JP2011213259A - 車両の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド車両等の車両において、変速機構のワンウェイクラッチをより適切に係合することを可能とする。
【解決手段】変速機構は、複数の要素のうちの第1要素C3と係合することにより第1要素の回転方向を一方向に制限可能なワンウェイクラッチF1と、第1要素と固定部材17とを結合する又は第1要素と変速機構の複数の要素のうちの第2要素とを結合する結合状態と、第1要素と固定部材とを結合しない及び第1要素と第2要素とを結合しない結合解放状態とを切り替え可能な結合切替手段F1等とを有し、回転電機による回生が行われる場合、又は、変速機構へ入力されるトルクが車両を前進させるトルクの向きを正として負となる場合、結合状態へ切り替えるように結合切替手段を制御する制御手段30とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばハイブリッド車両等の車両の駆動装置の技術分野に関する。
この種の車両の駆動装置として、特許文献1等には、コースティング走行中、一方向クラッチの回転速度差が設定値になるようにMGで制御することにより、一方向クラッチ係合時のショックを抑制する技術について開示されている。
また、この種の車両の駆動装置として、特許文献2等には、ワンウェイクラッチがロックする時のショックを低減させるため、変速後の回転数にMGを使って近づける技術について開示されている。具体的には、ワンウェイクラッチが係合するときに回転数変化が少なくさせ、ショックをより少なくさせる技術について開示されている。
特開2008−81099号公報 特開平11−225403号公報
しかしながら、特許文献1等によれば、回生要求時に回生とショック抑制の両立が技術的に困難となってしまうという問題点が生じる。
また、上述の特許文献2等によれば、現在の回転数Nmに付加回転数ΔNmを加えた目標回転数Nmtになるように制御しているが、回転数制御を行っているため、差回転数を完全にゼロ(rpm)にすることができず、回転数制御の誤差や制御のバラツキに起因して、係合時に細かい歯打ちが発生する可能性が高いという技術的な問題点が生じる。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、例えばハイブリッド車両等の車両において、変速機構のワンウェイクラッチをより適切に係合することが可能な車両の駆動装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両の駆動装置は、回転電機と、前記回転電機及び機関のうち少なくとも前記回転電機に連結された伝達部材と、車両の駆動輪に動力を出力するための出力部材と、前記伝達部材から前記出力部材までの動力伝達経路に設けられると共に、相互に差動回転可能な複数の要素を有する変速機構とを備えた車両の駆動装置であって、前記変速機構は、前記複数の要素のうちの第1要素と係合することにより前記第1要素の回転方向を一方向に制限可能なワンウェイクラッチと、前記第1要素と前記車両に対して静止した固定部材とを結合する又は前記第1要素と前記変速機構の前記複数の要素のうちの第2要素とを結合する結合状態と、前記第1要素と前記固定部材とを結合しない及び前記第1要素と前記第2要素とを結合しない結合解放状態とを切り替え可能な結合切替手段とを有し、前記回転電機による回生が行われる場合、又は、前記変速機構へ入力されるトルクが前記車両を前進させるトルクの向きを正として負となる場合、前記結合状態へ切り替えるように前記結合切替手段を制御する制御手段とを備える。
本発明に係る車両の駆動装置によれば、伝達部材は、回転電機及び機関のうち少なくとも回転電機に連結されている。出力部材は、車両の駆動輪に動力を出力する。変速機構は、伝達部材から出力部材までの動力伝達経路に設けられると共に、相互に差動回転可能な複数の要素を有する。
変速機構のワンウェイクラッチは、複数の要素のうちの第1要素と係合することにより第1要素の回転方向を一方向に制限可能である。結合切替手段は、(i)第1要素と車両に対して静止した固定部材とを結合する又は第1要素と変速機構の複数の要素のうちの第2要素とを結合する結合状態と、(ii)第1要素と固定部材とを結合しない及び第1要素と第2要素とを結合しない結合解放状態とを切り替え可能である。
例えばメモリ、プロセッサ等を備えて構成される制御手段の制御下で、結合切替手段は、回転電機の回生が要求される場合又は変速機構へ入力されるトルクが負となる場合、結合状態へ切り替える。これにより、回生が行われる場合又は変速機構へ入力されるトルクが負になる場合、ワンウェイクラッチが、当該ワンウェイクラッチが力を伝達していない浮き状態になることを殆ど又は完全に防止することが可能である。
この結果、ワンウェイクラッチが第1要素と係合する際に、大きなトルクが瞬時に伝達され、トルクショックが発生することを効果的に防止することが可能である。
仮に、結合状態とさせない場合、第1要素の実際の回転数(即ち、実際の回転速度)と第1要素の目標回転数(即ち、目標回転速度)との差回転数(即ち、差回転速度)が生じ、ひいては、回生の開始から時間が経過するに従って、この差回転数が大きくなってしまい、ワンウェイクラッチが浮き状態の度合い(即ち、浮き状態の時間や差回転数の大きさ)が大きくなってしまう。このため、ワンウェイクラッチの浮き状態からワンウェイクラッチが第1要素と噛み合い、ワンウェイクラッチと第1要素とが係合した瞬間に大きなトルクの伝達が瞬時に行われるため、変速機構において衝撃、所謂、トルクショックが生じてしまうという技術的な問題点が生じる。
本発明の車両の駆動装置の一の態様は、相互に差動回転可能な3つの分配要素を持ちこれらのうちのいずれか2つの分配要素の一方に前記機関が他方に前記回転電機がそれぞれ連結された動力分配機構を更に備え、前記伝達部材は、少なくとも前記回転電機に連結されたこととして、前記動力分配機構の残りの分配要素に連結される。
この態様によれば、動力分配機構は相互に差動回転可能な3つの分配要素を持ち、この動力分配機構においては、これらのうちのいずれか2つの分配要素の一方に機関が他方に回転電機がそれぞれ連結されている。伝達部材は、動力分配機構の残りの分配要素に連結されている。これにより、伝達部材は、動力分配機構を介して、回転電機に連結可能である。
本発明の車両の駆動装置の他の態様は、前記第1要素の回転数を推定する推定手段を更に備え、前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数をゼロに近づけるように前記回転電機の回転数を制御するフィードバック制御を行う。
この態様によれば、推定手段によって、第1要素の回転数が推定される。ここに、本発明に係る「推定」とは、典型的には、第1要素の回転数又は回転速度を示す何らかの物理量やパラメータの所定範囲を、直接的又は間接的に「推定」、「選択」等することを意味する。更に、第1要素の回転数又は回転速度を示す何らかの物理量やパラメータを、直接的又は間接的に「測定」、「検出」、「計測」等することを含んでいてもよい。
制御手段の制御下で、推定された第1要素の回転数と第1要素の目標回転数との差回転数をゼロに近づけるように、回転電機の回転数制御、即ち、フィードバック制御が行われる。ここに、本発明に係る「第1要素の目標回転数」とは、典型的には、ハイブリッド車両の運転者のアクセル指示に基づいた車速を実現するための第1要素の目標回転数を意味してよい。これにより、ワンウェイクラッチが、当該ワンウェイクラッチが力を伝達していない浮き状態になった場合でも、差回転数をゼロに迅速に収束させ、ワンウェイクラッチが力を伝達している正常な状態に迅速に戻すことが可能である。
この結果、ワンウェイクラッチが第1要素と係合する際に、大きなトルクが瞬時に伝達され、トルクショックが発生することを効果的に防止することが可能である。
本発明の車両の駆動装置の他の態様は、前記制御手段は、前記回転電機の回転力によって、前記ワンウェイクラッチを前記第1要素に所定トルクで押し当てるように、前記回転電機の回転数を制御する。
この態様によれば、ワンウェイクラッチが、当該ワンウェイクラッチが力を伝達していない浮き状態になることを殆ど又は完全に防止することが可能である。
本発明の車両の駆動装置の他の態様は、前記制御手段は、前記車両の速度が所定速度を超える場合、前記結合状態となるように前記結合切替手段を制御する。
この態様によれば、燃費を向上させることが可能である。
本発明の車両の駆動装置の他の態様は、前記制御手段は、前記回転電機の回転駆動が制限されている場合、前記結合状態となるように前記結合切替手段を制御する。
この態様によれば、回転電機の電力消費を低減させつつ、ワンウェイクラッチが力を伝達していない浮き状態になることを殆ど又は完全に防止することが可能である。
本発明の車両の駆動装置の他の態様は、前記第1要素の回転数を推定する推定手段を更に備え、前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数が生じる浮き状態である場合、前記浮き状態に応じて、前記ワンウェイクラッチを前記第1要素に押し当てる際の所定トルクを変化させる。
この態様によれば、ワンウェイクラッチが力を伝達していない浮き状態になることを、必要となる所定トルクによって適切に防止することが可能である。
この制御手段に係る態様によれば、前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数が所定閾値を超える場合、前記ワンウェイクラッチを押し当てる際の所定トルクを変化させるように構成してよい。
このように構成すれば、ワンウェイクラッチが浮き状態になることを防止する所定トルクを必要性が高い場合に発生させることができる。
この制御手段に係る態様によれば、前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数に応じて、前記ワンウェイクラッチを押し当てる際の所定トルクを変化させるように構成してよい。
このように構成すれば、ワンウェイクラッチが力を伝達していない浮き状態になることを防止する所定トルクの大きさを高精度に変化させることができる。
この制御手段に係る態様によれば、前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数が生じる浮き状態が発生しない場合、前記ワンウェイクラッチを押し当てる際の所定トルクを低減するように構成してよい。
このように構成すれば、ワンウェイクラッチの第1要素に対する押し付け力の度合いを低減させ、ワンウェイクラッチを第1要素に押し当てる際の所定トルクが駆動力として伝わるのを防ぐことが可能である。
この制御手段に係る態様によれば、前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数が生じる浮き状態が発生した後、前記ワンウェイクラッチが再度押し当てられた場合、押し当て状態を保持するのに必要な最小限トルクまで、前記ワンウェイクラッチを前記第1要素に押し当てる際の所定トルクを低減するように構成してよい。
このように構成すれば、回転電機の過大な押し付けトルクによって、車両の慣性に起因した惰性走行又は蛇行走行の際の加速度が急激に変化することを効果的に防止することが可能である。加えて、車両の運転者が感じる車両の惰行感が急激に変化することを効果的に防止することが可能である。加えて、このように構成すれば、ワンウェイクラッチの第1要素に対する押し付け力の度合いを低減させ、ワンウェイクラッチが第1要素に押し付けられる際の衝撃を効果的に低減することが可能である。加えて、このように構成すれば、エネルギ損失を低減させ、燃費を向上させることが可能である。
本発明の車両の駆動装置の他の態様は、前記制御手段は、前記車両の機関が発生するトルクの変動量に応じて、前記ワンウェイクラッチを前記第1要素に押し当てる際の所定トルクを変化させる。
この態様によれば、ワンウェイクラッチが浮き状態になることを防止する所定トルクの大きさを、機関が発生するトルクの変動量に応じて高精度に変化させることができる。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両の駆動装置は、回転電機と、前記回転電機及び機関のうち少なくとも前記回転電機に連結された伝達部材と、車両の駆動輪に動力を出力するための出力部材と、前記伝達部材から前記出力部材までの動力伝達経路に設けられると共に、相互に差動回転可能な複数の要素を有する変速機構とを備えた車両の駆動装置であって、前記変速機構は、前記複数の要素のうちの第1要素と係合することにより前記第1要素の回転方向を一方向に制限可能なワンウェイクラッチと、前記第1要素と前記車両に対して静止した固定部材とを結合する又は前記第1要素と前記変速機構の前記複数の要素のうちの第2要素とを結合する結合状態と、前記第1要素と前記固定部材とを結合しない及び前記第1要素と前記第2要素とを結合しない結合解放状態とを切り替え可能な結合切替手段とを有し、前記第1要素の回転数を推定する推定手段と、前記回転電機による回生が行われる場合、又は、前記変速機構へ入力されるトルクが前記車両を前進させるトルクの向きを正として負となる場合、前記結合状態へ切り替えるように前記結合切替手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数を、前記変速機構の潤滑油の温度に応じた所定値に近づけるように前記回転電機の回転数を制御するフィードバック制御を行う。
本発明に係る車両の駆動装置によれば、制御手段の制御下で、推定された第1要素の回転数と第1要素の目標回転数との差回転数を変速機構の潤滑油の温度に応じた所定値に近づけるように、回転電機の回転数制御、即ち、フィードバック制御が行われる。これにより、ワンウェイクラッチが、当該ワンウェイクラッチの差回転数を変速機構の潤滑油の温度に応じた所定値に迅速に収束させ、ワンウェイクラッチの係合状態を、変速機構の潤滑油の温度に応じた正常な状態に迅速に戻すことが可能である。尚、本発明に係る車両の駆動装置は、潤滑油の温度を特定、検知、測定、又は検出する各種の手段を備えて構成されてよい。
この結果、ワンウェイクラッチが第1要素と係合状態にある際に、車両の慣性に起因した惰性走行又は蛇行走行の際の加速度が急激に変化することを効果的に防止することが可能であると共に、ワンウェイクラッチが第1要素と係合状態にある際に、大きなトルクが瞬時に伝達され、トルクショックが発生することを効果的に防止することが可能である。
本発明の車両の駆動装置の一の態様は、相互に差動回転可能な3つの分配要素を持ちこれらのうちのいずれか2つの分配要素の一方に前記機関が他方に前記回転電機がそれぞれ連結された動力分配機構を更に備え、前記伝達部材は、少なくとも前記回転電機に連結されることとして、前記動力分配機構の残りの分配要素に連結される。
この態様によれば、動力分配機構は相互に差動回転可能な3つの分配要素を持ち、この動力分配機構においては、これらのうちのいずれか2つの分配要素の一方に機関が他方に回転電機がそれぞれ連結されている。伝達部材は、動力分配機構の残りの分配要素に連結されている。これにより、伝達部材は、動力分配機構を介して、回転電機に連結可能である。
本発明の車両の駆動装置の他の態様は、前記制御手段は、前記差回転数を、前記所定値として、前記変速機構の潤滑油の温度が高くなるに従って低くなり、且つ、前記変速機構の潤滑油の温度が低くなるに従って高くなる値に近づけるように前記回転電機の回転数を制御するフィードバック制御を行う。
この態様によれば、この所定値は、変速機構内を潤滑させる油の温度が高くなるに従って、低くなる値でよい。言い換えると、この所定値は、変速機構内を潤滑させる油の温度が低くなるに従って、大きくなる値でよい。これにより、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に低い場合、相対的に大きな値の所定値に差回転数が近づくように、回転電機の回転数制御が行われる。これにより、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に低い場合、回転電機による押し付けトルクを相対的に小さくすることが可能である。
この結果、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に低くなるに従って、過大になる変速機構内の摩擦によって、車両の慣性に起因した惰性走行又は蛇行走行の際の加速度が急激に変化することを効果的に防止することが可能である。加えて、車両の運転者が感じる車両の惰行感が急激に変化することを効果的に防止することが可能である。
他方、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に高い場合、相対的に小さな値の所定値に差回転数が近づくように、回転電機の回転数制御が行われる。これにより、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に高い場合、回転電機による押し付けトルクを相対的に大きくすることが可能である。
この結果、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に高くなるに従って、小さくなる変速機構内の摩擦において、差回転数を目標となる所定値により迅速に収束させることが可能である。以上の結果、ワンウェイクラッチが係合部材と係合する際に、大きなトルクが瞬時に伝達され、トルクショックが発生することを効果的に防止することが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る駆動装置が組み込まれた車両の概要を示している。車両1はいわゆるハイブリッド車両として構成されている。 本発明の一実施形態に係る駆動装置の変速制御を行う制御装置と、当該制御装置に入力及び出力される信号を図式的に示したブロック図である。尚、図2中の丸印が信号が入力又は出力されるピンを示している。 本発明の一実施形態に係る駆動装置の変速機構8のクラッチCL1、CL2、CL3、及びブレーキB1、B2の作動状態とギア段(即ち、動作モード)とを対応付けた係合表を示している。 本実施形態に係るハイブリッド車両の共線図の一例である。 本発明の一形態に係る駆動装置における駆動トルクと車速との定量的及び定性的な関係を示したグラフ(図5(a))、及び当該駆動装置におけるシフトレバーの概略図(図5(b))である。 本実施形態に係る車両の駆動装置における動作の流れを示したフローチャートである。 本実施形態に係る車両の駆動装置の変速機構における、入力トルクと駆動トルクと車両の速度との定量的及び定性的な関係を示したグラフである。 本実施形態に係る車両の駆動装置において、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数をゼロに近づけるようにMG2の回転数を制御するフィードバック制御の動作を図式的に示した共線図である。 本実施形態に係る車両の駆動装置の変速機構における、MG2が付加する所定のトルクTpと差回転数との関係を示したグラフ(図9(a))及び所定のトルクTpとOWCが浮き状態でない時点以降経過した時間との関係を示したグラフ(図9(b))である。 本実施形態に係る車両の駆動装置における回生制御を示したタイミングチャートである。 本実施形態に係る車両の駆動装置における、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数をゼロに近づけるようにMG2の回転数を制御するフィードバック制御の動作を示したタイミングチャートである。 比較例に係る車両の駆動装置において、OWCにトルクショックが発生した際の共線図である。 第2実施形態に係る車両の駆動装置における動作の流れを示したフローチャートである。 第2実施形態に係る車両の駆動装置の変速機構に油温度と、OWCの差回転数の所定値との関係を示したグラフである。 第2実施形態に係る車両の駆動装置の変速機構における、入力トルクと駆動トルクと車両の速度との定量的及び定性的な関係を示したグラフである。 第2実施形態に係る車両の駆動装置における、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数を所定値に近づけるようにMG2の回転数を制御するフィードバック制御の動作を示したタイミングチャートである。 第3実施形態に係る駆動装置が組み込まれた車両の概要を示している。車両1はいわゆるハイブリッド車両として構成されている。 第3実施形態に係る駆動装置の変速機構9のクラッチCL1、CL2、CL3、及びブレーキB1、B2の作動状態とギア段(即ち、動作モード)とを対応付けた係合表を示している。
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
(第1実施形態)
(基本構成)
第1実施形態に係るハイブリッド車両の駆動制御装置の構成について、図1乃至図5を参照して説明する。ここに、図1は、本発明の一実施形態に係る駆動装置が組み込まれた車両の概要を示している。車両1はいわゆるハイブリッド車両として構成されている。
図2は、本発明の一実施形態に係る駆動装置の変速制御を行う制御装置と、当該制御装置に入力及び出力される信号を図式的に示したブロック図である。尚、図2中の丸印が信号が入力又は出力されるピンを示している。図3は、本発明の一実施形態に係る駆動装置の変速機構8のクラッチCL1、CL2、CL3、及びブレーキB1、B2の作動状態とギア段(即ち、動作モード)とを対応付けた係合表を示している。図中の「○」は係合状態を意味し、「−」は解放状態を意味している。図4は、本実施形態に係るハイブリッド車両の共線図の一例である。尚、図4中の縦軸が各回転軸の回転数を示し、横軸は、各ギヤのギヤ比を距離的な関係で示している。周知のようにハイブリッド車両は、内燃機関を走行用の駆動力源として備えるとともに、電動機やモータ・ジェネレータ等の回転電機を他の走行用の駆動力源として備えた車両である。図5は、本発明の一実施形態に係る駆動装置における駆動トルクと車速との定量的及び定性的な関係を示したグラフ(図5(a))、及び当該駆動装置におけるシフトレバーの概略図(図5(b))である。
図1の駆動装置2Aは、回転電機としての第1モータ・ジェネレータ4(以下、適宜「MG1」と称す)と、内燃機関3及び第1モータ・ジェネレータ4がそれぞれ連結された動力分配機構5と、動力分配機構5から出力された動力を伝達する伝達部材としての伝達軸6と、車両1の駆動輪11に動力を出力するための出力部材としての出力軸7と、伝達軸6から出力軸7までの動力伝達経路に設けられた変速機構8とを備えて構成されている。加えて、駆動装置2Aは、伝達軸6に連結された第2モータ・ジェネレータ10(以下、適宜「MG2」と称す)と、インバータ61と、蓄電装置62とを備えて構成されている。これにより、第2モータ・ジェネレータ10の回転は、伝達軸6に伝達される。なお、出力軸7の動力は差動装置12を介して左右の駆動輪11に伝達される。尚、本発明に係る「回転電機」の一例が第1モータ・ジェネレータ4又は第2モータ・ジェネレータ10によって構成されている。
内燃機関3は、火花点火型の多気筒内燃機関として構成されており、その動力は入力軸13を介して動力分配機構5に伝達される。内燃機関3は周知のものと同様であるので詳細な説明は省略する。第1モータ・ジェネレータ4と第2モータ・ジェネレータ10とは同様の構成を持っていて、電動機としての機能と発電機としての機能とを生じるように構成されている。尚、本発明に係る「機関」の一例がこの内燃機関3によって構成されている。
動力分配機構5は、相互に差動回転可能な3つの要素を持つ遊星歯車機構として構成されており、外歯歯車であるサンギアSaと、そのサンギアSaに対して同軸的に配置された内歯歯車であるリングギアRaと、これらのギアSa、Raに噛み合うピニオン13を自転かつ公転自在に保持するキャリアCaとを備えている。この形態では、入力軸13がキャリアCaに、第1モータ・ジェネレータ4がサンギアSaに、伝達軸6がリングギアRaにそれぞれ連結されている。
具体的には、図4の共線図に示されるように、ハイブリッド車両において、第1モータ・ジェネレータ4が連結されたサンギアSaの回転数と、入力軸13が連結されたキャリアCaの回転数と、伝達軸6が連結されたリングギアRaの回転数とは同一線上にある。
図1及び図3に示すように、変速機構8は、クラッチCL1、及びOWクラッチF1(以下、適宜「OWC」と称す)を係合状態とする。一方で、クラッチCL2、CL3、ブレーキB1、及びブレーキB2を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、サンギアS1及びピニオン16を介して所定のギア比で出力軸7に伝達する第1ギア段を成立させる。
具体的には、図4中の線L1上の点P1に示されるように、第1ギア段が成立した際には、出力軸7の回転数は、クラッチCL1が係合状態である場合におけるサンギアS1の回転数と、ブレーキB2、及びOWクラッチF1が係合状態であり回転が停止したリングギアR1の回転数、即ちゼロとの間の範囲内にある。
また、変速機構8は、回生による行われる場合、又は、変速機構へ入力されるトルクが車両を前進させるトルクの向きを正として負になる場合、クラッチCL1、ブレーキB2、及びOWクラッチF1を係合状態とする。具体的には、OWクラッチF1は、キャリアC3と係合状態となる。ブレーキB2を係合状態とすることによりリングギアR1をケース17に固定する。一方で、クラッチCL2、CL3、及びブレーキB1を解放状態にする。これにより、制御装置の制御下で、MG2の回生制御が実施される。具体的には、制御装置の制御下で、ブレーキB2が係合されると共に、MG2によって電気エネルギーが回生される。
尚、このOWクラッチF1によって、本発明に係る「ワンウェイクラッチ」の一具体例が構成されている。このキャリアC3によって、本発明に係る「第1要素」の一具体例が構成されている。このケース17によって、本発明に係る「固定部材」の一具体例が構成されている。このブレーキB2によって、本発明に係る「結合切替手段」の一具体例が構成されている。
また、変速機構8は、クラッチCL1、及びブレーキB1を係合状態とする。ブレーキB1を係合状態とすることによりサンギアS2をケース17に固定する。一方で、クラッチCL2、CL3、ブレーキB2及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、サンギアS1及びピニオン16を介して所定のギア比で出力軸7に伝達する第2ギア段を成立させる。
具体的には、図4中の線L2上の点P2に示されるように、第2ギア段が成立した際には、出力軸7の回転数は、クラッチCL1が係合状態である場合におけるサンギアS1の回転数と、ブレーキB1が係合状態であり回転が停止したサンギアS2の回転数、即ちゼロとの間の範囲内にある。
また、変速機構8は、クラッチCL1、CL2を係合状態とする。一方で、クラッチCL3、ブレーキB1、B2、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、サンギアS1、ピニオン16及びキャリアC3を介して所定のギア比で出力軸7に伝達する第3ギア段を成立させる。
具体的には、図4中の線L3上の点P3に示されるように、第3ギア段が成立した際には、出力軸7の回転数は、クラッチCL1が係合状態である場合におけるサンギアS1の回転数と同じになると共に、クラッチCL2が係合状態である場合におけるキャリアC3の回転数と同じになる。
また、変速機構8は、クラッチCL2、及びブレーキB1を係合状態とする。ブレーキB1を係合状態とすることによりサンギアS2をケース17に固定する。一方で、クラッチCL1、CL3、ブレーキB2、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、キャリアC3、及びリングギアR1を介して所定のギア比で出力軸7に伝達する第4ギア段を成立させる。
具体的には、図4中の線L4上の点P4に示されるように、第4ギア段が成立した際には、出力軸7の回転数は、ブレーキB1が係合状態であり回転が停止したサンギアS2の回転数、即ちゼロと、クラッチCL2が係合状態である場合におけるリングギアR1の回転数とを結んだ線上にある。
また、変速機構8は、クラッチCL3、及びブレーキB2を係合状態とする。ブレーキB2を係合状態とすることによりリングギアR1をケース17に固定し、キャリアC3のピニオンの自転を固定する。一方で、クラッチCL1、CL3、ブレーキB1、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、キャリアC3のピニオンの公転を介して所定のギア比で出力軸7に伝達する反転ギア段を成立させる。
具体的には、図4中の線Lr上の点Prevに示されるように、反転ギア段が成立した際には、出力軸7の回転数は、クラッチCL3が係合状態である場合におけるサンギアS2の回転数と、ブレーキB2が係合状態であり回転が停止したリングギアR1の回転数、即ちゼロとを結んだ線上にある。
また、変速機構8は、クラッチCL1、CL2、CL3、ブレーキB1、B2、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、出力軸7に伝達しないニュートラル状態を成立させる。
図1に示すように、変速機構8の動作は制御装置30にて制御される。制御装置30はマイクロプロセッサ及びその動作に必要なROM、RAM、入出力インタフェース等の周辺装置を備えたコンピュータとして構成されている。
制御装置30は、MG1により発電された電気エネルギをインバータ61を通して蓄電装置62やMG2へ供給する。これにより、内燃機関3の動力の主要部は機械的に伝達部材へ伝達されるが、内燃機関3の動力の一部はMG1の発電のために消費されてそこで電気エネルギに変換され、インバータ61を通してその電気エネルギがMG2へ供給され、そのMG2が駆動されてMG2から伝達部材へ伝達される。この電気エネルギの発生からMG2で消費されるまでに関連する機器により、内燃機関3の動力の一部を電気エネルギに変換し、その電気エネルギを機械的エネルギに変換するまでの電気パスが構成される。また、典型的には、減速が行われる際には、駆動輪11から伝達される動力によってMG1を回転させ、発電機として動作させる。これにより、駆動輪11の運動エネルギが電気エネルギに変換され、蓄電装置62が充電される、所謂「回生」が行われる。
また、制御装置30は、車両1の走行状態に応じた変速段を選択する変速制御を行う。尚、この制御装置30によって、本発明に係る「結合切替手段」及び「制御手段」の一具体例が構成されている。
具体的には、図2の左側に示されるように、制御装置30に入力される入力信号として、エンジン水温を示す信号I1、油圧センサからの信号I2、MG1回転数センサからの信号I3、MG2回転数センサからの信号I4、エンジン回転数センサからの信号I5、エアコンの制御信号I6、車速を示す信号I7、変速機構の油温を示す信号I8、サイドブレーキの制御信号I9、フットブレーキの制御信号I10、触媒温度を示す信号I11、アクセル開度を示す信号I12、EV走行のオンスイッチの制御信号I13、車両の加速度センサからの信号I4、オートクルーズの設定信号I15、タービン回転数センサからの信号I6、及びシフトポジションセンサからの信号I7が入力されてよい。これらの信号に加えて、トーイングスイッチの制御信号、マニュアルモードスイッチの制御信号、ECTスイッチの制御信号、及びスノーモード設定するスイッチの制御信号が制御装置に入力されてよい。
他方、図2の右側に示されるように、制御装置30から出力される出力信号として、電子スロットル弁を制御する制御信号O1、過給圧を制御する制御信号O2、電動エアコンを制御する制御信号O3、点火を指示する信号O4、MG1を制御する制御信号O5、MG2を制御する制御信号O6、第1蓄電装置を制御する制御信号O7、第2蓄電装置を制御する制御信号O8、ギヤ比インジゲータへ出力する信号O9、変速機構のライン圧コントロールソレノイドを制御する制御信号O10、変速機構のソレノイドを制御する制御信号O11、変速機構の電動オイルポンプを制御する制御信号O12、油圧ポンプを制御する制御信号O13、及びクルーズコントロール制御コンピュータへ出力する信号14が出力されてよい。これらの信号に加えて、スノーモードインジゲータへ出力する信号、ABSアクチュエータへ出力する信号、マニュアルモードインジケータへ出力する信号、及び電動ヒータを制御する制御信号が制御装置から出力されてよい。
この変速制御は、車両1の車速とアクセルペダル20の操作量(アクセル開度)とに適した変速段が選択されるように、クラッチCL1、CL2、CL3、ブレーキB1、B2、及びOWクラッチF1を制御する。車両1の走行状態に見合った適切な変速段を選択するため、制御装置30には予め車速とアクセル開度に対応した目標駆動トルクとを変数として選択すべき変速段を対応付けた変速マップが記憶されている。制御装置30は車速とアクセル開度とを車速センサ31及びアクセル開度センサ32からの信号に基づいて取得し、それらに対応付けられた選択すべき変速段を変速マップの検索により特定している。具体的には、図5(a)の実線に示されるように、「n速(但し、nは自然数)」から「n+1速」へ変速する際の目標駆動トルクと車速との関係を示した特性線は、車速が大きくなる順番に、1速から2速の特性線L12、2速から3速の特性線L23、3速から4速の特性線L34の順番で設定されている。加えて、図5(a)の点線に示されるように、「n+1速」から「n速」へ変速する際の目標駆動トルクと車速との関係を示した特性線は、車速が小さくなる順番に、4速から3速の特性線L43、3速から2速の特性線L32、2速から1速の特性線L21の順番で設定されている。また、車速「ゼロ」及び目標駆動トルク「ゼロ」の原点、1速から2速の特性線L12の一部、2速から3速の特性線L23の一部、2速から1速の特性線L21の一部、及び、3速から2速の特性線L32の一部を含む領域において、MG2からの駆動力のみで走行する所謂、EV(Electric Vehicle)走行が行われる。詳細には、変速制御においては、MG1及びMG2により電気的に無段変速が形成されてよい。エンジン回転数の制御において、燃費が最適になるように変速比が制御されてよい。
また、車両1には、図5(b)に示されるように、運転者にて操作されるシフトレバー21が設けられており、そのシフトレバー21の複数の操作位置には、変速機構8の動作状態に対応するドライブレンジD、リバースレンジR、ニュートラルレンジP、減速の際の加速度を増加させるレンジ+、及び減速の際の加速度を減少させるレンジ−等の複数のレンジが割り当てられている。例えば、シフトレバー21がドライブレンジに操作された場合は、上述したように車速とアクセル開度とに基づいた変速制御が行われ、第1乃至第4ギア段、反転ギア段、ニュートラル状態のいずれか一つが成立するようにクラッチCL1、CL2、CL3、ブレーキB1、B2、及びOWクラッチF1がそれぞれ制御される。
詳細には、図5(b)で示されたシフトレバーは、号口A761Eより採用しているシーケンス型のシフトレバーである。シフトレバーの号口はレンジ切換えタイプであるがギヤ段ホールドであってよい。
(車両の駆動装置の動作原理)
次に、図6乃至図12を参照して、本実施形態に係る車両の駆動装置の動作原理について説明する。ここに、図6は、本実施形態に係る車両の駆動装置における動作の流れを示したフローチャートである。尚、この図6で示された動作は、例えば数マイクロ秒等の所定周期で繰り返し実行される。図7は、本実施形態に係る車両の駆動装置の変速機構における、入力トルクと駆動トルクと車両の速度との定量的及び定性的な関係を示したグラフである。図8は、本実施形態に係る車両の駆動装置において、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数をゼロに近づけるようにMG2の回転数を制御するフィードバック制御の動作を図式的に示した共線図である。図9は、本実施形態に係る車両の駆動装置の変速機構における、MG2が付加する所定のトルクTpと差回転数との関係を示したグラフ(図9(a))及び所定のトルクTpとOWCが浮き状態でない時点以降経過した時間との関係を示したグラフ(図9(b))である。図12は、比較例に係る車両の駆動装置において、OWCにトルクショックが発生した際の共線図である。
(駆動装置の制御処理)
最初に、図6に示されるように、制御装置の制御下で、例えば車速センサー等によって測定された車速Vが所定閾値V1を越えたか否かが判定される(ステップS101)。尚、後述される図7では、所定閾値V1は、11(km/h)に設定されている。
ここで、車速Vが所定閾値V1を越えたと判定される場合(ステップS101:Yes)、更に、制御装置の制御下で、MG2が使用可能であるか否かが判定される(ステップS102)。具体的には、MG1からMG2へ電力を供給できない状態であり蓄電装置の電力量が制限されているか否かが判定される。又は、MG2で発生している熱に起因してMG2が使用不可能な状態であるか否かが判定される。ここで、制御装置の制御下で、MG2が使用可能であると判定される場合(ステップS102:Yes)、言い換えると、MG1からMG2へ電力を供給可能な状態であり蓄電装置の電力量が制限されていないと判定される場合、又は、MG2で発生している熱に起因してMG2が使用不可能な状態ではない判定される場合、更に、制御装置の制御下で、車両1において回生が要求されているか否かが判定される(ステップS103)。尚、本実施形態に係る「回生が要求されている」とは、回生が要求されると同時に回生が実際に行われることを前提にして、「回生が要求され且つ回生が同時に行われる」ことを意味してよい。或いは、本実施形態に係る「回生が要求されている」とは、回生が要求された後、所定時間だけ経過後に回生が確実に行われることを前提として、「回生が要求され且つ回生が所定時間以内に確実に行われる」ことを意味してよい。
ここで、制御装置の制御下で、車両1において回生が要求されていると判定される場合(ステップS103:Yes)、制御装置の制御下で、回生制御が実施される(ステップS108)。具体的には、制御装置の制御下で、ブレーキB2が係合されると共に、MG2によって電気エネルギーが回生される。尚、この回生制御を行う動作タイミングの一例については、図10を参照して、後述される。
他方、上述したステップS103の判定の結果、制御装置の制御下で、車両1において回生が要求されていると判定されない場合(ステップS103:No)、ワンウェイクラッチが力を伝達していない浮いた状態となり、キャリアC3の実際の回転数(即ち、回転速度)と、キャリアC3の目標回転数(即ち、目標回転速度)との差回転数ΔNが生じたか否かが、制御装置の制御下で判定される(ステップS104)。ここに、本実施形態に係る「キャリアC3の目標回転数」とは、典型的には、ハイブリッド車両の運転者のアクセル指示に基づいた車速を実現するためのキャリアC3の目標回転数を意味してよい。
このステップS104において、制御装置の制御下で、キャリアC3の実際の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数ΔNが生じたと判定される場合(ステップS104:Yes)、制御装置の制御下で、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数をゼロに近づけるようにMG2の回転数を制御するフィードバック制御が実施される(ステップS106)。
本願発明者らによる研究によれば、通常状態では、MG2が付加するトルクTpによってワンウェイクラッチ(即ち、OWC)が係合部材に押し付けているのでOWCは浮いた状態にはならないが、車両1の運転者がアクセルの踏み込みを急に止めること、所謂、急なアクセル戻しを行った場合、OWCは浮いた状態になる可能性が高いことが判明している。
このステップ106においては、ワンウェイクラッチが力を伝達していない浮いた状態になっているので、その浮き状態の度合いに応じて、キャリアC3の実際の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数ΔNをゼロ(rpm:revolution per minute)に近づけるように、MG2の回転数が制御装置によって制御される。具体的には、図8に示されるように、差回転数ΔNの大きさに応じて、MG2が付加するトルクTpの大小を設定する。図8中の点線は、差回転数ΔNが発生した差回転発生状態を示し、図8中の実線は、上述したフィーバック制御が実施され、差回転数ΔNが略ゼロであるFB実施状態を示している。より具体的には、差回転数ΔNが大きくなるに従って、MG2が付加するトルクTpを正の方向(即ち、図8紙面の上へ向かう方向)に大きくすることにより、OWCをより大きなトルクによって係合部材に押し付けることが可能である。この結果、差回転数ΔNをゼロ(rpm)により迅速に収束させることが可能である。
更に、差回転数ΔNがゼロ(rpm)に近づくに従って、MG2が付加するトルクTpを小さくすることにより、OWCの係合部材に対する押し付け力の度合いを低減させ、OWCが係合部材に押し付けられる際の衝撃を効果的に低減することが可能である。
尚、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数をゼロに近づけるMG2の回転数制御を行う動作タイミングの一例については、図11を参照して、後述される。
次に、制御装置の制御下で、MG2が付加するトルクTpの補正処理が実施される(ステップ107)。典型的には、差回転数ΔNが所定値を超える場合、トルクTpの補正処理が実施されてよい。より典型的には、差回転数ΔNが所定値を超える場合、トルクTpを所定量だけ増加させてよい。この所定量には上限値があってよい。
或いは、典型的には、差回転数ΔNに応じてMG2が付加するトルクTpを変化させてよい。より典型的には、図9(a)に示されるように、差回転数ΔNが大きくなるに従って、MG2が付加するトルクTpを大きくしてよい。このトルクTpには最大値が設定されてよい。
他方、上述したステップS104の判定の結果、制御装置の制御下で、キャリアC3の実際の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数ΔNがゼロを超え、生じたと判定されない場合、即ち、キャリアC3の実際の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数ΔNがゼロであると判定される場合(ステップS104:No)、制御装置の制御下で、MG2によって所定のトルクTpが付加される(ステップS105)。
或いは、他方、上述したステップS101の判定の結果、車速Vが所定閾値V1を越えたと判定されない場合、言い換えると、車速Vが所定閾値V1を越えないと判定される場合、(ステップS101:No)、制御装置の制御下で、制御装置の制御下で、MG2によって所定のトルクTpが付加される(ステップS110)。具体的には、所定のトルクTpとして、変速機構に入力されるトルクと略同じ値のトルク又は変速機構に入力されるトルクに所定量のトルクだけ加算したトルクが、MG2によってOWCに付加される。
或いは、他方、上述したステップS102の判定の結果、MG2が使用可能でないと判定される場合(ステップS102:No)、言い換えると、MG1からMG2へ電力を供給不可能な状態であり蓄電装置の電力量が制限されていると判定される場合、又は、MG2で発生している熱に起因してMG2が使用不可能な状態ではある判定される場合、制御装置の制御下で、ブレーキB2が係合される(ステップS109)。これにより、OWCが浮き状態となることを効果的に予防することが可能である。
(所定のトルクTp)
ここで、図7及び図9を参照してMG2が付加する所定のトルクTpの詳細について、説明する。
図7のTp1に示されるように、車速が例えば11(km/時間)等のクリープ速度を超える場合、ブレーキB2を係合することに加えて又は代えてMG2の回転数制御によって、正の所定のトルクTpがOWCに付加される(上述したステップS108又はステップS105を参照)。これにより、本来、変速機構へ入力されるトルクが負になる車速領域においての正トルクを常時付加し、OWCが浮き状態となることを効果的に予防することが可能である。
また、図7のTp2に示されるように、車速が例えば11(km/時間)等のクリープ速度を超える場合、ブレーキB2の開放及びMG2の回転数をMG2の目標回転数に近づけるMG2の回転数制御によって、ゼロ又は正の所定のトルクTpがOWCに付加される(上述したステップS106、ステップS107を参照)。このMG2の回転数制御とMG2のトルク制御により、OWCが係合部材と係合する際に大きなトルクが瞬時に伝達され、トルクショックが発生することを効果的に防止することが可能である。
また、図7の点線に示されるように、回生が行われた場合、ブレーキB2を係合させる(上述したステップS108)。このブレーキB2の係合により、回生が行われ、変速機構へ入力されるトルクが負になる場合に、OWCが浮き状態になることを殆ど又は完全に防止することが可能である。
特に、キャリアC3の実際の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数ΔNがゼロであると判定される場合、即ち、OWCが浮き状態でない場合、図9(b)に示されるように、OWCが浮き状態でない時点から所定時間だけ経過後に、所定のトルクTpを低減するようにしてよい。これにより、所定のトルクTpを付加する際の電力消費を低減させ、発電する際に必要な燃料を低減させ、燃費を向上させることが可能である。
典型的には、ワンウェイクラッチと係合部材との係合が完了した後は、MG2が付加する所定のトルクTpを徐々に低減させ、ワンウェイクラッチと係合部材との係合に最低限必要なトルクを付加するようにMG2の回転数を制御する。これにより、MG2の過大な押し付けトルクによって、車両の慣性に起因した惰性走行又は蛇行走行の際の加速度が急激に変化することを効果的に防止することが可能である。加えて、車両の運転者が感じる車両の惰行感が急激に変化することを効果的に防止することが可能である。
尚、MG2が付加する所定のトルクTpは、上述した差回転数及びOWCが浮き状態でない時点以降経過した時間に加えて又は代えてエンジンにて発生したトルク変動量に応じて変化させてよい。
(回生制御)
ここで、図10を参照して、回生制御の動作の流れの一例について説明する。ここに、図10は、本実施形態に係る車両の駆動装置における回生制御を示したタイミングチャートである。
図10は、車両は、車速がゼロから走行を開始し、車速が所定閾値V1より大きくなった後、車両の運転者がアクセルを踏み込んだ後で、車両1の運転者がアクセルの踏み込みを急に止めること、所謂、急なアクセル戻しを行った走行状態を示している。また、MG2が使用可能な状態である。
車速が所定閾値V1を越えるまでは、制御装置の制御下で、図7の駆動トルクの特性に従って、MG2によって所定のトルクTpとして、クリープトルクがOWCに対して付加される(上述のステップS110を参照)。尚、このOWCに付加される所定のトルクTpは、MG2に加えて又は代えてエンジンによって付加されてよい。
図10中の「アクセル急戻し(即ち、AC急戻し)」以降、運転者が急なアクセル戻しを行ったが、MG2は、OWCを所定のトルクTpで押し付けているため、OWCは浮き状態にはならない。
図10中の期間I及び期間IIは、アクセル急戻し期間中、MG2によって、所定のトルクTpでOWCが押し付けられている期間である。
図10中の期間IIIの開始点P1において、回生が開始されると同時に、ブレーキB2が係合されることによって、ブレーキB2の係合圧力が上昇し始める。図10中の期間IIIの開始点P1以降、即ち、回生の開始後、MG2によって付加されるトルクが負となり、図10中の期間IIIの終了点P2まで、ブレーキB2の係合圧力が上昇する。
図10中の期間IIIの終了点P2以降、MG2によって付加されるトルクは負の一定値を維持すると共に、ブレーキB2の係合圧力も一定値を維持する。
このように、回生が行われる場合又は変速機構へ入力されるトルクが負になる場合に、ワンウェイクラッチと並列に設けられたブレーキB2を係合させることにより、回生の際又は変速機構へ入力されるトルクが負になる際に、ワンウェイクラッチに所定量のトルクを付加できる。これにより、ワンウェイクラッチが力を伝達していない浮いた状態になるのを効果的に防止することができる。
この結果、上述したように、変速機構へ入力されるトルクが本来、負になる車速領域においての正トルクを常時付加し、OWCが浮き状態となることを効果的に予防することが可能である。
更に、この結果、回生が行われ、変速機構へ入力されるトルクが負になる場合に、OWCが浮き状態になることを殆ど又は完全に防止することが可能である。
以上の結果、OWCが係合部材と係合する際に、大きなトルクが瞬時に伝達され、トルクショックが発生することを効果的に防止することが可能である。
仮に、ブレーキB2をワンウェイクラッチと並列に設けなかったり、ブレーキB2をワンウェイクラッチと並列に設けられたとしても回生が行われる場合にこのブレーキB2を係合させなかった場合、図10中の点線で示されるように、キャリアC3の実際の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数ΔNが生じ、ひいては、回生の開始から時間が経過するに従って、この差回転数ΔNが大きくなってしまい、OWCが浮き状態の度合いが大きくなってしまう。このため、図12中の点Shに示されるように、この浮き状態からOWCが係合部材と噛み合い、OWCが係合した瞬間に大きなトルクの伝達が瞬時に行われるため、変速機構に例えば時間軸に沿ってステップ形状の大きさのトルク又は時間軸に沿って非線形的な大きさを有するトルクが入力され、変速機構において衝撃、所謂、トルクショックが生じてしまうという技術的な問題点が生じる。
(MG2の回転数制御)
ここで、図11を参照して、MG2の回転数制御の動作の流れの一例について説明する。ここに、図11は、本実施形態に係る車両の駆動装置における、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数をゼロに近づけるようにMG2の回転数を制御するフィードバック制御の動作を示したタイミングチャートである。
図11は、車両は、車速がゼロから走行を開始し、車速が所定閾値V1より大きくなった後、車両の運転者がアクセルを踏み込んだ後で、車両1の運転者がアクセルの踏み込みを急に止めること、所謂、急なアクセル戻しを行った走行状態を示している。また、MG2が使用可能な状態である。
車速が所定閾値V1を越えるまでは、制御装置の制御下で、図7の駆動トルクの特性に従って、MG2によって所定のトルクTpとして、クリープトルクがOWCに対して付加される(上述のステップS110を参照)。尚、このOWCに付加される所定のトルクTpは、MG2に加えて又は代えてエンジンによって付加されてよい。
図11中の時点Tac以降、運転者が急なアクセル戻しを行ったためワンウェイクラッチの差回転数ΔNが発生している(上述の「ステップS104:Yes」を参照)。
通常、MG2は、OWCを所定のトルクTpで押し付けているため、OWCは浮き状態にはならないが、急アクセル戻しによって、OWCは浮いた状態になったとする。
OWCが浮き状態になっているので、その浮き量に応じて、差回転数をゼロ(rpm)にする回転数制御が実施される(上述の「ステップS106」を参照)。
図11中の期間Iは、アクセル急戻しによる反動を示した期間である。
図11中の期間IIは、OWCが浮き状態となり始めた際に、MG2によって所定のトルクTpとして、より大きなトルクを付加する期間である。
図11中の期間IIIは、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数をゼロに近づけるようにMG2の回転数を制御するフィードバック制御が実施される期間である。
図11中の期間IVは、OWCを係合するのに余裕を持った十分な大きさを有する所定のトルクが、MG2により付加される期間である。
図11中の期間VIは、OWCを係合するのに最小限必要な大きさを有する所定のトルクが、MG2により付加される期間である。この期間VIの所定のトルクにより、所定のトルクを付加する際の電力消費を低減させ、発電する際に必要な燃料を低減させ、燃費を向上させることが可能である。
図11中の期間Vは、上述の期間IVから期間VIへ推移する期間である。
このように、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数をゼロに近づけるようにMG2の回転数を制御するフィードバック制御が実施されることにより、OWCが係合部材と係合する際に、大きなトルクが瞬時に伝達され、トルクショックが発生することを効果的に防止することが可能である。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るハイブリッド車両の駆動制御装置の構成について、図13乃至図16を参照して説明する。尚、第2実施形態において、上述した第1実施形態と概ね同様の構成要素には、同一の符号番号を付すと共に、第2実施形態において、上述した第1実施形態と概ね同様の処理には、同一のステップ番号を付し、それらの説明は適宜、省略する。
ここに、図13は、第2実施形態に係る車両の駆動装置における動作の流れを示したフローチャートである。尚、この図13で示された動作は、例えば数マイクロ秒等の所定周期で繰り返し実行される。図14は、第2実施形態に係る車両の駆動装置の変速機構に油温度と、OWCの差回転数の所定値との関係を示したグラフである。
(駆動装置の制御処理)
第2実施形態では、図13に示されるように、上述したステップS101、ステップS102を経て、制御装置の制御下で、車両1において回生が要求されているか否かが判定される(ステップS103)。ここで、制御装置の制御下で、車両1において回生が要求されていると判定される場合(ステップS103:Yes)、制御装置の制御下で、回生制御が実施される(ステップS108)。具体的には、制御装置の制御下で、ブレーキB2が係合されると共に、MG2によって電気エネルギーが回生される。
他方、上述したステップS103の判定の結果、制御装置の制御下で、車両1において回生が要求されていると判定されない場合(ステップS103:No)、制御装置の制御下で、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数を所定値に近づけるようにMG2の回転数を制御するフィードバック制御が実施される(ステップS201)。
次に、制御装置の制御下で、ワンウェイクラッチが力を伝達していない浮いた状態となり、キャリアC3の実際の回転数(即ち、回転速度)と、キャリアC3の目標回転数(即ち、目標回転速度)との差回転数ΔNが閾値N1を超えたか否かが、制御装置の制御下で判定される、或いは、この差回転数ΔNが閾値N2(但し、N2<N1)を下ったか否かが、制御装置の制御下で判定される(ステップS202)。ここで、制御装置の制御下で、キャリアC3の実際の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数ΔNが閾値N1を超えたと判定される場合、或いは、この差回転数ΔNが閾値N2(但し、N2<N1)を下ったと判定される場合(ステップS202:Yes)、制御装置の制御下で、キャリアC3の実際の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数ΔNの目標となる所定値が、変速機構内を潤滑させる油の温度に応じて補正される(ステップS203)。典型的には、図14に示されるように、この差回転数ΔNの所定値は、変速機構内を潤滑させる油の温度が高くなるに従って、小さくなるように補正されてよい。言い換えると、この差回転数ΔNの所定値は、変速機構内を潤滑させる油の温度が低くなるに従って、大きくなるように補正されてよい。これにより、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に低い場合、相対的に大きな値の所定値に差回転数ΔNが近づくように、MG2の回転数制御が行われる。これにより、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に低い場合、MG2による押し付けトルクを相対的に小さくすることが可能である。
この結果、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に低くなるに従って、過大になる変速機構内の摩擦によって、車両の慣性に起因した惰性走行又は蛇行走行の際の加速度が急激に変化することを効果的に防止することが可能である。加えて、車両の運転者が感じる車両の惰行感が急激に変化することを効果的に防止することが可能である。
他方、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に高い場合、相対的に小さな値の所定値に差回転数ΔNが近づくように、MG2の回転数制御が行われる。これにより、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に高い場合、MG2による押し付けトルクを相対的に大きくすることが可能である。
この結果、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に高くなるに従って、小さくなる変速機構内の摩擦において、差回転数ΔNを目標となる所定値により迅速に収束させることが可能である。以上の結果、ワンウェイクラッチが係合部材と係合する際に、大きなトルクが瞬時に伝達され、トルクショックが発生することを効果的に防止することが可能である。
(所定のトルクTp)
ここで、図15を参照してMG2が付加する所定のトルクTpの詳細について、説明する。ここに、図15は、第2実施形態に係る車両の駆動装置の変速機構における、入力トルクと駆動トルクと車両の速度との定量的及び定性的な関係を示したグラフである。
図15のTp2に示されるように、車速が例えば11(km/時間)等のクリープ速度を超える場合、ブレーキB2の開放及びMG2の回転数をMG2の目標回転数に近づけるMG2の回転数制御によって、ゼロ又は正の所定のトルクTpがOWCに付加される(上述したステップS201乃至ステップS203を参照)。このMG2の回転数制御とMG2のトルク制御により、OWCが係合部材と係合する際に大きなトルクが瞬時に伝達され、トルクショックが発生することを効果的に防止することが可能である。
また、図15の点線に示されるように、回生が行われた場合、ブレーキB2を係合させる(上述したステップS108)。このブレーキB2の係合により、回生が行われ、変速機構へ入力されるトルクが負になる場合に、OWCが浮き状態になることを殆ど又は完全に防止することが可能である。
(MG2の回転数制御)
ここで、図16を参照して、第2実施形態に係るMG2の回転数制御の動作の流れの一例について説明する。ここに、図16は、第2実施形態に係る車両の駆動装置における、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数を所定値に近づけるようにMG2の回転数を制御するフィードバック制御の動作を示したタイミングチャートである。
図16は、車両は、車速がゼロから走行を開始し、車速が所定閾値V1より大きくなった後、車両の運転者がアクセルを踏み込んだ後で、車両1の運転者がアクセルの踏み込みを急に止めること、所謂、急なアクセル戻しを行った走行状態を示している。また、MG2が使用可能な状態である。
図16中の期間VIIにおいては、制御装置の制御下で、キャリアC3の実際の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数ΔNの目標となる所定値が、変速機構内を潤滑させる油の温度に応じて補正される(上述したステップS203を参照)。
図16中の時点Tac以降、運転者が急なアクセル戻しを行ったためワンウェイクラッチの差回転数ΔNが発生している。
通常、MG2は、OWCを所定のトルクTpで押し付けているため、OWCは浮き状態にはならないが、急アクセル戻しによって、OWCは浮いた状態になったとする。
OWCが浮き状態になっているので、その浮き量に応じて、差回転数を、所定値にする回転数制御が実施される(上述の「ステップS201」を参照)。
図16中の期間Iは、アクセル急戻しによる反動を示した期間である。
図16中の期間IIは、OWCが浮き状態となり始めた際に、MG2によって所定のトルクTpとして、より大きなトルクを付加する期間である。
図16中の期間IIIは、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数を所定値に近づけるようにMG2の回転数を制御するフィードバック制御が実施される期間である。
図16中の期間IVは、差回転数を所定値に維持するのに余裕を持った十分な大きさを有する所定のトルクが、MG2により付加される期間である。
図16中の期間VIは、差回転数を所定値に維持するのに最小限必要な大きさを有する所定のトルクが、MG2により付加される期間である。この期間VIの所定のトルクにより、所定のトルクを付加する際の電力消費を低減させ、発電する際に必要な燃料を低減させ、燃費を向上させることが可能である。
図16中の期間Vは、上述の期間IVから期間VIへ推移する期間である。
このように、推定されたキャリアC3の回転数とキャリアC3の目標回転数との差回転数を、変速機構内を潤滑させる油の温度に応じて設定される所定値に近づけるようにMG2の回転数を制御するフィードバック制御が実施される。
この結果、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に低くなるに従って、過大になる変速機構内の摩擦によって、車両の慣性に起因した惰性走行又は蛇行走行の際の加速度が急激に変化することを効果的に防止することが可能である。加えて、車両の運転者が感じる車両の惰行感が急激に変化することを効果的に防止することが可能である。
或いは、この結果、変速機構内を潤滑させる油の温度が相対的に高くなるに従って、小さくなる変速機構内の摩擦において、差回転数ΔNを目標となる所定値により迅速に収束させることが可能である。以上の結果、ワンウェイクラッチが係合部材と係合する際に、大きなトルクが瞬時に伝達され、トルクショックが発生することを効果的に防止することが可能である。
(第3実施形態)
(基本構成)
第3実施形態に係るハイブリッド車両の駆動制御装置の構成について、図17及び図18を参照して説明する。尚、第3実施形態において、上述した第1及び第2実施形態と概ね同様の構成要素には、同一の符号番号を付し、それらの説明は適宜、省略する。ここに、図17は、本発明の第3実施形態に係る駆動装置が組み込まれた車両の概要を示している。車両1はいわゆるハイブリッド車両として構成されている。図18は、本発明の第3実施形態に係る駆動装置の変速機構9のクラッチCL1、CL2、CL3、及びブレーキB1、B2の作動状態とギア段(即ち、動作モード)とを対応付けた係合表を示している。図中の「○」は係合状態を意味し、「−」は解放状態を意味している。
図17の駆動装置2Bは、回転電機としてのモータ・ジェネレータ40(以下、適宜「MG」と称す)と、内燃機関3がクラッチK0を介して連結されると共にモータ・ジェネレータ40が連結されるトルクコンバータ50と、トルクコンバータ50から出力された動力を伝達する伝達部材としての伝達軸6と、車両1の駆動輪11に動力を出力するための出力部材としての出力軸7と、伝達軸6から出力軸7までの動力伝達経路に設けられた変速機構9と、インバータ61と、蓄電装置62とを備えて構成されている。詳細には、駆動装置2Bは、型番FR8ATである405Kをベースにトルクコンバータの前にMGとクラッチK0を設けた駆動装置、所謂、1モータAT式のハイブリッド車両用の駆動装置である。
モータ・ジェネレータ40電動機としての機能と発電機としての機能とを生じるように構成されている。
トルクコンバータ50は、オイルを介して動力を伝達する機能を有する流体式動力伝達装置の一種である。トルクコンバータ50は、ロックアップクラッチにより、トルクコンバータ50の入力軸と出力軸との間を締結及び解放することが可能に構成されている。ロックアップクラッチを解放した状態では、駆動源(内燃機関3及びモータジェネレータ40)と変速機構9との間でオイルを介して駆動力の伝達が行われる。ロックアップクラッチを締結した状態では、駆動源と変速機構9とが直結されて、駆動源からの駆動力が直接、変速機構9に伝達される。なお、駆動装置2Bは、トルクコンバータ50に供給されるオイルの油圧を調整する機能を有する油圧制御装置を備えて構成されてよい。
図17及び図18に示すように、変速機構9は、クラッチC1、及びOWクラッチF1を係合状態とする。具体的には、OWクラッチF1は、係合部材Wと係合状態となる。ブレーキB2は、係合部材Wと係合状態となる。一方で、クラッチC2、C3a、C4、ブレーキB1及びブレーキB2を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、所定のギア比で出力軸7に伝達する第1ギア段1stを成立させる。
また、変速機構9は、クラッチC1、ブレーキB2及びOWクラッチF1を係合状態とする。具体的には、OWクラッチF1は、係合部材Wと係合状態となる。ブレーキB2は、係合部材Wと係合状態となる。一方で、クラッチC2、C3a、C4、及びブレーキB1を解放状態にする。これにより、制御装置の制御下で、MGの回生制御が実施される。具体的には、制御装置の制御下で、ブレーキB2が係合されると共に、MGによって電気エネルギーが回生される。
尚、このOWクラッチF1によって、本発明に係る「ワンウェイクラッチ」の一具体例が構成されている。この係合部材Wによって、本発明に係る「第1要素」の一具体例が構成されている。このケース17によって、本発明に係る「固定部材」の一具体例が構成されている。このブレーキB2によって、本発明に係る「結合切替手段」の一具体例が構成されている。
このように、回生が行われる場合又は変速機構へ入力されるトルクが負になる場合に、ワンウェイクラッチF1と並列に設けられたブレーキB2を係合させることにより、回生の際又は変速機構へ入力されるトルクが負になる際に、ワンウェイクラッチに所定量のトルクを付加できる。これにより、ワンウェイクラッチが力を伝達していない浮いた状態になるのを効果的に防止することができる。
この結果、上述したように、変速機構へ入力されるトルクが本来、負になる車速領域においての正トルクを常時付加し、OWCが浮き状態となることを効果的に予防することが可能である。更に、この結果、回生が行われ、変速機構へ入力されるトルクが負になる場合に、OWCが浮き状態になることを殆ど又は完全に防止することが可能である。
以上の結果、トルクコンバータを備えた駆動装置2Bにおいて、OWCが係合部材と係合する際に、大きなトルクが瞬時に伝達され、トルクショックが発生することを効果的に防止することが可能である。
また、変速機構9は、クラッチC1、及びブレーキB1を係合状態とする。一方で、クラッチC2、C3a、C4、ブレーキB2、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、所定のギア比で出力軸7に伝達する第2ギア段2ndを成立させる。
また、変速機構9は、クラッチC1、及びC3aを係合状態とする。一方で、クラッチC2、C4、ブレーキB1、B2、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、所定のギア比で出力軸7に伝達する第3ギア段3rdを成立させる。
また、変速機構9は、クラッチC1、及びC4を係合状態とする。一方で、クラッチC2、C3a、ブレーキB1、B2、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、所定のギア比で出力軸7に伝達する第4ギア段4thを成立させる。
また、変速機構9は、クラッチC1、及びC2を係合状態とする。一方で、クラッチC3a、C4、ブレーキB1、B2、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、所定のギア比で出力軸7に伝達する第5ギア段5thを成立させる。
また、変速機構9は、クラッチC2、及びC4を係合状態とする。一方で、クラッチC1、C3a、ブレーキB1、B2、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、所定のギア比で出力軸7に伝達する第6ギア段6thを成立させる。
また、変速機構9は、クラッチC2、及びC3aを係合状態とする。一方で、クラッチC1、C4、ブレーキB1、B2、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、所定のギア比で出力軸7に伝達する第7ギア段7thを成立させる。
また、変速機構9は、クラッチC2、及びブレーキB1を係合状態とする。一方で、クラッチC1、C3a、C4、ブレーキB2、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、所定のギア比で出力軸7に伝達する第8ギア段8thを成立させる。
また、変速機構9は、クラッチC1、及びブレーキB2を係合状態とする。一方で、クラッチC2、C3a、C4、ブレーキB1、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、所定のギア比で出力軸7に伝達する電動機による反転ギア段R1を成立させる。
また、変速機構9は、クラッチC4、及びブレーキB2を係合状態とする。一方で、クラッチC1、C2、C3a、ブレーキB1、及びOWクラッチF1を解放状態にする。これにより、伝達軸6の回転を、所定のギア比で出力軸7に伝達するエンジンによる反転ギア段R2を成立させる。
上述の第1乃至第3実施形態では、ワンウェイクラッチF1と並列に設けられたブレーキB2を係合させる変速機構を備えた車両の駆動装置について説明したが、本発明は、これに限られず、ワンウェイクラッチF1と並列に設けられた他のクラッチ(例えば、キャリアC3とリングギアR1とを係合させるクラッチ)を係合状態にさせる変速機構を備えた車両の駆動装置に適用してよい。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の駆動装置及び車両の駆動方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明は、例えばハイブリッド車両等の車両の駆動装置に利用可能である。
1…車両
2A…駆動装置
3…内燃機関
4(MG1)…回転電機としての第1モータ・ジェネレータ
5…動力分配機構
6…伝達軸
7…出力軸
8…変速機構
10(MG2)…第2モータ・ジェネレータ
11…左右の駆動輪
12…差動装置
16…ピニオン
17…ケース
30…制御装置
B1…ブレーキ
B2…ブレーキ
C3…キャリア
CL1…クラッチ
CL2…クラッチ
CL3…クラッチ
F1…OWクラッチ
R1…リングギア
S2…サンギア
S1…サンギア。

Claims (15)

  1. 回転電機と、
    前記回転電機及び機関のうち少なくとも前記回転電機に連結された伝達部材と、
    車両の駆動輪に動力を出力するための出力部材と、
    前記伝達部材から前記出力部材までの動力伝達経路に設けられると共に、相互に差動回転可能な複数の要素を有する変速機構とを備えた車両の駆動装置であって、
    前記変速機構は、
    前記複数の要素のうちの第1要素と係合することにより前記第1要素の回転方向を一方向に制限可能なワンウェイクラッチと、
    前記第1要素と前記車両に対して静止した固定部材とを結合する又は前記第1要素と前記変速機構の前記複数の要素のうちの第2要素とを結合する結合状態と、前記第1要素と前記固定部材とを結合しない及び前記第1要素と前記第2要素とを結合しない結合解放状態とを切り替え可能な結合切替手段とを有し、
    前記回転電機による回生が行われる場合、又は、前記変速機構へ入力されるトルクが前記車両を前進させるトルクの向きを正として負となる場合、前記結合状態へ切り替えるように前記結合切替手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする車両の駆動装置。
  2. 相互に差動回転可能な3つの分配要素を持ちこれらのうちのいずれか2つの分配要素の一方に前記機関が他方に前記回転電機がそれぞれ連結された動力分配機構を更に備え、
    前記伝達部材は、少なくとも前記回転電機に連結されたこととして、前記動力分配機構の残りの分配要素に連結されることを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動装置。
  3. 前記第1要素の回転数を推定する推定手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数をゼロに近づけるように前記回転電機の回転数を制御するフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の駆動装置。
  4. 前記制御手段は、前記回転電機の回転力によって、前記ワンウェイクラッチを前記第1要素に所定トルクで押し当てるように、前記回転電機の回転数を制御することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の車両の駆動装置。
  5. 前記制御手段は、前記車両の速度が所定速度を超える場合、前記結合状態となるように前記結合切替手段を制御することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の車両の駆動装置。
  6. 前記制御手段は、前記回転電機の回転駆動が制限されている場合、前記結合状態となるように前記結合切替手段を制御することを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の車両の駆動装置。
  7. 前記第1要素の回転数を推定する推定手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数が生じる浮き状態である場合、前記浮き状態に応じて、前記ワンウェイクラッチを前記第1要素に押し当てる際の所定トルクを変化させることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の車両の駆動装置。
  8. 前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数が所定閾値を超える場合、前記ワンウェイクラッチを押し当てる際の所定トルクを変化させることを特徴とする請求項7に記載の車両の駆動装置。
  9. 前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数に応じて、前記ワンウェイクラッチを押し当てる際の所定トルクを変化させることを特徴とする請求項7又は8に記載の車両の駆動装置。
  10. 前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数が生じる浮き状態が発生しない場合、前記ワンウェイクラッチを押し当てる際の所定トルクを低減することを特徴とする請求項7から9のうちいずれか一項に記載の車両の駆動装置。
  11. 前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数が生じる浮き状態が発生した後、前記ワンウェイクラッチが再度押し当てられた場合、押し当て状態を保持するのに必要な最小限トルクまで、前記ワンウェイクラッチを前記第1要素に押し当てる際の所定トルクを低減することを特徴とする請求項7から10のうちいずれか一項に記載の車両の駆動装置。
  12. 前記制御手段は、前記車両の機関が発生するトルクの変動量に応じて、前記ワンウェイクラッチを前記第1要素に押し当てる際の所定トルクを変化させることを特徴とする請求項1から11のうちいずれか一項に記載の車両の駆動装置。
  13. 回転電機と、
    前記回転電機及び機関のうち少なくとも前記回転電機に連結された伝達部材と、
    車両の駆動輪に動力を出力するための出力部材と、
    前記伝達部材から前記出力部材までの動力伝達経路に設けられると共に、相互に差動回転可能な複数の要素を有する変速機構とを備えた車両の駆動装置であって、
    前記変速機構は、
    前記複数の要素のうちの第1要素と係合することにより前記第1要素の回転方向を一方向に制限可能なワンウェイクラッチと、
    前記第1要素と前記車両に対して静止した固定部材とを結合する又は前記第1要素と前記変速機構の前記複数の要素のうちの第2要素とを結合する結合状態と、前記第1要素と前記固定部材とを結合しない及び前記第1要素と前記第2要素とを結合しない結合解放状態とを切り替え可能な結合切替手段とを有し、
    前記第1要素の回転数を推定する推定手段と、
    前記回転電機による回生が行われる場合、又は、前記変速機構へ入力されるトルクが前記車両を前進させるトルクの向きを正として負となる場合、前記結合状態へ切り替えるように前記結合切替手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記推定された第1要素の回転数と前記第1要素の目標回転数との差回転数を、前記変速機構の潤滑油の温度に応じた所定値に近づけるように前記回転電機の回転数を制御するフィードバック制御を行うことを特徴とする車両の駆動装置。
  14. 相互に差動回転可能な3つの分配要素を持ちこれらのうちのいずれか2つの分配要素の一方に前記機関が他方に前記回転電機がそれぞれ連結された動力分配機構を更に備え、
    前記伝達部材は、少なくとも前記回転電機に連結されることとして、前記動力分配機構の残りの分配要素に連結されることを特徴とする請求項13に記載の車両の駆動装置。
  15. 前記制御手段は、前記差回転数を、前記所定値として、前記変速機構の潤滑油の温度が高くなるに従って低くなり、且つ、前記変速機構の潤滑油の温度が低くなるに従って高くなる値に近づけるように前記回転電機の回転数を制御するフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項12に記載の車両の駆動装置。
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