JP2011210546A - リレーの寿命予測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁リレーの寿命を正確に予測することができるリレーの寿命予測装置を提供する。
【解決手段】リレー10への通電が開始された時点または制御部2によりリレーコイルへの通電を停止した時点から実際にリレー10の開閉が検出された時点までの時間に基づいてリレー10の寿命を診断することにより、負荷条件や環境条件の影響により予測精度が著しく低下するようなことなく、より正確にリレー10の寿命を予測することができる。すなわち、時間という外部環境に影響されない値に基づいてリレー10の寿命を予測するので、より正確にリレー10の寿命を予測することができる。また、実際のリレー10の開閉に基づいて寿命を予測するので、リレー10の不具合を即座に検出できるとともに、個体差による影響も排除することができ、より正確なリレー10の寿命を予測することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁リレーの寿命を予測する寿命予測装置に関するものである。
リレーコイルと、このリレーコイルへの通電により開閉するリレー接点とからなる有接点リレーが広く一般に知られている。このリレーにおけるリレー接点は、コイルで生じた磁力によって機械的にONとOFFを切り替えるものである。このようなリレーを含む機械式のスイッチでは、接点のONとOFFを切り換える際、接点の電極間に放電が生じ、この放電による熱が電極の表面を溶かすことでその表面に凹凸形状を形成してしまう。凹凸が形成された電極においては、その凹凸から放電を起こしやすくなるため、複数回リレー接点のONとOFFを繰り返すうちに徐々に凹凸が成長し、最終的には熱によって表面が溶融した電極同士が溶着し、接点が常時ONのまま固定されてしまう。このような溶着が実際に生じる前に「今用いているリレーでは接点溶着が発生しないと判断できるか、または、溶着が発生しそうであり交換した方が良いか」を判断するため、寿命予測が行われている。例えば、メーカが提供する耐久性の接点開閉回数と実機の接点開閉回数を比較したり、リレーに流れる電流から算出したりすることにより、電磁リレーの接点寿命予測が行われている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平05−266290号公報
しかしながら、上述したような手法では、電磁リレーの寿命を正確に予測することが困難であった。例えば、メーカが提供する耐久性の接点開閉回数と実機の接点開閉回数を比較する手法では、各測定時における負荷の条件(電磁リレーを含む回路における抵抗、電圧、電流等)がそれぞれ異なることに起因してそれぞれの開閉回数に大きな開きが生じる場合があるので、実機における実際の限界回数と、メーカが提供する値との差が大きくなるにつれて予測精度が低下してしまう。また、特許文献1に記載されるような、電流に代表される負荷の条件を所定の寿命予測計算式に代入して寿命を算出する手法においては、例えば電磁リレー内の抵抗値が機構、雰囲気、ノイズなどの環境条件により変動してしまうなどの理由によって、予め用意した負荷条件と、実運用上で発生する負荷とが一致しない場合があり、このような場合に予測精度が低下してしまう。
そこで、本願発明は、電磁リレーの寿命を正確に予測することができるリレーの寿命予測装置を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明に係るリレーの寿命予測装置は、リレーコイルと、このリレーコイルへの通電により開閉するリレー接点とからなるリレーと、リレーコイルへの通電を制御することにより、リレーの開閉を制御する制御部と、リレーの実際の開閉を検出する検出部と、制御部によりリレーコイルへの通電が開始された時点または制御部によりリレーコイルへの通電を停止した時点から、検出部によりリレーの開閉が検出された時点までの時間を測定する測定部と、この測定部による測定結果に基づいてリレーの寿命を診断する診断部とを備えたことを特徴とするものである。
上記リレーの寿命予測装置において、診断部は、測定部による測定結果のうち、開閉回数の変化量と測定結果の変化量との比に基づいてリレーの寿命を診断するようにしてもよい。
また、上記リレーの寿命予測装置において、診断部は、測定部による測定結果のうち、測定結果の値と所定の閾値とを比較することによりリレーの寿命を診断するようにしてもよい。
本発明によれば、リレーコイルへの通電が開始された時点またはリレーコイルへの通電が停止された時点から実際にリレーの開閉が検出された時点までの時間に基づいてリレーの寿命を診断することにより、負荷条件や環境条件の影響により予測精度が著しく低下するようなことがなく、電磁リレーの寿命を正確に予測することができる。
図1は、本発明に係る寿命予測装置の構成を模式的に示す図である。 図2は、電磁リレーの検査に用いた電気回路の一例を示す図である。 図3は、図2の電気回路における実験結果である。 図4は、図2の電気回路における実験結果である。 図5は、動作時間および復帰時間と開閉回数との関係を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<寿命予測装置1の構成>
図1に示すように、本実施の形態に係る寿命予測装置1は、リレー10の開閉を制御する制御部2と、リレー10の接点の開閉を検出する検出部3と、リレー10の開閉に要する時間を測定する測定部4と、この測定部4の測定結果に基づいてリレー10の寿命を診断する診断部4とを備えるものである。
制御部2は、リレー10の開閉を制御する電気回路から構成される。この制御部2は、開閉を指示する制御信号をリレー10に対して出力すると、この旨を測定部4に対して通知する。
検出部3は、リレー10の実際の開閉を検出する検出装置から構成される。この検出部3は、リレー10の開閉を検出すると、この旨を測定部4に対して通知する。
測定部4は、制御部2によりリレー10に対して制御信号が出力された時点または制御部2によりリレー10に対して制御信号の出力(通電)が停止した時点から、検出部3によりその制御信号に基づいてリレー10が実際に開閉した時点までの時間を測定する測定装置から構成される。具体的には、測定部4は、制御部2によりリレー10に対して接点を閉じるよう指示する制御信号を出力した時点、すなわちリレー10への通電を開始した時点から、検出部3によりリレー10が実際に閉じたことが検出された時点までの応答時間(以下、「動作時間」という)と、制御部2によりリレー10に対して接点を開くよう指示する制御信号を出力した時点、すなわちリレー10への通電を停止した時点から、検出部3によりリレー10が実際に開いたことが検出された時点までの応答時間(以下、「復帰時間」という)とを測定する。これらの測定結果は、診断部5に出力される。
診断部5は、測定部4により測定された動作時間と復帰時間とに基づいて、リレー10の寿命を診断する。動作時間および復帰時間と電磁リレーの開閉との間には、相関が見られる。この相関について、図2〜図5を参照して説明する。
図2に示すような電気回路において、電磁リレーの耐久試験を行った。ここで、スイッチ101,102を構成する電磁リレーとしてはOMRON社製のLY2(DC24V)を用い、リレーの接点にフォトカプラ回路103を接続し、CPU104,CPU105により上記電磁リレーに対して接点開閉の指示を出すとともに動作時間および復帰時間を測定した。このような測定をサンプル1〜4に対して行った結果を、図3,図4に示す。
図3に示すように、動作時間および復帰時間は、開閉回数に伴って増加しており、特に、電磁リレーの溶着の発生時点を起こす直前にはさらに増加する。すなわち、動作時間および復帰時間と開閉回数とは、図5に示すような、2次曲線のような曲線を描くこととなる。なお、図3において、「試験後」とは、接点溶着が発生した回数であり、その欄の値は、一旦は溶着した接点を再度離間させた上で、同様にして測定した値である。
そこで、診断部5は、復帰時間と動作時間の変化量と、開閉回数の変化量との比に基づいて、リレー10の寿命を診断する。例えば、図5の符号aで示すように、復帰時間または動作時間の曲線に対する接線の傾きの値が、所定の値を超えると、リレー10の寿命が近いと診断する。その所定の値は、上述したようなサンプルの測定結果などに基づいて予め設定すればよい。なお、診断結果は、ディスプレイ等に表示したり、スピーカから出力させたりするようにしてもよい。
このように、本実施の形態によれば、リレー10への通電が開始された時点または制御部2によりリレーコイルへの通電を停止した時点から実際にリレー10の開閉が検出された時点までの時間に基づいてリレー10の寿命を診断することにより、負荷条件や環境条件の影響により予測精度が著しく低下するようなことなく、より正確にリレー10の寿命を予測することができる。すなわち、時間という外部環境に影響されない値に基づいてリレー10の寿命を予測するので、より正確にリレー10の寿命を予測することができる。また、実際のリレー10の開閉に基づいて寿命を予測するので、リレー10の不具合を即座に検出できるとともに、個体差による影響も排除することができ、より正確なリレー10の寿命を予測することができる。
なお、本実施の形態では、診断部5が復帰時間または動作時間の曲線に対する接線の傾きの値に基づいて電磁リレーの寿命を診断する場合を例に説明したが、図5の符号bで示すように、復帰時間または動作時間に対して所定の閾値を設け、この閾値を超えると寿命が近いと診断するようにしてもよい。この場合には、開閉回数を計測しなくてもよい。
なお、測定部4は、復帰時間と動作時間の測定を、毎回行わないようにしてもよい。例えば、リレー10の開閉が1000回ごとなど、所定回数ごとに行うようにしてもよい。
本発明は、電磁リレーを備える各種装置に適用することができる。
1…寿命予測装置、2…制御部、3…検出部、4…測定部、5…診断部、10…電磁リレー。

Claims (3)

  1. リレーコイルと、このリレーコイルへの通電により開閉するリレー接点とからなるリレーと、
    前記リレーコイルへの通電を制御することにより、リレーの開閉を制御する制御部と、
    前記リレーの実際の開閉を検出する検出部と、
    前記制御部により前記リレーコイルへの通電が開始された時点または前記制御部により前記リレーコイルへの通電を停止した時点から、前記検出部により前記リレーの開閉が検出された時点までの時間を測定する測定部と、
    この測定部による測定結果に基づいて前記リレーの寿命を診断する診断部と
    を備えたことを特徴とするリレーの寿命予測装置。
  2. 前記診断部は、前記測定部による測定結果のうち、開閉回数の変化量と測定結果の変化量との比に基づいて前記リレーの寿命を診断する
    ことを特徴とする請求項1記載のリレーの寿命予測装置。
  3. 前記診断部は、前記測定部による測定結果のうち、測定結果の値と所定の閾値とを比較することにより前記リレーの寿命を診断する
    ことを特徴とする請求項1記載のリレーの寿命予測装置。
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