JP2011203547A - 液晶表示素子、液晶表示素子の製造方法及び駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表示品質の高い液晶表示素子を提供する。
【解決手段】 第1の電極を備え、配向処理された第1の基板と、第1の基板と平行に対向配置され、第2の電極を備え、配向処理された第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に配置され、カイラル剤を含み、ツイスト配向する液晶層とを有し、液晶層がカイラル剤を含まなかった場合に、液晶分子が捩れる旋回方向を第1旋回方向とするとき、カイラル剤は液晶層の液晶分子に、第1旋回方向とは反対の第2旋回方向への旋回性を与え、第1の基板と第2の基板とは、20°以上45°以下のプレティルト角が発現するように配向処理され、液晶層には、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加することで、液晶層の厚さ方向の電界を生じさせることが可能であり、第1の基板、第2の基板の少なくとも一方には、電圧の印加により、液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界を生じさせることが可能な電極が形成されている液晶表示素子を提供する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、液晶表示素子に関する。またその製造方法及び駆動方法に関する。
カイラル剤と配向角との関係により、液晶層を挟持する一対の透明電極基板に施された配向処理の方向の組み合わせで規制される液晶分子の旋回方向(第1旋回方向)とは逆方向(第2旋回方向)に液晶分子を捩れ配列させる液晶表示素子の発明が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1記載の液晶表示素子においては、液晶分子が第1旋回方向に捩れる配列状態が不安定である。高電圧の印加によって、第1旋回方向に捩れる配列状態を得ることは可能であるが、時間の経過とともに、液晶分子は第2旋回方向に捩れる配列状態に転移する。
液晶分子を、第2旋回方向に旋回させるカイラル剤を添加しながらも、第1旋回方向に配列させることで、液晶層内の歪を増大させ、駆動電圧の大幅な低減を可能にした液晶素子の発明が公知である(たとえば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の液晶素子においても、第2旋回方向に捩れる液晶分子の配列状態が安定的であり、第2旋回方向に捩れる配列状態から、第1旋回方向に捩れる配列状態に転移させる電圧の印加を停止して数秒後には、もとの配列状態(第2旋回方向に捩れる配列状態)に再転移する。第2旋回方向に捩れる配列状態で液晶素子を駆動する場合には、高い駆動電圧が必要となる。
特許文献1及び2に記載されているようなリバースツイステッドネマチック(reverse twisted nematic;RTN)型液晶表示素子においては、一般的に、液晶分子が第1旋回方向に捩れる配列状態(リバースツイスト配列状態)と第2旋回方向に捩れる配列状態(スプレイツイスト配列状態)とで外観上の表示状態(光透過率)に大きな違いがなく、双安定性を与えても高いコントラスト比が得られにくい。
特許2510150号公報 特開2007−293278号公報
本発明の目的は、表示品質の高い液晶表示素子を提供することである。
また、表示品質の高い液晶表示素子の製造方法を提供することである。
更に、消費電力の低減が可能な液晶表示素子の駆動方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、第1の電極を備え、配向処理された第1の基板と、前記第1の基板と平行に対向配置され、第2の電極を備え、配向処理された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、カイラル剤を含み、ツイスト配向する液晶層とを有し、前記液晶層が前記カイラル剤を含まなかった場合に、液晶分子が捩れる旋回方向を第1旋回方向とするとき、前記カイラル剤は前記液晶層の液晶分子に、前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向への旋回性を与え、前記第1の基板と前記第2の基板とは、20°以上45°以下のプレティルト角が発現するように配向処理され、前記液晶層には、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することで、前記液晶層の厚さ方向の電界を生じさせることが可能であり、前記第1の基板、前記第2の基板の少なくとも一方には、電圧の印加により、前記液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界を生じさせることが可能な電極が形成されている液晶表示素子が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、第1の電極を備え、配向処理された第1の基板と、前記第1の基板と平行に対向配置され、第2の電極を備え、配向処理された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、カイラル剤を含み、ツイスト配向する液晶層とを有し、前記液晶層が前記カイラル剤を含まなかった場合に、液晶分子が捩れる旋回方向を第1旋回方向とするとき、前記カイラル剤は前記液晶層の液晶分子に、前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向への旋回性を与え、前記第1の基板と前記第2の基板とは、20°以上45°以下のプレティルト角が発現するように配向処理され、前記液晶層には、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することで、前記液晶層の厚さ方向の電界を生じさせることが可能であり、前記第1の基板、前記第2の基板の少なくとも一方には、電圧の印加により、前記液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界を生じさせることが可能な電極が形成されている液晶表示素子の製造方法であって、前記第1の基板及び第2の基板において配向処理が行われる配向膜を160℃以上180℃以下の焼成温度で形成することを特徴とする液晶表示素子の製造方法が提供される。
更に、本発明の他の観点によれば、第1の電極を備え、配向処理された第1の基板と、前記第1の基板と平行に対向配置され、第2の電極を備え、配向処理された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、カイラル剤を含み、ツイスト配向する液晶層とを有し、前記液晶層が前記カイラル剤を含まなかった場合に、液晶分子が捩れる旋回方向を第1旋回方向とするとき、前記カイラル剤は前記液晶層の液晶分子に、前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向への旋回性を与え、前記第1の基板と前記第2の基板とは、20°以上45°以下のプレティルト角が発現するように配向処理され、前記液晶層には、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することで、前記液晶層の厚さ方向の電界を生じさせることが可能であり、前記第1の基板、前記第2の基板の少なくとも一方には、電圧の印加により、前記液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界を生じさせることが可能な電極が形成されている液晶表示素子の駆動方法であって、第1の色表示から第2の色表示に切り替えるときには前記液晶層の厚さ方向の電界を生じさせ、前記第2の色表示から前記第1の色表示に切り替えるときには前記液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界を生じさせることを特徴とする液晶表示素子の駆動方法が提供される。
本発明によれば、表示品質の高い液晶表示素子を提供することができる。
また、表示品質の高い液晶表示素子の製造方法を提供することができる。
更に、消費電力の低減が可能な液晶表示素子の駆動方法を提供することができる。
実施例による液晶表示素子の製造方法を示すフローチャートである。 配向膜形成時の焼成温度、及びラビング処理時の押し込み量の組み合わせを示す表である。 (A)〜(C)は、作製された複数の液晶表示素子の外観を示す写真である。 (A)〜(F)は、液晶表示素子の作製条件を示す表、及び観察結果を示す表と写真である。 実施例による液晶表示素子の一画素内の概略的な断面図である。 上側透明基板11a上に形成されるITO膜のパターンを示す概略的な平面図である。 下側透明基板11b上に形成されるITO膜のパターンを示す概略的な平面図である。 ITO膜のエッチングに使用するフォトマスクを示す概略的な平面図である。 下側基板10bに形成される下側配向膜14bの形成領域の一部を示す概略的な平面図である。 実施例による液晶表示素子の構造を示す概略的な平面図である。 (A)〜(C)は、実施例による液晶表示素子の外観写真であり、(D)〜(F)は、電圧印加時の電界方向を示す概略的な断面図である。 (A)〜(D)は、実施例による液晶表示素子、及び他の好ましい条件で作製した液晶表示素子の電圧−光透過率特性を示すグラフである。 (A)及び(B)は、実施例による液晶表示素子の視角−コントラスト特性を示すグラフである。
一組の配向膜の配向処理方向とプレティルト角の組み合わせで定まる液晶分子の捩れ方向(第1旋回方向)と、光学活性物質(カイラル剤)によって誘起される液晶分子の捩れ方向(第2旋回方向)とが逆方向となるように作製された液晶層を有し、たとえば液晶層に物理的作用を与えることにより、液晶分子が各方向へ捩れる状態(第1旋回方向につきリバースツイスト(ユニフォームツイスト)配列状態、第2旋回方向につきスプレイツイスト配列状態)が可換的に実現可能な液晶表示素子を、リバースツイステッドネマチック(RTN)型液晶表示素子と呼ぶ。第1旋回方向は、液晶層に光学活性物質(カイラル剤)を添加しなかった場合に、液晶分子が捩れる旋回方向である。
図1は、実施例による液晶表示素子の製造方法を示すフローチャートである。本願発明者らは、まず本図に示すフローチャートに沿って複数の液晶表示素子を作製し、良好な表示を実現するプレティルト角の範囲について予備的に考察した。
透明電極、たとえばITO(indium tin oxide)電極が形成された透明基板を2枚準備する(ステップS101)。ここでは平行平板タイプの電極をもつテストセルを用い、2枚の透明基板を洗浄、乾燥した(ステップS102)。
透明基板上に、ITO電極を覆うように配向膜材料を塗布する(ステップS103)。配向膜材料の塗布は、スピンコートを用いて行った。フレキソ印刷やインクジェット印刷を用いて行ってもよい。通常は垂直配向膜の形成に使用されるポリイミド配向膜材料の側鎖密度を低くし、配向膜材料として用いた。配向膜材料は、配向膜の厚さが500〜800Åとなるように塗布した。配向膜材料を塗布した透明基板の仮焼成(ステップS104)、及び本焼成(ステップS105)を実施する。本焼成は160℃、180℃、200℃、220℃の4条件で行った。こうしてITO電極を覆う配向膜が形成された(ステップS103〜S105)。
次に、ラビング処理(配向処理)を行う(ステップS106)。ラビング処理は、たとえば布を巻いた円筒状のロールを高速に回転させ配向膜上を擦る工程であり、これにより基板に接する液晶分子を一方向に並べる(配向する)ことができる。ラビング処理は、押し込み量を0.4mm、0.8mm、1.2mmとする3条件で行った。またラビング処理は、液晶表示素子のツイスト角が90°となるように実施した。
図2は、配向膜形成時の焼成温度、及びラビング処理時の押し込み量の組み合わせを示す表である。本願発明者らは、本図に示すNo.1〜No.9の9条件で液晶表示素子を作製した。
再び図1を参照する。液晶セルの厚さ(基板間距離)を一定に保つため、一方の透明基板面上にギャップコントロール材をたとえば乾式散布法にて散布する(ステップS107)。ギャップコントロール材には粒径4μmのプラスチックボールを使用した。
他方の透明基板面上にはシール材を印刷し、メインシールパターンを形成する(ステップS108)。たとえば粒径4μmのグラスファイバーを含んだ熱硬化性のシール材を、スクリーン印刷法で印刷する。ディスペンサを用いて、シール材を塗布することもできる。また、熱硬化性ではなく、光硬化性のシール材や、光・熱併用硬化型のシール材を使ってもよい。
透明基板を重ね合わせる(ステップS109)。2枚の透明基板を所定の位置で重ね合わせてセル化し、プレスした状態で熱処理を施しシール材を硬化させる。たとえばホットプレス法を用い、シール材の熱硬化を行う。こうして空セルが作製される。
たとえば真空注入法で空セルにネマチック液晶を注入する(ステップS110)。液晶材料には(株)メルク製のZLI2293を用いた。液晶中にはカイラル剤を添加した。カイラル剤には(株)メルク製のCB15を使用した。カイラル剤の添加量は、カイラルピッチp、液晶層の厚さ(セル厚)dとしたとき、d/pが0.16または0.25となるように調整した。
液晶注入口を、たとえば紫外線(UV)硬化タイプのエンドシール材で封止し(ステップS111)、液晶分子の配向を整えるため、液晶の相転移温度以上にセルを加熱する(ステップS112)。その後、スクライバ装置で透明基板につけた傷に沿ってブレイキングし、個別のセルに小割する。
小割されたセルに対し、面取り(ステップS113)と洗浄(ステップS114)を実施する。
最後に、2枚の透明基板の液晶層と反対側の面に、偏光板を貼付する(ステップS115)。2枚の偏光板はクロスニコルに、かつ透過軸の方向とラビング方向とが平行となるように配置した。直交するように配置することもできる。両透明基板のITO電極間には電源を接続した。
図3(A)〜(C)は、作製された複数の液晶表示素子の外観を示す写真である。作製された液晶表示素子は、初期状態においてスプレイツイスト配列状態となる。両透明基板のITO電極間に飽和電圧値以上の電圧を印加すると、リバースツイスト配列状態に遷移する。
図3(A)を参照する。図2に示す表のNo.1の条件(焼成温度160℃、ラビング処理時の押し込み量0.8mm)で作製した液晶表示素子、及び、No.3の条件(焼成温度180℃、ラビング処理時の押し込み量0.8mm)で作製した液晶表示素子は、d/pを0.16とした場合も0.25とした場合も、リバースツイスト配列状態の電圧無印加時において、本図に示すような外観、すなわち比較的暗い黒表示を呈した。光透過率を測定したところ、約4%であった。また、リバースツイスト配列状態の電圧印加時においては、非常に暗い黒表示が観察された。光透過率はほぼ0%まで低くすることができた。更に、スプレイツイスト配列状態における光透過率を測定したところ、電圧無印加時に約18%であった。No.1及びNo.3の条件で作製された液晶表示素子は、リバースツイスト配列状態とスプレイツイスト配列状態とで外観が大きく異なる表示を行うことができることがわかる。すなわちリバースツイスト配列状態で黒表示、スプレイツイスト配列状態で白表示を行うことが可能である。分光エリプソ法で測定したところ、これらの液晶表示素子においては、23〜35°のプレティルト角が発現していることがわかった。
図3(B)を参照する。図2に示す表のNo.2の条件(焼成温度180℃、ラビング処理時の押し込み量0.4mm)で作製した液晶表示素子は、d/pを0.16とした場合も0.25とした場合も、初期状態から暗い表示を示した。ラビング処理時の押し込み量が小さく、プレティルト角が高くなったため、垂直配向に近い液晶分子配列状態となっていると考えられる。電圧の印加によって表示の明るさに大きな変化はなく、印加電圧の有無、及び印加電圧値に関わらず光透過率は約1%以下であった。
図3(C)を参照する。図2に示す表のNo.1〜No.3の条件以外の条件で作製した液晶表示素子は、d/pの値が0.16か0.25かに関わらず、スプレイツイスト配列状態とリバースツイスト配列状態とで、光透過率に大きな差は認められず、ほぼ等しい表示外観を示した。電圧無印加時の光透過率は、両配列状態とも約25%であり、電圧の印加によって、両配列状態とも光透過率を約1%以下まで低くすることができた。本図は、リバースツイスト配列状態における電圧無印加時の表示(水色の表示)外観を示す。図2に示す表のNo.1〜No.3の条件以外の条件で作製した液晶表示素子のプレティルト角を分光エリプソ法で測定したところ、8〜15°のプレティルト角が発現していることがわかった。
本願発明者らが、多くの液晶表示素子についてプレティルト角を測定したところ、リバースツイスト配列状態の電圧無印加時に好ましく黒表示が可能なプレティルト角の範囲は、31.5°〜36.2°であった。また、リバースツイスト配列状態の電圧無印加時に黒表示を行えない最大のプレティルト角は17.1°であった。更に、スプレイツイスト配列状態の電圧無印加時にも黒表示されるプレティルト角の最小値は48°であった。
これらのことから、上下基板に与えるプレティルト角を20°以上45°以下、一層好ましくは31°以上37°以下として、RTN型液晶表示素子を作製することで、リバースツイスト配列状態の電圧無印加時において黒表示、スプレイツイスト配列状態の電圧無印加時(縦電界無付加時)において白表示を実現することが可能であると考えられるであろう。
上述のプレティルト角の範囲をもつRTN型液晶表示素子において、リバースツイスト配列状態の電圧無印加時に、比較的暗い黒表示が実現される原理については、完全には解明できていないものの、RTN型液晶表示素子には、立ち下がり時(リバースツイスト配列状態)の閾値が立ち上がり時(スプレイツイスト配列状態)の閾値より低くなる性質があり、特殊な条件により閾値が0Vより低くなったためにこのような表示が実現されたものと推測される。
また、一般にリバースツイスト配列状態においては、基板の配向処理で与えられるプレティルト角と、カイラル剤によって付与される捩れ力とにより、液晶層内部に大きな歪みが生じ、この歪みによって電圧無印加時においても、液晶層の厚さ方向の中央付近の液晶分子は基板平面に対して傾いた状態になると考えられている。20°以上という高いプレティルト角を有するRTN型液晶表示素子においては、液晶層の厚さ方向の中央付近の液晶分子の傾き角が非常に大きく、基板に対してほぼ垂直に立ち上がると推察される。このため、電圧無印加時にも比較的暗い黒表示が得られると考えられる。なお、一般にリバースツイスト配列状態においては、基板との界面におけるプレティルト角よりもバルクでの傾斜角が高くなる。これは連続体理論に基づいた液晶分子配向シミュレーションによっても確認されている。
次に、本願発明者らは、図2に示す表のNo.1またはNo.3の条件を前提に、図1に示すフローチャートに沿って複数の液晶表示素子を作製し、リバースツイスト配列状態の電圧無印加時に実現される、比較的暗い黒表示の保持時間が長くなる焼成温度、ツイスト角、セル厚(液晶層の厚さ)について予備的に考察した。図4(A)〜(F)に、液晶表示素子の作製条件及び観察結果を示す。
図4(A)は、液晶表示素子の作製条件を示す表である。まず、ITO電極が形成された透明基板を2枚準備した。ここでも平行平板タイプの電極をもつテストセルを用い、2枚の透明基板を洗浄、乾燥した。
透明基板上に、ITO電極を覆うように配向膜材料を塗布した。配向膜材料の塗布は、スピンコートを用いて行った。通常は垂直配向膜の形成に使用されるポリイミド配向膜材料の側鎖密度を低くし、配向膜材料として用いた。配向膜材料は、配向膜の厚さが500〜800Åとなるように塗布した。配向膜材料を塗布した透明基板の仮焼成及び本焼成を実施した。図4(A)に示すように、本焼成は160℃または180℃で行った。こうしてITO電極を覆う配向膜を形成した。
続いてラビング処理を、押し込み量を0.8mmとして行った。ラビング処理は、図4(A)に示すように、上下基板間のツイスト角を80°、90°、100°とする3条件で実施した。
一方の透明基板面上にギャップコントロール材を散布した。ギャップコントロール材には粒径3μm、4μm、5μmのプラスチックボールを使用し、図4(A)に示すように、セル厚が3μm、4μm、5μmとなる複数の液晶表示素子を作製した。他方の透明基板面上には、グラスファイバーを含んだ熱硬化性のシール材をスクリーン印刷法で印刷し、メインシールパターンを形成した。2枚の透明基板を所定の位置で重ね合わせ、熱処理を施してシール材を硬化させ、空セルを作製した。
真空注入法で空セルにネマチック液晶を注入した。液晶材料には(株)メルク製のZLI2293を用いた。液晶中にはカイラル剤を添加した。カイラル剤には(株)メルク製のCB15を使用した。カイラル剤の添加量は、d/pが0.04、0.08、0.125、0.16、0.20、0.25、0.33となるように調整した。
液晶注入口を紫外線硬化タイプのエンドシール材で封止し、液晶の相転移温度以上にセルを加熱した。スクライバ装置で透明基板につけた傷に沿ってブレイキングし、個別のセルに小割した。
小割されたセルに対し、面取りと洗浄を実施し、2枚の透明基板の液晶層と反対側の面に偏光板を貼付した。2枚の偏光板はクロスニコルに、かつ透過軸の方向とラビング方向とが平行となるように配置した。両透明基板のITO電極間には電源を接続した。こうして作製された液晶表示素子のITO電極間に5Vの交流電圧を印加することで、スプレイツイスト配列状態からリバースツイスト配列状態(比較的暗い黒表示)に遷移させることができる。
図4(B)は、液晶材料へのカイラル剤の添加量を変えたときの比較的暗い黒表示(リバースツイスト配列状態)の保持時間を測定した結果を示す表である。
図4(A)に示す条件Aで作製した液晶表示素子と条件Bで作製した液晶表示素子とを比較する。条件Aで作製した液晶表示素子は、d/p=0.08、0.125、0.16、0.20となる4つの場合において、スプレイツイスト配列状態からリバースツイスト配列状態(比較的黒い表示)に遷移させた後、リバースツイスト配列状態がそのまま数週間以上(表中には「∞」と表示。)保持される。また、d/p=0.04の場合においては、部分的に所望の動作を行うものの、初期より黒い表示状態となる部分が混在していた。このことから、d/p=0.04の場合は、表示素子として用いるための均一性を得るための境界条件であると考えられる。
一方、条件Bで作製した液晶表示素子は、d/p=0.08と0.125となる場合において、リバースツイスト配列状態が数週間以上保持される。条件Bにおいても、条件Aと同様に、d/p=0.04の場合において、初期より黒い表示状態となる部分が混在していた。
これらのことから、焼成温度を180℃として液晶表示素子を作製するより、160℃として作製する方が、リバースツイスト配列状態を安定化させるための、すなわちリバースツイスト配列状態とスプレイツイスト配列状態の双安定性を得るためのd/pマージンが広いことがわかる。なお、図4(C)は、条件A、d/p=0.125で作製した液晶表示素子において保持されたリバースツイスト配列状態での表示外観を示す。焼成温度を少なくとも160℃以上180℃以下として液晶表示素子を作製することで、リバースツイスト配列状態での電圧無印加時における黒表示を長時間保持できる。
次に、条件A、C、Dで作製した液晶表示素子を比較する。条件Cで作製した液晶表示素子は、いずれのd/pにおいてもリバースツイスト配列状態が長時間保持されることはなかった。ツイスト角を80°として液晶表示素子を作製した場合、両配列状態の双安定性を得にくいことがわかる。
一方、条件Aで作製した液晶表示素子と条件Dで作製したそれとは保持時間において大きな差は認められなかった。ただ、条件Dの場合は、d/p=0.125で作製した液晶表示素子において、図3(B)に写真を示した例のように、初期状態から暗い表示を示した。また、d/p=0.25及び0.33のときの保持時間が、条件Aの場合よりやや短かった。このことから、ツイスト角を少なくとも90°以上100°以下として液晶表示素子を作製することで、リバースツイスト配列状態での電圧無印加時における黒表示を長時間保持できること、及び、ツイスト角を100°として液晶表示素子を作製するより、90°として作製する方が、リバースツイスト配列状態とスプレイツイスト配列状態の双安定性を若干得やすいことがわかる。
続いて、セル厚を基準に比較を行う。セル厚が3μmと薄い場合(条件E)、d/pの値によって保持性に明瞭な差はなく、すべてのd/pにおいて、リバースツイスト配列状態が数週間以上保持された。図4(D)に、条件E、d/p=0.125で作製された液晶表示素子の表示外観を示す。ただし、条件Eにおいては、d/pの値が0.20、0.25と大きいとき、電圧を印加していないにもかかわらず、リバースツイスト配列状態が次第に電極外の領域に広がる現象が見られた。図4(E)にその様子を示す。リバースツイスト配列状態が電極外領域に広がると、その部分の制御が困難となるため注意を要する。
セル厚が5μmと厚い場合(条件F)は、条件Aや条件Eと比べて、保持時間の長いd/pの範囲が狭く、d/p=0.16として作製した液晶表示素子のみ、リバースツイスト配列状態が数週間以上保持された。図4(F)に、その液晶表示素子の表示外観を示す。本願発明者らの観察の結果、セル厚が厚い場合も(条件F)、薄い場合も(条件E)、条件Aで作製した液晶表示素子と同様に、リバースツイスト配列状態の電圧無印加時、比較的暗い黒表示が得られた。このことから液晶表示素子のセル厚に多少のむらがあったとしても、たとえばコントラスト比の高い、双安定性表示が可能であることがわかる。図4(B)の表に結果を示す観察からは、セル厚を少なくとも3μm以上5μm以下として液晶表示素子を作製することで、リバースツイスト配列状態での電圧無印加時における黒表示を長時間保持できることが確認された。
d/pに関しては、他の条件にもよるが、たとえば条件A、D、及びEで作製した液晶表示素子の黒表示保持時間から、0.04を超え、0.25未満とするのが好ましいと考えられるであろう。
本願発明者らは、以上の予備的考察を踏まえ、実施例による液晶表示素子を作製した。
図5は、実施例による液晶表示素子の一画素内の概略的な断面図である。
実施例による液晶表示素子は、相互に平行に対向配置された上側基板10a、下側基板10b、及び両基板10a、10b間に挟持されたツイストネマチック液晶層15を含んで構成される。
上側基板10aは、上側透明基板11a、上側透明基板11a上に形成された上側ベタ電極12a、及び上側ベタ電極12a上に形成された上側配向膜14aを含む。下側基板10bは、下側透明基板11b、下側透明基板11b上に形成された下側ベタ電極12b、下側ベタ電極12b上に形成された絶縁膜13、絶縁膜13上に形成された第1、第2櫛歯電極12c、12d、及び、第1、第2櫛歯電極12c、12dを覆うように絶縁膜13上に形成された下側配向膜14bを含む。
上側、下側透明基板11a、11bは、たとえばガラスで形成される。上側、下側ベタ電極12a、12b、及び第1、第2櫛歯電極12c、12dは、たとえばITO等の透明導電材料で形成される。第1、第2櫛歯電極12c、12dは、それぞれ複数の櫛歯部分を備える櫛状電極である。第1、第2櫛歯電極12c、12dの櫛歯部分は、本図左右方向に沿って互い違いに配置されている。
液晶層15は、上側基板10aの上側配向膜14aと、下側基板10bの下側配向膜14bとの間に配置される。
上側及び下側配向膜14a、14bには、ラビングにより配向処理が施されている。上側配向膜14aと下側配向膜14bの配向処理方向は、上側及び下側基板10a、10bの法線方向から見たとき、相互に直交している。上側配向膜14aのラビング方向を第1の方向、下側配向膜14bのラビング方向を第2の方向とすると、第2の方向は上側基板10aの法線方向から見て、第1の方向を基準に、左回り方向に90°をなす方向である。上側及び下側基板10a、10bの配向処理方向とプレティルト角の組み合わせで規定される液晶層15の液晶分子の配列状態は、上側基板10aの法線方向から見て、右方向に90°捩れるユニフォームツイスト(リバースツイスト)配列となる。
液晶層15を形成する液晶材料にはカイラル剤が添加されている。カイラル剤の影響力のもとで生じる液晶分子の配列状態は、上側基板10aの法線方向から見て、上側基板10aから下側基板10bに向かう方向に沿って、左捩れ方向に捩れるスプレイツイスト配列となる。
液晶セル完成状態での液晶分子の捩れ方向は、カイラル剤による捩れ方向と同方向の左捩れ(スプレイツイスト配列)であった。
電源20が、上側、下側ベタ電極12a、12b、及び第1、第2櫛歯電極12c、12dに、電気的に接続されている。電源20によって、電極12a〜12dに電圧を印加することが可能である。たとえば両ベタ電極12a、12b間に、閾値電圧以上の交流電圧を印加することで、液晶分子の配列状態を、スプレイツイスト配列からユニフォームツイスト(リバースツイスト)配列に転移させることができる。
上側基板10a、下側基板10bの液晶層15と反対側の面には、それぞれ上側偏光板16a、下側偏光板16bが配置される。両偏光板16a、16bは、クロスニコルに、かつ、光透過軸が、上側及び下側基板10a、10bのラビング方向と平行になるように配置される。実施例による液晶表示素子は、ノーマリホワイトタイプの液晶表示素子である。
図6〜図10を参照し、実施例による液晶表示素子の構成及び製造方法について詳細に説明する。
図6は、上側透明基板11a上に形成されるITO膜のパターンを示す概略的な平面図である。本図に示すITO膜で、たとえば画素電極(各画素において上側ベタ電極12aを形成する電極)及び当該画素電極の取り出し電極が形成される。
ITO膜パターンは、たとえば本図左右方向にITO膜がストライプ状に延在するように形成される。本図においては、画素電極を構成するITO膜に12A〜12A10の符号を付して示した。
ITO膜のパターニングは、ITO付きガラス基板を洗浄した後、フォトリソ工程を用いて行った。ITOのエッチングは、第二塩化鉄を用いたウェットエッチングで実施した。レーザビームを照射し、ITO膜を除去することでパターニングを行ってもよい。
図7は、下側透明基板11b上に形成されるITO膜のパターンを示す概略的な平面図である。本図に示すITO膜で、たとえば画素電極(各画素において下側ベタ電極12bを形成する電極)及び当該画素電極の取り出し電極が形成される。
ITO膜パターンは、たとえば本図上下方向にITO膜がストライプ状に延在するように形成される。本図においては、画素電極を構成するITO膜の一部に12B〜12Bの符号を付して示した。なお、本図上下方向と図6の左右方向は相互に直交する方向である。
ITO膜のパターニングは、図6を参照して説明したITO膜パターンの形成方法と同様の方法で行うことができる。
ITO膜をパターニングした後、ITO膜上を含む下側透明基板11b上に絶縁膜13を形成する。絶縁膜13は、たとえば取り出し電極12BT〜12BT部分(端子部分)には形成しない。本図においては、絶縁膜13を形成しない領域に斜線を付した。絶縁膜13は、取り出し電極部分等にレジストを形成し、絶縁膜成膜後にリフトオフでレジストを除去する方法、メタルマスクで取り出し電極部分等を覆った状態でスパッタにより形成する方法により形成可能である。また、絶縁膜13は、有機絶縁膜やSiO、SiN等の無機絶縁膜とすることができる。それらの組み合わせで形成してもよい。実施例においては、アクリル系有機絶縁膜とSiOの積層膜を絶縁膜13として用いた。
実施例においては、まず取り出し電極部分等に耐熱性フィルム(ポリイミドテープ)を貼り、膜厚1μmに有機絶縁膜をスピンコート(2000rpmで30秒間スピン)した。次に、有機絶縁膜がスピンコートされた下側透明基板11bを、クリーンオーブンにて220℃で1時間焼成し、その後耐熱性フィルムを貼ったままで下側透明基板11bを80℃に加熱し、SiO膜をスパッタ法(交流放電)により厚さ1000Åに成膜した。SiO膜は、真空蒸着法、イオンビーム法、CVD法等を用いて成膜することもできる。
ここで耐熱性フィルムを剥がすと、耐熱性フィルムの貼付箇所につき、有機絶縁膜及びSiO膜を除去することができた。続いて、SiO膜の絶縁性と透明性とを向上させるために、下側透明基板11bをクリーンオーブンにて220℃で1時間焼成した。
SiO膜の形成は必須ではないが、SiO膜を成膜することで絶縁膜13の絶縁性を向上させることができる。また、絶縁膜13上に形成する第1、第2櫛歯電極12c、12dの密着性及びパターニング性を向上させることが可能である。
有機絶縁膜を形成せず、絶縁膜13をSiO膜のみで構成してもよい。SiO膜は多孔質になりやすいため、この場合には、SiO膜の厚さを4000Å〜8000Åとすることが望ましい。SiO膜とSiN膜との積層からなる無機絶縁膜13とすることもできる。
絶縁膜13上にITO膜を形成した。ITO膜は、下側透明基板11bを100℃に加熱し、スパッタ法(交流放電)により基板全面に成膜した。膜厚は約1200Åとした。ITO膜は、真空蒸着法、イオンビーム法、CVD法等を用いて形成することもできる。このITO膜をフォトリソ工程でパターニングし、第1櫛歯電極12c、第2櫛歯電極12d、及びそれらの電極12c、12dの取り出し電極を形成した。
図8は、ITO膜のエッチングに使用するフォトマスクを示す概略的な平面図である。フォトマスクは、第1櫛歯電極12c対応部分、第2櫛歯電極12d対応部分、第1櫛歯電極12cの取り出し電極対応部分、第2櫛歯電極12dの取り出し電極対応部分、及び下側ベタ電極12bの取り出し電極対応部分を含む。エッチング時、各対応部分で覆われたITO膜で、電極が形成される。なお、本願発明者らは、櫛状電極の櫛歯部分の電極幅を20μm、30μm、2つの櫛状電極の櫛歯部分を交互に配置したときの電極間隔を20μm、30μm、50μm、100μm、200μmとする複数の電極パターンで、第1櫛歯電極12c及び第2櫛歯電極12dを作製した。
以上のような工程を経て、電極付基板を2枚準備した(図1のステップS101)。2枚の電極付基板を洗浄し乾燥する(ステップS102)。水洗の場合は、純水洗浄を行う。洗剤を使用して行ってもよい。ブラシ洗浄、スプレー洗浄のいずれで洗浄することもできる。その後水切りをし、乾燥させる。水洗以外の方法として、UV洗浄、IR乾燥を実施することが可能である。
2枚の電極付基板上に、ITO電極を覆うように配向膜材料を塗布した(ステップS103)。配向膜材料の塗布は、スピンコートを用いて行った。フレキソ印刷やインクジェット印刷を用いて行ってもよい。通常は垂直配向膜の形成に使用されるポリイミド配向膜材料の側鎖密度を低くし、配向膜材料として用いた。配向膜材料は、配向膜の厚さが500Å〜800Åとなるように塗布した。配向膜材料を塗布した電極付基板の仮焼成(ステップS104)、及び本焼成(ステップS105)を実施した。本焼成は160℃で1時間行った。160℃以上180℃以下の温度で行ってもよい。こうしてITO電極を覆う配向膜を形成した(ステップS103〜S105)。
図9は、下側基板10bに形成される下側配向膜14bの形成領域の一部を示す概略的な平面図である。下側配向膜14bは、たとえば第1、第2櫛歯電極12c、12dが配置され、画素が画定される領域に形成される。本図には、下側配向膜14bの形成領域として左上の部分のみを示したが、その他の櫛歯電極12c、12d配置領域についても同様である。
次に、ラビング処理(配向処理)を行った(ステップS106)。ラビング処理は、押し込み量を0.8mmとして行った。また、液晶表示素子のツイスト角が90°となるように実施した。
セル厚を4μmとするため、一方の基板面上に、粒径4μmのギャップコントロール材を散布した(ステップS107)。セル厚を3μm以上5μm以下とするため、粒径3μm以上5μm以下のギャップコントロール材を散布することも可能である。他方の基板面上にはシール材を印刷し、メインシールパターンを形成した(ステップS108)。2枚の基板を所定の位置で重ね合わせて(ステップS109)、シール材を硬化させた。
2枚の基板を重ね合わせは、液晶分子の配列が、上側基板法線方向から見て、右方向に90°捩れるユニフォームツイスト(リバースツイスト)配列となるように、上側配向膜14aのラビング方向を第1の方向、下側配向膜14bのラビング方向を第2の方向としたとき、第2の方向が上側基板10aの法線方向から見て、第1の方向を基準に、左回り方向に90°をなす方向となるように行った。なお、ツイスト角は90°以上100°以下とすることができる。
真空注入法でネマチック液晶を注入した(ステップS110)。液晶材料には(株)メルク製のZLI2293を用いた。液晶中にはカイラル剤を添加した。カイラル剤には(株)メルク製のCB15を使用した。カイラル剤の添加量は、カイラルピッチをp、液晶層の厚さをdとしたとき、d/pが0.16となるように調整した。0.04を超え0.25未満とすることができる。
液晶注入口を、紫外線硬化タイプのエンドシール材で封止し(ステップS111)、液晶分子の配向を整えるため、液晶の相転移温度以上にセルを加熱した(ステップS112)。その後、スクライバ装置で透明基板につけた傷に沿ってブレイキングし、個別のセルに小割した。小割されたセルに対し、面取り(ステップS113)と洗浄(ステップS114)を実施した。
最後に、2枚の基板の液晶層と反対側の面に、偏光板を貼付した(ステップS115)。2枚の偏光板はクロスニコルに、かつ透過軸の方向とラビング方向とが平行となるように配置した。直交するように配置することもできる。両基板のITO電極(上側、下側ベタ電極12a、12b、及び第1、第2櫛歯電極12c、12d)には電源を接続した。
図10は、実施例による液晶表示素子の構造を示す概略的な平面図である。図10には、図6〜図9に表した構造をすべて重ね合わせて示してある。左右方向に延在する横電極と、上下方向に延在する縦電極とで一つの画素が画定される。本図においては、横電極に12A〜12A10の符号を付して示し、縦電極の一部に12B〜12Bの符号を付して示した。矢印で示したのは、横電極12Aと縦電極12Bとが基板法線方向から見て重なる領域に画定される画素である。この画素における横電極12Aは、図5の上側ベタ電極12aに相当し、縦電極12Bは下側ベタ電極12bに相当する。
図11(A)〜(C)は、実施例による液晶表示素子の外観写真であり、図11(D)〜(F)は、電圧印加時の電界方向を示す概略的な断面図である。なお、本図(A)〜(C)に示すのは、第1、第2櫛歯電極12c、12dの櫛歯部分の電極幅を20μm、両櫛歯電極12c、12dの櫛歯部分を交互に配置したときの電極間隔を20μmとして作製した液晶表示素子の、櫛歯電極12c、12d形成領域の外観写真である。
図11(A)に、液晶表示素子が完成した状態(初期状態)の外観写真を示す。初期状態においては、液晶分子はスプレイツイスト配列状態となる。
この状態において、図11(D)に示すように、上側ベタ電極12aと下側ベタ電極12bとの間に電圧を印加した。両電極12a、12bへの電圧の印加により、液晶層には縦電界(液晶層の厚さ方向の電界)が生じる。
図11(B)は、電極12a、12bに電圧を印加した後の外観写真である。全体がスプレイツイスト配列状態からリバースツイスト配列状態に遷移したことがわかる。逆にこのことから両電極12a、12bへの電圧の印加で、液晶層に縦電界が発生することが確認される。
次に、図11(E)に示すように、第1櫛歯電極12cと第2櫛歯電極12dとの間に電圧を印加した。両電極12c、12dへの電圧の印加により、液晶層には横電界(液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界、基板面内方向の電界)が生じる。なお、第1、第2櫛歯電極12c、12dへの電圧の印加により、液晶層に横電界を生じさせて、液晶表示素子を駆動する駆動モードをIPSモード(in-plane switching mode)と呼ぶ。
図11(B)に示す状態の液晶表示素子をIPSモードで駆動したところ、初期状態と同様の状態(スプレイツイスト配列状態)に再遷移したことが確認された。
更に、図11(F)に示すように、下側ベタ電極12b、第1櫛歯電極12c、第2櫛歯電極12dに電圧を印加した。電極12b、12c、12dへの電圧の印加によっても、液晶層には横電界が生じる。なお、電極12b、12c、12dへの電圧の印加により、液晶層に横電界を生じさせて、液晶表示素子を駆動する駆動モードをFFSモード(fringe field switching mode)と呼ぶ。
図11(C)は、図11(B)に示す状態の液晶表示素子をFFSモードで駆動した後の外観写真である。全面が初期状態と同様の状態(スプレイツイスト配列状態)に再遷移していることがわかる。
本願発明者らの観察の結果、IPSモードで駆動した場合には、全面がスプレイツイスト配列状態に遷移するのではなく、櫛歯電極のパターンに対応したストライプ状にスプレイツイスト配列状態に遷移した。IPSモードにおいては、櫛歯電極12c、12d間にのみ横電界が生じるためと考えられる。これに対し、FFSモードで駆動した場合に、全面がスプレイツイスト配列状態に遷移したのは、FFSモードにおいては、櫛歯電極12c、12d上にも横電界が生じるためと考えられる。実施例による液晶表示素子は、スプレイツイスト配列状態とリバースツイスト配列状態とをスイッチング可能な液晶表示素子である。縦電界の印加により、前者を後者に遷移させることができる。また、横電界の印加により、後者を前者に遷移させることができる。なお、横電界の印加に関しては、開口率、光透過率、コントラスト比等の点から、IPSモードよりFFSモードでの駆動が好ましい。
液晶層の厚さ方向の中央付近の液晶分子が、縦電界の付加により、横方向から縦方向に傾くことで、スプレイツイスト配列状態からリバースツイスト配列状態へのスイッチングが行われるものと考えられる。また、液晶層の厚さ方向の中央付近の液晶分子が、横電界の付加により、縦方向から横方向に傾くことで、リバースツイスト配列状態からスプレイツイスト配列状態へのスイッチングが行われるものと考えられる。
実施例による液晶表示素子は、付加する電界の方向により、スプレイツイスト配列状態とリバースツイスト配列状態とが相互に遷移し、かつ、各々の状態が安定的に保持される液晶表示素子である。実施例による液晶表示素子においては、たとえばメモリ性を利用した表示が可能である。
白表示したい画素は、スプレイツイスト配列状態とし、黒表示したい画素は、リバースツイスト配列状態とする。少なくとも白表示から黒表示に変えたい画素には縦電界を加える。黒表示を維持したい画素にも、縦電界を加えてもよい。逆に、少なくとも黒表示から白表示に変えたい画素には横電界を加える。白表示を維持したい画素にも、横電界を加えてもよい。
表示の書き換えは、たとえばラインごとに行うことができる。一例として、図10において、縦電極12B〜12Bのうちの1本、たとえば縦電極12Bに、配列状態の遷移が生じない程度の矩形波(たとえば150Hz、5V程度)を印加する。これとともに、横電極12A〜12A10または第1、第2櫛歯電極に、縦電極12Bに印加する電圧と同期したもしくは半周期ずれた矩形波(たとえば150Hz、5V程度)を印加する。
縦電極12Bに加えた波形と同期した波形を加えた画素においては、実効的に電圧が印加されていない状態となるため表示は変化せず、縦電極12Bに加えた波形と半周期ずれた波形を加えた画素においては、実効的には10V程度の電圧が印加される状態となるため、飽和電圧以上の電圧となり、白表示と黒表示との間を相互に変化させ得る。
たとえば白表示したい画素には、第1、第2櫛歯電極に半周期ずれた矩形波を印加し、横電極12A〜12A10には電圧を印加しない。黒表示したい画素には、横電極12A〜12A10に半周期ずれた矩形波を印加し、第1、第2櫛歯電極には電圧を印加しない。
縦電極12Bの後、縦電極12B〜12Bに対しても矩形波を印加し、同様に駆動することで、マトリクス表示が可能となる。書き換えられた表示は半永久的に保持することが可能である。
実施例による液晶表示素子は、たとえば上述の線順次書き換え法(線順次駆動)等の、メモリ性を利用した駆動方法で駆動することができる。表示の書き換え時以外は電力を消費しない、超低消費電力駆動が可能である。特に反射型ディスプレイに適用した場合、メリットは大きい。また、高価なTFT等を用いることなく、単純マトリクス表示により、大容量のドットマトリクス表示を行うことができる。すなわち、低コストで大容量の表示を行うことが可能である。更に、実施例による液晶表示素子は、たとえば図1及び図6〜図10を参照して説明した製造方法で、安価に製造することができる。
図12(A)〜(D)は、実施例による液晶表示素子、及び他の好ましい条件で作製した液晶表示素子の電圧−光透過率特性を示すグラフである。各グラフの横軸は、印加電圧を単位「V」で示し、縦軸は光透過率を単位「%」で示す。実線で示す曲線はリバースツイスト配列状態(図中には「遷移後」と表示)における電圧−光透過率特性を表し、破線で示す曲線はスプレイツイスト配列状態(図中には「遷移前」と表示)におけるそれを表す。図示するのは、それぞれの配列状態において、上側、下側ベタ電極12a、12b間に電圧を印加し、縦電界を生じさせた場合の電気光学特性である。なお、「遷移前」、「遷移後」の前に付した数字は、図12(A)〜(C)においてはd/pの値、図12(D)においてはセル厚を表す。また、測定には(株)大塚電子製の液晶素子電気光学特性測定装置であるLCD5200を使用した。
図12(A)に、図4(A)の条件Aで作製した液晶表示素子(実施例による液晶表示素子)の電気光学特性を示す。電圧無印加時の両配列状態の光透過率が大きく異なっており、高コントラスト比の表示が可能であることがわかる。実施例による液晶表示素子は、コントラスト比が高く、かつ、白表示状態と黒表示状態とがともに安定的である高品質の表示を簡便に実現できる液晶表示素子である。黒表示が暗く、はっきりとした表示を行いやすい。
図12(B)に、図4(A)の条件Bで作製した液晶表示素子の電気光学特性を示す。図12(A)に示す例にはやや劣るものの、やはり電圧無印加時の両配列状態の光透過率が大きく異なり、高コントラスト比、高品質の表示が可能である。なお、図12(A)に示す電気光学特性と図12(B)に示すそれとでは、光透過率のd/pに対する依存性の傾向が逆になっている。この原因の詳細は不明であるが、作製条件によって最適な電気光学特性を得るためのd/pの傾向が異なることがわかる。
図12(C)は、図4(A)の条件Dで作製した液晶表示素子の電気光学特性である。図12(A)に示す例と大きくは相違せず、高コントラスト比、高品質の表示が可能である。また、図12(C)に示す例では、光透過率のd/pに対する依存性が小さく、d/pに対して安定していることがわかる。
図12(D)に、セル厚による電気光学特性の相違を示す。セル厚を3μm、4μm、5μmのいずれとしたときも、リバースツイスト配列状態の電圧無印加時、比較的暗い黒表示が得られることがわかる。液晶材料を最適化することで、どのセル厚でも比較的明るい光透過率と、高いコントラスト比とを両立できると考えられる。
図13(A)及び(B)は、実施例による液晶表示素子の視角−コントラスト特性を示すグラフである。両グラフにおいて、横軸は最良視認方向における視角(極角、基板法線方向からの傾き角)を単位「°」で表す。リバースツイスト配列状態において、液晶層厚さ方向の中央の液晶分子が立ち上がっている方向が最良視認方向となる。また縦軸は、コントラスト比を表す。コントラスト比は、スプレイツイスト配列状態(白表示)での光透過率を、リバースツイスト配列状態(黒表示)での光透過率で除した値である。
図13(A)に示すように、実施例による液晶表示素子においては、約40°の視角(極角)において、16以上のコントラスト比が得られている。
図13(B)には、実施例による液晶表示素子の視角−コントラスト特性(実線)とともに、たとえば図3(C)に表示外観を示した、従来の液晶表示素子の視角−コントラスト特性(破線)を示す。図示されるように、従来の液晶表示素子においては、視角(極角)によらず、コントラスト比は1前後である。また、従来の液晶表示素子のコントラスト比の最大値は1.09であった。実施例による液晶表示素子は、広い視角範囲において、高コントラスト比が実現された、表示品質の高い液晶表示素子であることがわかる。
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
たとえば、実施例においては、偏光板をクロスニコルに配置しノーマリホワイト表示の液晶表示素子としたが、偏光板を平行ニコルに配置しノーマリブラック表示の液晶表示素子としてもよい。ただノーマリホワイトとした方が高コントラスト比での表示を実現しやすいであろう。ノーマリホワイト表示の場合、良好な黒表示を得るためには、上側及び下側偏光板16a、16bの透過軸方向のなす角度は、90°付近であることが望ましい。
なお、実施例においては上側及び下側偏光板16a、16bとして光透過率が比較的低いタイプを使用したため、たとえば図12(A)に示すように白表示(スプレイツイスト配列状態)の光透過率が15%〜20%程度となっているが、光透過率が比較的高いタイプを使用すると、白表示の光透過率をたとえば25%〜30%程度とすることが可能であろう。
また、実施例においてはツイスト角を90°としたが、その他の角度とすることもできる。その場合、白表示での明るさを明るくするために、液晶層内のリターデーション値を調整する必要があろう。
更に、実施例においては下側基板10bにのみ、横電界を生じさせる電極を形成したが、下側基板10bだけでなく、上側基板10aにも形成することができる。横電界を生じさせる電極は、上側基板10a、下側基板10bのうちの少なくとも一方に形成すればよい。
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
液晶表示素子全般、たとえば単純マトリクス駆動を行う液晶表示素子全般に利用することができる。また、低消費電力、広い視角特性、低価格等が求められる液晶表示素子に利用可能である。
メモリ性を有する点からは、たとえば省電力で頻繁な書き換えを必要としない情報機器(パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)の表示面等、反射型、透過型、投射型のディスプレイに好ましく適用可能である。また、磁気記録ないし電気記録されたカードの情報表示面、児童用玩具、電子ペーパー等に利用することができる。
10a 上側基板
10b 下側基板
11a 上側透明基板
11b 下側透明基板
12a 上側ベタ電極
12b 下側ベタ電極
12c 第1櫛歯電極
12d 第2櫛歯電極
13 絶縁膜
14a 上側配向膜
14b 下側配向膜
15 液晶層
16a 上側偏光板
16b 下側偏光板
20 電源

Claims (14)

  1. 第1の電極を備え、配向処理された第1の基板と、
    前記第1の基板と平行に対向配置され、第2の電極を備え、配向処理された第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、カイラル剤を含み、ツイスト配向する液晶層と
    を有し、
    前記液晶層が前記カイラル剤を含まなかった場合に、液晶分子が捩れる旋回方向を第1旋回方向とするとき、前記カイラル剤は前記液晶層の液晶分子に、前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向への旋回性を与え、
    前記第1の基板と前記第2の基板とは、20°以上45°以下のプレティルト角が発現するように配向処理され、
    前記液晶層には、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することで、前記液晶層の厚さ方向の電界を生じさせることが可能であり、
    前記第1の基板、前記第2の基板の少なくとも一方には、電圧の印加により、前記液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界を生じさせることが可能な電極が形成されている液晶表示素子。
  2. 前記第2の基板は、
    透明基板と、
    前記透明基板上に形成された前記第2の電極と、
    前記第2の電極上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成された、第1及び第2の櫛歯電極であって、櫛歯部分が交互に配置されている第1及び第2の櫛歯電極と、
    前記第1及び第2の櫛歯電極を覆うように前記絶縁膜上に形成された配向膜と
    を含む請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記第1の基板と前記第2の基板とは、31°以上37°以下のプレティルト角が発現するように配向処理されている請求項1または2に記載の液晶表示素子。
  4. 前記第1の基板の配向処理方向と、前記第2の基板の配向処理方向とのなす角が、前記第1及び第2の基板の法線方向から見たとき、90°以上100°以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  5. 前記第1の基板の配向処理方向と、前記第2の基板の配向処理方向とのなす角が、前記第1及び第2の基板の法線方向から見たとき、90°である請求項4に記載の液晶表示素子。
  6. 前記液晶層への前記カイラル剤の添加量は、カイラルピッチをp、前記液晶層の厚さをdとするとき、d/pが0.04を超え0.25未満となるように調整されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  7. 前記液晶層の厚さが3μm以上5μm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  8. 第1の電極を備え、配向処理された第1の基板と、前記第1の基板と平行に対向配置され、第2の電極を備え、配向処理された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、カイラル剤を含み、ツイスト配向する液晶層とを有し、前記液晶層が前記カイラル剤を含まなかった場合に、液晶分子が捩れる旋回方向を第1旋回方向とするとき、前記カイラル剤は前記液晶層の液晶分子に、前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向への旋回性を与え、前記第1の基板と前記第2の基板とは、20°以上45°以下のプレティルト角が発現するように配向処理され、前記液晶層には、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することで、前記液晶層の厚さ方向の電界を生じさせることが可能であり、前記第1の基板、前記第2の基板の少なくとも一方には、電圧の印加により、前記液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界を生じさせることが可能な電極が形成されている液晶表示素子の製造方法であって、
    前記第1の基板及び第2の基板において配向処理が行われる配向膜を160℃以上180℃以下の焼成温度で形成することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  9. 前記液晶層を、前記カイラル剤のカイラルピッチをp、前記液晶層の厚さをdとするとき、d/pが0.04を超え0.25未満となるように前記カイラル剤を添加して形成する請求項8に記載の液晶表示素子の製造方法。
  10. 前記第1の基板及び第2の基板の配向処理を押し込み量0.8mmでラビングすることで行う請求項8または9に記載の液晶表示素子の製造方法。
  11. 前記第1の基板の配向処理の方向と、前記第2の基板の配向処理の方向とが、前記第1及び第2の基板の法線方向から見て90°以上100°以下の角をなすように、前記第1及び第2の基板を平行に貼り合せることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  12. 前記第1の基板と前記第2の基板とを、3μm以上5μm以下の間隔を隔てて貼り合せることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  13. 第1の電極を備え、配向処理された第1の基板と、前記第1の基板と平行に対向配置され、第2の電極を備え、配向処理された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、カイラル剤を含み、ツイスト配向する液晶層とを有し、前記液晶層が前記カイラル剤を含まなかった場合に、液晶分子が捩れる旋回方向を第1旋回方向とするとき、前記カイラル剤は前記液晶層の液晶分子に、前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向への旋回性を与え、前記第1の基板と前記第2の基板とは、20°以上45°以下のプレティルト角が発現するように配向処理され、前記液晶層には、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することで、前記液晶層の厚さ方向の電界を生じさせることが可能であり、前記第1の基板、前記第2の基板の少なくとも一方には、電圧の印加により、前記液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界を生じさせることが可能な電極が形成されている液晶表示素子の駆動方法であって、
    第1の色表示から第2の色表示に切り替えるときには前記液晶層の厚さ方向の電界を生じさせ、
    前記第2の色表示から前記第1の色表示に切り替えるときには前記液晶層の厚さ方向と直交する方向の電界を生じさせることを特徴とする液晶表示素子の駆動方法。
  14. 前記第1の色表示から前記第2の色表示への切り替え、及び、前記第2の色表示から前記第1の色表示への切り替えを、線順次駆動で行う請求項13に記載の液晶表示素子の駆動方法。
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