JP2011202055A - 含フッ素ポリエーテル化合物およびその製造方法 - Google Patents

含フッ素ポリエーテル化合物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子主鎖両末端により反応性にすぐれたハロゲノアルコキシ基を有し、過酸化物架橋が可能な含フッ素ポリエーテル化合物およびその製造方法の提供。
【解決手段】含フッ素ジカルボン酸フルオリド化合物
Figure 2011202055

(ここで、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数であり、l+mは30〜200である)を、アニリン化合物
Figure 2011202055

(ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、R2は水素原子またはトリメチルシリル基であり、Xは臭素原子またはヨウ素原子である)と反応させ、含フッ素ポリエーテル化合物を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、含フッ素ポリエーテル化合物およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、高分子主鎖両末端に反応活性部位を有する含フッ素ポリエーテル化合物およびその製造方法に関する。
分子末端に官能基を有する含フッ素ポリエーテル化合物としては、例えば一般式
Figure 2011202055
で表わされる化合物が知られている(特許文献1参照)。
また、上記化合物の主鎖構造をオリゴマー化したより一般的な化合物として、一般式
Figure 2011202055
で表わされる化合物が知られている(特許文献2参照)。
これらの一般式で表わされる化合物群は、Si-H基を分子内に複数個有する含フッ素オルガノ水素シロキサン化合物および白金化合物触媒により硬化し、非常に優れた特性(耐薬品性、耐熱性、低温特性)を有するエラストマー性成形物を与え得るとされ、特に-50℃程度の低温条件下でも柔軟性を失わずに、使用に耐え得るとされる。また、これらを主成分とする硬化性組成物は、抜群の成形加工性を有し、RIM成形も可能とさせる。しかしながら、この硬化物は、分子内架橋構造にシロキサン結合を有するため、フッ化水素などの酸性物質が存在する条件下で使用されると、化学的劣化によりそれの機械的な強度が低下するなどの好ましくない結果を与えることもある。
特開平11−343336号公報 特許2990646号公報 WO 2008/126436 A1 WO 90/15042 A2
Polymer 41巻 6213頁 (2000) Tetrahedron Letters 36巻 6375頁 (1995) Tetrahedron Letters 38巻 5831頁 (1997)
本発明者は先に、Si-H結合を有する含フッ素オルガノ水素シロキサン化合物を必要としないで硬化可能であり、その上耐熱性、低温特性および成形加工性に優れ、しかも酸性条件下での使用に耐え得る硬化物を与える含フッ素ポリエーテル化合物として、一般式
Figure 2011202055
(ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、Xはヨウ素原子または臭素原子であり、Xのフェニル基上の置換位置はNR1結合置換基に対してm-またはp-位であり、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数であり、l+mは30〜130である)で表わされる含フッ素ポリエーテル化合物を提案している(特許文献3参照)。
この含フッ素ポリエーテル化合物は、ボロン酸エステル化合物により硬化し、エラストマー性成形物を与えることができるが、より一般的な架橋方法である過酸化物架橋には不適である。
本発明の目的は、高分子主鎖両末端により反応性にすぐれたハロゲノアルコキシ基を有し、過酸化物架橋が可能な含フッ素ポリエーテル化合物およびその製造方法を提供することにある。
本発明によって、一般式〔I〕
Figure 2011202055
(ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、Xは臭素原子またはヨウ素原子であり、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数であり、l+mは30〜200である)で表わされる含フッ素ポリエーテル化合物が提供される。
かかる含フッ素ポリエーテル化合物は、一般式〔II〕
Figure 2011202055
(ここで、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数であり、l+mは30〜200である)で表わされる含フッ素ジカルボン酸フルオリド化合物を、一般式〔III〕
Figure 2011202055
(ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、R2は水素原子またはトリメチルシリル基であり、Xは臭素原子またはヨウ素原子である)で表わされるアニリン化合物と、好ましくはピリジンまたはトリエチルアミン等の3級アミン化合物の存在下で、反応させることにより製造される。
本発明に係る含フッ素ポリエーテル化合物は、高分子主鎖両末端に反応部位として2-ブロモテトラフルオロエトキシ基または2-ヨードテトラフルオロエトキシ基を有しているので、有機過酸化物による過酸化物架橋を可能とし、過酸化物架橋によりエラストマー性成形物を与えることができる。かかる組成物を硬化して得られる成形物は、低温特性、耐薬品性などにすぐれているため、自動車燃料供給系シール材、オイルシール材、航空機燃料系および油圧系シール材、半導体製造装置シール材等の各種用途に好適に使用される。
本発明の含フッ素ポリエーテル化合物
Figure 2011202055
において、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数であり、l+mは30〜200の整数である。特に、エラストマー性高分子材料の主原料として用いる場合には、硬化後十分な機械的強度を有する成形物を得るために、l+mは50〜150であることが好ましい。R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基である。なお、R1がアルキル基またはフェニル基の場合、分子間水素結合の形成が妨げられることにより、含フッ素ポリエーテル化合物の粘度を低下させることができる。
本発明の含フッ素ポリエーテル化合物(X=Br)は、例えば以下のような一連の工程を経て製造することができる。
Figure 2011202055
注) HFPO:ヘキサフルオロプロペンオキシド
HFP:ヘキサフルオロプロペン
第二工程で用いられるアニリン化合物〔III〕において、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、R2は水素原子またはトリメチルシリル基である。また、2-ブロモテトラフルオロエトキシ基(BrCF2CF2O-)のベンゼン環上の置換位置は、アミノ基(-NR1R2)に対してo-、m-またはp-位である。アニリン化合物〔III〕の具体例としては、2-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)アニリン、3-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)アニリン、4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)アニリン、2-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)-N-メチルアニリン、3-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)-N-メチルアニリン、4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)-N-メチルアニリンまたはこれらのN-トリメチルシリル誘導体等が挙げられる。なお、2-ブロモテトラフルオロエトキシ基の末端臭素原子はヨウ素原子であってもかまわない。
かかるアニリン化合物〔III〕において、1級アニリン化合物は、特許文献4および非特許文献1に記載されているように、アセトアミドフェノールまたはヒドロキシ安息香酸メチルに、1,2-ジブロモテトラフルオロエタンを反応させた後、数工程を経て製造することができる。また、2級アニリン化合物は、1級アニリン化合物を、ジアルキル硫酸またはヨウ化アルキル等のアルキル化剤によりN-アルキル化することによって、製造することができる。なお、この場合にはN-アルキル化体の他にN,N-ジアルキル化体が副生するので、分離・精製が必要である。
N-モノアルキル化のより好ましい方法は、非特許文献2および3に記載されている選択的なN-モノアルキル化である。具体的には、1級アニリン化合物を、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリドまたは2,4-ジニトロベンゼンスルホニルクロリドと反応させ、スルホンアミド化した後、ヨウ化アルキル等によりN-アルキル化し、その後チオフェノールまたはメルカプト酢酸と反応させることにより、目的とする2級アニリン化合物を選択的に得ることができる。
含フッ素ジカルボン酸フルオリド〔II〕とアニリン化合物〔III〕との反応は、ピリジン等の活性水素を有しない塩基性含窒素複素環式化合物またはトリエチルアミン等の3級アミン化合物の存在下で、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等の含フッ素溶媒、またはこれらの含フッ素溶媒と非プロトン性非フッ素系溶媒との混合溶媒中で、-50〜150℃、好ましくは0〜100℃の反応温度で行われる。含フッ素溶媒の具体例としては、HCFC-225、HFE-449(住友3M製品HFE7100)、HFE-569(住友3M製品HFE-7200)、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等が挙げられる。非プロトン性非フッ素系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。アニリン化合物〔III〕の溶解性を考慮すると、含フッ素溶媒と非プロトン性非フッ素系溶媒の混合溶媒を用いるのがより好ましい。
本発明の含フッ素ポリエーテル化合物の具体例として、
Figure 2011202055
Figure 2011202055
Figure 2011202055
またはこれらに対応するヨウ素化物等が例示される。
本発明に係る含フッ素ポリエーテル化合物は、有機過酸化物によって過酸化物架橋せしめることができる。過酸化物架橋に際しては、多官能性不飽和化合物を併用することが好ましい。
有機過酸化物としては、例えば2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキシド、ジ第3ブチルパーオキシド、第3ブチルクミルパーオキシド、第3ブチルパーオキシベンゼン、1,1-ビス(第3ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロキシパーオキシド、ジクミルパーオキシド等が、含フッ素ポリエーテル化合物100重量部当り約0.1〜5重量部、好ましくは約0.1〜2重量部の割合で用いられる。
また、多官能性不飽和化合物としては、例えばトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート等が、含フッ素ポリエーテル化合物100重量部に対し約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜5重量部の割合で用いられる。
含フッ素ポリエーテル化合物の硬化は、これに有機過酸化物、好ましくは有機過酸化物と多官能性不飽和化合物の両者を加え、さらに必要に応じてカーボンブラック、シリカ等の補強剤その他を加え、約100〜180℃で約5〜30分間圧縮成形し、必要に応じて約150〜250℃で約5〜24時間程度オーブン加硫することにより行われる。なお、成形は、RIM成形によっても可能である。
次に、実施例について本発明を説明する。
参考例1
4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)-N-メチルアニリンの合成
(1) 4-ヒドロキシ安息香酸メチル100g(0.657モル)およびメタノール300mlからなる溶液に、反応容器を氷水で冷却しながら、水酸化カリウム(純度85%)43.4g(0.657モル)を少量ずつ加え、さらに3時間反応を継続した。減圧下でメタノールを除去した後、140℃、27Paで8時間減圧乾燥した。4-ヒドロキシ安息香酸メチルのカリウム塩が、無色の固体として119g(収率95%)得られた。
(2) 4-ヒドロキシ安息香酸メチルのカリウム塩50g(0.26モル)をジメチルスルホキシド150mlに溶解した溶液中に、窒素雰囲気下、60℃で、1,2-ジブロモテトラフルオロエタン89g(0.34モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに70℃、2時間および90℃、30分間の反応を行った。反応混合物を室温に冷却した後水150mlを加え、ジクロロメタンで生成物を抽出した。その後、通常の後処理を行い粗生成物を84g得た。これを減圧蒸留することで、4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)安息香酸メチル(沸点75〜77℃、13Pa)を、無色の液体として81g(収率93%)得た。
(3) 4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)安息香酸メチル70g(0.211モル)およびメタノール100mlからなる溶液に、水酸化カリウム(純度85%)18.1g(0.274モル)およびメタノール100mlからなるアルカリ溶液を室温条件下で加え、さらに4時間反応を継続した。得られた溶液に、水110mlおよび濃塩酸43gを加え、内容物を十分に混合した。遊離した生成物をジエチルエーテルで抽出し、その後通常の後処理を行い、4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)安息香酸を、無色の固体として65.8g(収率98%)得た。
(4) 4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)安息香酸65.6g(0.207モル)、塩化チオニル32.1g(0.270モル)、ジメチルホルムアミド2.0g(0.027モル)およびクロロホルム160mlからなる混合物を、50℃で2時間反応させた。減圧下でクロロホルムおよび未反応の塩化チオニルを留去した後、さらに残渣を減圧蒸留した。4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)ベンゾイルクロリド(沸点68〜72℃、9Pa)を、無色の液体として67.3g(収率97%)得た。
(5) 4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)ベンゾイルクロリド67.3g(0.201モル)およびテトラヒドロフラン200mlからなる溶液に、アジ化ナトリウム43.1g(0.663モル)および水140mlからなる水溶液を、反応容器を氷水で冷却しながら加えた。1.5時間反応を継続した後水200mlを加え、生成物をジクロロメタンで抽出した。その後通常の後処理を行い、〔4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)フェニル〕アジドメタノンを、無色の液体として67.8g(収率99%)得た。
(6) 〔4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)フェニル〕アジドメタノン67.7g(0.198モル)およびトルエン溶媒650mlからなる溶液を、100℃で1.5時間反応させた。熱分解反応によるアジドメタノンからのイソシアナト基への変換は、クルチウス反応として進行する。減圧下でトルエンを留去し、次いで残渣を減圧蒸留した。4-イソシアナト-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)ベンゼン(沸点54〜56℃、33Pa)を無色の液体として53.8g(収率87%)得た。
(7) 4-イソシアナト-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)ベンゼン41.3g(0.132モル)、濃塩酸74mlおよび1,2-ジメトキシエタン150mlからなる混合物を、80℃で2時間反応させた。得られた反応混合物に、水酸化カリウム(純度85%)56gおよび水500mlからなるアルカリ水溶液を加えた。生成物をジエチルエーテルで抽出し、次いで通常の後処理を行った。さらに減圧蒸留を行い、4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)アニリン(沸点65〜68℃、53Pa)を、無色の液体として33.6g(収率88%)得た。
(8) 4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)アニリン41.6g(144ミリモル)、ピリジン16.3g(207ミリモル)およびクロロホルム250mlからなる溶液に、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド38.1g(172ミリモル)を加え、1時間室温条件下で反応させた。通常の反応後処理により、N-〔4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)フェニル〕-2-ニトロベンゼンスルホンアミドを、橙色の固体として66.9g(収率98%)得た。
(9) N-〔4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)フェニル〕-2-ニトロベンゼンスルホンアミド66.9g(141ミリモル)、炭酸カリウム97g(705ミリモル)およびジメチルホルムアミド400mlからなる溶液にヨウ化メチル26g(183ミリモル)を加え、室温条件下で2時間反応を行った。通常の反応後処理を行い、N-メチル-N-〔4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)フェニル〕-2-ニトロベンゼンスルホンアミドを、黄色の固体として68.4g(収率99%)得た。
(10) N-メチル-N-〔4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)フェニル〕-2-ニトロベンゼンスルホンアミド55.5g(114ミリモル)、水酸化リチウム・1水和物19.1g(456ミリモル)およびジメチルホルムアミド400mlからなる溶液に、メルカプト酢酸21.0g(228ミリモル)を加え、60℃で2時間反応させた。通常の反応後処理を行った後、反応生成物を蒸留し、4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)-N-メチルアニリン(沸点60〜67℃、13Pa)を、淡黄色の液体として28.5g(収率83%)得た。
参考例2
含フッ素ジカルボン酸フルオリド化合物の調製
Figure 2011202055
攪拌装置、温度センサ、ガス導入口およびドライアイス/エタノール冷却凝縮器を備えた内容量1Lのガラス製反応容器を低温恒温槽に設置し、ジアルコキシド化合物 CsOCF2CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)CF2OCs を23ミリモルを含むテトラグライム溶液60gを仕込んだ。内温を-33〜-30℃に調整した後、ガス導入口よりヘキサフルオロプロペンを40g仕込んだ。次に、ヘキサフルオロプロペンオキシドを10g/hr、ヘキサフルオロプロペンを4g/hrの供給速度で反応容器内に仕込んだ。42時間経過後、ガスの供給を停止し(ヘキサフルオロプロペンオキシド総仕込量428g)、さらに1時間-33〜-30℃に内温を保った。減圧下でヘキサフルオロプロペンを反応系内より除去した後、室温までゆっくり昇温した。さらに100℃まで昇温し、減圧下でヘキサフルオロプロペンオリゴマーを反応混合物より除去した。このようにして、フッ化セシウム、テトラグライムおよび含フッ素ジカルボン酸フルオリドからなる混合物を淡黄色粘稠な懸濁液として478g得た。これを精製せずに、次の工程に用いた。
また、上記混合物の一部をメタノールによりジエステル体〔A〕とした後、19F-NMRによりヘキサフルオロプロペンオキシド数平均重合度および二官能性比(ヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマー〔B〕とのモル分率)を求めた。
Figure 2011202055
s=Fa(-131ppm)ピーク積分値
t=Fb(-133ppm)ピーク積分値
u=Fc(-146ppm)ピーク積分値
注) ケミカルシフトはCFCl3基準
二官能性比=(t/s-0.5)/(t/s+0.5)=0.89
ヘキサフルオロプロペンオキシド数平均重合度=4u/(2t+s)=102
実施例
参考例2で得られた含フッ素ジカルボン酸フルオリド、フッ化セシウムおよびテトラグライムからなる混合物78g(約4.5ミリモル)を、含フッ素系溶媒(住友3M製品HFE-7100)90mlに溶解し、そこにトリエチルアミン1.9g(19ミリモル)およびジエチルエーテル36mlを加えた。そこに、4-(2-ブロモテトラフルオロエトキシ)-N-メチルアニリン4.0g(13ミリモル)を加え、30℃で3時間反応を行った。得られた反応混合物を飽和食塩水に加え、分離した有機層を1.5重量%水酸化カリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ロ過した。減圧下でロ液から含フッ素系溶媒およびジエチルエーテルを留去した後、得られた粘稠な液体をジエチルエーテルで数回洗浄し、次いで減圧下でジエチルエーテルを完全に留去した。このようにして、含フッ素ポリエーテル化合物
Figure 2011202055
を、僅かに黄色味を帯びた透明な液体として65g得た。E型粘度計(東機産業製TEV-22)により粘度を測定したところ、14Pa・s(25℃)であった。
19F-NMR(ケミカルシフトはCFCl3基準): -125ppm(Fb)
-147ppm(Fc)
-72ppm(Fd)
-90ppm(Fe)
1H-NMR(ケミカルシフトはTMS基準): 7.0ppm(Ha,Hb)
3.1ppm(Hc)
IR(neat): 1704cm-1(C=O)
1508cm-1(Ar)
参考例3
実施例で得られた含フッ素ポリエーテル化合物 100重量部
2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン 1 〃
トリアリルイソシアヌレート 3 〃
アセチレンカーボンブラック 13 〃
以上の各成分をプラネタリーミキサを用いて混合し、硬化性組成物を調製した。
この硬化性組成物について、モンサントディスクレオメーターを使用して、150℃、30分間の硬化挙動を測定し、次のような結果を得た。
ML 0.6 dN・m
MH 6.0 dN・m
t10 1.4 分
t50 6.6 分
t90 20.4 分
さらに、150℃で30分間圧縮成形してP24 Oリングを成形し、次いで、80℃、5時間および230℃、15時間のオーブン加硫(二次加硫)を、窒素雰囲気下で行った。これについて、圧縮永久歪(ASTM D395 Method B準拠;200℃、70時間)の測定を行い、50%という値を得た。
また、このP24 Oリングのガラス転移温度Tgを、示差走査熱量分析計(SIIナノテクノロジー社製DSC6220)を用いて測定すると、-55℃という値が得られた。

Claims (5)

  1. 一般式〔I〕
    Figure 2011202055
    (ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、Xは臭素原子またはヨウ素原子であり、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数であり、l+mは30〜200である)で表わされる含フッ素ポリエーテル化合物。
  2. 一般式〔I〕において、R1がメチル基である請求項1記載の含フッ素ポリエーテル化合物。
  3. 一般式〔I〕において、l+mが50〜150である請求項1記載の含フッ素ポリエーテル化合物。
  4. 一般式〔II〕
    Figure 2011202055
    (ここで、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数であり、l+mは30〜200である)で表わされる含フッ素ジカルボン酸フルオリド化合物を、一般式〔III〕
    Figure 2011202055
    (ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、R2は水素原子またはトリメチルシリル基であり、Xは臭素原子またはヨウ素原子である)で表わされるアニリン化合物と反応させることを特徴とする請求項1記載の含フッ素ポリエーテル化合物の製造方法。
  5. ピリジンまたは3級アミン化合物の存在下で反応が行われる請求項4記載の含フッ素ポリエーテル化合物の製造方法。
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