JP2011202577A - エンジンの可変動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリンダヘッドの小型化を図ることのできる可変動弁装置を提供する。
【解決手段】第1吸気側ロッカーアームと第2吸気側ロッカーアームとを連結ピンで連結又は切断することでバルブの開弁リフト量及び開弁時期を可変とするエンジンにおいて、第1吸気側ロッカーアームを第1吸気カムに当接する方向に付勢するアウタスプリング29の着座面31に、第2吸気側ロッカーアームを第2吸気カムに当接する方向に付勢するコイルスプリング71を収容する収容孔70が一部で重なるように形成されている。
【選択図】図5
【解決手段】第1吸気側ロッカーアームと第2吸気側ロッカーアームとを連結ピンで連結又は切断することでバルブの開弁リフト量及び開弁時期を可変とするエンジンにおいて、第1吸気側ロッカーアームを第1吸気カムに当接する方向に付勢するアウタスプリング29の着座面31に、第2吸気側ロッカーアームを第2吸気カムに当接する方向に付勢するコイルスプリング71を収容する収容孔70が一部で重なるように形成されている。
【選択図】図5
Description
本発明は、エンジンの可変動弁装置に関する。
可変動弁装置には、隣接する二つのロッカーアームをピン部材によって連結又は切断することで、低負荷運転域と高負荷運転域のバルブの開弁リフト量及び閉弁時期を可変させるものがある(特許文献1参照)。この可変動弁装置では、一方のロッカーアームがピン部材によって切断された状態で、この切断されたロッカーアームをカムシャフトのカムに当接させるように付勢するロストモーション機構が設けられている。
特許文献1に開示されたロストモーション機構は、シリンダヘッドに設けられた有底の摺動孔に摺動可能に嵌合される有底円筒状のリフタと、摺動孔に収容されたスプリングとで構成されている。このロストモーション機構では、上記スプリングの付勢力によりリフタを介してロッカーアームをカムに当接する方向に付勢する。
ところで、上記特許文献1に係るロストモーション機構では、上記リフタを介してロッカーアームを付勢するスプリングが、バルブを付勢するバルブスプリングに隣り合って配置されており、バルブスプリングを収容しつつガイドする第1収容孔と、ロストモーションスプリングを収容しつつガイドする第2収容孔とが相互に離反して形成されているため、シリンダヘッドが大型化してしまう。
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、シリンダヘッドの小型化を図ることのできるエンジンの可変動弁装置の提供を目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、カム軸(例えば実施形態におけるカムシャフト44)上に第1カム(例えば実施形態における第1吸気カム42)と第2カム(例えば実施形態における第2吸気カム43)とを並べ、前記第1カムの回転に伴い揺動する第1ロッカーアーム(例えば実施形態における第1吸気側ロッカーアーム48)と前記第2カムの回転に伴い揺動する第2ロッカーアーム(例えば実施形態における第2吸気側ロッカーアーム49)とを隣接して配置し、前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとをピン部材(例えば実施形態における連結ピン81)で連結又は切断することでバルブ(例えば実施形態における吸気バルブ16)の開弁リフト量及び開弁時期を可変とし、シリンダヘッド(例えば実施形態におけるシリンダヘッド6)に形成された着座面(例えば実施形態における着座面31)にバルブスプリング(例えば実施形態におけるアウタスプリング29)の一端を当接させ、このバルブスプリングで前記第1ロッカーアームを前記バルブを閉じる方向に付勢するエンジン(例えば実施形態におけるエンジン1)の可変動弁装置において、前記第1ロッカーアームが、前記バルブスプリングにより前記第1カムに当接する方向に付勢されて前記バルブを開閉し、前記第2ロッカーアームが、前記シリンダヘッドに形成された収容孔(例えば実施形態における収容孔70)に付勢手段(例えば実施形態におけるコイルスプリング71)を収容してなるロストモーション機構(例えば実施形態におけるロストモーション機構部50)の前記付勢手段により、前記第2カムに当接する方向に付勢され、前記バルブスプリングの前記着座面に前記付勢手段の前記収容孔が一部重なるように形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記着座面に垂直な方向と前記収容孔の軸方向とが、前記バルブの開閉方向に平行に形成され、前記着座面と前記収容孔とが、前記カム軸の軸方向視で重なるように形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記第2ロッカーアームが、前記第1ロッカーアームの側方に配置され、前記着座面が、円形を呈し、前記収容孔が、前記着座面よりも小径であって、前記着座面よりも前記カム軸側に配置され、かつ、前記第2ロッカーアームと前記カム軸の軸方向で重なる位置に配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記シリンダヘッドに、前記着座面の周縁から立ち上がる断面円形のガイド壁(例えば実施形態におけるガイド壁100)が形成され、前記バルブスプリングが、前記ガイド壁内に収容されると共に前記ガイド壁に案内され、前記ガイド壁に前記収容孔が一部重なるように形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、カム軸(例えば実施形態におけるカムシャフト44)上に第1カム(例えば実施形態における第1カム42)と第2カム(例えば実施形態における第2カム43)とを並べ、前記第1カムの回転に伴い揺動する第1ロッカーアーム(例えば実施形態における第1吸気側ロッカーアーム48)と前記第2カムの回転に伴い揺動する第2ロッカーアーム(例えば実施形態における第2吸気側ロッカーアーム49)とを隣接して配置し、前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとをピン部材(例えば実施形態における連結ピン81)で連結又は切断することでバルブ(例えば実施形態における吸気バルブ16)の開弁リフト量及び開弁時期を可変とし、シリンダヘッド(例えば実施形態におけるシリンダヘッド6)に形成された着座面(例えば実施形態における着座面31)にバルブスプリング(例えば実施形態におけるアウタスプリング29)の一端を当接させ、このバルブスプリングで前記第1ロッカーアームを前記バルブを閉じる方向に付勢するエンジン(例えば実施形態におけるエンジン1)の可変動弁装置において、前記第1ロッカーアームが、前記バルブスプリングにより前記第1カムに当接する方向に付勢されて前記バルブを開閉し、前記第2ロッカーアームが、前記シリンダヘッドに形成された収容孔に付勢手段(例えば実施形態におけるコイルスプリング71)を収容してなるロストモーション機構(例えば実施形態におけるロストモーション機構部50)の前記付勢手段により、前記第2カムに当接する方向に付勢され、前記バルブスプリングの前記着座面と前記付勢手段の前記収容孔における着座面(例えば実施形態における着座面75)とが一部重なるように形成され、前記バルブスプリングの前記着座面と前記付勢手段とが重なる少なくとも一方の着座面が切り欠かれていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、第1ロッカーアームを付勢するバルブスプリングの着座面と第2ロッカーアームを付勢する付勢手段の収容孔とが一部で重なるので、バルブスプリングとロストモーション機構の付勢手段を近接配置することができ、シリンダヘッドの小型化を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、バルブスプリングとロストモーション機構の付勢手段をより近接配置することができるので、シリンダヘッドの小型化を図ることができる。また、バルブスプリングと付勢手段の組付け方向を同じにできるので、バルブ及びロストモーション機構の組付け性を向上できる。
請求項3に記載の発明によれば、ロストモーション機構の付勢手段の収容孔の突出を防ぐことができ、シリンダヘッドの小型化を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、ガイド壁を連結することで、ガイド壁の剛性を高くすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、バルブスプリング及び付勢手段の着座面同士の干渉を回避しつつ、シリンダヘッドの小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1に本実施形態に係る可変動弁装置を備えるエンジン1が示されている。エンジン1は単気筒エンジンであり、例えば自動二輪車に搭載される。シリンダブロック2に形成されたシリンダボア3にはピストン4が往復動可能に嵌装されている。ピストン4はコンロッド5の一端に連結され、コンロッド5の他端は図示しないクランクケースに収容されたクランクシャフトに連結される。
シリンダブロック2の上部には、シリンダヘッド6が設けられ、シリンダヘッド6の上部はヘッドカバー7により覆われている。シリンダヘッド6にはピストン4の頂部を臨ませる燃焼室8が形成されている。シリンダヘッド6には、燃焼室8と排気口9で連通しシリンダヘッド6の一側面に開口する排気ポート10と、燃焼室8と吸気口11で連通しシリンダヘッド6の他側面に開口する吸気ポート12とが形成されている。吸気ポート12はシリンダヘッド6に接続された吸気管13と連通している。吸気管13には燃料噴射弁14が付設されている。
シリンダヘッド6には、排気ポート10と燃焼室8との間を連通又は遮断する排気バルブ15と、吸気ポート12と燃焼室8との間を連通又は遮断する吸気バルブ16とが開閉作動可能に設けられている。
排気バルブ15は、排気口9を開閉させる傘部17と傘部17から突出するバルブステム18とを備え、バルブステム18をシリンダヘッド6に形成されたガイド穴19に挿通させ、バルブステム18の上端をインナスプリング20及びアウタスプリング21を介して傘部17が閉じる方向に付勢する。
インナスプリング20及びアウタスプリング21は一端を円形のスプリングシート22を介してシリンダヘッド6のガイド穴19の周囲に形成された円形の着座面23に当接させ、他端をスプリングリテーナ24を介してバルブステム18の上部に連結させている。インナスプリング20はアウタスプリング21の内周側に配されている。
吸気バルブ16は、吸気口11を開閉させる傘部25と傘部25から突出するバルブステム26とを備え、バルブステム26をシリンダヘッド6に形成されたガイド穴27に挿通させ、バルブステム26の上端をインナスプリング28及びアウタスプリング29を介して傘部25が閉じる方向に付勢する。
インナスプリング28及びアウタスプリング29は一端を円形のスプリングシート30を介してシリンダヘッド6のガイド穴27の周囲に形成された円形の着座面31に当接させ、他端をスプリングリテーナ32を介してバルブステム26の上部に連結させている。インナスプリング28はアウタスプリング29の内周側に配されている。
排気バルブ15及び吸気バルブ16は、可変動弁機構部40によって開閉される。図1〜図3を併せて参照し、可変動弁機構部40は、排気バルブ15と吸気バルブ16との間に配置されるとともに排気カム41、第1吸気カム42及び第2吸気カム43が設けられるカムシャフト44と、カムシャフト44と平行な軸線を有してシリンダヘッド6に支持される排気側ロッカーアームシャフト45及び吸気側ロッカーアームシャフト46と、排気側ロッカーアームシャフト45に揺動自在に支持され排気カム41の回転に従動し排気バルブ15を開閉駆動する排気側ロッカーアーム47と、吸気側ロッカーアームシャフト46に揺動自在に支持され、第1吸気カム42の回転に従動し吸気バルブ16を開閉駆動する第1吸気側ロッカーアーム48と、を備えている。
また、可変動弁機構部40は、第2吸気カム43の回転に従動し、第1吸気側ロッカーアーム48に連結されて吸気バルブ16を開閉駆動することが可能であると共に、第1吸気側ロッカーアーム48との連結を解除された際には第2吸気カム42に従動し単独で揺動する第2吸気側ロッカーアーム49と、第2吸気側ロッカーアーム49が第1吸気側ロッカーアーム48との連結を解除された際に第2吸気側ロッカーアーム49を第2吸気カム43に当接させる方向に付勢するロストモーション機構部50(図1)と、シリンダヘッド6の側壁部6A(図2,図3)に取付けられて第2吸気側ロッカーアーム49と隣接しカムシャフト44の外周側に配置されるアクチュエータ51を備えた切替機構部52と、を備えている。
第2吸気側ロッカーアーム49は第1吸気側ロッカーアーム48の側方に隣接して配置されている。なお、図2では説明の便宜のためカムシャフト44を断面で示している。また、図3には燃焼室8に先端を臨ませる点火プラグ33が示されている。
可変動弁機構部40において、カムシャフト44は、図2、図3に示すようにその一端側(紙面左側)をシリンダヘッド6に設けられた第1ベアリング53に回転可能に支持され、その他端側をシリンダヘッド6に設けられた第2ベアリング54に回転可能に支持されている。第1ベアリング53から外側に突出するカムシャフト44の一端部44Aには、被動スプロケット55が設けられ、被動スプロケット55にはカムチェーン56が掛け回されている。カムチェーン56は図示しないクランクシャフトの一端に設けられた駆動スプロケットに掛け回される。
排気カム41、第1吸気カム42及び第2吸気カム43は、カムシャフト44の一端側から他端側(図2、図3の紙面左側から右側)に向けて順に並ぶように設けられている。図1、図3を参照し、排気カム41はカムシャフト44の軸線を中心とする円弧状のベース円部41aと、ベース円部41aから外側に突出するようにしてベース円部41aの周方向両端間を結ぶ高位部41bとを有している。また、第1吸気カム42及び第2吸気カム43は、カムシャフト44の軸線を中心とする円弧状のベース円部42a,43aと、ベース円部42a,43aから外側に突出するようにしてベース円部42a,43aの周方向両端間を結ぶ高位部42b,43bとを有している。
第2吸気カム43の高位部43bは、第1吸気カム42の高位部42bよりもカムプロフィールを高く設定されている。また、排気カムの高位部41bと、第1吸気カム42の高位部42b及び第2吸気カム43の高位部43bとの間には吸排気工程に応じた位相差が設定されている。
排気側ロッカーアーム47は、その長手方向略中央を排気側ロッカーアームシャフト45に支持され、その一端に排気カム41と当接するローラ57を設けられ、その他端には排気バルブ15のバルブステム18の上端に当接するタペットねじ58が設けられている。ローラ57は、排気側ロッカーアーム47に形成されたローラ支持孔59に挿通されたシャフト60に回転可能に支持される(図1)。シャフト60の軸方向はカムシャフト44の軸方向に沿って延びている。
第1吸気側ロッカーアーム48及び第2吸気側ロッカーアーム49はそれぞれ、その長手方向略中央を吸気側ロッカーアームシャフト46に支持され、それぞれの一端に第1吸気カム42、第2吸気カム43と当接するローラ61,62を設けられている。第1吸気側ロッカーアーム48の他端には第1吸気バルブ16のバルブステム26の上端に当接するタペットねじ63が設けられ、第2吸気側ロッカーアーム49の他端にはロストモーション機構部50から付勢力を受ける当接部64が設けられている。第1吸気側ロッカーアーム48は、吸気バルブ16のインナスプリング28及びアウタスプリング29により、タペットねじ41を介して第1吸気カム42に当接する方向に付勢されている。
第1吸気側ロッカーアーム48のローラ61は、第1吸気側ロッカーアーム48に形成されたローラ支持孔65に挿通されたシャフト66によって回転可能に支持され、第2吸気側ロッカーアーム49のローラ62は、第2吸気側ロッカーアーム49に形成されたローラ支持孔67に挿通されたシャフト68に回転可能に支持される(図1)。シャフト66,68はカムシャフト44の軸方向に沿って延びている。なお、図1には、紙面手前側に位置するローラ62、ローラ支持孔67及びシャフト68のみを示している。
図4を参照し、ロストモーション機構部50は、シリンダヘッド6の形成された有底の収容孔70に収容されるコイルスプリング71と、コイルスプリング71に付勢されるリフタ72とで構成されている。リフタ72は第2吸気側ロッカーアーム49の当接部64に当接する円板状の頭部73と、この頭部73から延出しコイルスプリング71の内周側に挿通される軸部74とを備えている。
コイルスプリング71は、一端を収容孔70の底部である着座面75に当接し、他端をリフタ72の頭部73に当接しリフタ72を付勢する。リフタ72の頭部73は、第2吸気側ロッカーアーム49の当接部64を介して第2吸気側ロッカーアーム49のローラ62を第2吸気カム43と当接させる方向に付勢する。
図4において、「L1」は吸気バルブ16の開閉方向、すなわち、バルブステム26の軸方向を示し、「L2」は収容孔70の軸方向(延在方向あるいは穿設方向)を示している。直線L1は、インナスプリング28及びアウタスプリング29の着座面31に垂直な方向と一致する。ここで直線L1、直線L2は平行であり、すなわち、着座面31に垂直な方向と収容孔70の軸方向とは吸気バルブ16の開閉方向に平行に形成されている。また、図4から明らかなように、収容孔70の紙面垂直方向奥側に着座面31が位置しており、両者はカムシャフト44の軸方向視で重なる位置にある。
図5に図4のC−C線から着座面31及び収容孔70を見た図が示され、図6には図4のD−D線、即ち、バルブステム26方向又はコイルスプリング71伸縮方向から第1吸気側ロッカーアーム48、第2吸気側ロッカーアーム49及びカムシャフト44を見た図が示されている。図5を参照し、収容孔70は着座面31よりも小径であり、着座面31にその一部を重ねるようにして形成されている。図中で、R1は円形の着座面31の輪郭線(一点鎖線)を示し、R2は円形の収容孔70の輪郭線(一点鎖線、実際は収容孔70の外形線)を示しており、図中Sは、これら各輪郭線R1及びR2が重なり合った領域を示している。すなわち、収容孔70は着座面31の一部を切り欠くようにして円形に形成されており、収容孔70の周壁部70Aを一部切り欠いて、この周壁部70Aの両端部を着座面31に結合させるように形成されている。
また、図6を参照し、収容孔70は着座面31よりもカムシャフト44側に配置されている。つまり、収容孔70は、着座面31よりもカムシャフト44の軸方向と直交する方向に沿う直線距離で近い位置に配置されている。また、同図から明らかなように収容孔70は、第2吸気側ロッカーアーム49とカムシャフト44の軸方向で重なる位置に配置されている。
ところで、図1〜図3に戻り、第1吸気側ロッカーアーム48の上部には、カムシャフト44の他端側(図2、図3の紙面右側)から穿設された穿孔76が形成され、第2吸気側ロッカーアーム49の上部には、カムシャフト44の一端側(紙面左側)から穿設された穿孔77が形成されている。穿孔76には、スプリング78によりカムシャフト44の他端側へ付勢されるプランジャ79が設けられている。穿孔77は第2吸気側ロッカーアーム49の側部において径を小さくした細孔80を形成しており、第2吸気側ロッカーアーム49の側部を貫通している。穿孔77には連結ピン81が収容されている。連結ピン81は、プランジャ79側に位置してこのプランジャ79と当接する押圧部82と、押圧部82から延びて細孔80を貫通するロッド側当接部83とで構成されている。
連結ピン81は、切替機構部52のアクチュエータ51により押圧される。切替機構部52のアクチュエータ51は、樹脂材料等からなる断熱材84を介してシリンダヘッド6の側壁部6Aに取付けられ、カムシャフト44の軸方向に進退可能なプッシュロッド85を備えている。このプッシュロッド85の先端には、連結ピン81のロッド側当接部83に当接される樹脂材料からなる押圧体86が着脱可能に設けられている。プッシュロッド85はアクチュエータ51の作動により連結ピン81をカムシャフト44の一端側(紙面左側)に押し込み可能とされている。
アクチュエータ51は、図示しないソレノイドによりプッシュロッド85を進退させるが、ソレノイドに代えて油圧等によりプッシュロッド85を進退させてもよい。なお、押圧体86を樹脂材料から構成することで軽量化を図ることができると共に耐熱性を確保できる。
この可変動弁機構部40では、図2、図3を参照し、エンジン1が低負荷運転域である場合に、連結ピン81の押圧部82が第1吸気側ロッカーアーム48と第2吸気側ロッカーアーム49との間の割り面に、その先端を位置させるようにアクチュエータ51のプッシュロッド85で連結ピン81の位置を保持する。そして、エンジン1が高負荷運転域となった場合には、プッシュロッド85を作動させて連結ピン81を、第1吸気側ロッカーアーム48に設けられたプランジャ79(スプリング78)の付勢力に抗して、穿孔76に押し込み、第1吸気側ロッカーアーム48と第2吸気側ロッカーアーム49との間に連結ピン81を跨らせる。
これにより、この可変動弁機構部40では、高負荷運転域で第1吸気側ロッカーアーム48と第2吸気側ロッカーアーム49とを連動させ、第1吸気側ロッカーアーム48を介して吸気バルブ16を、第2吸気カム43の開弁特性により開閉駆動する。ここで第2吸気カム43の高位部43bは、第1吸気カム42の高位部42bよりも高く設定されているので、吸気バルブ16は、低負荷運転域よりも高負荷運転域で開弁リフト量及び閉弁時期を大きくかつ長く切り替えられる。
ここで、エンジン1が低負荷運転域である場合には、第1吸気側ロッカーアーム48と第2吸気側ロッカーアーム49が、それぞれ第1吸気カム42及び第2吸気カム43により個別に揺動されるが、第1吸気側ロッカーアーム48は吸気バルブ16のインナスプリング28及びアウタスプリング29により付勢され第1吸気カム42に常時当接され、第2吸気側ロッカーアーム49はロストモーション機構部50のコイルスプリング71により付勢され第2吸気カム43に常時付勢されるので双方は安定した状態で揺動する。
また、本実施形態に係るエンジン1では、図2、図3に示すように切替機構部52と離間したカムシャフト44の一端側である排気カム41と第1ベアリング53との間にデコンプ装置90が設けられている。このデコンプ装置90は、カムシャフト44の略半周を側方から覆うように円弧状に形成されてカムシャフト44の外周に配置されカムシャフト44の回転で生じる遠心力でカムシャフト44の軸中心から離れる方向に揺動するデコンプウェイト91と、デコンプウェイト91に連動して揺動するデコンプカム92とを備えている。
以上に記載したように本実施形態では、カムシャフト44上に第1吸気カム42と第2吸気カム43とを並べ、第1吸気カム42の回転に伴い揺動する第1吸気側ロッカーアーム48と第2吸気カム43の回転に伴い揺動する第2吸気側ロッカーアーム49とを隣接して配置し、第1吸気側ロッカーアーム48と第2吸気側ロッカーアーム49とを連結ピン81で連結又は切断することで吸気バルブ16の開弁リフト量及び開弁時期を可変とする可変動弁機構部40を備え、シリンダヘッド6に形成された着座面31にインナスプリング28及びアウタスプリング29の一端を当接させ、このスプリングで第1吸気側ロッカーアーム48を吸気バルブ16を閉じる方向に付勢するエンジン1において、第1吸気側ロッカーアーム48が、インナスプリング28及びアウタスプリング29により第1吸気カム42に当接する方向に付勢されて吸気バルブ16を開閉し、第2吸気側ロッカーアーム49が、シリンダヘッド6に形成された収容孔70にコイルスプリング71及びリフタ72を収容してなるロストモーション機構部50により、第2吸気カム43に当接する方向に付勢され、図5に示すようにインナスプリング28及びアウタスプリング29の着座面31に収容孔70が一部重なるように形成されている。
これによれば、第1吸気側ロッカーアーム48を付勢するインナスプリング28及びアウタスプリング29の着座面31と第2吸気側ロッカーアーム49を付勢するコイルスプリング71及びリフタ72の収容孔70とが一部で重なるので、インナスプリング28及びアウタスプリング29とコイルスプリング71及びリフタ72を近接配置することができ、シリンダヘッド6の小型化を図ることができる。
また、着座面31に垂直な方向と収容孔70の軸方向とが、吸気バルブ16の開閉方向に平行に形成され、着座面31と収容孔70とが、カムシャフト44の軸方向視で重なるように形成されている。これによれば、インナスプリング28及びアウタスプリング29とコイルスプリング71及びリフタ72をより近接配置することができるので、シリンダヘッド6の小型化を図ることができる。また、インナスプリング28及びアウタスプリング29とコイルスプリング71及びリフタ72の組付け方向を同じにできるので組付け性を向上できる。
また、図4、図5に示すように第2吸気側ロッカーアーム49が第1吸気側ロッカーアーム48の側方に配置され、着座面31円形を呈し、収容孔70着座面31よりも小径であって、着座面31よりもカムシャフト44側に配置され、かつ、第2吸気側ロッカーアーム49とカムシャフト44の軸方向で重なる位置に配置されている。これによれば、収容孔70の突出を防ぐことができ、シリンダヘッド6の小型化を図ることができる。
なお、本実施形態では、吸気バルブ16のインナスプリング28及びアウタスプリング29がシリンダヘッド6の着座面31に当接される態様を説明したが、他の実施形態として、図7に示すように着座面31の周縁から立ち上がる断面円形のガイド壁100を形成し、インナスプリング28及びアウタスプリング29を、このガイド壁100内に収容すると共にこのガイド壁100により伸縮方向に案内するようにして、収容孔70の周壁部70Aをガイド壁100に重ねる(連結する)ように形成してもよい。つまり、ガイド壁100及び着座面31に収容孔70の一部を重ねるように、この収容孔70を形成してもよい。この場合にも、インナスプリング28及びアウタスプリング29とコイルスプリング71及びリフタ72を近接配置することができ、シリンダヘッド6の小型化を図ることができる。しかも、この場合には、ガイド壁100が周壁部70Aに連結することになり、ガイド壁100の剛性を高くすることができる。
また、上記実施形態では、収容孔70が着座面31の一部を切り欠くようにして、その一部を着座面31に重ねるように形成されているが、本発明の他の実施形態として、収容孔70(着座面75)の一部が着座面31によって切り欠かれるように形成する態様であってもよい。図5を用いて説明すれば領域Sが着座面31の一部となる態様である。この場合にも、着座面31と収容孔70とを近接させることができるので、シリンダヘッド6の小型化を図ることができる。
1 エンジン
6 シリンダヘッド
16 吸気バルブ(バルブ)
29 アウタスプリング(バルブスプリング)
31 着座面
42 第1吸気カム(第1カム)
43 第2吸気カム(第2カム)
44 カムシャフト(カム軸)
48 第1吸気側ロッカーアーム(第1ロッカーアーム)
49 第2吸気側ロッカーアーム(第2ロッカーアーム)
50 ロストモーション機構部(ロスモーション機構)
70 収容孔
71 コイルスプリング(付勢手段)
81 連結ピン(ピン部材)
6 シリンダヘッド
16 吸気バルブ(バルブ)
29 アウタスプリング(バルブスプリング)
31 着座面
42 第1吸気カム(第1カム)
43 第2吸気カム(第2カム)
44 カムシャフト(カム軸)
48 第1吸気側ロッカーアーム(第1ロッカーアーム)
49 第2吸気側ロッカーアーム(第2ロッカーアーム)
50 ロストモーション機構部(ロスモーション機構)
70 収容孔
71 コイルスプリング(付勢手段)
81 連結ピン(ピン部材)
Claims (5)
- カム軸(44)上に第1カム(42)と第2カム(43)とを並べ、前記第1カム(42)の回転に伴い揺動する第1ロッカーアーム(48)と前記第2カム(43)の回転に伴い揺動する第2ロッカーアーム(49)とを隣接して配置し、前記第1ロッカーアーム(48)と前記第2ロッカーアーム(49)とをピン部材(81)で連結又は切断することでバルブ(16)の開弁リフト量及び開弁時期を可変とし、シリンダヘッド(6)に形成された着座面(31)にバルブスプリング(29)の一端を当接させ、このバルブスプリング(29)で前記第1ロッカーアーム(48)を前記バルブ(16)を閉じる方向に付勢するエンジン(1)の可変動弁装置において、
前記第1ロッカーアーム(48)が、前記バルブスプリング(29)により前記第1カム(42)に当接する方向に付勢されて前記バルブ(16)を開閉し、
前記第2ロッカーアーム(49)が、前記シリンダヘッド(6)に形成された収容孔(70)に付勢手段(71)を収容してなるロストモーション機構(50)の前記付勢手段(71)により、前記第2カム(43)に当接する方向に付勢され、
前記バルブスプリング(29)の前記着座面(31)に前記付勢手段(71)の前記収容孔(70)が一部重なるように形成されていることを特徴とするエンジンの可変動弁装置。 - 前記着座面(31)に垂直な方向と前記収容孔(70)の軸方向とが、前記バルブ(16)の開閉方向に平行に形成され、
前記着座面(31)と前記収容孔(70)とが、前記カム軸(44)の軸方向視で重なるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの可変動弁装置。 - 前記第2ロッカーアーム(49)が、前記第1ロッカーアーム(48)の側方に配置され、
前記着座面(31)が、円形を呈し、
前記収容孔(70)が、前記着座面(31)よりも小径であって、前記着座面(31)よりも前記カム軸(44)側に配置され、かつ、前記第2ロッカーアーム(49)と前記カム軸(44)の軸方向で重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの可変動弁装置。 - 前記シリンダヘッド(6)に、前記着座面(31)の周縁から立ち上がる断面円形のガイド壁(100)が形成され、
前記バルブスプリング(29)が、前記ガイド壁(100)内に収容されると共に前記ガイド壁(100)に案内され、
前記ガイド壁(100)に前記収容孔(70)が一部重なるように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの可変動弁装置。 - カム軸(44)上に第1カム(42)と第2カム(43)とを並べ、前記第1カム(42)の回転に伴い揺動する第1ロッカーアーム(48)と前記第2カム(43)の回転に伴い揺動する第2ロッカーアーム(49)とを隣接して配置し、前記第1ロッカーアーム(48)と前記第2ロッカーアーム(49)とをピン部材(81)で連結又は切断することでバルブ(16)の開弁リフト量及び開弁時期を可変とし、シリンダヘッド(6)に形成された着座面(31)にバルブスプリング(29)の一端を当接させ、このバルブスプリング(29)で前記第1ロッカーアーム(48)を前記バルブ(16)を閉じる方向に付勢するエンジン(1)の可変動弁装置において、
前記第1ロッカーアーム(48)が、前記バルブスプリング(29)により前記第1カム(42)に当接する方向に付勢されて前記バルブ(16)を開閉し、
前記第2ロッカーアーム(49)が、前記シリンダヘッド(6)に形成された収容孔(70)に付勢手段(71)を収容してなるロストモーション機構(50)の前記付勢手段(71)により、前記第2カム(43)に当接する方向に付勢され、
前記バルブスプリング(29)の前記着座面(31)と前記付勢手段(71)の前記収容孔(70)における着座面(75)とが一部重なるように形成され、
前記バルブスプリング(29)の前記着座面(31)と前記付勢手段(71)とが重なる少なくとも一方の着座面が切り欠かれていることを特徴とするエンジンの可変動弁装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010070300A JP2011202577A (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | エンジンの可変動弁装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010070300A JP2011202577A (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | エンジンの可変動弁装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011202577A true JP2011202577A (ja) | 2011-10-13 |
Family
ID=44879470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010070300A Pending JP2011202577A (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | エンジンの可変動弁装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011202577A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019003630A1 (ja) * | 2017-06-30 | 2019-01-03 | ヤマハ発動機株式会社 | 内燃機関および車両 |
WO2020156603A1 (de) * | 2019-01-29 | 2020-08-06 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Schaltstange zum schalten zumindest einer ventiltriebkomponente in einer brennkraftmaschine und verfahren zur herstellung einer schaltstange |
-
2010
- 2010-03-25 JP JP2010070300A patent/JP2011202577A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019003630A1 (ja) * | 2017-06-30 | 2019-01-03 | ヤマハ発動機株式会社 | 内燃機関および車両 |
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US11066963B2 (en) | 2017-06-30 | 2021-07-20 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Internal combustion engine and vehicle |
WO2020156603A1 (de) * | 2019-01-29 | 2020-08-06 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Schaltstange zum schalten zumindest einer ventiltriebkomponente in einer brennkraftmaschine und verfahren zur herstellung einer schaltstange |
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