JP2011201690A - 印刷媒体の移動量検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 様々な種類の印刷媒体に対してその移動量を高精度に検出できるようにする。
【解決手段】 印刷媒体の一方の面に対してLED光を照射し、一方の面に対してレーザー光を照射し、一方の面に対して照射されたLED光またはレーザー光の反射光を受光することによって一方の面を撮像し、レーザー照明手段にレーザー光を照射させずにLED照明手段にLED光を照射させた場合の反射光によって表されるLED照明画像を複数取得し、複数のLED照明画像同士の類似度を示す値を算出し、LED照明手段にLED光を照射させずにレーザー照明手段にレーザー光を照射させた場合の反射光によって表されるレーザー照明画像を複数取得し、複数のレーザー照明画像同士の類似度を示す値を算出し、LED照明画像同士の類似度とレーザー照明画像同士の類似度のうち類似度がより高い関係にある画像の組を取得する際に使用されていた照明手段を、印刷媒体の移動量を検出する際に使用する照明として選択する。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷媒体の移動量を検出する装置に関し、特に、非接触で印刷媒体の移動量を測定する光学式の移動量検出装置に関する。
従来、印刷媒体を搬送しながら印刷を行う印刷装置においては、ローラーの回転によってローラーに接する印刷媒体を搬送している。ローラーの回転量とローラーの直径によって印刷媒体を搬送した量を把握可能であるが、ローラーが摩耗しローラーと印刷媒体との間に滑りが生じてしまうと、誤差が生じる。そのため印刷媒体の移動量を当該印刷媒体と直接接し搬送させるローラーによって検出する方法の他に、ローラーによって搬送中の印刷媒体の表面に光を照射してその反射光による画像を複数取得し、当該画像を比較することによって印刷媒体の移動量を検出する方法が知られている。特許文献1には、印刷装置を移動中の印刷物の所定部分の画像を撮影する装置について記載されている。
特開2009−153149号公報
印刷媒体の種類や光源の種類によって反射特性が異なる。例えば、紙の表面を照明して表面を撮像すると、その画像から紙の表面の微細な凹凸で構成されるパターンを検出することができ、このパターンの移動量から紙の移動量を検出することが可能である。しかし紙よりも表面の凹凸が微細なフィルムの表面を、例えばLED光で照明して撮像した場合、凹凸が紙より微細であるので凹凸によるパターンが紙よりも検出しにくい。一方、そのようなフィルムに、例えばレーザー光を照射すると微細な凹凸によって表面に干渉縞が生じ、その干渉縞のパターンを移動量検出に利用することができる。
ところで紙は、インクなどの記録剤がしみこむことによって伸びたり波打ったりして変形することがあるが、フィルムにおいてはそのような変形が生じにくい。変形が生じた紙は、印刷装置の筐体内において紙を搬送する平面(搬送平面)に対して紙の姿勢が平行でなくなる。紙の姿勢が搬送平面に対して傾くと、その角度によっては照明から紙の表面に対して照射された光の正反射光がセンサーに多く受光されてしまうことがある。正反射光が画像内に多く含まれた場合、全体的に白っぽく明るすぎる画像となる(階調が飽和する)ため、前述のように紙の表面の微細な凹凸からなるパターンを検出しにくくなる。レーザー光はLED光に比べて直進性や収束性が高いので、紙の表面を撮像した画像内においてパターンを検出可能な紙の傾きの許容範囲がLED光よりも狭い。LED光はレーザー光で照明した場合に比べると紙の傾きの許容範囲は広いため、レーザー光を用いた場合ではパターンを検出できないほど紙が傾いていた場合であっても、LED光を用いれば検出できることがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、様々な種類の印刷媒体に対してその移動量を高精度に検出できることを目的の1つとする。
(1)上記目的を達成するための移動量検出装置は、印刷媒体の一方の面に対してLED光を照射するLED照明手段と、前記一方の面に対してレーザー光を照射するレーザー照明手段と、前記一方の面に対して照射された前記LED光または前記レーザー光の反射光を受光することによって前記一方の面を撮像する撮像手段と、前記レーザー照明手段に前記レーザー光を照射させずに前記LED照明手段に前記LED光を照射させた場合の前記反射光によって表されるLED照明画像を複数取得するLED照明画像取得手段と、複数の前記LED照明画像同士の類似度を示す値を算出するLED照明画像類似度算出手段と、前記LED照明手段に前記LED光を照射させずに前記レーザー照明手段に前記レーザー光を照射させた場合の前記反射光によって表されるレーザー照明画像を複数取得するレーザー照明画像取得手段と、複数の前記レーザー照明画像同士の類似度を示す値を算出するレーザー照明画像類似度算出手段と、前記LED照明画像同士の類似度と前記レーザー照明画像同士の類似度のうち類似度がより高い関係にある画像の組を取得する際に使用されていた照明手段を、前記印刷媒体の移動量を検出する際に使用する照明として選択する照明選択手段と、を備える。
印刷媒体の移動量を、移動前の印刷媒体の表面の画像と移動後の印刷媒体の表面の画像とを撮影し移動前の画像に含まれる任意のパターンの移動後の画像内における位置によって導出する移動量検出装置において、上述のように印刷媒体の種類と照明手段の種類の組み合わせによってはパターンマッチングなどの画像処理に適さない画像が取得されることがある。そのため本発明では、特性の異なる少なくとも二つの照明手段としてLED照明手段とレーザー照明手段とを備えており、まずどちらか一方の照明手段による照明で撮影した印刷媒体の表面の画像を少なくとも二つ取得し、それらの画像でパターンマッチング処理を行い、それらの画像同士が類似している度合いを示す類似度を算出する。他方の照明手段による照明でも同様に少なくとも二つ画像を取得しそれらの類似度を算出する。そして類似度が高い方の画像の組を撮影したときに用いられた照明手段を、移動量の検出に用いる照明として選択する。そのため本発明の構成を採用すると、様々な種類の印刷媒体に関して、移動量を精度良く検出できる可能性が高い照明を選択することができる。
なお、印刷媒体は、シート状の対象物を搬送する機能を有する装置によって搬送される対象物を意味している。搬送機能を有する装置として例えば印刷装置が適用される場合、印刷媒体は記録剤によって画像を形成する対象物を意味しており、搬送機能を有する装置として例えば画像読取装置が適用される場合、読み取りの対象物を意味している。印刷媒体は具体的には例えば紙やフィルムやその他のシート状のものであってもよい。
(2)上記目的を達成するための移動量検出装置において、前記LED照明画像取得手段において、複数の前記LED照明画像は、前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置に対して前記印刷媒体が同じ位置で停止している状態で取得された画像であってもよく、前記レーザー照明画像取得手段において、複数の前記レーザー照明画像は、前記印刷装置に対して前記印刷媒体が同じ位置で停止している状態で取得された画像であってもよい。
印刷装置に対してLED照明手段やレーザー照明手段や撮像手段は固定されている。したがって印刷媒体が印刷装置に対して相対的に同じ位置に停止している状態で印刷媒体の表面を撮影した場合、同じ画像が撮影されるはずである。すなわち、一方の画像に含まれるあるパターンは、他方の画像においても同じ位置に存在する。しかし、印刷媒体の姿勢(搬送平面に対する傾き)によっては照明手段からの光の正反射光が多く含まれた画像が取得されることもあり、そのような場合には双方の画像に含まれるパターン自体を検出しにくくなるため、パターンマッチング処理の結果としても類似度が低いという結果が導き出される。一方、照明手段からの光の正反射光が多く含まれない画像の場合は、画像に含まれるパターンを検出しやすく、パターンマッチング処理の結果としても、類似度は高いという結果が導き出される。
このように印刷媒体の姿勢によっては印刷媒体の表面の同じ領域を撮影した画像であっても類似度が低い結果になることがあり、その原因の一つとして印刷媒体が傾いていることが考えられる。したがって、停止状態においてそれぞれの照明で撮影した画像の類似度を算出することによって、印刷媒体が搬送平面に対して傾いている可能性があるか問題ないかを判断することができる。また、多少傾いている場合であっても、LED照明手段かレーザー照明手段のいずれか一方でも予め決められた基準より高い類似度が算出されたならば、その類似度が高い方の画像の組が取得された際に用いた照明手段を印刷媒体の移動量を検出する際に用いる照明として選択することができる(前述のようにLED照明手段の方がレーザー照明手段よりも印刷媒体の傾きの許容範囲は広いが、傾きの角度によってはレーザー光の方が類似度が高くなる可能性もあるため)。
(3)上記目的を達成するための移動量検出装置において、前記LED照明画像取得手段において、複数の前記LED照明画像は、間欠的に搬送される前記印刷媒体の搬送前と搬送後とにそれぞれ取得された画像であってもよく、前記レーザー照明画像取得手段において、複数の前記レーザー照明画像は、間欠的に搬送される前記印刷媒体の搬送前と搬送後とにそれぞれ取得された画像であってもよい。
実際に印刷媒体の移動量を検出する際と同様に、印刷媒体を間欠搬送させてその前後の画像を取得し、それらの画像の類似度を算出することを、照明手段ごとに実施する。そしてそれらの類似度を比較することにより、実際に移動量を検出する際にどの照明手段を用いるとより精度よく移動量を検出できる可能性が高いかどうかを判断することができる。また、停止状態においてレーザー照明で撮影した画像の類似度が閾値より高い場合(正反射光を多く含む画像でない場合)であっても、搬送していく中で印刷媒体の姿勢が変動すると類似度がLEDと比較して極端に低くなる性質がレーザーにはある。そのため、間欠搬送の前後でそれぞれの照明で撮影した画像の類似度を算出して比較することにより、印刷媒体の姿勢に対する許容範囲がレーザーより広いLEDとレーザーとのどちらを選択すべきかを判断することができる。なお、印刷媒体からの反射光はレンズなど光学系を通って撮像手段に受光されるので、画像の端の方では多少歪みが生じうる。したがって間欠搬送の前後でそれぞれ撮影された画像内の同じパターンも全く同じ形状では検出されないことがありえるが、予め決めておいた基準の閾値より高い類似度が算出されればそのとき用いた照明に問題はないと判断してよい。
(4)上記目的を達成するための移動量検出装置において、使用する前記印刷媒体の種類に関するユーザーの選択を示す情報であって、第一の印刷媒体と前記第一の印刷媒体より表面の凹凸が微細であり前記第一の印刷媒体より姿勢が安定しやすい第二の印刷媒体とのうちのいずれかを示す情報を取得する種類選択取得手段を備えてもよい。その場合に前記LED照明画像取得手段は、前記ユーザーの選択を示す情報が前記第二の印刷媒体を示している場合は、前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置に対して前記印刷媒体が同じ位置で停止している状態で複数の前記LED照明画像を取得しなくてもよい。また、その場合、前記レーザー照明画像取得手段は、前記ユーザーの選択を示す情報が前記第二の印刷媒体を示している場合は、前記印刷装置に対して前記印刷媒体が同じ位置で停止している状態で複数の前記レーザー照明画像を取得しなくてもよい。
すなわち、ユーザーが第二の印刷媒体を選択した場合は、各照明手段ともに、停止状態において類似度算出のための画像を取得することなく、実践と同様に間欠搬送の前後の画像を取得してそれらの類似度を算出するようにしてもよい。第二の印刷媒体は第一の印刷媒体より姿勢が安定しやすい傾向にあるため、第一の印刷媒体がユーザーに選択されている場合と比較して、上述のように印刷媒体の停止状態の画像の類似度によって印刷媒体の姿勢をチェックする必要性が低い。したがってユーザーが第二の印刷媒体を選択した場合は、印刷媒体の姿勢をチェックする工程を省くことにより、印刷媒体の移動量の検出に用いる照明を早く選択することができる。
なお、本発明は上記手段に対応する工程を実施する方法の発明としても成立し、各手段の機能をコンピューターに実現させるプログラムの発明としても成立する。また請求項に記載された各手段の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各手段の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。さらに、本発明はプログラムの記録媒体としても成立する。むろん、そのコンピュータプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体であってもよい。
本発明の実施形態にかかる移動量検出装置のブロック図。 本発明の実施形態にかかる照明選択処理を示すフローチャート。 照明選択処理のサブルーチンを示すフローチャート。 (4A)および(4B)はパターンマッチング処理を説明するための図、(4C)および(4D)は比較対象領域の位置とマッチングスコアとの関係を示すグラフ。 印刷媒体の姿勢と反射光の関係を例示する図。 本発明の実施形態にかかる照明選択処理を示すフローチャート。 本発明の実施形態にかかる照明選択処理を示すフローチャート。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら以下の順に説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施形態
1−1.構成
図1は、本実施形態にかかる移動量検出装置1の構成を示すブロック図である。移動量検出装置1は、印刷媒体を間欠的に搬送しながら印刷を行う機能を有する装置(印刷装置)に備えられており、印刷装置が備える図示しない搬送ローラーによって印刷媒体Pが搬送されている際に、印刷媒体Pの移動量(副走査方向の移動量)を検出する機能を備えている。本実施形態の移動量検出装置1は、印刷媒体Pの表面の画像を複数取得し、それらの画像に含まれる同一の図形パターンの各画像内における位置の変化量から印刷媒体の移動量を検出する方式を採用している。また本実施形態の移動量検出装置1は、印刷媒体Pの種類やその特性に応じて印刷媒体Pの移動量を精度良く検出できるようにするために、印刷媒体Pを照明する複数の照明を切り換える機能を有している。
上記の機能を実現するために移動量検出装置1は、LED(発光ダイオード)10とレーザー11と図示しないレンズとイメージセンサー12と制御部20とを備えている。LED10およびレーザー11は、印刷装置の筐体内において、印刷媒体Pを搬送する搬送平面(主走査方向に平行な方向と副走査方向に平行な方向とを含む平面)に対して片方の側から、当該搬送平面に対して互いに異なる角度で光を照射するように取り付けられている。本実施形態では、搬送平面に平行な状態で図示しない搬送ローラー等で支持された印刷媒体Pに対して光を照射したとき印刷媒体Pからの正反射光の多くがイメージセンサー12に受光されないような角度で光を照射できるようにLED10が取り付けられている。またレーザー11はLED10と主走査方向に平行な位置に取り付けられており、LED10およびレーザー11から等距離にある平面(副走査方向を含む平面)を基準にして対称な姿勢で取り付けられており、搬送平面に対する光の照射角度がLED10と同じである。LED10およびレーザー11は、印刷ヘッドを搭載するキャリッジの動作領域の近傍に設けられていることが望ましい(キャリッジの上流側でも下流側でもよい)。LED10およびレーザー11は図示しないインターフェイスを介して制御部20と電気的に接続されている。なお、上述の搬送方向とは、印刷媒体Pに対して記録剤を記録開始してから終了するまでの間に印刷媒体Pが送られる方向を意味し、搬送方向に向かって前方を下流側、後方を上流側と表現する。
イメージセンサー12は、図示しないレンズなどの光学系を介して印刷媒体Pからの反射光を受光し電気信号に変換する機能を有している。イメージセンサー12は、A/Dコンバーターなどを含む図示しないインターフェイスを介して制御部20と接続されている。イメージセンサー12はエリアセンサーであり、本実施形態ではVGAサイズ(横640画素×縦480画素)のCMOSイメージセンサーを採用するが、もちろん他のサイズのCMOSイメージセンサーやCCDイメージセンサーを採用してもよい。イメージセンサー12では各画素に対応する明度値を検出することができればよい。
制御部20は、図示しないCPUや揮発性メモリーや不揮発性メモリーやROM等で構成されており、移動量検出装置1の全体的な制御を行う。より具体的にはROMに記憶された制御プログラムがCPUによって実行されることにより制御部20は、上記の機能を実現する。揮発性メモリーにはイメージセンサー12によって撮像された画像を示す画像データが一時的に記憶される。制御プログラムは、LED照明制御部20aとレーザー照明制御部20bとLED照明画像取得部20cとレーザー照明画像取得部20dとLED照明画像類似度算出部20eとレーザー照明画像類似度算出部20fと種類選択取得部20gと照明選択部20h等のプログラムモジュールを備えている。
LED照明制御部20aは、LED10の点灯や消灯を制御する機能を果たす。LED10およびLED照明制御部20aは請求項に記載のLED照明手段に相当する。レーザー照明制御部20bは、レーザー11の点灯や消灯を制御する機能を有する。レーザー11およびレーザー照明制御部20bはレーザー照明手段に相当する。また、イメージセンサー12は撮像手段に相当する。LED照明画像取得部20c(LED照明画像取得手段に相当)は、LED10が点灯している状態でイメージセンサー12に2回画像を撮像するように指示し、撮像された2つの画像を示す画像データを揮発性メモリーに取得する機能を実現する。LED照明画像類似度算出部20e(LED照明画像類似度算出手段に相当)は、LED10が点灯している状態で撮像された2つの画像を示す画像データを対象にパターンマッチング処理を行い、2つの画像の類似度を示す値を算出する機能を実現する。
レーザー照明画像取得部20d(レーザー照明画像取得手段に相当)は、レーザー11が点灯している状態でイメージセンサー12に2回画像を撮像するように指示し、2つの画像を示す画像データを揮発性メモリーに取得する機能を実現する。レーザー照明画像類似度算出部20f(レーザー照明画像類似度算出手段に相当)は、レーザー11が点灯している状態で撮像された2つの画像を示す画像データを対象にLED照明画像類似度算出部20eと同様にパターンマッチング処理を行い、2つの画像の類似度を示す値を算出する機能を実現する。なおパターンマッチング処理に該当するプログラムはLED照明画像類似度算出部20eと共用でよい。
本実施形態では、印刷の実行に先立ち、使用する印刷媒体が、フィルム(第二の印刷媒体)かそれ以外(たとえば紙(第一の印刷媒体))かがユーザーによって選択される。種類選択取得部20g(種類選択取得手段に相当)は、使用する印刷媒体の種類に関するユーザーの選択を示す情報(フィルムかそれ以外の各種)を取得する機能を制御部20に実現させる。ユーザーの選択を示す情報は、印刷装置に備えられた図示しない操作パネルから入力されてもよいし、あるいは印刷装置に接続されたコンピューターのドライバープログラムから受け渡されてもよい。照明選択部20h(照明選択手段に相当)は、LED照明画像類似度算出部20eで算出された類似度を示す値と、レーザー照明画像類似度算出部20fで算出された類似度を示す値とを比較し、印刷媒体Pの移動量検出に用いる照明をLED10およびレーザー11から選択する機能を実現する。
1−2.照明選択処理
図2、図3、図6、図7は、印刷媒体Pの移動量検出に用いる照明(LED10またはレーザー11)を選択するための照明選択処理を示すフローチャートである。この処理で選択された照明を用いてこの処理の後に実際の移動量検出処理が行われる。なお、後述する二つのフラグは照明選択処理の最初にオフにクリアされる。はじめに、制御部20は、使用する印刷媒体に関するユーザーの選択を示す情報を取得し(種類選択取得部20g)、ユーザーが紙かフィルムのどちらを選択したかを判定する(ステップS100)。照明選択処理は、印刷に使用する印刷媒体としてユーザーがフィルムを選択した場合の処理(図7に対応)と、フィルム以外を選択した場合の処理(図2および図6に対応)の、大きく2つに分かれる。
(ユーザーがフィルム以外を選択した場合)
発明が解決しようとする課題で述べたように、フィルム以外の印刷媒体としての例えば紙は、レーザー光よりLED光の方が有効であることが多いが印刷媒体の傾きによってはレーザー光が有効であることもある。したがってユーザーがフィルム以外を選択した場合はまず、印刷媒体Pが搬送平面に対して傾いていないかどうかをチェックするために、印刷媒体Pを停止状態でそれぞれの照明で撮影した画像の類似度を算出し、いずれかの照明を選択する。また、いずれかの照明が明らかに有効と判断できないような場合は、実際に移動量検出を行う際と同様に印刷媒体Pを搬送させ、間欠搬送の前後に撮影した画像の類似度を算出して比較し、印刷媒体Pの姿勢変化に有利な照明を選択するようにする。以降で具体的に説明する。
ステップS100においてユーザーがフィルムを選択しなかったと判定された場合、制御部20は、印刷媒体停止状態におけるLED照明画像の類似度算出処理を実行する(ステップS102)。具体的には、図3Aに示すように、制御部20はLED10を点灯させ(ステップS200、LED照明制御部20a)、印刷媒体Pを印刷装置に対して同じ位置において停止している状態で2回続けて画像を撮影してメモリーに画像を取得し(ステップS202、LED照明画像取得部20c)、LED10を消灯させ(LED照明制御部20a)、取得した画像を対象にパターンマッチング処理を行い2つの画像の類似度を算出する(ステップS204、LED照明画像類似度算出部20e)。
印刷媒体Pが印刷装置に対して停止している状態であるので、取得された2つの画像は印刷媒体Pの同じ領域を撮影したものである。印刷媒体Pが図1に示すように搬送平面に対して平行である場合は、イメージセンサー12にはLED10から照射され印刷媒体Pから乱反射した光による画像が取得される。図4Aおよび図4Bは、取得した2つの画像を説明するための図である。本実施形態では、VGAサイズの画像が取得される。画像の長い方の辺と平行な方向が副走査方向に対応している。印刷媒体Pが例えば紙である場合、紙の繊維による不規則的なテクスチャーが画像には含まれている。
(パターンマッチング処理)
パターンマッチング処理では、マッチング対象として用いるパターン(例えば紙の場合は、紙の繊維による不規則なテクスチャーで形成される図形)を一方の画像内において決定し、そのパターンが他方の画像内に存在するか否かを調べることができればよく種々の公知のアルゴリズムを採用してよい。本実施形態では、一方の画像内(図4A)に当該画像(例えばVGAサイズ)より小さいマッチング対象領域A(例えば縦280画素×横40画素)を設定し、一方の画像(図4A)のマッチング対象領域Aに含まれるパターンが他方の画像内(図4B)のどの位置に含まれるかを、他方の画像(図4B)全体を対象として判定する。具体的には、まず他方の画像(図4B)の左上隅にマッチング対象領域Aと同サイズの比較対象領域Bを設定し、右下隅に至るまで当該比較対象領域Bを1画素ずつずらして比較対象領域Bの画像とマッチング対象領域Aの画像とを比較する。そして比較対象領域Bが設定された位置ごとに、比較対象領域B内の代表画素に、比較結果としてのマッチングスコアの値を対応付ける。マッチング対象領域A内および比較対象領域B内の同じ位置において同一形状のパターンが検出されたとき、マッチングスコアは最も高い値となる。
図4Cは、図4Bの画像内における比較対象領域Bの設定位置と、マッチングスコアとの関係を示すグラフである。具体的には、代表画素の位置をxy座標で表しその代表画素に対応付けられたマッチングスコアを高さzとして表した3次元グラフの、マッチングスコアが最も高い値となる画素を含むxz平面に平行な断面あるいはyz平面に平行な断面を表すグラフである。印刷装置に対して同じ位置で印刷媒体Pが停止している状態で画像を2つ取得する場合は同じ画像が取得されるので、図4Cに示すように、図4Aのマッチング対象領域Aと同じ位置において図4Bの画像に比較対象領域Bを設定したときに最もマッチングスコアが高いという結果が得られる。
また、本実施形態では、2つの画像の類似度を示す指標として上記のマッチングスコアの他に、3点の鋭度という指標も用いる。3点の鋭度は、図4Cに示すグラフのピーク付近の鋭さを表す値である。具体的には、マッチングスコアが最大となる画素と当該画素を中心としてその両側(x軸方向またはy軸方向)の近傍の画素の3点を用いてピーク付近の曲線を2次関数(z=ax+bx+cまたはz=ay+by+c)に近似した場合の2次の項の係数の絶対値(|a|)で表される。3点の鋭度を示す値が大きい場合は小さい場合より、ピーク付近の傾きがよりピーキーであることを表しており、より確実に類似度が高いことを意味する。
なお、印刷媒体Pが図5に示すように搬送平面に対して傾いていると、光源から照射された光の正反射光が、取得した画像に多く含まれてしまうことがある。その場合の2つの画像は両方とも露出オーバーで階調が飽和するため、パターンマッチングの結果は、図4Dに示すように、マッチングスコアの最大値も低く、3点の鋭度を示す値も小さくなる。また、例えばフィルムのように表面の凹凸が非常に微細な印刷媒体をLED光で撮影した場合も凹凸からなるパターンが検出できないため、パターンマッチングの結果は図4Dに示すように、マッチングスコアの最大値も低く、3点の鋭度を示す値も小さくなる(ただしレーザー光で撮影した場合は干渉縞によるパターンを検出することができる)。
以上、パターンマッチング処理について説明した。
図2に戻る。続いて制御部20は、ステップS102の処理の結果、そのマッチングスコアの最大値が所定の閾値th1以上であるか否かを判定する(ステップS104)。マッチングスコアの最大値が閾値th1以上である場合は、制御部20は、ステップS102の結果、3点の鋭度を示す値も所定の閾値th2以上であるか否かを判定する(ステップS106)。マッチングスコアの最大値が閾値th1以上であり3点の鋭度も閾値th2以上である場合は、後述するステップS122の処理に進む。3点の鋭度が閾値th2以上でない場合は、制御部20はステップS102で算出したマッチングスコアの最大値と、3点の鋭度を示す値を保存する(ステップS108)。ステップS104において、マッチングスコアの最大値が予め決められた閾値より低いと判定された場合は、類似度が確実に高いとは言えないことを示すLED失敗フラグをオンにセットする(ステップS110)。具体的には例えば、ユーザーはフィルムを選択しなかったが実際にセットされたのはフィルムであったためフィルム表面のパターンが検出できずに類似度が低くなっているか、あるいは、印刷媒体の姿勢が正反射光が多く含まれるほどに傾いているような場合にステップS110でLED失敗フラグがオンにセットされる。
続いて制御部20は、印刷媒体停止状態におけるレーザー照明画像の類似度算出処理を実行する(ステップS112)。具体的には図3Bに示すように、レーザー11を点灯させ(ステップS300、レーザー照明制御部20b)、画像を連続して2回撮影してメモリーに取得し(ステップS302、レーザー照明画像取得部20d)、レーザー11を消灯させ(レーザー照明制御部20b)、ステップS204と同様にパターンマッチング処理を行い2つの画像の類似度を算出する(ステップS304、レーザー照明画像類似度算出部20f)。図2に戻り、制御部20はステップS112の処理で算出したマッチングスコアの最大値が所定の閾値th3以上であるか否かを判定する(ステップS114)。マッチングスコアの最大値が閾値th3以上である場合は、ステップS112で算出したマッチングスコアの最大値と3点の鋭度を示す値とを保存する(ステップS116)。マッチングスコアの最大値が閾値th3以上でない場合は、レーザー11で照明して取得した2つの画像の類似度が確実に高いとは言えない(印刷媒体の姿勢が正反射光が多く含まれるほどに傾いているために類似度が低くなっている)ことを示すレーザー失敗フラグをオンにセットする(ステップS118)。
続いて制御部20は、LED失敗フラグとレーザー失敗フラグの二つのフラグの状態を判定する(ステップS120)。LED失敗フラグがオフに設定されておりレーザー失敗フラグがオンに設定されている場合は、移動量検出と同様に実際に印刷媒体Pを搬送してみて、間欠搬送前と後の画像の類似度が問題ないレベルであるか否かをチェックするため、制御部20は、印刷媒体間欠搬送状態におけるLED照明画像の類似度算出処理を実行する(ステップS122)。具体的には図3Cに示すように、制御部20はLED10を点灯させ(ステップS400、LED照明制御部20a)、図示しない搬送ローラーによって印刷媒体Pを間欠的に搬送させ、その間欠搬送の前と後とでそれぞれ1回ずつ印刷媒体Pの表面の画像を撮影してメモリーに取得し(ステップS402、LED照明画像取得部20c)、LED10を消灯させ(LED照明制御部20a)、前述のステップS204と同様に2つの画像の類似度を算出する(ステップS404、LED照明画像類似度算出部20e)。
図2に戻り、制御部20はステップS122で求めたマッチングスコアの最大値が閾値th1以上であるか否かを判定し(ステップS124)、閾値th1以上である場合は、LED10を印刷媒体Pの移動量を検出する際に用いる照明として選択する(ステップS126、照明選択部20h)。マッチングスコアの最大値が閾値th1以上でない場合は、いずれの照明を用いても印刷媒体Pの移動量を精度良く検出できない可能性が高いことを意味する。そのため、いずれの照明を選択することなく処理を終了する(ステップS128)。
ステップS120において、LED失敗フラグがオンに設定されておりレーザー失敗フラグがオフに設定されていると判定された場合は、移動量検出と同様に実際に印刷媒体Pを搬送してみて、間欠搬送前と後の画像の類似度が問題ないレベルであるか否かをチェックするため、制御部20は、印刷媒体間欠搬送状態におけるレーザー照明画像の類似度算出処理を実行する(ステップS130)。具体的には図3Dに示すように、制御部20はレーザー11を点灯させ(ステップS500、レーザー照明制御部20b)、図示しない搬送ローラーによって印刷媒体Pを間欠的に搬送させ、その間欠搬送の前と後に1つずつ印刷媒体Pの表面の画像を撮影してそれら2つの画像をメモリーに取得し(ステップS502、レーザー照明画像取得部20d)、レーザー11を消灯させ(レーザー照明制御部20b)、ステップS204と同様にパターンマッチング処理を行うことにより2つの画像の類似度を算出する(ステップS504、レーザー照明画像類似度算出部20f)。
図2に戻り、制御部20は、ステップS130で算出したマッチングスコアの最大値が閾値th3以上であるか否かを判定し(ステップS132)、閾値th3以上である場合は、レーザー11を印刷媒体Pの移動量を検出する際に用いる照明として選択する(ステップS134、照明選択部20h)。ステップS130で算出したマッチングスコアの最大値が閾値th3以上でない場合は、いずれの照明を用いても印刷媒体Pの移動量を精度良く検出できない可能性が高いことを意味する。そのため、いずれの照明を選択することなく処理を終了する(ステップS136)。
ステップS120において、LED失敗フラグもレーザー失敗フラグも両方オンに設定されていると判定された場合は、いずれの照明を用いても印刷媒体Pの移動量を精度良く検出できない可能性が高いことを意味する。そのため、いずれの照明を選択することなく処理を終了する(ステップS138)。ステップS120においていずれのフラグもオンに設定されていないと判定された場合は、印刷媒体が停止状態で取得した画像の類似度はいずれの照明の場合も著しく低かったわけではないことを意味しており、したがっていずれの照明を用いても印刷媒体Pの移動量を検出できる可能性はあることを意味している。その場合は、移動量検出と同様に実際に印刷媒体Pを搬送してみて、間欠搬送前と後の画像の類似度が問題ないレベルであるか否かをチェックする。
具体的には(図6を参照)、制御部20は、印刷媒体間欠搬送状態におけるLED照明画像の類似度算出処理を実行する(ステップS140、図3C)。そしてステップS140で算出したマッチングスコアの最大値が閾値th1以上であれば制御部20は3点の鋭度が閾値th2以上であるか否かを判定し(ステップS144)、マッチングスコアの最大値が閾値th1以上であり3点の鋭度も閾値th2以上であれば、制御部20はLED10を印刷媒体Pの移動量を検出する際に用いる照明として選択する(ステップS160)。
ステップS144において3点の鋭度が閾値th2より小さいと判定された場合は、ステップS140で算出したマッチングスコアの最大値と3点の鋭度を示す値を保存する(ステップS146)。ステップS142でマッチングスコアの最大値が閾値th1より小さいと判定された場合は制御部20はLED失敗フラグをオンに設定する(ステップS148)。次に制御部20は、印刷媒体間欠搬送状態におけるレーザー照明画像の類似度算出処理を実行し(ステップS150、図3D)、算出したマッチングスコアの最大値が閾値th3以上であるか否かを判定し(ステップS152)、閾値th3以上であればマッチングスコアの最大値と3点の鋭度を示す値を保存する(ステップS154)。ステップS152でマッチングスコアの最大値が閾値th3より小さいと判定された場合は、制御部20はレーザー失敗フラグをオンに設定する(ステップS156)。
最後に制御部20は、LED失敗フラグおよびレーザー失敗フラグの状態を判定する(ステップS158)。LED失敗フラグがオフであってレーザー失敗フラグがオンに設定されている場合は、制御部20は印刷媒体Pの移動量検出に使用する照明としてLED10を選択する(ステップS160)。LED失敗フラグがオンに設定されていてレーザー失敗フラグがオフである場合は、制御部20は印刷媒体Pの移動量検出に使用する照明としてレーザー11を選択する(ステップS162)。両方のフラグがオンに設定されている場合は、いずれの照明を用いても印刷媒体Pの移動量を精度良く検出できない可能性が高いことを意味するため、いずれの照明を選択することもなく処理を終了する(ステップS164)。両方のフラグがオフである場合は、いずれの照明でも移動量を検出できる可能性はあることを意味しており、その場合は、ステップS146およびステップS152でそれぞれ保存していたマッチングスコアの最大値および3点の鋭度を示す値を比較し、より類似度が高い方の画像の組を取得する際に用いられた照明を選択する(ステップS166、照明選択部20h)。具体的には、マッチングスコアの最大値がより高い方、または(および)、3点の鋭度を示す値がより大きい方の画像の組と対応する照明が選択される。
(ユーザーがフィルムを選択した場合)
図2のステップS100においてユーザーがフィルムを選択したと判定された場合、図7に示すような処理を行う。発明が解決しようとする課題で述べたように、表面の凹凸が紙よりも微細でつるつるしているフィルムにはLED光よりもレーザー光が有効であるので、まずレーザー光を用いて撮影した画像で類似度を算出してみる。なお、その後にLED光を用いて撮影した画像でも類似度を算出する理由は、ユーザーが選択ミスをしたかあるいは印刷媒体を間違えてセットしている場合(フィルムをセットしたつもりがフィルムでないものをセットしている場合)が考えられるので、その場合にも対応できるようにするためである。なお、ユーザーがフィルムを選択した場合、印刷媒体停止状態における類似度算出処理(図3Aや図3Bの処理)を行わない理由は、フィルムは紙などに比べると変形しにくく姿勢が安定しやすいので、ユーザーによってフィルムが選択されていない場合と比較して、印刷媒体の停止状態の画像の類似度によって印刷媒体の姿勢をチェックする必要性が低いためである。したがってユーザーが第二の印刷媒体を選択した場合は、印刷媒体の姿勢をチェックする処理を省くことにより、印刷媒体の移動量の検出に用いる照明を早く選択することができる。
具体的には制御部20は、印刷媒体間欠搬送状態におけるレーザー照明画像の類似度算出処理を実行する(ステップS168、図3D)。ユーザーの選択はフィルムであり、印刷装置に実際にセットされた印刷媒体がフィルムである場合、レーザー照明で撮影された2つの画像内に干渉縞が検出できる。したがってこの場合は、その干渉縞をパターンとしてパターンマッチング処理が行われる。続いて制御部20は、算出したマッチングスコアの最大値が閾値th3以上であるか否かを判定する(ステップS170)。マッチングスコアの最大値が閾値th3以上である場合は3点の鋭度が閾値th4以上であるか否かを安定し(ステップS172)、マッチングスコアの最大値も閾値th3以上であり3点の鋭度も閾値th4以上である場合は、レーザー11を印刷媒体Pの移動量を検出する際の照明として選択する(ステップS190)。ステップS172において3点の鋭度が閾値th4より小さいと判定された場合、制御部20はマッチングスコアの最大値と3点の鋭度を示す値を保存する(ステップS174)。ステップS170にてマッチングスコアの最大値が閾値th3以上でないと判定された場合は、制御部20はレーザー失敗フラグをオンに設定する(ステップS176)。
続いて制御部20は、印刷媒体間欠搬送状態におけるLED照明画像の類似度算出処理を実行し(ステップS178、図3C)、マッチングスコアの最大値が閾値th1以上であるか否かを判定する(ステップS180)。制御部20は、マッチングスコアの最大値が閾値th1以上であればマッチングスコアの最大値と3点の鋭度を示す値を保存する(ステップS182)。ステップS180においてマッチングスコアの最大値が閾値th1以上でないと判定された場合、制御部20はLED失敗フラグをオンに設定する(ステップS184)。
最後に制御部20は、LED失敗フラグおよびレーザー失敗フラグの状態を判定する(ステップS186)。LED失敗フラグがオフでありレーザー失敗フラグがオンに設定されている場合、制御部20は印刷媒体Pの移動量検出に用いる照明としてLED10を選択する(ステップS188、照明選択部20h)。LED失敗フラグがオンに設定されていてレーザー失敗フラグがオフである場合は、制御部20は印刷媒体Pの移動量検出に使用する照明としてレーザー11を選択する(ステップS190)。両方のフラグがオンに設定されている場合は、いずれの照明を用いても印刷媒体Pの移動量を精度良く検出できない可能性が高いことを意味するため、いずれの照明を選択することなく処理を終了する(ステップS192)。両方のフラグがオフである場合は、いずれの照明でも移動量を検出できる可能性はあることを意味しており、その場合は、ステップS174およびステップS182でそれぞれ保存していたマッチングスコアの最大値および3点の鋭度を示す値を比較し、より類似度が高い方の画像の組を取得する際に用いられた照明が選択される(ステップS194、照明選択部20h)。具体的には、マッチングスコアの最大値がより高い方、または(および)、3点の鋭度を示す値がより大きい方の画像の組と対応する照明が選択される。
以上説明したように、本実施形態によると、異なる種類の印刷媒体に関しても、移動量を精度良く検出できる可能性が高い照明を選択することができる。
2.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば上記実施形態では移動量検出装置は、シート状の対象物を搬送する機能を備えた装置として印刷装置に搭載されることを上記実施形態では示した。その他にも例えば、搬送機能を備えた装置として、スキャナーやファクシミリ等の画像読取装置に、本発明の移動量検出装置が適用されてもよい。すなわち、スキャナーやファクシミリなどのADF(Auto Document Feeder)に本発明が適用されてもよい。
また、上記実施形態では、印刷媒体としてフィルムと紙を、特性の異なる照明手段としてLEDとレーザーと例に用いて説明したが、さらに他の種類の印刷媒体とその印刷媒体の特徴に応じたその他の照明手段が選択されるようにしてももちろんよい。
1:移動量検出装置、10:LED、11:レーザー、12:イメージセンサー、20:制御部、20a:LED照明制御部、20b:レーザー照明制御部、20c:LED照明画像取得部、20d:レーザー照明画像取得部、20e:LED照明画像類似度算出部、20f:レーザー照明画像類似度算出部、20g:種類選択取得部、20h:照明選択部、A:マッチング対象領域、P:印刷媒体。

Claims (4)

  1. 印刷媒体の一方の面に対してLED光を照射するLED照明手段と、
    前記一方の面に対してレーザー光を照射するレーザー照明手段と、
    前記一方の面に対して照射された前記LED光または前記レーザー光の反射光を受光することによって前記一方の面を撮像する撮像手段と、
    前記レーザー照明手段に前記レーザー光を照射させずに前記LED照明手段に前記LED光を照射させた場合の前記反射光によって表されるLED照明画像を複数取得するLED照明画像取得手段と、
    複数の前記LED照明画像同士の類似度を示す値を算出するLED照明画像類似度算出手段と、
    前記LED照明手段に前記LED光を照射させずに前記レーザー照明手段に前記レーザー光を照射させた場合の前記反射光によって表されるレーザー照明画像を複数取得するレーザー照明画像取得手段と、
    複数の前記レーザー照明画像同士の類似度を示す値を算出するレーザー照明画像類似度算出手段と、
    前記LED照明画像同士の類似度と前記レーザー照明画像同士の類似度のうち類似度がより高い関係にある画像の組を取得する際に使用されていた照明手段を、前記印刷媒体の移動量を検出する際に使用する照明として選択する照明選択手段と、
    を備える移動量検出装置。
  2. 前記LED照明画像取得手段において、複数の前記LED照明画像は、前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置に対して前記印刷媒体が同じ位置で停止している状態で取得された画像であり、
    前記レーザー照明画像取得手段において、複数の前記レーザー照明画像は、前記印刷装置に対して前記印刷媒体が同じ位置で停止している状態で取得された画像である、
    請求項1に記載の移動量検出装置。
  3. 前記LED照明画像取得手段において、複数の前記LED照明画像は、間欠的に搬送される前記印刷媒体の搬送前と搬送後とにそれぞれ取得された画像であり、
    前記レーザー照明画像取得手段において、複数の前記レーザー照明画像は、間欠的に搬送される前記印刷媒体の搬送前と搬送後とにそれぞれ取得された画像である、
    請求項1または請求項2に記載の移動量検出装置。
  4. 使用する前記印刷媒体の種類に関するユーザーの選択を示す情報であって、第一の印刷媒体と前記第一の印刷媒体より表面の凹凸が微細であり前記第一の印刷媒体より姿勢が安定しやすい第二の印刷媒体とのうちのいずれかを示す情報を取得する種類選択取得手段を備え、
    前記LED照明画像取得手段は、前記ユーザーの選択を示す情報が前記第二の印刷媒体を示している場合は、前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置に対して前記印刷媒体が同じ位置で停止している状態で複数の前記LED照明画像を取得せず、
    前記レーザー照明画像取得手段は、前記ユーザーの選択を示す情報が前記第二の印刷媒体を示している場合は、前記印刷装置に対して前記印刷媒体が同じ位置で停止している状態で複数の前記レーザー照明画像を取得しない、
    請求項3に記載の移動量検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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