JP2011207642A - 単結晶の製造方法および単結晶 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶欠陥の少ない高品質な単結晶を得ることができる単結晶の製造方法、およびそれにより製造された単結晶を提供する。
【解決手段】チョクラルスキー法により単結晶を引き上げる前に引き上げ長に対する引き上げ速度の目標値を設定し、引き上げる過程において、引き上げ速度の目標値および検出される単結晶の直径に応じ、引き上げ速度およびヒータ温度を操作することにより、単結晶の直径を制御する直径方式と(S6)、引き上げ速度を操作する際の上下限値を引き上げ速度の目標値に基づいて設定するとともに(S2)、引き上げ速度の目標値を速度の上下限値に基づいて修正することにより(S3)、引き上げ速度の移動平均を制御する移動平均方式を用いて単結晶を製造する方法であって、引き上げ速度の目標値から算出される移動平均、および引き上げ速度の実績から算出される移動平均に応じ、移動平均方式を有効または無効とする(S1)。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)によるシリコン単結晶等の単結晶を製造する方法、およびそれにより製造された単結晶に関し、さらに詳しくは、結晶欠陥の少ない高品質な単結晶を得ることができる単結晶の製造方法、およびそれにより製造された単結晶に関する。
シリコン単結晶は、半導体デバイスに用いられるシリコンウェーハの素材であり、その製造には、CZ法による単結晶の製造方法が広く採用されている。通常、CZ法によるシリコン単結晶の製造方法では、減圧下の不活性ガス雰囲気に維持された単結晶育成装置内において、石英ルツボ内に充填されたシリコン原料をヒータにより加熱し融解させる。石英ルツボ内にシリコン融液が形成されると、種結晶を下降させてシリコン融液に浸漬した後、種結晶および石英ルツボを所定の方向に回転させながら種結晶を徐々に上昇させることにより、種結晶の下方にシリコン単結晶が育成される。
このようなCZ法によるシリコン単結晶の製造方法では、引き上げにより直径が不均一なシリコン単結晶が得られた場合、所望の外径より大きい部分は外径研磨に時間を要し、所望の外径より小さい部分は製品不良が発生するので、製造歩留りが低下する。また、CZ法によるシリコン単結晶の製造方法では、引き上げ過程における種結晶の引き上げ速度の移動平均は、得られるシリコン単結晶の結晶欠陥の発生に強く影響し、引き上げ速度の移動平均を引き上げ長に対して変化させることにより、結晶欠陥の少ない高品質のシリコン単結晶が得られることが知られている。
したがって、CZ法によるシリコン単結晶の製造方法では、引き上げ過程において、シリコン単結晶の直径および引き上げ速度の移動平均を制御することが、製造歩留りおよび製品品質の観点から、極めて重要となる。
CZ法によるシリコン単結晶の引き上げ過程において、シリコン単結晶の直径を制御する方法として、一般的に、引き上げられるシリコン単結晶の直径を検出し、検出された直径に応じて引き上げ速度およびシリコン原料を加熱するヒータ温度を操作し、シリコン単結晶の直径を制御する直径方式がある。
この直径方式では、引き上げ速度を操作することから、その操作により引き上げ速度の移動平均が変動し、引き上げ速度の移動平均が制御されない。このため、直径方式では、得られるシリコン単結晶に結晶欠陥が発生する場合があることから、問題となる。
この問題を解決する方法として、例えば特許文献1では、引き上げ速度とヒータ温度を独立に制御することにより、シリコン単結晶を製造する方法が提案されている。特許文献1では、検出された単結晶直径から算出される予想直径と予め設定した目標直径の差が小さい定常時には、平均引き上げ速度とヒータ温度の両方を一定に固定し、差が大きい非定常時には、差に応じて引き上げ速度を所定時間だけ変動させ、かつ、ヒータ温度を変動させる。
特許文献1では、単結晶直径の差が大きい非定常時に、差に応じて引き上げ速度を変動させるが、その変動は30秒程度の所定時間に限定されることから、差をなくすことは困難である。所定時間に限られる引き上げ速度の変動を補うためにヒータ温度を変動させたとしても、ヒータ温度が直径に影響するまでの時間は、引き上げ速度が直径に影響するまでの時間に比べ、はるかに長い。したがって、特許文献1で提案されるシリコン単結晶の製造方法では、単結晶直径の差が大きくなった際に適切な直径制御を行うことが難しいことから、通常、得られるシリコン単結晶の直径変動が大きくなる。
直径方式により引き上げられるシリコン単結晶の直径を制御しつつ、引き上げ速度の移動平均を制御する方法として、直径方式に加えて移動平均方式を用いる方法がある。
直径方式と移動平均方式を用いてシリコン単結晶の直径および引き上げ速度の移動平均を制御する場合、シリコン単結晶を引き上げる前に引き上げ長に対する引き上げ速度の目標値を設定する。シリコン単結晶を引き上げる過程で、直径方式により、引き上げ速度の目標値および検出されるシリコン単結晶の直径に応じて引き上げ速度およびヒータ温度を操作し、シリコン単結晶の直径を制御する。さらに、移動平均方式により、直径方式で引き上げ速度を操作する際の上下限値を引き上げ速度の目標値に基づいて算出するとともに、移動平均の目標値を算出された速度の上下限値に基づいて修正し、引き上げ速度の移動平均を制御する。
このような直径方式と移動平均方式を用い、移動平均方式で設定された速度の上下限値の範囲内で直径方式により引き上げ速度を操作するとともに、引き上げ速度の目標値を算出された速度の上下限値に基づいて修正することにより、シリコン単結晶の直径および引き上げ速度の移動平均を制御することができる。しかし、この直径方式と移動平均方式を用いた制御では、引き上げ速度の移動平均が許容範囲内で変動を繰り返す場合がある。
後述する図2は、従来の直径方式と移動平均方式を用いてシリコン単結晶を得た場合における、引き上げ長(mm)と引き実績移動平均、目標移動平均およびその許容範囲の関係の一例を示す図である。同図に示すように、実績移動平均(引き上げ速度の実績から算出される移動平均)が、目標移動平均(引き上げ速度の目標値から算出される移動平均)の許容範囲内で、変動を繰り返していることが確認される。
実績移動平均が繰り返して変動する際に実績移動平均と目標移動平均との差が大きくなると、得られるシリコン単結晶の直径が変動してばらつきが生じ、製造歩留りが悪化する恐れがある。
実績移動平均が繰り返して変動する際、目標移動平均の変化割合(傾き)と実績移動平均の変化割合(傾き)の差が大きく異なる部分が生じると、得られる単結晶において、傾きの差が大きく異なる部分に局所的な欠陥が発生する場合がある。また、目標移動平均と実績移動平均の差が大きくなると、直径方式において引き上げ速度とともに操作されるヒータ温度の操作量も増加するので、シリコン単結晶内における熱履歴変化が大きくなり、シリコン単結晶内で品質にばらつきが生じる恐れがある。
特開2005−82474号公報
前述の通り、従来の直径方式と移動平均方式を用い、単結晶直径および引き上げ速度の移動平均を制御し、CZ法によりシリコン単結晶を得ると、引き上げ速度の移動平均が許容範囲内で変動を繰り返し、得られるシリコン単結晶の直径や品質にばらつきが生じ、問題となる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、直径方式と移動平均方式を用いて単結晶直径および引き上げ速度の移動平均を制御して単結晶を製造する方法であって、引き上げ速度の移動平均の変動を安定させることができる単結晶の製造方法、およびそれにより製造された単結晶を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記問題を解決するため、種々の試験を行い、鋭意検討を重ねた結果、CZ法により単結晶を引き上げる過程で、単結晶の直径を制御する直径方式と、引き上げ速度の移動平均を制御する移動平均方式を用いて単結晶を製造する方法であって、引き上げ速度の目標値から算出される移動平均、および引き上げ速度の実績から算出される移動平均に応じ、移動平均方式を有効または無効とすることにより、引き上げ速度の移動平均の振動を安定化できることを知見した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであり、下記(1)〜(3)の単結晶の製造方法、下記(4)の単結晶を要旨としている。
(1)チョクラルスキー法により単結晶を引き上げる前に引き上げ長に対する引き上げ速度の目標値を設定し、引き上げる過程において、前記引き上げ速度の目標値および検出される前記単結晶の直径に応じ、引き上げ速度およびヒータ温度を操作することにより、前記単結晶の直径を制御する直径方式と、前記引き上げ速度を操作する際の上下限値を前記引き上げ速度の目標値に基づいて設定するとともに、前記引き上げ速度の目標値を前記上下限値に基づいて修正することにより、引き上げ速度の移動平均を制御する移動平均方式を用いて単結晶を製造する方法であって、前記引き上げ速度の目標値から算出される移動平均(目標移動平均)、および前記引き上げ速度の実績から算出される移動平均(実績移動平均)に応じ、前記移動平均方式を有効または無効とすることを特徴とする単結晶の製造方法。
(2)前記目標移動平均および実績移動平均に応じて移動平均方式を有効または無効とするに際し、前記実績移動平均と前記目標移動平均の差の絶対値が閾値未満の場合に無効とし、前記実績移動平均と前記目標移動平均の差の絶対値が閾値以上の場合に有効とすることを特徴とする上記(1)に記載の単結晶の製造方法。
(3)前記移動平均方式で前記上下限値を設定する際に、前記単結晶を引き上げる過程での引き上げ安定性を評価し、その評価に応じて前記上下限値を変更することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の単結晶の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の単結晶の製造方法により、製造されたことを特徴とする単結晶。
本発明の単結晶の製造方法は、直径方式と移動平均方式を用いて単結晶を引き上げる過程で、目標移動平均および実績移動平均に応じて移動平均方式を有効または無効とすることにより、引き上げ速度の移動平均の変動を安定させることができる。
この単結晶の製造方法により得られる本発明の単結晶は、引き上げる過程において引き上げ速度の移動平均の変動が安定していることから、単結晶直径および品質のばらつきが低減される。
本発明の単結晶の製造方法による処理フロー例を説明する図である。 従来の単結晶の製造方法によりシリコン単結晶を得た場合における、引き上げ長(mm)と実績移動平均、目標移動平均およびその許容範囲の関係を示す図である。 本発明の単結晶の製造方法によりシリコン単結晶を得た場合における、引き上げ長(mm)と実績移動平均、目標移動平均およびその許容範囲の関係を示す図である。
以下に、本発明の単結晶の製造方法およびそれにより製造された単結晶を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の単結晶の製造方法による処理フロー例を説明する図である。同図で示す処理フローでは、S2〜S5の処理からなる移動平均方式と、S6の処理による直径方式とにより構成される。
本発明の単結晶の製造方法は、チョクラルスキー法により単結晶を引き上げる前に引き上げ長に対する引き上げ速度の目標値を設定し、引き上げる過程において、引き上げ速度の目標値および検出される単結晶の直径に応じ、引き上げ速度およびヒータ温度を操作することにより、単結晶の直径を制御する直径方式と(S6)、引き上げ速度を操作する際の上下限値を引き上げ速度の目標値に基づいて設定するとともに(S2)、引き上げ速度の目標値を速度の上下限値に基づいて修正することにより(S3)、引き上げ速度の移動平均を制御する移動平均方式を用いて単結晶を製造する方法であって、引き上げ速度の目標値から算出される移動平均(目標移動平均)、および引き上げ速度の実績から算出される移動平均(実績移動平均)に応じ、移動平均方式を有効または無効とすることを特徴とする(S1)。
直径方式と移動平均方式を用いるのは、前述の通り、移動平均方式で設定された速度の上下限値の範囲内で、直径方式により引き上げ速度を操作するとともに、引き上げ速度の目標値を算出された速度の上下限値に基づいて修正することにより、単結晶直径および引き上げ速度の移動平均を制御することができるからである。
従来の直径方式と移動平均方式を用いた単結晶直径および引き上げ速度の移動平均の制御では、実績移動平均と目標移動平均の差が大きくなった場合、引き上げ速度およびヒータ温度の操作量が増加する。それにともない引き上げ速度の目標値も大きく修正され、その結果、実績移動平均は目標移動平均を大きく超えて変動することとなる。これが原因となり、引き上げ速度の移動平均が許容範囲内で変動を繰り返す事態となる。
本発明の単結晶の製造方法は、目標移動平均および実績移動平均に応じて、移動平均方式を有効または無効とする。これにより、実績移動平均と目標移動平均の差が大きくなり、それに応じて引き上げ速度およびヒータ温度を操作した結果、実績移動平均が目標移動平均を大きく超えて変動する場合に移動平均方式を無効とすることができる。移動平均方式を無効とすることにより、速度の上下限値が設定されること、および引き上げ速度の目標値が修正されることがないので、実績移動平均が目標移動平均を超えて変動し難く、実績移動平均の変動を安定させることができる。
目標移動平均および実績移動平均に応じて、移動平均方式を有効または無効とするには、種々の方式を採用することができ、例えば、目標移動平均の変化割合(傾き)および実績移動平均の変化割合(傾き)の差が減少していく場合に無効とし、差が増大していく場合に有効とすることができる。
本発明の単結晶の製造方法は、目標移動平均および実績移動平均に応じて移動平均方式を有効または無効とするに際し、実績移動平均と目標移動平均の差の絶対値が閾値未満の場合に無効とし、実績移動平均と目標移動平均の差の絶対値が閾値以上の場合に有効とするのが好ましい。実績移動平均と目標移動平均の差の絶対値が閾値以上の場合に移動平均方式を有効とすることにより、単結晶直径を制御するとともに、実績移動平均を目標移動平均に近づけながら引き上げ速度の移動平均を制御することができる。
実績移動平均と目標移動平均の差の絶対値が閾値未満の場合には、実績移動平均が目標移動平均に沿って変動している場合と、実績移動平均と目標移動平均の差が大きくなった後に実績移動平均が目標移動平均に近づいて超えつつある場合とが考えられる。実績移動平均が目標移動平均に沿って変動している場合、移動平均方式を無効にしても問題は生じない。これは、移動平均方式は、直径方式において引き上げ速度を操作により実績移動平均が変動するのを制御するものであるから、実績移動平均が目標移動平均に沿って変動している場合は、移動平均方式の必要性は低く、無効としても得られる単結晶に直径や品質のばらつきが発生しないことによる。
一方、実績移動平均と目標移動平均の差が増大していく場合は、移動平均方式が有効であると、前述の通り、速度の上下限値が設定されるとともに、引き上げ速度の目標値が修正された結果、実績移動平均が目標移動平均に収束する方向へ変動し易い。実績移動平均が目標移動平均に近づいて超えつつある場合に移動方式を無効とすると、速度の上下限値が設定されること、および引き上げ速度の目標値が修正されることがないので、実績移動平均が目標移動平均に沿って変動し易い。これにより、実績移動平均が目標移動平均を大きく超えて変動し難くなり、実績移動平均の変動を安定させることができる。
したがって、目標移動平均および実績移動平均に応じて移動平均方式を有効または無効とするに際し、実績移動平均と目標移動平均の差の絶対値が閾値未満の場合に無効とし、実績移動平均と目標移動平均の差の絶対値が閾値以上の場合に有効とすることにより、容易に実績移動平均の変動を安定させることができる。
実績移動平均と目標移動平均の差が閾値未満または閾値以上であるかの判定は、下記(1)式を満たす場合に移動平均方式を有効とし、下記(2)式を満たす場合に移動平均方式を無効として行うことができる。
Ave_t1≦|SL_ACT_ave−SL_PF_ave| ・・・(1)
Ave_t1>|SL_ACT_ave−SL_PF_ave| ・・・(2)
ここで、実績移動平均をSL_ACT_ave(mm/min)、目標移動平均をSL_PF_ave(mm/min)、閾値をAve_t1(mm/min)とする。
閾値は、得られる単結晶の直径や、要求される品質によって適宜決定することができ、目標移動平均の0.2%〜0.6%とすることができる。
本発明の単結晶の製造方法は、引き上げ速度の目標値から移動平均を算出するに際し、引き上げ速度の目標値を目標移動平均とすることができる。引き上げ速度の目標値から目標移動平均を算出し、引き上げ速度の目標値と目標移動平均を分けて管理することもできるが、引き上げ速度の目標値を目標移動平均として用いても、実用上問題が生じないからである。
本発明の単結晶の製造方法は、移動平均方式で速度の上下限値を設定する際に、単結晶を引き上げる過程での引き上げ安定性を評価し(S4)、その評価に応じて速度の上下限値を変更する(S5)のが好ましい。これにより、実績移動平均が目標移動平均の許容範囲の上限または下限に沿って変動する場合に速度の上下限値を変更して広げ、効率よく実績移動平均を目標移動平均に近づけることができる。
引き上げ安定性を評価するに際し、評価指標として、検出された単結晶直径と目標とする単結晶直径との差異、単結晶直径の変動割合(傾き)、引き上げ速度の実績と引き上げ速度の上下限値との差、引き上げ速度の移動平均と引き上げ速度の目標値との差異、引き上げ速度の移動平均の変動割合(傾き)、ヒータ温度の実績と検出されたシリコン原料の温度との差異を評価区間で積算した値のうち、少なくとも1つの評価指標、または2つ以上の評価指標を用いるのが好ましい。
引き上げ安定性の評価は、評価指標のそれぞれについて、第1と第2の閾値を設定し、引き上げ安定性の評価指標のうち、いずれか1つの評価指標が第2の閾値を超過するか、あるいは3つ以上の評価指標が第1の閾値を超過した時に、引き上げ安定性が不安定状態であると判断し、それ以外の場合には引き上げ安定性が安定状態であると判断するのが好ましい。
本発明の単結晶は、前述の本発明の単結晶の製造方法により製造された単結晶である。本発明の単結晶は、引き上げる過程において引き上げ速度の移動平均の変動が安定していることから、単結晶直径および品質のばらつきが低減される。
本発明の単結晶の製造方法およびそれにより製造された単結晶の効果を確認するため、下記の試験を行った。
[試験条件]
前記図1に示す処理フローにより、シリコン単結晶を引き上げる過程において、引き上げ速度およびヒータ温度を操作し、シリコン単結晶を得た。
実施例において、移動平均は単純移動平均により算出し、目標移動平均は引き上げ速度の目標値をそのまま用いた。
移動平均方式を有効または無効とする際は、前記(1)式を満たす場合に移動平均方式を有効とし、前記(2)式を満たす場合に移動平均方式を無効とし、前記(1)および(2)式の閾値は目標移動平均の0.4%とした(S1)。
引き上げ速度を操作する際の上下限値は、下記(3)および(4)式により設定した(S2)。
δma_V_LL=((1−α)×PS_pf−PS_γ×γ/X)×(X/δ) ・・・(3)
δma_V_UL=((1+β)×PS_pf−PS_γ×γ/X)×(X/δ) ・・・(4)
ただし、δma_V_LL:引き上げ速度を操作する際の下限値(mm/min)
δma_V_UL:引き上げ速度を操作する際の上限値(mm/min)
PS_pf:現在の引き上げ長に対する引き上げ速度の目標値(mm/min)
α:引き上げ速度の目標値から移動平均の負方向の許容範囲を定める比
β:引き上げ速度の目標値から移動平均の正方向の許容範囲を定める比
X:引き上げ速度の移動平均を評価する引き上げ長(mm)
γ:現在から過去の引き上げ速度の移動平均を評価する引き上げ長(mm)
δ:現在から将来の引き上げ速度の移動平均を評価する引き上げ長(mm)
PS_γ:現在から過去γmm間の引き上げ速度の移動平均(mm/min)
ここで、引き上げ長X、γおよびδは、下記(5)式を満たすように設定した。
X=γ+δ ・・・(5)
引き上げ速度の目標値は、下記(6)〜(8)式により修正した(S3)。
PS_pf=(LP1×PS_LP1+LP2×(PS_pf+PS_pf_r))/(LP1+LP2) ・・・(6)
PS_pf_r=(PS_pf×(LP1+LP2)−LP1×PS_LP1)/LP2−PS_pf ・・・(7)
PS_pf_mod=PS_pf+PS_pf_r ・・・(8)
ただし、PS_pf:現在の引き上げ長に対する引き上げ速度の目標値(mm/min)
LP1:現在から過去の引き上げ速度の移動平均を評価する引き上げ長(mm)
LP2:現在から将来の引き上げ速度の移動平均を評価する引き上げ長(mm)
PS_LP1:現在から過去LP1mm間の引き上げ速度の移動平均(mm/min)
PS_pf_r:引き上げ速度の目標値の補正量(mm/min)
PS_pf_mod:修正後の引き上げ速度の目標値(mm/min)
引き上げ安定性の評価は、評価指標のそれぞれについて、第1と第2の閾値を設定し、引き上げ安定性の評価指標のうち、いずれか1つの評価指標が第2の閾値を超過するか、あるいは3つ以上の評価指標が第1の閾値を超過した時に、引き上げ安定性が不安定状態であると判断し、それ以外の場合には引き上げ安定性が安定状態であると判断した(S4)。引き上げ安定性の評価に用いた評価指標およびその閾値を表1に記す。
Figure 2011207642
比較例では、前記図1に示す処理フローにおいて、移動平均方式を有効または無効とする判定(S1)を行わず、常にS2〜S5からなる移動平均方式およびS6の直径方式の処理を行い、シリコン単結晶を引き上げた。
本発明例および比較例ともに、シリコン単結晶を引き上げる過程での引き上げ速度の実績の移動平均、引き上げ速度の目標値の移動平均およびその許容範囲をプロットした。
[試験結果]
図2は、比較例の単結晶の製造方法によりシリコン単結晶を得た場合における、引き上げ長(mm)と実績移動平均、目標移動平均およびその許容範囲の関係を示す図であり、図3は、本発明例の単結晶の製造方法によりシリコン単結晶を得た場合における、引き上げ長(mm)と実績移動平均、目標移動平均およびその許容範囲の関係を示す図である。
図2および図3から、比較例に比べ本発明例が、実績移動平均の傾きと目標移動平均の傾きの差が小さく、実績移動平均の変動の幅も小さい。したがって、本発明の単結晶の製造方法により引き上げ速度の移動平均の変動を安定化できることが明らかになった。
本発明の単結晶の製造方法は、直径方式と移動平均方式を用いて単結晶を引き上げる過程で、目標移動平均および実績移動平均に応じて移動平均方式を有効または無効とすることにより、引き上げ速度の移動平均の変動を安定させることができる。
この単結晶の製造方法により得られる本発明の単結晶は、引き上げる過程において引き上げ速度の移動平均の変動が安定していることから、単結晶直径および品質のばらつきが低減される。
したがって、本発明の単結晶の製造方法およびそれにより製造された単結晶を、シリコンウェーハの製造に適用すれば、製造歩留りを向上することができるとともに、高品質のシリコンウェーハを製造することができる。

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法により単結晶を引き上げる前に引き上げ長に対する引き上げ速度の目標値を設定し、
    引き上げる過程において、前記引き上げ速度の目標値および検出される前記単結晶の直径に応じ、引き上げ速度およびヒータ温度を操作することにより、前記単結晶の直径を制御する直径方式と、
    前記引き上げ速度を操作する際の上下限値を前記引き上げ速度の目標値に基づいて設定するとともに、前記引き上げ速度の目標値を前記上下限値に基づいて修正することにより、引き上げ速度の移動平均を制御する移動平均方式を用いて単結晶を製造する方法であって、
    前記引き上げ速度の目標値から算出される移動平均(目標移動平均)、および前記引き上げ速度の実績から算出される移動平均(実績移動平均)に応じ、前記移動平均方式を有効または無効とすることを特徴とする単結晶の製造方法。
  2. 前記目標移動平均および実績移動平均に応じて移動平均方式を有効または無効とするに際し、前記実績移動平均と前記目標移動平均の差の絶対値が閾値未満の場合に無効とし、前記実績移動平均と前記目標移動平均の差の絶対値が閾値以上の場合に有効とすることを特徴とする請求項1に記載の単結晶の製造方法。
  3. 前記移動平均方式で前記上下限値を設定する際に、前記単結晶を引き上げる過程での引き上げ安定性を評価し、その評価に応じて前記上下限値を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の単結晶の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の単結晶の製造方法により、製造されたことを特徴とする単結晶。
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