JP2000105379A - 液晶素子とその製造方法 - Google Patents

液晶素子とその製造方法

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JP2000105379A
JP2000105379A JP27747198A JP27747198A JP2000105379A JP 2000105379 A JP2000105379 A JP 2000105379A JP 27747198 A JP27747198 A JP 27747198A JP 27747198 A JP27747198 A JP 27747198A JP 2000105379 A JP2000105379 A JP 2000105379A
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Yasushi Asao
恭史 浅尾
Masahiro Terada
匡宏 寺田
Yoshimasa Mori
省誠 森
Takashi Moriyama
孝志 森山
Takeshi Togano
剛司 門叶
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スメクチック液晶素子において、画素の外周
から成長する反転ドメインを抑制して、広い駆動マージ
ンを実現する。 【解決手段】 それぞれにストライプ状の電極群を有す
る一対の基板の一方に、ポリイミド膜を形成し、該ポリ
イミド膜に対して電極のストライプに垂直な方向に第1
の一軸配向処理を施した後、該第1の一軸配向処理方向
が平行な画素の辺の画素内近傍に該辺に平行なストライ
プ状の領域が露出するマスクにて上記ポリイミド膜を覆
い、上記第1の一軸配向処理方向に対して垂直な方向に
第2の一軸配向処理を施すことによって、当該一対の基
板に挟持された液晶の層方向が、画素内近傍において近
接する画素の外周の辺に対して平行になるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プリンタ
等に用いられるライトバルブに使用される液晶素子とそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、広範に用いられているネマチック
液晶素子の代表例として、一つ一つの画素にトランジス
タのような能動素子(例えばTFT(薄膜トランジス
タ))を配置した、アクティブマトリクス型といわれる
液晶素子の開発が行なわれている。現在このTFTを用
いた液晶素子に用いられる液晶モードとして、例えば、
M.シャット(M.Schadt)とW.ヘルフリッヒ
(W.Helfrich)著、アプライド フィジック
ス レターズ(Applied PhysicsLet
ters)第18巻、第4号(1971年2月15日発
行)第127頁〜128頁において示された、ツイステ
ッドネマチック(Twisted Nematic)モ
ードが広く用いられている。また、最近では横方向電界
を利用したインプレインスイッチング(In−Plai
n Switching)モードが発表されており、従
来型の液晶ディスプレイの欠点であった視野角特性の改
善がなされている。一方、こうしたTFT等の能動素子
を用いない、ネマチック液晶素子の代表例として、スー
パーツイステッドネマチック(Super Twist
ed Nematic)モードがある。このように、こ
うしたネマチック液晶を用いた液晶素子は様々なモード
が存在するのであるが、そのいずれのモードの場合にも
液晶の応答速度が数十ミリ秒以上かかってしまうという
本質的な問題点が存在した。
【0003】このような従来型のネマチック液晶素子の
応答速度を改善するものとして、双安定性を示す液晶を
用いた素子がクラーク(Clark)及びラガウェル
(Lagerwall)により提案されている(特開昭
56−107216号公報、米国特許第4367924
号明細書)。この双安定性を示す液晶としては、一般に
カイラルスメクチックC相を示す強誘電性液晶が用いら
れている。この強誘電性液晶は、自発分極によりスイッ
チングを行なうため、非常に速い応答速度が得られる上
にメモリー性のある双安定状態を発現させることができ
る。さらに視野角特性も優れていることから、高速、高
精細、大面積の表示素子或いはライトバルブとして適し
ていると考えられる。
【0004】さらに、最近では3安定性を示す反強誘電
性液晶が注目されている。この反強誘電性液晶も強誘電
性液晶同様に、自発分極によりスイッチングを行なうた
め、非常に速い応答速度が得られる。この液晶材料は、
電界無印加時には液晶分子は互いの自発分極を打ち消し
あうような分子配列構造をとるため、電界を印加しない
状態では素子全体としては自発分極は存在しないことが
特徴となっている。さらに最近では、この反強誘電性液
晶をアクティブマトリクス素子にて駆動するために開発
された無しきい値反強誘電性液晶も報告されている。
【0005】こうした自発分極によりスイッチングを行
なう強誘電性液晶や反強誘電性液晶は、いずれもスメク
チック液晶である。即ち、従来ネマチック液晶が抱えて
いた応答速度に関する問題点を解決できるという意味に
おいて、スメクチック液晶を用いた液晶素子の実現が期
待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように優れた特長を有するスメクチック液晶素子ではあ
るが、マトリクス型の表示素子として用いた場合などに
おいて、各画素の外周、即ち電界印加部分と電界無印加
部分との境界を起点として反転ドメインを生成してしま
い、この反転ドメインが画素の中央部分まで成長してし
まう結果、所望の表示ができないという問題が生じてい
た。その結果、駆動マージンが狭い液晶素子となってい
た。
【0007】本発明の目的は、上記問題に鑑み、画素の
外周を起点とした反転ドメインの画素中央部分への成長
を抑え、広い駆動マージンを実現した液晶素子とその製
造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、それぞれにス
トライプ状の電極群を有する一対の基板を、電極が互い
に直交するように対向配置してその間隙にスメクチック
液晶を挟持してなる液晶素子であって、上記電極の交差
部に形成される画素において、画素の外周を形成する4
辺の少なくとも画素内近傍の液晶の層方向が近接する辺
に平行であることを特徴とする液晶素子である。
【0009】より具体的には、第1に、上記一対の基板
の少なくとも一方の液晶との界面に液晶に対して一軸配
向規制力を有する配向制御層を有し、該配向制御層が互
いに一軸配向軸が直交する2つの領域を有し、各領域が
該領域の一軸配向軸が直交する画素の外周を形成する辺
の少なくとも画素内近傍に形成されている液晶素子、及
び、第2に、上記一対の基板の少なくとも一方の液晶と
の界面に選択的に設けられた液晶に対して一軸配向規制
力を有する第1の区域と、該第1の区域外に設けられ液
晶に対して一軸配向規制力が少なくとも第1の区域より
弱い第2の区域を有し、上記第1の区域が素子内におい
て一軸配向軸が互いに直交する2つの領域を有し、少な
くとも各画素を取り囲む非有効表示領域に、当該画素の
外周を形成する4辺のそれぞれに一軸配向軸が直交する
領域が当該辺に接して配置されている液晶素子を提供す
るものである。
【0010】また本発明は、液晶素子の製造方法を提供
するものであって、その第一は上記第1の液晶素子の製
造方法であって、一対の基板の少なくとも一方の液晶と
の界面に被配向処理層を形成し、該被配向処理層全面に
該被配向処理層を形成した基板に形成された電極のスト
ライプに垂直な方向に第1の一軸配向処理を施した後、
少なくとも上記電極のストライプに垂直な画素の外周を
形成する2辺のそれぞれの画素内近傍が露出するように
マスクを施して、上記第1の一軸配向処理に直交する方
向に第2の一軸配向処理を施すことにより、一軸配向軸
が互いに直交する2つの領域を有する配向制御層を有す
るセルを形成する工程と、上記セル内に液晶を注入、封
止して素子とする工程と、素子内の液晶を液体相から徐
冷することにより、降温時の液体相−液晶相の相転移過
程において、各領域において当該領域の一軸配向軸に層
方向が直交するドメインを形成する工程とを有すること
を特徴とする。
【0011】また、その第二は上記第2の液晶素子の製
造方法であって、一対の基板の少なくとも一方の液晶と
の界面に選択的に設けられた液晶に対して一軸配向規制
力を有する第1の区域と、該第1の区域外に設けられ液
晶に対して一軸配向規制力が少なくとも第1の区域より
弱い第2の区域を有し、上記第1の区域が素子内におい
て一軸配向軸が互いに直交する2つの領域を有するセル
を形成する工程と、上記セル内に液晶を注入して封止
し、素子とする工程と、素子内の液晶を液体相から徐冷
することにより、降温時の液体相−液晶相の相転移過程
において、上記第1の区域の基板表面に平行な面に接す
る液晶領域から液晶相への相転移を生じせしめ、該第1
の区域の該当領域の一軸配向軸に沿って液晶相転移領域
を成長させ、上記第2の区域に連続的に液晶相転移領域
を拡大させることにより、画素内に互いに層方向が直交
する2種類のドメインを形成する工程を有することを特
徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の液晶素子には、反転ドメ
イン成長方向に強い異方性を有する液晶が好適に用いら
れる。例えば、反強誘電性液晶の場合、反転ドメインは
層方向に延びる性質を有している。また、強誘電性液晶
の場合、例えばパーフルオロ側鎖を有する液晶化合物
(米国特許第5262082号明細書、国際出願公開W
093/22396、1993年第4回強誘電性液晶国
際会議P−46、Marc D.Radcliffe
等)のドメイン成長方向についても、反転ドメインは層
方向に延びる性質を有している。
【0013】従って、上記のように反転ドメインが層方
向に延びる性質を有する液晶素子においては、画素の外
周を形成する4辺全てに対し、近傍の層構造を該辺と平
行になるよう画素内で複数の層方向を形成することによ
り、画素の外周で発生する反転ドメインの成長を画素中
央部に及ばせることがないため、画素中央部では所望の
表示を行なうことができる。また、画素の外周の4辺い
ずれかに接する層方向がその辺と直交している場合で
も、該辺の画素内近傍に上記層方向に直交する層方向を
有する構造を形成することにより反転ドメインの成長を
抑え、画素中央部では所望の表示を行なうことができ
る。
【0014】上記のように、画素の外周の4辺近傍にお
いて層方向を全て該辺と平行になるように液晶を配向さ
せる具体的な構成として、本発明においては、第1に、
一対の基板の少なくとも一方の液晶との界面に液晶に対
して一軸配向規制力を有する配向制御層を有し、該配向
制御層が互いに一軸配向軸が直交する2つの領域を有
し、各領域が該領域の一軸配向軸が直交する画素の外周
を形成する辺の少なくとも画素内近傍に形成されている
液晶素子、及び、第2に、上記一対の基板の少なくとも
一方の液晶との界面に選択的に設けられた液晶に対して
一軸配向規制力を有する第1の区域と、該第1の区域外
に設けられ液晶に対して一軸配向規制力が少なくとも第
1の区域より弱い第2の区域を有し、上記第1の区域が
素子内において一軸配向軸が互いに直交する2つの領域
を有し、少なくとも各画素を取り囲む非駆動領域に、当
該画素の外周を形成する4辺のそれぞれに一軸配向軸が
直交する領域が当該辺に接して配置されている液晶素子
が挙げられる。以下、各素子について説明する。
【0015】第1の液晶素子は、配向制御層の一軸配向
軸が画素の外周を形成する各辺の少なくとも近傍の領域
で直交するように、画素内において互いに一軸配向軸が
直交する2つの領域を形成する。図1に本液晶素子の基
本構成を示す。図中、1及び6は基板であり、ガラスや
プラスチック等透明性の高い材料が用いられる。2及び
7は液晶に電圧を印加するためのITO等からなる電極
であり、3及び8は上記した配向制御層、4はスペーサ
ーである。5は液晶であり、本発明においてはスメクチ
ック液晶が用いられ、好ましくは、カイラルスメクチッ
ク液晶を用い、前述したクラーク及びラガウェルのモデ
ルによる双安定性を実現するため、層厚(基板間距離)
は5μm以下とすることが好ましい。また9は光源から
の光、10は出射光である。通常、当該液晶素子はそれ
ぞれの基板の外側に偏光板(図示しない)を配置して用
いる。尚、上記構成は透過型の液晶素子であり、反射型
の液晶素子を構成する場合には基板1或いは電極2を金
属等の不透明な素材で形成する場合もあり、また、偏光
板も観察者側にのみ配置して用いる。
【0016】本発明において、配向制御層3、8は所望
の液晶配向が得られるのであればいずれか一方のみでも
良く、基板上に溶液塗工、蒸着或いはスパッタリング等
により形成される。その素材としては、一酸化ケイ素、
二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ジルコニア、フッ化
マグネシウム、酸化セリウム、フッ化セリウム、シリコ
ン窒化物、シリコン炭化物、ホウ素窒化物などの無機物
やポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリイミドアミ
ド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルイミド、
ポリパラキシレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセ
タール、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリシ
ロキサン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹
脂、アクリル樹脂などの有機物を用い、被膜形成した後
に配向処理を施す。また、SiO等の酸化物或いは窒化
物などを基板の斜方から蒸着して用いることもできる。
配向処理方法としては、表面をビロード、布或いは紙等
の繊維状のものでラビングする方法が好ましい。
【0017】本発明において、画素内に層方向の異なる
領域を形成するために、従来のTN液晶において画素内
で複数のプレチルト角を形成させるドメイン分割法の技
術、即ち、被配向処理層を一方向にラビング処理した
後、フォトリソグラフィ等を用いてマスクを形成し、マ
スクを通して露出する被配向処理層を異なる方向にラビ
ング処理することにより、液晶分子の立ち上がり方向を
変化させた複数の配向領域を設ける方法等の技術を用い
ることができる。
【0018】その一例を図3に示す。先ず、図3(a)
に示すように、基板30上にストライプ状の電極31を
形成し、その上に被配向処理層32を形成する。尚、電
極31上には3個の画素が形成される。先ず、被配向処
理層32を図中の矢印33の方向にラビング処理する。
次いで、図3(b)に示すように、形成される画素の外
周を形成する4辺のうち、上記電極31のストライプに
垂直な辺の画素内近傍に該辺に平行なストライプ形状の
開口部を有するマスク34にて電極31を覆い、先の配
向処理方向とは直交する方向35にラビング処理を施
す。この2回のラビング処理によって、電極31上の大
部分はストライプに垂直な方向に配向処理され、隣接す
る電極31間の間隙及びストライプに垂直な画素の辺の
近傍がストライプに平行に配向処理される。図3(c)
は液晶を配向させた後の様子の拡大図であり、36は他
方の基板の電極、38はその間隙で非駆動領域、37は
電極31の間隙で非駆動領域、39は液晶相の層方向で
ある。このように、画素の外周を形成する辺に層方向が
直交する場合には、当該辺の画素内近傍に該辺にストラ
イプ状に一軸配向軸が該辺に直交する領域を形成してお
けば、当該領域において層方向が該辺に平行になり、当
該辺から反転ドメインが成長したとしても当該領域にお
いて該成長が妨げられる。
【0019】また、本発明においては、配向制御層をそ
の形成時或いは形成後に所望の形状にパターニングして
所望の領域にのみ所望の方向に一軸配向規制力を有する
配向制御層を設けることができる。パターニングの方法
としては、マスクエッチング、リフトオフ、UVアッシ
ング等の方法により所望の形状を得ることができる。或
いは、感光性を有した有機膜を用いることによりマスク
露光によりパターニングすることができる。さらに、予
め所望の形状に形成する場合には、オフセット印刷法や
インクジェット方式を用いることができる。
【0020】図1の液晶素子は、電極2、7をそれぞれ
ストライプ状に形成し、上下に交差させたマトリクス構
造として、信号電源(図示しない)からの情報信号に応
じてスイッチングを行い、例えば、パーソナルコンピュ
ータ、ワークステーション等のディスプレイ、プリンタ
用等のライトバルブとして用いられる。
【0021】次に、前記第2の液晶素子について説明す
る。前記第1の液晶素子が一軸配向規制力を有する配向
制御層を基板の液晶との界面に全面的に形成するのに対
し、当該素子においては、液晶に対して一軸配向規制力
を有する第1の区域を選択的に形成し、該第1の区域外
に該第1の区域よりも一軸配向規制力が弱い第2の区域
を形成し、該第1の区域に接する液晶領域で生じた液晶
相の相転移を第2の区域に拡大させてドメインを形成す
ることに特徴を有する。尚、本発明において、第1の区
域よりも液晶に対して一軸配向規制力が弱いとは、液晶
に対して一軸配向規制力がない場合も含むものである。
【0022】本発明において、等方相−スメクチック相
転移を示す液晶材料を用いた場合、素子内の一部に強い
配向規制力を付与しておくことにより、該配向規制力を
利用して、他の配向規制力が存在しない或いは非常に弱
い部分においても均一に配向させることが可能となる。
即ち、等方相−スメクチック相の相転移過程において
は、スメクチック相(バトネ)の微小な核が生成し、続
いて層法線方向に急激にバトネが成長すると同時に、層
方向にバトネの面積を拡大させるという過程をたどる。
この時、素子内において一軸配向規制力或いは表面エネ
ルギー、液晶と基板界面との濡れ性等の分布が存在する
と、バトネの核発生位置に選択性を持たせることができ
る。従って、このバトネの成長方向の異方性、核の発生
位置の選択性を利用すれば、液晶素子内の一部にのみ強
い配向規制力を持たせることによって、他の部分におい
ても均一に配向させることが可能となる。
【0023】また、一軸配向規制力を選択的に付与して
素子全面を均一に配向させることができるため、従来で
あれば液晶分子の駆動領域にも設けていた配向制御層を
非駆動領域にのみ設け、液晶分子の駆動領域から液晶分
子のスイッチング及び駆動に対して電気的に障害となる
絶縁膜などの存在量をできるだけ少なくすることができ
る。
【0024】本発明にかかる第1の区域を選択的に設け
る、即ち、一軸配向規制力を選択的に付与する具体的な
方法としては、被配向処理層を選択的にラビング処理す
る方法であっても良いが、ITOや金属酸化物など大部
分の無機膜等高い硬度を有する膜であれば、仮にその表
面が通常のラビング処理を施されても液晶分子の平均分
子長軸方向を規制させることはなく、事実上一軸配向規
制力を有していないと言える。さらに、第1の区域から
生じたバトネの成長を、第2の区域において速やかに連
続させて均一な配向状態を実現するためには、第1の区
域よりも第2の区域の液晶との相互作用を低くしておく
ことが望ましい。この相互作用は、一軸配向規制力に加
えて、液晶と基板界面との濡れ性、接触角及び表面エネ
ルギーなどを制御することで可能となる。本発明者等の
検討によると、液晶との相互作用を低下させるには、液
晶と基板界面との濡れ性が良くない方向(はじく方
向)、接触角が大きな方向、表面エネルギー分散項(γ
d )が小さな方向、表面エネルギー水素結合項が大きな
方向で実現される。このように相互作用を低下させるこ
とにより、第2の区域での液体相−液晶相の相転移温度
は配向制御層を有する領域、即ち第1の区域の相転移温
度よりも低くなる。
【0025】具体的には、例えば、第2の区域として、
ラダー型のポリシロキサン膜や有機変成シリカ膜など、
表面エネルギーの分散項がポリイミド等より相対的に低
い下地層を用い、その上にポリイミド等を数百Å程度ま
たはそれ以上の十分膜厚で塗布し、そのポリイミド膜を
種々の方法によりパターニングし、ラビング処理等配向
処理を施す(配向処理した後にパターニングすることも
可能)ことにより液晶に対して一軸配向規制力を有する
配向制御層を選択的に形成し、強い一軸配向規制力を有
する第1の区域と一軸配向規制力を持たず液晶との相互
作用が相対的に低い第2の区域に分割してそれぞれ基板
上の所望の領域に配置することができる。
【0026】本発明の液晶素子においては、画素を形成
する4辺の画素内近傍の液晶の層方向が近接する辺に平
行になるようにするために、上記第2の液晶素子におい
て、第1の区域にさらに一軸配向軸が互いに直交する2
つの領域を設ける。具体的には、一対の基板の少なくと
も一方の液晶との界面に選択的に液晶に対して一軸配向
規制力を有する配向制御層を第1の区域として設け、該
配向制御層の同一表面に一軸配向軸が互いに直交する2
つの領域を形成するか、或いは、一対の基板のそれぞれ
の液晶との界面に選択的に液晶に対して一軸配向規制力
を有する配向制御層を第1の区域として設け、各配向制
御層の一軸配向軸を1方向として、上記基板がそれぞれ
の配向制御層の一軸配向軸が互いに直交するように対向
配置する、いずれかの構成をとれば良い。
【0027】本発明の第2の液晶素子の一実施形態の液
晶素子の断面模式図を図4に示す。本実施形態の液晶素
子は、一対の基板のそれぞれに形成されたストライプ状
の電極の間隙に配向制御層を形成した構成を有する。図
4中、41及び46はガラス或いはプラスチック等から
なる基板、42及び47はストライプ状に形成されたI
TO等からなる電極、43及び48は前記したポリシロ
キサン膜等の下地層(第2区域)、49は配向制御層
で、同様の配向制御層が下地層48上の電極47間隙に
形成されている。また、44はスペーサー、45は液晶
であり、本発明においてはスメクチック液晶が用いら
れ、好ましくは、カイラルスメクチック液晶を用い、前
述したクラーク及びラガウェルのモデルによる双安定性
を実現するため、層厚(基板間距離)は5μm以下とす
ることが好ましい。尚、配向制御層49と図示していな
い下地層48上の配向制御層はいずれもストライプに垂
直な方向に液晶に対する一軸配向規制力を有するように
一軸配向処理され、互いの一軸配向軸が直交している。
また、9は光源からの光、10は出射光である。尚、上
記構成は透過型の液晶素子であり、反射型の液晶素子を
構成する場合には基板41或いは電極42を金属等の不
透明な素材で形成する場合もあり、また、偏光板も観察
者側にのみ配置して用いる。
【0028】図4に示したように、上下基板にそれぞれ
ストライプ状の被配向制御層を設け、それぞれストライ
プに直交する方向に一軸配向処理を施し、互いの一軸配
向軸(一軸配向処理方向)が直交するように配置するこ
とにより、それぞれの配向制御層の基板表面と平行な面
に接する液晶領域には画素の辺に層方向が平行な相転移
領域の核が成長して、最終的に、図5に示すように画素
の各辺に層方向が平行なドメインによって画素が分割さ
れる。図5中、51は図4の電極42と47が対向して
いない非駆動領域であり、52、53は層方向を示して
いる。このような構成で後述するようなカイラルスメク
チック液晶組成物(FLC−1)を用いた場合、非常に
広い温度範囲で良好な駆動特性を有する素子とすること
ができる。
【0029】図4のように上下基板に配向制御層を設け
た場合の、等方相−スメクチック相の相転移過程を偏光
顕微鏡観察した典型的な様子を図2に示す。図中、11
は上基板の配向制御層、12は下基板の配向制御層、1
3はバトネと呼ばれるスメクチック相の核、14は配向
制御層11の一軸配向処理方向、15は配向制御層12
の一軸配向処理方向である。図2には上下基板とも配向
制御層のストライプパターンに垂直な方向に一軸配向処
理を施してある場合を示している。
【0030】図2の構成では、バトネ13は、配向制御
層11、12の基板表面と平行な表面に接する液晶から
発生し、等方相から降温することにより、(a)→
(b)→(c)のようにバトネが層法線方向(配向処理
方向)に沿って成長する。つまり、図2(a)のように
配向制御層11、12上において核発生したバトネ13
は、層法線方向へ成長し易いというバトネ成長の異方性
により、一軸配向規制力の存在しない或いは弱い領域へ
もバトネ13の核によって決定された層法線方向に向か
って真っ直ぐに成長する。さらに冷却を進めると、バト
ネ13は一軸配向規制された方向だけではなく、その方
向と垂直な方向(層方向)にも太り始める。その際、徐
々に太って成長するだけでなく、バトネの脇からブラン
チが現われるのが一般的である。このブランチは層方向
へゆっくりと成長してゆくが、その際、図2(b)、
(c)に示すように、ブランチは配向制御層11、12
上を成長する。その結果、全面がスメクチック相になる
まで冷却した後、配向制御層のない領域においても層方
向を均一に制御することが可能となる。このように、ブ
ランチの成長過程において層方向の均一性を維持する意
味において、より好ましくは配向制御層のパターン形状
は、層方向に連続または略連続させたパターンとするこ
とが望ましい。
【0031】また、図4のように、上下ストライプ電極
を交差させたマトリクス電極構成においては、有効表示
領域(画素)の面積、即ち開口率を大きくするという観
点から、有効駆動領域(上下の電極が交差している領
域)を取り囲む非駆動領域及び少なくとも一方の電極の
サイドメタル(電極の低抵抗化のためにストライプに平
行に電極端部に設けられる金属電極)上の部分、即ち非
有効表示領域に一軸配向規制力を有する配向制御層を設
け、有効表示領域には該配向制御層を設けないことが望
ましい。均一配向性の観点から、該配向制御層を有効表
示領域内に補助的に配置しても構わないが、この時、該
配向制御層がポリイミド等の絶縁膜の場合には、その厚
みを十分に厚くすることで、自発分極が生み出す逆電圧
の作用、または絶縁膜の容量を液晶層の容量に対し十分
小さくすることによって液晶層に実効的に加わる印加電
圧を小さくし、その膜上の液晶分子の駆動を制限、より
具体的にはスイッチングさせないことが可能であり、有
効表示領域、開口率の若干の減少は伴うものの、表示に
かかる領域のスイッチング特性を不均一にするまたは損
なうことは回避できる。
【0032】尚、図4の構成では、上下の配向制御層で
配向処理方向を変えることによって、素子内に一軸配向
軸が互いに直交する2つの領域を形成しているが、一方
の基板に例えば格子状に被配向処理層を形成し、レジス
ト等を用いて2回ラビングすることにより、同一の配向
制御層に一軸配向軸が互いに直交する2つの領域を形成
しても良い。
【0033】本発明において基板上に選択的に形成され
る液晶に対して一軸配向規制力を有する配向制御層とし
ては、有機配向膜が好ましく用いられ、具体的には、ポ
リイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコールが好適で
ある。中でも、以下の一般式Pで表わされる繰り返し単
位を有するポリイミドが特に好ましく用いられる。
【0034】
【化1】
【0035】また、上記配向制御層や下地層とは別に、
ショート防止層として絶縁層や他の有機物層、無機物層
が形成されていても良い。
【0036】図4の液晶素子は、信号電源(図示しな
い)からの情報信号に応じてスイッチングが行なわれ、
例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション
等のディスプレイ、プリンタ用等のライトバルブとして
用いられる。
【0037】本発明の液晶素子において用いられる液晶
は、上記第1の液晶素子及び第2の液晶素子のいずれに
おいても、前記したようにスメクチック液晶であり、特
にカイラルスメクチック液晶、強誘電性を示す液晶とし
て好ましくは、フルオロカーボン末端部分及び炭化水素
末端部分からなり、該両末端部分が中心核によって結合
された構造であって、スメクチック中間相又は潜在的ス
メクチック中間相を有するフッ素含有液晶性化合物を少
なくとも1種含有するカイラルスメクチック液晶組成物
が用いられる。
【0038】また、本発明において限定された部材以外
の液晶素子の各部材の素材、製法については特に前記し
たものに限定されず、従来の技術をそのまま適用するこ
とが可能である。
【0039】
【実施例】下記液晶性化合物A〜Eを使用し、カイラル
スメクチック液晶組成物FLC−1を調整した。
【0040】
【化2】
【0041】実施例に使用する4種類の液晶素子を以下
の如く作製した。尚、この時、上下それぞれの基板に形
成した透明電極は、膜厚70nm、1ラインの幅16μ
m、隣接ライン間の間隔4μmのストライプパターンの
ITO膜とした。これら2枚の電極基板をストライプ電
極を直交させて配置させることによってマトリクス電極
を構成した。
【0042】[液晶素子A]透明電極として70nmの
ITO膜を形成した1.1mm厚の2枚のガラス基板の
それぞれに、シリカバインダー母材とアンチモンドープ
のSnOx の酸化物超微粒子(粒径約100Å)を分散
した固形分濃度5重量%のエタノール溶液を1100r
pmで10秒間の条件でスピンコート法により膜厚18
00Åになるように塗布した。その後、80℃で5分間
の前乾燥を行なった後、200℃で1時間加熱乾燥を施
し、下地層を形成した。
【0043】次いで、N−メチルピロリドン(NMP)
とn−ブチルセロソルブ(nBC)の4:1溶媒中に、
前記した一般式Pで示される繰り返し単位を有するポリ
イミド前駆体が0.5重量%となるように溶解させた。
この溶液を上述の基板のうち一方の基板上に1500r
pmで30秒間の条件にてスピンコート法により塗布し
た。その後、80℃で5分間の前乾燥を行なった後、2
00℃で1時間加熱焼成を施し、ポリイミド膜を形成し
た。尚、この時のポリイミド膜の膜厚は50Åであっ
た。このポリイミド膜に対して、一軸配向処理として、
ナイロン布によるラビング処理を施し、配向制御層を形
成した。この時のラビング条件は、押し込み量を0.3
mm、ローラー回転数を1000rpm、ステージ移動
速度を10mm/sec、ラビング回数を4回とした。
また、ラビング方向は電極のストライプに対して垂直方
向とした。
【0044】上記配向制御層を形成した基板上にスペー
サーとして、平均粒径2.0μmのシリカビーズを散布
し、他方の基板を重ね合わせてセルを作製した。得られ
たセルに、前記FLC−1を等方相温度にて毛細管注入
し、封止した。
【0045】[液晶素子B]液晶素子Aと同様にして、
2枚のガラス基板上にシリカバインダー母材とアンチモ
ンドープのSnOx の酸化物超微粒子からなる下地層を
形成した。
【0046】次いで、N−メチルピロリドン(NMP)
とn−ブチルセロソルブ(nBC)の4:1溶媒中に、
前記した一般式Pで示される繰り返し単位を有するポリ
イミド前駆体が2.5重量%となるように溶解させた。
この溶液を上述の基板の一方に1500rpmで30秒
間の条件にてスピンコート法により塗布した。その後、
80℃で5分間の前乾燥を行なった後、200℃で1時
間加熱焼成を施し、ポリイミド膜を形成した。尚、この
時のポリイミド膜の膜厚は500Åであった。
【0047】次いで、該ポリイミド膜上に、ポジレジス
ト(東京応化社製「OFPR−800」)を約2μm厚
となるようにスピンコートした。その後、80℃で30
分間の前乾燥を行なった後、マスク幅4μm、間隔16
μmのストライプ状のマスクで電極間隙を覆い、UV
(λ=365nm)にて16秒間露光した。その後、有
機系現像液(ジプレー社製「MFCD−26」)を用い
て現像し、流水洗浄を3分間行なった後、100℃で1
0分間の乾燥を行なった。さらに、低圧水銀ランプを用
い、基板温度を60℃に保ち、254nmの波長におけ
る光量が10J/cm2 のUV強度にてUVアッシング
処理を行なってレジストのない部分のポリイミドを除去
した。次いで、剥離液(ナガセ産業社製「レジストスト
リップN−320」)を用い、レジストを剥離した。そ
の後、流水洗浄し、基板を乾燥させた。この時点におい
て、基板上のポリイミド膜は電極間隙にストライプ状に
存在した。
【0048】上記ストライプ状ポリイミド膜に対して、
該ストライプに垂直な方向に液晶素子Aと同じラビング
条件でナイロン布によるラビング処理を施した。
【0049】得られた基板に液晶素子Aと同様のスペー
サーを散布し、他方の基板を重ね合わせてセルを作製し
た。得られたセルに、前記FLC−1を等方相温度にて
毛細管注入し、封止した。
【0050】[液晶素子C]液晶素子Aと同様にして、
2枚のガラス基板上にシリカバインダー母材とアンチモ
ンドープのSnOx の酸化物超微粒子からなる下地層を
形成した。
【0051】一方の基板には、液晶素子Aの一方の基板
に形成した50Å厚のポリイミド膜を全面に形成し、液
晶素子Aと同じラビング条件で電極のストライプに対し
て垂直な方向にラビング処理を施した。
【0052】他方の基板には、液晶素子Bの一方の基板
に形成したストライプ状の500Å厚のポリイミド膜を
電極間隙に形成し、液晶素子Aと同じラビング条件でス
トライプに対して垂直な方向にラビング処理を施した。
【0053】上記一方の基板に、液晶素子Aと同様のス
ペーサーを散布し、他方の基板を重ね合わせてセルを作
製した。得られたセルに、前記FLC−1を等方相温度
にて毛細管注入し、封止した。
【0054】[液晶素子D]液晶素子Aと同様にして、
2枚のガラス基板上にシリカバインダー母材とアンチモ
ンドープのSnOx の酸化物超微粒子からなる下地層を
形成し、さらに液晶素子Bの一方の基板に形成したスト
ライプ状の500Å厚のポリイミド膜を電極間隙に形成
した。
【0055】上記基板の一方のポリイミド膜には、液晶
素子Aと同じラビング条件で電極のストライプに垂直な
方向にラビング処理を施し、他方の基板のポリイミド膜
には、押し込み量を0.3mm、ローラー回転数を10
00rpm、ステージ移動速度を50mm/sec、ラ
ビング回数を1回とするラビング条件で、電極のストラ
イプに垂直な方向にラビング処理を施した。
【0056】上記一方の基板に、液晶素子Aと同様のス
ペーサーを散布し、他方の基板を重ね合わせてセルを作
製した。得られたセルに、前記FLC−1を等方相温度
にて毛細管注入し、封止した。
【0057】[液晶素子E]ラビング条件をいずれも液
晶素子Aと同様にする以外は、液晶素子Dと全く同様に
して液晶素子を作製した。
【0058】[液晶素子F]液晶素子Aと同様にして、
2枚のガラス基板上にシリカバインダー母材とアンチモ
ンドープのSnOx の酸化物超微粒子からなる下地層を
形成した。
【0059】一方の基板には、液晶素子Aの一方の基板
に形成した50Å厚のポリイミド膜を形成し、1回目の
一軸配向処理として、液晶素子Aと同じラビング条件で
電極のストライプに垂直な方向にラビング処理を施し
た。次いで、上記ポリイミド膜上に、ポジレジスト(東
京応化社製「OFPR−800」)を約2μm厚となる
ようにスピンコートした。その後、80℃で30分間の
前乾燥を行なった後、図3(b)の34に示すような形
状のマスクを用いて、UV(λ=365)にて16秒間
露光した。その後、有機系現像液(ジプレー社製「MF
CD−26」)を用いて現像し、流水洗浄を3分間行な
った後、100℃で10分間の乾燥を行なった。このよ
うにしてポリイミド膜の一部をレジストで保護した後、
再度2回目の一軸配向処理として、上記1回目の一軸配
向処理に直交する方向、即ち電極のストライプに平行な
方向にラビング処理を施した。ラビング条件は1回目と
同じとした。その後、剥離液(ナガセ産業社製「レジス
トストリップN−320」)を用い、レジストを剥離
し、流水洗浄し基板を乾燥させた。
【0060】上記一方の基板上に液晶素子Aと同様のス
ペーサーを散布し、他方の基板を重ね合わせてセルを作
製した。得られたセルに、前記FLC−1を等方相温度
にて毛細管注入し、封止した。
【0061】上記液晶素子A〜Fについて、下記の通
り、配向均一性の評価とM2マージン(M2)の測定を
行なった。
【0062】(1)配向均一性の評価 偏光顕微鏡による目視観察によって、配向均一性の評価
を行なった。結果は液晶素子A〜Dでは全て全面均一配
向、液晶素子Eも画素の対角線に沿ってディスクリネー
ションラインがあるものの、その他の部分は全面均一配
向していた。また液晶素子Fも画素の両端にディスクリ
ネーションがあるものの、その他の部分は全面均一配向
していた。
【0063】(2)M2マージン(M2)の測定 各液晶素子をクロスニコルに配置された偏光板間に設置
し、図6に示す駆動波形(Vop=20V、1/3.3バ
イアス、1/1000デューティ)を用いて、M2マー
ジンの測定を行なった。印加パルス波形の長さΔtを変
化させながら暗状態と明状態をそれぞれ書き込み、明、
暗それぞれの状態を書き込める印加パルス波形の長さΔ
tの範囲が図7のようになった場合、 M2=(Δt4 −Δt1 )/(Δt4 +Δt1 ) である。
【0064】液晶素子A〜Fについて、温度を数点振っ
てM2マージンを測定した。結果を下記表1に示す。
尚、素子B〜Eについてはストライプ状ポリイミド膜が
配置されていない領域のM2マージンとした。測定温度
は30℃とした。
【0065】
【表1】
【0066】上記の結果より、液晶素子A、Bについて
は、素子Bの方が若干素子AよりもM2マージンが高い
ものの、画素間隙から発生する反転ドメインの影響によ
っていずれもマージンの値が小さくなっている。一方、
素子C〜Fは、画素の外周の4辺からの反転ドメインの
成長が防止されているため、マージンの値が大きい素子
となっている。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画素の外周を形成する各辺において発生し、画素内に成
長する反転ドメインが画素内に成長するのが妨げられる
ため、駆動マージン特性の向上した液晶素子が実現す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の液晶素子の基本構成を示す断面
模式図である。
【図2】本発明の第2の液晶素子における、等方相−ス
メクチック相の相転移過程を偏光顕微鏡観察した典型的
な様子の模式図である。
【図3】本発明の第1の液晶素子の一実施形態の製造工
程を示す模式図である。
【図4】本発明の第2の液晶素子の一実施形態の断面模
式図である。
【図5】本発明の第2の液晶素子の各画素内の層方向示
す模式図である。
【図6】本発明の実施例のM2マージンの測定に用いた
駆動波形を示す図である。
【図7】本発明の実施例のM2マージンの測定におい
て、パルス幅を変化させた時の透過率変化を示す図であ
る。
【符号の説明】
1,6 基板 2,7 電極 3,8 配向制御層 4 スペーサー 5 スメクチック液晶 9 光源からの光 10 出射光 11,12 配向制御層 13 バトネ 14 配向制御層11の一軸配向処理方向 15 配向制御層12の一軸配向処理方向 30 基板 31 電極 32 非配向処理層 33 一軸配向処理方向 34 マスク 35 一軸配向処理方向 36 電極 37,38 電極間隙 39 層方向 41,46 基板 42,47 電極 43,48 下地層 44 スペーサー 45 スメクチック液晶 49 配向制御層 51 非駆動領域 52,53 層方向
フロントページの続き (72)発明者 森 省誠 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 森山 孝志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 門叶 剛司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HB03Y HB06Y HB08Y HB13Y HC17 KA14 KA15 MA02 MB03 5C094 AA13 AA54 BA49 CA19 DA13 ED20 FA01 FB01 GB10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれにストライプ状の電極群を有す
    る一対の基板を、電極が互いに直交するように対向配置
    してその間隙にスメクチック液晶を挟持してなる液晶素
    子であって、上記電極の交差部に形成される画素におい
    て、画素の外周を形成する4辺の少なくとも画素内近傍
    の液晶の層方向が近接する辺に平行であることを特徴と
    する液晶素子。
  2. 【請求項2】 上記一対の基板の少なくとも一方の液晶
    との界面に液晶に対して一軸配向規制力を有する配向制
    御層を有し、該配向制御層が互いに一軸配向軸が直交す
    る2つの領域を有し、各領域が該領域の一軸配向軸が直
    交する画素の外周を形成する辺の少なくとも画素内近傍
    に形成されている請求項1記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 上記配向制御層の一方の領域が画素の外
    周を形成する4辺に接して画素内に形成され、該領域の
    一軸配向軸が平行な辺の画素内近傍には、他方の領域が
    該辺に平行なストライプ状に形成されている請求項2記
    載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 上記液晶に対して一軸配向規制力を有す
    る配向制御層を一方の基板の液晶との界面に有し、他方
    の基板の液晶との界面には一軸配向規制力を持たない無
    機膜を有する請求項2記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 上記配向制御層が、ラビング処理により
    一軸配向処理されている請求項2記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 上記一対の基板の少なくとも一方の液晶
    との界面に選択的に設けられた液晶に対して一軸配向規
    制力を有する第1の区域と、該第1の区域外に設けられ
    液晶に対して一軸配向規制力が少なくとも第1の区域よ
    り弱い第2の区域を有し、上記第1の区域が素子内にお
    いて一軸配向軸が互いに直交する2つの領域を有し、少
    なくとも各画素を取り囲む非有効表示領域に、当該画素
    の外周を形成する4辺のそれぞれに一軸配向軸が直交す
    る領域が当該辺に接して配置されている請求項1記載の
    液晶素子。
  7. 【請求項7】 上記画素内が互いに層方向が直交する2
    種類のドメインに分割され、各ドメインが接する画素の
    外周を形成する辺が当該ドメインの層方向と平行である
    請求項6記載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 上記第1の区域の基板表面と平行な面に
    接する液晶領域の液体相−液晶相転移温度が、上記第2
    の区域に接する液晶領域の液体相−液晶相転移温度より
    も高い請求項6記載の液晶素子。
  9. 【請求項9】 上記一対の基板の少なくとも一方の液晶
    との界面に選択的に液晶に対して一軸配向規制力を有す
    る配向制御層を有し、該配向制御層が同一表面に一軸配
    向軸が互いに直交する2つの領域を有する請求項6記載
    の液晶素子。
  10. 【請求項10】 上記一対の基板のそれぞれが液晶との
    界面に選択的に液晶に対して一軸配向規制力を有する配
    向制御層を有し、各配向制御層の一軸配向軸が1方向で
    あり、上記基板がそれぞれの配向制御層の一軸配向軸が
    互いに直交するように対向配置されている請求項6記載
    の液晶素子。
  11. 【請求項11】 上記配向制御層がストライプ状の電極
    間隙に形成されている請求項10記載の液晶素子。
  12. 【請求項12】 上記配向制御層が有機配向膜材料から
    なる請求項9または10に記載の液晶素子。
  13. 【請求項13】 上記配向制御層がポリイミド、ポリア
    ミド、ポリビニルアルコールのいずれかからなる請求項
    12記載の液晶素子。
  14. 【請求項14】 上記配向制御層が、ラビング処理によ
    って配向処理されている請求項9または10に記載の液
    晶素子。
  15. 【請求項15】 上記液晶が、等方相−スメクチック液
    晶相の相転移をとるカイラルスメクチック液晶である請
    求項1〜14いずれかに記載の液晶素子。
  16. 【請求項16】 請求項3記載の液晶素子の製造方法で
    あって、一対の基板の少なくとも一方の液晶との界面に
    被配向処理層を形成し、該被配向処理層全面に該被配向
    処理層を形成した基板に形成された電極のストライプに
    垂直な方向に第1の一軸配向処理を施した後、少なくと
    も上記電極のストライプに垂直な画素の外周を形成する
    2辺のそれぞれの画素内近傍が露出するようにマスクを
    施して、上記第1の一軸配向処理に直交する方向に第2
    の一軸配向処理を施すことにより、一軸配向軸が互いに
    直交する2つの領域を有する配向制御層を有するセルを
    形成する工程と、上記セル内に液晶を注入、封止して素
    子とする工程と、素子内の液晶を液体相から徐冷するこ
    とにより、降温時の液体相−液晶相の相転移過程におい
    て、各領域において当該領域の一軸配向軸に層方向が直
    交するドメインを形成する工程とを有することを特徴と
    する液晶素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項6記載の液晶素子の製造方法で
    あって、一対の基板の少なくとも一方の液晶との界面に
    選択的に設けられた液晶に対して一軸配向規制力を有す
    る第1の区域と、該第1の区域外に設けられ液晶に対し
    て一軸配向規制力が少なくとも第1の区域より弱い第2
    の区域を有し、上記第1の区域が素子内において一軸配
    向軸が互いに直交する2つの領域を有するセルを形成す
    る工程と、上記セル内に液晶を注入して封止し、素子と
    する工程と、素子内の液晶を液体相から徐冷することに
    より、降温時の液体相−液晶相の相転移過程において、
    上記第1の区域の基板表面に平行な面に接する液晶領域
    から液晶相への相転移を生じせしめ、該第1の区域の該
    当領域の一軸配向軸に沿って液晶相転移領域を成長さ
    せ、上記第2の区域に連続的に液晶相転移領域を拡大さ
    せることにより、画素内に互いに層方向が直交する2種
    類のドメインを形成する工程を有することを特徴とする
    液晶素子の製造方法。
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US7312844B2 (en) 2003-03-28 2007-12-25 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device
US7372529B2 (en) 2003-03-28 2008-05-13 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device
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