JP2011208776A - 固定式等速自在継手および固定式等速自在継手の組立方法 - Google Patents

固定式等速自在継手および固定式等速自在継手の組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外側継手部材自体の軽量化を図ることができ、しかもグリースを増加させることなく、効率的に軽量化を達成できる固定式等速自在継手および等速自在継手の組立方法を提供する。
【解決手段】固定式等速自在継手は、外側継手部材23のカップ部底内面31aに止まり穴形状の肉抜き孔40を設けるとともに、肉抜き孔40の開口部を薄肉プレート体50にて塞いでいる。外側継手部材23にケージ28を組み込んだ後、薄肉プレート体50を、ケージ28を介してカップ部奥部に挿入して、カップ部底内面31aの肉抜き孔40の開口部に装着して薄肉プレート体50にて肉抜き孔40の開口部を塞いだ状態とする。次に、カップ部30に内側継手部材26を組み込んだ後、トルク伝達ボール27を組み込む。その後、潤滑剤を封入した後、内側継手部材26の孔部29にシャフト35を嵌入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械において適用される固定式等速自在継手および固定式等速自在継手の組立方法に関する。
固定式等速自在継手は、図9に示すように、内径面1に複数(例えば6個)のトラック溝2が軸方向に沿って形成された外側継手部材3と、外径面4に複数(例えば6個)のトラック溝5が軸方向に沿って形成された内側継手部材6と、外側継手部材3のトラック溝2と内側継手部材6のトラック溝5との対で形成されるボールトラックに配置される複数(例えば6個)のトルク伝達ボール7と、外側継手部材3の内径面1と内側継手部材6の外径面4との間に介在すると共にトルク伝達ボール7を保持するケージ8を備える。
また、内側継手部材6はシャフト嵌入用孔部9が設けられ、このシャフト嵌入用孔部9の内径面に雌スプライン13が形成されている。内側継手部材6のシャフト嵌入用孔部9にシャフト15の端部雄スプライン15aが嵌入され、この端部雄スプライン15aが内側継手部材6の雌スプライン13に嵌合する。なお、端部雄スプライン15aの端部には周方向溝16が設けられ、この周方向溝16に止め輪17が装着されている。
この図9に示す固定式等速自在継手は、各トラック溝の溝底が円弧部のみで構成されるバーフィールド型(BJ)であったが、固定式等速自在継手には、トラック溝が円弧部と直線部とからなるアンダーカットフリー型(UJ)の固定式等速自在継手がある。また、近年では、これらの固定式等速自在継手において、軽量・コンパクト化を図るために8個のボールを使用するものがある。
そして、従来には、より軽量化を図るために、外側継手部材の外径面に軸方向に延びる切欠溝部を設けたものがある(特許文献1)。
特開2007−285443号公報
特許文献1では、外側継手部材の外径面に複数の切欠溝部を軸方向に沿って、トラック溝に対向しない位置に形成するとともに、外側継手部材の外径面の開口部側にはこの切欠溝部を設けないようにする必要があった。このため、確かに軽量化を図ることができるが、外側継手部材の外径形状が複雑化して生産性に問題が生じていた。そこで、外側継手部材の外径形状が複雑化させずに、軽量化を図るために、外側継手部材のカップ部底内面に、肉抜きとしての凹部を形成することが提案できる。
ところで、固定式等速自在継手においては、継手開口部を塞ぐためにブーツが装着される。この場合、継手内部の空間容積内にはほぼ満杯状態のグリース(潤滑剤)が封入され、ブーツの空間容積内にはその容積の半分以下の比でグリース(潤滑剤)が封入されている。グリースは等速自在継手を構成する各金属部品間の接触潤滑に使われるため、継手内部に封入されていればよいことになる。しかしながら、等速自在継手は、大きな折角をとり、また高速回転での作動も可能なため、その折角をとったとき、または高速回転中に、継手開口部に存在していたグリースが、ブーツ側へ押し出される。このような場合、各金属部品間の接触潤滑が不十分となり、継手の耐久性の低下を招く。そのため、ブーツ側へもグリースを適量封入して、継手内部の各金属部品間の潤滑を維持している。一方、ブーツ内のグリース封入量を多くすると、ブーツの回転膨張性が低下し、ブーツの早期破損へとつながることになる。
このため、等速自在継手の外側継手部材のカップ部底内面に凹部を設ければ、継手の空間容積が大きくなって、封入されるグリース量が多くなる。すなわち、肉抜き分重量は軽減されるが、グリース量の増加分で継手軽量化効果が薄れる。グリースは、石油を原材料としてできており、グリース使用量の削減は、限りある資源である石油の使用量を削減することになり、環境配慮につながる。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、外側継手部材自体の軽量化を図ることができ、しかもグリースを増加させることなく、効率的に軽量化を達成できる固定式等速自在継手およびこのような等速自在継手の組立方法を提供しようとするものである。
本発明の固定式等速自在継手は、内径面に複数のトラック溝が形成されたカップ部を有する外側継手部材と、外径面に複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との対で形成されるボールトラックに配置される複数のトルク伝達ボールと、外側継手部材の内径面と内側継手部材の外径面との間に介在すると共にトルク伝達ボールを保持するケージを備えた固定式等速自在継手において、外側継手部材のカップ部底内面に止まり穴形状の肉抜き孔を設けるとともに、この肉抜き孔の開口部を薄肉プレート体にて塞いだものである。
本発明の固定式等速自在継手は、外側継手部材のカップ部底内面に肉抜き孔を設けたので、外側継手部材の軽量化を図ることができる。また、肉抜き孔は止まり穴形状であって、開口部が薄肉プレート体にて塞がれる。このため、グリース(潤滑剤)が肉抜き孔に入り込まず、グリース(潤滑剤)が封入される空間容積が大きくならない。
前記肉抜き孔を外側継手部材の鍛造時に成形するようにするのが好ましい。
薄肉プレート体は、継手軸線と直交する平坦部を有するプレート本体と、このプレート本体の外周縁部からカップ部奥側へ延びる短円筒状の嵌合部とを備え、このプレート本体の平坦部が、肉抜き孔を設けないときのカップ部底内面の最深面よりも継手開口側に位置するようにできる。このようにすることによって、肉抜き孔を設けないときの継手の空間容積よりも大きくならないように設定できる。
最大作動角の規制は、外側継手部材と、内側継手部材の孔部に嵌入されるシャフトとの干渉で行い、最大作動角内において、内側継手部材とトルク伝達ボールとケージとを有する内部部品に薄肉プレート体は干渉しないように設定できる。このように設定することによって、内部部品と外側継手部材とが干渉することなく、作動角を取ることができる。
トルク伝達ボールの個数が5個〜8個のいずれかであるように設定できる。また、トラック溝底が円弧部のみであるものであっても、トラック溝底が円弧部及び直線部とからなるものであってもよい。
本発明の第1の固定式等速自在継手の組立方法は、外側継手部材のカップ部底内面に止まり穴形状の肉抜き孔を設けるとともに、この肉抜き孔の開口部を薄肉プレート体にて塞いだ固定式等速自在継手の組立方法であって、外側継手部材にケージを組み込んだ後、外径をケージの内径よりも小さく設定した薄肉プレート体を、前記ケージを介してカップ部奥部に挿入して、カップ部底内面の肉抜き孔の開口部に装着してこの薄肉プレート体にて肉抜き孔の開口部を塞いだ状態とし、次に、外側継手部材のカップ部に内側継手部材を組み込んだ後、トルク伝達ボールを組み込み、その後、継手内部に潤滑剤を封入した後、内側継手部材の孔部にシャフトを嵌入するものである。
本発明の第1の固定式等速自在継手の組立方法によれば、薄肉プレート体をケージを介してカップ部奥部に挿入することができ、肉抜き孔の開口部に薄肉プレート体を装着することができる。これによって、肉抜き孔の開口部を薄肉プレート体にて塞ぐことができる。次に、カップ部に内側継手部材を組み込んでトルク伝達ボールを組み込むことができる。この状態において継手内部に潤滑剤を封入することができ、その後に内側継手部材の孔部にシャフトを嵌入することによって、固定式等速自在継手を組み立てることができる。
本発明の第2の固定式等速自在継手の組立方法は、外側継手部材のカップ部底内面に止まり穴形状の肉抜き孔を設けるとともに、この肉抜き孔の開口部を薄肉プレート体にて塞いだ固定式等速自在継手の組立方法であって、外側継手部材に、内側継手部材とトルク伝達ボールとケージとを組み込んだ後、外径を内側継手部材の孔部に設けられる雌スプラインの小径よりも小さく設定した薄肉プレート体を、内側継手部材の孔部を介してカップ部奥部に挿入して、カップ部底内面の肉抜き孔の開口部に装着してこの薄肉プレート体にて肉抜き孔の開口部を塞ぎ、次に、継手内部に潤滑剤を封入した後、内側継手部材の孔部にシャフトを嵌入するものである。
本発明の第2の固定式等速自在継手の組立方法によれば、薄肉プレート体を、内側継手部材の孔部を介してカップ部奥部に挿入して、カップ部底内面の肉抜き孔の開口部に装着して薄肉プレート体にて肉抜き孔の開口部を塞ぐことができる。この状態において継手内部に潤滑剤を封入することができ、その後に内側継手部材の孔部にシャフトを嵌入することによって、固定式等速自在継手を組み立てることができる。
本発明の固定式等速自在継手では、外側継手部材の軽量化を図ることができ、しかもグリース(潤滑剤)が封入される空間容積が大きくならない。このため、効果的に軽量化を達成できる。肉抜き孔を外側継手部材の鍛造時に成形するようにすれば、加工性とコスト面において優れる。
薄肉プレート体のプレート本体を肉抜き孔を設けないときのカップ部底内面よりも継手開口側に位置するようにしたものでは、肉抜き孔を形成しないときの継手の空間容積よりも大きくならないように設定でき、より軽量化を図ることができるとともに、低コスト化を達成できる。
最大作動角の規制を、外側継手部材とシャフトとの干渉で行うものでは、内部部品と外側継手部材とが干渉することなく、作動角を取ることができ、機能性に優れるとともに、内部部品と外側継手部材との干渉による損傷や摩擦が発生せず、高品質な製品を提供できる。
トルク伝達ボールも5〜8個のいずれかであるように設定でき、設計自由度が大となって、設計性に優れる。また、各トラック溝の溝底が円弧部のみからなるものであっても、各トラック溝の溝底が円弧部とストレート部とを備えたものであってもよく、種々のタイプの固定式等速自在継手に対応することができる。
本発明の固定式等速自在継手の組立方法では、大幅な軽量効果のある固定式等速自在継手を安定して組立てることができる。
本発明の第1の実施形態を示す固定式等速自在継手の断面図である。 前記図1の固定式等速自在継手の組立方法を示し、薄肉プレート体の組み付け前の断面図である。 前記図1の固定式等速自在継手の組立方法を示し、内側継手部材を組み付けた状態の断面図である。 前記図1の固定式等速自在継手の組立方法を示し、トルク伝達ボールを組み付ける状態の断面図である。 最大作動角をとった状態の前記図1に示す固定式等速自在継手の断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す固定式等速自在継手の断面図である。 前記図6に示す固定式等速自在継手の組立方法を示し、薄肉プレート体の組み付け前の断面図である。 最大作動角をとった状態の前記図2に示す固定式等速自在継手の断面図である。 従来の固定式等速自在継手の断面図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。
図1に本発明にかかる固定式等速自在継手を示し、この等速自在継手は、内径面21に複数のトラック溝22が軸方向に沿って形成された外側継手部材23と、外径面24に複数のトラック溝25が軸方向に沿って形成された内側継手部材26と、外側継手部材23のトラック溝22と内側継手部材26のトラック溝25との対で形成されるボールトラックに配置される複数のトルク伝達ボール27と、外側継手部材23の内径面21と内側継手部材26の外径面24との間に介在すると共にトルク伝達ボール27を保持するケージ28を備える。
外側継手部材23は、前記内径面21にトラック溝22が形成されたカップ部30と、このカップ部30の底壁31に連設される軸部(ステム部)32とを備える、また、トラック溝22はそのトラック溝底が円弧部のみからなる。
内側継手部材26はシャフト嵌入用孔部29が設けられ、このシャフト嵌入用孔部29の内径面に雌スプライン33が形成されている。また、内側継手部材26のトラック溝25においても、そのトラック溝底が円弧部のみからなる。すなわち、この図1に示す等速自在継手はいわゆるバーフィールド型(BJ)の固定式等速自在継手である。ボール数としては、トルク伝達ボールも5〜8個のいずれかであるように設定できる。
内側継手部材26のシャフト嵌入用孔部29にシャフト35の端部雄スプライン35aが嵌入され、この端部雄スプライン35aが内側継手部材26の雌スプライン33に嵌合する。なお、端部雄スプライン35aの端部には周方向溝36が設けられ、この周方向溝36に止め輪37が装着されている。
外側継手部材23のカップ部30のカップ部底内面31aの軸心部に、止まり穴形状の肉抜き孔40を設けられる。この肉抜き孔40は、その軸心が継手軸線L上に配設される本体孔40aと、この本体孔40aの開口部に連設される大径孔40bとを備える。本体孔40aは、周面42が底面41から開口側に向かって拡径するテーパ面である。また、底面41と周面42とのコーナ部はアール部43とされている。本体孔40aの周面42と、大径孔40bの底面44とのコーナ部はアール部45とされている。大径孔40bの周面46は継手軸心と平行な円筒面とされている。この肉抜き孔40は、外側継手部材23の鍛造時に成形するものである。
そして、この肉抜き孔40の開口部、すなわち大径孔40bに薄肉プレート体50が装着(嵌合)されている。薄肉プレート体50は、継手軸線Lと直交する平坦部51aを有するプレート本体51と、このプレート本体51の外周縁部からカップ部奥側へ延びる短円筒状の嵌合部52を備える。この薄肉プレート体50のプレート本体51は、前記平坦部51aと、平坦部51aと嵌合部52との間に形成される周方向膨出部51bとからなる。なお、嵌合部52はその開口端部が内径側へ縮径するテーパ部52a(図2参照)が形成されている。
この場合、開口側から嵌合部52が大径孔40bに圧入されることになる。これによって、薄肉プレート体50にて、肉抜き孔40の開口部を塞ぐことができる。ところで、図1の仮想線は、肉抜き孔40を形成しない状態のカップ部底内面55の形状を示している。これからわかるように、肉抜き孔40を形成しない状態のカップ部底内面の最深面55aよりも、薄肉プレート体50の平坦部51aが継手開口部側に位置する。すなわち、薄肉プレート体50が装着された際には、平坦部51aが最深面55aよりも所定寸Aだけ継手開口部側に位置する。また、周方向膨出部51bは大径孔40bの開口縁よりも奥側に位置する。すなわち、大径孔40bの深さ寸法をB1とし、周方向膨出部51bの高さ寸法T1とした場合、B1>T1とされる。
また、ケージ28は、周方向に沿って所定ピッチで複数のポケット48が設けられ、その外球面28aが外側継手部材23のカップ部30の内径面21に摺接し、その内球面28bが内側継手部材26の外径面24に摺接する。そして、ケージ28の内径よりも薄肉プレート体50の外径を小さく設定している。すなわち、図2に示すように、ケージ28の内径(最小内径)をDsとし、薄肉プレート体50の外径をD1としたときに、Ds>D1となる。
次に、この固定式等速自在継手の組立て方法を説明する。まず、図2に示すように、外側継手部材23のカップ部30にケージ28を組み込んで、ケージ28の外球面28aをカップ部30の内径面21に接触するように、ケージ28の軸心とカップ部30の軸心とを合わせた状態とする。その後、薄肉プレート体50をカップ部30に組み込む。この際、薄肉プレート体50をケージ28を介してカップ部30に嵌入して、肉抜き孔40の大径孔40bに薄肉プレート体50の嵌合部52を圧入する。この際、嵌合部52の先端が大径孔40bの底面44に当接するまで圧入することになる。なお、嵌合部52はその開口部が肉抜き孔40に向かって縮径しているので、圧入する際、この縮径部によってガイドされて、安定した圧入作業を行うことができる。なお、図2における仮想線Kはケージ28の外球面28aの軌跡を示している。
次に、図3に示すように、内側継手部材26をカップ部30に組み込む。この場合、カップ部30に内側継手部材26を組み込んで、内側継手部材26の軸線L1を継手軸線Lに対して直交させた状態で、かつカップ部30の中心と内側継手部材26の中心とを合わせた状態(内側継手部材26の軸線L1を、継手中心を通って継手軸線Lに直交する直線L3に合わせた状態)において、内側継手部材26が薄肉プレート体50に接触しないようにされる。
その後、図4に示すように、ケージ28のポケット48にボール27をはめ込む。この際、内側継手部材26が継手軸線Lに対して所定角度(ボール組み込み角度α)をなすように傾斜されるとともに、ケージ28が継手軸線Lに対して所定角度(ボール組み込み角度β=α/2)をなすように傾斜される。すなわち、ボール27を嵌合させるべきポケット48がカップ部30の開口部から露出してボール27の嵌合が可能となる状態とされる。図4において、Lは継手軸線を示し、L1は内側継手部材26の軸線を示し、L2はケージ28の軸線を示し、L3は継手中心を通って継手軸線Lに直交する直線、L4はケージ28の中心を通って軸線L2と直交する直線、L5は内側継手部材26の中心を通って軸線L1と直交する直線である。
すべてのボール27の組み込みが終了すれば、カップ部30の空間容積内にグリース(潤滑剤)を封入する。その後、内側継手部材26とケージ28とその軸線L1、L2が継手軸線Lに一致する状態で、内側継手部材26のシャフト嵌入用孔部29にシャフト35を嵌入する。すなわち、シャフト嵌入用孔部29の雌スプライン33にシャフト35の雄スプライン35aを嵌合させ、周方向溝36に止め輪37を装着する。これによって、固定式等速自在継手の組立てが完了する。
ところで、図1に示す固定式等速自在継手において、まず、薄肉プレート体50をカップ部30に組み込むようにすれば、内側継手部材26とボール27とケージ28の組み込みが困難となる。すなわち、ケージ28を外側継手部材23のカップ部30に組み込む場合、ケージ28と薄肉プレート体50との干渉が生じることになるからである。
図5は前記のように組立てられた固定式等速自在継手において、最大作動角(例えばθmax=47°)をとった状態を示している。この状態では、シャフト35がカップ部30の開口部のテーパ30aに接触する。すなわち、この場合、最大作動角の規制は、外側継手部材23と、内側継手部材26の孔部29に嵌入されるシャフト35との干渉で行うことになる。そのため、最大作動角をとった状態において、内側継手部材26とトルク伝達ボール27とケージ28とを有する内部部品Sに薄肉プレート体50は干渉しない。
本発明の固定式等速自在継手によれば、外側継手部材23のカップ部底内面31aに肉抜き孔40を設けたので、外側継手部材23の軽量化を図ることができる。また、肉抜き孔40は止まり穴形状であって、開口部が薄肉プレート体50にて塞がれる。このため、グリース(潤滑剤)が肉抜き孔に入り込まず、グリース(潤滑剤)が封入される空間容積が大きくならない。このように、本発明の固定式等速自在継手では、外側継手部材23の軽量化を図ることができ、しかもグリース(潤滑剤)が封入される空間容積が大きくならないので、効果的な軽量化を達成できる。
肉抜き孔40を外側継手部材23の鍛造時に成形するようにすれば、加工面とコスト面において優れる。また、薄肉プレート体50のプレート本体51を肉抜き孔40を設けないときのカップ部底内面31aの最深面55aよりも継手開口側に位置するようしているので、肉抜き孔40を設けないときの継手の空間容積よりも大きくならないように設定でき、より軽量化を図ることができるとともに、低コスト化を達成できる。
最大作動角の規制を、外側継手部材23とシャフト35との干渉で行うので、内部部品Sと外側継手部材23とが干渉することなく、作動角を取ることができ、機能性に優れるとともに、内部部品Sと外側継手部材23との干渉による損傷や摩擦が発生せず、高品質な製品を提供できる。
また、前記組立方法によれば、大幅な軽量効果のある固定式等速自在継手を安定して組立てることができる。
次に、図6は他の実施形態を示し、この場合、薄肉プレート体50において、前記実施形態のような周方向膨出部51bを有さない。すなわち、薄肉プレート体50のプレート本体51は、継手軸線と直交する平坦部51aからなり、この平坦部51aの外周縁部から嵌合部52がカップ部奥側へ延びている。また、前記図1に示す固定式等速自在継手では、薄肉プレート体50の平坦部51aの外径がシャフト35の雄スプライン35aよりも大きく設定されているのに対して、薄肉プレート体50の外径がシャフト35の雄スプライン35aよりも僅かに小径とされている。
このため、この場合の肉抜き孔40は、その大径孔40bが前記図1に示す肉抜き孔40の大径孔40bに比べて小径とされている。また、この図6における肉抜き孔40の大径孔40bはその深さ寸法B2を、大径孔40bの高さ寸法T2よりも浅くしている。このため、肉抜き孔40の平坦部51aは、大径孔40bよりも継手開口側へ突出したものとなっている。また、大径孔40bの底面44と、肉抜き孔40を形成しない状態のカップ部底内面55の最深面55aとを同一面上に配置している。従って、肉抜き孔40を形成しない状態のカップ部底内面55の最深面55aよりも、薄肉プレート体50の平坦部51aが継手開口部側に位置する。すなわち、薄肉プレート体50が装着された際には、平坦部51aが最深面55aよりも所定寸A1だけ継手開口部側に位置する。なお、肉抜き孔40は、本体孔40aと大径孔40bとの間のコーナ部にアール部が形成されていない。
また、内側継手部材26の内径よりも薄肉プレート体50の外径を小径としている。すなわち、図7に示すように、内側継手部材26の内径(内側継手部材の孔部に設けられる雌スプラインの小径)をDs1とし、薄肉プレート体50の外径をD2としたときに、Ds1>D2となる。
次に、この固定式等速自在継手の組立て方法を説明する。まず、図7に示すように、外側継手部材23のカップ部30に、内側継手部材26とボール27とケージ28を組み込む。次に、薄肉プレート体50をカップ部30に組み込む。この際、薄肉プレート体50を内側継手部材26を介してカップ部30に嵌入して、肉抜き孔40の大径孔40bに薄肉プレート体50の嵌合部52を圧入する。この際、嵌合部52の先端が大径孔40bの底面44に当接するまで圧入される。なお、嵌合部52はその開口部が肉抜き孔40に向かって縮径しているので、圧入する際、この縮径部によってガイドされて、安定した圧入作業を行うことができる。
この状態で、カップ部30の空間容積内にグリース(潤滑剤)を封入する。その後、内側継手部材26のシャフト嵌入用孔部29にシャフト35を嵌入する。すなわち、シャフト嵌入用孔部29の雌スプライン33にシャフト35の雄スプライン35aを嵌合させ、周方向溝36に止め輪37を装着する。これによって、固定式等速自在継手の組立てが完了する。
ところで、図6に示す固定式等速自在継手において、まず、薄肉プレート体50をカップ部30に組み込むようにすれば、内側継手部材26とボール27とケージ28の組み込みが困難となる。すなわち、ケージ28を外側継手部材23のカップ部30に組み込む場合、ケージ28と薄肉プレート体50との干渉が生じ、ボール組み込み時には、内側継手部材26と薄肉プレート体50との干渉が生じることになる。
図8は前記のように組立てられた固定式等速自在継手において、最大作動角(例えばθmax=47°)をとった状態を示している。この状態では、シャフト35がカップ部30の開口部のテーパ30aに接触する。すなわち、この場合、最大作動角の規制は、外側継手部材23と、内側継手部材26の孔部29に嵌入されるシャフト35との干渉で行うことになる。そのため、最大作動角をとった状態において、内側継手部材26とトルク伝達ボール27とケージ28とを有する内部部品Sに薄肉プレート体50は干渉しない。
このため、図6に示す固定式等速自在継手であっても、前記図1に示す固定式等速自在継手と同様の作用効果を奏する。また、図7に示すこの固定式等速自在継手の組立方法によれば、大幅な軽量効果のある固定式等速自在継手を安定して組立てることができる。
ところで、前記各固定式等速自在継手において、トルク伝達ボールとしては、5〜8個のいずれかであるように設定できる。このため、本発明では、設計自由度が大となって、設計性に優れる。また、各トラック溝の溝底が円弧部のみからなるものであっても、各トラック溝の溝底が円弧部とストレート部とを備えたものであってもよく、種々のタイプの固定式等速自在継手に対応することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、薄肉プレート体50をカップ部30の肉抜き孔40に装着する場合、前記実施形態では、薄肉プレート体50の嵌合部52を肉抜き孔40の大径孔40bに嵌入固定する際には圧入するものであったが、嵌入した状態で、接着剤を用いた接着等の接合手段を用いて薄肉プレート体50と外側継手部材23とを一体化してもよい。
また、図1に示す薄肉プレート体50において、周方向膨出部51bを有さないものであってもよい。図1に示す薄肉プレート体50であっても、図6に示す薄肉プレート体50であっても、いずれも短円筒形状の嵌合部52を備えていたが、このような嵌合部52を有さないものであってもよい。この場合、薄肉プレート体50が平坦部51aからなり、平坦部51aをカップ部底内面に接着等の接合手段を用いて固着するようにすればよい。
薄肉プレート体50は、鋼製プレートであっても、軽量化を図るために樹脂製プレートであってもよい。この薄肉プレート体50は、肉抜き孔40の開口部を塞げればよく、装着後においては、他の部材(内部部品S)と接触しないことになる。このため、樹脂製プレートの場合の材質としては、使用される環境下で劣化しないものを種々選択することができる。
21 内径面
22 トラック溝
23 外側継手部材
24 外径面
25 トラック溝
26 内側継手部材
27 トルク伝達ボール
28 ケージ
30 カップ部
31a カップ部底内面
35 シャフト
40 肉抜き孔
50 薄肉プレート体
51a 平坦部
55 カップ部底内面

Claims (9)

  1. 内径面に複数のトラック溝が形成されたカップ部を有する外側継手部材と、外径面に複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との対で形成されるボールトラックに配置される複数のトルク伝達ボールと、外側継手部材の内径面と内側継手部材の外径面との間に介在すると共にトルク伝達ボールを保持するケージを備えた固定式等速自在継手において、
    外側継手部材のカップ部底内面に止まり穴形状の肉抜き孔を設けるとともに、この肉抜き孔の開口部を薄肉プレート体にて塞いだことを特徴とする固定式等速自在継手。
  2. 前記肉抜き孔が外側継手部材の鍛造時に成形されていることを特徴とする請求項1に記載の固定式等速自在継手。
  3. 薄肉プレート体は、継手軸線と直交する平坦部を有するプレート本体と、このプレート本体の外周縁部からカップ部奥側へ延びる短円筒状の嵌合部とを備え、このプレート本体が、肉抜き孔を設けないときのカップ部底内面よりも継手開口側に位置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固定式等速自在継手。
  4. 最大作動角の規制は、外側継手部材と、内側継手部材の孔部に嵌入されるシャフトとの干渉で行い、最大作動角内において、内側継手部材とトルク伝達ボールとケージとを有する内部部品に薄肉プレート体は干渉しないことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  5. トルク伝達ボールの個数が5個〜8個のいずれかであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  6. トラック溝底が円弧部のみであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  7. トラック溝底が円弧部及び直線部とからなることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  8. 外側継手部材のカップ部底内面に止まり穴形状の肉抜き孔を設けるとともに、この肉抜き孔の開口部を薄肉プレート体にて塞いだ固定式等速自在継手の組立方法であって、
    外側継手部材にケージを組み込んだ後、外径をケージの内径よりも小さく設定した薄肉プレート体を、前記ケージを介してカップ部奥部に挿入して、カップ部底内面の肉抜き孔の開口部に装着してこの薄肉プレート体にて肉抜き孔の開口部を塞いだ状態とし、次に、外側継手部材のカップ部に内側継手部材を組み込んだ後、トルク伝達ボールを組み込み、その後、継手内部に潤滑剤を封入した後、内側継手部材の孔部にシャフトを嵌入することを特徴とする固定式等速自在継手の組立方法。
  9. 外側継手部材のカップ部底内面に止まり穴形状の肉抜き孔を設けるとともに、この肉抜き孔の開口部を薄肉プレート体にて塞いだ固定式等速自在継手の組立方法であって、
    外側継手部材に、内側継手部材とトルク伝達ボールとケージとを組み込んだ後、外径を内側継手部材の孔部に設けられる雌スプラインの小径よりも小さく設定した薄肉プレート体を、内側継手部材の孔部を介してカップ部奥部に挿入して、カップ部底内面の肉抜き孔の開口部に装着してこの薄肉プレート体にて肉抜き孔の開口部を塞ぎ、次に、継手内部に潤滑剤を封入した後、内側継手部材の孔部にシャフトを嵌入することを特徴とする固定式等速自在継手の組立方法。
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