JP2011206364A - 炊飯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】玄米特有の種皮部分などを十分に柔らかくするために、玄米重量の2倍程度の水量かつ白米の2倍程度の炊飯時間をかけて炊飯したり、沸騰させる前に予熱工程を設けたりして食味の向上と炊飯時間の短縮を図っている。しかしながら、沸騰させる前に予熱工程を設けたとしても炊飯時間を白米と同等レベルまで短縮することは不可能である。また、玄米独特の粒の食感が残るため好き嫌いが分かれるという課題も有していた。
【解決手段】玄米に水を吸水させる前炊き工程と、玄米の糊化を促進する加熱工程を含む炊飯工程を有し、前記加熱工程において水を加える工程を設けたことにより、吸水と火通りが白米に比べて悪い玄米をヒートショックによって種皮を破り吸水と糊化をより一層進展させて、白米炊飯と同等レベルの炊飯時間と白米に近い食感を得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、玄米の吸水を促進して、炊飯時間の短縮を図る炊飯器に関するものである。
従来、この種の炊飯器は玄米重量の2倍程度の水量かつ白米の2倍程度の炊飯時間で十分に吸水を促進させ玄米特有の種皮部分などを十分に柔らかくした上で炊飯していた。また、沸騰させる前に一定温度で所定時間保持する予熱工程を設け、沸騰前の吸水を進めて沸騰状態を短時間化するものもある(例えば、特許文献1参照)。
図8は、特許文献1に記載された従来の炊飯器における各炊飯工程の温度特性図を示すものである。図8に示すように、沸騰工程前に60℃にて30分間保持する予熱工程を設けている。
特開2008−206541号公報
しかしながら、前記従来の構成では、予熱工程を設けたり炊飯時間を長くすることによって、玄米特有の種皮部分が熱により損傷を受けて亀裂が入り、玄米内部への吸水が促進され、また種皮部分なども柔らかくするものであるが、炊飯時間を白米と同等レベルまで短縮することは不可能である。また、吸水がまだ不十分で玄米独特の粒の食感が残ってしまうという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、玄米の吸水を促進して、炊飯時間を白米の炊飯時間と同等レベルまで短縮し、玄米独特の粒の食感を低減し白米に近い食感を得ることが出来る炊飯器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、玄米に水を吸水させる前炊き工程と、玄米の糊化を促進する加熱工程を含む炊飯工程を有し、前記加熱工程において水を加える工程を設けたものである。
これによって、100℃程度の高温の玄米に水が加えられて玄米の種皮がヒートショックによって破られて玄米内部に水が浸透し玄米の吸水と糊化がより一層進展するので、白米と同等程度の短時間で吸水と糊化を進めることが出来、炊飯時間の短縮化につながる。
また、種皮を積極的に破ることでより吸水と糊化を進めているため白米に近い食感を得ることが出来る。
また、本発明の炊飯器は、少なくとも前炊き工程、加熱工程を含む炊飯工程を行う炊飯制御部と、前記鍋内に水を加える加水手段とを備え、前記炊飯制御部は、前記加熱工程で前記加水手段によって水を加えることにより、前記加水手段による加水をしない場合と比較し、鍋内の玄米の吸水率を高めたものである。
これによって、100℃程度の高温の玄米に水が加えられて玄米の種皮がヒートショッ
クによって破られて玄米内部に水が浸透し玄米の吸水と糊化がより一層進展するので、白米と同等程度の短時間で吸水と糊化を進めることが出来、炊飯時間の短縮化につながる。
また、種皮を積極的に破ることでより吸水と糊化を進めているため白米に近い食感を得ることが出来る。
本発明の炊飯器は、玄米の種皮がヒートショックによって破られて玄米内部に水が浸透し玄米の吸水と糊化がより一層進展するので、白米と同等程度の短時間で吸水と糊化を進めることが出来、炊飯時間の短縮化につながると共に、種皮を積極的に破ることでより吸水と糊化を進めているため白米に近い食感を得ることが出来、従来白米しか食さない人でも気軽に玄米を食生活に加えることができる。
本発明の実施の形態1における炊飯器の断面図 本発明の実施の形態1における炊飯工程と従来炊飯における玄米炊飯工程と白米の炊飯工程の各工程の温度特性図 本発明の実施の形態1における炊飯方法で炊飯した玄米と、従来の炊飯方法で炊飯した玄米と、白米との食味比較図 本発明の実施の形態1における加熱工程で加える水量の違いによる炊飯工程における温度特性図 本発明の実施の形態1における加熱工程で加える水量の違いによる食味比較図 本発明の実施の形態1における炊飯工程と通常の玄米炊飯工程と従来の短時間玄米炊飯工程における積算電力量特性図 本発明の実施の形態1における加熱工程で加える水の温度の違いによる玄米の食味比較図 従来の炊飯器における各炊飯工程の温度特性図
第1の発明は、玄米に水を吸水させる前炊き工程と、玄米の糊化を促進する加熱工程を含む炊飯工程を有し、前記加熱工程において水を加える工程を設けたことにより、玄米の種皮がヒートショックによって破られて玄米内部に水が浸透し玄米の吸水と糊化がより一層進展するので、白米と同等程度の短時間で吸水と糊化を進めることが出来、炊飯時間の短縮化につながると共に、種皮を積極的に破ることでより吸水と糊化を進めているため白米に近い食感を得ることが出来、従来白米しか食さない人でも気軽に玄米を食生活に加えることができる。
第2の発明は、玄米と水が入れられる鍋と、前記鍋内に入れられた被調理物を加熱する加熱装置と、前記鍋内の被調理物の温度を検知する温度検知部と、前記温度検知部の検知温度に基づいて前記加熱装置の加熱動作を制御し、少なくとも前炊き工程、加熱工程を含む炊飯工程を行う炊飯制御部と、前記鍋内に水を加える加水手段とを備え、前記炊飯制御部は、前記加熱工程で前記加水手段によって水を加えることにより、前記加水手段による加水をしない場合と比較し、鍋内の玄米の吸水率を高めたことにより、玄米の種皮がヒートショックによって破られて玄米内部に水が浸透し玄米の吸水と糊化がより一層進展するので、白米と同等程度の短時間で吸水と糊化を進めることが出来、炊飯時間の短縮化につながると共に、種皮を積極的に破ることでより吸水と糊化を進めているため白米に近い食感を得ることが出来、従来白米しか食さない人でも気軽に玄米を食生活に加えることができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の加熱工程は、前炊き工程終了から水と玄米を沸騰温度まで加熱する炊き上げ工程と、沸騰から沸騰温度より高い温度に加熱する沸騰維持工程と、玄米の糊化をさらに促進し余分な水分を蒸発させる追い炊き工程からなり、前記沸騰維持工程において水を加えることにより、玄米が100℃以上に確実に昇温した後に水を加えるため玄米の種皮がヒートショックによって破られる割合が増えて、ヒートショックによって種皮が破られずに炊飯された玄米粒と種皮が破られて炊飯された玄米粒の混在による食感の悪化を防ぐことができるとともに、確実に玄米内部に水が浸透し玄米の吸水と糊化をより一層進展させることができ、炊飯後のどの部位の玄米を食したとしてもむらのない白米に近い食感を得ることができる。
第4の発明は、特に、第3の発明の沸騰維持工程において、玄米の温度が沸騰温度より高くなった後に水を加えることにより、玄米が100℃より高い温度に昇温した後に水を加えるため玄米の種皮がヒートショックによって破られる割合がさらに増えるとともに、水を加える前に残水がほぼ無いことから加えた水の温度が急激に上昇することがなく、玄米の種皮に対するヒートショックの効果を強めることができ、ヒートショックによって種皮が破られずに炊飯された玄米粒と種皮が破られて炊飯された玄米粒の混在による食感の悪化を防ぐことができるとともに、確実に玄米内部に水が浸透し玄米の吸水と糊化をより一層進展させ、炊飯後のどの部位の玄米を食したとしてもむらのない白米に近い食感を得ることができる。
第5の発明は、特に、第4の発明の沸騰維持工程において、玄米の温度が沸騰温度より高くなった後に水を加え、前記水と前記玄米を沸騰温度まで加熱する第2の炊き上げ工程と、沸騰から沸騰温度より高い温度に加熱する第2の沸騰維持工程と、玄米の糊化をさらに促進し余分な水分を蒸発させる第2の追い炊き工程を有することにより、水を加えた後にも炊飯工程を加えることで玄米の糊化がより促進され、より、むらのない白米に近い食感と良好な食味を得ることができる。
第6の発明は、特に、第4または第5の発明の沸騰維持工程において、玄米の温度が沸騰温度より高く、玄米が焦げることのない最高到達温度より低い温度の際に水を加えることにより、玄米を焦がすことなく残水の量を最小量にできるので、玄米の種皮に対するヒートショックの効果を強めることができ、ヒートショックによって種皮が破られずに炊飯された玄米粒と種皮が破られて炊飯された玄米粒の混在による食感の悪化を防ぐことができるとともに、確実に玄米内部に水が浸透し玄米の吸水と糊化をより一層進展させることができ、炊飯後のどの部位の玄米を食したとしてもむらのない白米に近い食感と良好な食味を得ることができる。
第7の発明は、特に、第1〜6のいずれか1つの発明の加熱工程で加える水量は、炊飯開始時の水量以下とすることにより、炊飯開始時と水を加えた後における玄米と水に加えられる熱量を最適化することができるので、玄米の吸水と加熱による糊化をより促進することができ、また、水を多く吸水し過ぎておかゆのような水っぽい食感になってしまう恐れがなく、再度沸騰させるまでに時間を要さないので、一時的に糊化の促進を止めてしまって温度むらも生じさせることもない。よって、炊飯後のどの部位の玄米を食したとしてもむらのない白米に近い食感と良好な食味を得ることができる。
第8の発明は、特に、第1〜7のいずれか1つの発明の炊飯開始時の水量と加熱工程で加える水量との合計水量は、前記加熱工程で水を加えずに玄米を炊飯する場合に使用する水量と同等になるようにしたことにより、炊飯開始時の水量を低減することで前炊き工程と沸騰維持工程での電力を低減することができ、加熱工程で水を加えた際に玄米の種皮が破られることで玄米の吸水が促進され蒸発水量が低減し電力が増加しないので、糊化に必要な電力を効率的に玄米に伝えることで炊飯電力を増やすことなく、炊飯時間の短縮を図
りながら炊飯後のどの部位の玄米を食したとしてもむらのない白米に近い食感と良好な食味を得ることができる。
第9の発明は、特に、第1〜8のいずれか1つの発明の加熱工程で加える水の温度を、調理後の玄米のできあがり状態に応じて調整できるようにした水温調整手段を有することにより、加熱工程で加える水の温度を高く設定することで、玄米と加える水の温度差が小さいためヒートショックにより玄米の種皮が破れる程度を小さくすることができ、玄米への吸水が進みすぎず膨らみが少ない固めの玄米を炊き上げることができ、加熱工程で加える水の温度を低く設定することで、玄米と加える水の温度差が多きいためヒートショックにより玄米の種皮が破れる程度を大きくすることができ、玄米への吸水がより進み十分に膨らんだ柔らかめの玄米を炊き上げることができるので、ユーザーが好みのできあがりに玄米を炊き分けることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器の断面図を示すものである。
図1において、炊飯器の本体1は着脱自在の鍋2を内装する。本体1には、その上面を覆う蓋3が開閉自在に配設されている。本実施の形態では後述する方法で、鍋2を誘導加熱し、鍋2内の被調理物たる玄米と水を加熱調理する。なお、鍋2を加熱する鍋加熱装置に代えて、鍋2内の被調理物にマイクロ波を照射して誘電加熱する方式でもよく、要は、鍋2内の被調理物を加熱することができる加熱装置であればよい。
本体1は、鍋2の底部を誘導加熱する鍋加熱手段4(誘導加熱コイルである)、鍋2の温度を検知する鍋温度検知手段5、加水手段6(水容器7、水加熱手段8、水温度検知手段9から成る)、および制御手段10を有する。蓋3は更に、鍋2の開口部を覆う加熱板11、加熱板11を誘導加熱する加熱板加熱手段12(誘導加熱コイルである)、加熱板11の温度を検知する加熱板温度検知手段13、加水手段6の水を鍋2内に導くためのポンプ14、水経路15を有する。なお、鍋温度検知手段により鍋内の被調理物の温度を検知することに代え、鍋2の上方から直接、鍋2内の被調理物の温度を検知する赤外線センサを設けてもよく、要は、被調理物の温度を検知できる構成であればよい。赤外線センサは、蓋3に鍋2の上方から被調理物を臨むことができるように取り付け、被調理物から発生する赤外線を受光し、受光した赤外線量により被調理物の温度を検知するようにしている。
加熱板11は、加熱板シールパッキン16が付いた着脱式の加熱板であり、蓋3の下面に取り付けられる。加熱板11は、中心部に蒸気孔17、端部に加水口18を有する。加熱板温度検知手段13は、加熱板11に圧接されて、加熱板の温度を検知する。
制御手段10は、回路基板(図示しない)に搭載されたマイクロコンピュータを有する。制御手段10(マイクロコンピュータ)はソフトウエアにより、ユーザーが操作パネル(図示しない)を介して入力する操作指令、鍋温度検知手段5、水温度検知手段9、加熱板温度検知手段13から入力される信号に基づき、あらかじめマイクロコンピュータに記憶された炊飯プログラムにより、鍋2、加水手段12、加熱板11の加熱制御を行う。制御手段10は、鍋加熱手段4、水加熱手段8、加熱板加熱手段12の加熱量を、各加熱手段の通電率及び/又は通電量によって制御する。また、制御手段10は、水温度検知手段9から入力される信号に基づき、あらかじめマイクロコンピュータに記憶された炊飯プログラムにより、ポンプ14の動作制御を行う。
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を説明する。
ユーザーが、炊飯を行う玄米とその玄米量に対応する水とを鍋2に入れ、本体1に内装する。更にユーザーが目的とする炊飯メニューを選び炊飯開始スイッチ(図示しない)を操作すると、炊飯工程が実施される。
炊飯工程は、玄米に水を吸水させる前炊き工程と、玄米の糊化を促進する加熱工程を含み、更に加熱工程は、時間順に、炊き上げ工程、沸騰維持工程、追い炊き工程に大別される。
前炊き工程において、制御手段10は、鍋2の温度が玄米の吸水に適した温度(60℃)になるように鍋加熱手段4を制御して鍋2を誘導加熱し、鍋2内の被調理物たる玄米と水とを加熱する。
次に、炊き上げ工程において、制御手段10は、鍋2の温度が所定値(100℃)になるまで鍋加熱手段4によって鍋2を所定の熱量で加熱する。この時の温度上昇速度によって、炊飯量の判定も行う。
沸騰維持工程において、制御手段10は、鍋2内の水が無くなり、鍋2内の温度が玄米が焦げない100℃を超えた所定値(例えば、130℃)になるまで、鍋加熱手段4及び加熱板加熱手段16に通電し、玄米と水を加熱し続ける。
制御手段10は、前炊き、炊き上げ、沸騰維持の各工程において、ユーザーが目的とする玄米の炊き上がり状態になるように水温度検知手段9からの信号をもとに水加熱手段8を制御し水容器7内の水の温度を所定温度に制御する。
沸騰維持工程において、鍋2の水が無くなり、鍋2の温度が100℃を超えた所定値になったことを鍋温度検知手段5が検知した後、予めマイクロコンピュータに記憶された炊飯プログラムにより、ポンプ14を動作させることで、水加熱手段8で温度制御された水容器7内の水が、水経路15を通って加水口18から鍋内に投入される。
鍋2内に水が投入されることで、鍋2内に水が満たされ鍋内温度は低下し再び前炊き状態になる。そこで、第2の炊き上げ工程を実施し、鍋2の温度が所定値(100℃)になるまで鍋加熱手段4によって鍋2を所定の熱量で加熱する。
第2の沸騰維持工程において、鍋2内の水が無くなり、鍋2内の温度が玄米が焦げない100℃を超えた所定値になるまで、鍋加熱手段4及び加熱板加熱手段16に通電し、玄米と水を加熱する。
最後に追い炊き工程において、一定時間の間に複数回、炊飯量に応じた鍋加熱手段4及び加熱板加熱手段12による加熱(追い炊き)と加熱の停止(休止)を繰り返す。
図2は、本発明の第1の実施の形態における炊飯工程と従来炊飯における玄米炊飯工程と白米の炊飯工程の各工程の温度特性図を示したものであり、前炊き工程、炊き上げ工程、沸騰維持工程、追い炊き工程からなっている。横軸を経過時間、縦軸を玄米温度として、各工程における加熱の一例を示したものである。本実施の形態における炊飯工程を実線、従来炊飯における玄米炊飯工程を長破線、従来炊飯における白米の炊飯工程を短破線で示している。また、本実施の形態における前炊き工程、炊き上げ工程、沸騰維持工程、追い炊き工程の各工程も図内に示している。
図2に示すように、本実施の形態では、沸騰維持工程において100℃超の高温の玄米に水が加えられて温度が急降下しており、このヒートショックによって玄米の種皮が破られ加熱を継続することで、玄米内部に水が浸透し玄米の吸水と糊化がより一層進展する。
更に、水を加える前に残水がほぼ無いことから加えた水の温度が急激に上昇することがなく、ヒートショックの効果を強めることができる。
また、水と玄米を沸騰温度まで加熱する第2の炊き上げ工程と、沸騰から沸騰温度より高い温度に加熱する第2の沸騰維持工程と、玄米の糊化をさらに促進し余分な水分を蒸発させる第2の追い炊き工程を有し、玄米を高速に炊き上げることにより、水を加えた後にも第2の炊飯工程を加えることで玄米の糊化がより促進される。
更に、玄米が焦げることのない最高到達温度以下で、水が加えられているので、玄米を焦がすことなく残水の量を最小量にすることができ、良好な食味を得ることができる。
これによって、従来のように時間をかけて吸水と糊化を進めていたものが白米と同等程度の短時間で吸水と糊化を進めることが出来、炊飯時間の短縮化につながる。
図3は、本発明の第1の実施の形態における炊飯方法で炊飯した玄米と、従来の炊飯方法で炊飯した玄米と、白米との食味比較(評価人数10名)を行ったものを示したものである。縦軸に柔らかさと粘りの程度が最も大きい場合を100として0〜100の範囲で示した。
図3に示すように、本実施の形態では、種皮を積極的に破ることでより吸水と糊化を進めているため白米に近い食感を得ることが出来ており、従来白米しか食さない人でも気軽に玄米を食生活に加えることができると考えられる。
従って、白米炊飯と同等レベルの炊飯時間で、白米に近い食感を得ることができるものであることがわかる。また、ヒートショックによって種皮が破られずに炊飯された玄米粒と種皮が破られて炊飯された玄米粒の混在による食感の悪化を防ぐことができるとともに、確実に玄米内部に水が浸透し玄米の吸水と糊化をより一層進展させることができる。よって、炊飯後のどの部位の玄米を食したとしてもむらのない白米に近い食感を得ることができるものである。
図4は、本発明の第1の実施の形態における加熱工程で加える水量の違いによる炊飯工程における温度特性図、図5は、本発明の第1の実施の形態における加熱工程で加える水量の違いによる食味比較を示したものである。なお、双方の炊飯開始時に加える水量と加熱工程で加える水量の合計は同等とした。本実施の形態における炊飯工程を実線、比較例における炊飯工程を破線で示し、比較例は、本実施の形態より加熱工程で加える水量を多くしている。
図4、図5に示すように、炊飯開始時に加える水の量より加熱工程で加える水の量の方が多い場合には、ヒートショックによって種皮が破られた際に水を多く吸水し過ぎておかゆのような水っぽい食感になっている。また、再度沸騰させるまでに時間を多く要した場合、一時的に糊化の促進を止めてしまうことになり温度むらも生じやすいため、食味に悪影響を与える。
よって、加熱工程で加える水量は、炊飯開始時の水量と同等か少なくなるようにすることで、炊飯後のどの部位の玄米を食したとしてもむらのない白米に近い食感と良好な食味を得ることができるものである。
図6は本発明の第1の実施の形態における炊飯工程と通常の玄米炊飯工程と従来の短時間玄米炊飯工程における積算電力量を示したものであり、横軸を経過時間、縦軸を積算電力量として、各工程における加熱の一例を示したものである。本実施の形態における炊飯工程を実線、通常の玄米炊飯工程を短破線、従来の短時間玄米炊飯工程を長破線で示している。
図6に示すように、本実施の形態における炊飯工程の積算電力量は、従来の短時間玄米炊飯工程の積算電力量より少なく、通常の玄米炊飯工程の積算電力量とほぼ同等であることがわかる。
従って、加熱工程で水を加えずに玄米を炊飯する場合に使用する水量と同等になるようにすることにより、電力を増やすことなく炊飯できていることが分かる。従来の短時間玄米炊飯では、玄米に水を十分に吸水させる時間がないため沸騰維持工程において加熱量を増やすことで吸水と糊化を促進させているため電力量が多いのに比して、本実施の形態では、炊飯開始時の水量を低減することで前炊き工程と沸騰維持工程での電力を低減することができ、沸騰維持工程で水を加えた際に玄米の種皮が破られることで玄米の吸水が促進され蒸発水量が低減し電力が増加することがないのである。
よって糊化に必要な電力を効率的に玄米に伝えることで炊飯電力を増やすことなく、炊飯時間の短縮を図りながら炊飯後のどの部位の玄米を食したとしてもむらのない白米に近い食感と良好な食味を得ることができるものである。
図7は、本発明の第1の実施の形態における加熱工程で加える水の温度の違いによる玄米の食味をまとめたものである。本実施の形態と、本実施の形態より加水温度が20℃低い場合と、20℃高い場合との食味評価を比較している。
図7に示すように、加水温度が低い程、柔らかさ、粘りともに評価指数が高くなっていることがわかる。即ち、加熱工程で加える水の温度が高いと、玄米と加える水の温度差が小さいためヒートショックが小さく、玄米の種皮が破れる程度を小さくなって、玄米への吸水が進みすぎず膨らみが少ない固めの玄米が炊き上がる。一方、加熱工程で加える水の温度が低いと、玄米と加える水の温度差が大きいためヒートショックも大きく、玄米の種皮が破れる程度を大きくすることができ、玄米への吸水がより進み十分に膨らんだ柔らかめの玄米が炊き上がる。
よって、加熱工程で加える水の温度を任意に調整できるようにすることにより、ユーザーが好む玄米に炊き分けることができ、固めの玄米を好みとする場合には、加水温度を高く設定し、柔らかめの玄米を好みとする場合には、加水温度を低く設定すればよい。
尚、ユーザーが自ら玄米の固さと加水温度の相関関係を理解して、加水温度の設定をするようにしてもよいが、表示上は「固め・ふつう・柔らかめ」などと選択式にして、ユーザーが選んだ項目に合わせて、加水温度を自動で設定するようにするのがよりユーザーフレンドリーである。
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、白米と同等程度の短時間で吸水と糊化を進めることが出来、炊飯時間の短縮化につながると共に、白米に近い食感を得ることが出来るので、他の調理機器等の用途にも適用できる。
1 本体
2 鍋
3 蓋
4 鍋加熱手段
5 鍋温度検知手段
6 加水手段
7 水容器
8 水加熱手段
9 水温度検知手段
10 制御手段
11 加熱板
12 加熱板加熱手段
13 加熱板温度検知手段
14 ポンプ
15 水経路
16 加熱板シールパッキン
17 蒸気孔
18 加水口

Claims (9)

  1. 玄米に水を吸水させる前炊き工程と、玄米の糊化を促進する加熱工程を含む炊飯工程を有し、前記加熱工程において水を加える工程を設けた炊飯器。
  2. 玄米と水が入れられる鍋と、前記鍋内に入れられた被調理物を加熱する加熱装置と、前記鍋内の被調理物の温度を検知する温度検知部と、前記温度検知部の検知温度に基づいて前記加熱装置の加熱動作を制御し、少なくとも前炊き工程、加熱工程を含む炊飯工程を行う炊飯制御部と、前記鍋内に水を加える加水手段とを備え、前記炊飯制御部は、前記加熱工程で前記加水手段によって水を加えることにより、前記加水手段による加水をしない場合と比較し、鍋内の玄米の吸水率を高めた炊飯器。
  3. 加熱工程は、前炊き工程終了から水と玄米を沸騰温度まで加熱する炊き上げ工程と、沸騰から沸騰温度より高い温度に加熱する沸騰維持工程と、玄米の糊化をさらに促進し余分な水分を蒸発させる追い炊き工程からなり、前記沸騰維持工程において水を加える請求項1または2に記載の炊飯器。
  4. 沸騰維持工程において、玄米の温度が沸騰温度より高くなった後に水を加える請求項3に記載の炊飯器。
  5. 沸騰維持工程において、玄米の温度が沸騰温度より高くなった後に水を加え、前記水と前記玄米を沸騰温度まで加熱する第2の炊き上げ工程と、沸騰から沸騰温度より高い温度に加熱する第2の沸騰維持工程と、玄米の糊化をさらに促進し余分な水分を蒸発させる第2の追い炊き工程を有する請求項4に記載の炊飯器。
  6. 沸騰維持工程において、玄米の温度が沸騰温度より高く、玄米が焦げることのない最高到達温度より低い温度の際に水を加える請求項4または5に記載の炊飯器。
  7. 加熱工程で加える水量は、炊飯開始時の水量以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の炊飯器。
  8. 炊飯開始時の水量と加熱工程で加える水量との合計水量は、前記加熱工程で水を加えずに玄米を炊飯する場合に使用する水量と同等になるようにした請求項1〜7のいずれか1項に記載の炊飯器。
  9. 加熱工程で加える水の温度を、調理後の玄米のできあがり状態に応じて調整できるようにした水温調整手段を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の炊飯器。
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