JP2017214467A - スラッシュ成形用樹脂粉末組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐湿熱老化性により優れるスラッシュ成形品を製造することのできるスラッシュ成形用の樹脂粉末組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】スラッシュ成形用樹脂粉末(B)を得る工程の後、ポリカルボジイミド(A)とスラッシュ成形用樹脂粉末(B)とを混合するスラッシュ成形用樹脂粉末組成物(P)の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】スラッシュ成形用樹脂粉末(B)を得る工程の後、ポリカルボジイミド(A)とスラッシュ成形用樹脂粉末(B)とを混合するスラッシュ成形用樹脂粉末組成物(P)の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、インスツルメントパネル及びドアトリム等の自動車内装部品の成形用素材に適する熱可塑性樹脂を主体とするスラッシュ成形用粉末状樹脂組成物の製造方法に関する。
スラッシュ成形法は、複雑な形状(アンダーカット及び深絞り等)の製品が容易に成形できること、肉厚が均一にできること、材料の歩留まり率が良いこと等の利点から、近年、自動車の内装材等を中心にした用途に広く利用されている。
一方、ウレタン樹脂のなかでもポリエステル系ポリウレタン樹脂は、長期間の高温、高湿下で樹脂中のエステル結合が加水分解し、樹脂の物性が低下することがあることが知られている。この問題を解決するために、加水分解後の樹脂中のカルボン酸と結合をなし安定させるカルボジイミド化合物が効果を上げている。(例えば特許文献1〜5参照)。
特開平9−255752号公報
特開平9−272726号公報
特開平6−287442号公報
特表平10−510311号公報
特許第4916007号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐湿熱老化性により優れるスラッシュ成形品を製造することのできるスラッシュ成形用の樹脂粉末組成物の製造方法を提供することである。
本発明者は鋭意研究した結果、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、スラッシュ成形用樹脂粉末(B)を得る工程の後、ポリカルボジイミド(A)とスラッシュ成形用樹脂粉末(B)とを混合するスラッシュ成形用樹脂粉末組成物(P)の製造方法である。
本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物から成形された樹脂成形品は、耐湿熱老化性に優れ、引裂強度保持率が高い。
本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物から成形された樹脂成形品は、スラッシュ成形時の裏面溶融性が向上する。
本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物から成形された樹脂成形品は、色褪せ・グロスの変化が少なく、耐熱性が向上する。
本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物から成形された樹脂成形品は、スラッシュ成形時の裏面溶融性が向上する。
本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物から成形された樹脂成形品は、色褪せ・グロスの変化が少なく、耐熱性が向上する。
本発明の製造方法で得られるスラッシュ成形用樹脂粉末組成物は、テトラメチルキシリレンジイソシアネートを重合してなるポリカルボジイミド(A)を含有するために耐湿熱老化性に優れる。テトラメチルキシリレンジイソシアネート(以下、TMXDIと略記する。)を重合してなるポリカルボジイミド(A)としては、TMXDIが重合したポリカルボジイミドが挙げらる。
TMXDIとは下記の一般式(2)で示されるジイソシアネートであり、これには位置異性体としてm−TMXDI、p−TMXDI等がある。このうち、m−TMXDIが好ましい。
TMXDIとは下記の一般式(2)で示されるジイソシアネートであり、これには位置異性体としてm−TMXDI、p−TMXDI等がある。このうち、m−TMXDIが好ましい。
ポリカルボジイミド(A)の数平均分子量は、低分子量に起因する樹脂からのブリードアウトの観点から500以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、2,000以上がさらに好ましく、10,000以上が一層好ましい。また、ポリカルボジイミドの粘度と、樹脂溶解時の流動性確保の観点から30,000以下が好ましく、25,000以下がより好ましい。数平均分子量は、ポリカルボジイミドの末端のNCO基をジブチルアミンでキャップし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)[測定機器は、例えば昭和電工のSHODEX−KFタイプ、溶媒は、THFを使用]で測定される。
ポリカルボジイミド(A)の末端基としては、例えば、イソシアネート基(末端基が封止されていないもの)、アルコキシル基(例えば、末端イソシアネート基がエチレングリコールモノメチルエーテルで封止されているもの)、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル残基(例えば、末端イソシアネート基がポリエチレングリコールモノメチルエーテルで封止されているもの。ポリエチレングリコールはエチレンオキシドの付加モル数が5以上のもの。)等が挙げられる。これらのなかで、耐加水分解安定性、耐熱性の観点からアルコキシル基(例えば、メトシキ、エトキシ等)が好ましい。また、耐加水分解安定性の観点からイソシアネート基(末端基が封止されていないもの)が好ましい。上記のようなポリカルボジイミド(A)は、TMXDIの脱二酸化炭素を伴う縮合反応によりイソシアネート末端のTMXDIを重合してなるポリカルボジイミドを合成し、末端基がアルコキシル基の場合、更にこのイソシアネート末端のTMXDIを重合してなるポリカルボジイミドにエチレングリコールモノアルキルエーテルを反応させることにより製造することができる。
本発明の製造方法で得られるスラッシュ成形用樹脂粉末組成物は、熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B)の重量に基づいて、ポリカルボジイミド(A)を好ましくは0.1〜10重量%含有し、より好ましくは0.5〜8重量%含有し、さらに好ましくは1〜5重量%含有する。(A)の含量が、0.1重量%以上であると安定剤としての効果を充分得ることができ、また、10重量%以下であるとスラッシュ成形用樹脂粉末組成物からなる成形物の物性に悪い影響を与えないので好ましい。
本発明において、熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B)(以下、ポリウレタン樹脂粉末又は単に(B)ともいう)とは、スラッシュ成形用に使用可能なポリウレタン樹脂粉末であれば特に制限はない。好ましい例としては、高温時に溶融性を示し、低温時にゴム弾性を示す熱可塑性ポリウレタンエラストマー粉末(C)が挙げられる。
本発明において、熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B)に他の熱可塑性樹脂粉末を配合することもできる。他の熱可塑性樹脂粉末としては、例えば、(以下、熱可塑性を省略して記載する。)ポリ塩化ビニル樹脂粉末、ポリオレフィン樹脂粉末、ポリビニル芳香族樹脂粉末、ポリアクリレート樹脂粉末、共役ジエン樹脂粉末、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。他の熱可塑性樹脂粉末の配合量は、(B)100重量部あたり0〜100重量部が好ましい。
ポリウレタン樹脂粉末におけるポリウレタン樹脂は、例えば活性水素成分(a)と有機ジイソシアネート成分(b)とを反応させて得ることができる。
活性水素成分(a)としては、数平均分子量(以下、Mnと略記)が500以上の高分子ジオール(a1)、低分子ジアミン(a2)、化学式量又はMnが500未満の低分子ジオール(a3)、モノオール(a4)、一般式(1)で表される活性水素含有化合物(a5)及び水等が挙げられる。
尚、本発明におけるジオールのMnはJIS K 1557−1に準拠して測定されるジオールの水酸基価から算出される値である。
Mnが500以上の高分子ジオール(a1)としては、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール及びポリエーテルエステルジオール等が挙げられる。
ポリエステルジオールとしては、例えば(1)後述の化学式量又はMnが500未満の低分子ジオール(a3)とジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル及び酸ハライド等]との縮合重合によるもの;(2)後述の低分子ジオール(a3)を開始剤としてラクトンモノマーを開環重合したもの;(3)後述の低分子ジオール(a3)と、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート)とを、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートジオール等;及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体の具体例としては、炭素数4〜15の脂肪族ジカルボン酸[コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸等]、炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸、イソフタル酸等]、これらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエステル、ジエチルエステル等)、酸ハライド(酸クロライド等)等]及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記のラクトンモノマーとしてはγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
ポリエステルジオールの具体例として、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリ3−メチルペンチレンアジペートジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールが挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、2個の水酸基含有化合物[例えば後述の低分子ジオール(a3)及び2価のフェノール類等]にアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)が付加した構造の化合物があげられる。上記2価のフェノール類としてはビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)、単環フェノール類(カテコール及びハイドロキノン等)等が挙げられる。
付加させるAOとしては、炭素数2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,3−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド及び1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。これらの内、性状や反応性の観点から、PO、EO及び1,2−ブチレンオキサイドが好ましい。AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエーテルジオールの内で好ましいものは、2価のフェノール類にAOが付加したものであり、更に好ましいものは2価のフェノール類にEOが付加したものである。
ポリエーテルエステルジオールとしては、前記ポリエステルジオールにおいて原料の低分子ジオール(a3)に代えて上記ポリエーテルジオールを用いたもの、例えば上記ポリエーテルジオールの1種以上と前記ポリエステルジオールの原料として例示したジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体の1種以上とを縮重合させて得られるものが挙げられる。
高分子ジオール(a1)としては、耐熱性及び耐光性の観点からポリエステルジオールを使用することが好ましい。
低分子ジアミン(a2)としては、炭素数6〜20の脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン及びイソホロンジアミン等);炭素数2〜20の脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等);炭素数8〜20の芳香脂肪族ジアミン[キシリレンジアミン及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジアミン等]及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらの内で好ましいものは脂環式ジアミン及び脂肪族ジアミンであり、特に好ましいものはイソホロンジアミン及びヘキサメチレンジアミンである。
低分子ジアミン(a2)はブロックされたジアミン(例えば、炭素数3〜10のケトンとのケチミン化物)等として使用することができる。
化学式量又はMnが500未満の低分子ジオール(a3)としては、炭素数2〜8の脂肪族ジオール類[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等)、分岐鎖を有するジオール(プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール及び1,2−、1,3−又は2,3−ブタンジオール等)等];環状基を有するジオール類[炭素数6〜15の脂環基含有ジオール{1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び水添ビスフェノールA等}、炭素数8〜20の芳香環含有ジオール(m−又はp−キシリレングリコール等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等)のオキシアルキレンエーテル、多核フェノール類(ジヒドロキシナフタレン等)のオキシアルキレンエーテル及びビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート等];これらのAO付加物(分子量500未満)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。低分子ジオールの内で好ましいものは脂肪族ジオール及び脂環基含有ジオールである。
モノオール(a4)としては、炭素数1〜8の脂肪族モノオール類[直鎖モノオール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール及びオクタノール等)及び分岐鎖を有するモノオール(イソプロピルアルコール、ネオペンチルアルコール、3−メチル−ペンタノール及び2−エチルヘキサノール)等];炭素数6〜12の環状基を有するモノオール類[脂環基含有モノオール(シクロヘキサノール等)及び炭素数7〜12の芳香環含有モノオール(ベンジルアルコール及びナフチルエタノール等)等]及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの内で好ましいものは脂肪族モノオール及び芳香環含有モノオールである。
また、活性水素成分(a)の一部として、国際公開第2012/063483号に記載の下記一般式(1)で表される活性水素含有化合物(a5)を使用することにより、機械物性(伸び及び引張り強度)に優れた成形物を得ることができる。
一般式(1)中、R1は1価又は多価の活性水素含有化合物から1個の活性水素を除いた1価の基又は水酸基を表し;複数個ある場合のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく;R2は2価の活性水素含有化合物から2個の活性水素を除いた2価の基を表し、複数個ある場合のR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Yは3価以上の芳香族ポリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いた3価以上の基を表し;Yの芳香環は炭素原子から構成され、その炭素原子にはカルボキシル基以外の置換基及び/又はハロゲン原子が結合していてもよいが、そのうちの少なくとも一つの炭素原子は置換基が結合しておらず;aは1以上の整数を表し、bは0以上の整数を表し、かつ、3≦a+b≦d−1を満たし、ただし、dは前記芳香族ポリカルボン酸のカルボキシル基を含む全ての置換基を水素原子に置換した場合の芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子の数、即ち芳香環上で置換可能な部位の数を表す。
1価又は多価の活性水素含有化合物としては、炭素数1〜30である、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、チオール基含有化合物及びリン酸化合物;分子内に2種以上の活性水素含有官能基(水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基及びリン酸基等)を有する化合物等が挙げられる。
水酸基含有化合物としては、1価のアルコール、2〜8価の多価アルコール、フェノール類及び多価フェノール類等が挙げられる。具体的にはメタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、ナフチルエタノール等の1価のアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等の2価アルコール;グリセリン及びトリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体等の4〜8価のアルコール;フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1−ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン及び1−ヒドロキシピレン等のフェノール類;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)並びに米国特許3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。これらの内、スラッシュ成形用粉末状樹脂組成物(P)の低温溶融性とその成形物の引張強度、伸び及び耐熱性の両立の観点から好ましいのは、ベンジルアルコールである。
尚、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
尚、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
アミノ基含有化合物としては、アミン、ポリアミン及びアミノアルコール等が挙げられる。具体的には、アンモニア;炭素数1〜20のアルキルアミン(ブチルアミン等)及びアニリン等のモノアミン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等の複素環式ポリアミン;ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等の芳香族ポリアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアルカノールアミン;ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリアミン;ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1−シアノグアニジン等);ジシアンジアミドが挙げられる。
カルボキシル基含有化合物としては、酢酸及びプロピオン酸等の脂肪族モノカルボン酸;安息香酸等の芳香族モノカルボン酸;コハク酸、フマル酸、セバシン酸及びアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ナフタレン−1,4ジカルボン酸、ナフタレン−2,3,6トリカルボン酸、ピロメリット酸、ジフェン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、2,3,6−アントラセントリカルボン酸、及びピレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;アクリル酸の(共)重合物等のカルボン酸重合体(官能基数2〜100)等が挙げられる。
チオール基含有化合物としては、炭素数1〜20の1価のチオール化合物(エタンチオール等のアルカンチオール、ベンゼンチオール及びフェニルメタンチオール)及び多価のチオール化合物(1,2−エタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオール等)等が挙げられる。
リン酸化合物としては燐酸、亜燐酸及びホスホン酸等が挙げられる。
また、1価又は多価の活性水素含有化合物としては、前記活性水素含有化合物にAOを付加した化合物も含まれる。
付加させるAOとしては、性状や反応性の観点から、PO、EO及び1,2−ブチレンオキサイドが好ましい。AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
更に、1価又は多価の活性水素含有化合物としては、ジオールとジカルボン酸との縮合反応で得られるポリエステルジオール、例えば前記高分子ジオール(a1)として例示したポリエステルジオールも使用することができる。
スラッシュ成形用粉末状樹脂組成物(P)の低温溶融性とその成形物の引張強度、伸び及び耐熱性の両立の観点から、一般式(1)におけるR1は炭素数1〜30の1価のハイドロカルビロキシ基であることが好ましく、更に好ましいのは、ベンジロキシ基である。
一般式(1)における2価の活性水素含有化合物としては、前記1価又は多価の活性水素含有化合物の内の2価の活性水素含有化合物等が挙げられる。
2価の水酸基含有化合物としては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等の2価アルコールが挙げられる。
2価のアミノ基含有化合物としては、具体的には、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等の脂環式ジアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられる。
2価のカルボキシル基含有化合物としては、具体的には、コハク酸、フマル酸、セバシン酸及びアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−1,4ジカルボン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
2価のチオール基含有化合物としては、具体的にはエタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオールが挙げられる。
スラッシュ成形用粉末状樹脂組成物(P)の成形物の機械物性(伸び、引張り強度)向上の観点から、2価の活性水素含有化合物としては、2価の水酸基含有化合物及び2価のアミノ基含有化合物が好ましく、更に好ましいのはエチレングリコール、重合度2〜5のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、重合度2〜5のポリプロピレングリコール、ジエチルアミン及びジブチルアミンであり、特に好ましいのはエチレングリコールである。
尚、2価の活性水素含有化合物がエチレングリコール、重合度2〜5のポリエチレングリコール、プロピレングリコール又は重合度2〜5のポリプロピレングリコールの場合、3価以上の芳香族ポリカルボン酸とこれらを直接反応させてもよいし、3価以上の芳香族ポリカルボン酸のカルボキシル基にEO又はPOを付加させてもよい。
尚、2価の活性水素含有化合物がエチレングリコール、重合度2〜5のポリエチレングリコール、プロピレングリコール又は重合度2〜5のポリプロピレングリコールの場合、3価以上の芳香族ポリカルボン酸とこれらを直接反応させてもよいし、3価以上の芳香族ポリカルボン酸のカルボキシル基にEO又はPOを付加させてもよい。
式(1)中、Yは3価以上の芳香族ポリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いた残基を表す。Yの芳香環を構成する原子は炭素原子のみであり、その炭素原子にはカルボキシル基以外の置換基及び/又はハロゲン原子が結合していてもよいが、少なくとも一つの炭素原子は置換基が結合しておらず水素原子と結合している必要がある。
カルボキシル基以外の置換基としては、アルキル基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、アミノ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、チオール基、アリール基及びシアノ基等が挙げられ、機械物性向上(伸び、引っ張り強度及び圧縮硬さ)及びコストの観点から、アルキル基、ビニル基、アリル基及びアミノ基が好ましい。
3価以上の芳香族ポリカルボン酸のカルボキシル基に由来するY上のカルボニル基の配置としては、機械物性向上の観点から以下の(1)又は(2)の場合が好ましい。
(1)3価の芳香族ポリカルボン酸の場合、芳香環を構成しかつ隣接する2個の炭素原子にそれぞれカルボニル基が結合し、3個目のカルボニル基が結合する炭素原子と前記2個の炭素原子の間に置換基が結合していない即ち水素原子が結合した炭素原子が1個存在する。
(2)4価以上の芳香族ポリカルボン酸の場合、芳香環を構成しかつ隣接する2個の炭素原子にそれぞれカルボニル基が結合し、3個目以降のカルボニル基が結合する炭素原子と前記2個の炭素原子の間に置換基が結合していない即ち水素原子が結合した炭素原子が1個存在する。
(1)3価の芳香族ポリカルボン酸の場合、芳香環を構成しかつ隣接する2個の炭素原子にそれぞれカルボニル基が結合し、3個目のカルボニル基が結合する炭素原子と前記2個の炭素原子の間に置換基が結合していない即ち水素原子が結合した炭素原子が1個存在する。
(2)4価以上の芳香族ポリカルボン酸の場合、芳香環を構成しかつ隣接する2個の炭素原子にそれぞれカルボニル基が結合し、3個目以降のカルボニル基が結合する炭素原子と前記2個の炭素原子の間に置換基が結合していない即ち水素原子が結合した炭素原子が1個存在する。
例えば、3価のベンゼンポリカルボン酸の場合、カルボキシル基の置換位置は1,2,4−位が好ましく、4価のベンゼンポリカルボン酸の場合、カルボキシル基の置換位置は1,2,4,5−位が好ましい。
Yを構成する3価以上の芳香族ポリカルボン酸としては、ベンゼンポリカルボン酸(トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸及びピロメリット酸等)、及び多環式芳香族ポリカルボン酸(ナフタレン−2,3,6トリカルボン酸等)の炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸等が挙げられ、好ましいのはベンゼンポリカルボン酸であり、更に好ましいのはトリメリット酸及びピロメリット酸である。
一般式(1)におけるaは1以上の整数を表し、bは0以上の整数を表し、かつ、3≦a+b≦d−1を満たし、dは前記芳香族ポリカルボン酸のカルボキシル基を含む全ての置換基を水素原子に置換した場合の芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子の数、即ち芳香環上で置換可能な部位の数を表す。例えば、芳香環が炭素原子6個から構成されるベンゼン環の場合、dは6であり、a+bは3〜5の値を取り得、芳香環が炭素原子10個から構成されるナフタレン環の場合、dは8であり、a+bは3〜9の値を取り得る。芳香環が単環の芳香環の場合、機械物性の観点から、a+bは3又は4が好ましい。
一般式(1)におけるaは、 スラッシュ成形用粉末状樹脂組成物(P)の溶融性の観点から、1又は2であることが好ましく、溶融性とその成形物の機械強度、耐熱性との両立の観点から、aは1であることが更に好ましい。
一般式(1)で表される活性水素含有化合物は、3価以上の芳香族ポリカルボン酸と、1価又は多価の活性水素含有化合物及び2価の活性水素含有化合物とを脱水縮合反応させることで得ることができる。また、2価の活性水素含有化合物を脱水縮合反応させるかわりに、EO及びPO等のAOをカルボキシル基に付加反応させることでも一般式(1)で表される活性水素含有化合物を得ることができる。
1価又は多価の活性水素含有化合物を使用する代わりに、炭素数1〜30の有機基を有するモノクロライドを脱塩化水素反応させることによって一般式(1)で表される活性水素含有化合物を得ることもできる。モノクロライドとしては、クロロメチレン基を有するモノクロライドが更に好ましく、特にベンジルクロライドが好ましい。
一般式(1)で表される活性水素含有化合物の使用量は、スラッシュ成形用粉末状樹脂組成物(P)の溶融性とその成形物の機械強度、耐熱性の両立の観点から、形成されるポリウレタン(ウレア)樹脂の重量に基づいて0.1〜30重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜20重量%であり、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。
特に一般式(1)においてaが1である化合物を用いる場合、その使用量は、スラッシュ成形用粉末状樹脂組成物(P)の溶融性、その成形物の機械強度及び耐熱性の観点から、形成されるポリウレタン(ウレア)樹脂の重量に基づいて0.1〜5重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜4重量%であり、特に好ましくは1〜3重量%である。
また、一般式(1)においてaが3又は4である化合物を用いる場合、その使用量は、スラッシュ成形用粉末状樹脂組成物(P)の溶融性、その成形物の機械強度及び耐熱性の観点から、形成されるポリウレタン(ウレア)樹脂の重量に基づいて0.1〜3重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜2重量%であり、特に好ましくは0.1〜1重量%である。
有機ジイソシアネート成分(b)としては、従来ポリウレタンの製造に使用されているものが使用でき、2〜3個又はそれ以上のイソシアネート基を有する炭素数4〜22の鎖状脂肪族ジイソシアネート(b1)、炭素数8〜18の脂環式ジイソシアネート(b2)、炭素数8〜26の芳香族ジイソシアネート(b3)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ジイソシアネート(b4)及びこれらのジイソシアネートの変性物(b5)等が挙げられる。有機ジイソシアネート成分(b)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
炭素数4〜22の鎖状脂肪族ジイソシアネート(b1)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート及びビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートが挙げられる。
炭素数8〜18の脂環式ジイソシアネート(b2)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数8〜26の芳香族ジイソシアネート(b3)としては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDI略記)、粗製TDI、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、粗製MDI、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数10〜18の芳香脂肪族ジイソシアネート(b4)としては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
(b1)〜(b4)のジイソシアネートの変性物(b5)としては、上記ジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロハネート基、ウレア基、ビウレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物等;遊離イソシアネート基含有量が通常8〜33重量%、好ましくは10〜30重量%、特に12〜29重量%のもの)、例えば変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI及びビウレット変性HDI等のジイソシアネートの変性物が挙げられる。
(b)の内で好ましいのは、炭素数4〜22の鎖状脂肪族ジイソシアネート及び炭素数8〜18の脂環式ジイソシアネートであり、特に好ましいのはHDI、IPDI及び水添MDIである。
ポリウレタン樹脂粉末としては、例えば以下の製造方法で得られるものが挙げられる。
(1)ウレタン結合およびウレア結合を有し、水および分散安定剤存在下で、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとブロックされた鎖伸長剤(例えばケチミン化合物)とを反応させる方法で製造されるもの。具体的には、例えば、特開平8−120041号公
報等に記載されたものを使用することができる。
(2)ウレタン結合およびウレア結合を有するウレタンプレポリマーを、該ウレタンプレポリマーが溶解しない有機溶剤および分散安定剤存在下で、鎖伸長剤(例えばジアミンおよび/またはジオール)と反応させる方法で製造されるもの。具体的には、例えば、特開平4−202331号公報等に記載されたものを使用することができる。
(3)ジイソシアネートと高分子ジオールと必要に応じて鎖伸長剤(低分子ジオール、低分子ジアミン)とを反応させることで熱可塑性ポリウレタン樹脂の塊状物を得る。ついで粉末化(例えば冷凍粉砕、溶融状態下に細孔を通し切断する方法)する方法で製造されるもの。
(1)ウレタン結合およびウレア結合を有し、水および分散安定剤存在下で、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとブロックされた鎖伸長剤(例えばケチミン化合物)とを反応させる方法で製造されるもの。具体的には、例えば、特開平8−120041号公
報等に記載されたものを使用することができる。
(2)ウレタン結合およびウレア結合を有するウレタンプレポリマーを、該ウレタンプレポリマーが溶解しない有機溶剤および分散安定剤存在下で、鎖伸長剤(例えばジアミンおよび/またはジオール)と反応させる方法で製造されるもの。具体的には、例えば、特開平4−202331号公報等に記載されたものを使用することができる。
(3)ジイソシアネートと高分子ジオールと必要に応じて鎖伸長剤(低分子ジオール、低分子ジアミン)とを反応させることで熱可塑性ポリウレタン樹脂の塊状物を得る。ついで粉末化(例えば冷凍粉砕、溶融状態下に細孔を通し切断する方法)する方法で製造されるもの。
ポリ塩化ビニル樹脂粉末は、例えば、懸濁重合法又は塊状重合法によって製造した塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルモノマーとエチレン酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニルモノマーを主成分とする共重合体の樹脂粉末が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂粉末は、一般的にオレフィン系熱可塑性エラストマーに属する物であればいかなるものも使用でき、さらに、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン−ゴム(EPM、EPDM)とプロピレン系重合体等のポリオレフィン等とを複合したオレフィン系熱可塑性エラストマーを挙げることができる。また、α−オレフィン共重合体よりなるオレフィン熱可塑性エラストマー、α−オレフィン共重合体とプロピレン系樹脂から成るオレフィン熱可塑性エラストマーの微粉末も使用することができる。
ポリビニル芳香族樹脂粉末には、芳香族ビニル化合物単独重合体、芳香族ビニル化合物とビニル系モノマーの共重合体の樹脂粉末等が含まれる。芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、ブロモスチレン、ビニルスチレン、ビニルキシレン、フルオロスチレン、エチルスチレンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
ポリアクリレート樹脂粉末は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単独重合体、(メタ)アクリル酸エステルとビニル系モノマーの共重合体の樹脂粉末等が挙げられる。
共役ジエン樹脂粉末は、共役ジエン系共重合体中の共役ジエン系部分を水素添加または一部水素添加して得られる共重合体であり、例えば、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体の水素添加物、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物、共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物の樹脂粉末が含まれる。
熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B)の体積平均粒径は、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは70〜300μmの範囲にある。
本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物には、必要に応じて、金型汚れを起こさずブロッキング防止を行える範囲で、その他の添加物を配合することができる。その他の添加物としては、例えば、公知慣用の顔料、無機充填剤、可塑剤、離型剤、有機充填剤、分散剤、紫外線吸収剤(光安定剤)、酸化防止剤等が挙げられる。
上記添加剤の配合量は、熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末(B)の重量に対して、好ましくは0〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物を製造する方法としては、ウレタン樹脂を使用する場合を例に挙げれば、以下の方法が挙げられる。他の熱可塑性樹脂の場合も、これに準じて行うことができる。
ウレタン樹脂粉末を得た後、ウレタン樹脂粉末とポリカルボジイミドと混合する。この際、必要に応じて添加される可塑剤、顔料、安定剤等と混合させることができる。ウレタン樹脂粉末を得る前にポリカルボジイミドと混合すると得られた樹脂粉末組成物からなる成型品の耐湿熱老化性が悪化する。
ウレタン樹脂粉末を得た後、ウレタン樹脂粉末とポリカルボジイミドと混合する。この際、必要に応じて添加される可塑剤、顔料、安定剤等と混合させることができる。ウレタン樹脂粉末を得る前にポリカルボジイミドと混合すると得られた樹脂粉末組成物からなる成型品の耐湿熱老化性が悪化する。
上記混合に使用する混合装置としては、公知の粉体混合装置を使用でき、容器回転型混合機、固定容器型混合機、流体運動型混合機のいずれも使用できる。例えば固定容器型混合機としては高速流動型混合機、複軸パドル型混合機、高速剪断混合装置(ヘンシエルミキサー(登録商標)等)、低速混合装置(プラネタリーミキサー等)や円錐型スクリュー混合機(ナウターミキサー(登録商標)等)を使ってドライブレンドする方法が良く知られている。これらの方法の中で、複軸パドル型混合機、低速混合装置(プラネタリーミキサー等)、および円錐型スクリュー混合機(ナウターミキサー(登録商標、以下省略)等)を使用するのが好ましい。
スラッシュ成形用樹脂粉末組成物からなる樹脂成形品はスラッシュ成形法で成形することができる。例えば、本発明の粉末組成物が入ったボックスと加熱した金型を共に振動回転させ、パウダーを型内で溶融流動させた後、冷却後、固化させ、表皮を製造する方法で好適に実施することができる。上記金型温度は好ましくは200〜300℃、さらに好ましくは210〜280℃である。
本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物で成形された表皮厚さは、0.5〜1.5mmが好ましい。成形表皮は、表面を発泡型に接するようにセットし、ウレタンフォームを流し、裏面に5mm〜15mmの発泡層を形成させて、樹脂成形品とすることができる。
本発明の樹脂成形品は、自動車内装材、例えばインストルメントパネル、ドアトリム等に好適に使用される。
以下、製造例、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1 [ジアミンのMEKケチミン化物の製造]
ヘキサメチレンジアミンと過剰のMEK(ジアミンに対して4倍モル量)を80℃で24時間還流させながら生成水を系外に除去した。その後減圧にて未反応のMEKを除去してMEKケチミン化物を得た。
ヘキサメチレンジアミンと過剰のMEK(ジアミンに対して4倍モル量)を80℃で24時間還流させながら生成水を系外に除去した。その後減圧にて未反応のMEKを除去してMEKケチミン化物を得た。
製造例2 [活性水素含有化合物(a5−1)の製造]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の備えた反応槽中に、無水トリメリット酸(192重量部)、ベンジルアルコール(216重量部)を入れ、180℃で生成する水を留去しながら5時間反応させた後、エチレングリコール(62重量部)を140℃で生成する水を留去しながら5時間反応させ、一般式(1)におけるR1がベンジロキシ基、R2がエチレングリコールの2個の水酸基から2個の水素原子を除いた残基、aが1でbが2の活性水素含有化合物(a5−1)を得た。得られた活性水素含有化合物(a5−1)の水酸基価を測定し、分子量を計算した結果434であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の備えた反応槽中に、無水トリメリット酸(192重量部)、ベンジルアルコール(216重量部)を入れ、180℃で生成する水を留去しながら5時間反応させた後、エチレングリコール(62重量部)を140℃で生成する水を留去しながら5時間反応させ、一般式(1)におけるR1がベンジロキシ基、R2がエチレングリコールの2個の水酸基から2個の水素原子を除いた残基、aが1でbが2の活性水素含有化合物(a5−1)を得た。得られた活性水素含有化合物(a5−1)の水酸基価を測定し、分子量を計算した結果434であった。
製造例3 [プレポリマー溶液(G)の製造]
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、Mnが2300のポリエチレンイソフタレートジオール(278.1重量部)、Mnが1000のポリブチレンアジペートジオール(417.2重量部)、製造例2で得られた活性水素含有化合物(a5−1)(16.0重量部)及びベンジルアルコール(5.3重量部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融させ、50℃まで冷却した。続いて、MEK(363.7重量部)及びヘキサメチレンジイソシアネート(132.0重量部)を投入し、90℃で6時間反応させてプレポリマー溶液(G)を得た。得られたプレポリマー溶液のNCO含量は、1.34重量%であった。
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、Mnが2300のポリエチレンイソフタレートジオール(278.1重量部)、Mnが1000のポリブチレンアジペートジオール(417.2重量部)、製造例2で得られた活性水素含有化合物(a5−1)(16.0重量部)及びベンジルアルコール(5.3重量部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融させ、50℃まで冷却した。続いて、MEK(363.7重量部)及びヘキサメチレンジイソシアネート(132.0重量部)を投入し、90℃で6時間反応させてプレポリマー溶液(G)を得た。得られたプレポリマー溶液のNCO含量は、1.34重量%であった。
製造例4 [樹脂粒子(B−1)の製造]
反応容器に、製造例3で得られたプレポリマー溶液(G)(100重量部)、酸化防止剤[BASFジャパン(株)製「イルガノックス1010」](0.14重量部)、カーボンブラック(1重量部)及び製造例1で得られたジアミンのMEKケチミン化物(5.1重量部)を投入混合し、そこに分散剤としてのポリカルボン酸型アニオン界面活性剤[三洋化成工業(株)製「サンスパールPS−8」]の固形分濃度4重量%水溶液(189重量部)とMEK(56重量部)を加え、ホモジナイザー[イカジャパン(株)製「ウルトラタラックス」]を用いて10000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、樹脂粒子(B−1)を得た。(B−1)の体積平均粒径は180μmであった。
反応容器に、製造例3で得られたプレポリマー溶液(G)(100重量部)、酸化防止剤[BASFジャパン(株)製「イルガノックス1010」](0.14重量部)、カーボンブラック(1重量部)及び製造例1で得られたジアミンのMEKケチミン化物(5.1重量部)を投入混合し、そこに分散剤としてのポリカルボン酸型アニオン界面活性剤[三洋化成工業(株)製「サンスパールPS−8」]の固形分濃度4重量%水溶液(189重量部)とMEK(56重量部)を加え、ホモジナイザー[イカジャパン(株)製「ウルトラタラックス」]を用いて10000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、樹脂粒子(B−1)を得た。(B−1)の体積平均粒径は180μmであった。
製造例5 [樹脂粒子(B−2)の製造]
反応容器に、分散剤としてのポリカルボン酸型アニオン界面活性剤[三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8]の固形分濃度5重量%水溶液(236重量部)とMEK(70.5重量部)の混合物を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて周速23m/s(回転数:10000rpm)の攪拌下にヘキサメチレンジアミン(2.2重量部)を加え1分間混合した。続いて撹拌継続下に製造例3で得られたプレポリマー溶液(G)(100重量部)に酸化防止剤[BASFジャパン(株)製「イルガノックス1010」](0.14重量部)を事前混合したものを15秒で投入混合し、同じく周速23m/sで2分間混合した。この混合物を温度計、攪拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、樹脂粒子(B−2)を製造した。(B−2)の体積平均粒径は165μmであった。
反応容器に、分散剤としてのポリカルボン酸型アニオン界面活性剤[三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8]の固形分濃度5重量%水溶液(236重量部)とMEK(70.5重量部)の混合物を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて周速23m/s(回転数:10000rpm)の攪拌下にヘキサメチレンジアミン(2.2重量部)を加え1分間混合した。続いて撹拌継続下に製造例3で得られたプレポリマー溶液(G)(100重量部)に酸化防止剤[BASFジャパン(株)製「イルガノックス1010」](0.14重量部)を事前混合したものを15秒で投入混合し、同じく周速23m/sで2分間混合した。この混合物を温度計、攪拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、樹脂粒子(B−2)を製造した。(B−2)の体積平均粒径は165μmであった。
実施例1 [樹脂粒子組成物(P−1)の製造]
カーボンブラック(1重量部)とポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)製「サンフレックス EB−300」](8重量部)を予備混合し着色剤混合物を製造した。次いで、分子中に炭素−炭素二重結合を有する安定剤としてのジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製「ネオマー DA−600」](1.0重量部)と紫外線安定剤としてのビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(混合物)[BASFジャパン(株)製「TINUVIN 765」](0.3重量部)を予備混合し、添加剤混合物を製造した。更にナウタミキサ内に、樹脂粒子(B−1)(100重量部)、上記着色剤混合物(9重量部)、上記添加剤混合物(1.3重量部)、TMXDI(TMXDIはm体で純度98%)のポリカルボジイミド(A−1)[Mn15,000、末端基:メトキシ基、性状:70重量%メチルエチルケトン(以下、MEK)溶液、日清紡績(株)社製;Carbodilite V−09M](2.15重量部)及び変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1重量部を投入し、2時間混合した。続いて、ブロッキング防止剤としての架橋ポリメチルメタクリレート[ガンツ化成(株)製「ガンツパールPM−030S」](0.5重量部)を投入して5分間混合することで本発明の粉末状樹脂組成物(P−1)を得た。
カーボンブラック(1重量部)とポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)製「サンフレックス EB−300」](8重量部)を予備混合し着色剤混合物を製造した。次いで、分子中に炭素−炭素二重結合を有する安定剤としてのジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製「ネオマー DA−600」](1.0重量部)と紫外線安定剤としてのビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(混合物)[BASFジャパン(株)製「TINUVIN 765」](0.3重量部)を予備混合し、添加剤混合物を製造した。更にナウタミキサ内に、樹脂粒子(B−1)(100重量部)、上記着色剤混合物(9重量部)、上記添加剤混合物(1.3重量部)、TMXDI(TMXDIはm体で純度98%)のポリカルボジイミド(A−1)[Mn15,000、末端基:メトキシ基、性状:70重量%メチルエチルケトン(以下、MEK)溶液、日清紡績(株)社製;Carbodilite V−09M](2.15重量部)及び変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1重量部を投入し、2時間混合した。続いて、ブロッキング防止剤としての架橋ポリメチルメタクリレート[ガンツ化成(株)製「ガンツパールPM−030S」](0.5重量部)を投入して5分間混合することで本発明の粉末状樹脂組成物(P−1)を得た。
実施例2 [樹脂粒子組成物(P−2)の製造]
カーボンブラック(1重量部)とポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)製「サンフレックス EB−300」](8重量部)を予備混合し着色剤混合物を製造した。次いで、分子中に炭素−炭素二重結合を有する安定剤としてのジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製「ネオマー DA−600」](1.0重量部)と紫外線安定剤としてのビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(混合物)[BASFジャパン(株)製「TINUVIN 765」](0.3重量部)を予備混合し、添加剤混合物を製造した。更にナウタミキサ内に、表1に記載の樹脂粒子(B−1)(100重量部)、上記着色剤混合物(9重量部)、上記添加剤混合物(1.3重量部)、TMXDI(TMXDIはm体で純度98%)を重合してなるポリカルボジイミド(A−2)[Mn2,000、末端基:PEGモノメチルエーテル残基(エチレンオキシドの付加モル数10)、性状:液体、日清紡績(株)社製;Elastostab H01]1.51重量部及び変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1重量部を投入し、2時間混合した。続いて、ブロッキング防止剤としての架橋ポリメチルメタクリレート[ガンツ化成(株)製「ガンツパールPM−030S」](0.5重量部)を投入して5分間混合することで本発明の粉末状樹脂組成物(P−2)を得た。
カーボンブラック(1重量部)とポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)製「サンフレックス EB−300」](8重量部)を予備混合し着色剤混合物を製造した。次いで、分子中に炭素−炭素二重結合を有する安定剤としてのジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製「ネオマー DA−600」](1.0重量部)と紫外線安定剤としてのビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(混合物)[BASFジャパン(株)製「TINUVIN 765」](0.3重量部)を予備混合し、添加剤混合物を製造した。更にナウタミキサ内に、表1に記載の樹脂粒子(B−1)(100重量部)、上記着色剤混合物(9重量部)、上記添加剤混合物(1.3重量部)、TMXDI(TMXDIはm体で純度98%)を重合してなるポリカルボジイミド(A−2)[Mn2,000、末端基:PEGモノメチルエーテル残基(エチレンオキシドの付加モル数10)、性状:液体、日清紡績(株)社製;Elastostab H01]1.51重量部及び変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1重量部を投入し、2時間混合した。続いて、ブロッキング防止剤としての架橋ポリメチルメタクリレート[ガンツ化成(株)製「ガンツパールPM−030S」](0.5重量部)を投入して5分間混合することで本発明の粉末状樹脂組成物(P−2)を得た。
実施例3[樹脂粒子組成物(P−3)の製造]
ナウタミキサ内に、樹脂粒子(B−2)(100重量部)、可塑剤としてのポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)製「サンフレックス EB−300」](8重量部)、分子中に炭素−炭素二重結合を有する安定剤としてのジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製「ネオマー DA−600」](1.0重量部)、紫外線安定剤としてのビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(混合物)[BASFジャパン(株)製「TINUVIN 765」](0.3重量部)、変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1重量部、TMXDI(TMXDIはm体で純度98%)のポリカルボジイミド(A−1)[Mn15,000、末端基:メトキシ基、性状:70重量%メチルエチルケトン(以下、MEK)溶液、日清紡績(株)社製;Carbodilite V−09M](2.15重量部)を投入し70℃で4時間含浸した後室温まで冷却して粉末状樹脂組成物を得た。次いで、ブロッキング防止剤としての架橋ポリメチルメタクリレート[ガンツ化成(株)製「ガンツパールPM−030S」](0.5重量部)を投入し、5分間混合することで本発明の粉末状樹脂組成物(P−3)を得た。
ナウタミキサ内に、樹脂粒子(B−2)(100重量部)、可塑剤としてのポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)製「サンフレックス EB−300」](8重量部)、分子中に炭素−炭素二重結合を有する安定剤としてのジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製「ネオマー DA−600」](1.0重量部)、紫外線安定剤としてのビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(混合物)[BASFジャパン(株)製「TINUVIN 765」](0.3重量部)、変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1重量部、TMXDI(TMXDIはm体で純度98%)のポリカルボジイミド(A−1)[Mn15,000、末端基:メトキシ基、性状:70重量%メチルエチルケトン(以下、MEK)溶液、日清紡績(株)社製;Carbodilite V−09M](2.15重量部)を投入し70℃で4時間含浸した後室温まで冷却して粉末状樹脂組成物を得た。次いで、ブロッキング防止剤としての架橋ポリメチルメタクリレート[ガンツ化成(株)製「ガンツパールPM−030S」](0.5重量部)を投入し、5分間混合することで本発明の粉末状樹脂組成物(P−3)を得た。
比較例1[樹脂粒子組成物(P’−1)の製造]
カーボンブラック(1重量部)とポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)製「サンフレックス EB−300」](8重量部)を予備混合し着色剤混合物を製造した。次いで、分子中に炭素−炭素二重結合を有する安定剤としてのジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製「ネオマー DA−600」](1.0重量部)と紫外線安定剤としてのビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(混合物)[BASFジャパン(株)製「TINUVIN 765」](0.3重量部)を予備混合し、添加剤混合物を製造した。更にナウタミキサ内に、樹脂粒子(B−2)(100重量部)、上記着色剤混合物(9重量部)、上記添加剤混合物(1.3重量部)、及び変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1重量部を投入し、2時間混合した。続いて、ブロッキング防止剤としての架橋ポリメチルメタクリレート[ガンツ化成(株)製「ガンツパールPM−030S」](0.5重量部)を投入して5分間混合することで本発明の粉末状樹脂組成物(P’−1)を得た。
カーボンブラック(1重量部)とポリエチレングリコールジ安息香酸エステル[三洋化成工業(株)製「サンフレックス EB−300」](8重量部)を予備混合し着色剤混合物を製造した。次いで、分子中に炭素−炭素二重結合を有する安定剤としてのジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製「ネオマー DA−600」](1.0重量部)と紫外線安定剤としてのビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(混合物)[BASFジャパン(株)製「TINUVIN 765」](0.3重量部)を予備混合し、添加剤混合物を製造した。更にナウタミキサ内に、樹脂粒子(B−2)(100重量部)、上記着色剤混合物(9重量部)、上記添加剤混合物(1.3重量部)、及び変性ジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製;KF96]0.1重量部を投入し、2時間混合した。続いて、ブロッキング防止剤としての架橋ポリメチルメタクリレート[ガンツ化成(株)製「ガンツパールPM−030S」](0.5重量部)を投入して5分間混合することで本発明の粉末状樹脂組成物(P’−1)を得た。
得られた本発明の粉末状樹脂組成物(P−1)〜(P−3)及び比較用の粉末状樹脂組成物(P’−1)について、下記に示す方法で表皮を成形し、裏面溶融性の確認および湿熱老化試験を行った。また、下記に示す方法で表皮層を有するフォーム成形体を成形し、耐熱試験を行った。結果を表1に示した。
<表皮の作成>
予め270℃に加熱されたしぼ模様の入ったNi電鋳型にスラッシュ成形用樹脂粉末組成物を充填し、10秒後余分な粉末樹脂粉末組成物を排出する。230℃で更に90秒加熱後、水冷して表皮(厚さ1mm)を作成した。この成形表皮の裏面溶融性を評価し、表皮を用いて、湿熱老化試験を行った。
予め270℃に加熱されたしぼ模様の入ったNi電鋳型にスラッシュ成形用樹脂粉末組成物を充填し、10秒後余分な粉末樹脂粉末組成物を排出する。230℃で更に90秒加熱後、水冷して表皮(厚さ1mm)を作成した。この成形表皮の裏面溶融性を評価し、表皮を用いて、湿熱老化試験を行った。
<表皮層を有するフォーム成形体の作成>
上記の方法で作成した表皮をモールドにセットし、その上にウレタンフォーム形成成分[EOチップドポリプロピレントリオール(数平均分子量5,000)95部、トリエタノールアミン5部、水2.5部、トリエチルアミン1部、ポリメリックMDI61.5部からなる]を添加し発泡密着させ、各表皮層を有するフォーム成形体を得た。この成形体を用いて、耐熱試験を行った。
上記の方法で作成した表皮をモールドにセットし、その上にウレタンフォーム形成成分[EOチップドポリプロピレントリオール(数平均分子量5,000)95部、トリエタノールアミン5部、水2.5部、トリエチルアミン1部、ポリメリックMDI61.5部からなる]を添加し発泡密着させ、各表皮層を有するフォーム成形体を得た。この成形体を用いて、耐熱試験を行った。
<湿熱老化試験> 成形表皮を、恒温恒湿機中に、温度80℃湿度95%RHで400時間処理した。試験後、表皮の引裂強度を測定して、初期強度と比較した。
湿熱老化試験後の引裂強度保持率を以下の(式1)で算出した。
引裂強度保持率(%)=(湿熱老化試験後の引裂強度/湿熱老化試験前の引裂強度)×100 (式1)
湿熱老化試験後の引裂強度保持率を以下の(式1)で算出した。
引裂強度保持率(%)=(湿熱老化試験後の引裂強度/湿熱老化試験前の引裂強度)×100 (式1)
<耐熱試験>
フォーム成形体を、循環乾燥機中に、110℃で1260時間処理した。試験後、表皮の色褪せ、グロスを確認した。
フォーム成形体を、循環乾燥機中に、110℃で1260時間処理した。試験後、表皮の色褪せ、グロスを確認した。
評価基準
・裏面溶融性
成形品裏面中央部を、以下の判定基準で溶融性を評価した。
5:均一で光沢がある。
4:一部未溶融のパウダーが有るが、光沢がある。
3:裏面全面に凹凸があり、光沢はない。表面に貫通するピンホールはない。
2:裏面全面にパウダーの形状の凹凸があり、かつ表面に貫通するピンホールはない。
1:パウダーが溶融せず、成形品にならない。
・色褪せ
表皮サンプルを直接目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:変色無し
△:変色あり
×:著しく変色
・グロス
光沢計(ポータブルグロスメーターGMX−202:ムラカミカラーリサーチラボラトリー製)を用いて、グロス測定を実施した。グロス値が高いほど、艶がある。
・引裂強度
表皮サンプルからJIS K 6301(1995年)の引裂試験片ダンベルB号形を3枚打ち抜いた。板厚は曲がっている場所の近傍5カ所の最小値をとった。これをオートグラフに取り付け、200mm/minの速さで引っ張り、試験片が破断にいたる最大強度を算出した。
・裏面溶融性
成形品裏面中央部を、以下の判定基準で溶融性を評価した。
5:均一で光沢がある。
4:一部未溶融のパウダーが有るが、光沢がある。
3:裏面全面に凹凸があり、光沢はない。表面に貫通するピンホールはない。
2:裏面全面にパウダーの形状の凹凸があり、かつ表面に貫通するピンホールはない。
1:パウダーが溶融せず、成形品にならない。
・色褪せ
表皮サンプルを直接目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:変色無し
△:変色あり
×:著しく変色
・グロス
光沢計(ポータブルグロスメーターGMX−202:ムラカミカラーリサーチラボラトリー製)を用いて、グロス測定を実施した。グロス値が高いほど、艶がある。
・引裂強度
表皮サンプルからJIS K 6301(1995年)の引裂試験片ダンベルB号形を3枚打ち抜いた。板厚は曲がっている場所の近傍5カ所の最小値をとった。これをオートグラフに取り付け、200mm/minの速さで引っ張り、試験片が破断にいたる最大強度を算出した。
表1より、実施例1〜3は比較例1と比べて、引裂強度保持率が高くなっていることがわかる。引裂強度保持率が高くなっていることから、耐加水分解安定性が向上している。
また、耐熱試験においては実施例1〜3は、比較例1と比べ、色褪せ・グロスの変化が少ないことから、耐熱性が向上している。
また、実施例1〜3は、比較例1と比較して、裏面溶融性が良く、好ましい。
また、耐熱試験においては実施例1〜3は、比較例1と比べ、色褪せ・グロスの変化が少ないことから、耐熱性が向上している。
また、実施例1〜3は、比較例1と比較して、裏面溶融性が良く、好ましい。
本発明のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物から成形される表皮は、自動車内装材、例えばインストルメントパネル、ドアトリム等の表皮として好適に使用される。
Claims (6)
- スラッシュ成形用樹脂粉末(B)を得る工程の後、 ポリカルボジイミド(A)とスラッシュ成形用樹脂粉末(B)とを混合するスラッシュ成形用樹脂粉末組成物(P)の製造方法。
- 混合する工程において、ポリカルボジイミド(A)の添加 量が、スラッシュ成形用樹脂粉末組成物(P)の全重量に基づいて、0.1〜10重量%である請求項1に記載のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物の製造方法。
- ポリカルボジイミド(A)の数平均分子量が、500〜30,000である請求項1又は2に記載のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物の製造方法。
- ポリカルボジイミド(A)の末端基がアルコキシル基である請求項1〜3のいずれかに記載のスラッシュ成形用樹脂粉末組成物の製造方法。
- 前記スラッシュ成形用樹脂粉末(B)を構成する樹脂が、ポリウレタン(ウレア)樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂粉末組成物 。
- 前記スラッシュ成形用樹脂粉末(B)を構成する樹脂が、一般式(1)で表される活性水素含有化合物(a5)を含有する活性水素成分(a)と有機ジイソシアネート成分(b)とを反応させて得られるポリウレタン(ウレア)樹脂である請求項1〜5のいずれか記載の樹脂粉末組成物 の製造方法。
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JP2016108276A JP2017214467A (ja) | 2016-05-31 | 2016-05-31 | スラッシュ成形用樹脂粉末組成物の製造方法 |
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- 2016-05-31 JP JP2016108276A patent/JP2017214467A/ja active Pending
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