JP2011210941A - 太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】入射光の利用効率が高い太陽電池の提供。
【解決手段】基材、銀電極層、光電変換層及び透明電極層がこの順に積層されてなる太陽電池であって、前記銀電極層が、下記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀(ただし、アセト酢酸銀を除く)を含有する金属銀の形成材料が加熱されて形成された金属銀を含むことを特徴とする太陽電池[前記式(1)において、Rは直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、またはフェニル基であり、Xは、同一であるかまたは異なり、水素原子、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基である。]。
[化1]
Figure 2011210941

【選択図】なし

Description

本発明は、光の反射率に優れる銀電極層を備えた太陽電池に関する。
太陽電池は、環境へかける負荷が小さくて済む環境適応型の特性を有することから、これまでに多種多様なものが提案されてきている(例えば、特許文献1参照)。その一方で、発電性能はまだ発展途上であり、十分な発電性能はまだ達成されていない。
発電性能を向上させるために、これまでは、光の入射によって電位差を生じる光電変換層の材質や構成についての検討が主になされてきている。これは、光電変換層における光電変換効率を直接向上させる試みである。
特開2010−62313号公報
しかし、入射した光を光電変換層に多くとどめて光の利用効率を向上させることで、発電性能を向上させる試みは、これまでに十分なされていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、入射光の利用効率が高い太陽電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、基材、銀電極層、光電変換層及び透明電極層がこの順に積層されてなる太陽電池であって、前記銀電極層が、下記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀(ただし、アセト酢酸銀を除く)を含有する金属銀の形成材料が加熱されて形成された金属銀を含むことを特徴とする太陽電池を提供する。
Figure 2011210941
[前記式(1)において、Rは直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、またはフェニル基であり、Xは、同一であるかまたは異なり、水素原子、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基である。]
本発明の太陽電池においては、前記β−ケトカルボン酸銀が、イソブチリル酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、α−メチルアセト酢酸銀およびα−エチルアセト酢酸銀からなる群から選択された少なくとも一つであることが好ましい。
本発明の太陽電池においては、前記形成材料が、β−ケトカルボン酸銀を媒質に分散または溶解した分散液または溶液であることが好ましい。
本発明の太陽電池においては、前記形成材料が、還元剤非共存下で加熱されたことが好ましい。
本発明の太陽電池においては、前記形成材料の加熱温度が、60〜210℃であることが好ましい。
本発明の太陽電池においては、前記金属銀の抵抗率が1×10−5〜7.8×10−3Ωcmであることが好ましい。
本発明によれば、入射光の利用効率が高い太陽電池を提供でき、光電変換効率を向上させることができる。
本発明の太陽電池の要部を例示する概略断面図である。 本発明におけるイソブチリル酢酸銀の赤外線吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明におけるプロピオニル酢酸銀の赤外線吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明におけるベンゾイル酢酸銀の赤外線吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明におけるα−メチルアセト酢酸銀の赤外線吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明におけるα−エチルアセト酢酸銀の赤外線吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明におけるイソブチリル酢酸銀の熱質量分析の測定結果を示すグラフである。 本発明におけるプロピオニル酢酸銀の熱質量分析の測定結果を示すグラフである。 本発明におけるベンゾイル酢酸銀の熱質量分析の測定結果を示すグラフである。 本発明におけるα−メチルアセト酢酸銀の熱質量分析の測定結果を示すグラフである。 本発明におけるα−エチルアセト酢酸銀の熱質量分析の測定結果を示すグラフである。
図1は、本発明の太陽電池の要部を例示する概略断面図である。
ここに示す太陽電池1は、基材5、銀電極層4、光電変換層3及び透明電極層2がこの順に積層されてなる。
太陽電池1は、シリコン薄膜太陽電池、無機化合物系太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池等、いずれでも良い。
基材5は、絶縁性の樹脂からなる。
光電変換層3は、太陽電池の発電形式にあわせて公知の構成とすれば良い。例えば、シリコン薄膜太陽電池の場合には、光電変換層3として、p型シリコン膜とn型シリコン膜との間にi型シリコン膜が挟まれてなるpin接合構造を有するシリコン膜が例示でき、前記シリコン膜はアモルファス型、マイクロクリスタル型等、いずれでも良い。
透明電極層2は、例えば、TCO、ITO等の光透過性の金属酸化物で形成されたものである。
透明電極層2上には、さらに、太陽光の透過性に優れ、耐久性を有するガラス、透明樹脂等の絶縁材料からなる基板(図示略)が積層されていることが好ましい。
銀電極層4は、下記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀(ただし、アセト酢酸銀を除く)を含有する金属銀の形成材料が加熱されて形成された金属銀を含む。銀電極層4の前記金属銀の含有量は70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。そして、銀電極層4は、少なくとも光電変換層3側の表面全面が前記金属銀であることが好ましく、全体が前記金属銀のみからなることがより好ましい。
Figure 2011210941
[前記式(1)において、Rは直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、またはフェニル基であり、Xは、同一であるかまたは異なり、水素原子、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基である。]
太陽電池1は、銀電極層4が前記金属銀を含むこと以外は、従来の太陽電池と同様の構造を有しており、各層の厚さも、従来の太陽電池の場合と同様である。すなわち、太陽電池1は、透明電極層2側から銀電極層4へ向けて光が入射した時に、光電変換層3で電位差が生じることで発電する。
ある種のカルボン酸銀は、加熱分解されることで金属銀を形成することが知られており、このようなものとして、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、α−ケトカルボン酸銀が知られている(例えば、特開2003−191646号公報、特開平10−183207号公報、特開2004−315374号公報参照)。
一方、前記β−ケトカルボン酸銀は、従来のベヘン酸銀やステアリン酸銀等とは異なり、還元剤を使用しなくても単独で容易に熱分解して金属銀を形成する。これは、これらカルボン酸銀等とは異なる機構で熱分解するからである。また、同じケトカルボン酸銀であるα−ケトカルボン酸銀よりも容易に熱分解して金属銀を形成する。α−ケトカルボン酸銀は、銀原子と塩を形成しているカルボキシ基(−C(=O)−O)を構成する炭素原子と、カルボニル基(−C(=O)−)を構成する炭素原子とが、直接結合した構造を有するのに対し、β−ケトカルボン酸銀は、銀原子と塩を形成しているカルボキシ基(−C(=O)−O)を構成する炭素原子と、カルボニル基(−C(=O)−)を構成する炭素原子とが、一つの炭素原子(−C−)を介して結合した構造を有する。すなわち、これらカルボン酸銀は、カルボキシ基とカルボニル基との間の炭素原子の有無の点で相違しており、化合物の特徴を決定付ける主要な骨格が相違するので、化合物としての化学的性質が異なる。しかも、カルボキシ基とカルボニル基は、いずれも電子吸引性基であり、これら電子吸引性基が直接結合している場合と、炭素原子を介して間接的に結合している場合とで、化合物としての化学的性質は全く異なる。この化合物としての主要な骨格の相違に起因して、α−ケトカルボン酸銀とβ−ケトカルボン酸銀とでは、熱分解により金属銀を形成する機構が相違する。
このように、β−ケトカルボン酸銀は、触媒非存在下で、低温で速やかに且つ十分に分解して、容易に金属銀を形成する。そのため、従来の金属銀形成材料とは異なり、形成された金属銀は、純度が極めて高く、銀原子同士が十分に結合したものとなるため、極めて優れた導電性と光の反射率を示す。
このように、本発明における銀電極層は、優れた導電性によって電極として好適なだけでなく、光の反射率にも優れるので、透明電極側から入射した光を効率的に反射させ、光電変換層に多くとどめることが可能になっていると推測される。本発明における銀電極層は、例えば、従来の銀ペーストを用いて形成させた銀電極層よりも、光の反射率に優れる。これにより、本発明の太陽電池は、入射光の利用効率に優れると推測され、従来の銀電極層を用いた太陽電池よりも、光電変換効率に優れる。なお、銀電極層の光の反射率は、例えば、銀電極層の光沢度を測定することで、評価できる。
従来の金属銀形成材料を用いて形成させた金属銀は、純度等が不十分で、抵抗率が著しく高くなってしまうため、カルボン酸銀を銀電極層の形成材料として選択することは極めて困難であると考えられていた。ところが、本発明においては、β−ケトカルボン酸銀を含有する金属銀形成材料を用いることで、全く意外にも、純度が極めて高い金属銀を形成でき、導電性と光の反射率に優れる銀電極層を形成できる。
本発明の太陽電池は、前記銀電極層を用いること以外は、従来の太陽電池と同様の方法で製造できる。
以下、前記β−ケトカルボン酸銀と、これを用いた銀電極層の形成方法について説明する。
金属銀の形成材料は、前記β−ケトカルボン酸銀を含有する。β−ケトカルボニル基を有することによって、低温での迅速な分解が可能となることから、β−ケトカルボン酸銀は、前記式(1)で表されるものであれば、特に制限されない。
Figure 2011210941
前記式(1)において、Rは、直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、R1−CY2−、CY3−、R1−CHY−、R2O−、フェニル基、1個もしくは複数の置換基で置換されたフェニル基、R54N−、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH2)、または、(R3O)2CY−である。
Rが直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基である場合、Rとしては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜20の整数)で表される基であってもよい。また、直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基は、1以上の水素基が、フッ素原子、塩素原子または臭素原子に置換されてもよい。
Rが、置換されたフェニル基である場合、その置換基としては、R3−、R3O−、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、フェノキシ基(C65−O−)等があげられ、フェニル基のオルト位、メタ位、パラ位のいずれが置換されてもよい。
前記RにおけるYは、同一であるかまたは異なってもよく、それぞれフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子である。
前記RにおけるR1は、直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C19脂肪族炭化水素基、または、フェニル基である。前記炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜19の整数)で表される基であってもよい。
2は、直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基である。前記炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜20の整数)で表される基であってもよい。
は、直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C16脂肪族炭化水素基である。前記炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜16の整数)で表される基であってもよい。
4およびR5は、同一であるかまたは異ってもよく、それぞれ直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C18脂肪族炭化水素基である。前記炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜18の整数)で表される基であってもよい。
前記式(1)において、Xは、同一でも異なってもよく、水素原子、直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、R6O−、R6S−、R6-CO−、R6-CO−O−、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ベンジル基、フェニル基、1個もしくは複数の置換基で置換されたフェニル基もしくはベンジル基、シアノ基(−C≡N)、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基(C25−O−CH=CH−)である。ただし、R6は直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C10脂肪族炭化水素基、チオフェン基(C43S−)、フェニル基、ジフェニル基、または、1個もしくは複数の置換基で置換されたフェニル基もしくはジフェニル基である。
Xが、置換されたフェニル基、ベンジル基もしくはジフェニル基の場合、その置換基は、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基(−NO2)等があげられ、オルト位、メタ位、パラ位のいずれが置換されてもよい。
前記Xが、直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基である場合、Xとしては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜20の整数)で表される基であってもよい。
XのR6O−、R6S−、R6-CO−、R6-CO−O−において、R6としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜10の整数)で表される基であってもよい。また、R6は、前述のように、チオフェン基(C43S−)、フェニル基、ジフェニル基、または、1個もしくは複数の置換基で置換されたフェニル基もしくはジフェニル基であってもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素))等があげられ、オルト位、メタ位、パラ位のいずれが置換されてもよい。
また、前記式(1)において、一方のXには、基が結合しておらず、他方のXのみに、=CH−C64−NO2が結合した構造であってもよい。
なお、本発明で「アルキル基」とは、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が挙げられ、「アルケニル基」とは、特に限定されないが、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基および2−ブテニル基等が挙げられる。また、「アルキニル基」とは、特に限定されないが、例えば、エチニル基およびプロパルギル基等が挙げられ、「シクロアルキル基」とは、特に限定されないが、例えば、シクロペンチル基およびシクロへキシル基等が挙げられ、「シクロアルケニル基」とは、特に限定されないが、例えば、1,3−シクロヘキサジエニル基、1,4−シクロヘキサジエニル基およびシクロペンタジエニル基等が挙げられる。また、本発明における各種炭化水素基は、1以上の水素基が、フッ素原子、塩素原子または臭素原子に置換されてもよい。
β−ケトカルボン酸銀の具体例としては、例えば、イソブチリル酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、α−メチルアセト酢酸銀、α−エチルアセト酢酸銀およびα−n−ブチルアセト酢酸銀等が挙げられる。前記式(1)で表される化合物の中でも、これらのβ−ケトカルボン酸銀は、後述するように金属銀への分解を行った際に、得られる金属銀に残存する原料や不純物の濃度を十分に低減できることから特に好ましい。相対的に不純物が少ない金属銀である程、例えば、さらに、相対的に析出する銀どうしの接触が良くなり、導通がし易くなり、抵抗率が下がるという効果に優れた性質となる。
β−ケトカルボン酸銀の分解温度は、例えば、約60℃〜210℃の範囲、好ましくは約60℃〜200℃の範囲に設定可能であり、例えば、式(1)におけるRやXの置換基の種類等によって調整できる。
前記分解温度は、例えば、Rの電子吸引性に依存しており、その値が大きいほど、加熱時にβ−ケトカルボン酸の脱炭酸反応が起こりやすくなる。従って、電子吸引性の値が相対的に大きいRに設定すれば、例えば、分解温度を相対的に低く設定できる。一方、電子吸引性の値が相対的に小さいRに設定すれば、例えば、分解温度を相対的に高く設定できる。
以下に、式(1)における置換基Rとβ−ケトカルボン酸銀の分解温度との関係の一例を示す。なお、式(1)におけるXは、それぞれ水素原子とし、表中における等号および不等号は、それぞれの分解温度の関係の一例を表わしている。
Figure 2011210941
RがR1−CY2−である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられ、下記式における不等号は、このようなRを有する化合物の分解温度の関係の一例を示している。
Figure 2011210941
RがCY3−である場合の具体例としては、例えば、CF3−、CCl3−等が挙げられ、このようなRを有する化合物の分解温度の関係は、例えば、CF3− < CCl3−である。
RがR1−CHY−である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられ、下記式における不等号は、このようなRを有する化合物の分解温度の関係の一例を示している。
Figure 2011210941
RがR3−で置換されたフェニル基である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられ、下記式における不等号は、このようなRを有する化合物の分解温度の関係の一例を示している。
Figure 2011210941
RがR3O−で置換されたフェニル基である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられ、下記式における不等号は、このようなRを有する化合物の分解温度の関係の一例を示している。
Figure 2011210941
Rが直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C20の脂肪族炭化水素基である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられ、下記式における不等号は、このようなRを有する化合物の分解温度の関係の一例を示している。
Figure 2011210941
RがR54N−である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられ、下記式における不等号は、このようなRを有する化合物の分解温度の関係の一例を示している。
Figure 2011210941
Xがそれぞれ水素原子の場合における、Rと分解温度との関係について具体例を示すと、式(1)におけるRがイソプロピル基ならば、β−ケトカルボン酸銀はイソブチリル酢酸銀となり、その分解温度は約145℃、Rがメチル基ならば、β−ケトカルボン酸銀はアセト酢酸銀となり、その分解温度は約110℃となる(ただし、本発明においては、アセト酢酸銀を除く)。また、式(1)におけるRがエチル基ならば、β−ケトカルボン酸銀はプロピオニル酢酸銀となり、その分解温度は約130℃、Rがフェニル基ならば、β−ケトカルボン酸銀はベンゾイル酢酸銀となり、その分解温度は約120℃となる。
なお、β−ケトカルボン酸銀において、種々の置換基の電子吸引性がどの程度であるか、また、置換基同士の相対的な関係は、例えば、技術常識から決定可能であるため、式(1)におけるRは、前述のように列挙したものには制限されない。つまり、例えば、イソプロピル基よりも電子吸引性が小さいものをRとすれば、分解温度をより高く設定でき、イソプロピル基よりも電子吸引性が大きいものをRとすれば、分解温度をより低く設定できる。
また、β−ケトカルボン酸銀の分解温度は、式(1)におけるXによっても調整できる。Xの電子吸引性が大きいほど、加熱時にβ−ケトカルボン酸の脱炭酸反応が起こり易くなる。従って、電子吸引性の値が相対的に大きいXに設定すれば、例えば、分解温度を相対的に低く設定できる。一方、電子吸引性の値が相対的に小さいXに設定すれば、例えば、分解温度を相対的に高く設定できる。
また、β−ケトカルボン酸銀の分解温度は、例えば、立体障害のようなXの立体的効果によって、調整することができる。すなわち、立体障害が相対的に大きいXに設定すれば、例えば、分解温度を相対的に低く設定でき、立体障害が相対的に小さいXに設定すれば、例えば、分解温度を相対的に高く設定できる。なお、例えば、種々の置換基Xの立体障害がどの程度であるか、また、置換基同士の立体障害の相対的な関係は、例えば、技術常識から決定可能である。
以下の表に、例えば、電子吸引性のような置換基の電子的効果および立体障害のような立体的効果を考慮した際の、式(1)におけるXが水素原子である場合を基準とした、Xの置換による分解温度の変化の一例を示す。なお、Xの置換による分解温度の変化の程度は、例えば、電子的効果による温度変化に立体的効果による温度変化を加えた値となるとして設定することが考えられる。
Figure 2011210941
具体的には、式(1)において、例えば、Rがイソプロピル基、Xが共に水素原子の場合、前述のようにイソブチリル酢酸銀の分解温度は約145℃となる。ここで、式(1)におけるXの1つのみをベンジルに置換した場合、イソブチリルカルボン酸銀の分解温度は、例えば、(145+5−20)℃の約130℃程度に、また、Xの両方をベンジルに置換した場合、その分解温度は、例えば、(145+10−40)℃の約115℃程度に、それぞれ設定できると解される。
XがR6O−である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられる。
Figure 2011210941
XがR6S−である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられる。
Figure 2011210941
Xが直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C20の脂肪族炭化水素基である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられる。
Figure 2011210941
以下に、前記式(1)におけるRおよびXのさらにその他の具体例をあげるが、これらには何ら制限されない。
Figure 2011210941
Figure 2011210941
β−ケトカルボン酸銀の製造方法は、前述のような化合物が製造できればよく、何ら制限されない。例えば、β−ケトカルボン酸と銀化合物とを、水の含有量が55質量%以下の反応液中で反応させることにより、β−ケトカルボン酸銀を生成させる工程を含む方法が挙げられる。以下に本製造方法の一例を説明するが、製造方法はこれには制限されない。
まず、β−ケトカルボン酸塩を準備する。このβ−ケトカルボン酸塩は、例えば、β−ケトカルボン酸エステルを加水分解することによって生成させることができる。エステルの加水分解は、通常、塩基が使用され、前記塩基の種類は、特に制限されないが、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等が挙げられる。前記塩基は、例えば、水溶液として調製されるが、その濃度は、例えば、1mol/L以上であり、好ましくは2〜5mol/Lである。
具体的には、例えば、前記塩基の水溶液を攪拌しながら、これにβ−ケトカルボン酸エステルを滴下し、反応させればよい。前記塩基の添加割合は、特に制限されないが、β−ケトカルボン酸エステル1モルに対して0.8〜2モルが好ましく、さらに好ましくは0.9〜1.2モルである。また、反応液中におけるβ−ケトカルボン酸エステルの濃度は、例えば、0.5〜6.25mol/Lであり、好ましくは1〜5.6mol/Lである。反応温度は、特に制限されないが、例えば、50℃以下が好ましく、より好ましくは40℃以下、特に好ましくは20〜40℃である。反応時間は、例えば、0.5〜48時間、好ましくは1〜4時間である。
なお、この工程において、反応終了後の反応液における前記塩基(NaOH等)の残存量を十分に低減させるには、前記塩基の使用量をβ−ケトカルボン酸エステル使用量よりも少なく設定することが好ましく、例えば、β−ケトカルボン酸エステル1モルに対して0.8〜1モルが好ましく、さらに好ましくは0.8〜0.9モルである。この条件は、β−ケトカルボン酸塩を一度単離してから次工程に供給する際に好ましい。他方、この工程で生成したβ−ケトカルボン酸塩をそのまま次工程に供給する際には、例えば、β−ケトカルボン酸エステル1モルに対して1〜1.3モル(より好ましくは1.1〜1.2モル)の塩基を添加してβ−ケトカルボン酸塩を生成させる。そして、次工程において、使用した塩基と当量の酸(後述する硫酸等)を添加すればよい。
β−ケトカルボン酸エステルは、特に制限されないが、所望のβ−ケトカルボン酸銀の構造に応じて適宜設定できる。β−ケトカルボン酸エステルは、例えば、下記式(2)で表わされ、下記式(2)において、RおよびXは前記式(1)と同様であり、R’は、特に制限されず、例えば、メチル、エチル、イソプロピルおよびベンジル等が挙げられる。具体的な化合物としては、例えば、イソブチリル酢酸メチル、ベンゾイル酢酸エチル、プロピオニル酢酸メチル、イソブチリル酢酸ベンジル、イソブチリル酢酸イソプロピル、2−メチルアセト酢酸エチル、2−エチルアセト酢酸エチルおよび2−n−ブチル酢酸エチル等が挙げられる。
Figure 2011210941
また、原料としては、前述のようなβ−ケトカルボン酸エステルには限定されず、例えば、開環によって前記エステルとなる環状化合物も使用できる。このような環状化合物としては、例えば、以下のようなものが使用できる。
Figure 2011210941
得られるβ−ケトカルボン酸塩は、下記式(3)で表される。下記式(3)において、RおよびXは前記式(1)と同様である。R”は、特に制限されず、使用する塩の種類によって決定され、例えば、Na、K、NH4等があげられる。具体的な化合物としては、例えば、イソブチリル酢酸NaまたはK、ベンゾイル酢酸NaまたはK、プロピオニル酢酸NaまたはK、イソブチリル酢酸NaまたはK、2−メチルアセト酢酸NaまたはK、2−エチルアセト酢酸NaまたはKおよび2−n−ブチル酢酸NaまたはK等が挙げられる。
Figure 2011210941
このβ−ケトカルボン酸塩は、前述のように、β−ケトカルボン酸エステルの加水分解によって調製できるが、得られたβ−ケトカルボン酸塩は、常法により単離してもよいし、次工程における銀化合物との混合の際に、加水分解したものをそのまま用いることも可能である。
つぎに、β−ケトカルボン酸塩と銀化合物とを混合して、β−ケトカルボン酸銀を生成させる。このβ−ケトカルボン酸銀の生成について、第1および第2の方法を以下に示す。
まず、前記式(3)で表されるβ−ケトカルボン酸塩に酸を添加し、生成したβ−ケトカルボン酸を有機溶媒で抽出する。前記酸は、特に制限されないが、例えば、硫酸、塩酸、HBr、硝酸、リン酸、酢酸等が使用できる。酸の使用量は、特に制限されないが、例えば、前記式(3)で表されるβ−ケトカルボン酸塩のR”に相当する量の水素を供給できればよい。また、前工程において生成したβ−ケトカルボン酸塩を単離せずにそのまま使用した場合は、前工程において使用した塩基に相当する量の水素を供給できる酸量とすればよい。このように有機溶媒で抽出することによって、さらに得られるβ−ケトカルボン酸銀の純度を向上させることができる。また、この工程で得られるβ−ケトカルボン酸は、例えば、生成させた後、速やかに氷冷等により冷却し、次工程に進めることが好ましい。
つぎに、β−ケトカルボン酸に銀化合物を添加することによって、β−ケトカルボン酸銀を生成させる。
前記両者の反応は、通常、溶媒中で行われるが、β−ケトカルボン酸銀を効率良く生成させるためには、反応液における水の量を低減することが好ましい。すなわち、反応液における水の量が少ない程、β−ケトカルボン酸銀の生成率が相対的に向上する。具体的には、反応液における水の割合(質量%)は、例えば、55質量%以下であり、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは44質量%以下である。下限は、特に制限されないが、例えば、35質量%程度であり、特に好ましくは検出限界以下である。反応液における溶媒としては、例えば、エーテル等の有機溶媒、水、これらの混合液があげられる。
β−ケトカルボン酸と銀化合物との混合比は、特に制限されないが、銀化合物1モルに対してβ−ケトカルボン酸1〜1.5モルが好ましく、さらに好ましくは銀化合物1モルに対してβ−ケトカルボン酸1〜1.2モルである。β−ケトカルボン酸および銀化合物は、それぞれ少なくとも1種類ずつ用いればよいが、それぞれ2種類以上を併用してもよい。
β−ケトカルボン酸は、通常、有機溶媒に溶解または分散したβ−ケトカルボン酸液として使用される。前記有機溶媒としては、特に制限されず、例えば、酢酸エチル等のエステル類やジエチルエーテル等のエーテルがあげられる。前記β−ケトカルボン酸液の濃度は、特に制限されないが、例えば、0.2mol/L以上であり、好ましくは0.5mol/L以上である。
銀化合物は、通常、銀化合物溶液(例えば、銀化合物水溶液)として添加されるが、前述のように反応液における水量を低減する目的から、その濃度は、例えば、1mol/L以上であり、好ましくは2mol/L以上、より好ましくは3mol/L以上であり、その上限は特に制限されず、例えば、13mol/L以下である。また、生成するβ−ケトカルボン酸銀が、α位未置換の場合、銀化合物液の濃度は、例えば、1mol/L以上であり、好ましくは1.5mol/L以上、より好ましくは2mol/L以上であり、α位置換の場合、銀化合物液の濃度は、例えば、3mol/L以上であり、好ましくは4mol/L以上、より好ましくは5mol/L以上である。また、具体的に、アセト酢酸銀の場合は、例えば、3mol/L以上であり、好ましくは4mol/L以上、より好ましくは5mol/L以上である。
前記銀化合物としては、特に制限されないが、例えば、硝酸銀、塩化銀、炭酸銀、臭化銀およびヨウ化銀等が挙げられ、中でも硝酸銀は、水溶性、安定性および安全性が比較的高いため特に好ましい。
β−ケトカルボン酸と銀化合物との反応においては、β−ケトカルボン酸の−COOHをカルボキシラート(−COO)へと解離させるために、例えば、ジエタノールアミン、メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノールおよびトリエタノールアミン等のアミンを加えてもよい。前記アミンの添加割合は、特に制限されず、例えば、銀化合物1モルに対して1〜1.5モルが好ましく、さらに好ましくは銀化合物1モルに対して1〜1.1モルである。アミンを添加することによって、例えば、β−ケトカルボン酸は有機相から水相に移る。このため、アミンを添加する場合には、例えば、β−ケトカルボン酸液(有機溶媒)におけるβ−ケトカルボン酸濃度は特に考慮しなくともよい。また、アミンの添加によってβ−ケトカルボン酸を有機相から水相に移し、この段階で水相のみを分取して、β−ケトカルボン酸水溶液(水相)と銀化合物溶液(例えば、銀化合物水溶液)とを混合し、β−ケトカルボン酸銀を生成させてもよい。
アミンは、通常、アミン溶液(例えば、アミン水溶液)として添加されるが、前述のように反応液における水量を低減する目的から、前記アミン溶液の濃度は、例えば、2mol/L以上であり、好ましくは4mol/L以上、より好ましくは6mol/Lである。また、その上限は特に制限されず、例えば、8mol/L以下である。
前記反応液におけるβ−ケトカルボン酸の濃度は、例えば、0.1〜5mol/Lであり、好ましくは0.3〜3mol/Lである。また、前記反応液におけるアミンの濃度は、例えば、0.1〜5mol/L、好ましくは0.3〜3mol/Lである。また、前記反応液における銀化合物の濃度は、生成するβ−ケトカルボン酸銀がα位未置換の場合、例えば、0.1mol/L以上であり、好ましくは0.3mol/L以上、より好ましくは0.5mol/L以上であり、α位置換の場合、銀化合物液の濃度は、例えば、0.1mol/L以上であり、好ましくは0.5mol/L以上、より好ましくは2mol/L以上である。また、具体的にアセト酢酸銀の場合、銀化合物液の濃度は、例えば、0.1mol/L以上であり、好ましくは0.5mol/L以上、より好ましくは2mol/L以上、イソブチリル酢酸銀の場合は、例えば、0.15mol/L以上であり、好ましくは0.4mol/L以上、より好ましくは0.6mol/L以上である。
β−ケトカルボン酸と銀化合物との反応条件は、特に制限されないが、例えば、反応時間は0.1〜0.5時間、反応温度は0〜25℃であることが好ましい。
このようにして得られたβ−ケトカルボン酸銀は、例えば、反応後、速やかに分取して乾燥させ、そのまま金属銀の形成材料として用いてもよいが、例えば、水やエタノール等のアルコールで洗浄することにより精製したものを使用することが好ましい。
なお、以上の方法の他に、例えば、β−ケトカルボン酸塩に銀化合物を直接添加してβ−ケトカルボン酸銀を生成させる方法もある。この場合、銀化合物溶液(例えば、銀化合物水溶液)に、β−ケトカルボン酸塩溶液(例えば、水溶液)を添加することが好ましい。
金属銀の形成材料は、β−ケトカルボン酸銀を媒質に分散または溶解した分散液または溶液であってもよい。
前記媒質の種類は、特に制限されないが、金属銀の形成材料を加熱する際に蒸発して除去されるものが好ましく、例えば、2−プロパノール、ブトキシエタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール等のアルコール類;アセトキシメトキシプロパン、フェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジル等のエーテル類;DMSO等のスルホキシド類;水;1−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
金属銀の形成材料は、本発明の効果を損なわない範囲でβ−ケトカルボン酸銀以外の成分を含んでもよい。前記成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂および硬化剤等が挙げられる。
また、金属銀の形成材料は、従来公知の金属銀形成材料、例えば、酸化銀等の無機物やベヘン酸銀、α−ケトカルボン酸銀等の有機物と組み合わせて使用することもできる。このように、β−ケトカルボン酸銀を組み合わせることによって、従来公知の形成材料の特性(例えば、取扱い性)やそれにより形成される金属銀の特性を向上(例えば、導電率の向上、抵抗率の低下)させることができる。
金属銀は、前述のように、β−ケトカルボン酸銀を含有する形成材料を加熱することで形成できる。
かかる製造方法において、前記形成材料の加熱温度は、特に制限されないが、前述のようなβ−ケトカルボン酸銀を使用することから、例えば、約60〜210℃の範囲に設定できる。この加熱温度は、各β−ケトカルボン酸銀の分解温度に応じて設定でき、例えば、分解温度と同温でもよいし、それ以上であってもよい。例えば、分解温度より+0〜+20℃の範囲が好ましく、より好ましくは分解温度より+0〜+10℃の範囲である。加熱温度をこのような範囲に設定することで、β−ケトカルボン酸銀の分解をより確実に進行させることができる。
具体的には、例えば、β−ケトカルボン酸銀がイソブチリル酢酸銀の場合(分解温度約145℃)、前記加熱温度は145〜165℃の範囲が好ましく、より好ましくは145〜155℃の範囲、更に好ましくは145〜150℃の範囲であり、β−ケトカルボン酸銀がベンゾイル酢酸銀の場合(分解温度約120℃)、前記加熱温度は120〜140℃の範囲が好ましく、より好ましくは120〜130℃の範囲である。β−ケトカルボン酸銀がプロピオニル酢酸銀の場合(分解温度約130℃)、前記加熱温度は130〜150℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは130〜140℃の範囲、更に好ましくは130〜135℃の範囲である。β−ケトカルボン酸銀がα−メチルアセト酢酸銀の場合(分解温度約95℃)、前記加熱温度は90〜120℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは90〜110℃の範囲、更に好ましくは90〜100℃の範囲である。β−ケトカルボン酸銀がα−エチルアセト酢酸銀の場合(分解温度約100℃)、前記加熱温度は、95〜120℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは95〜110℃の範囲、更に好ましくは95〜100℃の範囲である。
ただし、ここに示す温度は一例であり、例えば、温度をこのような範囲よりもさらに高くして加熱時間を短縮するなど、加熱温度は、加熱時間も考慮して適宜調節できる。
金属銀の形成方法について、例えば、基材上に金属銀膜を形成する例を挙げて説明する。ただし、金属銀の形成方法は、前記形成材料を使用すればよく、以下の方法には何ら制限されない。
まず、β−ケトカルボン酸銀を媒質に分散または溶解した分散液または溶液を調製し、これを形成材料とする。前記媒質は、特に限定されず、前述のようなものが使用できる。
前記形成材料におけるβ−ケトカルボン酸銀の濃度は、特に制限されず、取扱性(塗布の容易性等)や、金属銀膜の所望の厚み等によって適宜決定できるが、例えば、0.5〜5mol/L、好ましくは0.5〜3mol/Lである。
次に、この形成材料を基材上に塗布する。前記基材は、本発明の太陽電池の基材(図1に示す太陽電池1の場合には、基材5)であって、絶縁性の樹脂であれば特に制限されない。本発明において、金属銀は従来よりも低い温度で形成できるので、高温処理が必要な従来の製造方法では使用できない耐熱性の低い基材も使用可能である。このような基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびエポキシ樹脂等の樹脂製基材等が挙げられる。前記形成材料の塗布方法は、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、ディップ方式、インクジェット方式、ディスペンサー方式等が挙げられる。前記形成材料の基材面積当たりの塗布量は、特に制限されず、例えば、形成材料におけるβ−ケトカルボン酸銀の濃度や形成する金属銀膜の厚み等によって適宜決定できる。
前記形成材料の加熱は、例えば、電気炉による加熱、感熱方式の熱ヘッドを用いる方式等の方法により行うことができ、その条件も特に制限されず、例えば、大気圧下等の条件で行うことができる。
このようにして基材上に金属銀膜を形成できる。前述のように、本発明におけるβ−ケトカルボン酸銀は、分解温度において、迅速且つ十分に分解されるため、形成される金属銀膜は、優れた導電率、すなわち低い抵抗率をも実現可能である。具体的には、金属銀の抵抗率を、例えば、約1×10−5〜8×10−3Ωcmに設定できる。この抵抗率は十分に実用的な値であり、特に、1×10−5Ωcmオーダーの抵抗率は極めて優れることから、このような方法によって形成された金属銀は、導電性材料として非常に有用であるといえる。
本発明において、金属銀は、電極以外に、例えば、接続配線、導電性接着剤等の用途にも使用できる。特に、β−ケトカルボン酸銀は有機物であり、溶媒等と混合させ易く、前記形成材料の粘度等を調整し易いことから、前述の製造方法によれば、特に、微細な接続配線等の形成を容易に行うことができる。
さらに、金属銀の形成材料は、例えば、導電性や抗菌性、静電性等の金属銀の性質を付与したい樹脂と混合して使用することも好ましい。前述のように、本発明におけるβ−ケトカルボン酸銀は有機物であり、樹脂等と混合しやすく、また、樹脂の硬化温度付近での分解が可能であることから、このように樹脂と混合して所定の温度(例えば、樹脂の硬化温度等)で処理し、成型を行えば、成型と同時にβ−ケトカルボン酸銀から金属銀も形成させることができる。このため、樹脂成型品等に容易に金属銀の性質を付与できる。なお、処理温度は、例えば、樹脂の硬化温度とβ−ケトカルボン酸銀の分解温度とによって適宜決定できる。
<β−ケトカルボン酸銀及びその物性>
[実験例1]
(イソブチリル酢酸銀の合成)
水酸化ナトリウム(0.4g)を水(10ml)に溶解し、これにメチルイソブチリルアセテート(1.44g:フルカ社製)を加え、室温で6時間撹拌した。反応生成物をエーテルで洗浄し、10%希硫酸(4.9g)を加えてエーテルで抽出した。エーテル抽出液に過剰の無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、濾過によって無水硫酸ナトリウムを除去した。そして、ロータリーエバポレータによってエーテルを除去し、イソブチリル酢酸を得た(収量1g)。
ジエタノールアミン(0.33g)を水(5ml)に溶解し、これにイソブチリル酢酸(0.43g)を含むエーテル溶液(10ml)を加えた。続いて、前記混合液を15℃で撹拌しながら、これに硝酸銀(0.51g)を含む水溶液(5ml)を滴下し、さらに15分間撹拌した。そして、析出した白色沈殿物を濾取し、イソブチリル酢酸銀を得た(収量0.37g)。得られたイソブチリル酢酸銀の赤外線吸収スペクトル(IR)を図2に示す。
IR:1709cm−1、1505cm−1
また、得られたイソブチリル酢酸銀のNMR(重DMSO)を以下に示す。
1.00ppm 6H d
2.83ppm 1H 5重線
3.30ppm 2H s J=7Hz
元素分析:測定値 C 30.33 H 3.65 N 0.00 Ag 45.42、計算値 C 30.41 H 3.84 Ag 45.51
[実験例2]
(プロピオニル酢酸銀の合成)
水酸化ナトリウム(0.4g)を水(10ml)に溶解し、これにメチルプロピオニルアセテート(1.3g:アルドリッチ社製)を加え、室温で3時間撹拌した。反応生成物をエーテルで洗浄し、10%希硫酸(4.9g)を加えてエーテルで抽出した。エーテル抽出液に過剰の無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、濾過によって無水硫酸ナトリウムを除去した。そして、ロータリーエバポレータによってエーテルを除去し、プロピオニル酢酸を得た(収量0.88g)。
ジエタノールアミン(0.22g)を水(0.5ml)に溶解し、これにプロピオニル酢酸(0.25g)を含むエーテル溶液(3ml)を加えた。続いて、前記混合液を15℃で撹拌しながら、これに硝酸銀(0.34g)を含む水溶液(1ml)を滴下し、さらに15分間撹拌した。そして、析出した白色沈殿物を濾取し、プロピオニル酢酸銀を得た(収量1.89g)。得られたプロピオニル酢酸銀の赤外線吸収スペクトル(IR)を図3に示す。
IR:1714cm−1、1505cm−1
また、得られたプロピオニル酢酸銀のNMR(重DMSO)を以下に示す。
0.87ppm 3H t
2.55ppm 2H q
3.25ppm 2H s J=7Hz
[実験例3]
(ベンゾイル酢酸銀の合成)
水酸化ナトリウム(0.4g)を水(10ml)に溶解し、これにエチルベンゾイルアセテート(2.14g:純度90%、アルドリッチ社製)を加えて室温で終夜撹拌した。反応生成物をエーテルで洗浄し、10%希硫酸(4.9g)を加え、エーテルで抽出した。エーテル抽出液に過剰の無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、濾過によって無水硫酸ナトリウムを除去した。そして、ロータリーエバポレータによってエーテルを除去し、ベンゾイル酢酸を得た(収量1.05g)。
ジエタノールアミン(0.33g)を水(5ml)に溶解し、これにベンゾイル酢酸(0.54g)を含むエーテル溶液(20ml)を加えた。続いて、前記混合液を15℃で撹拌しながら、これに硝酸銀(0.51g)を含む水溶液(5ml)を滴下し、さらに15分間撹拌した。そして、析出した淡黄色沈殿物を濾取し、ベンゾイル酢酸銀を得た(収量0.79g)。得られたベンゾイル酢酸銀の赤外線吸収スペクトル(IR)を図4に示す。
IR:1687cm−1、1540cm−1
また、得られたベンゾイル酢酸銀のNMR(重DMSO)を以下に示す。
3.55ppm 2H s
7.45〜8.00ppm 5H m
[実験例4]
(α−メチルアセト酢酸銀の合成)
水酸化ナトリウム(1.92g)を水(8ml)に溶解し、これを室温で撹拌しながら、2−メチルアセト酢酸エチル(5.77g:和光純薬社製)を滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターによってエタノールを除去し、残留した水層をエーテルで洗浄した。これにエーテル(20ml)を添加し、さらに、氷冷下で撹拌しながら、水8mlに濃硫酸2.35gを溶解させたものを滴下した。エーテル層を分取し、水層を塩析した後にエーテルで抽出した。エーテル層を集め、α−メチルアセト酢酸のエーテル溶液を得た。
ジエタノールアミン(4.4g)を水(5ml)に溶解し、この溶液を、氷冷下でα−メチルアセト酢酸のエーテル溶液に添加した。続いて、水(8ml)に硝酸銀(6.8g)を溶解させたものを滴下した。そして、析出した白色沈殿物を濾取し、氷水、続いてイソプロパノールで洗浄し、乾燥させることによって、α−メチルアセト酢酸銀を白色沈殿物として得た(収量4.78g)。得られたα−メチルアセト酢酸銀の赤外線吸収スペクトル(IR)を図5に示す。
IR:1692cm−1、1523cm−1
元素分析:C=26.49%、H=3.11%、Ag=48.91%(理論値:C=26.93%、H=3.16%、Ag=48.36%)
また、得られたα−メチルアセト酢酸銀のNMR(重DMSO)を以下に示す。
1.25ppm 3H d
2.25ppm 3H s
3.55ppm 1H q J=7Hz
[実験例5]
(α−エチルアセト酢酸銀の合成)
水酸化ナトリウム(1.92g)を水(10ml)に溶解し、これを室温で撹拌しながら、2−エチルアセト酢酸エチル(6.32g:和光純薬社製)を滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターによってエタノールを除去し、残留した水層をエーテルで洗浄した。これにエーテル(20ml)を添加し、さらに、氷冷下で撹拌しながら、水8mlに濃硫酸2.35gを溶解させたものを滴下した。エーテル層を分取し、水層を塩析した後にエーテルで抽出した。エーテル層を集め、α−エチルアセト酢酸のエーテル溶液を得た。
ジエタノールアミン(4.4g)を水(5ml)に溶解し、この溶液を、氷冷下でα−エチルアセト酢酸のエーテル溶液に添加した。続いて、水(8ml)に硝酸銀(6.8g)を溶解させたものを滴下した。そして、析出した白色沈殿物を濾取し、氷水、続いてイソプロパノールで洗浄し、乾燥させることによって、α−メチルアセト酢酸銀を白色沈殿物として得た(収量6.7g)。得られたα−メチルアセト酢酸銀の赤外線吸収スペクトル(IR)を図6に示す。
IR:1700cm−1、1547cm−1
また、得られたα−エチルアセト酢酸銀のNMR(重DMSO)を以下に示す。
0.83ppm 3H t
1.67ppm 2H 5重線
2.15ppm 3H s
3.25ppm 1H t J=7Hz
[実験例6]
(熱質量分析)
実験例1〜5で合成した各β−ケトカルボン酸銀サンプルの熱質量分析(TGA)を、熱分析装置(商品名GTA50:島津製作所社製)を用いて行った。測定条件は、いずれも昇温速度10℃/分、大気雰囲気下とした。サンプル量は、それぞれイソブチリル酢酸銀8.63mg、プロピオニル酢酸銀5.24mg、ベンゾイル酢酸銀5.35mg、α−メチルアセト酢酸銀6.18mg、α−エチルアセト酢酸銀9.05mgとした。実験例1〜5のβ−カルボン酸銀のTGA測定結果をそれぞれ図7〜11のグラフに示す。また、各TGAの結果から求めた加熱処理によるサンプルの質量変化を下記表3に示す。下記表3における、合成したβ−ケトカルボン酸銀の銀含有量(理論値)およびサンプルの熱分解後の残存質量(実験値)は、下記式より算出した。
銀含有量(%) = (銀の原子量/β−ケトカルボン酸銀の分子量) × 100
残存質量(%) = (A/B) × 100
A:熱分解後のサンプルの質量(mg)
B:TGA測定に使用したサンプルの質量(mg)
Figure 2011210941
図7〜図11の結果より、各実施例のβ−ケトカルボン酸銀によれば、210℃以下の加熱温度で急激に分解が起こり、速やかに金属銀を形成できること、さらに、β−ケトカルボニル基を変化させることで、分解温度を調整できることがわかった。また、各β−ケトカルボン酸銀の熱分解後の残存質量が銀含有量の理論値に近い値を示したことから、各β−ケトカルボン酸銀は、分解温度において十分に分解され、金属銀が形成されていることがわかった。
[実験例7]
実験例1〜5で合成した各β−ケトカルボン酸銀を用いて金属銀膜を形成し、その導電性を確認した。
(抵抗率の測定)
まず、実験例1〜3で合成したβ−ケトカルボン酸銀を以下の表4に示す各媒質に分散させ、β−ケトカルボン酸銀濃度1mol/Lの分散液を調製した。そして、スポイドまたはへらを用いて、塗工面積(長さ20mm×幅3.5mm)、塗工量0.02mlの条件で、スライドグラス上に分散液を塗布した。また、実験例4で合成したα−メチルアセト酢酸銀を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、α−メチルアセト酢酸銀濃度1.5mol/Lの溶液を調製した。そして、スポイドを用いて、塗工面積(長さ50mm×幅3.5mm)、塗工量0.04mlの条件で、スライドグラス上に溶液を塗布した。実験例5で合成したα−エチルアセト酢酸銀をDMSOに溶解させ、α−エチルアセト酢酸銀濃度1.5mol/Lの溶液を調製した。そして、スポイドを用いて、塗工面積(長さ50mm×幅3.5mm)、塗工量0.04mlの条件で、スライドグラス上に溶液を塗布した。
これらの分散液または溶液が塗工されたスライドグラスを、80℃で30分間加熱処理後、塗工膜の抵抗率をマルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、いずれも非導電性であった。
Figure 2011210941
次に、分散液または溶液が塗工されたスライドグラスを、予め下記温度に加熱しておいたオーブンへ入れ、そのまま30分間保持した。そして、スライドクラスを取り出し、室温まで冷却してから、形成された金属銀膜の抵抗率を前記マルチメーターで測定した。これらの測定結果を下記表5に示す。
Figure 2011210941
表5に示すように、β−ケトカルボン酸銀を用いて形成した金属銀膜の抵抗率は、約1×10−5〜1×10−3Ωcmオーダーであり、導電性材料として用いるために十分な性能を有していることがわかった。
<太陽電池>
[実施例1]
実験例4で得たα−メチルアセト酢酸銀を、15質量%の濃度で含有するコーティング液を作製し、インクジェット方式で基材上に塗布して、これを150℃で5分間加熱することで、基材上に銀電極層を形成させた。銀電極層の光沢度を光沢度計で測定した結果、129.5であった。
さらに、光電変換層及びITOからなる透明電極層を形成させて、太陽電池を作製した。
[実施例2]
α−メチルアセト酢酸銀の濃度が15質量%ではなく、25質量%であるコーティング液を用いたこと以外は、実施例1と同様に太陽電池を作製した。銀電極層の光沢度は143.4であった。
[比較例1]
α−メチルアセト酢酸銀を含有するコーティング液に代えて、シルバーインキ(東洋インキ製造社製、シルバーキングレオ)を使用したこと以外は、実施例1と同様に太陽電池を作製した。銀電極層の光沢度は66.8であった。
作製した太陽電池の光電変換効率を測定した結果、実施例1の太陽電池は比較例1の太陽電池に対して1.5倍、実施例2の太陽電池は比較例1の太陽電池に対して1.7倍であった。

Claims (6)

  1. 基材、銀電極層、光電変換層及び透明電極層がこの順に積層されてなる太陽電池であって、
    前記銀電極層が、下記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀(ただし、アセト酢酸銀を除く)を含有する金属銀の形成材料が加熱されて形成された金属銀を含むことを特徴とする太陽電池。
    Figure 2011210941
    [前記式(1)において、Rは直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、またはフェニル基であり、Xは、同一であるかまたは異なり、水素原子、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基である。]
  2. 前記β−ケトカルボン酸銀が、イソブチリル酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、α−メチルアセト酢酸銀およびα−エチルアセト酢酸銀からなる群から選択された少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記形成材料が、β−ケトカルボン酸銀を媒質に分散または溶解した分散液または溶液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池。
  4. 前記形成材料が、還元剤非共存下で加熱されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池。
  5. 前記形成材料の加熱温度が、60〜210℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽電池。
  6. 前記金属銀の抵抗率が1×10−5〜7.8×10−3Ωcmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の太陽電池。
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