JP2011208591A - エンジン制御装置 - Google Patents

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善直 大久保
Shinji Okubo
真司 大久保
Masaaki Suga
公明 菅
Toru Shinomiya
徹 四之宮
Shinji Yano
真二 矢野
Susumu Ueda
晋 上田
Kenji Adachi
憲司 足立
Hideaki Matsumoto
秀昭 松本
Akihiro Konno
晃大 金野
Junji Nakada
純二 中田
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Abstract

【課題】燃料消費率を標準のエンジン出力カーブよりも低下させた低燃費のエンジン出力カーブを選択してエンジンを駆動する場合、より一層燃料消費率を低減させることを課題とする。
【解決手段】所定の出力を確保する標準のエンジン出力カーブNと、標準のエンジン出力カーブNよりも燃料消費率を低減させる低燃費のエンジン出力カーブSを切換えるモード選択装置134を備えたエンジン制御装置において、前記モード選択装置134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択することで、燃料の噴射タイミングを補正し、低燃費のエンジン出力カーブSへ移行制御するように構成したことを特徴とするエンジン制御装置の構成とする。
【選択図】図10

Description

本発明は、エンジンの出力を通常の燃料消費率よりも燃料消費率の少ない低燃費のエンジン出力カーブと、通常の燃料消費率の標準のエンジン出力カーブで制御するようにしたエンジン制御装置に関する。
建設機械等の作業車で、燃料消費率を通常の燃料消費率よりも低下させた省エネ出力モードで走行や作業が行える構成としている。
例えば、特開2007−231848号公報には、モード選択手段でエンジン制御を低燃費モード仕様、即ち、省エネ出力モードに切り換えることで燃費向上を図れる構成とした建設機械のエンジン制御方法が記載されている。
特開2007−231848号公報
燃料消費率を通常の消費率よりも低下させた省エネ出力モードを選択すると、燃料の噴射タイミングを補正し、省エネ出力モードへ移行制御する技術は開示されていない。このため、より一層燃料消費率を向上させることは期待できない。
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、所定の出力を確保する標準のエンジン出力カーブ(N)と、標準のエンジン出力カーブ(N)よりも燃料消費率を低減させる低燃費のエンジン出力カーブ(S)を切換えるモード選択装置(134)を備えたエンジン制御装置において、
前記モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択することで、燃料の噴射タイミングを補正し、低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御するように構成したことを特徴とするエンジン制御装置とした。
モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると、燃料の噴射タイミングを補正し、低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御する。燃料の噴射タイミングの補正は、燃料消費率が改善される側に補正する。
請求項2に記載の発明は、所定の出力を確保する標準のエンジン出力カーブ(N)と、標準のエンジン出力カーブ(N)よりも燃料消費率を低減させる低燃費のエンジン出力カーブ(S)を切換えるモード選択装置(134)を備えたエンジン制御装置において、
前記モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると同時に燃料噴射タイミングを補正させると共に、低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御するように構成したことを特徴とするエンジン制御装置とした。
モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると、この選択により同時に燃料噴射タイミングを補正させると共に、低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御する。燃料の噴射タイミングの補正は、燃料消費率が改善される側に補正する。
請求項3に記載の発明は、所定の出力を確保する標準のエンジン出力カーブ(N)と、標準のエンジン出力カーブ(N)よりも燃料消費率を低減させる低燃費のエンジン出力カーブ(S)を切換えるモード選択装置(134)を備えたエンジン制御装置において、
前記モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると同時に低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御し、所定時間後に燃料の噴射タイミングを補正させるように構成したことを特徴とするエンジン制御装置とした。
モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると、この選択により同時に低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御し、所定時間後に燃料の噴射タイミングを補正する。燃料の噴射タイミングの補正は、燃料消費率が改善される側に補正する。
請求項4に記載の発明は、所定の出力を確保する標準のエンジン出力カーブ(N)と、標準のエンジン出力カーブ(N)よりも燃料消費率を低減させる低燃費のエンジン出力カーブ(S)を切換えるモード選択装置(134)を備えたエンジン制御装置において、
前記モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると同時に低燃費のエンジン出力カーブ(S)へと少しずつ移行制御し、低燃費のエンジン出力カーブ(S)への移行が略完了すると、燃料の噴射タイミングを補正させるように構成したことを特徴とするエンジン制御装置とした。
モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると、この選択と同時に低燃費のエンジン出力カーブ(S)へと少しずつ移行制御し、低燃費のエンジン出力カーブ(S)への移行が略完了すると、燃料の噴射タイミングを補正する。燃料の噴射タイミングの補正は、燃料消費率が改善される側に補正する。
請求項1記載の発明によれば、モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると、燃料の噴射タイミングを補正するように構成したので、燃料の消費率が改善するようになる。また、燃料の噴射タイミングの補正による排気ガス成分の悪化については、低燃費のエンジン出力カーブ(S)にしたことによる出力制限で改善される。
請求項2記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると、この選択により同時に燃料の噴射タイミングを補正し、低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御するように構成したので、いち早く燃料の消費率が改善する。また、燃料の噴射タイミングの補正による排気ガス成分の悪化については、同時に低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御して出力制限することで改善する。
請求項3記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると、この選択により同時に低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御して出力制限を行い、所定時間後に燃料の噴射タイミングを補正するように構成したので、標準のエンジン出力カーブ(N)から低燃費のエンジン出力カーブ(S)への移行時の過渡期において、燃料の噴射タイミングの補正による排気ガス成分の悪化を防止できる。即ち、燃料の噴射タイミングを補正すると排気ガス成分が悪化するが、先に低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御することで、このような不具合を防止できる。
請求項4記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると、この選択と同時に低燃費のエンジン出力カーブ(S)へと少しずつ移行制御するように構成したので、標準のエンジン出力カーブ(N)から低燃費のエンジン出力カーブ(S)への移行がスムーズに移行できるようになり、出力変動を抑制できて振動発生が防止される。そして、先に低燃費のエンジン出力カーブ(S)への移行が略完了すると、燃料の噴射タイミングを補正する構成としているので、標準のエンジン出力カーブ(N)から低燃費のエンジン出力カーブ(S)への移行時の過渡期において、燃料の噴射タイミングの補正による排気ガス成分の悪化を防止できる。
コモンレールエンジンの説明模式図 エンジン回転数制御モードと対比図 エンジンの出力特性図 トラクタの全体側面図 ミッションケース内の動力伝動線図 制御のブロック図 メータパネルの拡大図 データ表示部の拡大図 ステアリングハンドルの右側周辺の一部の拡大斜視図 エンジンパワー選択スイッチ操作時のタイムチャート図 エンジンパワー選択スイッチ操作時のタイムチャート図 エンジンパワー選択スイッチ操作時のタイムチャート図 エンジンパワー選択スイッチ操作時のタイムチャート図 モード切換時のフローチャート図 (a)燃料噴射量とコモンレール圧の関係図(b)燃料噴射量と噴射タイミングの関係図(c)出力とNOx排出量の関係図 エンジンの吸気と排気の模式図 データ表示部の拡大図 データ表示部の拡大図 (a)回転式のエンジンパワー選択スイッチの平面図(b)エンジン回転と出力の関係図 回転式のエンジンパワー選択スイッチの平面図
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、蓄圧式燃料噴射装置の全体構成図である。蓄圧式燃料噴射装置は、例えば、多気筒ディーゼル機関に適用されるものであるが、ガソリン機関でもよい。そして、蓄圧式燃料噴射装置は、燃料を適宜に制御する噴射圧力に蓄圧するコモンレール1と、このコモンレール1に取り付けられるレール圧センサ2と、燃料タンク3より汲み上げた燃料を加圧してコモンレール1に圧送する燃料高圧ポンプ4と、コモンレール1に蓄圧された高圧燃料をエンジンEのシリンダ5内に噴射する高圧インジェクタ6と、前記燃料高圧ポンプ4と高圧インジェクタ6やその他の制御などの動作を制御する制御装置(エンジンECU12)等から構成される。
このように、コモンレール1は、エンジンEの各シリンダ5へ噴射する燃料を、要求された出力に必要な圧力とするものである。
前記燃料タンク3内の燃料は吸入通路により燃料フィルタ7を介してエンジンEで駆動される燃料高圧ポンプ4に吸入され、この燃料高圧ポンプ4によって加圧された高圧燃料は吐出通路8によりコモンレール1に導かれて蓄えられる。
コモンレール1内の高圧燃料は各高圧燃料供給通路9により気筒数分の高圧インジェクタ6に供給され、エンジン制御装置(ECU)12からの指令に基づき、高圧インジェクタ6が作動して、高圧燃料がエンジンEの各シルンダ5室内に噴射供給され、各高圧インジェクタ6での余剰燃料(リターン燃料)は各リターン通路10により共通のリターン通路10aへ導かれ、このリターン通路10aによって燃料タンク3へ戻される。
また、コモンレール1内の燃料圧力(コモンレール圧)を制御する燃料高圧ポンプ4に圧力制御弁11が設けられており、この圧力制御弁11はエンジンECU12からの信号によって、燃料高圧ポンプ4から燃料タンク3への余剰燃料のリターン通路10aの流路面積を調整するものであり、これによりコモンレール1側への燃料供給量を調整してコモンレール圧を制御することができる。
具体的には、エンジンEの運転条件に応じて目標コモンレール圧を設定し、レール圧センサ2により検出されるコモンレール圧が目標コモンレール圧と一致するよう、圧力制御弁11を介してコモンレール圧をフィードバック制御する構成としている。
トラクタなどの農作業機におけるコモンレール1を有するディーゼルエンジンEのエンジンECU12は、図2に示すように、回転数と出力トルクの関係においてエンジン回転数変動制御モードAとエンジン回転数維持制御モードB及び重負荷モードCの三種類の制御モードを有する構成としている。
エンジン回転数変動制御モードAは、エンジン回転数の変動で出力も変動するものである。即ち、エンジンに負荷が加わるとエンジン回転数を下げる方向に制御する。基本的には移動走行する場合に使用するものであるが、急激なエンジンストールを防止するために作業中でも使用する。例えば、移動走行の場合は、ブレーキを掛けて走行速度を減速したり停止したりすると、走行負荷の増大に伴ってエンジン回転数が低下するため走行速度の減速や停止を安全に行うことができるものである。また、作業中においては、作業負荷が作用すると、負荷の強度に比例してエンジン回転数が低下していくものである。
エンジン回転数維持制御モードBは、負荷が増大してもエンジン回転数を一定に維持する制御である。基本的には作業を行う場合に使用するものである。例えば、トラクタであれば耕うん作業時に圃場が固く耕うん刃に抵抗が掛かるときなどであり、コンバインであれば収穫作業時に負荷が増大したときでも、回転数を維持するときなどである。
重負荷モードCは、エンジン回転数維持制御モードBと同様に負荷が加わって増大してもエンジン回転数を一定に維持する制御に加え、負荷限界近くになるとエンジン回転数を上昇させて出力を上げる重負荷制御を加えた制御である。特に、負荷限界近くで作業を行う場合に使用するものである。例えば、トラクタで耕うん作業を行っている際に、特に、固い耕地に遭遇してもエンジン出力が通常の限界を越えて増大するので作業を中断することがなく、効率の良い作業が可能となる。
図3は、エンジンEの出力特性を表わす回転数と出力の関係図である。
低燃費のエンジン出力カーブSと標準のエンジン出力カーブNは、エンジン回転数(rpm)と出力(kw)との関係を示している。
低燃費のエンジン出力カーブSは、標準のエンジン出力カーブNの燃料消費率よりも燃料供給量を低下させた制御で、この低燃費のエンジン出力カーブSは、全回転域で出力が標準のエンジン出力カーブNよりも出力が1割程度低下する。
符号STは、低燃費のエンジン出力カーブSのときのエンジン回転数(rpm)とトルク(N・m)との関係を示しており、符号NTは、標準のエンジン出力カーブNのときのエンジン回転数(rpm)とトルク(N・m)との関係を示している。
低燃費のエンジン出力カーブSと標準のエンジン出力カーブNを切り換えてエンジンEを使用するには、モード選択手段(以下、エンジンパワー選択スイッチという)134を操作して設定する。エンジンパワー選択スイッチは、図6と図9に示している。
トラクタが走行するときにはエンジン回転数変動制御モードAに自動的に切換える。そして、前記エンジンパワー選択スイッチ134で標準のエンジン出力カーブNを選択し、トラクタに装着した作業機を駆動するPTO駆動手段(以下、PTO駆動スイッチという)151の入り状態が有効になることで、エンジン回転数維持制御モードBに自動的に切換える構成とする。PTO駆動手段については、レバーなどの操作をスイッチ等で検出する構成としてもよい。
前記エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択し、作業機を駆動するPTO駆動スイッチ151の入り状態が有効になることで、エンジン回転数変動制御モードAに自動的に切換えるように構成する。
エンジンパワー選択スイッチ134で標準のエンジン出力カーブNを選択して、PTO駆動スイッチ151を入り状態としての作業中は、自動的にエンジン回転数維持制御モードBでエンジン回転数制御を行う。そして、エンジン負荷に余裕があると判断すると、モード選択手段134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択するが、この選択で自動的にエンジン回転数変動制御モードAに切換わる。
エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択し、PTO駆動スイッチ151を入り状態としての作業中は、自動的にエンジン回転数変動制御モードAでエンジン回転数制御を行う。そして、エンジン負荷に余裕が無いと判断すると、エンジンパワー選択スイッチ134で標準のエンジン出力カーブNを選択するが、この選択で自動的にエンジン回転数維持制御モードBに切換わる。
低燃費のエンジン出力カーブSの許容最大負荷は、標準のエンジン出力カーブNの許容最大負荷よりも低いので、許容最大負荷に達する可能性が高い。このため、仮に低燃費のエンジン出力カーブSの選択状態において、エンジン回転数維持制御モードBで作業を行う場合において許容最大負荷に達すると、一気にエンジンストールしてしまうという不具合が発生する。
そこで、低燃費のエンジン出力カーブSでエンジン回転数変動制御モードAで作業を行うと、負荷が作用して加わることに応じてエンジン回転数を下げる方向に制御するので、一気にエンジン回転数がストールしてしまって、エンジンを再始動しなくてはならないという不具合を防止できるようになる。また、負荷が加わることでエンジン回転数が低下していくので、作業者は負荷の状態を容易に把握し易くなる。
また、エンジンパワー選択スイッチ134で標準のエンジン出力カーブNを選択し、作業機を駆動するPTO駆動スイッチ151の入り状態が有効になることで、自動的にエンジン回転数維持制御モードBに切換わる構成としたので、エンジン自体が持っている許容最大負荷まで一定の回転数で作業できるので、エンジン自体の能力を最大に引き出して、作業能率を向上させることができる。
前記PTO駆動スイッチ151を入り状態にすると、後述する図6に示すPTOクラッチsol(ソレノイド)54bに通電して、図5に示すPTOクラッチ54aが入りとなる。
また、図6に示すように、エンジン回転数を記憶するエンジン回転数記憶手段(以下、エンジン回転数記憶スイッチという)152と、該エンジン回転数記憶スイッチ152が記憶しているエンジン回転数を再現するエンジン回転数再現手段(以下、エンジン回転数再現スイッチという)153を設ける構成とする。このエンジン回転数再現スイッチ153を設けることで、エンジン回転数を自動的に設定できるので、アクセルレバーなどの操作が不要となり、操作性が向上する。記憶して再現するエンジン回転数は、運転者が希望する任意のエンジン回転数である。
そして、エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択し、エンジン回転数再現スイッチ152の入り状態が有効になることで、自動的にエンジン回転数変動制御モードAに切換わる構成とする。
エンジン回転数記憶スイッチ152で、作業者が希望するエンジン回転数を走行制御装置120に記憶する。そして、エンジン回転数再現スイッチ153を操作して、記憶しているエンジン回転数を再現する。このように、エンジン回転数再現スイッチ153で記憶しているエンジン回転数を再現する場合は、作業を行う場合である。記憶しているエンジン回転数を再現すると共に、エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択すると、自動的にエンジン回転数変動制御モードAに切換わる。
このように、作業を行う際において、記憶しているエンジン回転数を再現すると共に、エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択すると、自動的にエンジン回転数変動制御モードAに切換わる構成としたので、負荷が加わることに応じてエンジン回転数が低下していくので、一気にエンジン回転数がストールしてしまって、エンジンを再始動しなくてはならないという不具合を防止できる。また、負荷に応じてエンジン回転数が低下していくので、作業者は負荷の状態を容易に把握し易くなる。
また、別構成として、作業機を駆動するPTO出力軸54c(図5)の負荷率を検出し、一定時間標準のエンジン出力カーブNの最高出力の略70%以下で作業、又は走行している場合には、自動的に低燃費のエンジン出力カーブSに切り換える構成とする。これにより、効率の良い低燃費の作業や走行を行うことができる。PTO出力軸54cの負荷率は、規定の回転数に対する現在の回転数から算出する。
逆に、一定時間低燃費のエンジン出力カーブSの最高出力の略70%以上で作業、又は走行している場合には、自動的に標準のエンジン出力カーブNに切り換わる構成とする。このように、エンジン自体の持っている能力を引き出して、作業や走行を行うことが可能となる。
また、走行変速レバー(図示せず)を路上走行位置(高変速位置で高速走行をする位置)にするか、又は標準のエンジン出力カーブNで一定時間(10分程度)走行すると、自動的に低燃費のエンジン出力カーブSに切り換わる構成としても良い。
前記エンジン回転数変動制御モードAとエンジン回転数維持制御モードB、及び重負荷モードCにおいて、農作業車(トラクタ、コンバイン、田植機等)の走行変速レバーの変速操作、又は作業クラッチ(トラクタであればロータリ駆動等のPTOクラッチであり、コンバインであれば刈取部や脱穀部の駆動クラッチである)の入り切り操作等によって自動的にエンジン回転数維持制御モードBに切り換わる構成としてもよい。なお、トラクタでは、PTOクラッチが切りであっても、作業機を連結しているリフトアームが最上位置より低く、かつリフトアームを昇降させている状態では、プラウ作業やプラソイラ作業であるので、自動的にエンジン回転数維持制御モードBや重負荷モードCにする。
また、エンジン回転数変動制御モードAとエンジン回転数維持制御モードB、及び重負荷モードCは、エンジン回転数制御モード切換スイッチ148(図6)の操作により、手動で切り換える構成としてもよい。手動の場合は、運転者の判断で選択する。
また、副変速レバーを路上走行位置にすると、自動的にエンジン回転数変動制御モードAになるが、路上走行の場合には負荷が小さいので、自動的に低燃費のエンジン出力カーブSとなる構成としてもよい。この場合に、副変速レバーを路上走行位置以外に変速操作すると、事前に標準のエンジン出力カーブNを選択していれば、その標準のエンジン出力カーブNに戻すように構成する。これにより、効率のよい走行が可能となる。
また、エンジンパワー選択スイッチ134が入り状態のときは、常にエンジン回転数変動制御モードAとしてもよい。また、エンジンパワー選択スイッチ134が切りであり、アクセルペダルの操作で自動的に変速を行う場合も、エンジン回転数変動制御モードAとしてもよい。
また、エンジンパワー選択スイッチ134が切りであり、手動スイッチ150(図6)を切りにし、さらに、PTOクラッチが入りであると、自動的にエンジン回転数維持制御モードBにしてもよい。このPTOクラッチが入りの条件の代わりに、作業機が下げ状態やエンジン回転数再現スイッチ153が入り状態であってもよい。そして、PTOクラッチが切りとなったり、作業機が上げ状態になったり、エンジン回転数再現スイッチ153が切り状態になると、自動的にエンジン回転数変動制御モードAにする構成とする。
前記手動スイッチ150が入り状態であれば、常にエンジン回転数維持制御モードBとする。これにより、能率のよい作業や走行が可能となる。
図4には、本発明を実施した作業車としてトラクタ15を示している。
トラクタ15は、機体前部のボンネット内にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケース16内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前輪17と後輪18とに伝える構成としている。機体上の操縦席22の周りはキャビン19で覆われている。キャビン19の内部で操縦席22前側のメータパネル117を設けたダッシュボード13からステアリングハンドル20を立設し、その周りに前後進レバーや駐車ブレーキレバーやPTO変速レバー等を配置している。このエンジンEは、前記のコモンレール式のディーゼルエンジンである。
左右の後輪18,18の間にはヒッチ21と三点リンク(図示省略)を設けてロータリ等の作業機を装着する構成としている。
図7は、メータパネル117の拡大図である。図8は、メータパネル117内の液晶のデータ表示部14の拡大図であり、表示の一例を示している。図9は、ダッシュボード13に立設したステアリングハンドル20の右側周辺の拡大斜視図である。
ステアリングハンドル20の前側のメータパネル117には、中央にエンジン回転計24を配置し、その右側に液晶のデータ表示部14を配置し、左側に省エネモニタランプ23を配置している。
データ表示部14には、現在の変速段を表示する変速段表示14aと、燃料消費率表示14b等が有り、燃料消費率表示14bは走行速度表示14cと一定時間毎に切り換わる構成である。燃料消費率とは、そのときのエンジン回転数における最大出力を出すための燃料噴射量に対する、実際に噴射されている燃料噴射量の割合のことである。また、データ表示部14には、燃料計14dとエンジンの冷却水温計14eも表示する構成としている。
省エネモニタランプ23は、エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択しているときに点灯する構成であり、緑色に点灯する。
また、図9に示すように、ステアリングハンドル20の右側の平面部156であって、ダッシュボード13にエンジンパワー選択スイッチ134を設けている。このエンジンパワー選択スイッチ134を押すと、エンジンが低燃費のエンジン出力カーブSで制御される。また、155は走行状態を切り換えるスイッチである。即ち、後輪のみの2輪駆動状態,後輪と前輪の4輪駆動状態,旋回時における前輪増速状態などを選択可能なスイッチである。154はエンジン回転数を設定するアクセルレバーである。
図5は、ミッションケース16内の変速装置の伝動機構を示す線図である。エンジンEから前輪17と後輪18への動力伝動構成を説明する。
エンジンEの出力軸に直結した入力軸25には、第一ギヤ26を固着し、前後進切換クラッチ27を装着している。
前後進切換クラッチ27の一方の第二ギヤ28は、第一変速軸29に固着した第三ギヤ30に噛み合って減速し、前後進切換クラッチ27の他方の第四ギヤ31は、カウンタギヤ32を介して第一変速軸29に固着した第五ギヤ33に噛み合っており、逆転で動力を伝動している。すなわち、前後進切換クラッチ27を第二ギヤ28側に入れる(繋ぐ)と、入力軸25の回転が逆方向回転で第一変速軸29に伝動され、第四ギヤ31側に入れると、入力軸25の回転が順方向回転で第一変速軸29に伝動され、第二ギヤ28と第四ギヤ31の両方から離れたニュートラル状態が、動力伝動を断ったメインクラッチ切状態である。油圧バルブの制御によって、このメインクラッチ切状態を保持出来るようにしている。すなわち、自動制御を行うときや、前後進レバーの操作時、そしてクラッチペダルの操作時において作動する前後進切換クラッチ27が、メインクラッチとして機能している構成である。
前後進切換クラッチ27の伝動下手側であって前記第一変速軸29には、一速/三速切換用第一変速クラッチ34と、二速/四速切換用第二変速クラッチ35を装着している。
一速/三速切換用第一変速クラッチ34の第一クラッチギヤ36と第二クラッチギヤ37は、第二カウンタ軸38に固着した第三クラッチギヤ39と第四クラッチギヤ40に噛み合っており、一速用にしたり三速用にしたりして、第一変速軸29の回転を第二カウンタ軸38に伝動している。
さらに、二速/四速切換用第二変速クラッチ35の第五クラッチギヤ41と第六クラッチギヤ42は、第二カウンタ軸38に固着した第七クラッチギヤ43と第八クラッチギヤ44に噛み合っており、二速用にしたり四速用にしたりして、第一変速軸29の回転を第二カウンタ軸38に伝動している。
第二カウンタ軸38の伝動下手側に、第三カウンタ軸45をカップリング46で連結しており、回転をそのままで伝動している。この第三カウンタ軸45には、小ギヤ47と大ギヤ48を固着している。この小ギヤ47と大ギヤ48は、第二変速軸49に装着した高・低速切換クラッチ50のクラッチ大ギヤ51とクラッチ小ギヤ52にそれぞれ噛み合っており、第三カウンタ軸45の回転を高速又は低速で第二変速軸49に伝動している。
第二変速軸49の伝動下手側端部に第六ギヤ53を固着し、この第六ギヤ53は、第三駆動軸54に回動可能に軸支している大小ギヤ55部の大ギヤ56と噛み合っており減速伝動している。
大小ギヤ55部の小ギヤ57は、ベベルギヤ軸58に軸支した二連の副変速クラッチ59の第七ギヤ60に噛み合わせて減速伝動している。さらに、第七ギヤ60と一体に設けた第八ギヤ61を、第五カウンタ軸62に固着した第二大ギヤ63に噛み合わせて減速伝動している。
第五カウンタ軸62には、さらに第二小ギヤ64が固着され、この第二小ギヤ64がベベルギヤ軸58の第三大ギヤ65と噛み合ってさらに減速伝動されている。従って、第二変速軸49の回転は、第六ギヤ53→大ギヤ56→小ギヤ57→第七ギヤ60→第八ギヤ61→第二大ギヤ63→第二小ギヤ64→第三大ギヤ65と順次減速されながら伝動されていく。
副変速レバーで操作される二連の副変速クラッチ59の第一シフター66と第二シフター67は、ベベルギヤ軸58へ軸方向にスライド可能に係合していて、第一シフター66を第七ギヤ60側へスライドして係合すると、第七ギヤ60の回転がベベルギヤ軸58に伝わり、第二シフター67が第八ギヤ61側へスライドして係合すると、第八ギヤ61の回転がベベルギヤ軸58に伝わって、順次減速されてベベルギヤ軸58が低速で回転することになる。
ベベルギヤ軸58の回転は、第一ベベルギヤ68と第二ベベルギヤ69を経てデフギヤ70に伝動され、デフギヤ70から車軸71と遊星ギヤ72を経て後輪18へ伝動される。
以上の説明を要約すると、入力軸25の回転は、まず前後進切換クラッチ27で正転又は逆転に切り替えられ、一速/三速切換用第一変速クラッチ34と二速/四速切換用第二変速クラッチ35で一速から四速まで4段に変速され、高・低速切換クラッチ50で高速と低速の2段に変速され、さらに二連の副変速クラッチ59で高・中・低速の3段に変速されて、ベベルギヤ軸58に伝動される。すなわち、入力軸25の回転が4×2×3=24段に変速されて車軸71へ伝動される構成である。
前輪17への駆動力伝動は、ベベルギヤ軸58に第九ギヤ74を固着し、この第九ギヤ74を中継ギヤ75に噛み合わせ、さらに第三駆動軸76に固着した第十ギヤ77に噛み合わせて第三駆動軸76を駆動する。第三駆動軸76を第二カップリング78で前輪増速クラッチ79を装着した変速軸80に連結している。前輪増速クラッチ79の第十一ギヤ81と第十二ギヤ82は、第七カウンタ軸83に固着した第十三ギヤ84と第十四ギヤ85に噛み合わせており、通常の前輪駆動から前輪増速に切り替えるようにしている。なお、前輪増速クラッチ79を中立にすると、前輪17の駆動が断たれて後輪のみの駆動になる。
第七カウンタ軸83は、第三カップリング86で前輪駆動軸87に連結し、さらに、第四カップリング88と延長軸89及び第五カップリング90で前輪駆動ベベル軸91に連結している。
前輪駆動ベベル軸91の動力は、前第一ベベルギヤ92、前第二ベベルギヤ93、前デフギヤ94、前デフギヤ軸95、前第三ベベルギヤ96、前第四ベベルギヤ97、垂直軸98、前第五ベベルギヤ99、前第六ベベルギヤ100、前遊星ギヤ101を経て前輪17を駆動している。
第三駆動軸54の伝動下手側にPTO出力軸54cを連結している。PTO出力軸54cは、PTO変速部54d、PTOカウンタ軸54e、第三駆動軸54を介して駆動する構成である。
次に、図6の制御ブロック図で、制御信号の流れを説明する。
まず、エンジンECU(エンジン制御装置)12には、エンジン排気温度センサ106から排気の温度が入り、エンジン回転センサ107からエンジン回転数が入り、エンジンオイル圧力センサ108からエンジン潤滑オイルの圧力が入り、エンジン水温センサ109から冷却水の温度が入り、レール圧センサ2からコモンレール1の圧力が入り、燃料高圧ポンプ4に駆動信号が出力され、高圧インジェクタ6に燃料供給調整制御信号が出力される。
次に、作業機昇降制御装置110には、作業機昇降レバーに設けるポジションコントロールセンサ111の操作信号と、リフトアームセンサ112の昇降信号と、上げ位置規制ダイアル113の上げ位置規制信号と、下げ速度調整ダイアル114の降下速度設定信号がそれぞれ入力し、メイン上昇ソレノイド115とメイン下降ソレノイド116に作業機昇降信号が出力し作業機昇降シリンダを作動する。
前記エンジンECU12と作業機昇降制御装置110、及び後述する走行制御装置120は制御信号が交互に交信(CAN1,CAN2通信)されて、メータパネル117にエンジンEが標準のエンジン 出力カーブNであるか、又低燃費のエンジン出力カーブSであるかの状態や、作業機の昇降状態、走行装置の走行速度等が表示され、操作パネル118に各レバーやペダルの操作位置等が表示される。
走行制御装置120は、変速1クラッチ圧力センサ121、変速2クラッチ圧力センサ122、変速3クラッチ圧力センサ123、変速4クラッチ圧力センサ124からクラッチ入信号、即ち多段ギヤ変速装置の変速段が入力する。即ち、一速/三速切換用第一変速クラッチ34と、二速/四速切換用第二変速クラッチ35の信号である。Hi(高速)クラッチ圧力センサ125とLo(低速)クラッチ圧力センサ126からサブクラッチの変速位置が入力する。即ち、高・低速切換クラッチ50の信号である。
前進クラッチ圧力センサ127と後進クラッチ圧力センサ128からメインクラッチの前進・中立・後進が入力する。即ち、前後進切換クラッチ27の信号である。トラクタを前後進させる前後進レバーの位置を検出する前後進レバー操作位置センサ129と、副変速レバーの操作位置を検出する副変速レバー操作位置センサ130から変速操作位置信号が入力する。
車速センサ131から走行速度が入力し、ミッションオイル油温センサ132からミッションオイルの温度が入力し、クラッチペダル操作位置センサ133からクラッチペダルの踏込み信号が入力し、エンジンパワー選択スイッチ134から標準のエンジン出力カーブNと低燃費のエンジン出力カーブSの選択信号が入力し、エンジン回転数制御モード切換スイッチ148からエンジン制御モードの切換信号が入力する。手動スイッチ150からオン・オフ信号が入力する。
さらに、アクセルペダルの踏み込み状態で走行(路上)の自動変速を行うアクセル変速設定スイッチ144からも信号が入力し、手動で変速の増減速を行う主変速増減速操作スイッチ145の操作信号が入力し、アクセルレバーの位置を検出するアクセルセンサ146からアクセル操作信号が入力し、アクセルを微調整するアクセル微調整レバーセンサ147のアクセル調整信号が入力する。
走行制御装置120からの出力は、前後進切換sol(ソレノイド)135に前後進切換クラッチの切換信号が出力し、リニア昇圧sol(ソレノイド)136に前後進切換sol(ソレノイド)を駆動する油圧のリリーフ圧調整信号が出力してクラッチ接続のショックを低減し、クラッチsol(ソレノイド)137に入・切信号が出力する。
さらに、一速/三速切換用第一変速クラッチ34を駆動する油圧シリンダの変速1−3切換sol(ソレノイド)138に一速又は三速の入信号が出力し、変速1−3昇圧sol(ソレノイド)139に一速/三速切換用第一変速クラッチ34を駆動する油圧のリリーフ圧調整信号が出力してクラッチ接続のショックを低減する。二速/四速切換用第二変速クラッチ35を駆動する油圧シリンダの変速2−4切換sol(ソレノイド)140に二速又は四速の入信号が出力し、変速2−4昇圧sol(ソレノイド)141に二速/四速切換用第二変速クラッチ35を駆動する油圧のリリーフ圧調整信号が出力してクラッチ接続のショックを低減する。高・低速切換クラッチ50を駆動する油圧シリンダを作動するHi(高速)クラッチ切換sol(ソレノイド)142とLo(低速)クラッチ切換sol(ソレノイド)143に高速クラッチの入信号及び低速クラッチの入信号が出力する構成である。
エンジンパワー選択スイッチ134を操作して、標準のエンジン出力カーブNから低燃費のエンジン出力カーブSへ切り換える場合においては、燃料の噴射タイミングを補正し、低燃費のエンジン出力カーブSへ移行制御する構成とする。燃料の噴射タイミングの補正については、燃料消費率が改善される側に補正する。
このように、エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択すると、燃料の噴射タイミングを補正するように構成したので、燃料の消費率が改善するようになる。また、燃料の噴射タイミングの補正による排気ガス成分の悪化については、低燃費のエンジン出力カーブSにしたことによる出力制限で改善される。
また、図10に示すように、エンジンパワー選択スイッチ134を入り状態にして低燃費のエンジン出力カーブSを選択すると、この選択により同時に燃料噴射タイミングを補正させると共に、低燃費のエンジン出力カーブSへ移行制御する。燃料の噴射タイミングの補正は、燃料消費率が改善される側に補正する。即ち、噴射タイミングを進角させる。
このように、エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択すると、この選択により同時に燃料の噴射タイミングを補正し、低燃費のエンジン出力カーブSへ移行制御するように構成したので、いち早く燃料の消費率が改善する。また、燃料の噴射タイミングの補正による排気ガス成分の悪化については、同時に低燃費のエンジン出力カーブSへ移行制御して出力制限することで改善する。燃料消費率については、結果として改善する状態を示している。
また、図11に示すように、エンジンパワー選択スイッチ134を入り状態にして低燃費のエンジン出力カーブSを選択すると、この選択により同時に低燃費のエンジン出力カーブSへ移行制御し、所定時間後に燃料の噴射タイミングを補正する。燃料の噴射タイミングの補正は、燃料消費率が改善される側に補正する。即ち、噴射タイミングを進角させる。
このように、エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択すると、この選択により同時に低燃費のエンジン出力カーブSへ移行制御して出力制限を行い、所定時間後に燃料の噴射タイミングを補正するように構成したので、標準のエンジン出力カーブNから低燃費のエンジン出力カーブSへの移行時の過渡期において、燃料の噴射タイミングの補正による排気ガス成分の悪化を防止できる。即ち、燃料の噴射タイミングを補正すると排気ガス成分が悪化するが、先に低燃費のエンジン出力カーブSへ移行制御することで、このような不具合を防止できる。燃料消費率については、結果として改善する状態を示している。
また、図12に示すように、エンジンパワー選択スイッチ134を入り状態にして低燃費のエンジン出力カーブSを選択すると、この選択と同時に低燃費のエンジン出力カーブSへと少しずつ移行制御し、低燃費のエンジン出力カーブSへの移行が略完了すると、燃料の噴射タイミングを補正する。燃料の噴射タイミングの補正は、燃料消費率が改善される側に補正する。即ち、噴射タイミングを進角させる。
このように、エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択すると、この選択と同時に低燃費のエンジン出力カーブSへと少しずつ移行制御するように構成したので、標準のエンジン出力カーブNから低燃費のエンジン出力カーブSへの移行がスムーズに移行できるようになり、出力変動を抑制できて振動発生が防止される。そして、先に低燃費のエンジン出力カーブSへの移行が略完了すると、燃料の噴射タイミングを補正する構成としているので、標準のエンジン出力カーブNから低燃費のエンジン出力カーブSへの移行時の過渡期において、燃料の噴射タイミングの補正による排気ガス成分の悪化を防止できる。燃料消費率については、結果として改善する状態を示している。
図10〜図12の構成で説明したように、エンジンパワー選択スイッチ134を操作して標準のエンジン出力カーブNから低燃費のエンジン出力カーブSへ切り換える場合の目安は、図8で説明した燃料消費率14bの表示に基づいて行う。即ち、燃料消費率(エンジン負荷)が小さい場合に手動で切り換えるようにする。しかしながら、特定のしきい値により自動で変更するように構成してもよい。また、図1で説明したコモンレール1については、コモンレールを搭載したエンジンでもよいし、通常の電子制御のエンジンでもよい。
また、図4で説明したトラクタ15の後部にはヒッチ21を設けており、このヒッチ21にロータリ等の作業機を装着して作業を行うものであるが、作業機を下げて作業を開始すると同時に自動的に低燃費のエンジン出力カーブSへ移行するように構成してもよい。通常、低燃費のエンジン出力カーブSへ移行する場合には制御のマップを切り替えるが、このときエンジン回転や負荷が変化して振動が発生する。そこで、作業機を開始する際に制御マップを切り替えることで、マップ切り替え時の振動を運転者に感じさせないようにすることが可能となる。また、手動で低燃費のエンジン出力カーブSへの切り換え操作が不要となる。
次に、図13について説明する。
横軸は時間の流れを示し、エンジンパワー選択スイッチ134を入れた場合における燃料の噴射タイミングの補正と、全負荷時における燃料噴射量の変更を示している。時間T1の時点でエンジンパワー選択スイッチ134を操作して標準のエンジン出力カーブN(標準モード)から低燃費のエンジン出力カーブS(低燃費モード)へ切り換えると、全負荷時の燃料噴射量を移行時間T0をかけて少しずつ低燃費のエンジン出力カーブSへと移行していく。そして、T1+T0(時間T2)になると低燃費のエンジン出力カーブSに完全に切り換わり、この時点で燃料の噴射タイミングを補正、即ち進角させる構成とする。
これにより、仮に標準のエンジン出力カーブNから低燃費のエンジン出力カーブSへ移行時に、全負荷運転を行っても過大な出力が出ないために安全であり、スムーズな移行を行うことが可能となる。
次に、図14に示すフローチャートについて説明する。
ガバナ制御を図2で説明したエンジン回転数変動制御モード(A)で制御を行い、低燃費のエンジン出力カーブSを選択して運転中(ステップS1)において、エンジン負荷率が100%になるとエンジン回転数が下がり始めるが、エンジン回転数が所定回転(例えば、500rpm)以上下がると(ステップS2)、標準のエンジン出力カーブNに切り換えると共に、ガバナ制御をエンジン回転数維持制御モード(B)に切り換えるように構成する(ステップS3)。これにより、同じアクセル開度でも高回転出力を出すことが出来るため、エンジン回転復帰が早くなる。
そして、エンジン負荷率が所定以下(例えば、80%以下)になると、ガバナ制御をエンジン回転数変動制御モード(A)に戻すように構成する(ステップS5)。
前述したように、エンジンパワー選択スイッチ134で、標準のエンジン出力カーブNと低燃費のエンジン出力カーブSを相互に手動で切り換える構成としているが、パワーカーブ選択自動スイッチ(図示せず)を設け、このスイッチが入り状態で自動選択の状態になると、エンジン負荷(燃料消費率)に応じて(所定のしきい値)自動的に切り換えるように構成してもよい。例えば、燃料消費率が60%より下がると自動的に低燃費のエンジン出力カーブSに移行し、90%〜100%以上になると自動的に標準のエンジン出力カーブNに移行するように構成する。これにより、比較的負荷の低い作業で低燃費のエンジン出力カーブSを使用している時に、負荷がかかりすぎても自動で標準のエンジン出力カーブNに切り換わるので、出力的に余裕ができ、負荷率100%でエンジン回転がダウンしてしまうことを防止できるようになる。運転者は安心して低燃費のエンジン出力カーブSを使用することができる。このような制御は、エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択していても選択していなくても制御するように構成してもよい。
図15の(a),(b)に示すように、コモンレールを搭載したエンジン(ディーゼル)において、各回転におけるNOx排出量が、出力に対して2次曲線で増加するように、先ず各回転のコモンレール圧値を、出力が増加するにつれて緩やかに2次曲線で増加するようにし(図15(a))、各回転の燃料噴射タイミング値を、出力が増加するにつれて緩やかに2次曲線で増加するようにする(図15(b))。
図15の(a),(b)のレール圧値と噴射タイミングによって運転される標準のエンジン出力カーブN(標準モード)に対して、全負荷噴射量を減少させて噴射タイミングを2〜4度進角させた低燃費のエンジン出力カーブS(低燃費モード)を設定する構成とする。即ち、図15(c)に示すように、出力に比例してNOxが増加するラインである「基準排出ライン」をベースとして、標準モードは出力が増加するにつれてNOx排出量が2次曲線的に増加するようにする。出力が増加するにつれてレール圧は緩やかに高くなり、噴射タイミングは緩やかに早くなるようにする。
低燃費モードは、標準モードのように基準排出ラインをまたいで2次曲線的に増加するように噴射タイミングを2〜4度進角させる。
従って、全体の出力あたりのNOx排出量は、基準排出ライン、標準モード、低燃費モードのいずれも同じになる。同一負荷で見た場合、標準モードと比べて低燃費モードの燃費の方が進角した分良好となる。
このように、NOx排出量を各回転において出力が増加するにつれて2次曲線的に増加するようにコントロールすることで、噴射タイミングを進角させても全負荷噴射量を絞ることで出力あたりのNOx排出量を増加させずに済むようになる。従って、NOx排出量は変わらず、定格回転付近の燃料消費率を良化させることができ、燃料消費量を低減させることができるようになる。運転者は粘りのある標準のエンジン出力カーブNと、燃費の良い低燃費のエンジン出力カーブSとを使い分けることが可能となる。この場合も、エンジンパワー選択スイッチ134で選択する。
図16はエンジンのシリンダー5内への吸気と排気の模式図であり、4サイクルのディーゼルエンジンの実施例である。過給器TBの吸気タービン160により過給された空気は、エアクリーナー157から吸気タービン160、インタークーラー159を通過して吸気マニホールド162からシリンダー5内へ送られる構成である。163は吸気バルブであり、164はピストンである。165はカムでありロッカーアーム168を介して吸排気バルブ163、167を開閉させるものである。
シリンダー5内で燃焼した排ガスは、排気バルブ167から排気マニホールド166を通過した後、過給器TBの排気タービン161で過給器TBを駆動して排出される構成である。
このディーゼルエンジンは、排気ガスの一部を吸気側に混入させるためのEGR(排気再循環装置)回路170を有している。EGR回路170は過給器TBの上流側に構成している。このEGR回路170で排気ガスの一部を吸気側に混入させることで酸素量(O2)を減らして、窒素酸化物Noxの発生を低減させるように構成している。ただし、EGR率が上昇しすぎると、逆に酸素量が少なくなって不完全燃焼になるので、燃焼状態によりEGR率を調節する必要がある。この調節は、EGRバルブ170aにて行う。また、EGR回路170の途中にはEGRクーラ169を設ける構成としている。EGRバルブ170aの開閉具合でシリンダー5内への排気ガスの還元量が変化する。
排気タービン161を通過後の排気ガスは、後処理装置175を通過してマフラー180から大気中に排出される。後処理装置175は、酸化触媒(DOC)175aとディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)175bとから構成されている。
酸化触媒(DOC)は不燃物室を燃焼させるものであり、ディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)は粒状化物質(PM)を捕集するためのものである。前記EGRバルブ170aと絞り弁179については、ECU12により制御される構成である。後処理装置175はディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)175bのみで構成してもよい、酸化触媒(DOC)を設けると不燃物質が燃焼するので、よりクリーンな排気ガスとなる。
DPF175bは、排気ガスの温度が低い状態(低負荷)が長時間続くと、PMが溜まってきて能力の低下が懸念される。そこで、後処理装置175の下手側に絞り弁179を設け、この絞り弁179を絞るとDPF175b内の圧力が高く保持されるので温度も高くなる。これにより、高い温度の影響により、DPF175bの再生が可能となる。即ち、高い温度の排気ガスがDPF175bを通過すると、DPF175b内に存在しているPMが焼き飛ばされることでDPF175bが再生される。
DPF175bを再生させるためのDPF再生運転としては、EGRバルブ170aと絞り弁179の両方を絞る。そして、燃料噴射タイミングのリタード(遅角)と合わせてDPF175b内のガス温度を上昇させ、DPF175bが再生に入るようにする。これにより、燃料のアフター噴射(排気ガス温度を上昇させるため)が不要となったり、又は、アフター噴射自体の回数を減らすことができるようになるので、燃料消費量を抑制できて環境にもよい。
このようなDPF再生運転を行うための条件としては、後処理装置175の上手側に圧力センサ171を設け、後処理装置175の下手側にも圧力センサ176を設け、この圧力差が所定値以上になるとDPF175b内にPMが蓄積して抵抗となっている状態なので、DPF再生運転を行うようにする。また、圧力センサ171の替わりにDOC175aとDPF175bとの間に圧力センサ172を設ける構成としてもよい。
また、後処理装置175の上流側に排気ガス圧力を検出する圧力センサ171と、後処理装置175の下流側の排気絞り弁179の関係において、圧力センサ171の値が略一定値となるように前記排気絞り弁179の制御を行なうことで、ディーゼルパティキュレートフィルタ175bに対して略一定の背圧を与えることができるようになり、ディーゼルパティキュレートフィルタ175b内部の温度を高温状態に保つことができる。これにより、通常の運転状態でディーゼルパティキュレートフィルタ175bの再生が可能となる。また、通常の運転で完全にPMの除去ができない状態があっても、ディーゼルパティキュレートフィルタ175bの再生サイクルが長くなる。また、ディーゼルパティキュレートフィルタ175bに対して略一定の背圧のため、EGR率が安定するようになる。
この場合において、圧力センサ171の検出値がディーゼルパティキュレートフィルタ175bの再生完了時における定格回転数で略最大負荷時の許容最大圧力となるように、排気絞り弁179の開度調整制御を行なうことで、通常運転時におけるPMの除去効率が向上するようになる。
また、前述したDPF175bの再生運転時において、過熱状態となってしまうとDPF175bが損傷してしまう。そこで、後処理装置175の下手側に温度センサ174を設け、この温度センサ174の値が所定値を超えないように制御する構成とする。
通常はEGRバルブ170aと絞り弁179を同時に制御し、EGR量を適宜コントロールするようにしてもよい。特に、絞り弁179を有することで、DPF175b内のガス温度を高く保持することができるようになる。
DPFの再生運転を行なうDPF強制再生モードにおいては、排気絞り弁179を絞り、ON−OFF制御によってEGRバルブ170aを全閉とするように構成する。したがって、排気ガスの還元が行なわれないのでNoが増加し、このNoが酸化触媒(DOC)175aによってNo2に転換され、DPF175bの再生が促進されるようになる。
また、DPF175bの強制再生中において、エンジン回転がローアイドルに移行した場合は、前記EGRバルブ170aを全開とする。DPF175bの下流側には温度センサ174を設けているので、この温度センサ174による検出値が所定値以上に上昇したことも条件に加えるようにしてもよい。
絞り弁179を絞ってDPF175bの強制再生を行なう場合において、エンジン回転数を低い回転数にして供給酸素量を増加させるとともに、排気ガス流速が減少することで温度を上昇しやすくしていた。ところが、再生中にエンジン回転数がローアイドルまたはその近傍に変更された場合、供給酸素量の増加と流速の減少により、煤が急速に燃焼してしまう。その結果、温度が急速に上昇してDPF175bが損傷してしまう可能性がある。そこで、最高温度が許容温度を超えないようにする煤を管理する必要がある。
このために、温度センサ174が所定値を超えると、エンジン回転数を中速域まで上昇させるように構成する。これにより、排気ガスの流速が速くなるので最高温度が下がり、DPF175bの損傷を防止できるようになる。また、前記温度センサ174の所定値の値を限界値近傍で制御すると、DPF175bの再生を効率よく行なうことができるようになる。
前記エンジン回転数を中速域まで上昇させるにあたり、一旦最高回転数まで上昇させ、その後中速域まで減速させるように構成してもよい、これにより、一旦排気ガスが最高速度で流れるので、予熱などでDPF175bが加熱されてしまって閾値の温度を超えてしまうことを防止できるようになる。
また、DPF175bの強制再生中において、前述のようにエンジン回転数をローアイドルに移行するときにおいて、ポスト噴射を中断し、その後エンジン回転数を最高回転数まで上昇させ、中速域に移行する段階でポスト噴射を再開する構成とする。これにより、排気ガス温度の急激な上昇が抑制できるので、DPF175bの損傷を防止できるようになる。
DPF175b前後の差圧が所定値以上になった場合、作業後に運転者がDPF175bの再生モードを選択することで、自動でDPF175bの再生を行い、DPF175b再生後は自動でエンジンを停止するように構成する。DPF175b前後の差圧を圧力センサ172、176で監視する。エンジン停止直前のDPF175b前後差圧が所定値以上であると、警告ランプやアラームで報知し、運転者は自らDPF175bの再生を行なうスイッチ(図示せず)を操作する。
そして、エンジンキーが切りの位置になっても、前記再生モードを選択していることで、エンジンはアイドリング状態で回転を維持し、DPF175bの再生を実行する。DPF175b前後の差圧が所定値以下になると、エンジンを自動で停止する。ECU12で前述の制御を行なう。
これにより、作業終了後であっても自動でDPF175bの再生、エンジン停止が可能となるために、運転者は本機から離れて他の作業ができるようになる。
DPF175bを連続再生するときにおいて、排気ガス温度が再生に必要な温度に達していない場合について説明する。実施例は前述したトラクタである。トラクタのアクセルには自動車と同じようなフットアクセルに加えて、ハンドアクセルがある。ハンドアクセルはハンドル下方のハンドルコラムに設けている。通常、DPF175bの再生は、ECU12による自動再生が基本であるが、運転者の意図を反映させるために、前記ハンドアクセルの開度が規定値以上であって、さらに、フットアクセルを一定以上踏込んでいるときは、高排気温度になる燃料噴射マップに切り替えて、手動でのDPF175b再生を行う構成とする。これにより、運転者が行いたいときにDPF175bの再生ができるようになる。
前述のごとく、エンジンパワー選択スイッチ134を操作することで、標準のエンジン出力カーブNと低燃費のエンジン出力カーブSを切り換え可能に構成しているが、この切り換えに加えて、前記DPF175bを再生しながら運転する長時間運転可能モードを追加する構成とする。この長時間運転可能モードは、ポスト噴射により排気温度を高めてDPF175bへのPMの堆積を少なくするものである。これにより、運転者にニーズに広く対応することが可能となる。また、図17に示すように、前記長時間運転可能モードを選択すると、連続作業可能時間14fをメータパネル117内の液晶のデータ表示部14に表示することで、運転者が認識し易くなる。また、図18に示すように、運転時間より算出したエンジンオイルの交換時期14gや、ポスト噴射の実施総量を表示するように構成してもよい。
図16に示している吸気バルブ181について説明する。
エンジンパワー選択スイッチ134を操作することで、低燃費のエンジン出力カーブSを選択すると排気ガス温度は低い状態となり、前記後処理装置175が活性化されずに、後処理装置175内にPMが堆積し易くなる。このため、強制再生操作を頻繁に実施する必要が生じてくる。
そこで、低燃費のエンジン出力カーブSへ移行すると、吸気バルブ181の開度を絞って吸気量を減らす構成とする。これにより、排気ガス温度を高い状態に維持可能となって後処理装置175を活性化でき、後処理装置175内にPMが堆積するのを防止できるようになる。
前述したエンジンパワー選択スイッチ134は、押すことで入り切りするスイッチとしたが、図19(a)に示すように回転式のエンジンパワー選択スイッチ182としてもよい。回転させることで、標準のエンジン出力カーブN(標準モード)と低燃費のエンジン出力カーブS(低燃費モード)を切り換える構成としている。
エンジンパワー選択スイッチ134や回転式のエンジンパワー選択スイッチ182については、図4で説明したトラクタに搭載してもよいが、農業機械であるコンバインに搭載してもよい。コンバインは、圃場内に植立している穀稈を刈取装置で刈り取って機体後方に搬送し、脱穀装置で穀粒を脱穀選別してグレンタンクに一時貯留し、グレンタンク内が穀粒で満杯状態になると、機外に放出する作業を行う。
そして、図19(b)に示すように、標準のエンジン出力カーブN(標準モード)と低燃費のエンジン出力カーブS(低燃費モード)を選択した状態において、路上走行時には自動的にエンジン回転数変動制御モードAとし、それ以外、即ち圃場内においては、自動的にエンジン回転数維持制御モードBになるように制御する。路上走行の判断については、副変速レバーが路上位置や高速位置に操作されていることで判断する。
図20に示すように、回転式のエンジンパワー選択スイッチ182については、前記標準のエンジン出力カーブN(標準モード)と低燃費のエンジン出力カーブS(低燃費モード)に加えて、自動モードを追加する構成とする。自動モードにおいては、エンジン負荷等に応じて、自動で標準のエンジン出力カーブN(標準モード)と低燃費のエンジン出力カーブS(低燃費モード)を切り換えるものである。これにより、操作性が向上するようになる。
また、前述したコンバインにおいては、脱穀装置の駆動を入り切りする脱穀クラッチが入り状態では自動的に標準のエンジン出力カーブN(標準モード)とし、脱穀クラッチが切り状態では自動的に低燃費のエンジン出力カーブS(低燃費モード)となるように構成してもよい。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの説明順序・表現等によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
N 標準のエンジン出力カーブ
S 低燃費のエンジン出力カーブ
134 モード選択手段(エンジンパワー選択スイッチ)
151 PTO駆動手段(PTO駆動スイッチ)

Claims (4)

  1. 所定の出力を確保する標準のエンジン出力カーブ(N)と、標準のエンジン出力カーブ(N)よりも燃料消費率を低減させる低燃費のエンジン出力カーブ(S)を切換えるモード選択装置(134)を備えたエンジン制御装置において、
    前記モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択することで、燃料の噴射タイミングを補正し、低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御するように構成したことを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 所定の出力を確保する標準のエンジン出力カーブ(N)と、標準のエンジン出力カーブ(N)よりも燃料消費率を低減させる低燃費のエンジン出力カーブ(S)を切換えるモード選択装置(134)を備えたエンジン制御装置において、
    前記モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると同時に燃料噴射タイミングを補正させると共に、低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御するように構成したことを特徴とするエンジン制御装置。
  3. 所定の出力を確保する標準のエンジン出力カーブ(N)と、標準のエンジン出力カーブ(N)よりも燃料消費率を低減させる低燃費のエンジン出力カーブ(S)を切換えるモード選択装置(134)を備えたエンジン制御装置において、
    前記モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると同時に低燃費のエンジン出力カーブ(S)へ移行制御し、所定時間後に燃料の噴射タイミングを補正させるように構成したことを特徴とするエンジン制御装置。
  4. 所定の出力を確保する標準のエンジン出力カーブ(N)と、標準のエンジン出力カーブ(N)よりも燃料消費率を低減させる低燃費のエンジン出力カーブ(S)を切換えるモード選択装置(134)を備えたエンジン制御装置において、
    前記モード選択装置(134)で低燃費のエンジン出力カーブ(S)を選択すると同時に低燃費のエンジン出力カーブ(S)へと少しずつ移行制御し、低燃費のエンジン出力カーブ(S)への移行が略完了すると、燃料の噴射タイミングを補正させるように構成したことを特徴とするエンジン制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112502878A (zh) * 2020-12-21 2021-03-16 广西玉柴机器股份有限公司 一种船用发动机控制方法及共轨系统

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