JP2011213053A - 原版シートの製造方法および凹凸パターン転写シートの製造方法 - Google Patents

原版シートの製造方法および凹凸パターン転写シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】離型性に優れる原版シートを簡便に製造できる原版シートの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の原版シートの製造方法は、加熱収縮性樹脂フィルムの片面または両面に、表面が平滑な樹脂製の硬質層を形成して、積層シートを得る硬質層形成工程と、前記積層シートを加熱収縮させることにより、硬質層を折り畳むように変形させて、硬質層の表面に凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成シートを作製する凹凸パターン形成シート作製工程と、前記凹凸パターン形成シートに形成された凹凸パターンの表面に、金属または金属化合物からなる金属含有層を形成する金属含有層形成工程と、前記金属含有層の露出面に、フッ素系離型剤を含有する離型剤層を形成する離型剤層形成工程とを有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学素子等に使用可能な凹凸パターン転写シートを得る際に使用する原版シートの製造方法に関する。また、凹凸パターン転写シートの製造方法に関する。
薄型ディスプレイに使用される光学素子(例えば、反射防止体、ワイヤーグリッド偏光子、光拡散体、光位相差体等)として、表面に微細な凹凸が形成されたシートが広く使用されている。
近年、薄型ディスプレイの大画面化あるいは大量生産化が進んでおり、光学素子に使用されるシートについても大面積化、大量生産化が図られてきた。凹凸パターンが形成されたシートを大面積で大量生産可能な方法としては、凹凸パターンが形成された原版シートに樹脂を密着させ、凹凸パターンを転写させて、凹凸パターン転写シートを得る方法が知られている。
原版シートの製造方法として、特許文献1には、凹凸パターンが形成された金属製のマスターシートを作製し、そのマスターシートの凹凸パターンを樹脂に転写させる方法が記載されている。しかしながら、この方法は、マスターシートをフォトレジストやレーザ彫刻等により作製しなければならず、簡便ではなかった。
そこで、特許文献2では、加熱収縮性樹脂フィルムの片面または両面に、表面が平滑な樹脂製の硬質層を形成して、積層シートを得る工程と、前記積層シートを加熱収縮させることにより、硬質層の表面に凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成シートを得る工程とを有する方法が提案されている。この方法は、マスターシートの作製が不要であるため、凹凸パターンが形成された原版シートを簡便に製造できる。
国際公開2008/149544号明細書 特開2008−302591号公報
ところで、凹凸パターン転写シートにおいて、光学素子としての凹凸パターンの最適構造を検討するためには、多数の凹凸パターン転写シートを原版シートから作製する必要がある。特許文献2に記載の方法により多数の凹凸パターン転写シートを得るためには、多数の原版シート用の凹凸パターン形成シートが必要となる。
しかしながら、特許文献2に記載の凹凸パターン形成シートでは、凹凸パターンが形成された硬質層が樹脂製で、樹脂に対する離型性が低いため、凹凸パターンに転写用の樹脂を密着させた際には、転写用の樹脂の剥離が困難で、凹凸パターンの転写性が低かった。そこで、特許文献2では、硬質層の表面に凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成シートをそのまま原版シートとして用いるのではなく、その凹凸パターンにめっきを施してめっき層を形成すると共に凹凸パターンを金属に転写し、得られためっき層を凹凸パターン形成シートから剥離し、原版シートとして使用することが記載されている。しかし、この方法は工程数が多く、煩雑であるため、凹凸パターンの最適構造の検討に時間を要した。また、離型性を得るために煩雑な工程を有するのでは、凹凸パターン形成シートが簡便に得られるという効果が充分に発揮されなくなる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、離型性に優れる原版シートを簡便に製造できる原版シートの製造方法を提供することを目的とする。また、原版シートの凹凸パターンが高い転写性で転写された凹凸パターン転写シートを簡便に製造できる凹凸パターン転写シートの製造方法を提供することを目的とする。
[1]加熱収縮性樹脂フィルムの片面または両面に、表面が平滑な樹脂製の硬質層を形成して、積層シートを得る硬質層形成工程と、
前記積層シートを加熱収縮させることにより、硬質層を折り畳むように変形させて、硬質層の表面に凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成シートを作製する凹凸パターン形成シート作製工程と、
前記凹凸パターン形成シートに形成された凹凸パターンの表面に、金属または金属化合物からなる金属含有層を形成する金属含有層形成工程と、
前記金属含有層の露出面に、フッ素系離型剤を含有する離型剤層を形成する離型剤層形成工程とを有することを特徴とする原版シートの製造方法。
[2]少なくとも幅方向に加熱収縮する連続フィルム状の加熱収縮性樹脂フィルムの片面または両面に、表面が平滑な樹脂製の硬質層を形成して、連続シート状の積層シートを得る硬質層形成工程と、
前記連続シート状の積層シートを加熱収縮させることにより、硬質層を折り畳むように変形させて、硬質層の表面に凹凸パターンが形成された連続シート状の凹凸パターン形成シートを作製する凹凸パターン形成シート作製工程と、
前記連続シート状の凹凸パターン形成シートに形成された凹凸パターンの表面に、金属または金属化合物からなる金属含有層を形成する金属含有層形成工程と、
前記金属含有層の露出面に、フッ素系離型剤を含有する離型剤層を形成する離型剤層形成工程とを有することを特徴とする原版シートの製造方法。
[3]前記金属含有層形成工程では、金属含有層の厚さを、前記硬質層表面の凹凸パターンの平均深さの1/50以下にする[1]または[2]に記載の原版シートの製造方法。
[4]前記金属含有層形成工程では、金属含有層を物理気相成長法(PVD)により形成する[1]〜[3]のいずれかに記載の原版シートの製造方法。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の原版シートの製造方法により製造した原版シートの凹凸パターンを、樹脂に転写させる転写工程を有することを特徴とする凹凸パターン転写シートの製造方法。
本発明の原版シートの製造方法によれば、離型性に優れる原版シートを簡便に製造できる。
本発明の凹凸パターン転写シートの製造方法によれば、原版シートの凹凸パターンが高い転写性で転写された凹凸パターン転写シートを簡便に製造できる。
本発明の原版シートの製造方法の一実施形態により得られる原版シートの一部を拡大して示す拡大斜視図である。 図1の原版シートを、凹凸パターンの配向方向と垂直方向に切断した際の断面図である。 本発明の原版シートの製造方法の一実施形態を構成する離型剤層形成工程の一例を示す模式図である。 本発明の凹凸パターン転写シートの製造方法の一実施形態を示す模式図である。
<原版シート>
本発明の原版シートの製造方法で得られる原版シートの一実施形態について説明する。
図1及び図2に、本実施形態の原版シートを示す。本実施形態の原版シート10は、基材11と、基材11の片面に設けられた硬質層12と、硬質層12の、基材11と反対側に設けられた金属含有層13と、金属含有層13の、硬質層12と反対側に設けられた離型剤層14とを備え、離型剤層14の表面に凹凸パターン14aを有するものである。
本実施形態での原版シート10の凹凸パターン14aは、略X軸方向(長手方向)に沿った波状の凹凸を有し、その波状の凹凸が蛇行しているものである。また、本実施形態の凹凸パターン14aの凸部の先端は丸みを帯びている。
硬質層12を構成する樹脂(以下、第2の樹脂という。)のガラス転移温度Tgと、基材11を構成する樹脂(以下、第1の樹脂という。)のガラス転移温度Tgとの差(Tg−Tg)は10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、30℃以上であることが特に好ましい。(Tg−Tg)の差が10℃以上であれば、該原版シートを製造する際に、TgとTgの間の温度で容易に加工できる。TgとTgの間の温度を加工温度とすると、基材11のヤング率が硬質層12のヤング率より高くなる条件で加工でき、その結果、硬質層12に凹凸パターン14aをより容易に形成できる。
また、Tgが400℃を超えるような樹脂を使用することは経済性の面から必要に乏しく、Tgが−150℃より低い樹脂は存在しないことから、(Tg−Tg)は550℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。
原版シート10を製造する際の加工温度における基材11と硬質層12とのヤング率の差は、凹凸パターン14aを容易に形成できることから、0.01〜300GPaであることが好ましく、0.1〜10GPaであることがより好ましい。
ここでいう加工温度は、例えば、後述する原版シート10の製造方法における熱収縮時の加熱温度のことである。また、ヤング率は、JIS K 7113−1995に準拠して測定した値である。
第1の樹脂のガラス転移温度Tgは−150〜300℃であることが好ましく、−120〜200℃であることがより好ましい。ガラス転移温度Tgが−150℃より低い樹脂は存在せず、第1の樹脂のガラス転移温度Tgが300℃以下であれば、原版シート10を製造する際の加工温度(TgとTgの間の温度)に容易に加熱できる。
原版シート10を製造する際の加工温度における第1の樹脂のヤング率は0.01〜100MPaであることが好ましく、0.1〜10MPaであることがより好ましい。第1の樹脂のヤング率が0.01MPa以上であれば、基材11として使用可能な硬さであり、100MPa以下であれば、硬質層12が変形する際に同時に追従して変形可能な軟らかさである。
第1の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィンなどの樹脂が挙げられる。
第2の樹脂のガラス転移温度Tgは40〜400℃であることが好ましく、80〜250℃であることがより好ましい。第2の樹脂のガラス転移温度Tgが40℃以上であれば、原版シート10を製造する際の加工温度を室温またはそれ以上にすることができて有用であり、ガラス転移温度Tgが400℃を超えるような樹脂を第2の樹脂として使用することは経済性の面から必要性に乏しいためである。
原版シート10を製造する際の加工温度における第2の樹脂のヤング率は0.01〜300GPaであることが好ましく、0.1〜10GPaであることがより好ましい。第2の樹脂のヤング率が0.01GPa以上であれば、第1の樹脂の加工温度におけるヤング率より充分な硬さが得られ、凹凸パターン14aが形成された後、凹凸パターン14aを維持するのに充分な硬さであり、ヤング率が300GPaを超えるような樹脂を第2の樹脂として使用することは経済性の面から必要性に乏しいためである。
第1の樹脂の種類にもよるが、第2の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂(メチルメタクリレート重合体、メチルメタクリレートと他のアクリル系単量体との共重合体、メチルメタクリレート以外の2種以上のアクリル系単量体の共重合体)、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを使用することができる。これらの中でも、凹凸パターンをより容易に形成できる点では、ポリスチレン、アクリル樹脂が好ましい。第2の樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、第2の樹脂としては、不純物を少なくでき、硬質層12を容易に薄くできる上に、加工性に優れることから、ラジカル溶液重合で得たものが好ましい。
基材11の厚みは0.3〜500μmであることが好ましい。基材11の厚みが0.3μm以上であれば、原版シート10が破断しにくくなり、500μm以下であれば、原版シート10を容易に薄型化できる。
原版シート10を用いて、光拡散体用の凹凸パターン転写シートを製造する場合には、硬質層12の厚さは、好ましくは0.05μmを超え5.0μm以下、より好ましくは0.1〜2μmである。硬質層の厚みが0.05μmを超え5μm以下であれば、光拡散体製造用の原版シート10を容易に製造できる。
原版シート10を用いて、反射防止体およびワイヤーグリッド偏光子用の凹凸パターン転写シートを製造する場合には、硬質層12の厚さは、好ましくは1〜100nm、より好ましくは2〜80nmであり、さらに好ましくは3〜50nmである。硬質層12の厚みが100nmを超えると、凹凸パターン14aのピッチを小さくできず、1nm未満であると、硬質層12の形成が困難になる。
硬質層12の厚さは均一であることが好ましい。硬質層12の厚さが均一であれば、ピッチの均一性が高くなる。
また、基材11と硬質層12との間には、密着性の向上やより微細な構造を形成することを目的として、プライマー層を形成してもよい。
金属含有層13は、後述の離型剤層14を構成するフッ素系離型剤を保持するための層であり、金属または金属化合物からなっている。本発明においては、金属として、シリコン等の半金属も含むこととする。
金属含有層13を構成する金属の具体例としては、例えば、ニッケル、シリコン、アルミニウム、白金、パラジウム、ルテニウム、金、銀、銅、ゲルマニウム、インジウム、マグネシウム、ニオブ、鉛、スズ、チタン、バナジウム、亜鉛、ビスマスなどが挙げられる。
金属化合物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化銅、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化鉛、硫化亜鉛、ガリウムヒ素などが挙げられる。
これらの中でも、金属含有層13の形成をより容易にできることから、金属としては、ニッケルが好ましく、金属化合物としては、酸化ケイ素が好ましい。
金属含有層13の厚さは1〜20nmであることが好ましく、1〜10nmであることがより好ましい。金属含有層13の厚さが1nm以上であれば、金属含有層13の欠陥が少なく、離型剤層14を充分に保持できる。金属含有層13の厚さが20nm以下であれば、金属含有層13を短時間で形成できる。
離型剤層14は、フッ素系離型剤を含有し、樹脂に対する離型性を得るための層である。
フッ素系離型剤としては公知のものを使用できるが、金属含有層13に対する結合力がより高くなることから、分子の片側の末端に、金属または金属化合物と反応可能な反応性官能基を有することが好ましい。反応性官能基としては、例えば、アルコキシシラン基、カルボキシ基、ヒドロキシ基などが挙げられる。
分子の片末端に反応性官能基を有するフッ素系離型剤の市販品としては、例えば、デュラサーフHD−1100シリーズ,デュラサーフHD−2100シリーズ(株式会社ハーベス製)などが挙げられる。
離型剤層14の厚さは1〜20nmであることが好ましく、1〜10nmであることがより好ましい。離型剤層14の厚さが1nm以上であれば、後述する凹凸パターン転写シートの製造において凹凸パターン転写シートの離型性がより高くなり、20nm以下であれば、離型剤層14を簡便に形成できる。
原版シート10を用いて、光拡散体用の凹凸パターン転写シートを製造する場合には、凹凸パターン14aの最頻ピッチAは1μmを超え30μm以下であることが好ましく、1μmを超え20μm以下であることがより好ましい。最頻ピッチAが1μm未満であると、光が透過することがあり、30μmを超えると、光拡散性が低くなる傾向にある。
原版シート10を用いて、反射防止体およびワイヤーグリッド偏光子用の凹凸パターン転写シートを製造する場合には、凹凸パターン14aの最頻ピッチAは1μm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることがさらに好ましく、100nm以下であることが特に好ましい。最頻ピッチAが1μm以下であれば、凹凸パターン転写シートを反射防止体として用いた場合の反射防止性、ワイヤーグリッド偏光子に用いた場合の偏光特性がより高くなる。
一方、最頻ピッチAは、凹凸パターン14aを容易に形成できる点から、0.01μm以上であることが好ましい。
原版シート10を用いて、光拡散体用の凹凸パターン転写シートを製造する場合には、光拡散の異方性の高い光拡散体が得られるようになる点では、凹凸パターン14aがある程度蛇行して、隣り合った凸部同士のピッチが凹凸パターン14aの方向に沿ってばらついていることが好ましい。ここで、凹凸パターン14aの配向のばらつきのことを配向度という。配向度が大きいほど、配向がばらついている。この配向度は、以下の方法で求められる。
凹凸パターン14aの最頻ピッチA、平均深さBおよび配向度を求めるためには、凹凸パターンの上面および断面の光学顕微鏡による観察、または、凹凸パターンの原子間力顕微鏡による観察を行う。一般には、それぞれの顕微鏡の解像度の違いから、凹凸パターンのピッチや深さが1μm以上の場合には光学顕微鏡による観察が適しており、1μm以下の場合には原子間力顕微鏡による観察が適している。そのため、凹凸パターンのサイズに応じて適宜選択して観察を行う。
凹凸パターン14aの最頻ピッチAおよび配向度は、以下の求め方に従って求めることができる。
まず、顕微鏡により得られた凹凸構造の画像をグレースケール画像に変換した後、2次元フーリエ変換を行う。このフーリエ変換像の頻度(Z)のスムージングを行い、フーリエ変換像の中心部以外で最大頻度を示す位置(XFmax,YFmax)を求める。そして、最頻ピッチA=1/{√(XFmax +YFmax )}の式から最頻ピッチAを求める。なお、最頻ピッチは各ピッチの平均値とみてもよい。平均ピッチについては、顕微鏡画像から得られた断面図から、隣り合う凹部同士の水平方向の間隔をピッチとしたとき、無作為に抽出した10個以上のピッチの平均値から求めることもできる。
配向度については、まず、上記で得たフーリエ変化像を利用し、XF軸上に最大輝度部分が一致するようにθ回転したフーリエ変換像を作成する。次いで、(XFmax,YFmax)を通るY軸に平行補助線Y’Fを引き、補助線Y’Fを横軸とし、補助線Y’上の輝度(Z軸)を縦軸としたY’−Z図を作成する。次いで、Y’−Z図のY’軸の値を最頻ピッチの逆数(1/A)で割ったY”-Z図を作成し、このY”-Z図からピークの半値幅W(頻度が最大値の半分になる高さでのピークの幅)を求める。この半値幅は配向度を表す。配向度が大きい程、蛇行してピッチがばらついていることを表す。
原版シート10を用いて、光拡散体用の凹凸パターン転写シートを製造する場合には、配向度は0.3〜1.0であることが好ましい。配向度が0.3〜1.0であれば、凹凸パターン14aのピッチのばらつきが大きいため、該原版シートを用いて得た光拡散体の光拡散性がより高くなる。配向度が1.0を超えると、凹凸パターンの方向がある程度ランダムになるため、光拡散性は高くなるが、異方性が低くなる傾向にある。
原版シート10を用いて、ワイヤーグリッド偏光子用の凹凸パターン転写シートを製造する場合には、上記配向度は1.0以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3未満であることが特に好ましい。配向度が1.0以下であれば、ワイヤーグリッド偏光子の偏光特性をより向上させることができる。また、配向度は、製造上の観点からは、0.05以上であることが好ましい。
配向度を上記所定の範囲にするためには、凹凸パターン転写シート製造の際に必要な圧縮応力の作用のさせ方を適宜選択すればよい。
凹凸パターン14aの凹部14bの平均深さBは、最頻ピッチAを100%とした際の10%以上(すなわち、アスペクト比0.1以上)であることが好ましく、30%以上(すなわち、アスペクト比0.3以上)であることがより好ましく、100%以上であることが特に好ましい。平均深さBが最頻ピッチAを100%とした際の10%以上であれば、原版シート10を用いて得た光拡散体は光拡散性により優れ、原版シート10を用いて得た反射防止体は反射性により優れ、原版シート10を用いて得たワイヤーグリッド偏光子は充分な偏光特性が得られる。
また、平均深さBは、凹凸パターン14aを容易に形成できる点から、好ましくは最頻ピッチAを100%とした際の500%以下である。
平均深さは、凹凸パターン14aの凸部14cのピークから凹部14bの底までの深さの平均のことを意味する。平均深さBは次のようにして求める。すなわち、凹凸パターン14aを顕微鏡により観察し、その観察からY軸方向に沿って切断した断面図を得る。1つの凹部14bの底までの深さは、両隣の2つの凸部14c,14cのピークから凹部14bの底までのZ方向の距離の和の1/2である。すなわち、1つの凹部14bの底の深さbは、凹部14bに対して一方側の凸部14cのピークから計測した凹部14bの底の深さをL、他方側の凸部14cのピークから計測した凹部14bの底の深さをRとした際に、b=(L+R)/2となる。このようにして求めた各凹部14bの深さbの平均値が平均深さBであるが、全ての凹部14bの深さを求めることは現実的でないため、無作為に抽出した10個以上のbiから平均深さBを求める。
<原版シートの製造方法>
本発明の原版シートの製造方法の一実施形態として、図1,2の原版シートを製造する方法について説明する。
本実施形態の原版シートの製造方法は、硬質層形成工程と、凹凸パターン形成シート作製工程と、金属含有層形成工程と、離型剤層形成工程とを有する。
以下、各工程について説明する。
(硬質層形成工程)
本実施形態例における硬質層形成工程は、加熱収縮性樹脂フィルムの片面の全部に、表面が平滑な樹脂製の硬質層(以下、表面平滑硬質層という。)を設ける工程である。ここで、表面平滑硬質層とは、JIS B0601に記載の中心線平均粗さ0.1μm以下の層である。
加熱収縮性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系シュリンクフィルム、ポリスチレン系シュリンクフィルム、ポリオレフィン系シュリンクフィルム、ポリ塩化ビニル系シュリンクフィルム、ポリ塩化ビニリデン系シュリンクフィルムなどを用いることができる。
本実施形態では、加熱収縮性樹脂フィルムとして、幅方向に加熱収縮する1軸延伸の連続フィルムを使用する。幅方向に加熱収縮するフィルムは、搬送しながらでも幅方向に収縮させることが可能なものである。
また、加熱収縮性樹脂フィルムは、延伸倍率1.1〜15倍で延伸されていることが好ましく、1.3〜10倍で延伸されていることがより好ましい。
加熱収縮性樹脂フィルムの収縮率は20〜90%であることが好ましく、35〜75%であることがより好ましい。ここで、収縮率とは、(収縮率[%])={(収縮前の長さ)−(収縮後の長さ)}/(収縮前の長さ)×100である(ただし、長さは収縮方向の長さ)。収縮率が20%以上であれば、原版シートをより容易に製造できる。しかし、収縮率90%以下の加熱収縮性樹脂フィルムは作製困難である。
加熱収縮性樹脂フィルムは、表面平滑硬質層を容易に形成できることから、表面が平坦であることが好ましい。ここで、平坦とは、JIS B0601による中心線平均粗さが0.1μm以下のことである。
表面平滑硬質層を設ける際には、第2の樹脂を含む塗工液を加熱収縮性樹脂フィルムに連続的に塗工し、乾燥する。
また、この方法では、第2の樹脂を、第1の樹脂よりもガラス転移温度が高い樹脂とする。第2の樹脂を、第1の樹脂よりガラス転移温度が高い樹脂で構成することで、凹凸パターン14aを容易に形成できる。
第2の樹脂のガラス転移温度と第2の樹脂のガラス転移温度との差は、上述したように、10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、30℃以上であることが特に好ましい。
塗工液の塗工方法としては、例えば、エアナイフコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、メイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、キャストコーティング、カーテンコーティング、ダイスロットコーティング、ゲートロールコーティング、サイズプレスコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング等が挙げられる。
乾燥方法としては、熱風、赤外線等を用いた加熱乾燥法が挙げられる。
(凹凸パターン形成シート作製工程)
凹凸パターン形成シート作製工程は、加熱収縮性樹脂フィルムを加熱収縮させて硬質層を折り畳むように変形させる工程である。本実施形態では、加熱収縮フィルムと硬質層とからなる積層シートを連続的に搬送しながら、加熱収縮性樹脂フィルムを加熱収縮させて硬質層を変形させる。この工程により、硬質層の表面に波状の凹凸パターンが形成されたシートを得る。
基材11を熱収縮させる際の加熱方法としては、熱風、蒸気または熱水中に通す方法や、熱板や熱ロールに接触させる方法等が挙げられ、中でも、均一に収縮させることができることから、熱風に通す方法が好ましい。
基材11を熱収縮させる際の加熱温度は、使用する加熱収縮性樹脂フィルムの種類および目的とする凹凸パターン14aのピッチAならびに凹部14bの深さBに応じて適宜選択することが好ましい。
また、凹凸パターン形成シート作製工程では、加熱収縮する際に、積層シートのたるみを防止するために、加熱収縮フィルムと硬質層とからなる積層シートの幅方向の両端部を把持グリップで把持して幅方向に張力を付与してもよい。ただし、その張力は、積層シートの加熱収縮を阻害しない程度の力とする。
(金属含有層形成工程)
金属含有層形成工程は、凹凸パターン形成シートに形成された凹凸パターンの表面に金属含有層13を形成する工程である。本実施形態では、金属含有層13を連続的に形成する。
金属含有層13を形成する方法としては、例えば、物理気相成長法(PVD)、化学気相成長法(CVD)、めっき法などが挙げられる。これらの中でも、簡便である上にロールツーロールの製造に容易に適用できることから、物理気相成長法が好ましい。
物理気相成長法としては、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、高周波誘導蒸着、分子線エピタキシー蒸着、イオンプレーティング蒸着、イオンビームデポジション蒸着、スパッタ蒸着等が挙げられる。
化学気相成長法としては、熱CVD、プラズマCVD、光CVD、エピタキシャルCVD、アトミックレイヤーCVD、有機金属気相成長法、触媒化学気相成長法等が挙げられる。
めっき法としては、電解めっき、無電解めっきが挙げられる。
金属含有層形成工程では、金属含有層13の厚さを、硬質層12の表面の凹凸パターンの平均深さの1/50以下にすることが好ましく、1/100以下にすることがより好ましい。金属含有層13の厚さを、硬質層12の平均深さの1/50より大きくすると、金属含有層13の厚さによって、凹凸パターン14aの凹部14bが埋まって、より平坦化する箇所が部分的に発生することがある。そのため、アスペクト比が低下して、拡散性や反射防止性が損なわれるおそれがある。しかし、金属含有層13の厚さを、硬質層12の平均深さの1/50以下にすることで、金属含有層形成前の凹凸パターン14aのアスペクト比を保つことができるため好適である。
具体的には、金属含有層13の厚さを1〜20nmにすることが好ましく、1〜10nmにすることがより好ましい。
(離型剤層形成工程)
離型剤層形成工程は、金属含有層13の露出面に離型剤層14を形成して原版シート10を得る工程である。本実施形態では、離型剤層14を連続的に形成して、連続シート状の原版シート10を得る。
図3に、離型剤層形成工程の具体例を示す。この例では、まず、金属含有層が形成された連続シート31をディップコーター32に搬送し、金属含有層の露出面13aに、フッ素系離型剤を含む離型剤含有液Aを連続塗工した後、熱風乾燥機33に通して乾燥して、連続シート状の離型剤層形成シート34を得る。次いで、その離型剤層形成シート34を、フッ素系溶剤Bを貯めたリンス処理槽35に浸漬させ、余分なフッ素系離型剤を洗い流すリンス処理を施して、離型剤層を形成する。
離型剤含有液の塗工方法、乾燥方法は、硬質層形成工程における塗工液の塗工方法、乾燥方法と同様のものが使用できる。ただし、リンス工程が必要とされることから、塗工方法はその中でも、ディップコーティングやスピンコーティングが好ましく用いられる。
上記原版シートの製造方法はロールツーロールの製造を適用することができるが、各工程のシート搬送速度を同じにできない場合には、各工程ごとに、シートの繰り出し、巻取りを行い、工程間を非連続としてもよい。
(作用効果)
上記原版シートの製造方法での凹凸パターン形成シートの作製は、加熱収縮性樹脂フィルムに形成した硬質層12を収縮させればよく、しかも硬質層12の形成および収縮は塗工や加熱等の簡単な処理で済み、凹凸パターン形成シートを簡便に得ることができる。これにより、原版シートの製造が簡便になる。そのため、凹凸パターンの最適構造を検討するために原版シート10を多数製造する場合、手間と時間を削減することができる。
また、金属含有層13を設けることにより、フッ素系離型剤の保持力を高めることができ、リンス処理での離型剤層14の剥離を防止できる。原版シート10が離型剤層14を有することにより、樹脂に対する離型性が高くなっているため、凹凸パターン14aの樹脂への転写では高い転写性で転写できる。
また、上記製造方法では、加熱収縮性の連続フィルムから連続シート状の原版シート10をより大量生産化できる。さらに、ロールツーロールの製造を適用した場合には、加熱収縮性樹脂フィルムから一貫製造できるため、原版シート10の生産性を向上させることができる。
<凹凸パターン転写シート>
凹凸パターン転写シートは、上記原版シート10の凹凸パターン14aを転写させたレプリカシートである。凹凸パターン転写シート20の凹凸パターンは、原版シート10の凹凸パターン14aを反転させたパターンとなっている。
<凹凸パターン転写シートの製造方法>
凹凸パターン転写シートを製造方法は、上記連続シート状の原版シートの凹凸パターンを樹脂に転写させる転写工程を有する。
凹凸パターン転写シートの製造方法の具体例としては、例えば、下記(a)〜(c)の方法が挙げられる。
(a)原版シートの凹凸パターンが形成された面に、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂を塗工する工程と、活性エネルギー線を照射して前記硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を原版シートから剥離する工程とを有する方法。ここで、活性エネルギー線とは、通常、紫外線または電子線のことであるが、本発明では、可視光線、X線、イオン線等も含む。
(b)原版シートの凹凸パターンが形成された面に、未硬化の液状熱硬化性樹脂を塗工する工程と、加熱して前記液状熱硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を原版シートから剥離する工程とを有する方法。
(c)原版シートの凹凸パターンが形成された面に、シート状の熱可塑性樹脂を接触させる工程と、該シート状の熱可塑性樹脂を原版シートに押圧しながら加熱して軟化させた後、冷却する工程と、その冷却したシート状の熱可塑性樹脂を原版シートから剥離する工程とを有する方法。
(a)の方法の具体例について説明する。図4に示すように、まず、連続フィルム状の支持フィルム41を搬送しながら、その片面に、ノズル42から未硬化の液状活性エネルギー線硬化性樹脂を吐出し、コーター43により塗工して、未硬化の硬化性樹脂層44を形成する。次いで、その未硬化の硬化性樹脂層44に向けて連続シート状の原版シートを搬送し、搬送した原版シート10をロール45により押圧して、未硬化の硬化性樹脂を原版シート10の凹凸パターン内部に充填する。その後、活性エネルギー線照射装置46により活性エネルギー線を照射して、硬化性樹脂を架橋・硬化させる。そして、硬化後の活性エネルギー線硬化性樹脂から原版シート10を、剥離ロール47を用いて剥離させることにより、連続シート状の凹凸パターン転写シート20を製造することができる。
(a)の方法において、原版シートの凹凸パターンが形成された面に、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂を塗工するコーターとしては、Tダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター等が挙げられる。
未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニル/アクリレート、ポリエン/アクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエン、ポリスチリルメチルメタクリレート等のプレポリマー、脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、芳香族アクリレート、水酸基含有アクリレート、アリル基含有アクリレート、グリシジル基含有アクリレート、カルボキシ基含有アクリレート、ハロゲン含有アクリレート等のモノマーの中から選ばれる1種類以上の成分を含有するものが挙げられる。未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂は溶媒等で希釈することが好ましい。
また、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂には、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を添加してもよい。
未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂を紫外線により硬化する場合には、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類等の光重合開始剤を添加することが好ましい。
未硬化の液状活性エネルギー線硬化性樹脂を塗工した後には、樹脂、ガラス等からなる基材を貼り合わせてから活性エネルギー線を照射してもよい。活性エネルギー線の照射は、基材、原版シートの活性エネルギー線透過性を有するいずれか一方から行えばよい。
硬化後の活性エネルギー線硬化性樹脂のシートの厚み(基材を含む場合はその基材の厚みも含む。)は1〜300μmとすることが好ましい。シートの厚みが1μm以上であれば、充分な強度を確保でき、300μm以下であれば、充分な可撓性を確保できる。
(b)の方法において、液状熱硬化性樹脂としては、例えば、未硬化の、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、(b)の方法における硬化温度は、原版シートのガラス転移温度より低いことが好ましい。硬化温度が原版シートのガラス転移温度以上であると、硬化時に原版シートの凹凸パターンが変形するおそれがあるからである。
(c)の方法において、熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル等が挙げられる。
シート状の熱可塑性樹脂を押圧する際の圧力は1〜100MPaであることが好ましい。押圧時の圧力が1MPa以上であれば、凹凸パターンを高い精度で転写させることができ、100MPa以下であれば、過剰な加圧を防ぐことができる。
また、(c)の方法における熱可塑性樹脂の加熱温度は、原版シートのガラス転移温度より低いことが好ましい。加熱温度が原版シートのガラス転移温度以上であると、加熱時に原版シートの凹凸パターンが変形するおそれがあるからである。
加熱後の冷却温度としては、凹凸パターンを高い精度で転写させることができることから、熱可塑性樹脂のガラス転移温度未満であることが好ましい。
(a)〜(c)の方法の中でも、加熱を省略でき、原版シートの凹凸パターンの変形を防止できる点で、活性エネルギー線硬化性樹脂を使用する(a)の方法が好ましい。
上述のようにして得た凹凸パターン転写シートには、凹凸パターンの形成された面と反対側の面に、さらに凹凸パターンを形成してもよい。
(作用効果)
上記凹凸パターン転写シートの製造方法では、離型性に優れる上記原版シートを用いるため、原版シートの凹凸パターンに密着させた樹脂を容易に剥離でき、凹凸パターンを高い転写性で転写できる。
また、上記原版シートは簡便に得られるため、上記凹凸パターン転写シートの製造方法によれば、凹凸パターン転写シートについても簡便に製造できる。
また、本実施形態では、連続シート状の原版シートの凹凸パターンを樹脂に転写させるため、ロールツーロールで凹凸パターン転写シートを製造でき、さらなる大面積化により大量生産化を実現できる。したがって、上記凹凸パターン転写シートの作製方法を適用することで、各種光学素子を大量生産できる。
<光拡散体>
上記凹凸パターン転写シートにおいて、凹凸パターンの最頻ピッチAが1μmを超えるものは、光拡散性を発揮するため、そのままの形態で、または、他の層を積層して光拡散体として利用できる。
すなわち、凹凸パターン転写シートの表面には波状の凹凸を有し、しかも、その波状の凹凸が蛇行しているため、凹凸パターン転写シートの内部を通った光は、凹凸面にて屈折するため、様々な出射角度で光拡散体から出射する。これにより、凹凸パターン転写シートの凹凸パターンが形成された表面にて光拡散性を発揮させることができる。
このような光拡散体は、例えば、液晶表示パネルやプラズマディスプレイ等の画像表示装置、照明装置などに取り付けられる。
<反射防止体>
上記凹凸パターン転写シートにおいて、凹凸パターンの最頻ピッチAが1μm以下であるものは、反射防止性を発揮するため、そのままの形態で反射防止体として利用できる。
すなわち、凹凸パターン転写シートの波状の凹凸パターンの部分では、空気の屈折率と凹凸パターン転写シートの屈折率(基材11の屈折率)の間の中間屈折率を示し、その中間屈折率が連続的に変化する。そのため、光の反射率を特に低くでき、具体的には、反射率をほぼ0%にできる。
反射防止体においては、凹凸パターン転写シートの片面または両面に他の層を備えてもよい。例えば、凹凸パターン転写シートの、凹凸パターンが形成されている側の面に、その面の汚れを防止するために、フッ素樹脂またはシリコーン樹脂を主成分として含有する厚さ1〜5nm程度の防汚層を備えてもよい。
このような反射防止体は、例えば、液晶表示パネルやプラズマディスプレイ等の画像表示装置、発光ダイオードの発光部先端、太陽電池パネルの表面などに取り付けられる。
画像表示装置に取り付けた場合には、照明の映りこみを防止できるため、画像の視認性が向上する。発光ダイオードの発光部先端に取り付けた場合には、光の取り出し効率が向上する。太陽電池パネルの表面に取り付けた場合には、光の取り込み量が多くなるため、太陽電池の発電効率が向上する。
また、反射防止体としては、原版シート10をそのまま使用することもできる。
<ワイヤーグリッド偏光板>
上記凹凸パターン転写シートにおいて、凹凸パターンの最頻ピッチAが1μm以下であるものは、ワイヤーグリッド偏光板に利用できる。
すなわち、凹凸パターン転写シートを用いたワイヤーグリッド偏光板は、上記作製方法により得た凹凸パターン転写シート20と、凹凸パターン転写シート20の少なくとも片面に設けられた不連続な金属層とを有する。
不連続な金属層は凹凸パターン転写シート20の凹凸パターンの凹部または凸部に沿って線状に設けられている。
金属層としては、金属を蒸着して形成した金属蒸着層、ナノ金属粒子を含む塗布液を塗布して形成したナノ金属塗布層が挙げられるが、金属蒸着層が好ましい。金属蒸着層では、形成する際に熱処理工程が不要であるため、熱による凹凸パターン転写シート20の損傷を防止できる。
金属蒸着層を構成する金属としては、蒸着できる金属であれば公知のものを使用でき、ゲルマニウム、スズ、シリコン等の半金属、炭素やITO(酸化インジウム−スズ)などの金属化合物も含む。具体的には、金、アルミニウム、銀、炭素、銅、ゲルマニウム、インジウム、マグネシウム、ニオブ、パラジウム、鉛、白金、シリコン、スズ、チタン、バナジウム、亜鉛、ビスマス、ITOよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくは、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、スズ、クロム、コバルト、金、銀、銅、ITOであり、特に好ましくは、値段、金属光沢の安定性等の理由によりアルミニウムおよび/またはニッケルである。
金属蒸着層の表面は、空気の接触により酸化されていても構わない。
金属の蒸着方法としては、物理気相成長法(PVD)、化学気相成長法(CVD)を挙げることができる。物理気相成長法、化学気相成長法の具体例は、原版シートの製造方法の金属層形成工程で適用するものと同様の方法が挙げられるが、中でも、汎用的であることから、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ蒸着が好ましい。
蒸着回数は1回であってもよいし、2回以上であってもよい。
また、金属の蒸着においては、金属を蒸着する面に対して斜め方向から金属を蒸着させる斜方蒸着を適用することが好ましい。斜方蒸着によれば、凹凸パターン転写シート20の凹凸パターンの凸部の片側の側面の上部に金属を容易に蒸着できると共に、凸部が遮蔽体となって金属が蒸着しない部分を生じさせることができる。したがって、細線状の金属層が略平行に配列したワイヤーグリッド偏光子を形成できる。
斜方蒸着において、凹凸パターン転写シート20のX軸方向(長手方向)およびY軸方向(幅方向)に対する法線方向(以下、「H線方向」という。)と蒸発させた金属の移動方向(以下、「J線方向」という。)との角度(斜方蒸着角)は特に制限されないが、より容易に線状の金属蒸着層を設けることができることから、30°以上であることが好ましく、40°以上であることがより好ましく、55°以上であることがさらに好ましく、70°以上であることが特に好ましい。斜方蒸着角の上限値は90°であるが、充分に金属を蒸着させるためには、80°以下であることが好ましい。
また、偏光特性がより高くなることから、凹凸パターン転写シート20のX軸方向と、蒸発させた金属の移動方向をXY平面に投影させて得られる仮想線の方向(以下、「I線方向」という。)との角度が60〜120°であることが好ましく、80〜100°であることがより好ましい。
また、蒸着は、凹凸パターン転写シート20が枚葉である場合にはバッチ式蒸着を適用でき、凹凸パターン転写シート20がウェブ状である場合には、ロールツーロール式蒸着を適用できる。
ロールツーロール式蒸着で、凹凸パターン転写シート20の搬送方向と凹凸パターン転写シート20のX軸方向との角度が45°以下の場合には、斜方蒸着したシートを180°水平回転させ、さらに金属を蒸着することが好ましい。斜方蒸着シートを180°回転させてから金属蒸着させれば、凸部の上部に均一に金属を蒸着できる。これにより、均一な偏光面を得ることができるため、偏光特性を均一化できる。
金属蒸着層の厚さは1〜100nmであることが好ましい。金属蒸着層の厚さが前記下限値以上であれば、充分な光反射性が得られ、前記上限値以下であれば、ワイヤーグリッド偏光子の光透過性を充分に高くできる。
また、金属蒸着層を斜方蒸着により形成し、斜方蒸着角を0〜30°とした場合には、金属蒸着層を容易に形成できることから、1〜30nmとすることがより好ましく、5〜20nmとすることが特に好ましい。斜方蒸着角を30〜90°とした場合には、金属蒸着層を容易に形成できることから、5〜100nmとすることがより好ましく、10〜60nmとすることが特に好ましい。
ナノ金属塗布層の金属種としては、ナノ銀、ナノ金、ナノ銅、ナノ白金などが挙げられ、ナノ銀が好ましい。ここで、ナノ金属とは、平均粒径0.1〜200nmである金属分散体のことである。ここで、平均粒径は、動的光散乱法(測定装置としては、例えば、マルバーン社製NANO−ZS等が知られている。)により測定した値である。ナノ金属の粒径が100nmを超えると、偏光特性が不充分になることがある。0.1nm未満のナノ金属は製造困難である。ナノ金属の粒径は、より好ましくは1〜100nm、特に好ましくは5〜70nmである。
ナノ金属塗布層は、ナノ金属を含む分散液を塗布、乾燥することにより形成される。塗布により、ナノ金属は凹凸パターンの凹部の底に入り込むが、凸部の上部には付着しにくい。したがって、凹部のみに金属層が形成されるため、細線状の金属層が略平行に配列したワイヤーグリッド偏光子を形成できる。
ナノ金属を含む分散液の塗布方法としては、例えば、エアナイフコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、メイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、キャストコーティング、カーテンコーティング、ダイスロットコーティング、ゲートロールコーティング、サイズプレスコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング等が挙げられる。
前記分散液を塗布、乾燥した後には、高い金属光沢を得て光反射性を高くするために、焼成(熱処理)することが好ましい。
凹凸パターン転写シートに、上記のように金属を蒸着させることにより、あるいは、ナノ金属を含む分散液を塗布することにより、細線状の金属層が平行に配列されたワイヤーグリッド偏光子を容易に製造できる。
上記ワイヤーグリッド偏光子では、金属層の長手方向に垂直に振動する光を透過し、金属層の長手方向に平行に振動する光を反射する。反射された光の振動方向を90°回転させた後に再入射することによって、吸収による損失を受けることなく、強い直線偏光を得ることができる。
このようなワイヤーグリッド偏光子は、公知の各種薄型ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ等)に好ましく用いることができる。
また、ワイヤーグリッド偏光子は、凹凸パターン転写シートではなく、原版シート10の凹凸パターン14aに不連続な金属層を設けて作製しても構わない。
以上説明した樹脂製の転写シートは、上述した光拡散体、反射防止体、ワイヤーグリッド偏光子として使用されるほか、位相差板や、液晶の配向を制御するための基板などの光学素子としても好適に使用できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、加熱収縮性樹脂フィルムとして2軸延伸フィルムを用いて原版シートを製造してもよい。加熱収縮性樹脂フィルムとして2軸延伸フィルムを用いる場合には、縦横同時延伸したものよりも、縦延伸後に横延伸したもの(逐次延伸したもの)が好ましい。2軸延伸フィルムを用いて得た原版シートの凹凸パターンは、特定の方向に沿わない凹凸となる。
2軸延伸フィルムを用いて得た原版シートからも凹凸パターン転写シートを作製することができる。その凹凸パターン転写シートは光拡散体、反射防止体として使用できる。
また、本発明の製造方法では、加熱収縮性樹脂フィルムとして枚葉フィルムを用いて、枚葉シート状の原版シート10を得ても構わない。枚葉シート状の原版シート10を用いて凹凸パターン転写シートを製造する場合には、その原版シート10をロールに巻き付け、回転させることにより、樹脂に凹凸パターンを連続的に転写することができる。
(実施例1)
ポリメタクリル酸メチル(藤倉化成社製LH−101−10、質量平均分子量560000、重合分散度(Mw/Mn)3.4、ガラス転移温度100℃)のトルエン溶液を、グラビアコーティングにより、1軸方向(幅方向)に主に加熱収縮する厚さ50μmの矩形状枚葉のポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルム(三菱樹脂社製ヒシペットLX−61S、ガラス転移温度70℃)の片面上に、乾燥後の塗工厚さが3μになるように塗工した。これにより、ポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルムの両面に表面平滑層が形成された積層シートを得た。
次いで、上記積層シートを100℃で1分間加熱することにより、加熱前の長さの40%に熱収縮させ(すなわち、収縮率60%で収縮させ)、硬質層が、収縮方向に対して直交方向に沿って周期性を有する波状の凹凸パターンを有する凹凸パターン形成シートを得た。
次いで、抵抗加熱式蒸着装置(アルバック社製EX−400)を用い、凹凸パターン形成シートの、凹凸パターンが形成されている面に、酸化ケイ素を厚さが5nmになるように真空蒸着させて金属含有層を形成した。
次いで、酸化ケイ素からなる金属含有層の露出面に、スピンコーティングによりフッ素系離型剤(ハーベス社製、デュラサーフHD−1100)を塗布し、60℃で1時間加熱した。その後、フッ素形溶剤からなるリンス剤(ハーベス社製、デュラサーフHD−ZV)を用いてリンス処理を施して原版シートを得た。
次いで、原版シートの凹凸パターンが形成された面に、紫外線硬化性樹脂組成物(東洋合成工業社製、PAK−01)を厚み10μmになるように均一に塗布し、これにより得た紫外線硬化性樹脂組成物の塗膜の上から、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、コスモシャインA4300)を重ね合わせ、押圧した。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムの上から紫外線を照射し、未硬化の紫外線硬化樹脂を硬化させた。そして、紫外線硬化性樹脂の硬化物の層とポリエチレンテレフタレートフィルムとの積層体を原版シートから剥離して、凹凸パターン転写シートを得た。
(実施例2)
ポリメタクリル酸メチルの代わりにポリスチレン(アルドリッチ社製、品番182435−25G、質量平均分子量24万、重合分散度2.0)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、原版シート及び凹凸パターン転写シートを得た。
(実施例3)
酸化ケイ素の代わりにニッケルを厚さが5nmになるように真空蒸着させたこと以外は実施例1と同様にして、原版シート及び凹凸パターン転写シートを得た。
(実施例4)
1軸方向(幅方向)に主に加熱収縮する厚さ50μmの連続フィルム状のポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルム(三菱樹脂社製ヒシペットLX−61S、ガラス転移温度70℃)をロールから繰り出した。
そのポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルムの片面上に、ポリメタクリル酸メチル(藤倉化成社製LH−101−10、質量平均分子量560000、重合分散度3.4、ガラス転移温度100℃)のトルエン溶液を、グラビアコーティングにより、乾燥後の塗工厚さが3μになるように連続的に塗工した。これにより、ポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルムの両面に表面平滑層が形成された連続シート状の積層シートを得た。
次いで、連続シート状の積層シートを、幅方向の両端部を把持グリップで把持して、積層シートの加熱収縮を阻害しない程度の張力を幅方向に付与しながら、フローティング熱風ドライヤを備えた加熱ゾーンに移送した。その際、ドライヤ温度を100℃に設定し、移送速度を加熱ゾーンの内部に1分間滞在する速度とした。加熱ゾーンの内部での加熱により、積層シートの幅を漸次減少させた。これにより、硬質層が、収縮方向に対して直交方向に沿って周期性を有する波状の凹凸パターンを有する連続シート状の凹凸パターン形成シートを得た。得られた凹凸パターン形成シートの幅は加熱前の幅の40%に熱収縮していた(すなわち、収縮率60%)。
次いで、凹凸パターン形成シートの、凹凸パターンが形成されている面に、ロールツーロール型真空蒸着機を用いて、酸化ケイ素を厚さが5nmになるように真空蒸着させて金属含有層を連続的に形成した。
次いで、酸化ケイ素からなる金属含有層の露出面に、ディップコーターを用いてフッ素系離型剤(ハーベス社製、デュラサーフHD−1100)を連続的に塗布し、60℃に設定された熱風ドライヤを通過させた。その後、ディップコーターを用いて、リンス剤(ハーベス社製、デュラサーフHD−ZV)によるリンス処理を連続的に施して、連続シート状の原版シートを得た。
次いで、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、コスモシャインA4300)にバーコーターを用いて紫外線硬化性樹脂組成物(東洋合成工業社製、PAK−01)を厚み10μmになるように均一に塗布して、紫外線硬化性樹脂組成物の塗膜を形成した。
塗膜形成の直後に、紫外線硬化性樹脂組成物の塗膜上に、連続シート状の原版シートの凹凸パターンが形成された面を接触させ、ロールによって押圧した。凹凸パターンの凹部の内部に紫外線硬化性樹脂組成物が充分に入り込んだ後、ポリエチレンテレフタレートフィルムと連続シート状原版シートとが重なり合った状態で、ポリエチレンテレフタレートフィルムを通して紫外線硬化性樹脂組成物に紫外線を照射して、未硬化の紫外線硬化樹脂を硬化させた。そして、得られた紫外線硬化性樹脂の硬化物の層とポリエチレンテレフタレートフィルムとの積層体を、剥離ロールを用いて原版シートから剥離して、連続シート状の凹凸パターン転写シートを得た。
(比較例1)
酸化ケイ素からなる金属含有層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、原版シートを得た。この原版シートを用い、実施例1と同様にして凹凸パターン転写シートを得ようとしたが、紫外線硬化性樹脂の硬化物が原版シートから剥離せず、凹凸パターン転写シートを得ることができなかった。
実施例1〜4及び比較例1にて得た原版シートの最頻ピッチと平均深さ、実施例1〜4にて得た連続シート状凹凸パターン転写シートの最頻ピッチおよび平均深さを以下の方法により測定した。
すなわち、原版シートまたは連続シート状凹凸パターン転写シートの、凹凸パターンが形成された面の画像を、レーザ顕微鏡(キーエンス社製、VK−8500)を用いて作成した。その画像の10箇所にてピッチ及び深さを測定し、その平均値を求めた。求めた結果を表1に示す。
Figure 2011213053
実施例1〜4では、酸化ケイ素の層またはニッケルの層にフッ素系離型剤が反応して固定化されたため、リンス処理でのフッ素系離型剤の流出を防止でき、離型剤層を形成できた。また、離型剤層を設けた実施例1〜4では、凹凸パターン転写シートの凹凸パターン(最頻ピッチ、平均深さ)が原版シートの凹凸パターンとほぼ同様になっており、高い転写性で転写できたことが確認された。
一方、比較例1では、金属含有層を設けなかったため、フッ素系離型剤を固定化できず、リンス処理で殆どのフッ素系離型剤が流出し、離型剤層を形成できなかった。そのため、紫外線硬化性樹脂の硬化物が原版シートから剥離しなかった。
実施例1〜4で得た凹凸パターン転写シートの光拡散性能を、散乱・光源配光特性測定装置(ジェネシア社製、GENESIA Gonio Far Field Profiler)を用いて評価した。
具体的には、凹凸パターン転写シートの、凹凸パターンが形成されていない面から、凹凸パターンが形成されている側の面に光が通るように、直径2mmの光源からの光を、シートに対して垂直な角度から入射させた。その際の、出射光強度の角度分布を測定し、その半値幅を拡散角度とした。また、拡散角度は、凹凸パターン転写シートの幅方向と長手方向の各々について測定した。測定結果を表1に示す。
実施例1〜4の凹凸パターン転写シートは、長手方向に凹凸が配向しているため、長手方向よりも幅方向の拡散角度が大きく、幅方向が主拡散方向となる異方性拡散性を示した。すなわち、実施例1〜4では、光拡散体に適した凹凸パターン転写シートを製造することができた。
10 原版シート
11 基材
12 硬質層
13 金属含有層
14 離型剤層
14a 凹凸パターン
14b 凹部
14c 凸部
20 凹凸パターン転写シート

Claims (5)

  1. 加熱収縮性樹脂フィルムの片面または両面に、表面が平滑な樹脂製の硬質層を形成して、積層シートを得る硬質層形成工程と、
    前記積層シートを加熱収縮させることにより、硬質層を折り畳むように変形させて、硬質層の表面に凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成シートを作製する凹凸パターン形成シート作製工程と、
    前記凹凸パターン形成シートに形成された凹凸パターンの表面に、金属または金属化合物からなる金属含有層を形成する金属含有層形成工程と、
    前記金属含有層の露出面に、フッ素系離型剤を含有する離型剤層を形成する離型剤層形成工程とを有することを特徴とする原版シートの製造方法。
  2. 少なくとも幅方向に加熱収縮する連続フィルム状の加熱収縮性樹脂フィルムの片面または両面に、表面が平滑な樹脂製の硬質層を形成して、連続シート状の積層シートを得る硬質層形成工程と、
    前記連続シート状の積層シートを加熱収縮させることにより、硬質層を折り畳むように変形させて、硬質層の表面に凹凸パターンが形成された連続シート状の凹凸パターン形成シートを作製する凹凸パターン形成シート作製工程と、
    前記連続シート状の凹凸パターン形成シートに形成された凹凸パターンの表面に、金属または金属化合物からなる金属含有層を形成する金属含有層形成工程と、
    前記金属含有層の露出面に、フッ素系離型剤を含有する離型剤層を形成する離型剤層形成工程とを有することを特徴とする原版シートの製造方法。
  3. 前記金属含有層形成工程では、金属含有層の厚さを、前記硬質層表面の凹凸パターンの平均深さの1/50以下にする請求項1または2に記載の原版シートの製造方法。
  4. 前記金属含有層形成工程では、金属含有層を物理気相成長法(PVD)により形成する請求項1〜3のいずれかに記載の原版シートの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の原版シートの製造方法により製造した原版シートの凹凸パターンを、樹脂に転写させる転写工程を有することを特徴とする凹凸パターン転写シートの製造方法。
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