JP2011212132A - 歯列矯正用ワイヤーリテーナー - Google Patents

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Abstract

【課題】広い範囲で歯を拘束して、矯正終了後の歯の状態を確実に確保することができ、かつ、沈み込みが生じず、装着しても目立ちにくい歯列矯正用ワイヤーリテーナーを提供することを目的とする。
【解決手段】歯列10に装着して歯列10の保持を行う歯列保持用ワイヤーリテーナーである。裏面対応部11と表面対応部12と、表面対応部12と裏面対応部11とを連結して、奥側の大臼歯52に巻回される連結部13とを有するリテーナー本体2と、リテーナー本体2から延びて、歯列10の奥側の大臼歯52の咬合面に、表面側から係止してリテーナー本体2の沈み込みを防止するとともに、リテーナー本体2の表面対応部12の歯頚部側への移動を防止する防止材17とを備える。リテーナー本体2の裏面対応部11及び連結部13と、防止材17とは断面円形のワイヤー材とする。表面対応部12を、無色透明のプラスチック材から構成し、表面対応部12の両端部に、連結部13の端部を埋設状として連結した。
【選択図】図1

Description

本発明は歯列矯正用ワイヤーリテーナーに関するものであり、さらに詳しくは、歯列の矯正治療を施した後、歯列が固まるまでの期間、歯列に装着する歯列矯正用ワイヤーリテーナーに関するものである。
歯列の矯正治療を施して歯を動かした後、歯列(歯の周りの骨)は固まっておらず、不安定な状態である。このため、歯列矯正治療後そのまま放置すると、いわゆる「逆戻り(リラップス)」現象のために、歯列が矯正前の状態に戻ってしまう。この逆戻りを防止するため、歯列に歯列矯正用リテーナーを装着して、歯のある程度の自由な揺れを許容しながら矯正治療後(移動後)の歯をその位置に維持する必要がある。この歯列矯正用リテーナーを長期間使用することにより、歯列が矯正後の状態に固定される。
歯列矯正用リテーナーとしては、例えば図8のようなものがある(特許文献1)。すなわち、歯列50の前面に沿って配設されるメタルワイヤー51が、その末端で歯列50の背面へ延びる延長部分52を有するように作られており、この延長部分52はポリエポキシ化合物などの合成樹脂製のベース53で強固に固定され、口蓋に合致するようになっている。この歯列矯正用のリテーナーは、いわゆるホーレータイプのものである。
しかしながら、図8に示す従来のリテーナーでは、口蓋内に比較的厚みのある合成樹脂製のベース53が存在する。このため、装着中、口の中に異物感があるだけでなく、ベース53が舌の動きを邪魔して会話がし難いという欠点がある。さらに、ベース53が口蓋内に存在するために、食事中は使用し難いので、食事前に取り外すことが多い。このような理由で、歯列矯正用リテーナーを連続して装着することができず、歯を安定して固定できないという問題がある。
そこで、前記のような問題を解決するために、図9に示す歯列矯正用ワイヤーリテーナーが提案されている(特許文献2)。この歯列矯正用ワイヤーリテーナーは、歯列50の背面に沿って配設される第1の金属線61と、歯列50の前面に沿って配設される第2の金属線62が、犬歯20と小臼歯30との間、あるいは、小臼歯(前臼歯)30と大臼歯(臼歯)40との間に嵌り込む第3の金属線63に熔着され、歯列を弾性的に挟持する環状ブリッジ64を形成して、環状ブリッジ64によって歯列50を挟持している。また、第1の金属線61から歯の咬合面に沿って延びる補強材65を設けている。これにより、ワイヤーのみで歯列矯正用リテーナーを構成することができ、合成樹脂製のベース53を省略することができるため、図9に示す従来の歯列矯正用ワイヤーリテーナーに比較して、使用中の異物感が少なく、会話の障害になることが少ない。また、食事前に取り外す必要もなく、連続使用が可能であるという利点を有する。
米国特許第4,725,230号 実公平1−33052号公報
しかしながら、図9の歯列矯正用のワイヤーリテーナーは、歯列の全周を包囲する、いわゆるラップアラウンドタイプのものではないため、狭い範囲で歯を強固に固定する。このため、歯のある程度の自由な揺れを許容することができず、歯を自由に動かすことができなかった。また、補強材65は、内側から咬合面に沿って配設されている。
また、ワイヤー状の歯列矯正装置を装着すると装置が目立つため、使用者は人目が気になって会話をする際等において心理的負担となる。このため、歯列矯正装置を常時装着することが使用者にとって抵抗となる場合が多く、歯列が固まるまでの期間に歯列矯正装置の装着を怠ることにより、逆戻りが生じてしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みて、広い範囲で歯を拘束して、矯正終了後の歯の状態を確実に確保することができ、かつ、沈み込みが生じず、装着しても目立ちにくい歯列矯正用ワイヤーリテーナーを提供することを目的とする。
本発明の歯列矯正用ワイヤーリテーナーは、矯正治療後の上側歯列に装着して、上側歯列の保持を行う歯列保持用ワイヤーリテーナーであって、上側歯列の裏面に対応する裏面対応部と、上側歯列の表面に対応する表面対応部と、前記表面対応部と裏面対応部とを連結して、奥側の大臼歯に巻回される連結部とを有し、上側歯列の全周を包囲するリテーナー本体と、前記リテーナー本体から延びて、上側歯列の奥側の大臼歯の咬合面に、表面側から係止してリテーナー本体の沈み込みを防止するとともに、リテーナー本体の表面対応部の歯頚部側への移動を防止する防止材とを備え、前記リテーナー本体の裏面対応部及び連結部と、防止材とは断面円形のワイヤー材とし、前記表面対応部を、歯列の表面と面接触する無色透明のプラスチック材から構成し、前記表面対応部の両端部に、前記連結部の端部を埋設状として連結したものである。
また、矯正治療後の下側歯列に装着して、下側歯列の保持を行う歯列保持用ワイヤーリテーナーであって、下側歯列の裏面に対応する裏面対応部と、下側歯列の表面に対応する表面対応部と、前記表面対応部と裏面対応部とを連結して、奥側の大臼歯に巻回される連結部とを有し、下側歯列の全周を包囲するリテーナー本体と、前記リテーナー本体から延びて、上側歯列の奥側の大臼歯の咬合面に、表面側から係止してリテーナー本体の沈み込みを防止するとともに、リテーナー本体の表面対応部の歯頚部側への移動を防止する防止材とを備え、前記リテーナー本体の裏面対応部及び連結部と、防止材とは断面円形のワイヤー材とし、前記表面対応部を、歯列の表面と面接触する無色透明のプラスチック材から構成し、前記表面対応部の両端部に、前記連結部の端部を埋設状として連結したものである。
本発明の歯列矯正用ワイヤーリテーナーは、歯列の全周を包囲する、いわゆるラップアラウンドタイプのリテーナーにおいて、合成樹脂製のベースを省略でき、しかも、開口時に外部から見え易い表面対応部は無色透明としているため、目立たない。表面対応部は、歯面と面接触してトルクの維持に優れる。しかも、防止材を設け、この防止材は奥側の大臼歯の咬合面に、表面側から係止するようにしている。ラップアラウンドタイプのリテーナーは、表面対応部が支点(奥側の大臼歯に対応する部位)から遠いために、表面対応部が歯頚部側に移動しやすく、しかも、沈み込みが生じやすい。このため、表面対応部が歯頚部側に移動するのを防止するために、歯の表面側から防止材を設けるとともに、リテーナー本体の沈み込みを防止するために、歯の裏面側から防止材を設ける必要があり、少なくとも2つ以上の防止材が必要となる。しかし、本発明では、奥側の大臼歯の咬合面に、表面側から防止材を設けることにより、1つの防止材で、表面対応部の歯頚部側への移動防止と、リテーナー本体の沈み込み防止との2つの機能を達成することができる。
一対の連結部の奥側の大臼歯対応部位間寸法が口蓋に沿った方向に最短となる位置において、装着時に硬口蓋の後縁又はその近傍に配設される連結部材を備えることができる。通常、連結部材は内側の大臼歯(第1大臼歯)に対応する部位を連結していたため、発音、咀嚼、嚥下等の障害となっていた。このため、使用者はリテーナーの装着に負担を感じ、使用することができなかった。しかし、本発明では、連結部材は、硬口蓋の後縁又はその近傍に配設されることとなって、発音、咀嚼、嚥下等において負担が軽減される。しかも、不使用時は、連結部材が装置の補強部となるため、リテーナーを頑丈なものとできる。
前記防止材は、リテーナー本体から延びる延設部と、延設部から延びて歯列の咬合面に係止する係止部とを備え、この係止部を相手側の歯列の咬合面と非接触状となるように配置することができる。
前記リテーナー本体の連結部及び裏面対応部は、複数のワイヤー材の先端部同士が接合されたものからなり、ワイヤー材の接合箇所は、3本のワイヤー材を夫々が接するように平行に配設して、3本のワイヤー材の当接部位をレーザ加工することができる。従来では、2本のワイヤー材を接合すると、当接部位の金属のひきつけ合いが生じ、その結果、犬歯からワイヤーが浮いたり、臼歯が口蓋側に引張られたりする問題があった。このため、3本のワイヤー材を接合することにより各ワイヤーがろう材として作用し、金属のひきつけ合いを防止することができる。
前記裏面対応部の全部又は一部に、裏面対応部に沿って設けられるサポート材を設けることができる。
前記連結部の奥側の大臼歯の表面に対応する部位に、連結部よりも歯頚部側で奥側から手前側に向かって延びる固定材を設けることができる。この場合、前記固定材の先端部に、歯列側に突出する突起部を設けるこができる。
本発明の歯列矯正用ワイヤーリテーナーは、ラップアラウンドタイプのリテーナーの合成樹脂性のベースを省略しているため、広い範囲で歯を拘束して、矯正終了後の歯の状態を確実に確保することができる。また、合成樹脂性のベースが無く、装着時の違和感が抑えられ、しかも開口時に目立たないため、使用者の歯列矯正装置の装着に対する抵抗が緩和されて連続して装着しやすいものとなる。これにより、歯を矯正後の位置に安定して保持することができ、後戻りを防止することができる。また、表面対応部は歯面と面接触してトルクの維持に優れたものとなり、長期にわたって安定した保持機能を発揮することができる。本発明では、奥側の大臼歯の咬合面の表面側から防止材を設けることにより、1つの防止材で、表面対応部の歯頚部側への移動防止と、リテーナー本体の沈み込み防止との2つの機能を達成することができる。すなわち、1つの防止材で両方の機能を発揮することができ、複数必要とすべき防止材が1つで足りることになる。これにより、食事の際における引っ掛かりが最小となって、食事時でも快適に使用することができる。
上側歯列用の歯列矯正用ワイヤーリテーナーに、一対の連結部の奥側の大臼歯対応部位を連結する連結部材を備えると、リテーナーを装着する心理的負担が大きく、使用できなかったリテーナーに対する心理的負担が軽減されて装着可能なものとなり、後戻りを効果的に防止することができる。しかも、不使用時は、連結部材が装置の補強部となるため、リテーナーを頑丈なものとできて、長期にわたって使用することができる。
係止部を相手側の歯列の咬合面と非接触状となるように配置すると、装着時において噛み合わせたときにも係止部が邪魔にならず、装着時に快適となり、使用者にとって一層装着し易いものとなる。
3本のワイヤー材を接合することにより、当接部位に配置されたワイヤー材がろう材となり、金属のひきつけ合いを防止できるため、犬歯からワイヤーが浮いたり、臼歯が口蓋側に引張られたりするのを防止することができる。これにより、一層安定した保持機能を発揮することができる。
裏面対応部の全部又は一部に、裏面対応部に沿って設けられるサポート材を設けると、安定してワイヤーリテーナーを支持することができる。
前記連結部の奥側の大臼歯の表面に対応する部位に、連結部よりも歯頚部側で奥側から手前側に向かって延びる固定材を設けて、前記固定材の先端部に、歯列側に突出する突起部を設けると、歯の奥側からも強固にワイヤーリテーナーを支持することができる。
本発明の実施形態に係る歯列矯正用ワイヤーリテーナーの透視平面図である。 本発明の実施形態に係る歯列矯正用ワイヤーリテーナーの要部拡大正面図である。 本発明の実施形態に係る歯列矯正用ワイヤーリテーナーの防止材を示す要部拡大正面図である。 本発明の実施形態に係る歯列矯正用ワイヤーリテーナーの固定材を示す要部拡大正面図である。 本発明の実施形態に係る歯列矯正用ワイヤーリテーナーを下側歯列に装着した状態の断面図である。 本発明の実施形態に係る歯列矯正用ワイヤーリテーナーの防止部の接合方法を示す工程図であり、(a)は正面図、(b)(c)は断面図である。 本発明の実施形態に係る歯列矯正用ワイヤーリテーナーの変形例を示す透視平面図である。 従来の歯列矯正用ワイヤーリテーナーの透視斜視図である。 従来の別の歯列矯正用ワイヤーリテーナーの透視斜視図である。
以下、本発明に係る歯列矯正用ワイヤーリテーナーおよびその装着方法の実施形態につ
いて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る一対の歯列矯正用ワイヤーリテーナーの透視斜視図を示す。すなわち、図1は、上側歯列10aの矯正を行って被矯正歯を移動させた後に装着して上側歯列10aの保持を行う上側歯列矯正用ワイヤーリテーナー1aと、下側歯列10bの矯正を行って被矯正歯を移動させた後に装着して下側歯列10bの保持を行う下側歯列矯正用ワイヤーリテーナー1bを示すものである。本発明のリテーナーは、歯列の全周を包囲する、いわゆるラップアラウンドタイプのリテーナーである。
上側歯列矯正用ワイヤーリテーナー1aは、上側歯列10aの全周を包囲するリテーナー本体2aと、リテーナー本体2aから延びる防止材(レスト)17aと、リテーナー本体2aを連結する連結部材14と、第2大臼歯52aに対応する部位に、リテーナーの安定性を高めるための枝分かれ部分である固定材(クラスプ)27a(図3参照)を備えている。
リテーナー本体2aは、上側歯列10aの裏面(舌側)25aに沿って配設される裏面対応部11aと、上側歯列10aの表面26aに沿って配設される表面対応部12aと、これら裏面対応部11aおよび表面対応部12aに連結され、両側の第2大臼歯52aに巻回されてなる連結部13aとを備えている。本実施形態では、裏面対応部11aは、切歯20a、犬歯30a、第1小臼歯41aの裏面を覆い、連結部13aは、第2小臼歯42a、第1大臼歯51a、第2大臼歯52aを覆う。裏面対応部11aと連結部13aとは、例えば、ステンレス、コバルトクロム合金および金の中から選択された材質からなる断面円形のワイヤー材にて構成されており、複数本のワイヤー材の先端部をレーザソルダリング及び金ろう(14K)によるろう付けにて固着一体化することによって接合されたものである。連結部13aには、図2に示すように、歯頚部に向かって湾曲する湾曲部15aが設けられている。
表面対応部12aは無色透明のプラスチック材にて構成されており、切歯20a、犬歯30a、第1小臼歯41aの前面を覆う。この表面対応部12aは、裏面対応部11a及び連結部13aよりも歯面に沿った方向に幅が大きい。本実施形態では、表面対応部12aの寸法を3mmとしている。そして、図2に示すように、表面対応部12aの両端には孔部18aが設けられており、この孔部18aに連結部13aを挿入して表面対応部12aと連結部13aとが連結される。連結部13aの先端部には扁平部19aを有しており、この扁平部19aが、孔部18aからの抜けを防止するストッパーとなっている。
防止材(レスト)17aは、本実施形態では、図1に示すように夫々の第2大臼歯52aに対応する位置に1本ずつ設けられている。防止材17は、図3に示すように、連結部13aから、第2大臼歯52aに沿って下側に延びる延設部31aと、延設部31aから延びて歯の咬合面の一部に係止する係止部32aとを備えている。
連結部材(パラタルバー)14は、一対の連結部13a、13aの奥側の大臼歯(第2大臼歯52a、52a)対応部位を、口蓋に沿った方向に最短距離をなすように連結したワイヤー材である。リテーナーを装着すると、連結部材14は、硬口蓋の後縁にソフトに当接するか、あるいは硬口蓋の後縁近傍、すなわち硬口蓋から僅かに隙間が形成される位置に配設されることとなる。このため、使用者は、発音、咀嚼、嚥下等において負担を感じることがない。しかも、不使用時は、装置の補強部となるため、リテーナーを頑丈なものとできる。
固定材27aは、図3に示すように、連結部13aの第2大臼歯52aの表面に対応する部位に、連結部13aよりも歯頚部側で、かつ奥側から手前側に向かって延びる。この固定材27aは、歯列側と反対側に凸状となるように湾曲しており、第2大臼歯52aの表面に沿うものとなっている。固定材27aの先端部には、歯列側に突出する突起部(図4の28bに相当するもの)が設けられている。
下側歯列矯正用ワイヤーリテーナー1bは、下側歯列10aの全周を包囲するリテーナー本体2bと、リテーナー本体2bから延びる防止材(レスト)17bと、図示省略のクラスプを備えている。
リテーナー本体2bは、下側歯列10bの裏面(舌側)25bに沿って配設される裏面対応部11bと、下側歯列10bの表面26bに沿って配設される表面対応部12bと、これら裏面対応部11bおよび表面対応部12bに連結され、両側の第2大臼歯52bに巻回されてなる連結部13bとを備えている。本実施形態では、裏面対応部11bは、切歯20b、犬歯30b、第1小臼歯41bの裏面を覆い、連結部13bは、第2小臼歯42b、第1大臼歯51b、第2大臼歯52bを覆う。裏面対応部11bと連結部13bとは、例えば、ステンレス、コバルトクロム合金および金の中から選択された材質からなる断面円形のワイヤー材にて構成されており、複数本のワイヤー材をレーザソルダリング及び金ろう(14K)によるろう付けにて固着一体化することによって形成している。連結部13bには、図2に示すように、歯頚部に向かって湾曲する湾曲部15bが設けられている。また、図1に示すように、裏面対応部11bよりも咬合面側に、下側歯列10bの裏面25bに沿って配設される補強部16を設けている。これにより、図5に示すように、裏面対応部11bと補強部16とで協働して下側歯列10bを2箇所で支持することができる。
表面対応部12bは無色透明のプラスチック材にて構成されており、切歯20b、犬歯30b、第1小臼歯41bの前面を覆う。この表面対応部12bは、裏面対応部11b及び連結部13bよりも歯面に沿った方向に幅が大きい。本実施形態では、表面対応部12bの寸法を3mmとしている。そして、図2に示すように、表面対応部12bの両端には孔部18bが設けられており、この孔部18bに連結部13bを挿入して表面対応部12bと連結部13bとが連結される。連結部13bの先端部には扁平部19bを有しており、この扁平部19bが、孔部18bからの抜けを防止するストッパーとなっている。
下側歯列矯正用ワイヤーリテーナー1bにも、夫々の第2大臼歯52bに対応する位置に1本ずつ設けている。すなわち、防止材17bは、図2に示すように、連結部13bから、第2大臼歯52bに沿って上側に延びる延設部31bと、延設部31bから延びて歯の咬合面の一部に係止する係止部32bとを備えている。
次に、本発明の歯列矯正用ワイヤーリテーナーの製造方法について説明する。まず、裏面対応部11a、11b、連結部13a、13b、防止材17a、17bを構成するためのワイヤー材(連結部構成体61及び裏面対応部構成体60)を準備する。そして、図6(a)及び図6(b)のように、2本のワイヤー材(連結部構成体61)が接するように平行に配設する。その後、図6(c)に示すように、2本の連結部構成体61にさらに接するようにして、連結部構成体61よりも細いワイヤー材62を配置する。そして、3本のワイヤー材の当接部位63をレーザ加工(レーザソルダリング)して、3本のワイヤーを同時に接合する。このとき、細いワイヤー材62がろう材として作用し、連結部構成体61の金属のひきつけ合いを防止することができる。その後、表面を研磨して金ろう(14K)によるコーティングを行っている。これにより、リテーナーの審美性を向上させるとともに、より強固なものとできる。このようにして、裏面対応部11a、11b、連結部13a、13bを構成し、連結部13a、13bの先端部を、表面対応部12a、12bの孔部18a、18bに挿入することにより、裏面対応部11a、11b、表面対応部12a、12b、及び連結部13a、13bを連結する。
本発明の歯列矯正用ワイヤーリテーナーを歯列10a、10bに装着する場合について説明する。本発明の構成のワイヤーリテーナーをそのまま装着しても、裏面対応部11a、11b、表面対応部12a、12b、連結部13a、13bの弾性力によって、十分強固に装着可能であるが、沈み込みを防止するため、次のように使用するのが好ましい。
前記のようにして装着された歯列矯正用ワイヤーリテーナーは、裏面対応部11a、11b、表面対応部12a、12b、連結部13a、13bが協働して、歯列10a、10bを前後及び左右から弾力性によって挟持し、歯列10a、10bの全体を被覆する。この場合、第2大臼歯52aの咬合面に、表面側から防止材17aを設けているので、1つの防止材17aで、表面対応部12aの歯頚部側への移動防止と、リテーナー本体の沈み込み防止との両方の機能を達成することができる。
このように、本発明の歯列矯正用ワイヤーリテーナーは、ラップアラウンドタイプのリテーナーの合成樹脂性のベースを省略しているため、広い範囲で歯を拘束して、矯正終了後の歯の状態を確実に確保することができる。また、合成樹脂性のベースが無く、装着時の違和感が抑えられ、しかも開口時に外部から見え易い表面対応部12a、12bは無色透明としているため、目立たない。これにより、使用者の歯列矯正装置の装着に対する抵抗が緩和されて連続して装着しやすいものとなり、歯を矯正後の位置に安定して保持することができ、後戻りを防止することができる。しかも、表面対応部12a、12bは、歯面と面接触してトルクの維持に優れたものとなり、防止材17a、17bにてリテーナー本体2a、2bを咬合面側からも固定することができる。これにより、リテーナー本体2a、2bの沈み込みを効果的に防止することができ、長期にわたって安定した保持機能を発揮することができる。この場合、本発明では、第2大臼歯52a、52bの咬合面の表面側から防止材17a、17bを設けることにより、1つの防止材17a、17bで、表面対応部12a、12bの歯頚部側への移動防止と、リテーナー本体2a、2bの沈み込み防止との2つの機能を達成することができる。すなわち、1つの防止材17a、17bで両方の機能を発揮することができ、複数必要とすべき防止材が1つで足りることになる。これにより、食事の際における引っ掛かりが最小となって、食事時でも快適に使用することができる。
上側歯列用の歯列矯正用ワイヤーリテーナーは、装着時に口蓋に密着する連結部材14を備えているので、連結部材14が硬口蓋の後縁又はその近傍に配設される。これにより、第1大臼歯51a、51bに対応する部位を連結する従来のリテーナーと比較して、発音、咀嚼、嚥下等における障害が軽減される。従って、装着する心理的負担が大きく、使用できなかったリテーナーに対する心理的負担が軽減されて装着可能なものとなり、後戻りを効果的に防止することができる。しかも、不使用時は、連結部材14が装置の補強部となるため、リテーナーを頑丈なものとできて、長期にわたって使用することができる。
係止部32を相手側の歯列の咬合面と非接触状となるように配置すると、装着時において噛み合わせたときにも係止部32が邪魔にならず、装着時に快適となり、使用者にとって一層装着し易いものとなる。
3本のワイヤー材を接合しているので、当接部位63に配置されたワイヤー材がろう材となり、金属のひきつけ合いを防止することができる。これにより、犬歯からワイヤーが浮いたり、臼歯が口蓋側に引張られたりするのを防止することができ、一層安定した保持機能を発揮することができる。
本発明のワイヤーリテーナーにおいては、図7に示すようなサポート材15を設けても良い。この場合、連結部材14を有しないタイプのワイヤーリテーナーにサポート材15を設けるのが好ましいが、連結部材14とサポート材15との両方を設けてもよい。このサポート材15は、一方の犬歯30aから他方の犬歯30aまでに対応する裏面対応部11aにサポート材15aを設けている。これにより、裏面対応部11aとサポート材15との協働作用で、歯列を2点で支持することができて、安定してワイヤーリテーナーを支持することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば被矯正歯が上側歯列10aのみであれば、上側歯列10aのみに本発明に係るリテーナーを用いたり、被矯正歯が下側歯列10bのみであれば、下側歯列10bのみに本発明に係るリテーナーを用いたりしてもよい。また、裏面対応部11および連結部13の材質は、同一にすることが望ましいが、同一の場合に限られるものではなく、それぞれが異なっていてもよい。また、防止材17の位置や数は実施形態の位置に限られることなく、任意に設定することができる。ワイヤーの直径寸法や、プラスチック材の寸法も実施形態に限られず、種々設定することができる。表面対応部12は、透明と不透明との中間である半透明であってもよい。ワイヤー材の接合方法としては、レーザ加工を行うことなく、ろう付けのみで接合してもよい。本発明のワイヤーリテーナーの製造は、ワイヤーをベンディングしたり、CAD、鋳造等種々の方法により製造することができる。
2 リテーナー本体
10 歯列
11 裏面対応部
12 表面対応部
13 連結部
14 連結部材
17 防止材
25 裏面
26 表面
27 固定材
28 突起部
31 延設部
32 係止部
52 大臼歯
63 当接部位

Claims (8)

  1. 矯正治療後の上側歯列に装着して、上側歯列の保持を行う歯列保持用ワイヤーリテーナーであって、
    上側歯列の裏面に対応する裏面対応部と、上側歯列の表面に対応する表面対応部と、前記表面対応部と裏面対応部とを連結して、奥側の大臼歯に巻回される連結部とを有し、上側歯列の全周を包囲するリテーナー本体と、
    前記リテーナー本体から延びて、上側歯列の奥側の大臼歯の咬合面に、表面側から係止してリテーナー本体の沈み込みを防止するとともに、リテーナー本体の表面対応部の歯頚部側への移動を防止する防止材とを備え、
    前記リテーナー本体の裏面対応部及び連結部と、防止材とは断面円形のワイヤー材とし、
    前記表面対応部を、歯列の表面と面接触する無色透明のプラスチック材から構成し、前記表面対応部の両端部に、前記連結部の端部を埋設状として連結したことを特徴とする歯列矯正用ワイヤーリテーナー。
  2. 矯正治療後の下側歯列に装着して、下側歯列の保持を行う歯列保持用ワイヤーリテーナーであって、
    下側歯列の裏面に対応する裏面対応部と、下側歯列の表面に対応する表面対応部と、前記表面対応部と裏面対応部とを連結して、奥側の大臼歯に巻回される連結部とを有し、下側歯列の全周を包囲するリテーナー本体と、
    前記リテーナー本体から延びて、上側歯列の奥側の大臼歯の咬合面に、表面側から係止してリテーナー本体の沈み込みを防止するとともに、リテーナー本体の表面対応部の歯頚部側への移動を防止する防止材とを備え、
    前記リテーナー本体の裏面対応部及び連結部と、防止材とは断面円形のワイヤー材とし、
    前記表面対応部を、歯列の表面と面接触する無色透明のプラスチック材から構成し、前記表面対応部の両端部に、前記連結部の端部を埋設状として連結したことを特徴とする歯列矯正用ワイヤーリテーナー。
  3. 一対の連結部の奥側の大臼歯対応部位間寸法が口蓋に沿った方向に最短となる位置において、装着時に硬口蓋の後縁又はその近傍に配設される連結部材を備えたことを特徴とする請求項1の歯列矯正用ワイヤーリテーナー。
  4. 前記防止材は、リテーナー本体から延びる延設部と、延設部から延びて歯列の咬合面に係止する係止部とを備え、この係止部を相手側の歯列の咬合面と非接触状となるように配置したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項の歯列矯正用ワイヤーリテーナー。
  5. 前記リテーナー本体の連結部及び裏面対応部は、複数のワイヤー材の先端部同士が接合されたものからなり、ワイヤー材の接合箇所は、3本のワイヤー材を夫々が接するように平行に配設して、3本のワイヤー材の当接部位をレーザ加工したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項の歯列矯正用ワイヤーリテーナー。
  6. 前記裏面対応部の全部又は一部に、裏面対応部に沿って設けられるサポート材を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項の歯列矯正用ワイヤーリテーナー。
  7. 前記連結部の奥側の大臼歯の表面に対応する部位に、連結部よりも歯頚部側で奥側から手前側に向かって延びる固定材を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項の歯列矯正用ワイヤーリテーナー。
  8. 前記固定材の先端部に、歯列側に突出する突起部を設けたことを特徴とする請求項7の歯列矯正用ワイヤーリテーナー。
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