮である樹脂成形品(L)を得た。
実施例1〜5の自動車内装用樹脂成形品(L1)〜(L5)、及び比較例1〜3の自動車内装用樹脂成形品(L6)〜(L8)について下記に示す方法で、表皮のフォギング性の確認、25℃における引張伸び測定、110℃2400時間静置後の25℃における引張伸び測定を行った。結果を表1に示した。
Figure 2011213807
成形表皮のフォギング性の分析方法
ISO6452の規格に準拠した装置を用いて、成形品の試験サンプル(厚さ1mmの成形表皮から直径8cmの円型に切り抜いた)を100℃に加熱したガラス容器にセットし、その上部開口部に40℃に温調したガラス板をセットして、20時間フォギング試験を実施した。次いで、試験後のガラス板のガラス霞度(HAZE)を、日本電色工業社製 NDH−5000を用いて測定した。
<25℃における引張伸び測定>
成形表皮からJIS K 6301の引張試験片ダンベル1号形を3枚打ち抜き、その中心に40mm間隔で標線をした。板厚は標線間5カ所の最小値を採用した。これを25℃雰囲気下にてオートグラフに取り付け、200mm/minの速さで引っ張り、試験片が破断にいたるまでの最大伸びを算出した。
<常圧下110℃2400時間静置後の引張伸び測定>
成形表皮を、循風乾燥機中に、110℃2400時間処理した。続いて、処理後の表皮を25℃24時間静置した。続いて、これからJIS K 6301の引張試験片ダンベル1号形を3枚打ち抜き、その中心に40mm間隔で標線をした。板厚は標線間5カ所の最小値を採用した。これを25℃雰囲気下にてオートグラフに取り付け、200mm/minの速さで引っ張り、試験片が破断にいたるまでの最大伸びを算出した。
本発明の製造方法で得られるポリウレタン樹脂粉末は、粉末成形例えばスラッシュ成形で表皮等に成形され、自動車内装材(インストルメントパネル、ドアトリム等)、家電部品、玩具、雑貨品として好適に使用される。

Claims (7)

  1. 脂肪族ジカルボン酸(A)と脂肪族ジオール(B)を必須単量体成分として得られる脂肪族ポリエステル系高分子ジオールとジイソシアネートを反応してなるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(D)とジアミン誘導体(E)を、PH10〜13.5である水中で分散、熟成により鎖伸長反応させてポリウレタン樹脂粉末(C)を得ることを特徴とするポリウレタン樹脂粉末の製造方法。
  2. 脂肪族ジカルボン酸(A)が炭素数2〜11の脂肪族ジカルボン酸であり、脂肪族ジオール(B)が炭素数2〜11の脂肪族ジオールである請求項1に記載の製造方法。
  3. PH10〜13.5である水が、水にアルカリ金属の水酸化物(F)を溶解したものである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(D)とジアミン誘導体(E)を、PH10〜13.5である水中で分散し、温度50〜90℃において樹脂を熟成させ、鎖伸長反応させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で得られるポリウレタン樹脂粉末(C)に、添加剤(G)を含有させることを特徴とするスラッシュ成形用ポリウレタン樹脂粉末組成物の製造方法。
  6. 脂肪族ジカルボン酸(A)と脂肪族ジオール(B)が反応してなる分子量256以下の環状脂肪族ジエステル(H)を500ppm以下含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で得られるポリウレタン樹脂粉末(C)。
  7. 請求項6に記載のポリウレタン樹脂粉末(C)にさらに添加剤(G)を含有させたスラッシュ成形用ポリウレタン樹脂粉末組成物。
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