JP2011211036A - 基板処理方法、基板の製造方法及び太陽電池の製造方法 - Google Patents

基板処理方法、基板の製造方法及び太陽電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】不純物を含む基板の表面及び/又は裏面に、該不純物を捕獲する不純物捕獲成分を含有する不純物除去層を形成した後、基板温度650℃以上800℃未満の範囲で熱処理する低温ゲッタリング処理、及び基板温度800〜900℃の範囲で熱処理する高温ゲッタリング処理のいずれか一方又は双方のゲッタリング処理を行って、上記不純物除去層内に上記不純物を捕獲することを特徴とする基板処理方法。
【効果】本発明によれば、基板の品質特性を向上させることができる。本発明を用いて、不純物により汚染されたシリコン基板、特に低級シリコン基板を処理することにより、これを太陽電池用のシリコン基板等として適用可能とすることができるため、高い光電変換効率を確保しつつ、太陽電池の製造コストを大幅に削減することができ、低コスト太陽電池の普及に貢献することができるという効果を奏する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ニッケル、銅等の不純物を含む基板を処理してこれらの不純物を低減する基板処理方法、これにより得られる基板、上記処理方法を用いた基板の製造方法、及び上記処理方法を用いた太陽電池の製造方法に関する。
従来、シリコン基板としては、例えば、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板等が知られており、これらは基本的にはシリコンインゴットをスライスすることで製造されている。ここで、例えば、太陽電池用基板に用いられるシリコン基板として、単結晶シリコン基板を採用した場合には、一般的に、高い光電変換効率が得られ易いが、基板自体の価格が比較的高いという問題がある。その一方で、太陽電池用基板として多結晶シリコン基板を採用した場合には、単結晶シリコン基板を用いた場合と比べて、光電変換効率が低くなるが、価格は安くなる傾向がある。このような背景から、近年、太陽電池用基板として用いられるシリコン基板は、光電変換効率が高く且つ価格の安いものが求められている。また、シリコン基板のコストは純化にかかる工程数に依存しており、工程を省けば低コストが実現できるが、基板に残留する不純物(遷移金属)が多くなる傾向にある。太陽電池用基板の低コスト化のためには、基板自体に不純物が残留していていも、容易に除去できる工程の開発が求められている。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、下記のものが挙げられる。
特開2008−34608号公報
本発明は、上述した状況に鑑みなされたもので、基板の品質特性を向上させることができる基板処理方法、これにより得られる基板、上記基板処理方法を用いた基板の製造方法、及び上記基板処理方法を用いた太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ニッケル(Ni)、銅(Cu)等の不純物を含む基板の表面及び/又は裏面に、上記不純物を捕獲するための不純物捕獲成分(リン(P)、ホウ素(B)等)を含有する不純物除去層を形成した後、基板温度650℃以上800℃未満の範囲で熱処理する低温ゲッタリング処理、及び基板温度800〜900℃の範囲で熱処理する高温ゲッタリング処理のいずれか一方又は双方のゲッタリング処理を行うことで、低温ゲッタリング処理によりCuを効率よく除去することができ、高温ゲッタリング処理によりNiを効率よく除去することができるため、高品質な基板を得ることができることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記事項を提供する。
請求項1:
不純物を含む基板の表面及び/又は裏面に、該不純物を捕獲する不純物捕獲成分を含有する不純物除去層を形成した後、基板温度650℃以上800℃未満の範囲で熱処理する低温ゲッタリング処理、及び基板温度800〜900℃の範囲で熱処理する高温ゲッタリング処理のいずれか一方又は双方のゲッタリング処理を行って、上記不純物除去層内に上記不純物を捕獲することを特徴とする基板処理方法。
請求項2:
基板がシリコン基板であって、不純物がニッケル及び/又は銅であり、不純物捕獲成分がリン及び/又はホウ素である請求項1記載の基板処理方法。
請求項3:
低温ゲッタリング処理により銅を捕獲し、高温ゲッタリング処理によりニッケルを捕獲する請求項2記載の基板処理方法。
請求項4:
不純物除去層が、不純物捕獲成分を含むガラスコロイド液を基板に塗布し、ベーキング処理することにより形成されたものである請求項1乃至3のいずれか1項記載の基板処理方法。
請求項5:
不純物除去層を基板の表面及び裏面の両面に形成する請求項1乃至4のいずれか1項記載の基板処理方法。
請求項6:
基板の表面及び裏面のいずれか一方の面にリンを含む不純物除去層を形成すると共に、他方の面にホウ素を含む不純物除去層を形成する請求項5記載の基板処理方法。
請求項7:
不純物除去層が形成された複数枚の基板を同時にゲッタリング処理する請求項1乃至6のいずれか1項記載の基板処理方法。
請求項8:
前記ゲッタリング処理を行った後、前記不純物を捕獲した不純物除去層及びこの不純物除去層と接する基板表層部を除去する請求項1乃至7のいずれか1項記載の基板処理方法。
請求項9:
基板が、太陽電池製造用シリコン基板である請求項1乃至8のいずれか1項記載の基板処理方法。
請求項10:
基板が、単結晶又は多結晶シリコン基板である請求項9記載の基板処理方法。
請求項11:
請求項1乃至10のいずれか1項記載の基板処理方法により得られた基板。
請求項12:
シリコンインゴットを切断して基板を得る工程、及び請求項1乃至10のいずれか1項記載の基板処理方法により上記基板を処理する工程を含むことを特徴とする基板の製造方法。
請求項13:
請求項1乃至10のいずれか1項記載の基板処理方法により基板を処理する工程、得られた基板にpn接合部を形成する工程、及びpn接合部を有する基板表面に電力取り出し用電極を形成する工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
本発明によれば、Ni、Cu等の不純物を含む基板に対して、これらの不純物を捕獲する、P、B等の捕獲成分を作用させるゲッタリング処理を1回又は2回以上の複数回実行することで、効率よく基板の品質特性を向上させることができる。特に、本発明を用いて、ゲッタリング処理対象である基板として不純物により汚染されたシリコン基板、具体的には、低級シリコン基板(純度:不純物含有量1〜0.001質量ppm)を処理することにより、この低級シリコン基板を太陽電池用のシリコン基板等として適用可能とすることができるため、これを太陽電池に用いることで、高い光電変換効率を確保しつつ、太陽電池の製造コストを大幅に削減することができ、低コスト太陽電池の普及に貢献することができるという効果を奏する。
本発明の基板処理方法によって得られる基板を用いた太陽電池の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明の基板処理方法は、Ni、Cu等の不純物を含む基板(以下、基板ともいう。)の表面及び/又は裏面に、この不純物を捕獲する成分(P、B等)を含有する不純物除去層を形成した後、基板温度650℃以上800℃未満の範囲で熱処理する低温ゲッタリング処理、及び基板温度800〜900℃の範囲で熱処理する高温ゲッタリング処理のいずれか一方又は双方のゲッタリング処理を行うことで、上記不純物除去層内に上記不純物を捕獲することを特徴とする。ここで、ゲッタリング処理は、基板に含まれる不純物をこの不純物を捕獲する不純物捕獲成分によって捕獲する処理である。
まず、本発明の処理対象である基板としては、CZ法、FZ法等により製造される単結晶シリコンや、キャスト法等で製造される多結晶シリコン等をスライスしたシリコン基板や、これらをラッピング、エッチング、ポリッシング等して得られるシリコン基板等を用いることができる。また、B、Ga、In等のIII族元素をドープした抵抗率1〜10Ω・cm程度のp型基板であってもよく、P、As、Sb等のV族元素をドープした抵抗率0.1〜100Ω・cm程度のn型基板であってもよい。本発明においては、特に抵抗率1〜10Ω・cmの単結晶又は多結晶シリコン基板を用いることが好ましい。基板の厚さは、通常50〜600μm、特に100〜200μmであることが好ましい。
本発明で用いられるシリコン基板には、不純物として、通常、Cu、Ni、Fe等の遷移金属元素が含まれており、特にCuの含有量は、通常1×1016〜1×1012/cm3、特に1×1014〜1×1013/cm3であって、Niの含有量は、通常1×1016〜1×1012/cm3、特に1×1014〜1×1013/cm3である。本発明の基板処理方法において、上記遷移金属元素のうち、特にCu及びNiの含有量を低減させることで、材料としての少数キャリアのライフタイムの注寿命化とそれを用いてpin型の太陽電池を形成した場合、発電量やその効率の増加を図ることができる。なお、本発明において、不純物を含む基板とは、Cu及び/又はNiをそれぞれ1×1014〜1×1013/cm3含むものをいう。また、本発明において、不純物の濃度は、グロー放電質量分析により測定した値である。
本発明の基板処理方法におけるゲッタリング処理は、例えば、基板に対して不純物捕獲成分をドーピングして行う場合も含まれるが、本発明では、基板に、上記不純物を捕獲するための不純物捕獲成分を含有する不純物除去層を形成した後、これを熱処理することで不純物除去を行うものである。この場合、不純物捕獲成分としては、リン(P)及びホウ素(B)からなる群より選択される少なくとも一種の不純物捕獲成分を用いて行うことが好ましい。P及び/又はBを含むことでNiやCuを取り込みやすいエネルギー安定構造を形成しやすくなる。特に、NiとCuの捕獲・除去にはフォスフォラスシリケートが有効である。
本発明においては、不純物除去層は、Ni、Cu等の不純物を捕獲するための成分(P、B等)を含むガラスコロイド液等を基板に塗布して比較的低温(約100〜150℃/窒素[N2]等の不活性ガス雰囲気下)でのベーキング処理を行うことにより形成することが好ましい。ガラスコロイド液を用いることで、塗布法や刷毛塗り、スピンコートなど簡便な方法で形成できる利点がある。すなわち、基板にガラスコロイド液を塗布法、刷毛塗り、スピンコート、スプレーコート等の方法により塗布し、不純物捕獲成分(P、B等)の熱拡散(n型又はp型拡散層形成)のための熱処理を行うのではなく、その前処理として、基板にガラスコロイド液を塗布して100〜150℃程度、特に100〜120℃程度の比較的低温でのベーキング処理を10〜60分間行うのが好ましい。これにより、不純物除去層を確実に形成して捕獲成分の拡散(拡散層形成)を基板の面方向に略均等に行うことができる。ベーキング処理温度が低すぎると、コロイド液に含まれる水分や有機溶媒が膜内に残留し、太陽電池加工のときに、それら不純物として悪影響を与える場合があり、高すぎると有機溶媒や水分が揮発するときに、膜に孔ができてしまい、均一にゲッタリングできなくなる場合がある。なお、上述した不純物捕獲成分(P、B等)の熱拡散(n型又はp型拡散層形成)と、ベーキング処理による不純物除去層の捕獲成分(P、B等)の拡散層形成との違いは、特にはないが、シリコン基板がp型の場合にはB(ホウ素)を、n型の場合はP(リン)を用いると、万一それら捕獲成分が汚染として残留しても、シリコン基板の導電型や抵抗率への影響が表れにくくなる利点がある。
ガラスコロイド液としては、微粒子ガラス、エタノール、P25、B23等の成分を含むものが好ましい。P及びBのいずれか一方を含有する場合、Pの含有量は、ガラスコロイド液中に1〜10質量%が好ましく、より好ましくは3〜6質量%である。Pの含有量が上記範囲よりも少なすぎても、多すぎてもゲッタリングの効果が表れにくくなる場合がある。また、Bの含有量はガラスコロイド液中に1〜10質量%が好ましく、より好ましくは3〜5質量%である。Bの含有量が上記範囲よりも少なすぎても、多すぎてもゲッタリングの効果が表れにくくなる場合がある。P及びBの両方を含有する場合、その合計量はガラスコロイド液中1〜5質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜2.5質量%であり、P及びBの質量比は、P:B=1:1の割合で含まれることが好ましい。
このようなガラスコロイド液としては、市販品を用いることができ、例えば、東京応化工業(株)製のP−59210、P−59310、P−59230(いずれも商品名)等を挙げることができる。
不純物除去層を形成する方法は、上記溶液を塗布法、刷毛塗り、スプレーコート等により基板表面及び/又は裏面、特に両面に塗工した後、これを窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、100〜150℃、特に100〜120℃で10〜60分間ベーキング処理することが好ましい。不純物除去層の膜厚は、その後の熱処理で剥がれにくく、且つ十分なP、B濃度を保つ点から、0.1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5μmである。なお、このように比較的低温でのベーキング処理を乾燥のための前処理として行うことにより、不純物除去層をより緻密にして破損しにくくなる点において、後述する1枚又は複数枚の基板の同時ゲッタリング処理において有効である。
基板に不純物除去層を形成した後、これを熱処理(ゲッタリング処理)する。この熱処理により基板と不純物除去層との界面近傍に不純物捕獲成分であるP又はBの拡散層が厚さ0.1〜0.4μm程度形成され、同時に基板内部のNi、Cu等の不純物がこの拡散層、そして不純物除去層まで拡散し、その結果、基板表面及び内部のNi、Cu等の不純物が不純物除去層及び上記拡散層の形成領域に亘って広範囲に捕獲されることになる。なお、このように熱処理を用いたゲッタリング処理では、例えば、基板に不純物除去層を形成した後、不純物除去層を有する2〜100枚の複数枚の基板を準備し、これら複数枚の基板を同時に熱処理するようにしてもよい。これにより、一度に複数枚の基板をより確実にゲッタリング処理することができるため、高スループットを実現でき、製造コストを低く抑えることができる。
ここで、本発明者らは、上記ゲッタリング処理(熱処理)の処理温度について検討して最適な条件を見出した。すなわち、本発明においては、ゲッタリング処理を1回又は2回以上の複数回実行して、Cu、Ni等の不純物を効果的に除去するために、基板の温度が650℃以上800℃未満の範囲での低温ゲッタリング処理と、基板の温度が800〜900℃の範囲での高温ゲッタリング処理をする。基板の温度が800〜900℃の範囲で処理を行うのは、不純物で汚染されたシリコン基板の中のNiを除去するのに有効な温度領域である。この温度領域は、本発明者らが鋭意努力をして見出した最適な領域である。また、上記温度範囲よりも低温の処理温度である650℃以上800℃未満の範囲であるが、不純物としてのCuを除去するのに有効な温度である。
通常、太陽電池作製用のシリコン基板は、150μm程度の厚さのものが使用されるが、Cuのゲッタリングでは650℃を下回ると十分に拡散できなくなり、たとえば30分程度の処理時間では、基板の中央に不純物(Cu)が取れ残ってしまう。それはこの温度で30分のゲッタリングをしたとしても、不純物(Cu)の平均拡散距離が80μmであり、3割程度の不純物(Cu)は統計的に拡散距離がそれ以下となり、基板両面に不純物除去層を形成してゲッタリングしても、中央付近に残ることになるからである。また、本発明者らの検討によれば、800℃以上であると、不純物除去層やP又はBの拡散層でのCu捕獲効率が著しく低下してしまうことが明らかにされた。Niのゲッタリングでは、800℃未満であるとNiの拡散が不足し、基板の中央に残留するおそれがあり、900℃を超えると捕獲効率が低下する場合がある。Cuゲッタリングの処理温度は650〜750℃、特に720〜770℃が好ましく、Niゲッタリングの処理温度は830〜870℃が好ましい。
本発明においては、基板に対して650℃以上800℃未満での低温ゲッタリング処理(熱処理)及び800〜900℃での高温ゲッタリング処理(熱処理)のいずれか一方又は双方のゲッタリング処理をそれぞれ1回又は2回以上の複数回、特に2〜3回実行する点に特徴があるが、これは、例えば、基板の表面及び裏面のうちいずれか一方の面だけを対象として実行する場合も、基板の両面を対象として両面又は片面ずつ実行する場合も、これらを併用して適宜組み合わせる場合も含まれる。また、例えば、基板の両面をゲッタリング処理する場合には、基板の一方の面側に対するゲッタリング処理回数と他方の面に対するゲッタリング処理回数とが、同一の回数でもよいし、異なる回数でもよい。なお、ゲッタリング処理する対象は、基板の全面であってもよいし、基板の一部分、すなわち、所定の領域に対応する面であってもよい。
また、本発明に係る低温及び高温ゲッタリング処理においては、基板の両面を対象に行うのが好ましい。これにより、基板の両面側からゲッタリング効果が相乗的に得られ、基板内部の不純物を捕獲することができるので、より基板の品質特性を向上させることができる。なお、このように基板の両面をゲッタリング処理の対象とする場合には、基板の両面へのゲッタリング処理を同時に且つ2〜3回の複数回行うことで、基板の品質特性の向上には効果的である。
ここで、本発明においては、低温及び/又は高温ゲッタリング処理を複数回実行するにあたり、ゲッタリング処理終了後、次のゲッタリング処理を行う前に、捕獲したNi、Cu等の不純物を、これら不純物を捕獲する成分(P、B等)と共に除去するのが好ましい。例えば、基板に不純物捕獲成分(P、B等)を含有する不純物除去層を形成してゲッタリング処理を行い、このゲッタリング処理後、不純物除去層と共に、Ni、Cu等の不純物とこれら不純物捕獲成分(P、B等)とが共存する基板の表層部を除去することが好ましい。この場合、基板表層部とは、基板表面から深さ0.1〜0.4μmの部分をいい、これには上述したP又はBの拡散層が含まれる。また、不純物除去層を形成してゲッタリング処理を行った後、不純物除去層を除去し、その後に露出したP又はB拡散層を含む基板の表層部を除去するようにしてもよい。あるいは、不純物除去層だけ除去してもよいし、またその下地層となるP又はB拡散層を除去してもよいが、本発明では、特に、上記不純物除去層と共に、Ni、Cu等の不純物とこれら不純物を捕獲する成分(P、B等)とが共存する基板の表層部(上記拡散層を含む)を除去することが好ましい。これにより、Ni、Cu等の不純物が基板の表面及び表層部に残存してしまうのを有効に防止することができ、基板の品質特性を向上することができる。不純物除去層及び基板表層部の除去は、フッ化水素酸、フッ硝酢酸等の酸溶液に浸漬して20〜40℃で1〜5分間処理することで行うことができる。その後、再び上述した方法で不純物除去層を形成してゲッタリング処理を繰り返し行うことができる。また、不純物除去層及び基板表層部の除去は、低温及び/又は高温ゲッタリング処理1〜2回ごと、特に毎回行うことが好ましい。
本発明に係る基板処理方法は、例えば、シリコン基板の製造ラインにも適用することができる。すなわち、例えば、シリコンインゴットを所定の方向性でワイヤソー等により切断(スライス)する工程の後、切断したシリコン基板に対して本発明のゲッタリング処理を施すようにしてもよい。これにより、基板に含まれる不純物が効果的に除去され、基板の品質特性の向上を図ることができると共に、基板製造の歩留まりを向上することができる。
さらに、本発明に係る基板処理方法は、例えば、太陽電池の製造ラインにも適用することができる。具体的には、本発明は、太陽電池の製造ラインでの基板供給の上流工程、例えば、基板上に所定の機能膜を積層する前工程として適用することにより、不純物で汚染されたシリコン基板の品質特性が改善されているので、太陽電池の製造ラインにも十分適用することができる。
ここで、近年、シリコン太陽電池の低コスト化が要求されているが、材料となるシリコン、具体的にはエレクトロニックグレードシリコンの値段が下がらないことが原因とされ、普及の障害となっている。このエレクトロニックグレードシリコンは、IC用ウェハのインゴットの端材から抽出されるが、太陽電池向けのシリコン需要が高まってきており、その価格が高騰している。このシリコン材料は、製造過程で約10回程度の純化の工程を必要とし、製造コストの殆どは電気代であり、コスト削減が非常に難しい。
本発明は、上述した状況を踏まえ、純化の回数が半分程度の純度99.999%程度のシリコン基板、すなわち、低級シリコン基板に本発明のゲッタリング処理を施すことにより、低級シリコン基板中に含まれるNi、Cu等の不純物を除去し、低級シリコン基板の品質特性を向上させることができる。
そして、太陽電池の製造において、本発明のゲッタリング処理工程を適用することにより、低級シリコン基板中に含まれる不純物が効果的に除去されるため、太陽電池用の基板としての品質特性の向上を図ることができると共に、太陽電池製造の歩留まりを向上させることができる。従って、太陽電池の製造コストが大幅に削減されることになり、低コスト太陽電池の普及に貢献することができる。
また、本発明は、太陽電池製造用シリコンとして安価な多結晶シリコン基板、特に、低級多結晶シリコン基板を処理対象とすることにより、結晶中に含まれる不純物を除去することで品質特性が改善されるため、太陽電池用の低級多結晶シリコン基板として適用することができ、太陽電池の製造コストを大幅に削減することができる。
そして、このようにして本発明の基板処理方法により処理済の低級シリコン基板は、内在するNi、Cu等の不純物が除去されているため、太陽電池製造に用いても、低級シリコン基板をそのまま適用した場合と比べて、太陽電池の性能特性として高い光電変換効率を実現することができる。
この場合、太陽電池の製造方法としては特に制限されず、一般的な方法で製造することができるが、例えば、本発明の基板の処理方法を用いて得られたp型又はn型単結晶シリコン基板やp型又はn型多結晶シリコン基板にpn接合部を形成した後、基板表面に電力取り出し用電極(受光面電極及び裏面電極)を形成する工程を含む製造方法が挙げられる。
以下、実施例、比較例及び参考例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜8、比較例1〜7及び参考例1,2]
ゲッタリング処理により金属級シリコン基板の品質に改善がみられるかを評価するため、図1に示される太陽電池を作製し、評価して比較を行った。
基板
基板は、Ni又はCuがあらかじめ1×1013/cm3ドープされたp型の単結晶シリコンウェハと、無ドープウェハ(Ni及びCu共に無ドープ)を用いた。ここで用いた単結晶シリコンウェハは、いずれも8インチ基板であり、p型で抵抗率10Ω・cmのものであった。なお、無ドープウェハのNi及びCu含有量はそれぞれ、検出限界以下(1×1011/cm3以下)であった。
ゲッタリング処理
まず、ゲッタリングであるが、不純物除去層としてリン含有のガラス膜を基板両面に成膜した。リン含有ガラス膜(以降、Pガラス膜と称す。)の原材料は、東京応化工業(株)製のP−59210剤であった。これを塗布法で基板両面に形成し、100℃の温度で窒素中で焼結して膜形成が完了した。膜厚は400nmであった。これが不純物除去層として機能する。
次に、基板の温度が800〜900℃の範囲(以降、高温拡散と称す。)、又は650℃以上800℃未満の範囲(以降、低温拡散と称す。)で加熱した。処理温度を表1及び2に示す。ゲッタリング時間は30分であった。この間で、基板内の不純物(Ni又はCu)は基板内部を拡散し、不純物除去層のところで捕獲された。また、不純物除去層からPが基板内部に拡散するが、それは表面から0.1μm以内であった。
ゲッタリングが終わった後、不純物除去層をフッ化水素酸(1質量%)に25℃で5分間浸漬し、溶解による除去を行った後、シリコンウェハの表面にできたPの拡散層をフッ硝酢酸溶液に25℃で2分間浸漬して除去した。
太陽電池の作製
次に、図1に示すように、得られた基板1に対して刷毛塗りで膜厚0.4μmのPガラス膜を基板の上面(表面)に塗布形成し、100℃の温度で窒素中で焼結した後、950℃の温度で60分間加熱し、シリコン基板の表面にP拡散層(n型拡散層)2を形成した。拡散層の深さは、1μm程度であった。拡散層はn型層として働く。次いで、裏面と表面にアルミニウム電極(3,4)をそれぞれ真空蒸着法で形成した。上部(表面)の電極が太陽電池では負極、下部(裏面)の電極は正極として働く。
発電効率の測定
こうして製作された太陽電池で、まず金属不純物Ni及びCuが共にドープされていない基板では、AM1.5の50mW/cm2の疑似太陽光照射(浜松フォトニクス(株)製)で、発電効率は17.9%の効率を得た。これがNiをドープした基板でゲッタリングを行わないと、14.8%であったが、850℃での高温拡散によるゲッタリングを1回行うことで、17.2%まで回復した。さらに上記と同じ条件下でもう一度繰り返すことで17.7%まで効率改善が確認された。
また、このNiドープ基板において、高温拡散の温度であるが、800℃及び900℃においても、1回のゲッタリングで発電効率17%代まで回復するが、750℃あるいは950℃では回復が15%程度にとどまり800〜900℃の間の温度設定が、Niの除去に有効であることがわかった。
Figure 2011211036
少数キャリアのライフタイムの測定
Cuをドープした基板では、低温拡散で様々な温度でゲッタリングを行った。ゲッタリングの回数は1回であった。ゲッタリング時間は30分であった。ゲッタリングの効果は基板の少数キャリアのライフタイム測定(自作装置)で行った。基板内にCuが含有されると、少数キャリアのライフタイムは低下する傾向にある。安定した太陽電池性能を得るには70μs以上のライフタイムが必要である。まず、比較例としてゲッタリング処理を行わない場合、かかるCuドープ基板ではライフタイムは30μsであり、全くCu汚染がない場合は80μsとなった。未処理の場合は30μsで、この性能では太陽電池を形成した場合、無汚染品に比べて発電効率が4割程度劣化した。低温拡散を550〜1,000℃の温度範囲で処理した場合、表2に表されるようなライフタイム測定結果となった。温度が650℃以上800℃未満、特に650〜750℃の範囲で無汚染基板とほぼ同様な性能が得られ、ゲッタリング温度としてこの範囲が最適であることがわかった。
Figure 2011211036
以上の実施例1〜8、比較例1〜7及び参考例1,2から、CuとNiを除去するにあたって、高温拡散(高温ゲッタリング)と低温拡散(低温ゲッタリング)を組み合わせることで、両者を効果的に除去できることがわかる。特に、Cuを除去するためには低温拡散によるゲッタリングが有効であり、Niを除去するには高温拡散が有効である。また、それぞれ1回以上の高温拡散でのゲッタリングと低温拡散でのゲッタリングを行うことで、NiとCuを効果的に除去できる。
1 p型シリコン基板
2 n型拡散層
3,4 電極

Claims (13)

  1. 不純物を含む基板の表面及び/又は裏面に、該不純物を捕獲する不純物捕獲成分を含有する不純物除去層を形成した後、基板温度650℃以上800℃未満の範囲で熱処理する低温ゲッタリング処理、及び基板温度800〜900℃の範囲で熱処理する高温ゲッタリング処理のいずれか一方又は双方のゲッタリング処理を行って、上記不純物除去層内に上記不純物を捕獲することを特徴とする基板処理方法。
  2. 基板がシリコン基板であって、不純物がニッケル及び/又は銅であり、不純物捕獲成分がリン及び/又はホウ素である請求項1記載の基板処理方法。
  3. 低温ゲッタリング処理により銅を捕獲し、高温ゲッタリング処理によりニッケルを捕獲する請求項2記載の基板処理方法。
  4. 不純物除去層が、不純物捕獲成分を含むガラスコロイド液を基板に塗布し、ベーキング処理することにより形成されたものである請求項1乃至3のいずれか1項記載の基板処理方法。
  5. 不純物除去層を基板の表面及び裏面の両面に形成する請求項1乃至4のいずれか1項記載の基板処理方法。
  6. 基板の表面及び裏面のいずれか一方の面にリンを含む不純物除去層を形成すると共に、他方の面にホウ素を含む不純物除去層を形成する請求項5記載の基板処理方法。
  7. 不純物除去層が形成された複数枚の基板を同時にゲッタリング処理する請求項1乃至6のいずれか1項記載の基板処理方法。
  8. 前記ゲッタリング処理を行った後、前記不純物を捕獲した不純物除去層及びこの不純物除去層と接する基板表層部を除去する請求項1乃至7のいずれか1項記載の基板処理方法。
  9. 基板が、太陽電池製造用シリコン基板である請求項1乃至8のいずれか1項記載の基板処理方法。
  10. 基板が、単結晶又は多結晶シリコン基板である請求項9記載の基板処理方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項記載の基板処理方法により得られた基板。
  12. シリコンインゴットを切断して基板を得る工程、及び請求項1乃至10のいずれか1項記載の基板処理方法により上記基板を処理する工程を含むことを特徴とする基板の製造方法。
  13. 請求項1乃至10のいずれか1項記載の基板処理方法により基板を処理する工程、得られた基板にpn接合部を形成する工程、及びpn接合部を有する基板表面に電力取り出し用電極を形成する工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013149896A (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 Innovation & Infinity Global Corp 複合型太陽電池用の多結晶シリコン基板及びそれを用いた太陽電池
JP2015046424A (ja) * 2013-08-27 2015-03-12 大阪瓦斯株式会社 有機層含有全固体型太陽電池及びその製造方法
JP2016506629A (ja) * 2012-12-28 2016-03-03 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung シリコンウェハから不純物をゲッタリングするための酸化物媒体

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