JP2011204822A - リチウムイオンキャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性を有するリチウムイオンキャパシタを提供する。
【解決手段】リチウムイオンキャパシタは、リチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持可能な物質からなる正極と、リチウムイオンを可逆的に担持可能な物質からなる負極と、電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液とを備えたリチウムイオンキャパシタであって、前記正極及び負極がそれぞれ貫通孔を有する集電体を備えかつセパレータを介して積層または捲回されて電極ユニットを形成しており、負極及び/又は正極とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によってリチウムイオンが負極及び/又は正極にドーピングされ、電解液に下記式(1)で表される化合物を電解液に対し2〜20vol%含む事を特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオンキャパシタに関し、特に高い難燃性を有するリチウムイオンキャパシタ用非水電解液及び優れた安全性を有するリチウムイオンキャパシタに関するものである。
近年、電子機器の小型化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として小形・軽量で、且つ高容量、高電圧を有する蓄電デバイスへの要望が高い。このような点でリチウムイオン電池は、とりわけ高エネルギー密度を有する蓄電デバイスとして期待が大きい。しかし、高エネルギー化するに伴い電池の安全性確保が困難になり、過充電時の異常事態では発火、破裂を引き起こし非常に危険であった。
そこで、従来、リチウム二次電池に芳香族化合物または難燃剤(ホスファゼン誘導体を含む)を添加し、高エネルギー化、高容量化、又は組み電池化の際に、高温環境等による特殊環境下でも、電池の暴走を防ぐものが提案されている(特許文献1参照)。
また、環状ホスファゼン化合物とフルオロリン酸エステルをリチウム二次電池に添加して、デンドライト発生を抑制し、高温環境下で不燃性ガス成分が発生するために、難燃性が発現されるリチウム二次電池が提案されている(特許文献2参照)。
また、難燃剤(ホスファゼン誘導体を含む)を添加することで、異常な高温下に晒されたり、電池異常が起きても、熱暴走反応を防止し電池の発火を抑制するリチウムニ次電池が提案されている(特許文献3参照)。
特開2006−261093号公報 特開2006−286571号公報 特開2009−16106号公報
リチウムイオンキャパシタはリチウムイオン二次電池と比較して容量が小さく、正極に酸化物を使用していないことから、安全な蓄電デバイスであることが知られている。しかしながら、リチウムイオンキャパシタにおいても、大電流(例えば100C)で充電し続けると、破裂、発火する場合があった。これは、セル電圧が公称電圧を大きく上回るため、電解液の急激な分解によりガス発生し、セルの膨張や発熱によるセパレータの収縮、破れにより内部短絡し、発生したガスに引火するものと考えられる。
本発明は、このような問題を解消するもので、安全性を有するリチウムイオンキャパシタに関するものである。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、次のリチウムイオンキャパシタを提供する。
(1)リチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持可能な物質からなる正極と、リチウムイオンを可逆的に担持可能な物質からなる負極と、電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液とを備えたリチウムイオンキャパシタであって、前記正極及び負極がそれぞれ貫通孔を有する集電体を備えかつセパレータを介して積層または捲回されて電極ユニットを形成しており、負極及び/又は正極とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によってリチウムイオンが負極及び/又は正極にドーピングされ、電解液に下記式(1)で表される化合物を電解液に対して2〜20vol%含む事を特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
式中、R1 〜R6 は、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アシル基、カルボン酸エステル、アリール基(以上の置換基はいずれも、水素の一部または全部をハロゲンで置換してもよい)、水素、またはハロゲンであり、R1 〜R6 は一部または全部が同じであっても、あるいは全て異なってもよい。
(2)前記リチウムイオンを可逆的に担持可能な物質は、グラファイト、ハードカーボン、コークス、ポリアセン系物質(PAS)、黒鉛の少なくとも一つであることを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
本発明によれば、上述したように、電解液中に式(1)で表される化合物を電解液に対し2〜20vol%含むことで、高温でも電解液の引火を防止でき、過充電においても発火しないリチウムイオンキャパシタを提供することができる。
式中、R1 〜R6 は、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アシル基、カルボン酸エステル、アリール基(以上の置換基はいずれも、水素の一部または全部をハロゲンで置換してもよい)、水素、またはハロゲンであり、R1 〜R6 は一部または全部が同じであっても、あるいは全て異なってもよい。
以下本発明について、より詳細に説明する。本発明のリチウムイオンキャパシタ(以下、LICということもある)は、正極、負極をセパレータを介して交互に積層あるいは捲回させた電極ユニットを外装容器内に有するリチウムイオンキャパシタであり、外装容器は円筒型、角型、ラミネート型等を適宜使用でき、特に限定されない。
ここで、本発明において、担持とは、吸蔵、ドープ、吸着または挿入をも意味し、広く、正極活物質にリチウムイオンおよび/またはアニオンが入る現象、あるいはまた、負極活物質にリチウムイオンが入る現象を言う。また、脱ドープとは、脱離、放出をも意味し、正極活物質からリチウムイオンまたはアニオンが脱離する現象、あるいはまた、負極活物質からリチウムイオンが脱離する現象をいう。
前記負極および/または正極にリチウムイオンを予めドープする方法としては、例えば、金属リチウム等のリチウムイオン供給源をリチウム極としてキャパシタセル内に配置し、負極および/または正極に物理的に接触させる方法でもよいが、本発明においては、負極とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、負極にリチウムイオンをドープさせることが好ましい。
また、前記正極および負極には、それぞれ電気を受配電する正極集電体および負極集電体が備えられる。この場合、正極集電体および負極集電体として、例えば、エキスパンドメタルのような表裏面を貫通する孔を備えた材料を用い、リチウム極を負極および/または正極に対向させて配置することにより、電気化学的にリチウムイオンを供給することが好ましい。前記貫通孔の形態、数等は特に限定されず、電解液中のリチウムイオンが電極集電体に遮断されることなく、電極の表裏間を移動できるように設定することができる。
〔集電体〕
本発明に係るリチウムイオンキャパシタでは、リチウム極をセル中に局所的に配置した場合も、負極および/または正極にリチウムイオンを均一にドープすることができる。
したがって、正極および負極を積層または巻回した大容量のセルの場合も、最外周または最外層のセルの一部にリチウム極を配置することにより、負極および/または正極に、スムーズかつ均一にリチウムイオンをドープすることができる。
集電体の材質は、リチウム系電池に一般に用いられている材質を適用することができる。例えば、正極集電体には、アルミニウム、ステンレス鋼等を用いることができ、負極集電体には、ステンレス鋼、銅、ニッケル等を用いることができる。
〔添加剤〕
本発明に係るリチウムイオンンキャパシタの電解液には、式(1)で表される化合物が添加されたリチウム塩の非プトロン性有機溶媒電解質溶液が用いられる。式(1)で表される化合物を2〜20vol%の範囲で添加することで、電解液の急激な分解や発熱を抑制し、過充電下においても発火を抑制する事ができる。
本発明で使用する式(1)で表される化合物よりなる添加剤は、ホスファゼン誘導体であることが好ましい。具体的に、ホスファゼン誘導体としては、負荷特性などの電池の特性を考えた場合、特に、下記式(2)で表される環状の構造のものが好ましく用いられる。
添加剤の添加量は、電解液に対して2〜20vol%とするのがよい。
〔電解液〕
電解液に用いられる非プロトン性有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル、スルホラン等の環状スルホン、ジオキソラン等の環状エーテル、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタン等の鎖状エーテル等が挙げられる。これらのうちの2種以上を混合した混合溶媒を用いてもよく、特に、電解液の粘度上昇を抑制し、解離度を高め、イオン伝導度の向上を図る観点から、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物を用いることが好ましい。前記環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒における混合比率は、1:99〜80:20であることが好ましく、10:90〜60:40であることがより好ましい。
また、前記電解液における電解質のリチウム塩としては、例えば、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、Li(C2 5 SO2 2 、LiN(CF3 SO2 2 等が挙げられ、特に、イオン伝導性が高く、低抵抗であることから、LiPF6 が好適に用いられる。前記電解液の濃度は、内部抵抗を小さくするため、0.1mol/l以上であることが好ましく、0.5〜1.5mol/lであることがより好ましい。
〔正極活物質〕
また、正極活物質には、リチウムイオンおよび/またはテトラフルオロボレート等のアニオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能な物質が用いられ、例えば、活性炭粉末が挙げられる。この活性体粉末の粒度は、D50が2μm以上であることが好ましく、より好ましくは、2〜50μm、特に、2〜20μmが好適である。また、平均細孔径が10nm以下であるものが好ましく、また、比表面積が600〜3000m2 /gであることが好ましく、より好ましくは、1300〜2500m2 /gである。
〔負極活物質〕
一方、負極活物質には、リチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能である物質が用いられ、例えば、グラファイト、ハードカーボン、コークス等の炭素材料、ポリアセン系物質(PAS)、黒鉛、表面にピッチをコーティングした黒鉛等が挙げられる。これらのうち、特に、高容量が得られることから、PASが好適に用いられる。
このPASは、フェノール樹脂等の芳香族系縮合ポリマーを400〜800℃で熱処理を行い、粉砕することにより得られる。尚、黒鉛材料として、ピッチをコーティングした複合材料が特に好ましい。
前記負極活物質は、正極活物質と同様に粉末状であることが好ましく、その粒度は、D50が0.5〜30μmであることが好ましく、より好ましくは、0.5〜15μm、特に、0.5〜6μmが好適である。また、比表面積が0.1〜2000m2 /gであることが好ましく、より好ましくは、0.1〜600m2 /gである。
〔バインダ〕
上記のような正極活物質を有する正極および負極活物質を有する負極の作製は、通常用いられる既知の方法によって、いずれも同様に行うことができる。
例えば、負極を作製する場合、負極活物質粉末と、バインダと、必要に応じて、導電材、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤とを、水または有機溶媒に加えて混合し、得られたスラリーを集電体に塗布する、あるいはまた、前記スラリーをシート状に成形したものを集電体に貼付することにより、負極を作製することができる。
前記バインダとしては、例えば、SBR等のゴム系バインダ、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
また、前記導電材としては、例えば、アセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等が挙げられる。
前記バインダおよび導電材の各添加量は、活物質の電気伝導度、電極形状等により異なるが、通常、活物質に対して2〜40重量%であることが好ましい。
また、本発明に係るリチウムイオンキャパシタの構造としては、特に、帯状の正極と負極とをセパレータを介して巻回させる巻回型セル、板状の正極と負極とをセパレータを介して各3層以上積層された積層型セル、前記積層されたユニットを外装フィルム内に封入したフィルム型セル等が挙げられる。
これらのキャパシタセルの構造は、特開2004−266091号公報等により既知であり、本発明においても、既存のキャパシタセルと同様の構成とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は、下記実施例により制限されるものではない。
〔実施例1〕
(負極の作製)
平均粒径4μmの黒鉛粉末100重量部と軟化点110℃、メタフェーズ量(QI量)13%の光学的等方性ピッチ50重量部を加熱ニーダーで混捏し、これを非酸化性雰囲気下800℃で焼成した。これを平均粒子径8μmに粉砕し、再度非酸化性雰囲気下で1000℃で焼成し、負極活物質を得た。
前記負極活物質92重量部、アセチレンブラック粉末6重量部、SBR5重量部、CMC3重量部、水200重量部を撹拌混合し、スラリーを調製した。
得られたスラリーを、気孔率57%、厚さ32μmの銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)からなる負極集電体の両面にロールコーターにて塗工した後、真空乾燥し、全厚さ80μmの負極を得た。
このようにして得られた、集電体前駆体の一部分に負極層が形成されてなる材料を、負極層が形成されてなる部分(以下、負極板について「塗工部」という。)が100mm×128mm、負極層が形成されてない部分(以下、負極板について「未塗工部」という。)が100mm×15mmになるように、100×143mmの大きさに切断することにより、負極板を作製した。
(正極の作製)
比表面積2000m2 /gの市販の活性炭粉末92重量部、アセチレンブラック粉末6重量部、アクリル系樹脂バインダ7重量部、CMC4重量部、水200重量部を撹拌混合し、スラリーを調製した。
気孔率47%、厚さ38μmのアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)の両面に非水系のカーボン系導電塗料をロールコーターにて塗工した後、真空乾燥し、導電層が形成された全厚さ52μmの正極集電体を得た。この正極集電体の貫通孔は、導電塗料によりほぼ閉塞された。
この正極集電体の両面に、前記スラリーをロールコーターにて塗工した後、真空乾燥し、全厚さ200μmの正極を得た。
このようにして得られた、集電体前駆体の一部分に導電層および正極層が積層されてなる材料を、導電層および正極層が積層されてなる部分(以下、正極板について「塗工部」ともいう。)が98mm×126mm、いずれの層も形成されてない部分(以下、正極板について「未塗工部」ともいう。)が98mm×15mmとなるように、98mm×141mmの大きさに切断することにより、正極板を作製した。
(リチウムイオンキャパシタ要素の作製)
先ず、正極板10枚、負極板11枚、厚みが50μmのセパレータ22枚を用意し、正極板と負極板とを、それぞれの塗工部は重なるが、それぞれの未塗工部は反対側になり重ならないよう、セパレータ、負極板、セパレータ、正極板の順で積重し、積重体の4辺をテープにより固定することにより、電極積層ユニットを作製した。
次いで、厚み100μmのリチウム箔を切断し、厚さ40μmのステンレス網に圧着することにより、リチウムイオン供給部材を作製し、このリチウムイオン供給部材を電極積層ユニットの上側に負極と対向するよう配置した。
そして、作製した電極積層ユニットの10枚の正極板の各々の未塗工部に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した、幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmのアルミニウム製の正極用電源タブを重ねて超音波溶接した。一方、電極積層ユニットの11枚の負極板の各々の未塗工部およびリチウムイオン供給部材の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の負極用電源タブを重ねて抵抗溶接した。以上のようにして、リチウムイオンキャパシタ要素を作製した。
(リチウムイオンキャパシタセルの作製)
次いで、ポリプロピレン(PP)層、アルミニウム層およびナイロン層が積層されており、寸法が125mm(縦幅)×160mm(横幅)×0.15mm(厚み)で、中央部分に、105mm(縦幅)×140mm(横幅)の絞り加工が施された上部外装フィルム(接合部となる外周縁部の幅が10mm)と、PP層、アルミニウム層およびナイロン層が積層されており、寸法が125mm(縦幅)×160mm(横幅)×0.15mm(厚み)の下部外装フィルムとを作製した。
次いで、下部外装フィルム上における収容部となる位置に、リチウムイオンキャパシタ要素を、その正極用電源タブおよび負極用電源タブの各々が、下部外装フィルムの端部から外方に突出するよう配置し、このリチウムイオンキャパシタ要素に、上部外装フィルムを重ね合わせ、上部外装フィルムおよび下部外装フィルムの外周縁部における3辺(正極用電源タブおよび負極用電源タブが突出する2辺および長手方向の1辺)を熱融着することにより、当該3辺に収容部を取り囲む接合部を形成した。
次いで、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート(体積比で3:1:4)の混合溶媒に式(2)で表わされるホスファゼン化合物を5vol%加え、1.2mol/LのLiPF6 を含むように電解液を調製し、ラミネート外装フィルムの開口部よりエレメント収容部に注入し、減圧下で開口部の端部を熱融着してリチウムイオンキャパシタを合計で11セル作製した。
(セル特性評価)
セル組み立て後20日間放置後に1セル分解したところ、リチウム金属はいずれも完全に無くなっていたことから、負極活物質にリチウムイオンが予備充電されたと判断した。
続いて、残り10セルに対し、10Aの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、10Aの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電におけるセル容量を測定したところ480mAhと高い容量が得られた。ただし、データは10セルの平均である。
(過充電試験)
上記リチウムイオンキャパシタに10セルに対し、菊水電子工業製の直流安定化電源装置を用いてそれぞれ100A、20Vの過充電試験を実施した結果、10セル全てで破裂したものの、発火しなかった。
〔実施例2〕
ホスファゼン系化合物の濃度を10vol%とした以外は実施例1と同様の方法により、フィルム型キャパシタセルを11セル作製した。
1セル分解し、リチウム金属が無くなっていることを確認した後、容量確認したところ、10セルの平均で480mAhの高い容量が得られた。
続いて、100A,20Vの過充電試験を行った結果、10セル全てで破裂したものの、発火しなかった。
〔実施例3〕
PCに、式(2)で表されるホスファゼン系化合物を15vol%となるように添加し、1.2mol/LのLiPF6 を含むように調製した溶液を電解液として用いた以外は実施例1と同様の方法により、フィルム型キャパシタセルを11セル作製した。
1セル分解し、リチウム金属が無くなっていることを確認した後、容量確認したところ、10セルの平均で475mAhの高い容量が得られた。
続いて、100A,20Vの過充電試験を行った結果、10セル全てで破裂したものの、発火しなかった。
〔比較例1〕
添加剤を用いない電解液を使用した以外は実施例1と同様の方法により、フィルム型キャパシタセルを11セル作製した。
1セル分解し、リチウム金属が無くなっていることを確認した後、容量確認したところ、10セルの平均で485mAhの高い容量が得られた。
続いて、100A,20V過充電試験を行った結果、10セル全てで破裂し、3セルが発火した。これは、過充電によりガス発生し、セルが膨張し破裂する際にセル内部にて正極と負極が短絡し火花が発生して電解液の蒸気に引火したものと考えられる。
〔比較例2〕
EC、PCおよびDECを体積比で3:1:4とした混合溶媒に式(2)で表されるホスファゼン系化合物を30vol%となるように添加し、LiPF6 の濃度を1.2mol/Lとした電解液の調製を試みたが、リチウム塩が充分に溶解せず、電解液を調製できなかった。
〔比較例3〕
ホスファゼン系化合物の濃度を混合溶媒に対し1vol%とした以外は実施例1と同様の方法により、フィルム型キャパシタセルを11セル作製した。1セル分解し、リチウム金属が無くなっていることを確認した後、容量確認したところ、10セルの平均で480mAhの高い容量が得られた。続いて、100A,20V過充電試験を行った結果、10セル全てで破裂し、2セルが発火した。比較例1と同様に、内部短絡による火花が電解液の蒸気に引火したものと考えられるが、ホスファゼン系化合物の濃度が1vol%では抑止できないことがわかった。
以上の結果から、実施例1〜3においては、全てのキャパシタセルが発火しなかった。これに対し、比較例1〜3においては、発火するセルが確認された。これは、添加剤の添加量が2vol%未満の場合、電解液が蒸発する際に十分な量の難燃剤が気化できなかったため発火を防止できなかったと考えられるまた、添加剤の添加量が20vol%を超える場合、電解質を必要量溶解できないという問題が確認された。

Claims (1)

  1. リチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持可能な物質からなる正極と、リチウムイオンを可逆的に担持可能な物質からなる負極と、電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液とを備えたリチウムイオンキャパシタであって、前記正極及び負極がそれぞれ貫通孔を有する集電体を備えかつセパレータを介して積層または捲回されて電極ユニットを形成しており、負極及び/又は正極とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によってリチウムイオンが負極及び/又は正極にドーピングされ、電解液に下記式(1)で表される化合物を電解液に対し2〜20vol%含む事を特徴とするリチウムイオンキャパシタ。

    〔式中、R1 〜R6 は、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アシル基、カルボン酸エステル、アリール基(以上の置換基はいずれも、水素の一部または全部をハロゲンで置換してもよい)、水素、またはハロゲンであり、R1 〜R6 は一部または全部が同じであっても、あるいは全て異なってもよい。〕
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