JP2011210699A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁体の強度向上を図り、絶縁体の破損を防止する。
【解決手段】スパークプラグは、絶縁碍子2及び主体金具3を備える。絶縁碍子2は、大径部11、縮径部15及び後端側胴部10を有し、主体金具3は、工具係合部20、加締め部21及び座部17を有する。加締め部21は、リング部材24及び滑石26を介して大径部11に係止される。後端側胴部10の外径が7.0mm以上8.0mm以下、工具係合部20の対辺寸法が12mm以下とされたり、後端側胴部10の外径が9.0mm以上10.5mm以下、軸線CL1に沿った座部17から絶縁碍子2の後端までの距離が42mm以上54mm以下とされたスパークプラグにおいて、後端側胴部10の外径とリング部材24の内径との径差の1/2が0.15mm以上とされ、軸線CL1を含む断面におけるリング部材24の直径が0.4mm以上とされる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグに関する。
スパークプラグは、例えば、内燃機関(エンジン)に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられるものである。一般的にスパークプラグは、軸孔を有する絶縁体と、当該軸孔の先端側に挿通される中心電極と、軸孔の後端側に挿通される端子電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端部に設けられ、中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備える。
また、一般に主体金具及び絶縁体は、主体金具の内周面に形成された段部に対して絶縁体の外周面に形成された段部を係止した状態で、主体金具の後端部を径方向内側へと屈曲させて加締め部を形成し、当該加締め部を径方向外側に膨出する絶縁体の大径部に対して係止することで固定される。加えて、気密性の向上を図るべく、加締め部の内側であって主体金具と絶縁体との間に、リング部材や滑石を収容する技術が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
ところで近年では、エンジンレイアウトの自由度を向上させるべく、スパークプラグの小型化が求められている。そこで、スパークプラグの小型化を実現すべく、絶縁体がより細径なものとされ得る。
また、高圧縮化や高過給気化された内燃機関等においては、火花を放電させるためにより大きな電圧が必要になるところ、印加電圧を増大させると、端子電極と主体金具との間で絶縁体表面を這うようにして電流がリークしてしまうおそれがある。そこで、電流のリークを防止すべく、絶縁体のうち端子電極と主体金具との間に位置する部位がより長いものとされ得る。
特開2006−92955号公報
しかしながら、上述のように細径化されたり、端子電極と主体金具との間に位置する部位が比較的長い絶縁体は、内燃機関等の動作に伴う振動や落下に対する強度が低下してしまう。そのため、絶縁体のうち、特に応力が集中しやすい後端側胴部の先端部から大径部にかけた部位において、振動等による割れが発生してしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、細径化されたり、端子電極と主体金具との間に位置する部位が比較的長くされた絶縁体を有するスパークプラグにおいて、絶縁体の強度向上を図ることができ、ひいては絶縁体の破損をより確実に防止できるスパークプラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具とを備え、
前記絶縁体は、
径方向外側に突出形成された大径部と、
前記大径部の後端から前記軸線方向後端側に向けて縮径する縮径部と、
前記縮径部の後端から延びる円筒状の後端側胴部とを有するとともに、
前記主体金具は、
内燃機関への取付のための工具係合部と、
前記工具係合部の後端側において、径方向内側に向けて屈曲形成された加締め部とを有し、
前記軸線を中心として環状をなすとともに、前記縮径部に接触して配置され、前記主体金具の内周面に接触する断面円形状のリング部材と、
前記絶縁体及び前記主体金具間において、前記リング部材の少なくとも前記絶縁体側に位置する面に接触する滑石とを介して、前記加締め部が前記大径部に間接的に係止されており、
前記後端側胴部の外径が7.0mm以上8.0mm以下とされ、前記工具係合部の対辺寸法が12mm以下とされたスパークプラグであって、
前記後端側胴部の外径と前記リング部材の内径との径差の1/2を0.15mm以上とし、前記軸線を含む断面における前記リング部材の直径を0.4mm以上としたことを特徴とする。
尚、前記加締め部の形成に伴い、前記リング部材が潰れ変形する場合がある。その場合において、「リング部材の直径」とあるのは、リング部材の断面積と同一の面積を有する円の直径をいう。例えば、リング部材の断面積がSであったとき、リング部材の直径Rは、R=(4S/π)1/2となる(以下、同様)。
上記構成1のスパークプラグは、後端側胴部の外径が7.0mm以上8.0mm以下とされ、工具係合部の対辺寸法が12mm以下と小径化されている。従って、衝撃に対する絶縁体の強度が不十分となってしまい、特に応力の集中しやすい縮径部及びその周辺において折損等の不具合が生じてしまうおそれがある。
この点、上記構成1によれば、後端側胴部の外径とリング部材の内径との径差の1/2が0.15mm以上とされており、絶縁体のうち縮径部及びその周辺部分と主体金具との間に十分に大きな空間が形成されている。従って、当該空間へと滑石を比較的容易に入り込ませることができ、滑石から、縮径部及びその周辺部位(つまり、振動等による応力集中が特に懸念される部位)へとより大きな圧縮応力を加えることができる。その結果、縮径部及びその周辺部位の強度を向上させることができ、絶縁体の折損等をより確実に防止することができる。
一方で、前記径差を大きく確保するためには、リング部材として線径の比較的小さなものを用いることが考えられる。ところが、リング部材の線径を過度に小さくしてしまうと、リング部材が滑石に押されることで生じる、リング部材が主体金具の内周面へと押し付けられる力も小さなものとなってしまう。このため、内燃機関の動作に伴う振動等により、リング部材と主体金具の内周面との間を通って滑石が流出してしまい、加締め部から滑石等を介して大径部に加えられる加締め力が減少してしまうおそれがある。加締め力が低下してしまうと、主体金具と絶縁体との間における気密性の低下を招いてしまう。
この点を鑑みて、上記構成1によれば、軸線CL1を含む断面におけるリング部材の外形線の直径が0.4mm以上とされている。従って、リング部材が主体金具の内周面へと十分に大きな力をもって押し付けられることとなり、滑石の流出をより確実に防止することができる。その結果、十分な気密性をより確実に、かつ、より長期間に亘って維持することができる。
構成2.本構成のスパークプラグは、軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具とを備え、
前記絶縁体は、
径方向外側に突出形成された大径部と、
前記大径部の後端から前記軸線方向後端側に向けて縮径する縮径部と、
前記縮径部の後端から延びる円筒状の後端側胴部とを有するとともに、
前記主体金具は、
内燃機関への取付のための工具係合部と、
前記工具係合部の後端側において、径方向内側に向けて屈曲形成された加締め部と、
前記工具係合部の先端側において、径方向外側に突出形成された座部とを有し、
前記軸線を中心として環状をなすとともに、前記縮径部に接触して配置され、前記主体金具の内周面に接触する断面円形状のリング部材と、
前記絶縁体及び前記主体金具間において、前記リング部材の少なくとも前記絶縁体側に位置する面に接触する滑石とを介して、前記加締め部が前記大径部に間接的に係止されており、
前記後端側胴部の外径が9.0mm以上10.5mm以下とされたスパークプラグであって、
前記軸線に沿った前記座部から前記絶縁体の後端までの距離が42mm以上54mm以下とされ、
前記後端側胴部の外径と前記リング部材の内径との径差の1/2を0.15mm以上とし、前記軸線を含む断面における前記リング部材の直径を0.4mm以上としたことを特徴とする。
上記構成2のスパークプラグは、軸線に沿った座部から絶縁体後端までの距離が42mm以上54mm以下と長尺化されている。このようなスパークプラグは、長尺化に伴い絶縁体の質量が増大することと相俟って、内燃機関の動作に伴う振動やスパークプラグの落下等により絶縁体に加わる衝撃がより大きなものとなってしまう。そのため、絶縁体に折損等の不具合が生じてしまいやすい。
この点、上記構成2によれば、後端側胴部の外径とリング部材の内径との径差の1/2が0.15mm以上とされるとともに、軸線を含む断面におけるリング部材の直径が0.4mm以上とされている。これにより、十分な気密性をより確実に、かつ、より長期間に亘って維持することができるとともに、絶縁体のうち応力集中が特に懸念される部位の強度向上が図られ、絶縁体の折損等をより確実に防止することができる。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2において、前記工具係合部の外周面のうち前記軸線に沿った長さが最小となる部分の前記軸線に沿った長さをA(mm)とし、
前記軸線に沿った前記縮径部の先端から前記工具係合部の外周面の後端までの距離をB(mm)としたとき、
B/Aを0.85以下とするとともに、
前記軸線を中心として環状をなすとともに、前記リング部材との間で前記滑石を挟んで配置され、前記加締め部に接触する第2リング部材を備え、
前記軸線に沿った前記リング部材から前記第2リング部材までの距離を3.0mm以上としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
上記構成3によれば、工具係合部の外周面のうち軸線に沿った長さが最小となる部分の軸線に沿った長さをA(mm)とし、縮径部の先端から工具係合部の外周面の後端までの軸線に沿った長さをB(mm)としたとき、B/A≦0.85を満たすように構成されている。すなわち、一般に工具係合部の内側に滑石が配置されるところ、工具係合部に対する滑石充填部分の軸線に沿った重なり割合が過度に大きなものとならないように構成されている。従って、滑石により工具係合部が径方向外側へと膨らんでしまうことをより確実に防止することができ、ひいては滑石から絶縁体に加わる圧縮応力をより増大させることができる。その結果、絶縁体の強度の更なる向上を図ることができ、絶縁体の折損等を一層確実に防止することができる。
一方で、B/Aをより小さなものとするためには、Bをより小さくすること(換言すれば、滑石充填部分の軸線に沿った長さをより短くすること)等が考えられるが、滑石充填部分の長さを過度に短くすれば、気密性が低下してしまうおそれがある。この点、本構成3によれば、リング部材から第2リング部材までの軸線に沿った距離、すなわち、滑石充填部分の軸線に沿った長さが3.0mm以上と十分に大きなものとされている。このため、気密性をより一層向上させることができる。
構成4.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記縮径部の表面は、凹状の湾曲面状をなすとともに、
前記軸線を含む断面において、前記縮径部の外形線の曲率半径が、前記後端側胴部の外径と前記大径部後端の外径との径差の1/2よりも大きくされることを特徴とする。
上記構成4によれば、縮径部に沿ってリング部材を主体金具の内周面へとより一層確実に接触させることができる。従って、リング部材の絶縁体側の面と絶縁体(縮径部)との間において十分に大きなスペースがより確実に設けられることとなり、ひいては当該スペースに対して滑石をより容易に入り込ませることができる。このため、滑石から絶縁体に対して一層確実に圧縮応力が加えられるとともに、リング部材が滑石により主体金具の内周面へと一層確実に押し付けられることとなる。その結果、絶縁体の強度、及び、気密性の更なる向上を図ることができる。
構成5.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記縮径部は、
前記大径部の後端から前記軸線方向後端側に向けて縮径するテーパ状のテーパ部と、
前記テーパ部の後端、及び、前記後端側胴部の先端の間に形成され、凹状の湾曲面状をなす湾曲面部とからなることを特徴とする。
上記構成5によれば、上記構成4と同様の作用効果が奏されることとなる。
第1実施形態におけるスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 図1のJ−J線断面図である。 リング部材の別例を示す部分拡大断面図である。 リング部材と主体金具等の位置関係を説明するための部分拡大断面図である。 縮径部の構成を示す部分拡大断面図である。 第2実施形態におけるスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 第2実施形態におけるリング部材等の構成を示す部分拡大断面図である。 絶縁体強度試験における、(Y−X)/2の値と折損荷重との関係を示すグラフである。 絶縁体強度試験における重なり割合と折損荷重との関係を示すグラフである。 他の実施形態における縮径部の構成を示す部分拡大断面図である。 縮径部と大径部との間が湾曲面状をなす場合における、縮径部の先端を説明するための拡大断面模式図である。
〔第1実施形態〕
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された円柱状の後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。また、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。さらに、後端側胴部10と大径部11との連接部には、大径部11の後端から軸線CL1方向後端側に向けて縮径する縮径部15が設けられており、当該縮径部15の表面は、凹状の湾曲面状をなしている。また、縮径部15から後端側胴部10にかけた部位は、角部のない滑らかな外形形状とされている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとにより構成されている。加えて、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されるとともに、絶縁碍子2の先端から突出している。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を内燃機関や燃料電池改質器等の燃焼装置に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)16が形成されている。また、ねじ部16の後端側の外周面には、径方向外側に突出形成された鍔状の座部17が形成され、ねじ部16後端のねじ首18にはリング状のガスケット19が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、スパークプラグ1を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部20が設けられている。また、工具係合部20の後端側には、径方向内側に向けて屈曲形成された加締め部21が設けられており、当該加締め部21により絶縁碍子2が保持されている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部22が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部22に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部21を形成することによって固定されている。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,22間には、円環状の板パッキン23が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間にリング部材24及び第2リング部材25が介在されているとともに、リング部材24及び第2リング部材25間には、滑石(タルク)26が充填されている。すなわち、加締め部21は、リング部材24や滑石26等を介して、前記大径部11に係止されており、主体金具3は、板パッキン23、リング部材24,25及び滑石26を介して絶縁碍子2を保持している。
また、前記リング部材24及び第2リング部材25は、断面円形状をなすとともに、それぞれ軸線CL1を中心として環状をなしている。さらに、リング部材24は、絶縁碍子2の縮径部15及び主体金具3の内周面に接触するように配置されている。一方で、第2リング部材25は、前記リング部材24との間で前記滑石26を挟むようにして配置されており、加締め部21の内周面に接触している。
さらに、前記主体金具3の先端部には、自身の略中間が曲げ返されて、その先端部側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極27が接合されている。そして、前記中心電極5の先端部及び接地電極27の先端部の間には、火花放電間隙33が形成されており、当該火花放電間隙33において、前記軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
また、本実施形態においては、スパークプラグ1の小径化を図るべく、絶縁碍子2や主体金具3の小径化が図られている。そのため、図2に示すように、前記後端側胴部10の外径X1が7.0mm以上8.0mm以下とされており、工具係合部20の対辺寸法Z1が12mm以下とされている。
加えて、後端側胴部10の外径X1とリング部材24の内径Y1との径差の1/2〔(Y1−X1)/2〕が0.15mm以上とされている。このため、前記滑石26は、リング部材24の少なくとも絶縁碍子2側に位置する面に接触するようになっている。
一方で、軸線CL1を含む断面において、リング部材24の直径D1が0.4mm以上とされており、その結果、前記径差〔(Y1−X1)/2〕が過度に大きくならないように構成されている。尚、図3に示すように、前記加締め部21の形成に伴って、リング部材24が潰れ変形する場合がある。この場合において、リング部材24の直径D1は、リング部材24の断面積と同一の面積を有する真円の直径をいう。尚、リング部材24の断面積は、例えば、次のようにして得ることができる。すなわち、リング部材24の断面を撮像するとともに、撮像画像中においてリング部材24の占める領域のピクセル数を得る。そして、当該ピクセル数に1ピクセル当たりの面積を乗じることで、リング部材24の断面積を得ることができる。
さらに、図4に示すように、工具係合部20の外周面のうち軸線CL1に沿った長さが最小となる部分の軸線CL1に沿った長さをA1(mm)とし、前記縮径部15の先端から工具係合部20の外周面の後端までの軸線CL1に沿った距離をB1(mm)としたとき、B1/A1が0.85以下とされている。すなわち、軸線CL1に沿った、工具係合部20に対する、リング部材24や滑石26等が配置される空間の重なり割合が85%以下とされており、当該重なり割合が過度に大きくならないように設定されている。尚、「工具係合部20の外周面のうち軸線CL1に沿った長さが最小となる部分」とあるのは、本実施形態において、工具係合部20の外周面の角部に相当する部分であり、軸線CL1と直交する方向に沿って最大の肉厚を有する部分である。また、本実施形態においては、工具係合部20のうち最大の肉厚を有する部分の厚さが所定厚さ以上(例えば、1.15mm以上)とされている。
さらに、軸線CL1に沿った前記リング部材24から第2リング部材25までの距離C1が3.0mm以上とされている。
併せて、図5に示すように、縮径部15の表面全域を凹状の湾曲形状とすべく、軸線CL1を含む断面において、縮径部15の外形線の曲率半径R1が、後端側胴部10の外径X1と大径部11の後端の外径K1(図4参照)との径差の1/2〔(K1−X1)/2〕よりも大きくされている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、鉄系素材やステンレス素材)に対して冷間鍛造加工等により概形を形成するとともに、貫通孔を形成する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金からなる直棒状の接地電極27が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部16が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。また、接地電極27の溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用いて、成形用素地造粒物を調製するとともに、当該成形用素地造粒物を用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。次いで、整形されたものが焼成炉で焼成されることにより、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金を鍛造加工して中心電極5を作製する。
次に、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱することにより焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面に釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが固定される。詳述すると、まず、主体金具3の段部22上に板パッキン23を載置した上で、主体金具3の後端開口から絶縁碍子2を挿入し、絶縁碍子2の段部14を前記板パッキン23に接触させる。次いで、絶縁碍子2の大径部11上に前記リング部材24を配置するとともに、絶縁碍子2と主体金具3との間に滑石26を充填する。尚、滑石26の充填は、筒状の治具(図示せず)により先端側へと押圧力を加えることで行われる。その後、滑石26上に第2リング部材25を配置し、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締め、前記加締め部20を形成する。これにより、絶縁碍子2と主体金具3とが固定される。
次いで、接地電極27の略中間部分を屈曲させ、接地電極27の先端部側面と中心電極5の先端面とを対向させる。そして、中心電極5及び接地電極27間の火花放電間隙33の大きさを調整することで、上述したスパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、後端側胴部10の外径X1とリング部材24の内径Y1との径差の1/2〔(Y1−X1)/2〕が0.15mm以上とされており、絶縁碍子2のうち縮径部15及びその周辺部分と主体金具3との間に十分に大きな空間が形成されている。従って、当該空間へと滑石26を比較的容易に入り込ませることができ、滑石26から、縮径部15及びその周辺部位(つまり、振動等による応力集中が特に懸念される部位)へとより大きな圧縮応力を加えることができる。その結果、縮径部15及びその周辺部位の強度を向上させることができ、絶縁碍子2の折損等をより確実に防止することができる。
さらに、軸線CL1を含む断面におけるリング部材24の直径D1が0.4mm以上とされているため、滑石26によりリング部材24が主体金具3の内周面へと十分に大きな力をもって押し付けられることとなり、滑石26の流出をより確実に防止することができる。その結果、十分な気密性をより確実に、かつ、より長期間に亘って維持することができる。
加えて、軸線CL1に沿った、工具係合部20の長さA1と、縮径部15の先端から工具係合部20の外周面の後端までの長さB1とが、B1/A1≦0.85を満たすように構成されている。従って、滑石26により工具係合部20が径方向外側へと膨らんでしまうことをより確実に防止することができ、ひいては滑石26から絶縁碍子2に加わる圧縮応力をより増大させることができる。その結果、絶縁碍子2の強度の更なる向上を図ることができ、絶縁碍子2の折損等を一層確実に防止することができる。
併せて、本実施形態においては、リング部材24から第2リング部材25までの軸線CL1に沿った距離C1、すなわち、滑石充填部分の軸線CL1に沿った長さが3.0mm以上と十分に大きなものとされている。このため、気密性をより一層向上させることができる。
加えて、縮径部15が湾曲面状をなすとともに、軸線CL1を含む断面において、縮径部15の曲率半径R1が、大径部11の外径K1と後端側胴部10の外径X1との径差の1/2〔(K1−X1)/2〕よりも大きくされているため、リング部材24を主体金具3の内周面へとより一層確実に接触させることができる。これにより、リング部材24の絶縁碍子2側の面と絶縁碍子2との間において十分に大きなスペースがより確実に設けられることとなり、ひいては当該スペースに対して滑石26を容易に入り込ませることができる。このため、滑石26から絶縁碍子2に対して一層確実に圧縮応力が加えられるとともに、リング部材24が滑石26により主体金具3の内周面へと一層確実に押し付けられることとなる。その結果、絶縁碍子2の強度、及び、気密性の更なる向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、縮径部15から後端側胴部10にかけて、角部のない滑らかな外形形状とされているため、振動等に伴う後端側胴部10と縮径部15との連接部分に対する応力の集中をより確実に防止することができる。その結果、絶縁碍子2の強度向上が図られることと相俟って、絶縁碍子2の折損等を効果的に防止することができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本第2実施形態におけるスパークプラグ1Aは、上記第1実施形態におけるスパークプラグ1ほど小径化されておらず、図6に示すように、後端側胴部10Aの外径X2が9.0mm以上10.5mm以下とされている。一方で、スパークプラグ1Aは、後端側胴部10Aの表面を這った、端子電極6及び主体金具3A間における電流のリークを防止すべく、軸線CL1方向に沿って長尺化されている。そのため、軸線CL1に沿った座部17Aの先端側端面から絶縁碍子2Aの後端までの距離L2が42mm以上54mm以下とされている。
尚、主体金具3A、絶縁碍子2A、及び、リング部材24Aの相対位置関係や、軸線CL1を含む断面におけるリング部材24Aの直径などは、上記第1実施形態と同様の構成とされている。すなわち、図7に示すように、後端側胴部10Aの外径X2とリング部材24Aの内径Y2との径差の1/2〔(Y2−X2)/2〕が0.15mm以上とされている。また、軸線CL1を含む断面において、リング部材24Aの直径D2が0.4mm以上とされている。
さらに、工具係合部20Aの外周面のうち軸線CL1に沿った長さが最小となる部分の軸線CL1に沿った長さをA2(mm)とし、縮径部15Aの先端から工具係合部20Aの外周面の後端までの軸線CL1に沿った距離をB2(mm)としたとき、B2/A2が0.85以下とされている。併せて、軸線CL1に沿った前記リング部材24Aから第2リング部材25Aまでの距離C2が3.0mm以上とされている。
以上、本第2実施形態によれば、軸線CL1に沿った座部17Aから絶縁碍子2Aの後端までの距離L2が42mm以上54mm以下と長尺化されたスパークプラグ1Aにおいて、優れた気密性を維持しつつ、絶縁碍子2Aの強度を飛躍的に向上できる。
次に、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、後端側胴部の外径を7.0mm、7.5mm、又は、8.0mmとした上で、後端側胴部の外径X(mm)とリング部材の内径Y(mm)との径差の1/2〔(Y−X)/2〕を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて、JIS B8031に基づく絶縁体強度試験を行った。尚、絶縁体強度試験の概要は次の通りである。すなわち、サンプルを水平状態で所定の試験台に取付けた上で、絶縁碍子の後端から5mmの部分に軸線と直交する方向の荷重を加え、絶縁碍子に割れが生じた際の荷重(折損荷重)を測定した。図8に、絶縁体強度試験の試験結果を示す。尚、図8においては、後端側胴部の外径を7.0mmとしたサンプルの試験結果を丸印でプロットし、後端側胴部の外径を7.5mmとしたサンプルの試験結果を三角でプロットし、後端側胴部の外径を8.0mmとしたサンプルの試験結果を四角でプロットした。また、当該試験においては、各サンプルともに、工具係合部の対辺寸法を12mm以下とし、軸線方向に沿った主体金具の座部から絶縁碍子の後端までの軸線に沿った長さを40mmとした。
図8に示すように、(Y−X)/2を0.15mm以上としたサンプルは、(Y−X)/2を0.15mm未満としたサンプルと比較して、絶縁碍子の強度が飛躍的に向上することが明らかとなった。これは、後端側胴部とリング部材との間に十分に大きな空間が設けられたことで、当該空間に十分な量の滑石が充填されることとなり、その結果、滑石から絶縁碍子(特に、縮径部及びその近傍)に加わる圧縮応力が大きく増大したことに起因すると考えられる。また特に、(Y−X)/2を0.25mm以上とすることで、絶縁碍子の強度を一層向上できることが確認された。
次に、後端側胴部の外径を9.0mm、又は、10.5mmとした上で、後端側胴部の外径Xとリング部材の内径Yとの径差の1/2〔(Y−X)/2〕、及び、座部から絶縁碍子の後端までの軸線に沿った長さLを種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて耐落下性評価試験を行った。耐落下性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、後端側胴部の外径を9.0mmとしたサンプルについては、これを1.7mmの高さから自由落下させ、後端側胴部の外径を10.5mmとしたサンプルについては、これを2.2mmの高さから自由落下させた。そして、落下させた後のサンプルを観察し、絶縁碍子における損傷の有無を確認した。ここで、絶縁碍子に割れ等の損傷が生じていたサンプルは、強度に劣るとして「×」の評価を下す一方で、絶縁碍子に損傷が生じていなかったサンプルは、優れた強度を有するとして「○」の評価を下すこととした。表1に、後端側胴部の外形を9.0mmとしたサンプルの試験結果を示し、表2に、後端側胴部の外径を10.5mmとしたサンプルの試験結果を示す。尚、上述した絶縁体強度試験と同様の試験ではなく、耐落下性評価試験を行ったのは、座部から絶縁碍子の後端までの長さを変更したことに伴う絶縁碍子の重さの違いによる影響を加味した上で、絶縁碍子の強度を評価するためである。また、後端側胴部の外径の違いにより落下距離を変更したのは、後端側胴部の外径の変化に伴う絶縁碍子の肉厚の変化に対応するためである。尚、各サンプルともに、軸線を含む断面におけるリング部材の直径を0.4mm以上とした。また、表1及び表2中において、(Y−X)/2が0mmとあるのは、後端側胴部とリング部材とを接触させたことを意味する。
Figure 2011210699
Figure 2011210699
表1及び表2に示すように、座部から絶縁碍子の後端までの軸線に沿った長さLを40mm以下としたサンプルは、(Y−X)/2の大小によることなく、強度の面で問題はなかったものの、座部から絶縁碍子の後端までの軸線に沿った長さLを42mm以上としたサンプルであって、(Y−X)/2を0mmとしたものは、強度が不十分となってしまうことが明らかとなった。
これに対して、(Y−X)/2を0.15mm以上としたサンプルは、座部から絶縁碍子の後端までの軸線に沿った長さLを54mm超と過度に大きくしない限り、絶縁碍子に損傷が生じることなく、優れた強度を実現できることが分かった。これは、後端側胴部とリング部材との間に十分に大きな空間が設けられたことで、滑石から絶縁碍子へと加わる圧縮応力が大きく増大したためであると考えられる。
次いで、リング部材の線径を変更することで、軸線を含む断面におけるリング部材の直径Dを種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて気密性評価試験を行った。気密性評価試験の概要は次の通りである。まず、各サンプルに対して、ISO 11565に基づく振動試験〔サンプルを所定の試験台に組付けた上で、振動数を50Hz〜500Hz、加速度を30g(294m/s2)として、8時間に亘ってサンプルの軸方向及び軸直交方向に振動を加える試験〕を行った。次いで、前記振動試験を行ったサンプルに対して、JIS B8031に基づく気密性試験〔エンジンヘッドを模した試験台にサンプルを取付けた上で、サンプルを150℃に加熱し、火花放電間隙側から1.5MPaの空気圧を加える試験〕を行い、主体金具と絶縁碍子との間からの空気の漏れ量を測定した。ここで、空気の漏れ量が10ml/分よりも大きくなったサンプルは、気密性が不十分であるとして「×」の評価を下し、空気の漏れ量が10ml/分以下となったサンプルは、優れた気密性を有するとして「○」の評価を下すこととした。表3に、当該試験の試験結果を示す。
Figure 2011210699
表3に示すように、リング部材の直径Dを0.40mm未満としたサンプルは、気密性が不十分となってしまうことが明らかとなった。これは、リング部材の直径が比較的小さかったことで、充填された滑石により生じる、リング部材を主体金具へと押し付ける力が小さくなってしまい、リング部材と主体金具との間を通って滑石が流出してしまったことに起因すると考えられる。
これに対して、リング部材の直径Dを0.40mm以上としたサンプルは、空気の漏れ量が10ml/分以下となり、気密性に優れることが明らかとなった。これは、リング部材の線径が比較的大きかったため、リング部材を主体金具へと押し付ける力が十分に確保され、その結果、主体金具とリング部材との間を通った滑石の流出が抑制されたためであると考えられる。
以上の試験結果より、工具係合部の対辺寸法が12mm以下とされるとともに、後端側胴部の外径Xが7.0mm以上8.0mm以下と小径化されたスパークプラグや、座部から絶縁碍子の後端までの軸線に沿った長さLが42mm以上54mm以下と長尺化されたスパークプラグ、つまり、絶縁碍子における強度の低下が懸念されるスパークプラグにおいては、絶縁碍子の強度向上を図るべく、後端側胴部の外径Xとリング部材の内径Yとの径差の1/2〔(Y−X)/2〕を0.15mm以上とすることが好ましいといえる。
また、優れた気密性を実現するという観点から、軸線を含む断面における直径Dが0.4mm以上となるリング部材を用いることが好ましいといえる。
次いで、後端側胴部の外径を7.0mm、7.5mm、8.0mm、9.0mm、又は、10.5mmとしつつ、工具係合部の外周面のうち軸線に沿った長さが最小となる部分の軸線に沿った長さA(mm)を一定とした上で、絶縁碍子の大径部の軸線方向長さを変更することにより、縮径部の先端から前記工具係合部の外周面の後端までの軸線に沿った距離B(mm)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の絶縁体強度試験を行った。図9に、B/Aと折損荷重との関係を表すグラフを示す。尚、図9においては、後端側胴部の外径を7.0mmとしたサンプルの試験結果を丸印でプロットし、後端側胴部の外径を7.5mmとしたサンプルの試験結果を三角でプロットし、後端側胴部の外径を8.0mmとしたサンプルの試験結果を四角でプロットした。また、後端側胴部の外径を9.0mmとしたサンプルの試験結果を菱形でプロットし、後端側胴部の外径を10.5mmとしたサンプルの試験結果をバツ印でプロットした。尚、以下の試験においては、各サンプルともに、(Y−X)/2を0.15mm以上とし、リング部材の直径Dを0.4mm以上とした。
図9に示すように、各サンプルともに優れた強度を有していたものの、特にB/Aを0.85以下とすることで、より一層優れた強度を実現できることが明らかとなった。これは、軸線方向に沿った、工具係合部に対する滑石充填部分の重なり割合を比較的小さくしたことで、滑石による工具係合部の径方向外側への膨出を抑制することができ、その結果、滑石から絶縁碍子に加わる圧縮応力がより一層増大したためであると考えられる。
また、図9に示すように、B/Aの値を小さくするほど、絶縁碍子の強度向上を期待できることが分かった。従って、強度の更なる向上を図るべく、B/Aを0.80以下とすることがより好ましく、B/Aを0.75以下とすることがより一層好ましいといえる。
次に、絶縁碍子の大径部の軸線方向長さを変更することで、軸線に沿ったリング部材から第2リング部材までの距離(充填された滑石の軸線に沿った長さであり、以下、「滑石充填長」と称す)Cを種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて、上述の気密性評価試験を行った。表4に、各サンプルにおける1分間当たりの空気の漏れ量を示す。また、表4においては、各サンプルにおけるB/Aの値をカッコ内に参考として示す。
Figure 2011210699
表4に示すように、各サンプルともに空気の漏れ量が10ml/分以下となり、優れた気密性を有していたものの、特に滑石充填長Cを3.0mm以上としたサンプルは、空気が漏れることなく、極めて優れた気密性を有することが確認された。
以上の試験結果を鑑みて、絶縁碍子の強度の一層の向上を図るべく、B/Aを0.85以下とすることが好ましいといえる。
また、気密性の更なる向上を図るという点から、滑石充填長Cを3.0mm以上とすることが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態において、縮径部15の表面は凹状の湾曲面状とされているが、縮径部は、大径部11の後端から軸線CL1方向後端側に向けて縮径する形状とされていればよく、凹状の湾曲面状に限定されるものではない。従って、例えば、図10に示すように、縮径部45を、大径部11の後端から軸線CL1方向後端側に向けて縮径するテーパ状のテーパ部46と、当該テーパ部46の後端、及び、後端側胴部10の先端の間に形成され、凹状の湾曲面状をなす湾曲面部47とによって構成することとしてもよい。この場合においても、上記実施形態と同様に、縮径部45に沿ってリング部材24を主体金具3へとより確実に接触させることができる。その結果、リング部材45と絶縁碍子2(縮径部45)との間に滑石26が入り込みやすくなり、滑石26から絶縁碍子2に対してより確実に圧縮応力を加えることができる。また、振動等によって縮径部45と後端側胴部10との連接部分に応力が集中してしまうことを防止でき、絶縁碍子2の折損等をより一層確実に防止することができる。尚、この場合において、湾曲面部47の曲率半径は、テーパ部46の後端の外径と後端側胴部10の外径との径差の1/2以上とすることが好ましい。
(b)上記実施形態では、大径部11と縮径部15との連接部分が角張った形状とされているが、当該連接部分における損傷等を防止すべく、図11(尚、図11においては、主体金具3やリング部材24等を図示せず)に示すように、前記連接部分を湾曲面状に形成することとしてもよい。この場合において、「縮径部の先端」とあるのは、縮径部15を径方向外側へと延長してなる仮想面VL1と、大径部11の外周面を軸線CL1方向先端側に向けて延ばした仮想面VL2とが交差する部位CPをいう。
(c)上記実施形態では、主体金具3の先端部に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(d)上記実施形態において、工具係合部20は断面六角形状とされているが、工具係合部20の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。尚、工具係合部をBi−Hex形状とした場合には、工具係合部の肉厚をより大きく((例えば、工具係合部のうち最大の肉厚を有する部分の厚さを1.4mm以上と)することができ、工具係合部の強度向上を図ることができる。また、工具係合部の強度向上が図られることで、滑石から絶縁碍子に対する圧縮応力を一層増大させることができ、絶縁碍子の強度をより一層向上させることができる。
1…スパークプラグ
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
10…後端側胴部
11…大径部
15,45…縮径部
20…工具係合部
21…加締め部
24…リング部材
25…第2リング部材
26…滑石
46…テーパ部
47…湾曲面部
CL1…軸線

Claims (5)

  1. 軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具とを備え、
    前記絶縁体は、
    径方向外側に突出形成された大径部と、
    前記大径部の後端から前記軸線方向後端側に向けて縮径する縮径部と、
    前記縮径部の後端から延びる円筒状の後端側胴部とを有するとともに、
    前記主体金具は、
    内燃機関への取付のための工具係合部と、
    前記工具係合部の後端側において、径方向内側に向けて屈曲形成された加締め部とを有し、
    前記軸線を中心として環状をなすとともに、前記縮径部に接触して配置され、前記主体金具の内周面に接触する断面円形状のリング部材と、
    前記絶縁体及び前記主体金具間において、前記リング部材の少なくとも前記絶縁体側に位置する面に接触する滑石とを介して、前記加締め部が前記大径部に間接的に係止されており、
    前記後端側胴部の外径が7.0mm以上8.0mm以下とされ、前記工具係合部の対辺寸法が12mm以下とされたスパークプラグであって、
    前記後端側胴部の外径と前記リング部材の内径との径差の1/2を0.15mm以上とし、前記軸線を含む断面における前記リング部材の直径を0.4mm以上としたことを特徴とするスパークプラグ。
  2. 軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具とを備え、
    前記絶縁体は、
    径方向外側に突出形成された大径部と、
    前記大径部の後端から前記軸線方向後端側に向けて縮径する縮径部と、
    前記縮径部の後端から延びる円筒状の後端側胴部とを有するとともに、
    前記主体金具は、
    内燃機関への取付のための工具係合部と、
    前記工具係合部の後端側において、径方向内側に向けて屈曲形成された加締め部と、
    前記工具係合部の先端側において、径方向外側に突出形成された座部とを有し、
    前記軸線を中心として環状をなすとともに、前記縮径部に接触して配置され、前記主体金具の内周面に接触する断面円形状のリング部材と、
    前記絶縁体及び前記主体金具間において、前記リング部材の少なくとも前記絶縁体側に位置する面に接触する滑石とを介して、前記加締め部が前記大径部に間接的に係止されており、
    前記後端側胴部の外径が9.0mm以上10.5mm以下とされたスパークプラグであって、
    前記軸線に沿った前記座部から前記絶縁体の後端までの距離が42mm以上54mm以下とされ、
    前記後端側胴部の外径と前記リング部材の内径との径差の1/2を0.15mm以上とし、前記軸線を含む断面における前記リング部材の直径を0.4mm以上としたことを特徴とするスパークプラグ。
  3. 前記工具係合部の外周面のうち前記軸線に沿った長さが最小となる部分の前記軸線に沿った長さをA(mm)とし、
    前記軸線に沿った前記縮径部の先端から前記工具係合部の外周面の後端までの距離をB(mm)としたとき、
    B/Aを0.85以下とするとともに、
    前記軸線を中心として環状をなすとともに、前記リング部材との間で前記滑石を挟んで配置され、前記加締め部に接触する第2リング部材を備え、
    前記軸線に沿った前記リング部材から前記第2リング部材までの距離を3.0mm以上としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記縮径部の表面は、凹状の湾曲面状をなすとともに、
    前記軸線を含む断面において、前記縮径部の外形線の曲率半径が、前記後端側胴部の外径と前記大径部後端の外径との径差の1/2よりも大きくされることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  5. 前記縮径部は、
    前記大径部の後端から前記軸線方向後端側に向けて縮径するテーパ状のテーパ部と、
    前記テーパ部の後端、及び、前記後端側胴部の先端の間に形成され、凹状の湾曲面状をなす湾曲面部とからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
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