JP2018105328A - 摺動式等速自在継手 - Google Patents

摺動式等速自在継手 Download PDF

Info

Publication number
JP2018105328A
JP2018105328A JP2016249313A JP2016249313A JP2018105328A JP 2018105328 A JP2018105328 A JP 2018105328A JP 2016249313 A JP2016249313 A JP 2016249313A JP 2016249313 A JP2016249313 A JP 2016249313A JP 2018105328 A JP2018105328 A JP 2018105328A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joint member
joint
constant velocity
velocity universal
type constant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016249313A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6821423B2 (ja
Inventor
森本 和樹
Kazuki Morimoto
和樹 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2016249313A priority Critical patent/JP6821423B2/ja
Publication of JP2018105328A publication Critical patent/JP2018105328A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6821423B2 publication Critical patent/JP6821423B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】継手内容積の増大を抑え、グリース(潤滑剤)量が過剰に増量するのを防止でき、かつ、車両等に組み付け後の車両運転時における使用範囲での耐久性に影響を及ぼさない摺動式等速自在継手を提供する。【解決手段】内部部品を一旦継手奥側へスライドさせた後、内部部品を継手開口側へスライドさせた状態で組み付けられる摺動式等速自在継手である。外側継手部材に開口部を密封する密封装置を有し、密封装置と外側継手部材の少なくともいずれかに、内部部品を継手開口側へスライドさせた状態で、継手内部へグリースが注入されるグリース注入口を設けた。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や産業機械等に用いられる摺動式等速自在継手に関する。
等速自在継手は、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、角度変位および軸方向変位を許容する摺動式等速自在継手とに大別される。そして、固定式等速自在継手および摺動式等速自在継手はプロペラシャフトやドライブシャフト等に用いられる。
プロペラシャフトは、固定式等速自在継手と、摺動式等速自在継手と、これらの等速自在継手を連結する中間シャフトとを備える。このようなプロペラシャフトを車両(自動車)に組み付ける場合、摺動式等速自在継手を一旦圧縮させる状態(シャフトが摺動式等速自在継手の外側継手部材内部側へ押圧された状態)として、プロペラシャフトの全長を縮める。その後、組み付ける部位の相手フランジ部にこの摺動式等速自在継手の外側継手部材を締結し、他方の相手フランジ部にプロペラシャフトを伸ばして締結することになる。
しかしながら、摺動式等速自在継手は、内部部品(内側継手部材とトルク伝達部材等で構成される部品)間の隙間が小さいため、継手内部の潤滑グリースが流動しにくい。そこで、従来には、圧縮・伸長させる際の摺動抵抗を低減することが可能な構成の摺動式等速自在継手が提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載の摺動式等速自在継手は、外側継手部材の案内溝相互間に、潤滑剤流動用の連通溝を軸方向に設けたものである。すなわち、自動車に組み付ける際に、外側継手部材の底部に溜まった潤滑剤がこの連通溝を通して内側継手部材の反対側に流動しやすくなり、プロペラシャフト等の長さ寸法を十分に圧縮させることができるものである。
特開2006−266330号公報
前記特許文献1に示す等速自在継手では、グリース(潤滑剤)流動を促進する連通溝が運転時使用範囲に形成されている。このため、外側継手部材の内径面と、保持器の外球面との当接長さ(当接面積)が減ることになって、面圧上昇を招くことになる。また、回転中に、外側継手部材の内径面上の連通溝エッジが保持器の外球面と接触することになる。このため、両部材(外側継手部材と保持器)の摩耗が発生することになる。従って、特許文献1に記載のように連通溝を設けたものでは、等速自在継手としての耐久性に悪影響を及ぼす可能性があった。
さらには、摺動可能領域全体に溝を設けることにより、継手内容積が増え、グリース使用量が増加することになる。また、溝の加工範囲(加工長さ)が長く、コスト高となる。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて、組み込み作業時の摺動抵抗を軽減することを前提に、継手内容積の増大を抑え、グリース(潤滑剤)量が過剰に増量するのを防止でき、かつ、車両等に組み付け後の車両運転時における使用範囲での耐久性に影響を及ぼさない摺動式等速自在継手を提供するものである。
本発明の摺動式等速自在継手は、外側継手部材と、内側継手部材と、外側継手部材と内側継手部材との間に介在されるトルク伝達部材とを備え、内側継手部材とトルク伝達部材とを有する内部部品は外側継手部材に軸方向の摺動を可能として収容され、内部部品を一旦継手奥側へスライドさせた後、内部部品を継手開口側へスライドさせた状態で組み付けられる摺動式等速自在継手であって、外側継手部材に開口部を密封する密封装置を有し、密封装置と外側継手部材の少なくともいずれかに、内部部品を継手開口側へスライドさせた状態で、継手内部へグリースが注入されるグリース注入口を設けたものである。
本発明の摺動式等速自在継手によれば、内部部品を継手開口側へスライドさせた状態(組み付けた状態)で、継手内部へグリース注入口を介してグリースが注入されるので、組み付け作業中における継手内部のグリース量を少なく、または注入しない状態とできる。このため、組み込み作業時における内部部品を外側継手部材奥側へ押し込む際、および内部部品を外側継手部材開口側へ引き出す際には、グリース流動抵抗を小さく又は少なくすることができ、摺動抵抗を低減できる。
密封装置は、外側継手部材の開口部に装着される金属製アダプタと、この金属製アダプタに装着される可撓性を有するブーツとを備え、金属製アダプタにグリース注入口を設けたものであっても、外側継手部材にグリース注入口を設けたものであってもよい。
グリース注入口は、栓部材にて塞がれるのが好ましい。栓部材にてグリース注入口が塞がれていれば、使用時等において、このグリース注入口からグリースが外部へ流出するおそれを防止できる。
摺動式等速自在継手として、外側継手部材は内径面にトラック溝が形成され、内側継手部材は外径面にトラック溝が形成され、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在されるトルク伝達部材はボールであり、このボールを収容するポケットを有するとともに外側継手部材と内側継手部材との間に介装されるケージを備え、ケージの外周面の曲率中心と内周面の曲率中心とが、継手の角度中心に対し、軸方向に逆方向にオフセットしているダブルオフセット型とすることができる。
摺動式等速自在継手として、内側継手部材は外周面に軸線に対して互いに逆方向に傾斜したトラック溝を円周方向に交互に形成し、外側継手部材は内周面に軸線に対して互いに逆方向に傾斜したトラック溝を円周方向に交互に形成し、対となる内側継手部材のトラック溝と外側継手部材のトラック溝との交差部にそれぞれ組み込んだトルク伝達部材としてのトルク伝達ボールと、内側継手部材の外周面と前記外側継手部材の内周面との間に介在してトルク伝達ボールを円周方向で所定間隔に保持する窓部を有するケージとを備えたクロスグローブ型とすることができる。
摺動式等速自在継手として、外側継手部材は円周方向に向き合ったローラ案内面を有する3つのトラック溝が形成され、半径方向に突出した3本の脚軸を有する内側継手部材としてのトリポード部材と、脚軸にころを介して回転可能に外嵌されたトルク伝達手段としてのローラとを備えたトリポード型とすることができる。
本発明では、組み込み作業時の摺動抵抗を軽減でき、この組み込み作業性の向上を図ることができる。しかも、内部部品が摺動するエッジが外側継手部材の内径面に形成されず、内部部品と外側継手部材との摩耗を防止でき、耐久性に優れた摺動式等速自在継手を構成できる。また、外側継手部材の内径面に溝等を設ける必要がなく、継手の内容積の増加を防止でき、グリース使用量を最小限に抑えることができ、低コスト化を図ることができる。
本発明の摺動式等速自在継手であって、グリース注入口が密閉装置に設けられた等速自在継手の断面図である。 図1に示す摺動式等速自在継手を使用した動力伝達構造であるプロペラシャフトの車両への組み付け方法を示す簡略図である。 図2に示すプロペラシャフトの車両への組み付け状態を示す簡略図である。 本発明の摺動式等速自在継手であって、グリース注入口が外側継手部材に設けられた等速自在継手の断面図である。 図4に示す摺動式等速自在継手のグリース注入口を栓部材にて塞いでいる状態の断面図である。 クロスグローブ型の摺動式等速自在継手の断面図である。 図6に示す摺動式等速自在継手のトラック溝(ボール溝)の展開図である。 トリポード型の摺動式等速自在継手の縦断面図である。 トリポード型の摺動式等速自在継手の横断面図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。図2は、本発明に係る摺動式等速自在継手を用いた動力伝達構造であるプロペラシャフトを示す。固定式等速自在継手1と、摺動式等速自在継手2と、これらの等速自在継手を連結するシャフトSとを備える。この図例では、固定式等速自在継手にバーフィールド型等速自在継手を用い、摺動式等速自在継手にダブルオフセット型等速自在継手を用いている。
固定式等速自在継手1は、軸方向に延びる複数のトラック溝3が内径面4に形成された外側継手部材5と、軸方向に延びる複数のトラック溝6が外径面7に形成された内側継手部材8と、外側継手部材5のトラック溝3と内側継手部材8のトラック溝6との間に介在してトルクを伝達する複数のボール9と、外側継手部材5の内径面4と内側継手部材8の外径面7との間に介在してボール9を保持するケージ10とを備えている。
摺動式等速自在継手2は、円筒形の内径面31に軸方向に延びるトラック溝32を円周方向に等間隔に形成した外側継手部材33と、球面状の外径面34に軸方向に延びるトラック溝35を円周方向に等間隔に形成した内側継手部材36と、対をなす外側継手部材33のトラック溝32と内側継手部材36のトラック溝35との間に介在させたボール37と、外側継手部材33の内径面31と内側継手部材36の外径面34との間に介在しボールを保持するケージ38とを有し、外側継手部材33と内側継手部材36との間で角度変位のみならず軸方向変位も可能なダブルオフセット型の等速自在継手である。すなわち、図1に示すように、ケージ38の外周面38aの曲率中心O1と内周面38bの曲率中心O2とが、継手の角度中心Oに対し、軸方向に逆方向にオフセットしている。
シャフトSは、図2に示すように、中央の大径の筒体11と、この筒体11の両端に連設される軸部材12(12A、12B)とからなる。軸部材12Aは、筒体11に固定されるボス部13と、このボス部13から突設される本体軸部14とを有する。この場合、ボス部13は、大径部13aと小径部13bからなり、大径部13aには周方向切欠き部13a1が形成され、この筒体11の一方の開口端部11aが嵌合している。なお、この嵌合状態で、筒体11の一方の開口端部11aと大径部13aとが溶接等により接合一体化されている。
本体軸部14の反ボス側の端部には雄スプライン14aが設けられ、本体軸部14の軸方向中間部位には、後述する密封装置18のブーツが装着されるブーツ装着部15が設けられている。このブーツ装着部15には周方向凹溝15aが設けられている。
また、固定式等速自在継手1の内側継手部材8の軸心孔の内径面には、雌スプライン8aが設けられている。このため、シャフトSの一方の軸部材12Aの雄スプライン14aがこの内側継手部材8の軸心孔に嵌入され、雄スプライン14aと雌スプライン8aとが嵌合する。また、雄スプライン14aの端部には周方向溝が形成され、この周方向溝に、シャフト抜け止め用の止め輪16が装着されている。
そして、外側継手部材5の一方の開口部(反摺動式等速自在継手側)には、エンドプレート17が装着され、外側継手部材5の他方の開口部には、密封装置18が装着されている。密封装置18は、金属製のアダプタ19とゴムや樹脂製のブーツ20とを備えたものである。すなわち、金属製アダプタ19は、外側継手部材5の他方の開口部に外嵌固定される本体筒部19aと、この本体筒部19aから段付部19bを介して摺動式等速自在継手側へ突出するブーツ装着部19cとからなる。
また、ブーツ20は、大端部20aと、小端部20bと、小端部20bと大端部20aとを連結するV字形乃至U字形の折り返し部20cとからなる。そして、ブーツ20の小端部20bが軸部材12Aのブーツ装着部15に外嵌され、この小端部20bに外嵌されるブーツバンドで締め付けられる。また、ブーツ20の大端部20aは、金属製アダプタ19のブーツ装着部19cを加締めて保持されている。
他方の軸部材12Bも、筒体11に固定されるボス部23と、このボス部23から突設される本体軸部24とを有する。この場合、ボス部23は、大径部23aと小径部23bからなり、大径部23aには周方向切欠き部23a1が形成され、この筒体11の一方の開口端部11bが嵌合している。なお、この嵌合状態で、筒体11の一方の開口端部11bと大径部23aとが溶接等により接合一体化されている。
本体軸部24の反ボス側の端部には雄スプライン24aが設けられ、本体軸部24の軸方向中間部位には、後述する密封装置のブーツが装着されるブーツ装着部25が設けられている。このブーツ装着部25には周方向凹溝25aが設けられている。
また、摺動式等速自在継手2の内側継手部材36の軸心孔の内径面には、雌スプライン36aが設けられている。このため、シャフトSの一方の軸部材12Bの雄スプライン24aがこの内側継手部材36の軸心孔に嵌入され、雄スプライン24aと雌スプライン36aとが嵌合する。また、雄スプライン24aの端部には周方向溝が形成され、この周方向溝に、シャフト抜け止め用の止め輪26が装着されている。
そして、図1に示すように、摺動式等速自在継手2の外側継手部材33の反固定式等速自在継手側の開口部33aには、エンドプレート27が装着される。このエンドプレート27は、基板27aと、この基板27aの外周縁部から継手内方へ延設される短筒部27bとからなり、外側継手部材33の開口部33aにエンドプレート27の短筒部27bが内嵌される。なお、外側継手部材33の開口部33aの内径面と短筒部27bとの間には、Oリング等のシール部材39aが配設されている。
外側継手部材33の固定式等速自在継手側の開口部33bには、密封装置28が装着されている。密封装置28は、金属製のアダプタ29とゴムや樹脂製のブーツ30とを備えたものである。すなわち、金属製アダプタ29は、外側継手部材5の他方の開口部に外嵌固定される本体筒部29aと、この本体筒部29aから段付部29bを介して軸方向外側へ突出する筒形状のブーツ装着部29cとからなる。
また、ブーツ30は、大端部30aと、小端部30bと、小端部30bと大端部30aとを連結するV字形乃至U字形の折り返し部30cとからなる。そして、ブーツ30の小端部30bが軸部材12Bのブーツ装着部25に外嵌され、この小端部30bに外嵌されるブーツバンド44で締め付けられる。また、ブーツ30の大端部30aは、金属製アダプタ29のブーツ装着部29cの端部を加締めて保持されている。
アダプタ29の本体筒部29aの内面と、外側継手部材33の開口部33bの外径面との間にはOリング等のシール部材39bが介在されている。また、外側継手部材33の開口部33bの内径面には止め輪40が装着されている。この止め輪40は、内側継手部材36と、保持器38と、トルク伝達部材としてのボール37とで構成される内部部品41の外側継手部材33からの抜けを防止する。なお、外側継手部材33の開口部33b側の外径面には周方向凹部42が設けられ、この周方向凹部42に金属製アダプタ29の本体筒部29aの縮径端部43が嵌合し固定されている。
そして、密封装置28の金属製アダプタ29のブーツ装着部29cには、グリース注入口45が設けられている。このグリース注入口45は、グリースを継手内部に注入した後は、栓部材(図示省略)にて塞がれる。この栓部材としては、後述するような埋め栓62であっても、粘着テープ等のテープ材を貼り付けるようにしてもよい。
次に前記のように構成された動力伝達構造(プロペラシャフト)を車両に組み込む作業を説明する。まず図2に示すように、シャフトSを摺動式等速自在継手側へ押し込んだ状態、すなわち、内部部品41が継手奥側(開口部33a側)へ押圧された状態であって、このプロペラシャフトの全長が短くなる状態として、取り付けるべき相手フランジ50に摺動式等速自在継手2を締結する。この場合、継手内部のグリース量を少なく、または注入しない状態とできる。
摺動式等速自在継手2の外側継手部材33の開口部33aの外径部にフランジ部46が設けられ、このフランジ部46が相手フランジ50に突き合せた状態として、ボルト・ナット結合を行う。すなわち、外側継手部材33のフランジ部46および相手フランジ50には貫孔46a、50aが設けられ、これらの貫孔50a、46aに相手フランジ50側からボルト部材51を挿通してフランジ部46から突出したボルト部材51のねじ軸にナット部材52を螺着することになる。なお、このようなボルト・ナット結合は、周方向に沿って所定ピッチで複数個が配設されている。
その後、この図2に示す状態から図3に示すように、シャフトSを、固定式等速自在継手1を取り付ける相手フランジ55側へ伸ばして、相手フランジ55の嵌合凹部55bに、エンドプレート17が嵌合する状態とする。
この場合も、固定式等速自在継手1の外側継手部材5の開口部5aの外径部にフランジ部56が設けられ、このフランジ部56が相手フランジ55に突き合せた状態として、ボルト・ナット結合を行う。すなわち、外側継手部材5のフランジ部56および相手フランジ55には貫孔56a、55aが設けられ、これらの貫孔55a、56aに相手フランジ55側からボルト部材57を挿通してフランジ部56から突出したボルト部材57のねじ軸にナット部材58を螺着することになる。なお、このようなボルト・ナット結合は、周方向に沿って所定ピッチで複数個が配設されている。
この図3に示す状態のように車両に組み込んだ後に、摺動式等速自在継手のグリース注入口45(図1参照)からグリースを継手内部へ注入し、その後、このグリース注入口45を図示省略の栓部材にて塞ぐ。これによって、車両への組み込み作業が終了する。
本発明では、内部部品41を継手開口側(開口部33b側)へスライドさせた状態(組み付けた状態)で、継手内部へグリース注入口45を介してグリースが注入されるので、組み付け作業中における継手内部のグリース量を少なく、または注入しない状態とできる。このため、組み込み作業時における内部部品41を継手奥側((開口部33a側)へ押し込む際、および内部部品41を引き出す際には、グリース流動抵抗を小さく又は少なくすることができ、摺動抵抗を低減できる。
従って、本発明にかかる摺動式等速自在継手では、組み込み作業時の摺動抵抗を軽減でき、この組み込み作業性の向上を図ることができる。しかも、内部部品41が摺動するエッジが外側継手部材33の内径面31に形成されず、内部部品41と外側継手部材33との摩耗を防止でき、耐久性に優れた摺動式等速自在継手を構成できる。また、外側継手部材33の内径面31に溝等を設ける必要がなく、継手の内容積の増加を防止でき、グリース使用量を最小限に抑えることができ、低コスト化を図ることができる。
次に、図4は、グリース注入口45を外側継手部材33に設けた場合を示している。この場合、外側継手部材33は、一方の開口部33aは大径部60とされ、この大径部60よりも内部側にエンドプレート27が配設されている。また、エンドプレート27の近傍には、止め輪61が装着されている。すなわち、この止め輪61が内部部品41の一方の開口部側へのスライドを規制するストッパとなる。
図4に示す摺動式等速自在継手の他の構成は、図1に示す摺動式等速自在継手と同様である。このため、図1と同一部材については、図1に附した符号と同一符号を附してそれらの説明を省略する。この場合も、摺動式等速自在継手のグリース注入口45からグリースを継手内部へ注入し、その後、図5に示すように、このグリース注入口45を栓部材である埋め栓62にて塞ぐ。これによって、車両への組み込み作業が終了する。このため、この図4に示す摺動式等速自在継手も、グリース注入口45を有するので、図1に示す摺動式等速自在継手と同様の作用効果を奏することができる。
本発明における摺動式等速自在継手として、前記したダブルオフセット型に限るものではなく、図6と図7に示すクロスグルーブ型であっても、図8と図9に示すトリポード型であってもよい。
図6と図7に示すクロスグルーブ型等速自在継手は、外周面71に軸線に対して互いに逆方向に傾斜したトラック溝(ボール溝)72(72a、72b)を円周方向に交互に形成した内側継手部材73と、内周面74に軸線に対して互いに逆方向に傾斜したトラック溝75(ボール溝)(75a、75b)を円周方向に交互に形成した外側継手部材76と、対となる内側継手部材73のトラック溝72と外側継手部材76のトラック溝75との交差部に組み込んだ複数個のトルク伝達ボール77と、内側継手部材73の外周面71と外側継手部材76の内周面74との間に介在してトルク伝達ボール77を円周方向で所定間隔に保持するポケット81が形成されたケージ78とを有する。
図7におけるβは、軸線に対する各トラック溝72a、72b、75a、75bの交差角を示している。トルク伝達ボール77は、各トラック溝72a、72b、75a、75bの交差部に組み込まれている。
内側継手部材73の中心孔(内径孔)79にシャフトSの軸部材80を挿入してスプライン嵌合させ、そのスプライン嵌合により両者間でトルク伝達可能としている。すなわち、内側継手部材73の中心孔79に雌スプライン79aが形成され、シャフトSの軸部材80に雄スプライン80aが形成され、シャフト80の軸端部が内側継手部材73の中心孔79に嵌入されて、内側継手部材73の雌スプライン79aと、軸部材80の雄スプライン80aが嵌合する。また、軸部材80の雄スプライン80aの端部には止め輪90が装着され、軸部材80の抜けを防止している。
外側継手部材76の軸方向一端側(反シャフト突出側の開口部)には、エンドプレート82が嵌着され、シャフト突出側の外輪開口部は密封装置83にて塞がれている。密封装置83は、ゴムや樹脂製のブーツ85と金属製の金属製アダプタ84とからなる。
ブーツ85は、小端部85bと、大端部85aと、小端部85bと大端部85aとを連結するV字形乃至U字形の折り返し部85cとを備える。金属製アダプタ84は、筒状の本体部84cと、この本体部84cにリング状平板84bを介して連設されて外側継手部材76に外嵌される大径筒部84aとを備えるものである。また、ブーツ85の小端部85bはシャフトSの軸部材80に取付けられてブーツバンド86で締付けられている。ブーツ85の大端部85aは金属製アダプタ84の本体部84cの端部を加締めて保持されている。
また、エンドプレート82は、外側継手部材76に外嵌される筒部82aと、反継手側に膨出する深皿状部材82cと、筒部82aと深皿状部材82cとを連設するリング状平板82bとからなる。そして、外側継手部材76には図示省略のボルト部材が装着され、このボルト部材の装着によって、密封装置83の金属製アダプタ84とエンドプレート82とが外側継手部材76に支持される。すなわち、エンドプレート82のリング状平板82b、アダプタ84のリング状平板84bにはそれぞれ貫孔87,88が設けられるとともに、外側継手部材76には貫通孔89が設けられ、この貫孔87,88及び貫通孔89にボルト部材が嵌入されることになる。
このようなクロスグルーブ型等速自在継手であっても、密封装置83や外側継手部材76にグリース注入口45を設けることになる。なお、図6では金属アタプタ84にグリース注入口45を設けている。このため、クロスグルーブ型等速自在継手であっても、図1に示すダブルオフセット型等速自在継手と同様、この作用効果を奏することができる。
また、図8及び図9に示すトリポード型等速自在継手は、外側継手部材91と、内側継手部材としてのトリポード部材92と、トルク伝達部材としてのローラ93とを備える。外側継手部材91は一端にて開口したカップ状のカップ部95と、このカップ部95の底壁95aから突設される軸部96とを有する。カップ部95は、その内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝97が形成してある。カップ部95は、横断面で見ると、大径部98aと小径部98bが交互に現れる非円筒形状である。すなわち、カップ部95は、大径部98aと小径部98bとを形成することによって、その内周面に、軸方向に延びる3本の前記トラック溝97が形成される。
各トラック溝97の円周方向で向き合った側壁にローラ案内面(ローラ摺接面)97a、97aが形成される。また、内径面においては、円周方向に交互に現れる小内径部99bと大内径部99aをローラ案内面97aで接続した3弁の花冠状を呈している。すなわち、外側継手部材91は、円周方向に向き合ったローラ案内面97a,97aと両ローラ案内面97a,97a間に設けられた大内径部99aからなるトラック溝97が内周の三箇所に形成されるものである。
トリポード部材92はボス100と脚軸101とを備える。ボス100にはシャフト(図示省略)とトルク伝達可能に結合するスプライン孔100aが形成してある。脚軸101はボス100の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。
この場合、ローラ93は、脚軸101の外径面に周方向に沿って配設される複数の針状ころ102を介して外嵌されている。脚軸101の外周面は針状ころ102の内側転動面を構成し、ローラ93の内周面は針状ころ102の外側転動面を構成している。すなわち、この図8と図9に示すトリポード型等速自在継手は、シングルローラタイプである。なお、複数の針状ころ102は、脚軸101の外周面とローラ93の内周面との間に総ころ状態で配設されている。
これら針状ころ102は、脚軸101の付け根部に外嵌されたインナワッシャ103と半径方向内側で接すると共に、脚軸101の先端部に外嵌されたアウタワッシャ104と半径方向外側で接している。このアウタワッシャ104は、脚軸101の先端部に形成された環状溝105に丸サークリップ等の止め輪106を嵌合させることにより抜け止めされている。
このようなトリポード型等速自在継手であっても、外側継手部材91にグリース注入口45を設けることになる。このため、トリポード型等速自在継手であっても、図1に示すダブルオフセット型等速自在継手と同様、この作用効果を奏することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、グリース注入口45として、図1では、密封装置に1個設けられたものであり、図4では、外側継手部材に1個設けられたものであったが、密封装置に2個以上設けたり、外側継手部材に2個設けたりしてもよい。また、グリース注入口45を密封装置及び外側継手部材に設けたりしてもよい。さらには、各グリース注入口45の大きさや形状等も、グリースを注入でき、かつ、栓部材にて塞ぐことができる範囲で任意のものに設定できる。
図2及び図3に示すプロペラシャフトにおいて、固定式等速自在継手1として、前記実施形態では、バーフィールドタイプであったが、アンダーカットフリータイプの固定式等速自在継手であってもよい。また、摺動式等速自在継手2にクロスグルーブ型等速自在継手を用いた場合、内側継手部材の最大外径をケージの最小内径よりも大きくしたフロートタイプと呼ばれるクロスグルーブ型等速自在継手ものであっても、内側継手部材の最大外径をケージの最小内径よりも小さくしたノンフロートタイプと呼ばれるクロスブルーブ型等速自在継手であってもよい。摺動式等速自在継手2としてトリポードタイプを用いる場合、シングルローラタイプであっても、ダブルローラタイプであってもよい。
28 密封装置
29 金属製アダプタ
30 ブーツ
31 内径面
32 トラック溝
33 外側継手部材
34 外径面
35 トラック溝
36 内側継手部材
37 ボール
38 保持器
38a 外周面
38b 内周面
41 内部部品
45 グリース注入口
62 栓部材
71 外周面
72 トラック溝
73 内側継手部材
74 内周面
75 トラック溝
76 外側継手部材
77 トルク伝達ボール
78 ケージ
83 密封装置
84 金属製アダプタ
85 ブーツ
91 外側継手部材
92 トリポード部材
93 ローラ
97 トラック溝

Claims (7)

  1. 外側継手部材と、内側継手部材と、前記外側継手部材と前記内側継手部材との間に介在されるトルク伝達部材とを備え、前記内側継手部材と前記トルク伝達部材とを有する内部部品は前記外側継手部材に軸方向の摺動を可能として収容され、前記内部部品を一旦継手奥側へスライドさせた後、前記内部部品を継手開口側へスライドさせた状態で組み付けられる摺動式等速自在継手であって、
    前記外側継手部材に開口部を密封する密封装置を有し、前記密封装置と前記外側継手部材の少なくともいずれかに、前記内部部品を継手開口側へスライドさせた状態で、継手内部へグリースが注入されるグリース注入口を設けたことを特徴とする摺動式等速自在継手。
  2. 前記密封装置は、前記外側継手部材の開口部に装着される金属製アダプタと、この金属製アダプタに装着される可撓性を有するブーツとを備え、前記金属製アダプタにグリース注入口を設けたことを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
  3. 前記外側継手部材に前記グリース注入口を設けたことを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
  4. 前記グリース注入口は、栓部材にて塞がれることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の摺動式等速自在継手。
  5. 前記外側継手部材は内径面にトラック溝が形成され、前記内側継手部材は外径面にトラック溝が形成され、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に介在される前記トルク伝達部材はボールであり、このボールを収容するポケットを有するとともに前記外側継手部材と前記内側継手部材との間に介装されるケージを備え、前記ケージの外周面の曲率中心と内周面の曲率中心とが、継手の角度中心に対し、軸方向に逆方向にオフセットしているダブルオフセット型であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の摺動式等速自在継手。
  6. 前記内側継手部材は外周面に軸線に対して互いに逆方向に傾斜したトラック溝を円周方向に交互に形成し、前記外側継手部材は内周面に軸線に対して互いに逆方向に傾斜したトラック溝を円周方向に交互に形成し、対となる前記内側継手部材のトラック溝と前記外側継手部材のトラック溝との交差部にそれぞれ組み込んだ前記トルク伝達部材としてのトルク伝達ボールと、前記内側継手部材の外周面と前記外側継手部材の内周面との間に介在して前記トルク伝達ボールを円周方向で所定間隔に保持する窓部を有するケージとを備えたクロスグローブ型であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の摺動式等速自在継手。
  7. 前記外側継手部材は円周方向に向き合ったローラ案内面を有する3つのトラック溝が形成され、半径方向に突出した3本の脚軸を有する前記内側継手部材としてのトリポード部材と、前記脚軸にころを介して回転可能に外嵌されたトルク伝達手段としてのローラとを備えたトリポード型であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の摺動式等速自在継手。
JP2016249313A 2016-12-22 2016-12-22 摺動式等速自在継手 Active JP6821423B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016249313A JP6821423B2 (ja) 2016-12-22 2016-12-22 摺動式等速自在継手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016249313A JP6821423B2 (ja) 2016-12-22 2016-12-22 摺動式等速自在継手

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018105328A true JP2018105328A (ja) 2018-07-05
JP6821423B2 JP6821423B2 (ja) 2021-01-27

Family

ID=62787729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016249313A Active JP6821423B2 (ja) 2016-12-22 2016-12-22 摺動式等速自在継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6821423B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020115917A1 (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 株式会社ショーワ 推進軸
WO2023037744A1 (ja) * 2021-09-10 2023-03-16 日立Astemo株式会社 プロペラシャフト用の等速ジョイントおよびプロペラシャフト

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02225826A (ja) * 1990-01-25 1990-09-07 Kiipaa Kk 等速ジョイント装置におけるフレキシブルブーツの内側空間に潤滑剤を封入する方法
JP2003056590A (ja) * 2001-06-08 2003-02-26 Ntn Corp プロペラシャフト用等速自在継手
JP2007309367A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Ntn Corp 等速自在継手及び動力伝達機構
JP2009085380A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Ntn Corp 等速自在継手

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02225826A (ja) * 1990-01-25 1990-09-07 Kiipaa Kk 等速ジョイント装置におけるフレキシブルブーツの内側空間に潤滑剤を封入する方法
JP2003056590A (ja) * 2001-06-08 2003-02-26 Ntn Corp プロペラシャフト用等速自在継手
JP2007309367A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Ntn Corp 等速自在継手及び動力伝達機構
JP2009085380A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Ntn Corp 等速自在継手

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020115917A1 (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 株式会社ショーワ 推進軸
WO2023037744A1 (ja) * 2021-09-10 2023-03-16 日立Astemo株式会社 プロペラシャフト用の等速ジョイントおよびプロペラシャフト

Also Published As

Publication number Publication date
JP6821423B2 (ja) 2021-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9568084B2 (en) Differential device and method of assembling the same
US10352368B2 (en) Propeller shaft and constant-velocity joint used in said propeller shaft
JP2018105328A (ja) 摺動式等速自在継手
WO2008032729A1 (fr) Structure de transmission électrique
CN107606067B (zh) 齿轮装置
JP2009085380A (ja) 等速自在継手
RU142044U1 (ru) Карданный вал транспортного средства
US10385926B2 (en) Variable stiffness joint assembly having a bushing assembly
JP2009115203A (ja) 等速自在継手
JP2007162740A (ja) 摺動式等速自在継手
US7338378B1 (en) Retainer for universal joint bearing cups
JP6305744B2 (ja) 等速自在継手
JP2021089042A (ja) 等速自在継手及びその組立方法
JP2531165Y2 (ja) 軸継手
JP2013087915A (ja) 等速自在継手
JP2011122614A (ja) 等速自在継手
JP2018044607A (ja) 摺動式等速自在継手
JP2008261395A (ja) 等速自在継手
JP2011208776A (ja) 固定式等速自在継手および固定式等速自在継手の組立方法
KR101266855B1 (ko) 볼 부쉬 내장형 샤프트
JP2007056949A (ja) 等速自在継手用フレキシブルブーツ
JP2017227224A (ja) 等速自在継手
JP6873626B2 (ja) 等速自在継手および動力伝達構造
JPH0522857U (ja) スプライン継手
CN205417739U (zh) 汽车用转向装置的中间轴装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6821423

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150