JP2011212879A - 本及び製本方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小部数少頁の上製本を簡易かつ廉価にて製造する。
【解決手段】本文1と、本文の始頁側と終頁側とに接着された見返し2,3と、本文及び見返しを包んだ状態で、表表紙4a及び裏表紙4bが見返しに接着され、背表紙4cが本文1の背に接着された表紙4とからなる本において、本文が印刷された枚葉紙1aの集合体からなり、この枚葉紙の集合体の背がホットメルト接着剤層5によって下固めされ、このホットメルト接着剤層と背表紙とが補強層10,11を介して接合される。
【選択図】図2
【解決手段】本文1と、本文の始頁側と終頁側とに接着された見返し2,3と、本文及び見返しを包んだ状態で、表表紙4a及び裏表紙4bが見返しに接着され、背表紙4cが本文1の背に接着された表紙4とからなる本において、本文が印刷された枚葉紙1aの集合体からなり、この枚葉紙の集合体の背がホットメルト接着剤層5によって下固めされ、このホットメルト接着剤層と背表紙とが補強層10,11を介して接合される。
【選択図】図2
Description
本発明は、上製本等の本及びその製本方法に関する。
従来、上製本等と同様な高級感のある本を簡易かつ廉価に製造する方法が幾つか試みられている。
これには、一枚の見返しの背部を折丁の集積体である本文の背に接着し、この見返しの背部を間にした両側を表表紙と裏表紙に夫々接着した後に、三方断裁する方法(例えば、特許文献1参照。)や、見返しを折丁の集積体からなる本文の両面に各々当てたうえでEVA(Ethylene Vinyl Acetate Copolymer)ホットメルトでそれらの背を仮止めし、三方断裁し、その後EVAホットメルトの付着した近傍で断裁し、この断裁後の背にPUR(Poly Urethane Reactive)ホットメルト接着剤を塗布して表紙でくるむ方法(例えば、特許文献2参照。)がある。
従来の製本方法は、16頁、32頁等多面付け印刷した紙葉を折り畳んでなる折丁を他の折丁と共に重ね合わせ、また、折丁の背は糸綴じ、無線綴じ等によって綴じることによって本文を形成するので、ページ数の多い本の製造には適するが、ページ数の少ない本や、小部数の本の製造にはコストが高くつき、材料ロスも多く、不向きである。また、出来上がった本はその背が脆弱であり、頁が分離しやすいという問題がある。また、出来上がった本の見栄えも良くないという問題もある。
本発明は、上記課題を解決することができる本及び製本方法を提供しようというものである。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
なお、本発明の理解を容易にするため括弧付きの符号を付すが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、請求項1に係る発明は、本文(1)と、本文(1)の始頁側と終頁側とに接着された見返し(2,3)と、上記本文(1)及び見返し(2,3)を包んだ状態で、表表紙(4a)及び裏表紙(4b)が上記見返し(2,3)に接着され、背表紙(4c)が上記本文(1)の背に接着された表紙(4)とからなる本において、上記本文(1)が印刷された枚葉紙(1a)の集合体からなり、この枚葉紙の集合体の背がホットメルト接着剤層(5)によって下固めされ、このホットメルト接着剤層(5)と上記背表紙(4c)とが補強層(10,11)を介して接合された本を採用する。
請求項2に記載されるように、請求項1に記載の本において、上記ホットメルト接着剤は、PURホットメルト接着剤とすることができる。
請求項3に記載されるように、請求項1に記載の本において、上記補強層は、接着剤層又は寒冷紗(10)及び背紙(11)が接着剤層(12)を介して積層された積層体とすることができる。
請求項4に係る発明は、枚葉印刷機で印刷され排出される枚葉紙(1a)を集積して本文(1)とする工程と、この本文(1)の始頁側と終頁側とに、見返し(2,3)を接着する工程と、本文(1)の背にPURホットメルト接着剤層(5)を形成して下固めを行う工程と、本文(1)を表紙(4)で包み、見返し(2,3)と表表紙(4a)及び裏表紙(4b)とを接着し、本文(1)の背と背表紙(4c)とを補強層(10,11)を介して接合する工程とを包含してなる製本方法を採用する。
請求項5に記載されるように、請求項4に記載の製本方法において、上記ホットメルト接着剤をPURホットメルト接着剤とすることができる。
請求項6に記載されるように、請求項4に記載の製本方法において、上記補強層として、接着剤層又は寒冷紗(10)及び背紙(11)が接着剤(12)を介して積層された積層体とすることができる。
本発明によれば、本文(1)と、本文(1)の始頁側と終頁側とに接着された見返し(2,3)と、上記本文(1)及び見返し(2,3)を包んだ状態で、表表紙(4a)及び裏表紙(4b)が上記見返し(2,3)に接着され、背表紙(4c)が上記本文(1)の背に接着された表紙(4)とからなる本において、上記本文(1)が印刷された枚葉紙(1a)の集合体からなり、この枚葉紙(1a)の集合体の背がホットメルト接着剤層(5)によって下固めされ、このホットメルト接着剤層(5)と上記背表紙(4c)とが補強層(10,11)を介して接合された本であるから、少頁数の本であったり、少部数の本であったりしても、簡易かつ廉価にて製造することができ、しかも、容易に頁が分離しない強度を付与することができ、さらに、上製本等と同様な見栄えの良さを付与することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
<実施の形態1>
図1及び図2に示すように、この本は、本文1の始頁側と終頁側とに、二つ折りされた見返し2,3が接着され、本文1及び見返し2,3が表紙4により包まれ、見返し2,3と表紙4における表表紙4a及び裏表紙4bとが接着され、本文1の背と背表紙4cとが接着されることにより構成される。
図1及び図2に示すように、この本は、本文1の始頁側と終頁側とに、二つ折りされた見返し2,3が接着され、本文1及び見返し2,3が表紙4により包まれ、見返し2,3と表紙4における表表紙4a及び裏表紙4bとが接着され、本文1の背と背表紙4cとが接着されることにより構成される。
上記本文1は、図示しない枚葉印刷機で印刷され、そのデリバリ部に棒積み状態で排出された枚葉紙1aの集合体からなる。この枚葉紙1aの集合体の背がPUR(Poly Urethane Reactive)ホットメルト接着剤からなる接着剤層5によって下固めされることによって本文1が形成される。
枚葉印刷機としては、デジタルプリンタを用いることが可能である。インクジェット印刷、静電印刷等その印刷方式の種類の如何は問わない。
この枚葉印刷機で印刷される枚葉紙1aのサイズは本の判のサイズと同程度であるのが望ましい。たとえば、JISのA列4番、B列5番等である。このようなサイズの枚葉紙1aが枚葉印刷機で印刷されて排出され、棒積みすなわち集合体として積み重ねられる。そして、本の背に相当する箇所が垂直面状に揃えられる。
この本文1の背となる垂直面にホットメルト接着剤の一種であるPURホットメルト接着剤が塗布され、これにより本文の背が固められ、枚葉紙1aが本文1から分離しないように一体化される。PURホットメルト接着剤は、ポリウレタン系反応型ホットメルト接着剤である。この接着剤が下固めに用いられることから、本の強度が高められ、本を繰り返し開閉しても背に亀裂が入り難くなり、頁が分離し難くなる。
なお、本文1の背には、あらかじめ多数の細かい切り込みを形成するなど、PURホットメルト接着剤が本文1の各枚葉紙1aの背に含浸しやすくするための処理をしておくことも可能である。
見返し2は、本文1を構成する枚葉紙1aの略倍サイズの用紙が二つ折りされることにより形成され、一冊の本の表裏に接着するものとして一対用意される。図2に示すように、この見返し2,3の折り目の近傍が、本文1の始頁側と終頁側とに各々接着剤層6,7を介し接着される。この接着剤としては、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤等のエマルジョン接着剤や、水糊等を使用することができる。
上記本文1が表紙4によって包まれると同時に、上記見返し2,3と表表紙4a及び裏表紙4bとが接着剤層8,9を介して接着され、本文1の背と背表紙4cとが後述する補強層を介して接着される。
見返し2,3と表紙4とを接着する接着剤としては、上記本文1と見返し2,3との接着に用いられたものと同様な水糊等を用いることができる。
表紙4としては、その表表紙4a、背表紙4c、裏表紙4bが、図示しないボール紙等の腰のある腰部材で補強された上製本用の表紙が用いられる。この表紙4の表表紙4a及び裏表紙4bにおける腰部材の内面が、見返し2,3に対して上記エマルジョン接着剤等の接着剤層8,9により接着される。この接着剤は、望ましくは表表紙4a及び裏表紙4bに対向する見返し2,3の全面にベタ塗りされる。
本文1の背と背表紙4cとの間には、図2に示すように、寒冷紗10及び背紙11が上記エマルジョン接着剤と同様な接着剤からなる接着剤層12を介して積層された積層体からなる補強層が介在する。この補強層がエマルジョン接着剤等の他の接着剤層13,14を介して、本文1の背と背表紙4cとに接着される。
寒冷紗10の天地方向に伸びる両側は、表紙1の溝1bの内側に接着される。これにより、本1の背の強度が高められる。
背紙11は上記接着剤層12を介して上記寒冷紗10の上に貼着され、また、上記接着剤層14を介して背表紙4cの腰部材に貼着される。背紙11としては、一枚の紙に限らず、複数枚の同種の紙を積層して用いても良いし、クラフト紙とボール紙のごとく異種の紙を積層して用いてもよい。
なお、図示しないが、背紙11の上下端には、本の背の上下端を装飾する花布(はなぎれ)を貼着してもよい。
また、上記補強層は、寒冷紗10等の積層体に限らず、エマルジョン接着剤等の接着剤層であってもよい。
さらに、本文1の背には、丸身出し、耳出し等を行ってもよい。
次に、上記本を製造するための製本方法について図3のフローチャートに従って説明する。
(1)まず、デジタルプリンタ等の枚葉印刷機によって、所定の版サイズの枚葉紙1aに所望の内容が印刷され、枚葉状態のままでデリバリ部に排出される(ステップS1)。
(2)印刷された枚葉紙1aは、枚葉印刷機のデリバリ部に棒積み状態で集積される(ステップS2)。
必要に応じて、他の棒積み状態で集積された他の枚葉紙1aの集合体と重ね合わせて本文1とする。
この枚葉紙1aの集合体からなる本文1の背が、垂直面を形成するように整えられる。
(3)本文1の背となる垂直面にPURホットメルト接着剤が塗布され、接着剤層5が形成される(ステップS3)。このPURホットメルト接着剤層5によって、本文1の下固めが行われ、重ねられた多数の枚葉紙1a同士が本文1として一体化される。
なお、このPURホットメルト接着剤を塗布する前に、本文1の背の垂直面に多数の細かい切り込み等を形成し、PURホットメルト接着剤が枚葉紙1aの繊維内に含浸しやすいように処理しておくことができる。
その後、本文1が静置される。これにより本文1の背に塗布形成されたPURホットメルト接着剤層5が乾燥する。
(4)本文1の始頁側と終頁側とに、二つ折りされた見返し2,3が、例えばエマルジョン接着剤よりなる接着剤層6,7を介して接着される(ステップS4)。
なお、このステップS4と上記ステップS3は順序を入れ替えることも可能である。
(5)見返し2,3が接着された本文1は、そのPURホットメルト接着剤が塗布された背を除き、天、地及び小口の三方が断裁され、整えられる(ステップS5)。
(6)断裁された本文1の背に対し、必要に応じて丸身出しが行われ、本文1の背の垂直面が湾曲面とされる(ステップS6)。
(7)断裁された本文1の背に対し必要に応じて耳出しが行われ、本文1の背の両側に凸条が形成される。耳出しにより、本文1の背が固く締められて型崩れし難くなり、小口側にせり出し難くなり、頁を開きやすくなる(ステップS7)。
(8)エマルジョン接着剤等が本文1の背に塗布されることにより、PURホットメルト接着剤よりなる接着剤層5の上に他の接着剤層13が形成される(ステップS8)。
(9)ステップS8で形成された接着剤層13によって寒冷紗10が本文1の背に貼着される(ステップS9)。
(10)エマルジョン接着剤等が本文1の背に塗布されることによってステップS9で貼着された寒冷紗10の上にさらに他の接着剤層12が形成される(ステップS10)。
(11)ステップS10で形成された接着剤層12によって、背紙11が本文1の背に貼着される(ステップS11)。
必要に応じてステップS10とステップS11が繰り返され、他の背紙が本文1の背に貼着される。
(12)また、背紙11の貼着と同時期に、図示しない花布が本文1の背における天地側の端縁に貼着される。この花布の貼着には、例えばステップS10で形成された接着剤層12が利用される。この花布によって、枚葉紙1aとPURホットメルト接着剤層5との境目が本の天地において隠蔽される(ステップS12)。
上記ステップ9からステップ12までの工程によって、本の背固めが行われる。
(13)本文1に貼着された見返し2,3における本文1外に露出した全面に、エマルジョン接着剤等が塗布され、接着剤層8,9が形成される(ステップS13)。
また、本文1の背における背紙11の表面にもエマルジョン接着剤等が塗布され、接着剤層14が形成される。
(14)表紙4が別途用意され、この表紙4で本文1が包まれると同時に、表表紙4a及び裏表紙4bが本文1側に接着された見返し2,3に貼着され、背表紙4cが本文1の背に背紙11及び花布の上から貼着される(ステップS14)。
(15)その後、背表紙4c側からイチョウプレスが数回繰り返され、銀杏型が本の背に付与される。これにより、本が上製本として完成する。
<実施の形態2>
図4に示すように、この実施の形態2に係る本では、実施の形態1の場合における見返し2,3と異なり、一枚の紙葉からなる見返し2が用いられている。
図4に示すように、この実施の形態2に係る本では、実施の形態1の場合における見返し2,3と異なり、一枚の紙葉からなる見返し2が用いられている。
すなわち、一枚の紙葉が表紙4の表表紙4a、背表紙4c、裏表紙4bに渡って延びることにより見返し2が形成される。そして、見返し2の背はエマルジョン接着剤等よりなる接着剤層13aによってPURホットメルト接着剤よりなる接着剤層5に接着され、また、エマルジョン接着剤等よりなる接着剤層13bによって寒冷紗10に接着される。
この場合、見返し2の背がPURホットメルト接着剤層5と背表紙4cとの間で補強層として機能する。
その他、実施の形態2において、実施の形態1と同じ部分には同じ符号を用いて示し、重複した説明を省略する。
<実施の形態3>
図5に示すように、この実施の形態3に係る本では、実施の形態1の場合における見返し2,3が各々本文1の枚葉紙と略同じ大きさの紙葉紙で形成される。そして、見返し2,3が、表紙4の表表紙4aと裏表紙4b及び本文1の始頁と終頁に各々接着される。
図5に示すように、この実施の形態3に係る本では、実施の形態1の場合における見返し2,3が各々本文1の枚葉紙と略同じ大きさの紙葉紙で形成される。そして、見返し2,3が、表紙4の表表紙4aと裏表紙4b及び本文1の始頁と終頁に各々接着される。
その他、実施の形態3において、実施の形態1と同じ部分には同じ符号を用いて示し、重複した説明を省略する。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
1…本文
1a…枚葉紙
2,3…見返し
4…表紙
4a…表表紙
4b…裏表紙
4c…背表紙
5…PURホットメルト接着剤層
10…寒冷紗
11…背紙
12…接着剤層
1a…枚葉紙
2,3…見返し
4…表紙
4a…表表紙
4b…裏表紙
4c…背表紙
5…PURホットメルト接着剤層
10…寒冷紗
11…背紙
12…接着剤層
Claims (6)
- 本文と、本文の始頁側と終頁側とに接着された見返しと、上記本文及び見返しを包んだ状態で、表表紙及び裏表紙が上記見返しに接着され、背表紙が上記本文の背に接着された表紙とからなる本において、上記本文が印刷された枚葉紙の集合体からなり、この枚葉紙の集合体の背がホットメルト接着剤層によって下固めされ、このホットメルト接着剤層と上記背表紙とが補強層を介して接合されたことを特徴とする本。
- 請求項1に記載の本において、上記ホットメルト接着剤が、PURホットメルト接着剤であることを特徴とする本。
- 請求項1に記載の本において、上記補強層が、接着剤層又は寒冷紗及び背紙が接着剤層を介して積層された積層体であることを特徴とする本。
- 枚葉印刷機で印刷され排出される枚葉紙を集積して本文とする工程と、この本文の始頁側と終頁側とに、見返しを接着する工程と、本文の背にホットメルト接着剤層を形成して下固めを行う工程と、本文を表紙で包み、見返しと表表紙及び裏表紙とを接着し、本文の背と背表紙とを補強層を介して接合する工程とを包含してなることを特徴とする製本方法。
- 請求項4に記載の製本方法において、上記ホットメルト接着剤をPURホットメルト接着剤とすることを特徴とする製本方法。
- 請求項4に記載の製本方法において、上記補強層を、接着剤層又は寒冷紗及び背紙が接着剤を介して積層された積層体とすることを特徴とする製本方法。
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---|---|---|---|
JP2010081103A JP2011212879A (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | 本及び製本方法 |
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WO2017073543A1 (ja) * | 2015-10-26 | 2017-05-04 | 有限会社 みさとみらい21 | ノートブックおよびその製造方法 |
KR200487051Y1 (ko) * | 2017-04-28 | 2018-07-30 | 주)제이아이씨 | 책 제본 구조 |
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JP2017080952A (ja) * | 2015-10-26 | 2017-05-18 | 有限会社 みさとみらい21 | ノートブックおよびその製造方法 |
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