JP2011208064A - 水性被覆液 - Google Patents
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Abstract
本発明は、塗装時の塗り残し、ムラ、ハジキ等を防止する水性被覆液を得ることを目的とする。
【解決手段】
有機質樹脂(A)、水性媒体(B)を含む水性被覆液であって、前記有機質樹脂(A)及び水性媒体(B)に加え、さらに退色性色素(C)、及び金属イオン(D)を含み、前記退色性色素(C)の濃度が0.01〜100mg/L、前記金属イオン(D)の濃度が1〜1000mg/L、であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
但し、このような透明な被覆液では、作業時における塗り残し、塗りムラ等が問題となる場合がある。この問題に対処する手法のひとつとして、被覆液に退色性色素を添加することが知られている。
具体的に、特許文献1には、樹脂エマルションと食用色素を含有する退色性樹脂組成物が記載されている。
1.有機質樹脂(A)、水性媒体(B)を含む水性被覆液であって、
前記有機質樹脂(A)及び水性媒体(B)に加え、さらに退色性色素(C)、及び金属イオン(D)を含み、
前記退色性色素(C)の濃度が0.01〜100mg/L、
前記金属イオン(D)の濃度が1〜1000mg/L
であることを特徴とする水性被覆液。
2.退色性色素(C)が、化合物中に少なくともハロゲン基、硫酸基、硫酸水素基、硝酸基、リン酸基、リン酸水素基、炭酸基、炭酸水素基、カルボン酸基から選ばれる1種以上のアニオン性基を含み、
金属イオン(D)が、第1族元素、第2族元素、遷移元素から選ばれる1種以上の金属元素を含む金属イオンであることを特徴とする1.に記載の水性被覆液。
3.退色性色素(C)が、化合物中に少なくともハロゲン基、硫酸基、カルボン酸基から選ばれる1種以上を含み、
金属イオン(D)が、第2族元素、遷移元素から選ばれる1種以上の2価以上の金属元素を含む金属イオンであることを特徴とする1.に記載の水性被覆液。
4.固形分が20重量%以下である1.から3.のいずれかに記載の水性被覆液。
このような水性被覆液は、退色性色素(C)を含有することにより、塗装作業時には着色され、塗装作業時の塗り残し、塗りムラ等を防止することができるとともに、被膜形成後は、色素が速やかに退色し、透明な被膜を得ることができ、下地の意匠性等を活かすことができるものである。また、金属イオン(D)を含有することにより、退色性色素(C)の退色を早めることができ、早期に透明な被膜を得ることができる。
退色性色素(C)の濃度が0.01mg/Lより低い場合は、色素による発色性が乏しく、塗付したか否かの確認や塗付量の確認が難しくなる。一方、100mg/Lより高い場合は、退色に時間がかかる場合がある。
金属イオン(D)の濃度が1mg/Lより低い場合は、色素の退色を早める効果がみられにくい。一方、1000mg/Lより高い場合は、水性被覆液の貯蔵安定性や、被膜の物性に悪影響を及ぼすことがある。
なお、退色性色素(C)の濃度とは、水性媒体(B)1リットル中に含まれる重量のことである。
また、金属イオン(D)の濃度とは、水性媒体(B)1リットル中に含まれる金属イオン(mol/L)を重量換算したものであり、公知の測定方法にて測定すればよいし、添加量から求めることもできる。
退色性色素(C)としては、例えば、化合物中に少なくともハロゲン基、硫酸基、硫酸水素基、硝酸基、リン酸基、リン酸水素基、炭酸基、炭酸水素基、カルボン酸基から選ばれる1種以上のアニオン性基を含むものが好ましい。これらは、水性媒体(B)中でイオン解離し、容易に溶解させることができる。
このような退色性色素(C)としては、例えば、食用青色1号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用緑色3号等の食用染料等が挙げられる。
本願発明ではこのような退色性色素(C)を用い、被膜形成後に無色透明の被膜を形成するものであるが、本発明の効果を損なわない程度に、染料、顔料等を含む着色された被膜を形成するものでもよい。
このような金属イオン(D)は、退色性色素(C)の色素の退色を早める効果がある。特に、退色性色素(C)中に前記アニオン性基が含まれる場合、詳細は明らかでないが、金属イオンとアニオン性基が何らかの相互作用を起こし、色素の退色をより早めることができるものと思われる。
特に、前記アニオン基が、ハロゲン基、硫酸基等の1価のアニオン基である場合、金属イオン(D)として第2族元素、遷移元素から選ばれる2価以上の金属元素を含む金属イオンを用いることによって、色素の退色をより早めることができる。本発明では、特に安全性などから、第2族元素の金属元素を含む金属イオンが、より好ましい。
第1族元素としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム等、第2族元素としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等、遷移元素は周期表における第3族元素から第11族元素に属する金属元素であり、例えば、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、銀等が挙げられる。
このような成分としては、無機粒子、増粘剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒、光触媒、架橋剤、繊維等が挙げられる。
本発明では特に、シリコン元素を含む無機粒子を含むことが好ましく、退色性色素の退色速度をより早めることができる。シリコン元素を含む無機粒子としては、例えば、シリカゾル等が挙げられる。これらは、珪酸ソーダ、シリケート化合物を原料として製造することができ、酸性タイプ〜塩基性タイプ(好ましくは、中性タイプ〜塩基性タイプ)のもの、またなんらかの表面処理が施されたものでもよい。
有機系塗料における有機質樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ふっ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。
具体的には、例えば、JIS K5654「アクリル樹脂エナメル」、JASS18 M−207「非水分散形アクリル樹脂エナメル」、JIS K5656「建築用ポリウレタン樹脂塗料」、JASS18 M−404「アクリルシリコン樹脂塗料」、JIS K5658「建築用ふっ素樹脂塗料」、JIS K5660「つや有合成樹脂エマルションペイント」、JIS K5663「合成樹脂エマルションペイント」、JIS K5667「多彩模様塗料」、JIS K5668「合成樹脂エマルション模様塗料」、JIS A6909「建築用仕上塗材」の外装薄塗材E、可とう形外装薄塗材E、防水形外装薄塗材E、外装厚塗材E、複層塗材E、防水形複層塗材E、複層塗材RE、防水形複層塗材RE、複層塗材RS、防水形複層塗材RE等が挙げられる。
水性被覆液の塗付け量は、通常0.005〜0.5kg/m2、好ましくは0.01〜0.3kg/m2程度である。この範囲であれば、複数回重ね塗りしてもよい。水性被覆液の乾燥は通常、常温で行えばよい。
特に、(2)、(3)の場合は、貯蔵中の退色性色素(C)の退色を抑えることができる。
水性被覆液を水性白色艶消し塗料を塗付した基材上へ、塗付け量0.15kg/m2で刷毛にて塗装し、水性被覆液の塗装作業性を評価した。
評価は、5:塗装した箇所が明確に着色され塗装作業性に優れていた、から、1:塗装した箇所と塗装していない箇所がわかりにくかった、もしくは塗装にムラが生じた、の5段階評価で行った。なお、評価結果は表1に示す。
また、塗装後、温度25℃で、直射日光が当たらない北面屋内の窓内側にて、48時間静置させ、塗装直後と48時間静置後の表面色を評価した。評価は、5:表面は白色であり水性被覆液の色は消色していた、から、1:表面は水性被覆液による色であり消色していなかった、の5段階評価で行った。
なお、評価結果は表1に示す。
表1に示す配合にて、下記に示す樹脂、退色性色素、媒体を混合し、水性被覆液を作製した。
樹脂A:アクリルシリコンエマルション(組成:2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、シクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸)、固形分45wt%、媒体:純水(金属イオン0mg/L)
退色性色素A:食用赤色3号、エリスロシン、アニオン基:ヨード基、カルボン酸基
退色性色素B:食用青色1号、フリリアントブルーFCF、アニオン基:スルホン酸基
退色性色素C:食用赤色104号、フロキシン、アニオン基:クロロ基、ブロモ基、カルボン酸基
媒体A:純水(金属イオン0mg/L)
なお、媒体Aに、塩化ナトリウム(1価の金属イオン)、塩化カルシウム(2価の金属イオン)、硫酸アルミニウム(3価の金属イオン)等を混合し、表2に示す金属イオン濃度となるように調整した。
(実施例11)
樹脂Aを222重量部、退色性色素Aを0.33重量部を混合して、水性被覆液を作製し、塗装直前に媒体Aを7444重量部添加し、水性被覆液を得た。なお水性被覆液は、2価の金属イオン濃度(mg/L)が13.2mg/Lとなるように調整した。全量配合は表1に示す配合である。
Claims (4)
- 有機質樹脂(A)、水性媒体(B)を含む水性被覆液であって、
前記有機質樹脂(A)及び水性媒体(B)に加え、さらに退色性色素(C)、及び金属イオン(D)を含み、
前記退色性色素(C)の濃度が0.01〜100mg/L、
前記金属イオン(D)の濃度が1〜1000mg/L
であることを特徴とする水性被覆液。 - 退色性色素(C)が、化合物中に少なくともハロゲン基、硫酸基、硫酸水素基、硝酸基、リン酸基、リン酸水素基、炭酸基、炭酸水素基、カルボン酸基から選ばれる1種以上のアニオン性基を含み、
金属イオン(D)が、第1族元素、第2族元素、遷移元素から選ばれる1種以上の金属元素を含む金属イオンであることを特徴とする請求項1に記載の水性被覆液。 - 退色性色素(C)が、化合物中に少なくともハロゲン基、硫酸基、カルボン酸基から選ばれる1種以上を含み、
金属イオン(D)が、第2族元素、遷移元素から選ばれる1種以上の2価以上の金属元素を含む金属イオンであることを特徴とする請求項1に記載の水性被覆液。 - 固形分が20重量%以下である請求項1から請求項3のいずれかに記載の水性被覆液。
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JP2008208338A (ja) * | 2007-01-30 | 2008-09-11 | Bekku Kk | 水性被覆液 |
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