JP2011204920A - 受光素子、受光素子アレイ、ハイブリッド型検出装置、光学センサ装置、および受光素子アレイの製造方法 - Google Patents

受光素子、受光素子アレイ、ハイブリッド型検出装置、光学センサ装置、および受光素子アレイの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、近赤外域に高い受光感度を持つ、受光素子アレイ等、光学センサ装置、および受光素子アレイの製造方法を提供する。
【解決手段】 受光素子アレイ55は、InP基板1上に位置するn型バッファ層2と、タイプ2型のMQWからなる受光層3と、受光層の上に位置するコンタクト層5と、受光層3を経てn型バッファ層2に至るp型領域6とを備え、選択拡散によるp型領域は、隣の受光素子におけるp型領域とは、選択拡散されていない領域により隔てられており、n型バッファ層内において、p型領域のp型キャリア濃度と該バッファ層のn型キャリア濃度との交差面がpn接合15を形成していることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、近赤外域光を対象とする、受光素子、受光素子アレイ、ハイブリッド型検出装置、光学センサ装置、および受光素子アレイの製造方法に関するものである。
近赤外域は、動植物などの生体や環境に関連した吸収スペクトル域に対応するため、受光層にIII−V族化合物半導体を用いた近赤外光の検出器の開発が盛んに行われている。たとえば受光層にExtended−InGaAsを用いることで波長2.6μmまで感度を持たせた受光素子アレイに、読み出し回路(ROIC:Read-out IC)であるCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)を接続して、光電荷を出力信号に変換する検出器の例が発表されている(非特許文献1)。その受光素子アレイでは、入射光によって発生する電子/正孔対の電子を共通のn側電極に集合的に集め、正孔を画素電極であるp側電極からCMOSへ読み出している。
また受光層にInGaAs/GaAsSbのタイプ2型の多重量子井戸構造(MQW:Multi-Quantum Wells)を用い、画素領域をp型としたpin型フォトダイオードについて、波長2.5μmまで感度を持つことが報告されている(非特許文献2)。また波長3μmまでの近赤外光を受光するタイプ2型InGaAs/GaAsSbのMQWの結晶性を良好にするために、積層構造および製造方法について提案がなされている(特許文献1)。
また、上記のInGaAs/GaAsSbのタイプ2型MQWを、ドーピングしないで成長させると、n導電型になることが報告されている(非特許文献3、4)。このような場合、pin型というよりはn型フォトダイオードと呼ぶべきかもしれないが、通常は、この場合もpin型フォトダイオードの範疇に入れている。
上記のpin型フォトダイオードは、豊富なデータ蓄積のあるp型不純物のZnを用いて、各受光素子に、容易にp型領域を形成して、上記のpin型フォトダイオードを得ることができる。
特開2009−206499号公報
高橋秀夫ら「近赤外用InGaAs光検出器」,OPTRONICS(1997),No.3, pp.107-113 R.Sidhu,N.Duan, J.C.Campbell, and A.L.Holmes, Jr.," A 2.3μmcutoff wavelength photodiode on InP using lattice-matched GaInAs-GaAsSb type IIquantum wells"2005 International Conference on IndiumPhosphide and Related Materials J.F.Klem, S.R.Kurtz,"Growth and properties of GaAsSb/InGaAs superlattices on InP", Journal of Crystal Growth, Vol.111,628(1991) T.Higashino,Y.Kawamura, M.Fujimoto, M.Amano, T.Yokoyama, N.Inoue,"Propertiesof In0.53Ga0.47As/GaAs0.5Sb0.5 type II multiple quantum well structures grownon (111)B InP substrates by molecular beam epitaxy",Journal of Crystal Growth, Vol.243,8(2002)
しかし、上記の非特許文献1の近赤外用InGaAs光検出器(イメージセンサ)では、InP基板に格子整合しない組成のInGaAsを受光層としているため、暗電流が大きくなりノイズが大きい。バッファ層によって徐々に歪みを緩和するなどの工夫をしているが、限界がある。このノイズを低減してS/N比を実用可能なレベルまで改善しようとすると冷却装置が必要になり、大掛かりとなる。また、InGaAs受光層上にエピタキシャル成長させる窓層には、InP等を用いることができず、たとえばInGaAs受光層に格子整合するInAsP(As/Pはほぼ0.6/0.4)を窓層に用いると、InAsPは波長1〜1.5μmに吸収帯があるため、表面入射でも裏面入射でも、この波長域に対する感度は小さくなる。
また、特許文献1、非特許文献2〜4の受光素子については、これまで、アレイ化して検出装置とした例はなく、ましてアレイ化された検出装置の感度などの測定がなされた例はない。
本発明は、近赤外域に高い受光感度を持つ、受光素子、受光素子アレイ、ハイブリッド型検出装置、光学センサ装置、および受光素子アレイの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の受光素子では、化合物半導体の基板上に、複数の受光素子が配列されている。この受光素子アレイは、基板上に位置するn型バッファ層と、n型バッファ層上に位置する、タイプ2型の多重量子井戸構造からなる受光層と、受光層の上に位置するコンタクト層と、受光素子ごとに位置する、コンタクト層表面から受光層を経てn型バッファ層に至るp型領域とを備える。p型領域は、p型不純物が深さ方向に選択拡散によって形成されており、隣の受光素子におけるp型領域とは、選択拡散されていない領域により隔てられており、n型バッファ層内において、p型領域のp型キャリア濃度と該バッファ層のn型キャリア濃度との交差面がpn接合を形成していることを特徴とする。
MQWでは、対をなす2種類の化合物半導体層が、複数、積層されている。タイプ2型MQWでは、一方の化合物半導体層(a層)は、他方の化合物半導体層(b層)よりも、価電子帯および伝導帯が、高い。ただし、両方のフェルミ準位が一致することから、a層の価電子帯よりはb層の伝導帯のほうが高いエネルギ準位を有する。タイプ2型MQWでは、受光のとき、a層の価電子帯に位置する電子が入射光を吸収してb層の伝導帯に励起される。この結果、a層の価電子帯に正孔が生じ、b層の伝導帯に当該励起された電子が位置する。このように、a層の価電子帯の電子がb層の伝導帯に励起されることで、より低エネルギ(より長波長)の入射光を受光することができる。
本発明における受光素子アレイでは、電子をn側電極に集めながら上記の正孔をコンタクト層表面に設けられたp側電極に集めて受光情報を得る。このため、MQW内で生じた正孔をコンタクト層表面まで移動させなければならない。しかし、MQWの価電子帯には多数の井戸障壁があるため、p側電極に到達する前に、途中で消滅するものが多かった。このため、たとえば基板の裏面から入射して、基板に近い位置のMQW内での受光によって生じた正孔は、相当多くの割合がp側電極に到達せず、この結果、受光感度が低下していた。MQW内の価電子帯を、a層からb層へと移動するには、a層の価電子帯トップのエネルギと、b層の価電子帯トップのエネルギとの差ΔEvを上がる必要がある。このエネルギ障壁ΔEvを越えなければ、正孔はa層からb層へと移動できない。
なお、バンド模型は電子に対して作成されるので、正孔については各帯(バンド)の上下は逆になる。したがって、a層の価電子帯トップは、正孔にとっては量子井戸内のボトムになる。
従来の受光素子等では、受光素子等はpin型フォトダイオードとして構成されていた。すなわち、p型領域のコンタクト層/i型(またはn型)受光層/n型バッファ層(またはn型基板)、の積層構造を有していた。i型受光層の場合、受光層には、正孔は存在しない。また、n型受光層の場合は、不純物由来の電子は受光層の伝導帯に存在するかもしれないが、正孔は存在しない。このため、a層の価電子帯とb層の価電子帯とで形成されるa層における正孔に対する量子井戸は、そのまま正孔にとって正味の量子井戸障壁となっていた。この結果、逆バイアス電界による駆動力を加えられたとしても、正孔のMQW内の移動を難しくしていた。
上記の本発明の構成によれば、受光素子アレイの画素を構成するp型領域は、受光層を経てバッファ層にまで届いている。すなわちMQWはp型化されている。このため、MQWのa層の価電子帯において、少なくとも低エネルギレベルの準位は、p型不純物由来の正孔に占有される。正孔は、エネルギの低い準位から占めてゆくので、a層の価電子帯における正孔の基底準位(電子に対しては、価電子帯のトップの準位)から順に高いほうに準位を占めてゆく。p型不純物を適切な範囲にすれば、正孔はa層の価電子帯の低エネルギレベルの準位に限定されて該準位を占有する。このため、受光によって生じた正孔にとって、a層の価電子帯のボトムはp型不純物由来の正孔に埋められて底上げされることになる。すなわち受光によって生じた正孔にとって、p型不純物由来の正孔は踏み台になり、a層とb層との価電子帯のエネルギ差ΔEvは小さく感じられる(実質的に小さくなる)。このため、受光によってa層に生じた正孔は、比較的容易に隣のb層の価電子帯に移動することができる。そして、受光位置からp側電極まで、非常に多数の量子井戸を通る場合でも、正孔は消滅しないようになる。その結果、高い受光感度を確保することができる。
また、メサエッチング等をすることなく独立した受光素子を形成することができるので、暗電流を低くすることができる。また、生体成分等の吸収帯が位置する近赤外域において高い感度を確保できるので、これら生体成分等の検出精度を高くすることができる。
なお、電子に対するバンドを用いて正孔の状態を論じる場合、字義に拘泥すれば解釈が混乱する箇所が生じるかもしれないが、どのような場合においても、前後の文脈から明らかな本発明の趣旨に添って解釈すべきである。
受光層およびコンタクト層は、p型領域以外はn型であり、p型領域は周囲をn型領域で囲まれるようにできる。これによって、各画素の分離を確実にして、画素間で混信等が生じないようにできる。また、周囲をi型領域で囲まれる場合よりも画素分離のための画素間の距離を小さくすることができ、小型化に有益である。
多重量子井戸構造の受光層におけるp型領域のp型キャリア濃度を、5e15cm−3以上、かつ1e17cm−3以下とすることができる。p型キャリア濃度が5e15cm−3未満ではMQWにおけるa層の価電子帯への正孔の配置が不充分であり、p型キャリア濃度が1e17cm−3より大きいとMQWの結晶性を損なう。p型キャリア濃度を上記の範囲にすることによって、MQWにおけるa層の価電子帯にp型不純物由来の正孔を配置して底上げしながら、MQWの結晶性を損なわないようにできる。
n型バッファ層のn型キャリア濃度を、1e15cm−3以上、5e15cm−3以下とすることができる。これによって、pn接合をバッファ層内に設けながら、バッファ層の純度を保ってpin型フォトダイオードを形成することができる。キャリア濃度が5e15cm−3を超えると純度的にpin型フォトダイオードを形成できない。また、p型キャリア濃度が1e15cm−3未満では、pn接合をバッファ層内に安定して配置することが難しくなり、バッファ層を突き抜けてInP基板にpn接合ができるリスクが増大する。
なお、バッファ層は、フォトダイオードの部分としてはi型部分とみることができる。以後の説明においても、バッファ層は、そのキャリア濃度が低いこともあり、フォトダイオードのi型部分として説明する。
n型バッファ層の厚みを1μm以上、6μm以下とすることができる。バッファ層の厚みが1μm未満では、pn接合を安定してバッファ層にとどめて形成することが難しく、InP基板内に形成されてしまうリスクが高くなる。また、バッファ層の厚みが6μmを超えると、バッファ層が厚くなり、バイアス電圧を通常のレベルにすると、MQWにおいて空乏層が広がらず、受光感度が低下する。
基板の裏面から光入射するように構成することができる。たとえば、基板の裏面に反射防止膜(AR膜)を配置して、基板裏面入射とすることができる。これによって、ハイブリッド型検出装置等を容易に組み立てることができる。
基板と逆側のコンタクト層側から光入射するように構成して、多重量子井戸構造の受光層の厚みを2μm以上とすることができる。これによって、コンタクト層入射の場合でも、大きな受光層厚みによって高い受光感度を得ながら、上記p型不純物由来の正孔による底上げ効果によって、受光で生成した正孔の多くを信号形成に寄与させることができる。
化合物半導体の基板をInP基板とし、かつ受光層を構成するタイプ2型のMQWを、(GaAsSb/InGaAs)、(GaAsSb/InGaAsN)、(GaAsSb/InGaAsNSb)、および(GaAsSb/InGaAsNP)のうちのいずれか1つの繰り返しとすることができる。これによって、近赤外域の長波長に感度を持つ近赤外用受光素子アレイを得ることができる。とくにInGaAsに窒素を含むInGaAsN等を用いるか、または歪み補償型MQWを用いることで、波長3μm付近まで受光感度を持たせることができる。
上記の場合、上述のa層がGaAsSb層であり、b層がInGaAs層となる。p型不純物由来の正孔による底上げ効果がないと、p側電極まで多くの量子井戸が介在する場合、受光で生成した正孔の多くは途中のMQW内で消滅する。
コンタクト層を被覆するように位置し、p型領域に開口部を有する選択拡散マスクパターンを備えることができる。コンタクト層上に配置した上記の選択拡散マスクパターンを用いてp型不純物を選択拡散すると、p型不純物は開口部から厚み方向に拡散するとともに、横方向にも少し広がる。すなわち平面的に見て、コンタクト層表面において開口部よりも広い範囲にp型領域が形成される。このため、p型領域を選択拡散によって形成したあと、コンタクト層表面において、p型領域と、選択拡散されない領域との境界は、マスク部の幅が上記の範囲内であれば、そのマスク部に被覆される。上記境界は、ひとたび選択拡散マスクパターンが除去され、マスク部の被覆が外されると、表面準位が形成され、暗電流増大の原因となる。上記の表面準位は、いちど形成されると、その部分を除去しながら被覆をするという曲芸のような処理をしないと当該表面準位のないものを形成することはできない。選択拡散マスクパターンをそのまま残すしか、事実上、表面準位のない受光素子アレイを製造する方策はないといってよい。
コンタクト層上の選択拡散マスクパターンは、SiN等で形成されるが、単なるパッシベーション膜もSiNで形成される場合もあるので、選択拡散マスクパターンとして用いられたものか否かは、(1)p型領域のコンタクト表面での開口部縁からの広がり代、または、(2)そのキャップ層に接する膜にZn等のp型不純物が含まれているか、を検査することで特定することができる)。
本発明のハイブリッド型検出装置は、上記のいずれかの受光素子アレイと、シリコンに形成された読み出し回路とを備える。このハイブリッド型検出装置では、受光素子アレイのp側電極ごとに、読み出し回路の読出電極とが導電接続されていることを特徴とする。
これによって、精度の高い検出装置を経済的に得ることができる。
上記のハイブリッド型検出装置では、受光素子アレイにおける基板の裏面から光を入射することができる。受光素子アレイが一次元の場合は、コンタクト層入射でも読み出し回路の電極等への配線を干渉なく設けることができるが、二次元アレイの場合は、基板入射が必然となる。基板入射の場合、基板裏面から入射された光はすぐに受光層内の基板に近い位置で受光され、生じた正孔は信号形成に寄与するには、p側電極に到達するまでに多数の量子井戸を横断しなければならない。上記の受光素子アレイは、このような実装姿勢でも、受光で生じた正孔はMQWを通って、p側電極に到達して信号形成に寄与することができる。
本発明の光学センサ装置は、上記のいずれかの受光素子、いずれかの受光素子アレイ、またはいずれかのハイブリッド検出装置を用いたことを特徴とする。これによって、回折格子などの光学素子と組み合わせることで、近赤外域に高い感度を有する光学センサ装置を得ることができる。
上記の光学センサ装置は、光学素子、たとえば分光器、レンズ等の光学系と組み合わせたものであり、波長分布測定を遂行したり、撮像装置として用いたり、多くの有用な実用製品を得ることができる。また、当然、マイコンなど制御装置と組み合わせることが多くなる。上記の光学センサ装置の具体例としては、(i)視界支援もしくは監視をするための撮像装置、(ii)生体成分検査装置、水分検査装置、食品品質検査装置、などの検査装置、(iii)燃焼ガスの成分把握などのためのモニタリング装置、などを挙げることができる。要は、上記の受光素子、受光素子アレイ、もしくはハイブリッド型検出装置と、レンズ、フィルタ、光ファイバ、回折格子、分光レンズなどの光学素子とを組み合わせた装置であれば何でもよい。画面表示や判定をする場合は、さらにマイコンや画面表示装置が加わる。
本発明の受光素子は、化合物半導体の基板上に形成されている。この受光素子は、基板上に位置するn型バッファ層と、n型バッファ層上に位置する、タイプ2型の多重量子井戸構造からなる受光層と、受光層の上に位置するコンタクト層と、コンタクト層表面から受光層を経てn型バッファ層に至るp型領域とを備える。p型領域は、コンタクト層表面からp型不純物が深さ方向に選択拡散によって形成されており、周囲とは選択拡散されていない領域により隔てられており、n型バッファ層内において、p型領域のp型キャリア濃度と該n型バッファ層のn型キャリア濃度との交差面がpn接合を形成していることを特徴とする。
上記の構成によって、受光素子アレイにおける上述の機構によって、近赤外域の長波長域に高い感度を有するフォトダイオードを得ることができる。
本発明の受光素子アレイの製造方法は、化合物半導体の基板上に、受光素子が配列された受光素子アレイを製造する。この製造方法は、化合物半導体基板上に、バッファ層を成長する工程と、バッファ層上に、タイプ2型のMQWの受光層を成長する工程と、受光層の上にコンタクト層を成長する工程と、コンタクト層上に、受光素子ごとにp型不純物を選択的に拡散してp型領域を形成するために、開口部を有する選択拡散マスクパターンを形成する工程と、選択拡散マスクパターンの開口部からp型不純物を選択拡散して、コンタクト層表面から受光層を経てバッファ層に至るp型領域を形成する工程とを備えることを特徴とする。
上記の方法によって、基板入射としても受光感度を確保でき、暗電流の低い受光素子アレイを簡単に製造することができる。
上記の基板をInP基板とし、タイプ2型の多重量子井戸構造を、(GaAsSb/InGaAs)、(GaAsSb/InGaAsN)、(GaAsSb/InGaAsNSb)、および(GaAsSb/InGaAsNP)のうちのいずれか1つの繰り返しとして、p型不純物を選択拡散する工程では、容器中に、選択拡散マスクパターンを設けられた、製造途中の受光素子アレイと、固体状の亜鉛と、赤燐とを封入して、500℃〜650℃の範囲に加熱することができる。これによって、p型不純物のZnを簡単に選択拡散によって導入して、受光素子ごとにp型領域を形成することができる。赤燐を入れるのは、脱燐を防止するためであり、選択拡散を高温域で行うために、燐化亜鉛より脱燐作用が大きい赤燐を単独で用いる。亜鉛線は亜鉛の選択拡散のためである。
本発明の受光素子アレイ等によれば、タイプ2型のMQWを受光層に用いて近赤外域の長波長域を対象に、受光で発生する電子/正孔対のうち電子はn側電極に集め、移動度が小さい正孔については、MQWの全厚みをp型化することで効率よくp側電極に到達させ、基板入射でもコンタクト層入射でも、良好な受光感度を持つことができる。
本発明の実施の形態1における受光素子の断面図である。 図1に示す受光素子が配列された受光素子アレイを示す断面図である。 図2に示す受光素子アレイの平面図である。 図2に示す受光素子アレイと、CMOSとを組み合わせて形成したハイブリッド型検出装置を示す断面図である。 タイプ2型のGaAsSb/InGaAsMQWで構成される受光層のバンド図であり、(a)は、p型不純物の選択拡散によりp型化されたMQWのバンド、(b)は、真性半導体またはn型半導体で構成されたMQWのバンド、である。 本発明の実施の形態1におけるp型不純物の選択拡散方法を説明するための図である。 図2に示す受光素子アレイの変形例であり、本発明の一つの実施の形態である。 図4に示すハイブリッド型検出装置の変形例であり、本発明の一つの実施の形態である。 本発明の実施例における、選択拡散されたZnの深さ方向濃度分布を示す図である(本発明例および比較例)。 本発明の実施の形態2における光学センサ装置である撮像装置または視界支援装置を示す図である。 自動車の夜間後方の視界支援装置を示す図である。 本発明の実施の形態3における光学センサ装置である生体成分検出装置を示す図である。 本発明の実施の形態4における光学センサ装置である、生体中の水分検出装置(眼の水分布像形成装置)を示す図である。 本発明の実施の形態5における光学センサ装置である、ごみの燃焼炉においてごみの温度分布を得るための温度分布測定装置である。 図14における温度分布撮像装置を示す図である。 ごみ燃焼炉における近赤外スペクトルを示す図である。 水の吸収スペクトルを示す図である。 本発明前の受光素子を示す図である。 本発明前のタイプ2型MQWを受光層とした受光素子のエネルギバンドを示し、(a)は基板入射、(b)はコンタクト層入射、の場合である。
<本発明前のハイブリッド型検出装置における問題>
ここで説明する、近赤外域用のタイプ2型MQWを受光層とする本発明前の最新技術におけるハイブリッド型検出装置についての問題は未だ知られていない。
図18は、本発明前の最新技術における受光素子150を示す図である。受光素子150は次の積層構造を有する。
n型InP基板101/n型InP(またはInGaAs)バッファ層102/受光層103(InGaAs/GaAsSb)のタイプ2型MQW/InGaAs拡散濃度分布調整層104/InPコンタクト層105
光はInP基板101側から入射される。以下、基板入射と呼ぶ。これに対して、コンタクト層105の側からの入射をコンタクト層入射と呼ぶ。受光素子150またはフォトダイオードは、InPコンタクト層105の表面から選択拡散によって導入されたp型領域106の先端に位置するpn接合115を備え、選択拡散されていない領域によって端面から隔てられている。
受光素子のp側電極または画素電極111は、p型領域106にオーミック接触するように配置され、グランド電極112は、n型InP基板101にオーミック接触するように配置される。
受光の際には、pn接合115に逆バイアス電圧、すなわち画素電極111とグランド電極112との間に、グランド電極112の電位が画素電極111より高くなるように電圧を印加する。空乏層はタイプ2型のMQWの受光層103に拡がり、ここに到達した光によって電子正孔対が形成される。画素電極111はグランドより電位が低いので正孔を集めて、正孔の電荷が画素情報を形成する。この画素の電荷を所定時間ピッチで読み出すことで、画像または測定信号の強度分布等を形成することができる。
受光層103を構成するタイプ2型MQWでは、受光によって、図19(a),(b)に示すように、正孔hが、GaAsSbの価電子帯に生成する。電子eはInGaAsの伝導帯に励起される。以後、正孔hに注目する。図19に示すバンド図は電子に対するバンド図なので、正孔hについては上下を逆に読む。図19(a)は、図18に示すように、基板入射の場合であり、図19(b)は、それとは反対側のコンタクト層入射の場合である。基板入射の場合、光は、基板に近い位置ですぐに空乏層内で受光され、正孔hを生成する。図19(a)に示すように、正孔hは、逆バイアスの電界による駆動は受けるものの、多数の高い井戸障壁ΔEvを越えながらMQWの受光層103を通って、コンタクト層105に到達しなければならない。
図19(a)と(b)とを比較して、基板入射の場合は、受光で生成した正孔hは、MQWの多数の障壁ΔEvを越えなければ画素電極111に到達できないが、コンタクト層入射では、受光は画素電極111に近いMQW内の位置で生じて、正孔hは画素電極111に到達するのに多くのMQWを越える必要はない。
基板入射の場合、受光で生じた正孔hは光のエネルギを部分的に受けているが、多くの量子井戸を越えるうちに、多くの割合の正孔hは、基底状態が占有されていなければ基底状態に遷移して、基底状態にトラップされる。基底準位にトラップされた正孔hは、コンタクト層105側にドリフトするのに、価電子帯における高い井戸障壁ΔEvを越えなければならない。このため、p型領域106または画素電極111に到達する正孔の数は、受光で生成した数から相当の割合が減少する。この結果、受光感度が低下する。もともと、正孔は有効質量が電子に比べて大きく、移動度が小さいことは知られていた。しかし、上記の受光感度の低下は、そのような一般的な移動度の大小では説明がつかない。上記の受光感度が低下する現象については、その機構を究明中であるが、ともかくタイプ2型MQWの受光層103を備え、p型領域106に画素電極111を配置して正孔を信号電荷とする受光素子アレイ150またはハイブリッド型検出装置110について次の実験事実を確認している。
(1)タイプ2型MQWを受光層とする受光素子に対して、コンタクト層入射の場合、近赤外光の量子効率は、0.3〜0.9を示す。この量子効率は、良好といえる。
(2)しかしながら、同じ受光素子アレイを基板入射とすると、近赤外域の量子効率は、0.05〜0.5という非常に低い値に低下してしまう。二次元の受光素子アレイを用いる場合、各画素に配線を設けるため、配線による光に対する妨害を避けるため、InP基板の裏面からの基板入射とせざるをえない。
<本発明のポイント>
本発明のポイントは次の点にある。受光素子または受光素子アレイは、タイプ2型MQW((InGaAs/GaAsSb))を受光層に含む。この受光素子または受光素子アレイにおいて、p型領域をコンタクト層から受光層を経てバッファ層に至る領域として、pn接合をバッファ層内に設けることがポイントである。画素電極はその受光層上のp型コンタクト層にオーミック接触するように配置する。本発明では、正孔を信号電荷に用いながら、p型領域を(コンタクト層/タイプ2型MQW受光層/バッファ層の一部)に形成することで、基板入射でもコンタクト層入射でも、受光感度または量子効率を高めることができる。そのメカニズムについてはこのあと詳しく説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における受光素子50を示す図である。受光素子50またはフォトダイオードは、n型InP基板1/n型InPバッファ層2/タイプ2型MQW受光層3/拡散濃度分布調整層4/InPコンタクト層5、の積層体に形成されている。タイプ2型MQW受光層3は、InGaAs(上述のb層)/GaAsSb(上述のa層)、を積層することで形成されている。p型不純物の亜鉛(Zn)が選択拡散されてp型領域6が形成され、p型領域6の先端部にpn接合15が形成されている。画素Pを構成する受光素子の主体をなすp型領域6は、端面とは選択拡散されていない領域によって隔てられているため、メサエッチングすることなく、簡単な構造で暗電流の低い受光素子50を得ることができる。
受光層3が、上述のように、InGaAs/GaAsSbの積層体で形成される場合には、p型不純物である亜鉛(Zn)を拡散するとき、Zn濃度を所定レベル以下に抑制するために、拡散濃度分布調整層4をInPコンタクト層5とMQW受光層3との間に挿入してもよい。図1では、拡散濃度分布調整層4が表示されているが、この拡散濃度分布調整層4はなくてもよい。また、光が入射される入射面となるInP基板1の裏面にはSiON膜の反射防止膜35が配置されている。
本実施の形態の受光素子50の特徴は、p型領域6がInPコンタクト層5の表面からタイプ2型MQW受光層3を経てバッファ層2に至っている点にある。p型領域6は、MQW受光層3の全量子井戸をp型化して、バッファ層2に至っており、pn接合15はバッファ層2に位置する。端的にいえば、深い範囲にまで形成されている。
本発明前のpin型フォトダイオードは、図18に示すように、p型領域106は、浅い範囲にとどまっており、InPコンタクト層105の表面からタイプ2型MQW受光層103に至る範囲に形成される。pn接合115はMQW受光層103内に位置する。
図2は、図1に示す受光素子が、複数、配列された受光素子アレイ55を示す図である。各受光素子または画素Pは、上述のバッファ層2にまで届く深いp型領域6を有している。このp型領域6は、p型不純物とくにZnの選択拡散によって形成されたものである。各受光素子の間には選択拡散されていない領域が介在しており、各受光素子は、電気的または半導体的に分離されている。p型領域6の形成のための選択拡散に用いられたSiNの選択拡散マスクパターン36は、そのまま残される。さらに、選択拡散マスクパターン36の開口部またはInPコンタクト層5の表面および当該選択拡散マスクパターン36を被覆するSiON等の保護膜37が設けられている。
受光素子アレイ55において、各p型領域6は画素Pの主部分に対応しており、p側電極11は画素電極となる。すべての画素電極11に対するn側電極(グランド電極)12は、共通の接地電位に保持される。
図3は、図2に示す受光素子アレイ55の平面図である。画素ピッチは30μmであり、画素(受光素子)は320×256であり、チップサイズは横10mm×縦9mmである。
図4は、図2に示す受光素子アレイ55と、シリコンに形成されたROICのCMOS70とを組み合わせて形成したハイブリッド型検出装置10を示す断面図である。受光素子アレイ55の画素電極(p側電極)11と、CMOS70の読み出し電極パッド71とが、接合バンプ31を介在させて導電接続されている。反射防止(AR)膜35がInP基板1の裏面に被覆される。光は、基板入射とされ、入射した近赤外光は、InP基板1およびInPバッファ層2を透過して、空乏層が広がる受光層3において受光されて、電子正孔ペアを形成する。空乏層に生成した電子正孔ペアは、逆バイアス電圧によって分離され、本発明の実施の形態では、正孔はInP基板1に近い受光層3内の位置からp側電極11に向かう勾配の電界に置かれる。すなわち図19(a)に示すように、受光で生じた正孔はMQWにおける数百の価電子帯の井戸障壁を越えて画素電極に到達する。
図5は、タイプ2型のGaAsSb/InGaAsMQWで構成される受光層3のバンド図である。図5(a)は、図1または図2に示すように、p型領域6がMQW受光層の全厚みをp型化したフォトダイオード(画素)に対するバンドであり、図5(b)は、本発明前の真性半導体またはn型半導体のMQW受光層を有するフォトダイオードのバンドである。
図5(b)に示すように、本発明前のMQW受光層では、真性半導体またはn型半導体なので、受光されなければ正孔が存在せず、価電子帯における正孔の各準位はほとんど占有されていない。このため、価電子帯における基底状態の準位も、空席である。このような状態において、受光によって正孔hがGaAsSbの価電子帯に生成する(電子の挙動は今の議論に関係ないので省略する)。受光によって生じた正孔hは、逆バイアス電圧下、ドリフトしながら多数の量子井戸を越えてゆくうちに、価電子帯における正孔の準位を低い方から占めてゆく。基底状態の準位はエネルギ的に低く安定なので、優先的に占有される。上述のように、GaAsSbの価電子帯の正孔hの準位は、量子井戸の底近いレベルに位置する。図5(b)に示すように、GaAsSbの価電子帯トップとInGaAsの価電子帯トップとの差ΔEvが、GaAsSbの基底状態の正孔hに対する障壁として作用する。重い正孔hは、この障壁が高いために、井戸を抜け出して画素電極11に到達することが容易ではなくなる。量子井戸は数百ある。このため画素電極11に到達する前に、生成した正孔の多くが消滅すると考えられる。この結果、受光感度は低下する。
図5(a)に示すように、選択拡散によってp型領域化されたMQWのGaAsSbでは、少なくとも基底状態は、p型不純物由来の正孔hpに占有されている。すなわち受光前からp型不純物由来の正孔hpが基底状態を既に占めている。このp型不純物由来の正孔hpが、受光で生じた正孔hの踏み台になる。受光で生じた正孔hは、GaAsSbの価電子帯において基底状態より高いエネルギレベルの準位を占める。このため、図5(b)のMQWの価電子帯における正孔hに比べて、ドリフトする際、より小さい障壁を越えればよい。図5(a)のMQWでは、p型不純物由来の正孔hpがGaAsSbの価電子帯の底上げをしているので、受光で生じた正孔hは井戸障壁ΔEvは比較的越えやすく、移動の大きな障害にはならない。この結果、本実施の形態の受光素子アレイでは、正孔hは、逆バイアス電圧下、その電界に駆動されて、数百の井戸を比較的容易に越えて画素電極(p側電極)11に到達することができる。この結果、基板入射であっても受光感度は低下せず、良好な感度を保つことができる。すなわち、図19(a)のような基板入射であっても、図19(b)と同様の、またはこれに近い感度を得ることができる。
次に、上記の本実施の形態の受光素子アレイ55の製造方法について説明する。たとえばSドープの(100)InP基板を用い、そのInP基板1上にOMVPE(Organometallic Vapor Phase Epitaxy)法またはMBE法(Molecular Beam Epitaxy)で、エピタキシャル積層体:(バッファ層2/タイプ2型(InGaAs/GaAsSb)MQWの受光層3/InGaAs拡散濃度分布調整層4/InPコンタクト層5)を形成する。本実施の形態では、pn接合15はバッファ層2内に配置して、pinフォトダイオードを形成するので、バッファ層2中の不純物濃度は抑えたものとする。各受光素子に共通のn側電極であるグランド電極12はn型InP基板1にオーミック接触するように配置する。
受光層3には、たとえばInGaAs(厚み5nm)/GaAsSb(厚み5nm)を交互に50〜300ペア成長したタイプ2型のMQWを用いる。InGaAsおよびGaAsSbの組成は、InP基板1に格子整合するように設定する。たとえばInGaAsはIn組成を53.1at%程度とし、GaAsSbはSb組成を48.7at%程度とするのがよい。このあとInPからなるコンタクト層5を成長する。膜厚はたとえば0.8μmとするのがよい。このあと説明するp型不純物とくにZnの選択拡散濃度分布を調整するために、InGaAsの拡散濃度分布調整層4を、MQW受光層3とInPコンタクト層5との間に挿入してもよい。図1および図3では、拡散濃度分布調整層4を用いている。拡散濃度分布調整層4を挿入する場合、バンドギャップエネルギが比較的低いために不純物濃度が低い厚み部分(受光層側の所定厚み部分)があっても電気抵抗が大きくなりにくいInGaAsで形成するのがよい。
本発明が対象とする受光素子アレイ55は、近赤外域からその長波長側に受光感度を有することを追求するので、コンタクト層5には、MQW受光層3のバンドギャップエネルギより大きいバンドギャップエネルギの材料を用いるのが好ましい。このため、コンタクト層5には、通常、受光層よりもバンドギャップエネルギが大きく、格子整合がとりやすいInPを用いるのがよい。また、コンタクト層5には、InPとほぼ同じバンドギャップエネルギを有するInAlAsを用いてもよい。
以後、受光素子アレイ55の場合について説明するが、基本的な製造方法は受光素子についても変更する必要はない。上述のように、選択拡散マスクパターン36を用いて選択拡散により、受光素子の周縁部より内側に、平面的に周囲限定してp型不純物を拡散導入する。本発明前の受光素子アレイの場合よりもp型領域6を深い範囲に形成する必要がある。このために、原料には、金属の亜鉛と、赤燐とを用いて、選択拡散温度を500℃〜650℃の範囲にするのがよい。選択拡散を行ったあと、保護膜37を選択拡散マスクパターン36、コンタクト層5を被覆するように配置する。詳細は実施例において説明する。
この後、SiONなどからなる保護膜37、p側電極である画素電極11、およびn側電極であるグランド電極12、を蒸着法、フォトリソグラフィ法、エッチングによって所定の位置に形成する。画素電極11はAuZnにより、またグランド電極12はAuGeNiにより、それぞれの半導体領域にオーミック接触するように形成する。また、InP基板1の裏面には全面に、SiONのAR膜35を形成する。
(実施の形態1の変形例)
図7は、図2に示す受光素子アレイ55の変形例であり、本発明の一つの実施の形態である。この受光素子アレイ55では、各画素に共通のグランド電極であるn側電極12が、n型InP基板1のおもて面側(エピタキシャル層側)に設けられている。このn側電極12の位置であっても、各画素のp側電極11との間に電圧を印加してpn接合15から空乏層を広げることができる。
図8は、図7に示す受光素子アレイ55を用いたハイブリッド型検出装置10を示す図であり、図4のハイブリッド型検出装置10の変形例である。言うまでもなく、図8に示すハイブリッド型検出装置10も本発明の一つの実施の形態である。CMOS70に対面するように位置するn側電極12から、接続電極12bが、エピタキシャル層側面を被覆する保護膜37eの上を伝ってCMOS側に延び出している。この接続電極12bと、CMOS70のグランド電極72との間に、接合バンプ31bが介在して、両者を導電接続している。
図7に示すようなn側電極12の配置をとることで、ハイブリッド型検出装置10に組み上げたとき、図8に示すようなコンパクトな配線構造を実現することができる。
実施例によって、本発明の実施の形態1におけるp型領域6をバッファ層2に至る範囲に形成する方法について検証した。試験体は、本発明例および比較例(本発明前の受光素子アレイ)の2体である。
<本発明例>
図6に示すように、石英管29中に、選択拡散マスクパターン36を形成した半導体ウエハ50aと、赤燐6sと、亜鉛線6wとを真空封入した。真空封入では、1×10−6torr程度に真空排気した。真空封入した石英管29を、600℃×30分間加熱した。
<比較例>
本発明前の受光素子では、石英管の中に、選択拡散マスクパターンを形成したInPウエハと、Znとを封入して、1×10−6torr程度に真空排気した。このあと、480℃×50分加熱して受光層に届くように選択拡散させた。
図9に、上記の方法で選択拡散した本発明例および比較例のZnの深さ方向の濃度分布を示す。本発明例では、pn接合15は、バッファ層2内に位置している。深い位置にまでZnを拡散しながら、タイプ2型MQW受光層3内におけるZn濃度は、5e15cm−3以上を確保しながら1e17cm−3以下に抑えられている。すなわち受光層3では、Zn濃度は、5e15cm−3以上、かつ1e17cm−3以下の範囲にある。比較例では、Znの濃度分布は浅い範囲にあり、pn接合は受光層の上端に位置している。
本発明例と比較例との選択拡散方法の相違は、つぎのとおりである。
(1)選択拡散の加熱パターンが、本発明例では600℃×30分間であるのに比して、比較例では480℃×50分間である。
(2)選択拡散のp型不純物の原料が、本発明例では亜鉛線(線材)と、赤燐と、であるのに比して、比較例ではZnである。本発明例における亜鉛線は、亜鉛片などでもかまわない。
図9を参照して、本発明例においてpn接合15は、次のように、広く解釈されるべきである。受光層3内において、p型不純物元素Znが選択拡散で導入される側と反対側の領域(バッファ層2)の不純物濃度が、真性半導体とみなせるほど低い不純物領域(i領域と呼ばれる)であり、上記拡散導入されたp型領域6と当該i領域との間に形成される接合をも含むものである。すなわち上記のpn接合は、pi接合などであってもよく、さらに、これらpi接合におけるp濃度が非常に低い場合も含むものである。
上述のように、InPコンタクト層5の表面に形成したSiN選択拡散マスクパターン36を用いて、その開口部からZnを選択拡散してInGaAs/GaAsSb(またはInGaAsN/GaAsSb)MQW受光層3を経てバッファ層2に届くようにp型領域6を形成する。p型領域6のフロント先端部がバッファ層2内においてpn接合15を形成する。そして、pn接合15の近傍におけるZn濃度分布は、傾斜型接合を示すような分布になっている。
上記の製造方法によれば、深さ方向に深い位置にまで、p型不純物を到達させながら、従来と同様に、素子分離用のメサエッチングをすることなくZnの選択拡散(受光素子の周縁部の内側になるように平面的に周囲限定した拡散)によって、隣り合う受光素子どうしが分離される。すなわち、Zn選択拡散領域6が1つの画素部Pの主要部となるが、Znが拡散していない領域が、各画素を分離する。このため、メサエッチングに付随する結晶の損傷などを受けることがなく、暗電流を抑制することができる。
不純物の選択拡散によってpn接合15を形成する場合、拡散が深さ方向だけでなく横方向(深さ直交方向)にも進行するので、素子間隔を一定以上、狭くすることができない懸念があるが、実際にZnの選択拡散を行ってみると、最表面にInPコンタクト層5があり、その下にInGaAs拡散濃度分布調整層4が配置された構造では、横方向の拡散は、深さ方向と同程度またはそれ以下に収まることが確認された。すなわち、Znの選択拡散において、Znは選択拡散マスクパターン36の開口径よりも横方向に広がるが、その程度は小さく、図3などに模式的に示すように、選択拡散マスクパターン36の開口部よりも少し広がるだけである。選択拡散マスクパターン36およびInPコンタクト層5は、SiONなどからなる保護膜37で被覆される。
(実施の形態2−光学センサ装置(1)−)
図10は、本発明の実施の形態2における光学センサ装置20である撮像装置または視界支援装置を示す図である。本視界支援装置は、自動車の夜間運転における運転者の前方の視界を支援するために、車両に搭載される。車両には、実施の形態1において説明した受光素子アレイ55と、図示しない、CMOSやレンズなど光学素子等とを含むハイブリッド型検出装置10と、撮像された画像を表示する表示モニタ61と、これらを駆動制御する制御装置60とが搭載される。また、図11は、自動車の夜間運転における運転者の後方の視界を支援するために、車両に搭載される、夜間後方の視界支援装置を示す図である。自動車の後部に後ろ向きに取り付けられた、実施の形態1の受光素子アレイ55、CMOS、レンズなど光学素子等を含むハイブリッド型検出装置10で撮像した画像は、運転者の上部前方の表示装置61に表示される。ハイブリッド型検出装置10(または受光素子アレイ55)および表示装置61は、制御装置60によって駆動制御される。
本発明より前の車両用視界支援装置では、物体からの赤外域の反射光または放出光を受光して画像とするため、次のような問題があった。反射光を利用する場合、光源が必要であり、搭載スペースを要し、またコスト増となる。また、物体の放射熱を利用する場合、人以外の非発熱体や防寒具を着た歩行者等は認識が難しいため、赤外カメラ以外の認識手段と併用する必要がある。また、光源を使う場合、使用する波長域によっては人体への影響、すなわちアイセーフ対策を講じる必要がある。
本実施の形態における視界支援装置では、上記のような余分の光源やアイセーフ対策は不要である。また、撮像対象の発熱、非発熱を問わない。さらに霧中など水分を含む環境中でも、対象物の鮮明な画像を得ることができる。このため夜間における優れた車両用の視界支援装置を提供することができる。これは、物体からのSWIR(Short Wavelength Infra-Red)帯の宇宙光の反射光を利用して、かつ暗電流が十分少なく、優れたダイナミックレンジ(S/N)を持つ受光素子を用いているからである。
上記は自動車の視界支援装置であるが、その他、暗視装置、航海支援装置、侵入者監視装置、室内監視装置、高い位置に配置した都市火災監視装置等に利用することができる。
(実施の形態3−光学センサ装置(2)−)
図12は、本発明の実施の形態3における光学センサ装置20である生体成分検出装置を示す図である。図12において、受光部に上述のハイブリッド型検出装置10を用い、グルコースの近赤外域の長波長域に位置する吸収帯を用いて濃度測定を行う。本実施の形態では、生体を透過した近赤外光を測定してグルコース濃度を求める。人体の反射光を用いてもよい。光は次の経路を通る。
光源63→照射用ファイバ64→検出部位(ユビ)→情報搭載光ファイバ65→回折格子(分光器)91→ハイブリッド型検出装置10→制御部85
上記の経路において、分光器91は、光源63と照明用ファイバ64との間に配置してもよい。
上記の構成により検出部位において血液成分の吸収スペクトルを得ることで、制御部85において血糖値の絶対値、またはその相対値もしくは大小を検出することができる。図12に示す例は、ヒトの指の透過光を受光するが、皮膚、筋肉、血液など多くの生体組織の情報を得ることができる。
レファレンス信号の測定は、生体(指)の装入時には退き、生体が退いた時に装入されるように、アクチュエータ67によって駆動される基準板の透過光によって行う。基準板の厚みは、基準板の材料にもよるが透過光の光量が十分あるように薄くしておくのがよい。基準板の移動は、アクチュエータ67によって行うことで、位置や姿勢(角度)のばらつきが生じないようにする。
上記は、ハイブリッド型検出装置10を光学センサ装置20に組み込み、人体透過光による血糖値の測定に用いた例であるが、その他、人体反射光による血糖値、体脂肪、眼の角膜のコラーゲン、顔面のコラーゲン分布像などの測定に用いることができる。
(実施の形態4−光学センサ装置(3)−)
図13は、本発明の実施の形態4における光学センサ装置である、生体中の水分検出装置(眼の水分布像形成装置)を示す図である。眼の不具合には、乾き眼、なみだ眼、など水分と関連した症状が多い。このような症状が出たとき、図13に示すように、角膜Cだけでなく、眼Eの前面すべての水分布イメージをとることで、その症状を評価することができる。たとえば涙腺に対応する箇所で、水濃度が異常に高いなどを検出することが可能である。凹面鏡68は近赤外光に対する反射率が大きいものを用いるのがよく、たとえば金(Au)で形成したものを用いる。凹面鏡68は、眼の正面ではなく傍らに位置して、光源63から発して眼の各部からの光を反射して、眼の各部の像をハイブリッド型検出装置10による撮像装置に結像させるようにする。フィルタ69は、水の吸収帯に属する1.4μm付近の光または1.9μmの付近の光を透過させるものがよい。制御部85のマイクロコンピュータ85bは、ハイブリッド型検出装置10の画素の出力信号に基づいて、眼Eにおける水分布像を形成し、表示装置85cに表示する。本発明に係る撮像装置10は、暗電流が低く、長波長側にまで感度が高いため、S/N比の高い、鮮明な水分布像を得ることができる。このため、眼における水の果たす作用、水の動きなどの理解に役立つ。
眼は光に対して非常に敏感に反応するので、できれば光源63は使用しないことが好ましい。SWIR宇宙光のスペクトルの発光ピークを、光源に用いることができる。たとえばSWIRの所定の発光ピークの波長は、1.4μm付近にあり、水の吸収帯に属する波長である。このため、光源63を除いて、SWIR宇宙光で代用することができる。または、人工の光源63を用いるにしても、光を近赤外域に限定して、しかもそのピーク値をSWIR宇宙光のピーク強度のたとえば2倍とすることでもよい。上記SWIR宇宙光を光源にすることでアイセーフが確実に実現される。上記のように、SWIR宇宙光を用いたり、強度レベルの低い光源を用いることができるのは、本実施の形態に係る撮像装置を構成するハイブリッド型検出装置10の暗電流を低くできるからである。すなわち微弱な信号でも、鮮明な画像を形成することができるからである。
上記は生体の部分である眼の水分検出装置の例であるが、このほか、自然産物の水分測定(メロンの水分測定(品質検定)、水分による籾混入率の測定、他の果物、海苔、魚介類、乳製品など)、角膜矯正手術における角膜水分測定、顔面肌など生体の水分測定、紙製品の水分測定、自動排油装置中の油中の水分測定、汚泥の脱水ケーキの水分測定、石炭の水分測定、衣類乾燥機における衣類の水分測定などに用いることができる。
(実施の形態5:光学センサ装置(4))
図14は、本発明の実施の形態5における光学センサ装置20である、ごみの燃焼炉においてごみの温度分布を得るための温度分布測定装置である。気体中の成分濃度を検出するための環境モニタ装置の一具体例である。また図15は温度分布撮像装置20aを示す図である。ごみ燃焼炉では、炭素または炭化水素は塊状であり燃料に適した形態で存在するわけではないので、すすは少なく、また水分が多量に存在する。図16は、ごみ燃焼炉における近赤外スペクトルを示すが、水の発光スペクトル波長λ,λが顕著である。本実施の形態においては、水の発光スペクトルが温度によって変化することを利用して、図17に示す水の吸収スペクトルと合わせて、水の濃度と温度とをモニタリングする。図17中、(K1)および(K2)は、それぞれ10mmおよび1mmのキュベットセルを用いて測定したものである。発光スペクトルの強度は、水の濃度にも比例するので、2つの発光ピーク波長だけでは、精度のよい測定が難しいので、吸収スペクトルも用いる。
温度分布撮像装置20aでは、干渉フィルタ10aが重要である。干渉フィルタ10aは、上記の水の発光ピーク波長λ,λ、および複数の吸収ピーク波長のそれぞれに透過波長をもつフィルタとする。たとえば吸収ピーク波長は、図17に示すように、近赤外域に2つの鋭いピークM2,M3をもつが、干渉フィルタ10aは、これらの波長の光を通すようにする。したがって、干渉フィルタ10aは、上記の2つの発光ピーク波長と合わせて全部で4種類、または4つの透過波長のフィルタを配置することになる。外部の操作によって自動的に、これら4種類の干渉フィルタを選択する自動選択機構を設けることが望ましい。レンズ等の光学系10cについても自動的にピントを合わせる自動焦点機構を設けるのがよい。たとえば、上記4種類の干渉フィルタに対応して、4つの波長の光について、ごみまたはその少し上方の撮像を行う。これによって4つの波長の像を得ることができる。
予め、水蒸気温度および水蒸気濃度を変えた空気について、上記の波長における光の強度を求め、温度の回帰式を求めておくことができる。この温度回帰式を制御部のマイコン85bに記憶させておく。上記の撮像によって、各位置において、波長ごとの強度を得ることができる。上記の温度回帰式を用いれば、各位置において、温度を求めることができる。このように、水の温度および濃度を両方ともモニタすることで、ごみの燃焼状態を精度よく検知することができる。
従来は、多くの温度センサをごみ焼却装置内に配置していたが、本実施の形態の装置を、焼却炉の上方部または頂部に配置することで、温度センサの数を削減することができる。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の受光素子アレイ等によれば、タイプ2型MQWの受光層に生じた電子/正孔対の電子はn側電極に集め、移動度が小さい正孔についてはMQWをp型化することで効率よく画素電極に移動させながら、基板入射でもコンタクト層入射でも、近赤外域に良好な感度を持つことができる。このため、工業、医学、生活物資等の分野において、高品質の製品を得ることができるようになる。
1 InP基板、2 バッファ層、3 受光層、4 拡散濃度分布調整層、5 コンタクト層、6 p型領域、6s 赤燐、6w 亜鉛線、10 ハイブリッド型検出装置、11 p側電極(画素電極)、12 n側電極(グランド電極)、12b 接続電極、15 pn接合、20 光学センサ装置、29 石英管、31,31b 接合バンプ、35 反射防止膜、36 選択拡散マスクパターン、37,37e 保護膜、50 受光素子、55 受光素子アレイ、50a InPウエハ、60 制御装置、61 表示装置、63 光源、64 照射用光ファイバ、65 情報搭載光ファイバ、67 アクチュエータ、69 フィルタ、70 CMOS(読み出し回路)、71 パッド(読み出し電極)、72 グランド電極、76 凹面鏡、85 制御部、85b マイコン、85c 表示部、91 回折格子(分光器)、P 画素。

Claims (15)

  1. 化合物半導体の基板上に、複数の受光素子が配列された受光素子アレイであって、
    前記基板上に位置するn型バッファ層と、
    前記n型バッファ層上に位置する、タイプ2型の多重量子井戸構造からなる受光層と、
    前記受光層の上に位置するコンタクト層と、
    前記受光素子ごとに位置する、前記コンタクト層表面から前記受光層を経て前記n型バッファ層に至るp型領域とを備え、
    前記p型領域は、p型不純物が深さ方向に選択拡散によって形成されており、隣の受光素子における前記p型領域とは、選択拡散されていない領域により隔てられており、
    前記n型バッファ層内において、前記p型領域のp型キャリア濃度と該n型バッファ層のn型キャリア濃度との交差面がpn接合を形成していることを特徴とする、受光素子アレイ。
  2. 前記受光層、および前記コンタクト層は、前記p型領域以外はn型であり、前記p型領域は周囲をn型領域で囲まれていることを特徴とする、請求項1に記載の受光素子アレイ。
  3. 前記多重量子井戸構造の受光層における前記p型領域のp型キャリア濃度は、5e15cm−3以上、かつ1e17cm−3以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の受光素子アレイ。
  4. 前記n型バッファ層のn型キャリア濃度は、1e15cm−3以上、5e15cm−3以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の受光素子アレイ。
  5. 前記n型バッファ層の厚みが1μm以上、6μm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の受光素子アレイ。
  6. 前記基板の裏面から光入射するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の受光素子アレイ。
  7. 前記基板と逆側の前記コンタクト層側から光入射するように構成され、前記多重量子井戸構造の受光層の厚みが2μm以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の受光素子アレイ。
  8. 前記化合物半導体の基板がInP基板であり、かつ前記受光層を構成するタイプ2型の多重量子井戸構造が、(GaAsSb/InGaAs)、(GaAsSb/InGaAsN)、(GaAsSb/InGaAsNSb)、および(GaAsSb/InGaAsNP)のうちのいずれか1つの繰り返しであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の受光素子アレイ。
  9. 前記コンタクト層を被覆するように位置し、前記p型領域に開口部を有する選択拡散マスクパターンを備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の受光素子アレイ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の受光素子アレイと、シリコンに形成された読み出し回路とを備えたハイブリッド型検出装置であって、前記受光素子アレイのp側電極ごとに、前記読み出し回路の読出電極とが導電接続されていることを特徴とする、ハイブリッド型検出装置。
  11. 前記受光素子アレイにおける基板の裏面から光を入射することを特徴とする、請求項10に記載のハイブリッド型検出装置。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の受光素子アレイ、請求項10〜11のいずれか1項に記載のハイブリッド検出装置を用いたことを特徴とする、光学センサ装置。
  13. 化合物半導体の基板上に形成された受光素子であって、
    前記基板上に位置するn型バッファ層と、
    前記n型バッファ層上に位置する、タイプ2型の多重量子井戸構造からなる受光層と、
    前記受光層の上に位置するコンタクト層と、
    前記コンタクト層表面から前記受光層を経て前記n型バッファ層に至るp型領域と、
    前記p型領域は、前記コンタクト層表面からp型不純物が深さ方向に選択拡散によって形成されており、周囲とは選択拡散されていない領域により隔てられており、
    前記n型バッファ層内において、前記p型領域のp型キャリア濃度と該n型バッファ層のn型キャリア濃度との交差面がpn接合を形成していることを特徴とする、受光素子。
  14. 化合物半導体の基板上に、受光素子が配列された受光素子アレイを製造する方法であって、
    前記基板上に、バッファ層を成長する工程と、
    前記バッファ層上に、タイプ2型の多重量子井戸構造の受光層を成長する工程と、
    前記受光層の上にコンタクト層を成長する工程と、
    前記コンタクト層から前記受光素子ごとにp型不純物を選択的に拡散してp型領域を形成するために、開口部を有する選択拡散マスクパターンを該コンタクト層上に形成する工程と、
    前記選択拡散マスクパターンの開口部からp型不純物を選択拡散して、前記コンタクト層表面から前記受光層を経て前記バッファ層に至る前記p型領域を形成する工程とを備えることを特徴とする、受光素子アレイの製造方法。
  15. 前記基板をInP基板とし、前記タイプ2型の多重量子井戸構造を、(GaAsSb/InGaAs)、(GaAsSb/InGaAsN)、(GaAsSb/InGaAsNSb)、および(GaAsSb/InGaAsNP)のうちのいずれか1つの繰り返しとして、前記p型不純物を選択拡散する工程では、容器中に、前記選択拡散マスクパターンを設けられた、製造途中の前記受光素子アレイと、固体状の亜鉛と、赤燐とを封入して、500℃〜650℃の範囲に加熱することを特徴とする請求項14に記載の受光素子アレイの製造方法。

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