JP2011213778A - プライマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 プラスチック基材、特にナイロンに対する密着性が向上したプライマー組成物を提供する。
【解決手段】
Mn=500〜5,000の高分子ポリオール(A1)を用いたポリウレタン樹脂(A)、及び酸性リン酸エステル(B)からなるプライマー組成物において、高分子ポリオール(A1)が側鎖アルキル基を有するポリエステルポリオールであり、酸性リン酸エステル(B)のモノエステル含有量が99%以上であり、ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対する酸性リン酸エステル(B)の配合量が、0.1〜1質量部であり、ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量が10,000〜30,000であること、を特徴とするプライマー組成物により解決する。
【選択図】なし
【解決手段】
Mn=500〜5,000の高分子ポリオール(A1)を用いたポリウレタン樹脂(A)、及び酸性リン酸エステル(B)からなるプライマー組成物において、高分子ポリオール(A1)が側鎖アルキル基を有するポリエステルポリオールであり、酸性リン酸エステル(B)のモノエステル含有量が99%以上であり、ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対する酸性リン酸エステル(B)の配合量が、0.1〜1質量部であり、ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量が10,000〜30,000であること、を特徴とするプライマー組成物により解決する。
【選択図】なし
Description
本発明は、プラスチック基材への密着性に優れたプライマー組成物に関する。
近年、プラスチック成形品として、耐衝撃性、耐熱性、耐候性等の観点からナイロンやポリカーボネートが広く用いられている。このような成形品を塗装する場合、塗料のみでは十分な密着性を発揮できないため、プライマーをあらかじめ成形品の表面に塗布してから塗料を塗布する必要がある。
例えばプラスチックなどからなる成形品用のプライマーとして、有機ジイソシアネートと、高分子ジオールと、アミン系鎖延長剤とを反応させて得られるポリウレタン・ウレア樹脂の溶液からなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献2には、ポリウレタン樹脂成形品用の下塗塗料として、樹脂組成物に酸性リン酸エステルを配合したものが示されている。
塗装された塗膜は、溶剤やガソリンなどと接触する場合があり、このため塗膜には十分な耐溶剤性が要求される。また、スプレー塗装により塗装する場合があり、スプレー塗装時の作業性が要求される。しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、前記要求を全てクリヤーできていなかった。また、特許文献2に開示されている下塗塗料用樹脂としてのポリウレタン樹脂は、原料のポリエステルポリオールの開示が不十分であり、どのような組成のものが密着性に効果があるのかが不明となっている。
本発明は、以上の事情を鑑みてなされたものである。すなわち本発明は、プラスチック基材、特にナイロンに対する密着性が向上したプライマー組成物の提供を目的とする。
本発明は、数平均分子量500〜5,000の高分子ポリオール(A1)と有機ポリイソシアネート(A2)を反応させて得られるポリウレタン樹脂(A)、及び酸性リン酸エステル(B)からなるプライマー組成物において、
高分子ポリオール(A1)が側鎖アルキル基を有するポリエステルポリオールであり、
酸性リン酸エステル(B)のモノエステル含有量が99%以上であり、
ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対する酸性リン酸エステル(B)の配合量が、0.1〜1質量部であり、ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量が10,000〜30,000であること、
を特徴とするプライマー組成物である。
高分子ポリオール(A1)が側鎖アルキル基を有するポリエステルポリオールであり、
酸性リン酸エステル(B)のモノエステル含有量が99%以上であり、
ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対する酸性リン酸エステル(B)の配合量が、0.1〜1質量部であり、ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量が10,000〜30,000であること、
を特徴とするプライマー組成物である。
また本発明は、数平均分子量500〜5,000の高分子ポリオール(A1)と有機ポリイソシアネート(A2)を反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを製造し、その後分子量500未満の低分子ジアミン(A3)及び分子量500未満の低分子モノアミン(A4)にて鎖延長反応させて得られるポリウレタン樹脂(A)、及び酸性リン酸エステル(B)からなるプライマー組成物において、
高分子ポリオール(A1)が側鎖アルキル基を有するポリエステルポリオールであり、
酸性リン酸エステル(B)のモノエステル含有量が99%以上であり、
ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対する酸性リン酸エステル(B)の配合量が、0.1〜1質量部であり、ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量が10,000〜30,000であること、
を特徴とするプライマー組成物である。
高分子ポリオール(A1)が側鎖アルキル基を有するポリエステルポリオールであり、
酸性リン酸エステル(B)のモノエステル含有量が99%以上であり、
ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対する酸性リン酸エステル(B)の配合量が、0.1〜1質量部であり、ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量が10,000〜30,000であること、
を特徴とするプライマー組成物である。
本発明のプライマー組成物により、プラスチック基材、特にナイロンに対する密着性が向上したプライマー組成物の提供が可能となった。
本発明のプライマー組成物の樹脂成分であるポリウレタン樹脂(A)は、以下の(1)または(2)の方法によって得られる。
(1)数平均分子量500〜5,000の高分子ポリオール(A1)と有機ポリイソシアネート(A2)を反応させる。
(2)高分子ポリオールと有機ポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを製造し、その後低分子ジアミン及び低分子モノアミンにて鎖延長反応させる。
(1)数平均分子量500〜5,000の高分子ポリオール(A1)と有機ポリイソシアネート(A2)を反応させる。
(2)高分子ポリオールと有機ポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを製造し、その後低分子ジアミン及び低分子モノアミンにて鎖延長反応させる。
高分子ポリオール(A1)は、数平均分子量500〜5,000、好ましくは1,000〜3,000の側鎖アルキル基を有するポリエステルポリオールである。数平均分子量が下限未満の場合は、ポリウレタン樹脂が剛直になりすぎて、密着性が低下する。数平均分子量が上限を超える場合は、ポリウレタン樹脂が柔軟になりすぎて、強度が低下する。また、側鎖アルキル基を有さないポリエステルポリオールは、ポリウレタン樹脂の結晶性が強くなり、密着性が低下する。通常は、本発明に用いるポリエステルポリオールは、側鎖を有するジオールを必須とするジオール成分とポリカルボン酸成分から得られる。
このポリエステルポリオールを構成するポリカルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
必須である側鎖を有するグリコールとしては、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
併用できる側鎖を有さないグリコールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等が挙げられる。
有機ポリイソシアネート(A2)としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−ナフチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。また、これらのアダクト変性体、アロファネート変性体、ビウレット変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体等の変性ポリイソシアネートも使用できる。これらは1種類又は2種類以上の混合物として使用できる。
本発明においては、耐候性を考慮すると、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及びこれらから誘導されるイソシアネート変性体が好ましい。
低分子ジアミン(A3)は、分子量500未満であり、かつ、1分子中に1級又は2級アミノ基を2個有する化合物である。なお、イソシアネート基との反応性が1級又は2級アミノ基より小さい他の活性水素基(例えば、水酸基やメルカプト基など)を有してもよい。低分子ジアミンとしては、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルジアミン、ジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン、2−メルカプト−1,3−プロパンジアミンなどが挙げられる。
低分子モノアミン(A4)は、分子量500未満であり、かつ、1分子中に1級又は2級アミノ基を1個有する化合物である。なお、イソシアネート基との反応性が1級又は2級アミノ基より小さい他の活性水素基(例えば、水酸基やメルカプト基など)を有してもよい。低分子モノアミンとしては、エチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、ヒドロキシエチルピペラジン、N−(3−アミノプロピル)ジエタノールアミン、N−シクロヘキシルエタノールアミンなどが挙げられる。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂を製造手順は、、高分子ポリオール活性水素を持たないケトンやエステル、芳香族炭化水素等の溶剤で適宜希釈する。この混合溶液に有機ポリイソシアネートを添加し、必要に応じてウレタン化触媒を添加して、温度を30〜100℃の範囲にして数時間反応させて、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの溶液を合成する。このときのイソシアネート基/水酸基のモル比は1.1〜2.5が好ましく、特に1.5〜2.0が好ましい。イソシアネート基/水酸基のモル比が1.1未満の場合は、得られるポリウレタン樹脂の耐久性が乏しくなる。2.5を越える場合は、溶剤への溶解性や密着性に乏しくなる。
このようにして得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液に、低分子ジアミンおよび/または低分子モノアミン、好ましくは低分子ジアミンと低分子モノアミンを加えて、例えば30〜50℃の温度範囲でイソシアネート基が消失するまで反応させることによって、目的のポリウレタン樹脂が得られる。
このようにして得られるポリウレタン樹脂の数平均分子量は、10,000〜30,000であり、特に12,000〜28,000が好ましい。ポリウレタン樹脂の数平均分子量が10,000未満の場合は、強度が不十分であり、30,000を越える場合は、スプレー塗装が困難になる。また、ポリウレタン樹脂の1分子当たりの水酸基含有量(平均官能基数)は、3〜20が好ましい。この水酸基は、例えば、プライマー層にポリイソシアネート硬化剤が配合されなくても、中塗りや上塗りのいずれかでポリイソシアネート硬化剤が配合していれば、このポリイソシアネートとの反応確率が高いため、プライマー層が硬化することになる。
本発明に用いる酸性リン酸エステル(B)は、モノエステル含有量が99%以上のものであることを特徴とする。リン酸エステルは、モノエステル、ジエステル、トリエステル及びこれらの混合物が挙げられるが、本発明ではモノエステル含有量が99%以上である酸性リン酸エステルであることが肝要である。モノエステル含有量が99%未満、すなわちジエステルやトリエステルが1%を超える場合は、プラスチック基材(特にナイロン)への密着性が低下する。本発明で好ましいリン酸エステルのモノオール成分は、炭素数2〜12のモノアルコールである。
ポリウレタン樹脂(A)と酸性リン酸エステル(B)の配合比は、(A):(B)=100:0.1〜100:1(質量比)である。酸性リン酸エステル(B)の配合量が少なすぎる場合は、基材への密着性向上の効果が見られない。また、酸性リン酸エステル(B)の配合量が多すぎる場合は、プライマー被膜の耐溶剤性の低下を引き起こす。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂(A)の製造方法としては、高分子ポリオール(A1)と有機ポリイソシアネート(A2)とを反応させてイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成し、これと、低分子ジアミン(A3)および低分子モノアミン(A4)とを反応させる、いわゆるプレポリマー法が採用される。いわゆるワンショット法によると、有機ポリイソシアネートとアミン化合物との反応が優先的に起こりウレア凝集物が生じるので好ましくない。
ポリウレタン樹脂(A)の溶液を調製する方法の一例を示す。
(1)活性水素を持たない溶剤(例えばケトン、エステル、芳香族炭化水素等)による高分子ポリオール(A1)の溶液に有機ポリイソシアネート(A2)を水酸基が過剰になるように添加し、ウレタン化触媒の存在下、30〜100℃でイソシアネート基が消失するまで反応させて、水酸基末端のポリウレタン樹脂を得る。この際、NCO基/OH基のモル比が0.8〜0.99、特に0.85〜0.95となる比率であることが好ましい。NCO基/OH基のモル比が下限未満であると、充分な分子量を持つポリウレタン樹脂とならないため、得られるプライマー組成物による塗膜が十分な耐溶剤性を有するものとならない場合がある。他方、NCO基/OH基のモル比が上限を超えると、得られる樹脂の溶解性が低下したり、得られるプライマー組成物による塗膜が十分な接着性を有するものとならない場合がある。
(2)活性水素を持たない溶剤(例えばケトン、エステル、芳香族炭化水素等)による高分子ポリオール(A1)の溶液に有機ポリイソシアネート(A2)を添加し、ウレタン化触媒の存在下、30〜100℃で数時間反応させて、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成する。このとき、有機ジイソシアネートと高分子ポリオールとの使用比率としては、NCO基/OH基のモル比が1.1〜2.5、特に1.5〜2.0となる比率であることが好ましい。NCO基/OH基のモル比が1.1未満であると、得られるプライマー組成物による塗膜が十分な耐溶剤性を有するものとならない場合がある。他方、NCO基/OH基のモル比が2.5を超えると、得られる樹脂の溶解性が低下したり、得られるプライマー組成物による塗膜が十分な接着性を有するものとならない場合がある。次いで、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの溶液に、低分子ジアミン(A3)および低分子モノアミン(A4)を添加し、30〜50℃で、イソシアネート基が消失するまで反応させる。
(1)活性水素を持たない溶剤(例えばケトン、エステル、芳香族炭化水素等)による高分子ポリオール(A1)の溶液に有機ポリイソシアネート(A2)を水酸基が過剰になるように添加し、ウレタン化触媒の存在下、30〜100℃でイソシアネート基が消失するまで反応させて、水酸基末端のポリウレタン樹脂を得る。この際、NCO基/OH基のモル比が0.8〜0.99、特に0.85〜0.95となる比率であることが好ましい。NCO基/OH基のモル比が下限未満であると、充分な分子量を持つポリウレタン樹脂とならないため、得られるプライマー組成物による塗膜が十分な耐溶剤性を有するものとならない場合がある。他方、NCO基/OH基のモル比が上限を超えると、得られる樹脂の溶解性が低下したり、得られるプライマー組成物による塗膜が十分な接着性を有するものとならない場合がある。
(2)活性水素を持たない溶剤(例えばケトン、エステル、芳香族炭化水素等)による高分子ポリオール(A1)の溶液に有機ポリイソシアネート(A2)を添加し、ウレタン化触媒の存在下、30〜100℃で数時間反応させて、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成する。このとき、有機ジイソシアネートと高分子ポリオールとの使用比率としては、NCO基/OH基のモル比が1.1〜2.5、特に1.5〜2.0となる比率であることが好ましい。NCO基/OH基のモル比が1.1未満であると、得られるプライマー組成物による塗膜が十分な耐溶剤性を有するものとならない場合がある。他方、NCO基/OH基のモル比が2.5を超えると、得られる樹脂の溶解性が低下したり、得られるプライマー組成物による塗膜が十分な接着性を有するものとならない場合がある。次いで、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの溶液に、低分子ジアミン(A3)および低分子モノアミン(A4)を添加し、30〜50℃で、イソシアネート基が消失するまで反応させる。
ここに、ポリウレタン樹脂(A)を合成する際に使用する溶剤(最終的に、ポリウレタン樹脂(A)の溶液を構成する溶剤)としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤などを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、ポリオール骨格やウレタン骨格に対する溶解性の良好なトルエンおよびメチルエチルケトンと、ウレア基に対する溶解性の良好なイソプロパノールとの3種の混合溶剤を使用することが好ましい。また、上記のようにして得られるポリウレタン樹脂(A)の溶液中の樹脂濃度(固形分)としては、10〜50質量%であることが好ましく、更に好ましくは15〜45質量%とされる。そして、このポリウレタン樹脂(A)の溶液を、必要に応じて、更に溶剤によって希釈することにより、本発明のプライマー組成物を調製することができる。
ポリウレタン樹脂(A)の溶液に酸性リン酸エステル(B)を添加することにより、本発明のプライマー組成物が得られる。
また、本発明のプライマー組成物は、必要に応じて顔料、染料、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、フィラー、滑剤、帯電防止剤、可塑剤等の各種添加剤を配合することができる。
本発明のプライマー組成物は、自動車の(外装)部品に代表されるプラスチック成形品に対して好適に使用することができ、難接着性とされるナイロンからなる被着体に対して良好な密着性を発現する。
次に、本発明の実施例及び比較例について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。特にことわりのない限り、実施例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
ポリウレタン樹脂溶液の製造
<合成例1>
撹拌機、温度計、アリーン冷却管、窒素ガス導入管を組んだ2リットルの4つ口フラスコに、ポリオール−1を488.0g、トルエンを378g仕込み、均一に撹拌した。このポリオール溶液にMDIを52.0g、ウレタン化触媒としてDOTDLを0.05g加えて、80℃にてウレタン化反応を行った。反応が進行するにつれて粘度が上昇してくるので、適宜MEKにて希釈した。MEKの総仕込み量は504gである。FT−IRにてイソシアネート基が消失するのを確認した後、IPAを378g仕込み、均一に撹拌した。その後酸性リン酸エステル−1を5.4g仕込んで均一に撹拌して、ポリウレタン樹脂溶液PU−1を得た。PU−1の固形分は30.2%、粘度は100mPa・s(25℃)、ポリウレタン樹脂の数平均分子量は14,900であった。これらをまとめて表1に示す。
<合成例1>
撹拌機、温度計、アリーン冷却管、窒素ガス導入管を組んだ2リットルの4つ口フラスコに、ポリオール−1を488.0g、トルエンを378g仕込み、均一に撹拌した。このポリオール溶液にMDIを52.0g、ウレタン化触媒としてDOTDLを0.05g加えて、80℃にてウレタン化反応を行った。反応が進行するにつれて粘度が上昇してくるので、適宜MEKにて希釈した。MEKの総仕込み量は504gである。FT−IRにてイソシアネート基が消失するのを確認した後、IPAを378g仕込み、均一に撹拌した。その後酸性リン酸エステル−1を5.4g仕込んで均一に撹拌して、ポリウレタン樹脂溶液PU−1を得た。PU−1の固形分は30.2%、粘度は100mPa・s(25℃)、ポリウレタン樹脂の数平均分子量は14,900であった。これらをまとめて表1に示す。
<合成例2、3>
酸性リン酸エステルの種類と仕込み量を変えたこと以外は合成例1と同様の手順でポリウレタン樹脂溶液PU−2、PU−3をそれぞれ得た。PU−2には酸性リン酸エステル−2を2.7g、PU−3には酸性リン酸エステル−3を2.7g仕込んだ。これらをまとめて表1に示す。
酸性リン酸エステルの種類と仕込み量を変えたこと以外は合成例1と同様の手順でポリウレタン樹脂溶液PU−2、PU−3をそれぞれ得た。PU−2には酸性リン酸エステル−2を2.7g、PU−3には酸性リン酸エステル−3を2.7g仕込んだ。これらをまとめて表1に示す。
<合成例4>
撹拌機、温度計、アリーン冷却管、窒素ガス導入管を組んだ2リットルの4つ口フラスコに、ポリオール−2を414.3g、トルエンを378g仕込み、均一に撹拌した。このポリオール溶液にIPDIを92.1g、ウレタン化触媒としてDOTDLを0.05g加え、80℃にて4時間反応させてイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液を得た。このプレポリマー溶液に、MEKを504g加え均一にした後、更にIPAを378g、IPDAを29.2g、MEAを4.4g配合したアミン液を一気に加え、40℃にてイソシアネート基が消失するまで反応させた。その後酸性リン酸エステル−4を0.54g仕込んで均一に撹拌して、ポリウレタン樹脂溶液PU−4を得た。PU−4の固形分は30.1%、粘度は150mPa・s(25℃)、ポリウレタン樹脂の数平均分子量は15,100であった。これらをまとめて表1に示す。
撹拌機、温度計、アリーン冷却管、窒素ガス導入管を組んだ2リットルの4つ口フラスコに、ポリオール−2を414.3g、トルエンを378g仕込み、均一に撹拌した。このポリオール溶液にIPDIを92.1g、ウレタン化触媒としてDOTDLを0.05g加え、80℃にて4時間反応させてイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液を得た。このプレポリマー溶液に、MEKを504g加え均一にした後、更にIPAを378g、IPDAを29.2g、MEAを4.4g配合したアミン液を一気に加え、40℃にてイソシアネート基が消失するまで反応させた。その後酸性リン酸エステル−4を0.54g仕込んで均一に撹拌して、ポリウレタン樹脂溶液PU−4を得た。PU−4の固形分は30.1%、粘度は150mPa・s(25℃)、ポリウレタン樹脂の数平均分子量は15,100であった。これらをまとめて表1に示す。
<合成例5>
表1に示す原料を用いて、合成例1と同様な手順でポリウレタン樹脂溶液PU−5、6を得た。PU−5には酸性リン酸エステルを仕込まず、PU−6には酸性リン酸エステル−1を16.2g仕込んだ。これらをまとめて表1に示す。
表1に示す原料を用いて、合成例1と同様な手順でポリウレタン樹脂溶液PU−5、6を得た。PU−5には酸性リン酸エステルを仕込まず、PU−6には酸性リン酸エステル−1を16.2g仕込んだ。これらをまとめて表1に示す。
<合成例7〜9>
表1に示す原料を用いて、酸性リン酸エステルを使用しないこと以外は、合成例2と同様な手順でポリウレタン樹脂溶液PU−7〜9を得た。PU−7にはリン酸を5.4g仕込み、PU−8には亜リン酸エステル−1を5.4g仕込み、PU−9には亜リン酸エステル−2を5.4g仕込んだ。これらをまとめて表1に示す。
表1に示す原料を用いて、酸性リン酸エステルを使用しないこと以外は、合成例2と同様な手順でポリウレタン樹脂溶液PU−7〜9を得た。PU−7にはリン酸を5.4g仕込み、PU−8には亜リン酸エステル−1を5.4g仕込み、PU−9には亜リン酸エステル−2を5.4g仕込んだ。これらをまとめて表1に示す。
<合成例10>
撹拌機、温度計、アリーン冷却管、窒素ガス導入管を組んだ2リットルの4つ口フラスコに、ポリオール−3を414.3g、トルエンを378g仕込み、均一に撹拌した。このポリオール溶液にIPDIを92.1g、ウレタン化触媒としてDOTDLを0.05g加え、80℃にて4時間反応させてイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液を得た。このプレポリマー溶液に、MEKを504g加え均一にした後、更にIPAを378g、IPDAを29.2g、MEAを4.4g配合したアミン液を一気に加え、40℃にてイソシアネート基が消失するまで反応させた。その後酸性リン酸エステル−4を0.54g仕込んで均一に撹拌して、ポリウレタン樹脂溶液PU−10を得た。PU−10の固形分は30.0%、粘度は220mPa・s(25℃)、ポリウレタン樹脂の数平均分子量は15,100であった。これらをまとめて表1に示す。
撹拌機、温度計、アリーン冷却管、窒素ガス導入管を組んだ2リットルの4つ口フラスコに、ポリオール−3を414.3g、トルエンを378g仕込み、均一に撹拌した。このポリオール溶液にIPDIを92.1g、ウレタン化触媒としてDOTDLを0.05g加え、80℃にて4時間反応させてイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液を得た。このプレポリマー溶液に、MEKを504g加え均一にした後、更にIPAを378g、IPDAを29.2g、MEAを4.4g配合したアミン液を一気に加え、40℃にてイソシアネート基が消失するまで反応させた。その後酸性リン酸エステル−4を0.54g仕込んで均一に撹拌して、ポリウレタン樹脂溶液PU−10を得た。PU−10の固形分は30.0%、粘度は220mPa・s(25℃)、ポリウレタン樹脂の数平均分子量は15,100であった。これらをまとめて表1に示す。
合成例1〜10において
ポリオール−1:
エチレングリコール(EG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、アジピン酸(AA)、イソフタル酸(iPA)から得られるポリエステルポリオール
EG/NPG=1/9(モル比)
AA/iPA=5/5(モル比)
数平均分子量=2,000
ポリオール−2:
3,3−ジメチロールヘプタンとアジピン酸から得られるポリエステルポリオール
数平均分子量=2,000
ポリオール−3:
エチレングリコール(EG)、1,4−ブタンジオール(1,4−BG)、アジピン酸(AA)から得られるポリエステルポリオール
EG/1,4−BG=5/5(モル比)
MDI:
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
IPDI:
イソホロンジイソシアネート
HDI:
ヘキサメチレンジイソシアネート
IPDA:
イソホロンジアミン
MEA:
モノエタノールアミン
MEK:
メチルエチルケトン
IPA:
イソプロピルアルコール
酸性リン酸エステル−1:
モノエチルホスフェート
純度=99%以上
酸性リン酸エステル−2:
モノブチルホスフェート
純度=99%以上
酸性リン酸エステル−3:
モノオクチルホスフェート
純度=99%以上
酸性リン酸エステル−4:
モノラウリルホスフェート
純度=99%以上
JP−502:
エチルアシッドホスフェート(城北化学工業(株)製)
(モノエステル、ジエステル混合物)
JP−518−O:
オレイルアシッドホスフェート(城北化学工業(株)製)
(モノエステル、ジエステル混合物)
ポリウレタン樹脂分子量測定条件
測定条件
・測定器:「HLC−8120」(東ソー(株)製)
・カラム:「Styragel HR2 DMF」(日本ウォーターズ(株)製)
粒径=5μm、サイズ=7.8mmID×30cm×4本
・キャリア:LiBr0.1%含有N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
・検出器:視差屈折
・サンプル:0.1%LiBr/DMF溶液
・検量線:ポリエチレングリコール
ポリオール−1:
エチレングリコール(EG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、アジピン酸(AA)、イソフタル酸(iPA)から得られるポリエステルポリオール
EG/NPG=1/9(モル比)
AA/iPA=5/5(モル比)
数平均分子量=2,000
ポリオール−2:
3,3−ジメチロールヘプタンとアジピン酸から得られるポリエステルポリオール
数平均分子量=2,000
ポリオール−3:
エチレングリコール(EG)、1,4−ブタンジオール(1,4−BG)、アジピン酸(AA)から得られるポリエステルポリオール
EG/1,4−BG=5/5(モル比)
MDI:
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
IPDI:
イソホロンジイソシアネート
HDI:
ヘキサメチレンジイソシアネート
IPDA:
イソホロンジアミン
MEA:
モノエタノールアミン
MEK:
メチルエチルケトン
IPA:
イソプロピルアルコール
酸性リン酸エステル−1:
モノエチルホスフェート
純度=99%以上
酸性リン酸エステル−2:
モノブチルホスフェート
純度=99%以上
酸性リン酸エステル−3:
モノオクチルホスフェート
純度=99%以上
酸性リン酸エステル−4:
モノラウリルホスフェート
純度=99%以上
JP−502:
エチルアシッドホスフェート(城北化学工業(株)製)
(モノエステル、ジエステル混合物)
JP−518−O:
オレイルアシッドホスフェート(城北化学工業(株)製)
(モノエステル、ジエステル混合物)
ポリウレタン樹脂分子量測定条件
測定条件
・測定器:「HLC−8120」(東ソー(株)製)
・カラム:「Styragel HR2 DMF」(日本ウォーターズ(株)製)
粒径=5μm、サイズ=7.8mmID×30cm×4本
・キャリア:LiBr0.1%含有N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
・検出器:視差屈折
・サンプル:0.1%LiBr/DMF溶液
・検量線:ポリエチレングリコール
プライマー組成物調製
実施例1〜4、比較例1〜6
合成例1〜10で得られたポリウレタン樹脂溶液を、下記に示す混合溶剤で固形分9%に希釈して、プライマー組成物を調製した。
混合溶剤:トルエン/MEK/IPA=3/4/3(質量比)
実施例1〜4、比較例1〜6
合成例1〜10で得られたポリウレタン樹脂溶液を、下記に示す混合溶剤で固形分9%に希釈して、プライマー組成物を調製した。
混合溶剤:トルエン/MEK/IPA=3/4/3(質量比)
ベース層形成用樹脂組成物の調製
プライマー組成物の塗膜に上塗りするベース層形成用樹脂組成物は、アクリル樹脂「アクリディックA−801−P」(DIC(株)製)100部に、酸化チタン20部とトルエン230部添加し、分散機中で10分間混練することにより調製した。
プライマー組成物の塗膜に上塗りするベース層形成用樹脂組成物は、アクリル樹脂「アクリディックA−801−P」(DIC(株)製)100部に、酸化チタン20部とトルエン230部添加し、分散機中で10分間混練することにより調製した。
トップ層形成用樹脂組成物の調製
ベース層形成用樹脂組成物の塗膜に上塗りするトップ層形成用樹脂組成物は、アクリル樹脂「アクリディックA−801−P」(DIC(株)製)100部に、ポリイソシアネート硬化剤「コロネートHX」(日本ポリウレタン工業(株)製)18部(NCO/OH=1/1:モル比)、トルエン110部添加し、分散機中で10分間混練することにより調製した。
※「コロネート」は日本ポリウレタン工業(株)の登録商標
ベース層形成用樹脂組成物の塗膜に上塗りするトップ層形成用樹脂組成物は、アクリル樹脂「アクリディックA−801−P」(DIC(株)製)100部に、ポリイソシアネート硬化剤「コロネートHX」(日本ポリウレタン工業(株)製)18部(NCO/OH=1/1:モル比)、トルエン110部添加し、分散機中で10分間混練することにより調製した。
※「コロネート」は日本ポリウレタン工業(株)の登録商標
試験片調製方法
6−ナイロン「ナイロン1022B」(宇部興産製)からなる被着体の表面をメタノール十分脱脂処理し、常温で乾燥させた。この被着体の表面に、調製したプライマー組成物をエアスプレーにより塗布し、常温で10分間乾燥させて、膜厚8μmの乾燥塗膜を形成させた。次いで、プライマー組成物による乾燥塗膜(プライマー層)上に、ベース層形成用樹脂組成物をエアスプレーにより塗布し、常温で10分間乾燥させて、膜厚10μmの乾燥塗膜を積層形成させた。次いで、ベース層形成用樹脂組成物による乾燥塗膜(ベース層)上に、トップ層形成用樹脂組成物をエアスプレーにより塗布し、常温で10分間乾燥させて、膜厚30μmの乾燥塗膜を積層形成させた。次いで、80℃の乾燥機中で30分間加熱処理を行い、その後、20℃×65%RHの雰囲気下で48時間の養生を行って試験片を調製した。
6−ナイロン「ナイロン1022B」(宇部興産製)からなる被着体の表面をメタノール十分脱脂処理し、常温で乾燥させた。この被着体の表面に、調製したプライマー組成物をエアスプレーにより塗布し、常温で10分間乾燥させて、膜厚8μmの乾燥塗膜を形成させた。次いで、プライマー組成物による乾燥塗膜(プライマー層)上に、ベース層形成用樹脂組成物をエアスプレーにより塗布し、常温で10分間乾燥させて、膜厚10μmの乾燥塗膜を積層形成させた。次いで、ベース層形成用樹脂組成物による乾燥塗膜(ベース層)上に、トップ層形成用樹脂組成物をエアスプレーにより塗布し、常温で10分間乾燥させて、膜厚30μmの乾燥塗膜を積層形成させた。次いで、80℃の乾燥機中で30分間加熱処理を行い、その後、20℃×65%RHの雰囲気下で48時間の養生を行って試験片を調製した。
常態密着性評価方法
得られた試験片(プライマー/ベース/トップの積層形成された塗装サンプル)の各々について、1mm方形の碁盤目(10×10)の切れ目を塗膜形成面に形成し、粘着テープによる剥離試験を行って、残留枚数を測定した。なお、試験片は、実施例1〜3及び比較例1〜4の各々について3個ずつ作成し、3個試験片における残留枚数の平均値を求めた。結果を表1に示す。
得られた試験片(プライマー/ベース/トップの積層形成された塗装サンプル)の各々について、1mm方形の碁盤目(10×10)の切れ目を塗膜形成面に形成し、粘着テープによる剥離試験を行って、残留枚数を測定した。なお、試験片は、実施例1〜3及び比較例1〜4の各々について3個ずつ作成し、3個試験片における残留枚数の平均値を求めた。結果を表1に示す。
耐溶剤性評価方法
得られた試験片(プライマー/ベース/トップの積層形成された塗装サンプル)の各々について、ガソリン/エタノール=9/1の混合溶剤(20℃)に浸漬し、試験片の縁から生じる塗膜の浮き(剥離)が、縁から2mm以上内側に到達するまでの時間(浸漬時間)を測定した。結果を表2に示す。
得られた試験片(プライマー/ベース/トップの積層形成された塗装サンプル)の各々について、ガソリン/エタノール=9/1の混合溶剤(20℃)に浸漬し、試験片の縁から生じる塗膜の浮き(剥離)が、縁から2mm以上内側に到達するまでの時間(浸漬時間)を測定した。結果を表2に示す。
耐湿熱性評価方法
得られた試験片(プライマー/ベース/トップの積層形成された塗装サンプル)の各々について、50℃×90%RHの雰囲気下で240時間経過させて、すぐに1mm方形の碁盤目(10×10)の切れ目を塗膜形成面に形成し、粘着テープによる剥離試験を行って、残留枚数を測定した。なお、試験片は、実施例1〜3及び比較例1〜4の各々について3個ずつ作成し、3個試験片における残留枚数の平均値を求めた。結果を表2に示す。
得られた試験片(プライマー/ベース/トップの積層形成された塗装サンプル)の各々について、50℃×90%RHの雰囲気下で240時間経過させて、すぐに1mm方形の碁盤目(10×10)の切れ目を塗膜形成面に形成し、粘着テープによる剥離試験を行って、残留枚数を測定した。なお、試験片は、実施例1〜3及び比較例1〜4の各々について3個ずつ作成し、3個試験片における残留枚数の平均値を求めた。結果を表2に示す。
表2に示されるように、実施例においては各試験とも良好な結果であった。一方、比較例1は、酸性リン酸エステルが存在しないため、密着性や耐湿熱性が不十分であった。一方、比較例2は、酸性リン酸エステルが多すぎるため、耐溶剤性が不十分であった。また、比較例3は酸性リン酸エステルではなく、リン酸を用いているため、密着性が不十分であり、特に耐湿熱性は全く性能を発揮しないものであった。比較例4、5は、モノエステルとジエステルの混合物であるため、密着性が不十分であり、特にエステルのアルキル基の小さい比較例4は、耐湿熱性も不十分であった。比較例6は、酸性リン酸エステルを使用しているものの、高分子ポリオールに側鎖アルキル基を有さないため、耐湿熱性が不十分であった。
Claims (2)
- 数平均分子量500〜5,000の高分子ポリオール(A1)と有機ポリイソシアネート(A2)を反応させて得られるポリウレタン樹脂(A)、及び酸性リン酸エステル(B)からなるプライマー組成物において、
高分子ポリオール(A1)が側鎖アルキル基を有するポリエステルポリオールであり、
酸性リン酸エステル(B)のモノエステル含有量が99%以上であり、
ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対する酸性リン酸エステル(B)の配合量が、0.1〜1質量部であり、
ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量が10,000〜30,000であること、
を特徴とするプライマー組成物。 - 数平均分子量500〜5,000の高分子ポリオール(A1)と有機ポリイソシアネート(A2)を反応させて、イソシアネート基末端プレポリマーを製造し、その後分子量500未満の低分子ジアミン(A3)及び分子量500未満の低分子モノアミン(A4)にて鎖延長反応させて得られるポリウレタン樹脂(A)、及び酸性リン酸エステル(B)からなるプライマー組成物において、
高分子ポリオール(A1)が側鎖アルキル基を有するポリエステルポリオールであり、
酸性リン酸エステル(B)のモノエステル含有量が99%以上であり、
ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対する酸性リン酸エステル(B)の配合量が、0.1〜1質量部であり、
ポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量が10,000〜30,000であること、
を特徴とするプライマー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010080941A JP2011213778A (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | プライマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011213778A true JP2011213778A (ja) | 2011-10-27 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010080941A Pending JP2011213778A (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | プライマー組成物 |
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Country | Link |
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-
2010
- 2010-03-31 JP JP2010080941A patent/JP2011213778A/ja active Pending
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