JP2011208535A - 吸気ダクト - Google Patents

吸気ダクト Download PDF

Info

Publication number
JP2011208535A
JP2011208535A JP2010075695A JP2010075695A JP2011208535A JP 2011208535 A JP2011208535 A JP 2011208535A JP 2010075695 A JP2010075695 A JP 2010075695A JP 2010075695 A JP2010075695 A JP 2010075695A JP 2011208535 A JP2011208535 A JP 2011208535A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support wall
wall
support
duct
bottom edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010075695A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaharu Jo
真晴 城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP2010075695A priority Critical patent/JP2011208535A/ja
Publication of JP2011208535A publication Critical patent/JP2011208535A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

【課題】通常時には、空気取込口が吸気ダクト内の吸気負圧に耐え得る剛性を有していると共に、衝突異常時には、上ダクト壁に所定の鉛直荷重が作用することによって、空気取込口を確実に圧潰させることが可能な吸気ダクトを提供する。
【解決手段】支柱部としての支持壁10は、平板状の第1支持壁11と平板状の第2支持壁12とを備え、第1支持壁11と第2支持壁12とがX字状に交差することによって互いに鉛直方向に支持し合っている。第1支持壁11は、第2支持壁12の壁面に直角な矢視において、第2支持壁12の大幅部12eと重なる曲げ抑制部11gを備え、支持壁10に第1鉛直荷重が作用したときに、大幅部12eが湾曲することによって大幅部12eと曲げ抑制部11gとが当接し、支持壁10に第1鉛直荷重よりも大きい第2鉛直荷重が作用したときに、曲げ抑制部11gが湾曲することによって大幅部12eと曲げ抑制部11gとの当接が外れて第1支持壁11と第2支持壁12との交差が外れる。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車のエンジンへ空気を供給する通路としての吸気ダクトに関し、詳しくは、吸気負圧等に対抗するのに必要な剛性を確保するための構造を備えた吸気ダクトに関するものである。
自動車用の吸気ダクトは、外部から吸い込んだ外気をエアクリーナを介してエンジンに供給することにより、エンジンの燃焼効率を向上させてエンジン出力を向上させるものである。このような吸気ダクトは、自動車の走行中に外気を効率的に吸い込むべく、車体前方部のボンネットとラジエータアッパサポートとの間の隙間に配置されると共に、空気取込口が車体前方に開口するように配置される場合がある。
かかる吸気ダクトには、エンジンの始動により外気を吸い込む時などに、吸気負圧(吸気によりダクト内圧が大気圧よりも低くなること)が作用する。このため、仮に吸気ダクトがこの吸気負圧に耐え得る剛性を有していなければ、上ダクト壁と下ダクト壁とが相互に近接するように変形してしまい、エンジンに対して必要量の外気が導入されなくなり、エンジンの出力低下等の不都合が発生する。
また、吸気ダクトがエンジンルーム内の熱気を吸い込むと燃焼効率が低下する。このため、熱気の吸い込みを防止するためのシール部材をボンネットと上ダクト壁との間の隙間に設置することがある。ところが、このように上ダクト壁のボンネット側にシール部材が設置されていると、ボンネットに外部荷重がかかった場合にその荷重がシール部材を介して上ダクト壁に作用することになる。このとき、例えば人の手による程度の外部荷重がボンネットに作用した場合に、仮に吸気ダクトが変形してしまっては、やはりエンジン性能に支障をきたす。このため、吸気ダクトには、例えば人の手による程度の外部荷重がボンネットに作用した場合でもあっても、それに耐え得る剛性が必要とされる。したがって、自動車用の吸気ダクトにおいては、吸気負圧やシール部材を介してボンネットから作用する外部荷重に対して、ダクト壁が容易に変形しないような対策が求められる。
一方、近年、歩行者保護に関する安全対策の確立が求められており、走行中の自動車が歩行者に誤って衝突した場合に、ボンネット等のボディが適度に変形することで衝突による衝撃を吸収することが可能な歩行者傷害軽減ボディが開発されつつある。このような歩行者傷害軽減ボディにあっては、衝撃吸収による歩行者傷害の軽減を効果的に図るべく、歩行者との衝突時にボンネットが凹むのに追随して、ボンネット下方の吸気ダクトも適度に変形する必要がある。
そこで、通常時の吸気負圧等に対抗すべく剛性向上を図りながら、衝突異常時にボンネットの適度な変形を許容し得るような自動車用の吸気ダクトが知られている(例えば、特許文献1)。図8に特許文献1に開示された吸気ダクトの断面図を示す。図8(a)は吸気ダクトが変形していない状況、図8(b)は吸気ダクトが上方から潰された状況を示している。
図8(a)に示すように、吸気ダクト100は合成樹脂製であり、空気取込口101を備える筒状のダクト本体102と、空気取込口101を形成する下ダクト壁102a及び上ダクト壁102bの間に配置された支柱部103とを備えている。上ダクト壁102bは、ボンネット110の裏側に近接して配置されており、ボンネット110と上ダクト壁102bとの間の隙間には、エンジンルーム111内の熱気の吸い込みを防止するためのシール部材112が設置されている。また、下ダクト壁102aは、ラジエータアッパサポート113上に固定されている。
支柱部103は、下ダクト壁102aから一体に隆起すると共に下方が開放した中空の略楕円錘状を呈している。通常時には、支柱部103の隆起先端部103aと上ダクト壁102bとが非接合で当接していることにより、上ダクト壁102bが支柱部103に支持されている。衝突異常時には、この隆起先端部103aに対して上ダクト壁102bから下方への押圧力が作用することにより、図8(b)に示すように、支柱部103の根元部103bが変形しつつ隆起先端部103aが斜め下方に傾倒して、上ダクト壁102bと下ダクト壁102aとが相互に近接するように変形可能とされている。
特開2006−182257号公報
歩行者保護の観点からは、上ダクト壁に作用する押圧力が一定値を超えたときに、吸気ダクトが一気に潰れて、吸気ダクトの空気取込口が大きく変形することが望ましい。前述のとおり、図8に示した吸気ダクト100においては、上ダクト壁102bに作用する押圧力が一定値を超えたときに、支柱部103が斜め下方に傾倒することによって、空気取込口101が上方から潰される。ところが、支柱部103の傾倒が大きくなるのに伴って、支柱部103の反発力が漸次高まるため、空気取込口101が一気に潰れるような変形形態にはなっていない。
一方、支柱部の変形が大きくなっても支柱部に大きな反発力が発生することがない吸気ダクトとして、例えば、支柱部の根元部を取り囲むように薄肉部が形成されており、上ダクト壁に作用する押圧力が一定値を超えたときに、この薄肉部が切れて支柱部が下方に陥没するものがある。また、上下のダクト壁のそれぞれに形成され支柱部の各先端部同士が溶着されており、上ダクト壁に作用する押圧力が一定値を超えたときに、この溶着が外れて空気取込口が大きく変形するものもある。しかし、薄肉部の肉厚の成形精度や、溶着の接合強度のバラツキにより、空気取込口が大きく潰れ始める押圧力を一定値に制御することは困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、通常時には、空気取込口が吸気ダクト内の吸気負圧に耐え得る剛性を有していると共に、衝突異常時には、上ダクト壁に所定の鉛直荷重が作用することによって、空気取込口を確実に圧潰させることが可能な吸気ダクトを提供することを解決すべき課題とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
(1)本発明の吸気ダクトは、一端に空気取込口、他端に空気送出口を備える筒状のダクト本体と、該空気取込口を形成する上下のダクト壁である第1ダクト壁及び第2ダクト壁の間に配置され該空気取込口の鉛直方向の変形を防止する支持壁と、を備える樹脂製の吸気ダクトであって、前記支持壁は、前記第1ダクト壁に基端部を有し先端部が前記第2ダクト壁側へ向かって斜めに延びる平板状の第1支持壁と、該第2ダクト壁に基端部を有し先端部が該第1ダクト壁側へ向かって鉛直または略鉛直に延びる平板状の第2支持壁と、を備え、互いに平行な両該基端部の延在方向と平行な矢視において、該第1支持壁と該第2支持壁とがX字状に交差しており、
前記第1支持壁には、該第1支持壁の先端部から該第1支持壁の先端部及び基端部の間の中間部に至る切欠部が形成されていると共に、該切欠部の縁端形状は、該第1支持壁の基端部に平行な底縁と、該底縁の両端から該第1支持壁の先端部へ向かって延びる2本の側縁と、よりなるコ字状を呈し、前記第2支持壁は、該第2支持壁の先端部から該第2支持壁の先端部及び基端部の間の中間部に至るまでの領域が、前記切欠部の前記底縁の長さ以下の幅である小幅部とされていると共に、該第2支持壁の中間部から該第2支持壁の基端部に至るまでの領域が、該切欠部の該底縁の長さ以上の幅である大幅部とされており、
前記第1支持壁の前記切欠部の前記底縁と、前記第2支持壁の前記小幅部とが接触するように、該小幅部が該切欠部に挿入されていると共に、該第2支持壁の前記大幅部と該小幅部との境界部又は該境界部の近傍が該第1支持壁に当接することによって、該第1支持壁と該第2支持壁とが互いに支持し合っており、前記第1支持壁は、前記第2支持壁の壁面に直角な矢視において、該第2支持壁の前記大幅部と重なる曲げ抑制部を備え、前記支持壁に第1鉛直荷重が作用したときに、該大幅部が湾曲することによって該大幅部と該曲げ抑制部とが当接し、該支持壁に該第1鉛直荷重よりも大きい第2鉛直荷重が作用したときに、該曲げ抑制部が湾曲することによって該大幅部と該曲げ抑制部との当接が外れて該第1支持壁と該第2支持壁との交差が外れることを特徴とする。
このような構成によると、支柱部としての支持壁は、平板状の第1支持壁と平板状の第2支持壁とを備え、第1支持壁と第2支持壁とがX字状に交差することによって互いに鉛直方向に支持し合っている。そして、支持壁に第1鉛直荷重が作用したときに、大幅部が湾曲することによって大幅部と曲げ抑制部とが当接し、支持壁に第1鉛直荷重よりも大きい第2鉛直荷重が作用したときに、曲げ抑制部が湾曲することによって大幅部と曲げ抑制部との当接が外れて第1支持壁と第2支持壁との交差が外れる。これにより、第1支持壁と第2支持壁との互いの支持が損なわれる。したがって、支持壁に作用する鉛直荷重が一定値を超えたときに、支持壁に反発力が発生することがなく、空気取込口を確実に圧潰させることが可能である。
ここで、支持壁に第2鉛直荷重が作用すると、第1支持壁に備わる曲げ抑制部が第2支持壁の大幅部の壁面に押されて湾曲して、第1支持壁に形成された切欠部の両側縁同士の間隔が広がることによって、第2支持壁の大幅部と第1支持壁の曲げ抑制部との当接が外れる。したがって、曲げ抑制部の肉厚、壁面積、及び形状を変化させることによって、第1支持壁と第2支持壁との交差が外れる荷重である第2鉛直荷重を精度よく設定することが可能である。
(2)前記(1)に記載の吸気ダクトにおいて、好ましくは、前記第2支持壁の前記小幅部及び前記大幅部は、該小幅部と該大幅部との前記境界部において、同一の幅とされており、前記境界部又は該境界部の近傍の幅方向の両端が前記第1支持壁の前記切欠部の両前記側縁に当接することによって、該第1支持壁と前記第2支持壁とが互いに支持し合っていることを特徴とする。
このような構成によると、第1支持壁の切欠部の底縁の長さ以下の幅である小幅部と、底縁の長さ以上の幅である大幅部とが、小幅部と大幅部との境界部において、同一の幅とされている。すなわち、第2支持壁の小幅部及び大幅部は、小幅部と大幅部との境界部において、第1支持壁の切欠部の底縁の長さと同一の幅とされている。第2支持壁の小幅部は、第1支持壁の切欠部の底縁に接触していることから、境界部の幅方向の両端又はその近傍が切欠部の底縁に近接した両側縁に当接することにより、大幅部の切欠部への挿入が規制される。したがって、第1支持壁と第2支持壁とを互いに確実に支持させ合うことが可能である。
なお、第1支持壁及び第2支持壁はいずれも厚みを有する部材であるため、第1支持壁の切欠部の底縁と、第2支持壁の小幅部と大幅部との境界部とが接触する位置まで、小幅部を切欠部に挿入することはできない。すなわち、第2支持壁の境界部は、第1支持壁の切欠部の底縁よりも、第1支持壁の先端部側に位置することとなる。
ここで、第1支持壁の切欠部の底縁と側縁とのなす角が直角である場合には、底縁の長さと同一の幅である境界部の幅方向の両端が切欠部の両側縁に当接する。また、切欠部の底縁と側縁とのなす角が鋭角である場合には、境界部の近傍で境界部よりも第2支持壁の先端部側に位置する小幅部の幅方向の両端が切欠部の両側縁に当接する。また、切欠部の底縁と側縁とのなす角が鈍角である場合には、境界部の近傍で境界部よりも第2支持壁の基端部側に位置する大幅部の幅方向の両端が切欠部の両側縁に当接する。
(3)前記(1)に記載の吸気ダクトにおいて、好ましくは、前記第2支持壁の前記小幅部及び前記大幅部は、該小幅部と該大幅部との前記境界部において、異なる幅とされており、前記大幅部は、前記境界部の近傍の該大幅部の前記小幅部側に端部を有し、該端部が前記第1支持壁の壁面に当接することによって、該第1支持壁と前記第2支持壁とが互いに支持し合っていることを特徴とする。
このような構成によると、第2支持壁の大幅部は、境界部の近傍の小幅部側に端部を有し、この端部が第1支持壁の壁面に当接する。すなわち、大幅部の幅は、第1支持壁の切欠部の底縁の長さよりも大きな幅とされている。これにより、大幅部の切欠部への挿入が規制される。したがって、第1支持壁と第2支持壁とを互いに確実に支持させ合うことが可能である。
(4)前記(1)〜(3)に記載の吸気ダクトにおいて、好ましくは、前記第1支持壁の前記切欠部の前記底縁と、前記第2支持壁の基端部とが鉛直または略鉛直方向に並んでおり、前記底縁には、前記第2支持壁の前記大幅部が湾曲する方向を前記第1支持壁の前記曲げ抑制部へ向かう方向に規制するために、鉛直方向から該第1支持壁の傾斜方向までの所定の方向に向けて突設した突起部が形成されていることを特徴とする。
このような構成によると、第1支持壁の切欠部の底縁に鉛直方向から該第1支持壁の傾斜方向までの所定の方向に向けて突設した突起部が形成されているため、支持壁に鉛直荷重が作用したときに、第2支持壁の大幅部は、突起部により、湾曲方向が規制されることになる。これにより、支持壁に第1鉛直荷重が作用したときに、大幅部が湾曲する方向を、第1支持壁の曲げ抑制部へ向かう方向に規制することが可能となり、大幅部と曲げ抑制部とを確実に当接させることができる。したがって、前記(1)で記載した吸気ダクトの動作及び効果を確実に得ることができる。
(5)前記(1)〜(3)に記載の吸気ダクトにおいて、好ましくは、前記第1支持壁の前記切欠部の前記底縁と、前記第2支持壁の基端部とが鉛直または略鉛直方向に並んでおり、前記第2支持壁は、該第2支持壁の前記大幅部が一方側に湾曲するときと他方側に湾曲するときとで異なる曲げ剛性を有し、該大幅部が前記第1支持壁の前記曲げ抑制部へ向かう方向に湾曲しやすい該曲げ剛性とされていることを特徴とする。
このような構成によると、第2支持壁の大幅部が第1支持壁の曲げ抑制部へ向かう方向に湾曲しやすい曲げ剛性とされている。これにより、支持壁に第1鉛直荷重が作用したときに、大幅部が湾曲する方向を、第1支持壁の曲げ抑制部へ向かう方向に規制することが可能となり、大幅部と曲げ抑制部とを確実に当接させることができる。したがって、前記(1)で記載した吸気ダクトの動作及び効果を確実に得ることができる。
(6)前記(1)〜(3)に記載の吸気ダクトにおいて、好ましくは、前記第2支持壁の基端部は、鉛直な矢視において、前記第1支持壁の前記切欠部の前記底縁よりも、該第1支持壁の先端部側に位置しており、前記第1支持壁の前記切欠部の前記底縁と、前記第2支持壁の前記小幅部とが接触するように、該小幅部が該切欠部に挿入されていることによって、該第2支持壁の前記大幅部が該第1支持壁の前記曲げ抑制部へ向かう方向に湾曲していることを特徴とする。
このような構成によると、第2支持壁の小幅部が第1支持壁の切欠部に挿入されている状態において、第2支持壁の大幅部が第1支持壁の曲げ抑制部へ向かう方向に湾曲した状態となっている。このように大幅部に曲げ癖をつけておくことによって、支持壁に第1鉛直荷重が作用したときに、大幅部が湾曲する方向を、第1支持壁の曲げ抑制部へ向かう方向に規制することが可能となり、大幅部と曲げ抑制部とを確実に当接させることができる。したがって、前記(1)で記載した吸気ダクトの動作及び効果を確実に得ることができる。
本発明の吸気ダクトによれば、通常時には、空気取込口が吸気ダクト内の吸気負圧に耐え得る剛性を有していると共に、衝突異常時には、上ダクト壁に所定の鉛直荷重が作用することによって、空気取込口を確実に圧潰させることが可能となる。
第1実施形態における吸気ダクトの斜視図である。 第1実施形態における吸気ダクトの断面図である。 第1実施形態における吸気ダクトに備わる支持壁の斜視図であって、(a)は完成状況、(b)は分解状況を示している。 第1実施形態における吸気ダクトに備わる支持壁の説明図であって、(a)は図3(a)におけるA方向から見た正面図、(b)は図3(a)におけるB方向から見た側面図、(c)は図3(a)におけるC方向から見た平面図を示している。 (a)は図4(c)におけるD−D線で切断した断面図であって、支持壁に荷重が作用していない状況、(b)は支持壁に最大鉛直荷重が作用した状況、(c)は支持壁が大変形した状況を示している。 第2実施形態における吸気ダクトに備わる支持壁の説明図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図を示している。 第3実施形態における吸気ダクトに備わる支持壁の説明図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図を示している。 従来の吸気ダクトの断面図であって、(a)は吸気ダクトが変形していない状況、(b)は吸気ダクトが上方から潰された状況を示している。
以下、本発明の吸気ダクトを、自動車のエンジンへ空気を供給する通路としての吸気ダクトとして用いる場合の実施形態について図面を参照しつつ詳しく説明する。
<第1実施形態>
(1)吸気ダクト1の構成
図1に本実施形態における吸気ダクトの斜視図、図2に本実施形態における吸気ダクトの断面図を示す。吸気ダクト1は合成樹脂製であり、一端に空気取込口2、他端に空気送出口3を備える筒状のダクト本体4と、空気取込口2を形成する下ダクト壁4a及び上ダクト壁4bの間に配置された支持壁10とを備えている。なお、図1においては、上ダクト壁4bの一部を切り取ることによって、支持壁10の全容が外部から見えるように表している。
ここで、下ダクト壁4aは、本発明の第1ダクト壁に相当し、上ダクト壁4bは、本発明の第2ダクト壁に相当している。また、以降の説明において、図中に示されている前後左右上下は、それぞれ自動車の前後左右上下に一致している。
図2に示すように、空気取込口2は、自動車の走行中に外気を効率的に吸い込むべく、車体前方部のボンネット16とラジエータアッパサポート19との間の隙間に配置されると共に、車体前方に開口するように配置されている。図1に示すように、空気取込口2の形状は、前方から見て、上下に短く、左右に長い形状となっている。また、空気送出口3は、ダクト本体4の空気取込口2と反対側の端部に形成されており、図示しないエアクリーナに接続可能な円形の接続口とされている。
図2に示すように、空気取込口2の下部の下ダクト壁4aがラジエータアッパサポート19の上に設置された状態で、ボルト締めされることによって、吸気ダクト1の位置が固定されている。また、ボンネット16と空気取込口2の上部の上ダクト壁4bとの間の隙間には、エンジンルーム17内の熱気の吸い込みを防止するためのシール部材18が設置されている。
下ダクト壁4a及び上ダクト壁4bは、それぞれ別体で成形されており、下ダクト壁4a及び上ダクト壁4bの対向端部同士が溶着又は爪嵌合等により一体的に接合されることで筒状のダクト本体4として形成されている。下ダクト壁4a及び上ダクト壁4bは、いずれもポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)等の合成樹脂材料から射出成形によりトレー状に成形したものである。これら下ダクト壁4a及び上ダクト壁4bの肉厚は0.5〜3.5mmとされている。
支持壁10は、空気取込口2の近傍で、空気取込口2の左右方向の中央に、壁面方向が前後方向となるように配置されている。支持壁10は、下ダクト壁4aと一体成形された第1支持壁11と、上ダクト壁4aと一体成形された第2支持壁12とを備えている。
図3に支持壁10の斜視図を示す。図3(a)は第1支持壁11と第2支持壁12とが組み上がった支持壁10の完成状況、図3(b)は第1支持壁11から第2支持壁12が外された分解状況を示している。また、支持壁10の説明図として、図4(a)に図3(a)におけるA方向から見た正面図、図4(b)に図3(a)におけるB方向から見た側面図、図4(c)に図3(a)におけるC方向から見た平面図を示す。
第1支持壁11は、下ダクト壁4aに基端部11aを有し、先端部11bが上ダクト壁4b側へ向かって斜め上方に延びる均一壁厚かつ矩形の平板状を呈している。第1支持壁11には、第1支持壁11の先端部11bから第1支持壁11の先端部11b及び基端部11aの間の中間部11cに至る切欠部11dが形成されている。この切欠部11dの縁端形状は、第1支持壁11の基端部11aに平行な底縁11eと、底縁11eの両端から底縁11eと直角に第1支持壁11の先端部11bへ向かって延びる2本の側縁11fとよりなるコ字状を呈している。底縁11eの中央には鉛直上方に向けて突設した突起部11hが形成されている。
第1支持壁11が下ダクト壁4a上に単独の板部材として設けられている場合には、外力に対して第1支持壁11が変形(曲げ及び傾倒等)しやすい。また、空気取込口2の一部を塞ぐように支持壁10が設けられていることによって、空気取込口2から取り込まれる外気の流れが乱されやすい。そこで、第1支持壁11と一体に、側方整流板13、上流整流板14、及び下流整流板15を設けることによって、第1支持壁11の変形を防止すると共に、第1支持壁11を設けたことによる気流の乱れを低減している。
側方整流板13は、第1支持壁11と同様に、下ダクト壁4aから斜め上方に延びる矩形の平板状を呈している。第1支持壁11の傾倒角度と側方整流板13の傾倒角度とは同一角度とされており、側方整流板13の先端部と第1支持壁11の先端部11bとが一体に接続されている。したがって、第1支持壁11と側方整流板13とを前方から見ると、逆V字状の断面を形成しており、第1支持壁11と側方整流板13とが支え合っている。側方整流板13には、側方整流板13の先端部から側方整流板13の先端部及び基端部の間の中間部に至る第2切欠部13aが形成されている。この第2切欠部13aの縁端形状はコ字状を呈しており、第2切欠部13aの切欠幅は、第1支持壁11の基端部11aの幅と同じ幅とされている。
上流整流板14は、第1支持壁11及び側方整流板13の気流の上流側端部を、気流の抵抗を低減するように塞いで、第1支持壁11及び側方整流板13と一体に設けられている。上流整流板14は、底面及び一つの側面が開いた中空三角錐状の外観を呈している。下流整流板15は上流整流板14と同一の外観を呈し、第1支持壁11及び側方整流板13の気流の下流側端部を塞ぐように、第1支持壁11及び側方整流板13と一体に設けられている。
このように、第1支持壁11、側方整流板13、上流整流板14、及び下流整流板15が下ダクト壁4aと一体成形によって形成されることによって、中空七面体の立体構造体をなしている。この立体構造体の底面は、図4(c)に示すように、六角形の平面形状を呈しており、この底面は下ダクト壁4aの下方に向けて開口している。
第2支持壁12は、上ダクト壁4bに基端部12aを有し、先端部12bが下ダクト壁4a側へ向かって鉛直下方に延びる均一壁厚かつ台形の平板状を呈している。第2支持壁12は、第2支持壁12の先端部12bから第2支持壁12の先端部12b及び基端部12aの間の中間部12cに至るまでの領域が、第1支持壁11の切欠部11dの底縁11eの長さ以下の幅である小幅部12dとされていると共に、中間部12cから基端部12aに至るまでの領域が、切欠部11dの底縁11eの長さ以上の幅である大幅部12eとされている。中間部12cは、小幅部12dと大幅部12eとを分ける境界部12cとなっており、境界部12cの幅は、第1支持壁11の切欠部11dの底縁11eの長さと同一の幅とされている。
第1支持壁11の切欠部11dの底縁11eと、第2支持壁12の基端部12aとが鉛直方向に並んでおり、第1支持壁11の切欠部11dの底縁11eと、第2支持壁12の小幅部12dとが接触するように、小幅部12dが切欠部11dに上方から挿入されている。第2支持壁12の小幅部12dと大幅部12eとの境界部12cの幅方向の両端(前後端)が第1支持壁11の切欠部11dの両側縁11fに当接していることにより、大幅部12eの切欠部11dへの挿入が規制されるため、第1支持壁11と第2支持壁12とが互いに支持し合っている。
このように、第1支持壁11と第2支持壁12とが組み上がった状態において、互いに平行な第1支持壁11の基端部11a及び第2支持壁12の基端部12aの延在方向と平行な矢視において、図4(a)に示すように、第1支持壁11と第2支持壁12とがX字状に交差している。第1支持壁11は、第2支持壁12の壁面に直角な矢視において、図4(b)に示すように、第2支持壁12の大幅部12eと重なる曲げ抑制部11gを備えている。曲げ抑制部11gは、第1支持壁11の切欠部11dを挟んだ両側の各壁面に設けられており、各曲げ抑制部11gは、第1支持壁11の先端部11bの一部を一辺に、第1支持壁11の切欠部11dの側縁11fの一部を他の一辺に含む三角形の壁面形状を呈している。
(2)吸気ダクト1の動作
吸気ダクト1の上ダクト壁4bに上方から鉛直荷重が作用したときの動作について、図5を参照しつつ説明する。図5(a)は図4(c)におけるD−D線で切断した断面図であって、支持壁10に荷重が作用していない状況、図5(b)は支持壁10に最大鉛直荷重Pが作用した状況、図5(c)は支持壁10が大変形した状況を示している。
支持壁10に対して上ダクト壁4bから下方への鉛直荷重が作用するとき、鉛直荷重が所定の第1鉛直荷重よりも小さい場合には、第2支持壁12の大幅部12eが湾曲しないため、支持壁10の高さがほとんど変化しない。したがって、空気取込口2の形状はほとんど変化しない。
支持壁10に作用する鉛直荷重が所定の第1鉛直荷重に達したときに、第2支持壁12の大幅部12eが湾曲して、大幅部12eと第1支持壁11の曲げ抑制部11gとが当接する。すなわち、第1鉛直荷重は、第2支持壁12の大幅部12eが座屈するときの荷重(座屈荷重)に相当する。このとき、空気取込口2は上下方向に変形するが、この変形量は微小であるため、支持壁10に作用する鉛直荷重が除荷されることによって、支持壁10及び空気取込口2の形状は弾性的に復帰する。
第1支持壁11の切欠部11dの底縁11eの中央には鉛直上方に向けて突設した突起部11hが形成されており、支持壁10に荷重が作用していない状況において、突起部11hと第2支持壁12の大幅部12eとが近接または当接している。このため、支持壁10に第1鉛直荷重が作用したときに、第2支持壁12の大幅部12eは、突起部11hにより、湾曲方向が規制され、第1支持壁11の曲げ抑制部11gへ向かう方向に湾曲する。
支持壁10に作用する鉛直荷重が第1鉛直荷重を超えると、第2支持壁12の大幅部12eと第1支持壁11の曲げ抑制部11gとの当接が強まる。これにより、曲げ抑制部11gが弾性的に湾曲して、第1支持壁11に形成された切欠部11dの両側縁11f同士の間隔が広がる。支持壁10に作用する鉛直荷重が第1鉛直荷重よりも大きい所定の第2鉛直荷重に達したときに、曲げ抑制部11gが大きく湾曲して、第1支持壁11に形成された切欠部11dの両側縁11f同士の間隔が大きく広がる。これにより、第2支持壁12の大幅部12eと第1支持壁11の曲げ抑制部11gとの当接が外れる。
図5(b)は、大幅部12eと曲げ抑制部11gとの当接が外れる直前の状態を示しており、最大鉛直荷重Pが第2鉛直荷重に相当している。通常時の吸気負圧等に対抗すべく剛性向上を図りながら、衝突異常時にボンネット16の適度な変形を許容するためには、例えば、第2鉛直荷重を200N(約20kgf)に設定しておくとよい。
大幅部12eと曲げ抑制部11gとの当接が外れた途端、図5(c)に示すように、第1支持壁11と第2支持壁12との交差が外れて、第1支持壁11と第2支持壁12との互いの支持が損なわれる。そして、第2支持壁12の小幅部12dが側方整流板13の第2切欠部13aに上方から挿入されて、下ダクト壁4aと上ダクト壁4bとの間隔が狭まる。
(3)吸気ダクト1の効果
本実施形態においては、支柱部としての支持壁10は、平板状の第1支持壁11と平板状の第2支持壁12とを備え、第1支持壁11と第2支持壁12とがX字状に交差することによって互いに鉛直方向に支持し合っている。そして、支持壁10に第1鉛直荷重が作用したときに、大幅部12eが湾曲することによって大幅部12eと曲げ抑制部11gとが当接し、支持壁10に第1鉛直荷重よりも大きい第2鉛直荷重が作用したときに、曲げ抑制部11gが湾曲することによって大幅部12eと曲げ抑制部11gとの当接が外れて第1支持壁11と第2支持壁12との交差が外れる。これにより、第1支持壁11と第2支持壁12との互いの支持が損なわれる。したがって、支持壁10に作用する鉛直荷重が一定値を超えたときに、支持壁10に反発力が発生することがなく、空気取込口2を確実に圧潰させることが可能である。
また、第1支持壁11の曲げ抑制部11gの肉厚、壁面積、及び形状を変化させることによって、第1支持壁11と第2支持壁12との交差が外れる荷重である第2鉛直荷重を精度よく設定することが可能である。
また、第2支持壁12の小幅部12d及び大幅部12eは、小幅部12dと大幅部12eとの境界部12cにおいて、第1支持壁11の切欠部11dの底縁11eの長さと同一の幅とされている。第2支持壁12の小幅部12dは、第1支持壁11の切欠部11dの底縁11eに接触していることから、境界部11cの幅方向の両端が切欠部11dの底縁11eに近接した両側縁11fに当接することにより、大幅部12eの切欠部11dへの挿入が規制される。したがって、第1支持壁11と第2支持壁12とを互いに確実に支持させ合うことが可能である。
また、第1支持壁11の切欠部11dの底縁11eに鉛直上方に向かって突設した突起部11hが形成されているため、支持壁10に鉛直荷重が作用したときに、第2支持壁12の大幅部12eは、突起部11hにより、湾曲方向が規制されることになる。これにより、支持壁10に第1鉛直荷重が作用したときに、大幅部12eが湾曲する方向を、第1支持壁11の曲げ抑制部11gへ向かう方向に規制することが可能となり、大幅部11eと曲げ抑制部11gとを確実に当接させることができる。したがって、上述した支持壁10の動作がより確実なものとなる。
<第2実施形態>
本実施形態は、第1実施形態における吸気ダクト1に備わる支持壁10の構造を変更して支持壁20とした実施形態である。その他の構成部品は、第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
図6に本実施形態おける吸気ダクトに備わる支持壁20の説明図を示す。図6(a)は支持壁20の正面図、図6(b)は支持壁20の側面図、図6(c)は支持壁20の平面図を示している。支持壁20は、第1実施形態の支持壁10と同様の位置及び向きに配置されている。支持壁20は、下ダクト壁4aと一体成形された第1支持壁21と、上ダクト壁4aと一体成形された第2支持壁22とを備えている。
第1支持壁21は、第1実施形態の第1支持壁11と同様に、斜め上方に延びる均一壁厚かつ矩形の平板状を呈しているが、コ字状を呈する切欠部21dの縁端形状が第1実施形態の切欠部11dの縁端形状と若干異なっている。切欠部21dの2本の側縁21fは、第1支持壁21の基端部21aに平行な底縁21eの両端から底縁21eと鋭角に第1支持壁21の先端部21bへ向かって延びている。なお、底縁21eには、第1実施形態で説明した突起部11hに対応する突起が形成されていない。
第1支持壁21においても、第1実施形態の第1支持壁11と同様に、側方整流板13、上流整流板14、及び下流整流板15が第1支持壁21と一体に設けられている。
第2支持壁22は、第1実施形態の第2支持壁12と同様に、鉛直下方に延びる台形の平板状を呈しているが、壁厚が非均一となっている点が異なる。第2支持壁22は、第2支持壁22の先端部22bから第2支持壁22の先端部22b及び基端部22aの間の中間部22cに至るまでの領域が、第1支持壁21の切欠部21dの底縁21eの長さ以下の幅である小幅部22dとされていると共に、中間部22cから基端部22aに至るまでの領域が、切欠部21dの底縁21eの長さ以上の幅である大幅部22eとされている。中間部22cは、小幅部22dと大幅部22eとを分ける境界部22cとなっており、境界部22cの幅は、第1支持壁21の切欠部21dの底縁21eの長さと同一の幅とされている。
図6(a)に示すように、第2支持壁22の壁厚は非均一であり、第2支持壁22を壁面と直角な鉛直方向に切断した断面は、基端部22aから先端部22bに向かって壁厚が徐々に薄くなる台形の断面形状を呈している。図6(a)において、第2支持壁22の右側の壁面は、図中の角度α=90°の鉛直面となっており、第2支持壁22の左側の壁面は、図中の角度β>90°の斜面となっている。
第1支持壁21に対する第2支持壁22の組み付け、及び第1支持壁21と第2支持壁22との互いの支持機構は、第1実施形態の第1支持壁11及び第2支持壁12と同様であるため説明を省略する。第1支持壁21は、第2支持壁22の壁面に直角な矢視において、図6(b)に示すように、第2支持壁22の大幅部22eと重なる曲げ抑制部21gを備えている。この曲げ抑制部21gは、第1実施形態の曲げ抑制部11gと同様に三角形の壁面形状を呈し、曲げ抑制部21gの壁面積は、第1実施形態の曲げ抑制部11gの壁面積よりも大きい。
支持壁20に対して上ダクト壁4bから下方への鉛直荷重が作用するときの動作は、第1実施形態の支持壁10の動作と同様であるため説明を一部省略する。
上述のとおり、第2支持壁22を壁面と直角な鉛直方向に切断した断面は、基端部22aから先端部22bに向かって壁厚が徐々に薄くなる台形の断面形状を呈している。そして、基端部22aの重心は、先端部22bの重心をとおる鉛直軸から左側に偏心している。このような形状を呈する第2支持壁22は、壁面が一方側に湾曲するときと他方側に湾曲するときとで異なる曲げ剛性を有しており、第2支持壁22の大幅部22eが第1支持壁21の曲げ抑制部21gへ向かう方向に湾曲しやすい曲げ剛性とされている。このため、支持壁20に第1鉛直荷重が作用したときに、第2支持壁22の大幅部22eは、第1支持壁21の曲げ抑制部21gへ向かう方向に湾曲する。
支持壁20に第1鉛直荷重を超える鉛直荷重が作用したときの支持壁20の動作、及び支持壁20に第1鉛直荷重よりも大きい所定の第2鉛直荷重が作用したときの支持壁20の動作は、第1実施形態の支持壁10の動作と同様であるため説明を省略する。第1支持壁21の曲げ抑制部21gの壁面積は、第1実施形態の曲げ抑制部11gの壁面積よりも大きいため、曲げ抑制部21g及び曲げ抑制部11gの肉厚が等しい場合、本実施形態における第2鉛直荷重は、第1実施形態における第2鉛直荷重よりも大きい。
本実施形態において、第1支持壁21と第2支持壁22との互いの支持機構、及び第1支持壁21と第2支持壁22との交差が外れる機構は、第1実施形態と同様であるため、第1支持壁21と第2支持壁22とを互いに確実に支持させ合うことが可能であると共に、支持壁20に作用する鉛直荷重が一定値を超えたときに、支持壁20に反発力が発生することなく、空気取込口2を確実に圧潰させることが可能である。
また、第1支持壁21の曲げ抑制部21gの肉厚、壁面積、及び形状を変化させることによって、第1支持壁21と第2支持壁22との交差が外れる荷重である第2鉛直荷重を精度よく設定することが可能である。
また、第2支持壁22の大幅部22eが第1支持壁21の曲げ抑制部21gへ向かう方向に湾曲しやすい曲げ剛性とされている。これにより、支持壁20に第1鉛直荷重が作用したときに、大幅部22eが湾曲する方向を、第1支持壁21の曲げ抑制部21gへ向かう方向に規制することが可能となり、大幅部22eと曲げ抑制部21gとを確実に当接させることができる。したがって、上述した支持壁20の動作がより確実なものとなる。
<第3実施形態>
本実施形態は、第1実施形態における吸気ダクト1に備わる支持壁10の構造を変更して支持壁30とした実施形態である。その他の構成部品は、第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
図7に本実施形態おける吸気ダクトに備わる支持壁20の説明図を示す。図7(a)は支持壁30の正面図、図7(b)は支持壁30の側面図、図7(c)は支持壁30の平面図を示している。支持壁30は、第1実施形態の支持壁10と同様の位置及び向きに配置されている。支持壁30は、下ダクト壁4aと一体成形された第1支持壁31と、上ダクト壁4aと一体成形された第2支持壁32とを備えている。
第1支持壁31は、第1支持壁31の切欠部31dの底縁31eには、第1実施形態で説明した突起部11hに対応する突起が形成されていない。第1支持壁31のその他の構造については、第1実施形態の第1支持壁11と同様であるため説明を省略する。
第1支持壁31においても、第1実施形態の第1支持壁11と同様に、第1支持壁31の変形を防止すると共に、第1支持壁31を設けたことによる気流の乱れを低減することを目的として、側方整流板13、上流整流板14、及び下流整流板15が第1支持壁31と一体に設けられている。
第2支持壁32は、略鉛直下方に延びる均一壁厚の平板状を呈しており、第1実施形態の第2支持壁12とは壁面の形状が異なっている。第2支持壁32は、第2支持壁32の先端部32bから第2支持壁32の先端部32b及び基端部32aの間の中間部32cに至るまでの領域が、第1支持壁31の切欠部31dの底縁31eの長さよりも短い幅である小幅部32dとされていると共に、中間部32cから基端部32aに至るまでの領域が、切欠部31dの底縁31eの長さよりも長い幅である大幅部32eとされている。中間部32cは、小幅部32dと大幅部32eとを分ける境界部32cとなっている。
図7(b)に示すように、第2支持壁32の小幅部32dと大幅部32eとは、境界部32cにおいて、異なる幅とされており、大幅部32eは、境界部32cの近傍の大幅部32eの小幅部32d側に端部32fを有している。端部32fは、大幅部32eの幅方向の両側に形成されている。
第2支持壁32の基端部32aは、鉛直な矢視において、第1支持壁31の切欠部31dの底縁31eよりも、第1支持壁31の先端部31b側に位置しており、図7(a)に示すように、基端部32aは、底縁31eから左側に距離eだけ隔てた位置にある。そして、第1支持壁31の切欠部31dの底縁31eに第2支持壁32の小幅部32dが接触し、かつ第1支持壁31の壁面に第2支持壁32の両端部32fが当接するまで、小幅部32dが切欠部31dに上方から挿入されている。これにより、第2支持壁32の大幅部32eが第1支持壁31の曲げ抑制部31gへ向かう方向に湾曲している。また、大幅部32eの切欠部31dへの挿入が規制されるため、第1支持壁31と第2支持壁32とが互いに支持し合っている。
このように、第1支持壁31と第2支持壁32とが組み上がった状態において、互いに平行な第1支持壁31の基端部31a及び第2支持壁32の基端部32aの延在方向と平行な矢視において、図7(a)に示すように、第1支持壁31と第2支持壁32とがX字状に交差している。第1支持壁31は、第2支持壁32の壁面に直角な矢視において、図7(b)に示すように、第2支持壁32の大幅部32eと重なる曲げ抑制部31gを備えている。曲げ抑制部31gは、第1支持壁31の切欠部31dを挟んだ両側の各壁面に設けられており、各曲げ抑制部31gは、第1支持壁31の先端部31bの一部を一辺に、第1支持壁31の切欠部31dの側縁31fの一部を他の一辺に含む台形の壁面形状を呈している。
支持壁30に対して上ダクト壁4bから下方への鉛直荷重が作用するときの動作は、第1実施形態の支持壁10の動作と同様であるため説明を一部省略する。
上述のとおり、第2支持壁32の大幅部32eが第1支持壁31の曲げ抑制部31gへ向かう方向に湾曲した状態となっている。このように大幅部32eに曲げ癖をつけておくことによって、支持壁30に第1鉛直荷重が作用したときに、第2支持壁32の大幅部32eは、第1支持壁31の曲げ抑制部31gへ向かう方向に更に湾曲する。
支持壁30に第1鉛直荷重を超える鉛直荷重が作用したときの支持壁30の動作、及び支持壁30に第1鉛直荷重よりも大きい所定の第2鉛直荷重が作用したときの支持壁30の動作は、第1実施形態の支持壁10の動作と同様であるため説明を省略する。
本実施形態において、第1支持壁31と第2支持壁32との交差が外れる機構は、第1実施形態と同様であるため、支持壁30に作用する鉛直荷重が一定値を超えたときに、支持壁30に反発力が発生することなく、空気取込口2を確実に圧潰させることが可能である。
また、第1支持壁31の曲げ抑制部31gの肉厚、壁面積、及び形状を変化させることによって、第1支持壁31と第2支持壁32との交差が外れる荷重である第2鉛直荷重を精度よく設定することが可能である。
また、第2支持壁32の大幅部32eは、境界部32cの近傍の小幅部32d側に端部32fを有し、この端部32fが第1支持壁31の壁面に当接する。すなわち、大幅部32eの幅は、第1支持壁31の切欠部31dの底縁31eの長さよりも大きな幅とされている。これにより、大幅部32eの切欠部31dへの挿入が規制される。したがって、第1支持壁31と第2支持壁32とを互いに確実に支持させ合うことが可能である。
また、第2支持壁32の小幅部32dが第1支持壁31の切欠部31dに挿入されている状態において、第2支持壁32の大幅部32eが第1支持壁31の曲げ抑制部31gへ向かう方向に湾曲した状態となっている。このように大幅部32eに曲げ癖をつけておくことによって、支持壁30に第1鉛直荷重が作用したときに、大幅部32eが湾曲する方向を、第1支持壁31の曲げ抑制部31gへ向かう方向に規制することが可能となり、大幅部32eと曲げ抑制部31gとを確実に当接させることができる。したがって、上述した支持壁30の動作がより確実なものとなる。
<その他の実施形態>
本発明の吸気ダクトは、上述した第1〜3の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができることは言うまでもない。
例えば、第1実施形態において、吸気ダクト1の空気取込口2の近傍に、1個の支持壁10を配置したが、空気取込口2の形状が更に横長である場合等には、支持壁10を2個以上配置してもよい。第2実施形態の支持壁20、及び第3実施形態の支持壁30についても同様に、吸気ダクト1の空気取込口2の近傍に、2個以上配置してもよい。
また、第1〜第3実施形態において、支持壁10,20及び30を、壁面方向が前後方向となるように配置したが、壁面方向が左右方向となるように配置してもよい。
また、第1〜第3実施形態の支持壁10,20及び30の上下を反転させて、下ダクト壁4及び上ダクト壁4の間に配置してもよい。ただし、第1〜第3実施形態で示したように、平板状の単独の部材である第2支持壁を上ダクト壁側に設けることにより、上ダクト壁の上面に発生するヒケを極力小さくすることができるため、吸気ダクトの外観が良好となる。
また、第1〜第3実施形態の支持壁10,20及び30の第1支持壁と一体に、側方整流板13、上流整流板14、及び下流整流板15を設けたが、これらの整流板の一部又は全部が設けられていなくてもよい。
また、第2実施形態において、第2支持壁22の断面形状を台形としたが、第2支持壁の形状は、これに限らず、第2支持壁の大幅部が第1支持壁の曲げ抑制部へ向かう方向に湾曲しやすい様々な形状とすることができる。例えば、第2支持壁を水平方向に切断した断面形状を弧状又はコ字状のように、壁面の一面側が凹面、他面側が凸面からなる断面形状とし、この凸面を第1支持壁の曲げ抑制部側に向けて配置することによって、第2支持壁の大幅部を第1支持壁の曲げ抑制部へ向かう方向に湾曲しやすくすることができる。
1 … 吸気ダクト 2 … 空気取込口
3 … 空気送出口 4 … ダクト本体
4a … 下ダクト壁(第1ダクト壁) 4b … 上ダクト壁(第2ダクト壁)
10 … 支持壁(支柱部) 11 … 第1支持壁
11a… 基端部 11b… 先端部
11c… 中間部 11d… 切欠部
11e… 底縁 11f… 側縁
11g… 曲げ抑制部 11h… 突起部
12 … 第2支持壁 12a… 基端部
12b… 先端部 12c… 中間部(境界部)
12d… 小幅部 12e… 大幅部
20 … 支持壁(支柱部) 21 … 第1支持壁
21a… 基端部 21b… 先端部
21d… 切欠部 21e… 底縁
21f… 側縁 21g… 曲げ抑制部
22 … 第2支持壁 22a… 基端部
22b… 先端部 22c… 中間部(境界部)
22d… 小幅部 22e… 大幅部
30 … 支持壁(支柱部) 31 … 第1支持壁
31a… 基端部 31b… 先端部
31d… 切欠部 31e… 底縁
31f… 側縁 31g… 曲げ抑制部
32 … 第2支持壁 32a… 基端部
32b… 先端部 32c… 中間部(境界部)
32d… 小幅部 32e… 大幅部
32f… 端部

Claims (6)

  1. 一端に空気取込口、他端に空気送出口を備える筒状のダクト本体と、該空気取込口を形成する上下のダクト壁である第1ダクト壁及び第2ダクト壁の間に配置され該空気取込口の鉛直方向の変形を防止する支持壁と、を備える樹脂製の吸気ダクトであって、
    前記支持壁は、前記第1ダクト壁に基端部を有し先端部が前記第2ダクト壁側へ向かって斜めに延びる平板状の第1支持壁と、該第2ダクト壁に基端部を有し先端部が該第1ダクト壁側へ向かって鉛直または略鉛直に延びる平板状の第2支持壁と、を備え、互いに平行な両該基端部の延在方向と平行な矢視において、該第1支持壁と該第2支持壁とがX字状に交差しており、
    前記第1支持壁には、該第1支持壁の先端部から該第1支持壁の先端部及び基端部の間の中間部に至る切欠部が形成されていると共に、該切欠部の縁端形状は、該第1支持壁の基端部に平行な底縁と、該底縁の両端から該第1支持壁の先端部へ向かって延びる2本の側縁と、よりなるコ字状を呈し、
    前記第2支持壁は、該第2支持壁の先端部から該第2支持壁の先端部及び基端部の間の中間部に至るまでの領域が、前記切欠部の前記底縁の長さ以下の幅である小幅部とされていると共に、該第2支持壁の中間部から該第2支持壁の基端部に至るまでの領域が、該切欠部の該底縁の長さ以上の幅である大幅部とされており、
    前記第1支持壁の前記切欠部の前記底縁と、前記第2支持壁の前記小幅部とが接触するように、該小幅部が該切欠部に挿入されていると共に、該第2支持壁の前記大幅部と該小幅部との境界部又は該境界部の近傍が該第1支持壁に当接することによって、該第1支持壁と該第2支持壁とが互いに支持し合っており、
    前記第1支持壁は、前記第2支持壁の壁面に直角な矢視において、該第2支持壁の前記大幅部と重なる曲げ抑制部を備え、前記支持壁に第1鉛直荷重が作用したときに、該大幅部が湾曲することによって該大幅部と該曲げ抑制部とが当接し、該支持壁に該第1鉛直荷重よりも大きい第2鉛直荷重が作用したときに、該曲げ抑制部が湾曲することによって該大幅部と該曲げ抑制部との当接が外れて該第1支持壁と該第2支持壁との交差が外れることを特徴とする吸気ダクト。
  2. 前記第2支持壁の前記小幅部及び前記大幅部は、該小幅部と該大幅部との前記境界部において、同一の幅とされており、
    前記境界部又は該境界部の近傍の幅方向の両端が前記第1支持壁の前記切欠部の両前記側縁に当接することによって、該第1支持壁と前記第2支持壁とが互いに支持し合っていることを特徴とする請求項1に記載の吸気ダクト。
  3. 前記第2支持壁の前記小幅部及び前記大幅部は、該小幅部と該大幅部との前記境界部において、異なる幅とされており、
    前記大幅部は、前記境界部の近傍の該大幅部の前記小幅部側に端部を有し、該端部が前記第1支持壁の壁面に当接することによって、該第1支持壁と前記第2支持壁とが互いに支持し合っていることを特徴とする請求項1に記載の吸気ダクト。
  4. 前記第1支持壁の前記切欠部の前記底縁と、前記第2支持壁の基端部とが鉛直または略鉛直方向に並んでおり、
    前記底縁には、前記第2支持壁の前記大幅部が湾曲する方向を前記第1支持壁の前記曲げ抑制部へ向かう方向に規制するために、鉛直方向から該第1支持壁の傾斜方向までの所定の方向に向けて突設した突起部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の吸気ダクト。
  5. 前記第1支持壁の前記切欠部の前記底縁と、前記第2支持壁の基端部とが鉛直または略鉛直方向に並んでおり、
    前記第2支持壁は、該第2支持壁の前記大幅部が一方側に湾曲するときと他方側に湾曲するときとで異なる曲げ剛性を有し、該大幅部が前記第1支持壁の前記曲げ抑制部へ向かう方向に湾曲しやすい該曲げ剛性とされていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の吸気ダクト。
  6. 前記第2支持壁の基端部は、鉛直な矢視において、前記第1支持壁の前記切欠部の前記底縁よりも、該第1支持壁の先端部側に位置しており、
    前記第1支持壁の前記切欠部の前記底縁と、前記第2支持壁の前記小幅部とが接触するように、該小幅部が該切欠部に挿入されていることによって、該第2支持壁の前記大幅部が該第1支持壁の前記曲げ抑制部へ向かう方向に湾曲していることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の吸気ダクト。
JP2010075695A 2010-03-29 2010-03-29 吸気ダクト Pending JP2011208535A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010075695A JP2011208535A (ja) 2010-03-29 2010-03-29 吸気ダクト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010075695A JP2011208535A (ja) 2010-03-29 2010-03-29 吸気ダクト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011208535A true JP2011208535A (ja) 2011-10-20

Family

ID=44939844

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010075695A Pending JP2011208535A (ja) 2010-03-29 2010-03-29 吸気ダクト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011208535A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012036810A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Kojima Press Industry Co Ltd ダクト
JP2012036808A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Kojima Press Industry Co Ltd ダクト
JP2017002735A (ja) * 2015-06-05 2017-01-05 本田技研工業株式会社 車両用ダクト構造

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012036810A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Kojima Press Industry Co Ltd ダクト
JP2012036808A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Kojima Press Industry Co Ltd ダクト
JP2017002735A (ja) * 2015-06-05 2017-01-05 本田技研工業株式会社 車両用ダクト構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2128424B1 (en) Intake duct for vehicles
CN102343946B (zh) 前窗的支撑结构
JP4120805B2 (ja) 車両用ダクト
US7273121B2 (en) Automotive air induction duct
US8091941B2 (en) Lower structure of vehicle body rear part
JP5031058B2 (ja) 車両のサイドミラー周辺空気流制御装置
JP2013122170A (ja) 車両用エンジンの吸気装置
JP2012246933A (ja) 車両用吸気ダクト
KR20080082622A (ko) 차량용 에너지 흡수 펜더
JP2016222046A (ja) 車両前部構造
JP2011208535A (ja) 吸気ダクト
JP5109350B2 (ja) フェンダ支持部構造
CN106476899B (zh) 前围结构
JP5719422B2 (ja) 車両のカウルトップ構造
KR20080075526A (ko) 차량용 에너지 흡수 펜더
JP2009090936A (ja) 車両用インナパネル
JP5741204B2 (ja) 車両用フードの前部構造
JP4126604B2 (ja) 車両用ダクト
JP2012071830A (ja) 車両のサイドミラー周辺空気流制御装置
JP5096228B2 (ja) 車両用吸気ダクト
JP5141698B2 (ja) 吸気ダクト
JP4411549B2 (ja) 車両用ダクト
JP5053871B2 (ja) 車両用吸気ダクト
JP2007008302A (ja) 外気導入ダクト
JP7356258B2 (ja) 燃料タンク