JP3677529B2 - 歯科用リテーナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科において矯正した歯を矯正した状態に保定するために歯に嵌着する歯科用リテーナー、詳しくは口腔内における上顎または下顎を覆うことのない歯科用リテーナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からの歯科用リテーナーは、歯の外側面に接触する唇側線のワイヤーと歯の内側面に適合する凹凸を備えた合成樹脂部とからなり、該ワイヤーと該合成樹脂部の凹凸との間の隙間部に歯を挿嵌することにより歯科用リテーナーを歯に嵌着するようにしたものであるが、このものにあっては、歯の内側に位置する合成樹脂部は適度の柔軟性を有することが必要である。従来の歯科用リテーナーは、このような柔軟性を有する合成樹脂部により歯に対する保定力(「保定力」とは歯を矯正した状態に保定する力をいうものとする。)を持たせるようにしているため、該合成樹脂部は必然的に大型化し、厚くかつ広幅に形成されている。特に、上顎用歯科用リテーナーにおける合成樹脂部は口腔内における上顎(硬口蓋)のほぼ全体を覆っている。従来の歯科用リテーナーは、このような大型の合成樹脂部を備えているため、次のような問題が生じている。
(1)違和感があり、装着感が悪い。
(2)発音障害が生じる。
(3)食事の際に物が食べ難く、飲食物の味覚が損なわれる。
(4)合成樹脂部は熱の伝導性が低いため、飲食物の温度を敏感に感ずることができない。
(5)合成樹脂部は臭いが付き易く汚れやすいため、不快である。
(6)合成樹脂部は大型の場合には割れやすい。
【0003】
歯科用リテーナーは極めて長期間にわたって使用し続ける必要があるため、これらの問題は患者にとっては深刻であるとして、特開平8−168500号公報は、該問題解決の提案をしている。
【0004】
すなわち、図7〜9において、符号21aに示すものは上顎歯用リテーナー、符号21bに示すものは下顎歯用リテーナーである。上顎歯用リテーナー21aは、上顎歯3a、3a・・・の外側面5a、5a・・・に接触するワイヤ部23aの両端25a、25aを上顎歯3a、3a・・・の内側に位置する略U状の金属製支持部27aに連結し、該金属製支持部27aには上顎歯3a、3a・・・の内側面7a、7a・・・に適合する凹凸29a、29a・・・を備えた合成樹脂部31aを固定し、該ワイヤ部23aと該合成樹脂部31aの凹凸29a、29a・・・との間の隙間部33aに上顎歯3a、3a・・・を挿嵌するようにしたものである。一方、下顎歯用リテーナー21bは、下顎歯3b、3b・・・の外側面5b、5b・・・に接触するワイヤ部23bの両端25b、25bを下顎歯3b、3b・・・の内側に位置する略U状の金属製支持部27bに連結し、該金属製支持部27bには下顎歯3b、3b・・・の内面側7b、7b・・・に適合する凹凸29b、29b・・・を備えた合成樹脂部31bを固定し、該ワイヤ部23bと該合成樹脂部31bの凹凸29b、29b・・・との間の隙間部33bに下顎歯3b、3b・・・を挿嵌するようにしたものである。
【0005】
ワイヤ部23a、23bは一例としてコバルトクローム合金により形成する。金属製支持部27a、27bは例えばチタン合金、コバルトクローム合金、PGA(白金合金)等により形成する。合成樹脂部31a、31bは例えばポリカーボネート、アクリル樹脂等の適度の柔軟性を備えた材料により形成する。
【0006】
上顎歯用リテーナー21aにおける合成樹脂部31aには一端35´を金属支持部27aに固定した金属製第一補強部材35、35を埋設している。
【0007】
また、下顎歯用リテーナー21bにおける合成樹脂部31bには一端37´を金属支持部27bに固定した金属製第二補強部材37、37を貫通させ、該金属製第二補強部材37、37の他端37´´を該合成樹脂部31bより突出させている。
【0008】
前記上顎歯用リテーナー21aにおける合成樹脂部31aには一端39´を金属支持部27aに固定した金属製第三補強部材39、39を貫通させ、該金属製第三補強部材39、39における合成樹脂部31aから突出した他端39´´をワイヤ部23aに固定している。
【0009】
この歯科用リテーナーにおいては、合成樹脂部と略U状の金属支持部の両者を極めて薄くかつ狭幅のものとすることができ、したがって、これを上顎歯または下顎歯に取り付けたときでも、口腔内における上顎または下顎は該歯科用リテーナーにより覆われることがなく、下記の効果を発揮するとしている。
(1)違和感がなく、装着感が良い。
(2)発音障害が生じない。
(3)食事の際に物が食べ易く、飲食物の味覚が損なわれることはない。
(4)熱の伝導性が低い合成樹脂部は極めて薄くかつ狭幅であるため、飲食物の温度を敏感に感ずることができる。
(5) 臭いが付き易く、汚れやすい合成樹脂部は極めて薄くかつ狭幅であるため、清潔である。
(6)支持部は金属製であるため、丈夫である。
(7)合成樹脂部は小型化されるため、割れが生ずるおそれはない。
【0010】
金属製第一補強部材35は合成樹脂部を補強する。したがって、合成樹脂部は丈夫なものとなる。
【0011】
金属製第二補強部材37の前記他端を歯の上面に係止させることにより、歯科用リテーナーは歯に対しより確実に固定される。
【0012】
金属製第三補強部材39により、歯科用リテーナーを歯に対しより確実に固定することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来技術にあっては、以下列記の諸難点がみられる。
「合成樹脂部と略U状の金属製支持部の両者を極めて薄くかつ狭幅のものとすることができる。」としているが、その内容は図9に示すように、金属製の扁平鋳造体の一方の面の上半部に合成樹脂部の凹凸を備えた面の下半部を貼り合わせる態様に固定されてなるものである。この両部材の単なる貼り合わせのみをもっては合成樹脂部と金属製支持部の相互補強効果はあまり期待し得るものではなく、よって材料の使用量は低減できずコストが高くなる。
【0014】
また、合成樹脂の減少度合いを大きくすることができないため小型化が不十分となり、装着時の違和感を小さくしたり、発音障害を防止する等の効果を十分に発揮するまでに至っていない。
【0015】
金属製支持部材は直接口蓋や舌に触れるため、チタン合金、コバルトクローム合金、PGA(白金合金)等の高価な金属を使用する必要があり、材料コストが必然的に高くなる。
【0016】
繁盛に着脱されるものを、口蓋部を覆う合成樹脂部を省略して極めて薄くかつ幅狭の略U状の合成樹脂部と金属製支持部で代替しているが、極めて薄くかつ幅狭の略U状部材では繰り返し縦、横、上下に加わるねじれに対して永続的に耐えることは極めて困難であるという新たな問題が生じ、かかる脆弱性についての補完手当てがない。
【0017】
さらに、前記従来技術を含め、従来の歯科用リテーナーは歯の外側面に接触するワイヤーが歯列表面に剥き出し状態であり、口許を緩めるとワイヤーが見えてしまうため、患者の中には見た目が悪くなるという理由で外出時等に装着しない場合があり、かかる患者においては矯正した歯が継続して保定されていないため、一旦矯正した歯が元の位置に戻りかけ、再度矯正し直したりする等して治療期間が長くなるという問題がある。
【0018】
そこで、本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的とするところは、合成樹脂部と金属製支持部の双方が有効に補強し合える構造とすること、およびローコストな金属を用いることにより材料にかかるコストを低減し、合成樹脂部を十分に小型化することにより装着時の違和感を小さくしたり、発音障害を防止する等の効果を十分に発揮し、前記略U状部材に補強の枠を加えて立体架構化することにより繰り返しのねじれに耐える強度と弾力性を備え、さらには、患者が人目を気にして装着を控えることがない審美的に優れた歯科用リテーナーを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の上顎用歯科用リテーナーは、歯の内側面に適合する凹凸と口蓋後縁を横切る一辺とから形成される外形辺縁から、4〜5mmだけ残して大部をくりぬいた形をとる囲成枠状のレジン床と、歯の内側面に沿って該レジン床に埋め込まれる補強ワイヤーと、両端部を該補強ワイヤーの両端部にろう着され、口蓋後縁を横切る一辺に沿って前記レジン床に埋め込まれる架橋ワイヤーと、前記補強ワイヤーの両端部にろう着され、大臼歯に引っ掛けるCクラスプとから構成し、前記補強ワイヤーと前記架橋ワイヤーと前記Cクラスプのろう着部分を前記レジン床の内部に埋め込み、かつ歯列側の前記レジン床の厚さを前歯部が歯顎部、臼歯部が歯冠豊隆部までの最小限とした上顎用歯科用リテーナー。
【0020】
また、本発明の下顎用歯科用リテーナーは、歯の内側面に適合する凹凸から形成される外形辺縁から4〜5mmだけ残して大部をくりぬいた形をとるU字状のレジン床と、歯の内側面に沿って該レジン床に埋め込まれる補強ワイヤーと、該補強ワイヤーの両端部にろう着され、大臼歯に引っ掛けるCクラスプとから構成し、前記補強ワイヤーと前記Cクラスプのろう着部分を前記レジン床の内部に埋め込み、かつ歯列側の前記レジン床の厚さを前歯部が歯顎部、臼歯部が歯冠豊隆部までの最小限としたものである。
【0021】
【作用】
本願発明の歯科用リテーナーは、レジン床にワイヤーを埋め込むことにより両者が互いに補強し合う効果を発揮するので、レジンおよびワイヤーの使用量が少なくなりコストを低減することが可能となる。また、ワイヤーがレジンに被覆されて直接口蓋や舌に触れないので、チタン合金、コバルトクローム合金、PGA(白金合金)等の高価な金属から成るワイヤーを使用せず、安価な規格品を使用できる。さらに、合成樹脂使用量の減少に伴い、製作工程における合成樹脂の研磨作業が少なくなり、製作時間の短縮が可能となる。
【0022】
レジン床が口蓋周辺に沿った薄く幅狭の帯状であり、かつ上記の通りレジンの減少度合いが大きいので、口腔内の上顎および下顎はほとんど覆われることがない。そのため装着時の違和感が小さく、長時間の使用が可能になり良好な使用効果が期待でき、装着後の発音障害、嚥下障害が生じ難く、飲食物の温度を感じることができる。さらに、前歯部レジン床辺縁を舌でさわることにより舌位の挙上の意識づけが行える。
【0023】
上顎用歯科用リテーナーにおいては、口蓋後縁を横切るレジン床の存在により立体架構体となるため、リテーナーの沈下やねじれ、側方拡大した症例の後戻りを防ぎ、指示した適正な位置に装着ができ、繰り返しの着脱による外力にも適度な復元力を発揮し、修理・修正も容易である。さらに、該口蓋後縁を横切るレジン床のバックアップで生じる圧痕により患者の使用状況が認識できる。
【0024】
歯列表面に剥き出し状態となるワイヤーを使用していないため、患者が口許を緩めてもワイヤーが見えることがなく、審美的に優れる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1〜6に基づいて説明する。
【0026】
図1に本発明の歯科用リテーナーの基本的な形態を示す。
上顎用歯科用リテーナー101は、歯の内側面に適合する凹凸と口蓋後縁を横切る一辺とから形成される外形辺縁から4〜5mmだけ残して大部をくりぬいた形をとる、囲成枠状のレジン床102を有し、該レジン床102には、歯の内側面に沿って補強ワイヤー104が埋め込まれ、口蓋後縁を横切る一辺に沿って架橋ワイヤー105が埋め込まれ、該架橋ワイヤー105の両端部は前記補強ワイヤー104の両端部にろう着され、さらに、補強ワイヤー104の各端部にはCクラスプ103が一つずつろう着されている。
【0027】
下顎用歯科用リテーナー131は、歯の内側面に適合する凹凸から形成される外形辺縁から4〜5mmだけ残して大部をくりぬいた形をとる、U字状のレジン床132を有し、該レジン床132には、歯の内側面に沿って補強ワイヤー134が埋め込まれ、該補強ワイヤー134の各端部にはCクラスプ133が一つずつろう着されている。
【0028】
補強ワイヤー104、134および架橋ワイヤー105は0.9mm線を主に使用し、患者の症状に応じて太径の1.0mm線を使用する場合もある。
【0029】
上顎用歯科用リテーナー101および下顎用歯科用リテーナー131は、Cクラスプ103、133を第一大臼歯121、151に引っ掛けて歯に装着される。なお、Cクラスプ103、133を引っ掛ける歯は第一大臼歯121、151に限定されず、第二大臼歯122、152等の最後臼歯でも良い。
【0030】
図示の通り、装着時に上顎用歯科用リテーナー101および下顎用歯科用リテーナー131の歯列表面に露出する部分は、口内奥の大臼歯に引っ掛けられたCクラスプ103、133の一部だけであり、患者が口許を緩めても外部からはほとんど見えることはなく審美的に優れている。
【0031】
なお、後述する実施例を含め本発明の歯科用リテーナーは、補強ワイヤー104、134等のワイヤー類とCクラスプ103、133等のクラスプ類を相互にろう着して一体化しているが、各ろう着箇所はレジン床102、132内部に埋め込まれているので、舌先が各ろう着箇所に直に触れることはなく、舌先を傷つけたり、患者に不快な触感を与えることが防止できる。
【0032】
【実施例】
本発明の歯科用リテーナーは、前記の基本的な形態に対して各種部材を併用・付加・置換することにより、患者の症例に合わせた様々な形の応用が可能である。以下に各実施例を説明する。
【0033】
図2は、前記の基本的な形態に上顎および下顎の前歯部内側面に直接ボンディングするワイヤー106、135を併用した実施例である。かかる形態とすることにより前歯部を一体化し、前歯部を強固に固定することができる。また、ワイヤー106、135はレジン床102、132の内部に埋め込まれているので目立つことはなく、かつ歯列の内側面にボンディングされているので外部からは見え難く、基本的な形態の有する審美性を損ねることはない。
【0034】
なお、図示の例ではワイヤー106、135をボンディングする範囲を左右の中切歯123、153および側切歯124、154としているが、この範囲に限定することはなく、患者の症状に応じて適宜に処置する。
【0035】
図3は、前記の基本的な形態に上顎および下顎の前歯部内側面に直接ボンディングするワイヤー106、135を併用し、かつワイヤー106、135をボンディングした前歯部内側面のレジン床102、132と補強ワイヤー104、134を省略した実施例である。かかる形態とすることにより、ワイヤー106、135により前歯部の固定状態を維持しつつ、前歯部の歯顎部を覆う装着物が無くなるため、患者は食事を採り易くなる。
【0036】
なお、図示の例ではワイヤー106、135をボンディングし、あるいはレジン床102、132と補強ワイヤー104、134を省略する範囲を各々左右の中切歯123、153、側切歯124、154、および犬歯125、155としているが、この範囲に限定することはなく、患者の症状に応じて適宜に処置する。
【0037】
また、図示の下顎用歯科用リテーナー131においては、補強ワイヤー134の両後端部にろう着され、レジン床132の内側に沿って前歯部内側面まで延びるU字状の拡大ワイヤー137を併用している。患者の症状に応じて適宜のサイズの拡大ワイヤー137を併用することにより、側方への拡大・縮小量を調整することが容易となり、また、成長期の患者への対応も可能になる。
【0038】
図4は、前記の基本的な形態に上顎および下顎の前歯部両側端を挟持する一対のボールクラスプ108、138を付加した実施例である。かかる形態とすることにより、歯列の発育を阻害することなく歯列を調節することが可能となり、混合歯列期にも適応することが可能となる。
【0039】
なお、図示の例ではボールクラスプ108、138を犬歯125、155と第一小臼歯126、156の境を跨ぐ位置で補強ワイヤー104、134にろう着し、左右の犬歯125、155間の六本の歯を挟持しているが、この位置に限定することはなく、患者の症状に応じて適宜に処置する。
【0040】
図5は、図4に示した実施例において、大臼歯に引っ掛ける部材をCクラスプ103、133からアダムスクラスプ109、139に置換した実施例である。かかる形態とすることにより、未萌出の歯牙および歯列の発育を阻害することなく歯列を調節することが可能となり、混合歯列期にも適応することが可能となる。
【0041】
なお、図示の例ではボールクラスプ108、138を側切歯124、154と犬歯125、155の境を跨ぐ位置で補強ワイヤー104、134にろう着し、左右の側切歯124、154間の四本の歯を挟持しているが、この位置に限定することはなく、患者の症状に応じて適宜に処置する。
【0042】
図6は、図4に示した実施例において、ボールクラスプ108、138をフッククラスプ110、140に置換し、該各フッククラスプ110、140をつなぎ、前歯部表面と当接する合成樹脂製のチェーン111、141を付加した実施例である。かかる形態とすることにより、前歯部の外側への移動を拘束し、前歯部の突出とローテーションを防止することができる。またチェーン111、141は歯と同色の合成樹脂から成り、装着しても目立たず審美性を損なわない。
【0043】
なお、図示の例ではフッククラスプ110、140を犬歯125、155と第一小臼歯126、156の境を跨ぐ位置で補強ワイヤー104、134にろう着し、左右の側切歯124、154間の四本の歯をチェーン111、141で拘束しているが、この位置に限定することはなく、患者の症状に応じて適宜に処置する。
【0044】
【発明の効果】
本発明の歯科用リテーナーは上記の通り構成されるので、レジンおよびワイヤーの使用量の低減、およびローコストなワイヤーの採用による大幅なコストダウンが達成され、装着に伴う違和感が小さく、発音障害等の弊害を十分に防止でき、繰り返しの着脱によるねじれに耐える強度と弾力性が備わり、かつ審美的に優れ患者が人目を気にして装着を控えることがなく、もって歯の継続した保定が成されて矯正治療の効果が遅滞なく達成されることが期し得る。
【0045】
さらに、本発明の歯科用リテーナーは基本的な形態に対して各種部材を併用・付加・置換することにより、患者の症例に合わせた様々な処置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の歯科用リテーナーの基本的な形態を示す説明図である。
【図2】 本発明の歯科用リテーナーの基本的な形態に、上顎および下顎の前歯部内側面に直接ボンディングするワイヤーを併用した実施例を示す説明図である。
【図3】 本発明の歯科用リテーナーの基本的な形態に、上顎および下顎の前歯部内側面に直接ボンディングするワイヤーを併用し、かつワイヤーをボンディングした前歯部のレジン床と補強ワイヤーを省略した実施例を示す説明図である。
【図4】 本発明の歯科用リテーナーの基本的な形態に、上顎および下顎の前歯部両側端を挟持する一対のボールクラスプを付加した実施例を示す説明図である。
【図5】 図4に示した実施例において、Cクラスプをアダムスクラスプに置換した実施例を示す説明図である。
【図6】 図4に示した実施例において、ボールクラスプをフッククラスプに置換し、各フッククラスプをつなぎ、前歯部と当接する合成樹脂製のチェーンを付加した実施例を示す説明図である。
【図7】 従来の歯科用リテーナーの説明図である。
【図8】 従来の歯科用リテーナーの使用状態を示す説明図である。
【図9】 図8中のV−V線の断面図である。
【符号の説明】
3a ; 上顎歯
3b ; 下顎歯
5a ; 上顎歯の外側面
5b ; 下顎歯の外側面
7a ; 上顎歯の内側面
7b ; 下顎歯の内側面
21a ; 上顎歯用リテーナー
21b ; 下顎歯用リテーナー
23a、b; ワイヤ部
25a、b; ワイヤ部の両端
27a、b; 金属支持部
29a、b; 凹凸
31a、b; 合成樹脂部
33a、b; 隙間部
35 ; 金属製第一補強部材
35´ ; 一端
37 ; 金属製第二補強部材
37´ ; 一端
37´´ ; 他端
39 ; 金属製第三補強部材
39´ ; 一端
39´´ ; 他端
101 ; 上顎用歯科用リテーナー
102 ; レジン床
103 ; Cクラスプ
104 ; 補強ワイヤー
105 ; 架橋ワイヤー
106 ; ワイヤー
107 ; ボンド
108 ; ボールクラスプ
109 ; アダムスクラスプ
110 ; フッククラスプ
111 ; チェーン
121 ; 第一大臼歯
122 ; 第二大臼歯
123 ; 中切歯
124 ; 側切歯
125 ; 犬歯
126 ; 第一小臼歯
131 ; 下顎用歯科用リテーナー
132 ; レジン床
133 ; Cクラスプ
134 ; 補強ワイヤー
135 ; ワイヤー
136 ; ボンド
137 ; 拡大ワイヤー
138 ; ボールクラスプ
139 ; アダムスクラスプ
140 ; フッククラスプ
141 ; チェーン
151 ; 第一大臼歯
152 ; 第二大臼歯
153 ; 中切歯
154 ; 側切歯
155 ; 犬歯
156 ; 第一小臼歯

Claims (12)

  1. 歯の内側面に適合する凹凸と口蓋後縁を横切る一辺とから形成される外形辺縁から、4〜5mmだけ残して大部をくりぬいた形をとる囲成枠状のレジン床と、歯の内側面に沿って該レジン床に埋め込まれる補強ワイヤーと、両端部を該補強ワイヤーの両端部にろう着され、口蓋後縁を横切る一辺に沿って前記レジン床に埋め込まれる架橋ワイヤーと、前記補強ワイヤーの両端部にろう着され、大臼歯に引っ掛けるCクラスプとから構成し、前記補強ワイヤーと前記架橋ワイヤーと前記Cクラスプのろう着部分を前記レジン床の内部に埋め込み、かつ歯列側の前記レジン床の厚さを前歯部が歯顎部、臼歯部が歯冠豊隆部までの最小限とした上顎用歯科用リテーナー。
  2. 歯の内側面に適合する凹凸から形成される外形辺縁から4〜5mmだけ残して大部をくりぬいた形をとるU字状のレジン床と、歯の内側面に沿って該レジン床に埋め込まれる補強ワイヤーと、該補強ワイヤーの両端部にろう着され、大臼歯に引っ掛けるCクラスプとから構成し、前記補強ワイヤーと前記Cクラスプのろう着部分を前記レジン床の内部に埋め込み、かつ歯列側の前記レジン床の厚さを前歯部が歯顎部、臼歯部が歯冠豊隆部までの最小限とした下顎用歯科用リテーナー。
  3. 前歯部内側面に直接ボンディングするワイヤーを併用した請求項1記載の上顎用歯科用リテーナー。
  4. 前歯部内側面に直接ボンディングするワイヤーを併用した請求項2記載の下顎用歯科用リテーナー。
  5. 前歯部内側面に直接ボンディングするワイヤーを併用し、かつ前記ワイヤーをボンディングした前歯部内側面のレジン床と補強ワイヤーを省略した請求項1記載の上顎用歯科用リテーナー。
  6. 前歯部内側面に直接ボンディングするワイヤーを併用し、かつ前記ワイヤーをボンディングした前歯部内側面のレジン床と補強ワイヤーを省略した請求項2記載の下顎用歯科用リテーナー。
  7. 補強ワイヤーにろう着され、前歯部両側端を挟持する一対のボールクラスプを付加した請求項1記載の上顎用歯科用リテーナー。
  8. 補強ワイヤーにろう着され、前歯部両側端を挟持する一対のボールクラスプを付加した請求項2記載の下顎用歯科用リテーナー。
  9. Cクラスプをアダムスクラスプに置換した請求項7記載の上顎用歯科用リテーナー。
  10. クラスプをアダムスクラスプに置換した請求項8記載の下顎用歯科用リテーナー。
  11. ボールクラスプをフッククラスプに置換し、該各フッククラスプをつなぎ、前歯部表面と当接する合成樹脂製のチェーンを付加した請求項7記載の上顎用歯科用リテーナー。
  12. ボールクラスプをフッククラスプに置換し、該各フッククラスプをつなぎ、前歯部表面と当接する合成樹脂製のチェーンを付加した請求項8記載の下顎用歯科用リテーナー。
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