JP2011199061A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Shotaro Ono
昇太郎 小野
Wataru Saito
渉 齋藤
Munehisa Yabusaki
宗久 薮崎
Shunji Taniuchi
俊治 谷内
Yoshio Watanabe
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Abstract

【課題】オン抵抗を低減させ、アバランシェ耐量を向上させる。
【解決手段】第1の主電極と、前記第1の主電極の上に設けられた第1導電型の半導体層と、前記半導体層の上に形成され、前記半導体層の主面に対して平行な第1の方向にストライプ状に延在する複数の第2導電型のベース領域と、前記ベース領域のそれぞれの上に形成された第1導電型のソース領域および第2導電型のキャリア抜き領域と、前記ソース領域と前記半導体層との間の通電を制御する制御電極と、前記ソース領域および前記キャリア抜き領域に接続された第2の主電極と、を備え、前記ソース領域および前記キャリア抜き領域は、それぞれ前記第1の方向に延在し、前記ベース領域の上で、前記ソース領域と前記キャリア抜き領域とが並設していることを特徴とする半導体装置が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。
パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)に代表されるパワー半導体素子(以下、半導体装置)は、高速スイッチング特性、数10(V)〜数100(V)の逆方向阻止電圧を有しており、通信基地局、家庭用電気機器等における電力変換回路、制御回路、安全回路等に用いられている。これらの半導体装置を用いたシステムの小型化、高効率化、低消費電力化には、システムを構成する半導体装置のオン抵抗を低減させる必要がある。
オン抵抗の内訳は、主に、チャネル抵抗、ドリフト抵抗、基板抵抗、チップ外部配線抵抗等である。これらの中、ドリフト抵抗は、シリコン理論限界を算出する式より、最適な抵抗が決定される。高耐圧系の半導体装置ほどドリフト領域は厚く、不純物濃度が低い傾向にあり、低耐圧系の半導体装置ほどドリフト領域は薄く、不純物濃度が高い傾向にある。
低耐圧系の半導体装置のオン抵抗の低減化については、チャネル密度を増加する方法が有効である。チャネル密度を増加させた半導体装置として、チャネルが深さ方向に形成されたトレンチゲート型の縦型MOSFETがある。
トレンチゲート型の縦型MOSFETでは、アバランシェ降伏時に発生したホールをソース電極側に低抵抗で効率よく引き抜くために、ソース領域に隣接してp拡散領域(キャリア抜き領域)を設ける場合がある。例えば、ベース領域上に、ソース領域とp拡散領域とが交互に配置された半導体装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、チャネルが形成されないp拡散領域は、オン抵抗の低減化に寄与しない。オン抵抗の低減化のために、ソース領域を拡大してもよいが、この場合は、p拡散領域の減少によりアバランシェ耐量が低下してしまう。このように、オン抵抗の低減化とアバランシェ耐量の向上とはトレードオフの関係にある。
特開2008−066708号公報
本発明の課題は、オン抵抗が低減し、アバランシェ耐量が向上する半導体装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、第1の主電極と、前記第1の主電極の上に設けられた第1導電型の半導体層と、前記半導体層の上に形成され、前記半導体層の主面に対して平行な第1の方向にストライプ状に延在する複数の第2導電型のベース領域と、前記ベース領域のそれぞれの上に形成された第1導電型のソース領域および第2導電型のキャリア抜き領域と、前記ソース領域と前記半導体層との間の通電を制御する制御電極と、前記ソース領域および前記キャリア抜き領域に接続された第2の主電極と、を備え、前記ソース領域および前記キャリア抜き領域は、それぞれ前記第1の方向に延在し、前記ベース領域の上で、前記ソース領域と前記キャリア抜き領域とが並設していることを特徴とする半導体装置が提供される。
また、本発明の一態様によれば、上記の半導体装置の製造方法であり、前記ソース領域および前記キャリア抜き領域を形成する工程は、前記ソース領域の第1導電型の不純物を前記半導体層の主面に対して、10°以上の角度をつけて、前記第1の方向に対して略垂直に前記ベース領域に注入する工程と、前記第1導電型の不純物を注入する方向とは反対側から、前記キャリア抜き領域の第2導電型の不純物を前記半導体層の主面に対して、10°以上の角度をつけて、前記第1の方向に対して略垂直に前記ベース領域に注入する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、オン抵抗が低減し、アバランシェ耐量が向上した半導体装置が実現する。
第1の実施の形態に係る半導体装置の斜視断面図である。 半導体装置の製造過程を説明する斜視断面図である。 半導体装置の製造過程を説明する斜視断面図である。 半導体装置の製造過程を説明する斜視断面図である。 比較例に係る半導体装置の斜視断面図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の作用効果を説明する斜視断面図である。 第1の実施の形態の効果を説明する図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の斜視断面図である。 第3の実施の形態に係る半導体装置の斜視断面図である。 第4の実施の形態に係る半導体装置の斜視断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る半導体装置の斜視断面図である。
第1の実施の形態に係る半導体装置1は、第1の主電極であるドレイン電極と、第1の主電極の上に設けられた第1導電型の半導体層10と、半導体層10の上に形成された半導体層11と、半導体層11の主面に対し垂直な方向からみてストライプ状に延在する複数本の第2導電型のベース領域12と、ベース領域12のそれぞれの上に形成された第1導電型のソース領域13および第2導電型のキャリア抜き領域14と、を備える。さらに、半導体装置1は、ソース領域13と半導体層10との間の通電経路を制御する制御電極であるゲート電極20と、ソース領域13およびキャリア抜き領域14に接続された第2の主電極であるソース電極80とを備える。キャリア抜き領域14とは、例えば、ベース領域12、半導体層11等で発生した正孔(ホール)をソース電極80側に排出させるための領域である。半導体装置1は、トレンチゲート型の縦型MOSFETである。
ソース領域13およびキャリア抜き領域14は、それぞれ連続状に延在し、ベース領域12の上で、ソース領域13とキャリア抜き領域14とが並設している。
半導体装置1においては、例えば、単結晶シリコン(Si)からなる半導体層10が設けられている。半導体層10の導電型は、n形である。半導体層10の上には、シリコンからなる半導体層(エピタキシャル層)11が設けられている。半導体層11の導電型は、n形である。半導体層11の不純物濃度は、半導体層10の不純物濃度よりも低い。半導体層10は、半導体装置1のドレイン領域(コレクタ領域層)であり、半導体層11は、半導体装置1のドリフト領域である。
半導体層11の上には、p形のベース領域12が複数設けられている。ベース領域12は、例えば、p形の不純物が注入されたシリコンにより構成されている。それぞれのベース領域12は、半導体層11から上方に延び、メサ状になっている。ベース領域12の間には、酸化珪素(SiO)からなる絶縁膜21を介して、トレンチ状のゲート電極20が設けられている。ゲート電極20は、相互に平行に且つ一定の周期で配列されている。ゲート電極20は、例えば、ポリシリコンからなる。換言すれば、ゲート電極20とベース領域12とは、交互に配置されている。ゲート電極20の下端は、ベース領域12の下端よりも低く配置されている。また、ベース領域12およびゲート電極20は、半導体層10の主面に対し垂直な方向からみて、それぞれ同じ方向にストライプ状に延在している。
ベース領域12の上には、n形拡散領域であるソース領域(エミッタ領域)13と、p形拡散領域であるキャリア抜き領域14が設けられている。すなわち、ベース領域12の上側は、ソース領域13と、キャリア抜き領域14とにより二分されている。ここで、片側がソース領域13、もう片側がキャリア抜き領域14である。ソース領域13およびキャリア抜き領域14は、ベース領域12またはゲート電極20が延在する方向と略平行に延在している。ソース領域13の下端およびキャリア抜き領域14の下端は、略同じ高さである。ソース領域13の下端およびキャリア抜き領域14の下端は、ゲート電極20の上端よりも低く構成されている。ゲート電極20の上には、ゲート絶縁膜である絶縁膜22が設けられている。
ソース領域13およびキャリア抜き領域14には、ソース電極80がオーミック接続されている。本実施の形態では、ソース領域13およびキャリア抜き領域14を明示する都合上、ソース電極80を点線で表示している。ゲート電極20には、ゲート配線(図示せず)がオーミック接続されている。半導体層10の下面には、ドレイン電極81がオーミック接続されている。これらのソース電極80、ドレイン電極81およびゲート配線は、例えば金属により形成されている。
ゲート電極20に挟まれたベース領域12の幅は、1.0μm以下(例えば、0.2μm〜1.0μm)である。ベース領域12に挟まれたゲート電極20の幅は、1.0μm以下(例えば、0.2μm〜0.6μm)である。ゲート電極20またはベース領域12の繰り返しのピッチは、0.4μm〜1.6μmである。
半導体装置1の製造方法の概略について説明する。
図2〜図4は、半導体装置の製造過程を説明する斜視断面図である。
先ず、図2(a)に示すように、n形の半導体層10の上に、半導体層10よりも不純物濃度が低いn形の半導体層11を形成する。ここで、不純物濃度とは、電気伝導に寄与する実効的な不純物濃度である。半導体層11は、エピタキシャル成長法により形成する。
続いて、図2(b)に示すように、半導体層11にp形不純物のイオン注入を施し、半導体層11の上に、加工前のベース領域12Fを形成する。
続いて、図2(c)に示すように、加工前のベース領域12Fの上に、ベース領域12の幅に対応したマスクパターン90を形成する。マスクパターン90は、例えば、フォトレジスト、酸化珪素、窒化珪素(Si)等からなる。
次に、マスクパターン90をマスクとして、加工前のベース領域12Fにドライエッチング処理を施し、図3(a)に示すように、ベース領域12を形成する。ベース領域12間には、トレンチ91が形成される。
続いて、図3(b)に示すように、トレンチ91内に、ゲート電極20、絶縁膜21を形成し、さらに、ゲート電極20および絶縁膜21の上に、ゲート酸化膜である絶縁膜22を形成する。この段階では、絶縁膜22の表面よりもベース領域12の上端が高くなるように加工される。高さについては、必要に応じてゲート電極20、絶縁膜21についてエッチバック処理を施して調整する。すなわち、この段階では、絶縁膜22の表面の高さから、さらに上方に突き出たベース領域12が形成される。
続いて、ベース領域12の先端部分にイオン注入を施す。例えば、図3(c)に示すように、n形の不純物を、10度以上の斜め入射により、図の左側から斜めに注入する。すなわち、ソース領域13に含有される第1導電型の不純物を、半導体層10の主面に対して、10°以上の角度をつけて、ベース領域12がストライプ状に延在する方向に対し略垂直にベース領域に注入する。ここで、10°以上の角度とは、半導体層10の主面に対する垂線(主面の法線)から10°以上の角度である。そして、必要に応じて加熱処理を施す。この場合、斜め入射によってベース領域12の先端部分がマスクになり、ベース領域12の先端部分の左側に、選択的にソース領域13が形成される。ソース領域13を形成するためのn形の不純物の注入量は、先にベース領域12に注入されたp形の不純物の注入量よりも多く設定する。ただし、ソース領域13とは反対側のキャリア抜き領域14が形成される領域の不純物濃度に影響を与えない程度の注入量にする。これにより、ベース領域12の先端は、p形の不純物の作用が打ち消され、n形になる。ソース領域13の不純物濃度は、1.0×1018cm−3以上である。
次に、図4(a)に示すように、p形の不純物を、10度以上の斜め入射により、図の右側から斜めに注入する。そして、必要に応じて加熱処理を施す。すなわち、第1導電型の不純物を注入する方向とは反対側から、キャリア抜き領域14に含まれる第2導電型の不純物を、半導体層10の主面に対して、10°以上の角度をつけて、ベース領域12がストライプ状に延在する方向に対し略垂直にベース領域に注入する。この場合、斜め入射によってベース領域12の先端部分がマスクになり、ベース領域12の先端部分の右側に、選択的にキャリア抜き領域14が形成される。ただし、ソース領域13が形成された領域の不純物濃度に影響を与えない程度の注入量にする。キャリア抜き領域14の不純物濃度は、例えば、1.0×1018cm−3以上である。
すなわち、セルフアラインにより、ベース領域12の上に、ソース領域13およびキャリア抜き領域14が形成される。
なお、ソース領域13の下端およびキャリア抜き領域14の下端は、イオン注入時の加速電圧、加熱温度等を制御することにより、略同じ高さに調整される。ソース領域13の下端およびキャリア抜き領域14の下端は、イオン注入時の加速電圧、加熱温度等を制御することにより、ゲート電極20の上端よりも低くなるように調製される。イオン注入における斜め入射の角度につては、10度以上の例を示したが、例えば、30度程度にしてもよい。
このように、本実施の形態では、ソース領域13およびキャリア抜き領域14の選択的な形成において、マスク部材が不要になり、製造工程の低コスト化が図れる。
続いて、図4(b)に示すように、ソース領域13およびキャリア抜き領域14に接続するソース電極80を形成する。半導体層10の下面には、ドレイン電極81を形成する。このような製造過程により、半導体装置1が形成される。
半導体装置1の作用効果について説明する。
半導体装置1の作用効果を説明する前に、比較例に係る半導体装置100の作用効果について説明する。
図5は、比較例に係る半導体装置の斜視断面図である。
比較例に係る半導体装置100においては、ベース領域12の上に、ソース領域130が断続的に形成されている。さらに、ソース領域130の間に、キャリア抜き領域140が形成されている。すなわち、ソース領域130とキャリア抜き領域140とは、交互に配列されており、ソース領域130の上面と、キャリア抜き領域140の上面とが同一平面をなしている。ソース領域130とキャリア抜き領域140とが交互に配列する方向は、ベース領域12またはゲート電極20がストライプ状に延在する方向と略平行である。これ以外の構造は、半導体装置1と同じである。半導体装置100にも上述したソース電極80、ドレイン電極81が設けられている。
半導体装置100においては、半導体装置100がオン状態にあるとき、ソース領域130と半導体層10との間に電子電流が流れる。この際、ソース領域130と半導体層10との間の電位差は極めて小さい。一方、半導体装置100がオン状態からオフ状態に切り替わると、ソース領域130と半導体層10との間の電位差が急激に上昇し、一時的に、本来のオフ状態における電位差を超えて、過電圧の状態となる。このとき、ゲート電極20の下端部付近、あるいは、ベース領域12と半導体層11との接合界面においてアバランシェ降伏が発生し、電子−正孔対が発生する場合がある。そして、発生した正孔は、ベース領域12において上側(ソース電極80側)に向かって移動する。
このとき、発生した正孔の直上に、p形であるキャリア抜き領域140が存在すれば、この正孔は、直上にあるキャリア抜き領域140を通じて、ソース電極側に速やかに排出される。この排出の流れを矢印Aで示す。
一方、発生した正孔の直上に、n形であるソース領域130が存在した場合、この正孔は、ソース領域130から排出され難い。従って、正孔は、一旦、ソース領域130の下側を流れた後、ソース領域130に隣接するキャリア抜き領域140を通じて、ソース電極側に排出される。従って、ソース領域130の下側では、正孔が流れる抵抗が高くなる。この排出の流れを矢印Bで示す。従って、半導体装置100においては、発生した正孔の直上に、ソース領域130が存在した場合、正孔が排出され難い構造になっている。
また、ベース領域12の不純物濃度は、MOSFETの閾値電圧(Vt)を決定するために、キャリア抜き領域140よりも低い。従って、正孔がソース領域130の下側のベース領域12に溜まると、この部分におけるベース領域12のポテンシャルの増加により、ソース領域130(n形)/ベース領域12(p形)/半導体層11(n形)で形成される寄生バイポーラトランジスタが動作する可能性がある。
寄生バイポーラトランジスタが動作してしまうと、ソース領域130/ベース領域12/ドリフト領域において、局所的に電流集中が起き、目的のアバランシェ電流より低い電流値で素子破壊が起こる場合がある。これを防止するため、キャリア抜き領域140を拡大して、アバランシェ耐量を向上させる方法がある。しかし、キャリア抜き領域140を拡大すると、ソース領域130が減少し、オン抵抗が増加してしまう。このように、オン抵抗の低減化とアバランシェ耐量の向上とはトレードオフの関係にある。
これに対し、図6は、第1の実施の形態に係る半導体装置の作用効果を説明する斜視断面図である。
半導体装置1においては、ソース領域13およびキャリア抜き領域14が、ベース領域12の上に、それぞれ連続状に延在し、ベース領域12の上で、ソース領域13とキャリア抜き領域14とが並設している。
半導体装置1においては、ゲート電極20の下端部付近、あるいは、ベース領域12と半導体層11との接合界面においてアバランシェ降伏が生じた際に発生する正孔は、ベース領域12において上側(ソース電極80側)に向かって移動する。
ベース領域12上には、キャリア抜き領域14がストライプ状に配置されている。換言すれば、ベース領域12内の正孔の直上には、任意の位置においてキャリア抜き領域14が存在している。従って、正孔は、ベース領域12内の任意の位置からこのキャリア抜き領域14を通じて、ソース電極側に速やかに排出される。この排出の流れを矢印Cで示す。すなわち、半導体装置1においては、半導体装置100の例で示された矢印Bの正孔の流れが存在しない。従って、半導体装置1においては、正孔が半導体装置100よりも排出され易い構造となり、上述した寄生バイポーラトランジスタの誤動作が抑制される。
また、半導体装置1においては、ベース領域12の上で、ソース領域13とキャリア抜き領域14とが並設しているので、ゲート電極20の片側にのみチャネルが形成される。
ここで、キャリア抜き領域14もn形のソース領域とする半導体装置では、ゲート電極20の両側にチャネルが形成される。この装置のチャネル密度を100%とすると、半導体装置1においては、50%のチャネル密度が確保されている。
半導体装置100では、オン抵抗の低減化と、アバランシェ耐量を向上させるために、ソース領域130とキャリア抜き領域140の面積比が1:2程度に設計される場合がある。このため、ゲート電極20の両側にチャネルが形成されても、キャリア抜き領域140とゲート電極20との間にはチャネルが形成されないため、チャネル密度が30〜40%程度になってしまう。
例えば、図7は、第1の実施の形態の効果を説明する図である。
図7の横軸は、ゲート電極20に挟まれる、メサ部分のベース領域12の上において、(ベース領域12がキャリア抜き領域14に接する面積)/((ベース領域12がキャリア抜き領域14に接する面積)+(ベース領域12がソース領域13に接する面積))である。これを‘R’とする。
右縦軸は、アバランシェ耐量である。左縦軸は、1/(オン抵抗)である。
実線のラインrは、1/(オン抵抗)の変化が示され、破線のラインp、qは、アバランシェ耐量の変化が示されている。
半導体装置100では、‘R’が大きくなるほど、アバランシェ耐量が増加し(図中のラインp)、オン抵抗が高くなる(図中のラインr)。また、セルピッチの微細化を図ると、メサ部分(ベース領域12)が狭くなるために、ベース領域12自体の抵抗が高くなる。このため、正孔が抜け難くなり、アバランシェ耐量はさらに低くなる傾向にある(図中のラインq)。すなわち、半導体装置100では、セルピッチの微細化を図ると、アバランシェ耐量のラインがpラインからqラインに移行する。
従って、MOSトランジスタが形成されたユニットセルのピッチ(以下、セルピッチ)の微細化にともない、アバランシェ耐量を高く維持するためには、‘R’をより大きくする必要がある(図中のA、B点参照)。但し、pラインからqラインに移行すると、ソース領域13の面積が相対的に小さくなり、オン抵抗が増加してしまう。
これは、セルピッチの微細化によるチャネルの高密度化に伴う低オン抵抗化の効果が‘R’増大によって打ち消されてしまうことを意味する。すなわち、チャネルの高密度化のメリットがなくなってしまう。この傾向は、セルピッチを微細化するほど、顕著になる。
これに対し、点Cは、半導体装置1の効果を示している。半導体装置1では、半導体装置1の‘R’が常に50%で設計(確保)されている。このため、世代交代に伴うピッチ微細化を図っても、半導体装置100のように、‘R’を変更する必要がない。すなわち、半導体装置1では、微細化になるほど、チャネルが高密度になり、点Cの位置は、上方に移動する。これにより、オン抵抗が低減する。さらに、半導体装置1は、半導体装置100よりも効率よく正孔を排出することができるので(図6参照)、半導体装置100よりも相対的に高いアバランシェ耐量を得る。従って、半導体装置1では、高いアバランシェ耐量を保持したまま、微細化分の低オン抵抗化を実現することができる。
このように半導体装置1では、半導体装置100でみられるトレードオフが発せず、オン抵抗の低減化がなされ、且つ高いアバランシェ耐量を保持することができる。
また、半導体装置1では、セルピッチ(例えば、ベース領域12のピッチ)の微細化により、ゲート電極20の間隔が狭まるために、ゲート電極20の下端のポテンシャルがより平坦化する。従って、ゲート電極20の下端部付近でのアバランシェ降伏が抑制され、耐圧効率を高め、その分、ドリフト層の高濃度化(低オン抵抗化)を図ることができる。 次に、他の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、必要に応じて説明を省略する。
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態に係る半導体装置の斜視断面図である。
図8に示す半導体装置2では、ソース領域13よりもキャリア抜き領域14のほうがベース領域12側に突き出ている。キャリア抜き領域14の下端は、ソース領域13の下端よりも低く、キャリア抜き領域14の下端が半導体装置1よりもより半導体層10側に近接している。キャリア抜き領域14については、イオン注入、あるいは加熱処理条件を調節して形成する。
半導体装置2によれば、ソース領域13よりもキャリア抜き領域14のほうがベース領域12側に突き出ているので、半導体装置1よりもアバランシェ降伏により発生した正孔を効率よくキャリア抜き領域14からソース電極80に流すことができる。従って、アバランシェ耐量がさらに向上する。また、オン抵抗については、半導体装置1と同じになる。
(第3の実施の形態)
図9は、第3の実施の形態に係る半導体装置の斜視断面図である。
図9に示す半導体装置3では、ソース領域13よりもキャリア抜き領域14のほうがベース領域12側に突き出ている。キャリア抜き領域14の下端は、ソース領域13の下端よりも低く、キャリア抜き領域14の下端が半導体装置1よりもより半導体層10側に近接している。さらに、半導体層10とベース領域12との接合界面は、傾斜している。また、キャリア抜き領域14側のベース領域12よりもソース領域12側のベース領域12のほうが浅い。ベース領域12と半導体層10によるpn接合界面の下端は、ゲート電極20の下端と略同じ深さにある。
半導体装置3によれば、ベース領域12と半導体層10によるpn接合界面での電界は、キャリア抜き領域14側のpn接合界面(先端部分)に集中する。従って、キャリア抜き領域14側のpn接合(pn接合の深い側)で優先的にアバランシェ降伏が起き易くなり、発生した正孔を直上のキャリア抜き領域14からソース電極80に効率よく流すことができる。従って、アバランシェ耐量がさらに向上する。
(第4の実施の形態)
図10は、第4の実施の形態に係る半導体装置の斜視断面図である。
図10に示す半導体装置4では、ソース領域13よりもキャリア抜き領域14のほうがベース領域12側に突き出ている。キャリア抜き領域14の下端は、ソース領域13の下端よりも低く、キャリア抜き領域14の下端が半導体装置1よりもより半導体層10側に近接している。さらに、キャリア抜き領域14側のベース領域12よりもソース領域12側のベース領域12のほうが深く構成され、ベース領域12と半導体層10によるpn接合界面がキャリア抜き領域14の直下に位置している。半導体層10とベース領域12との接合界面は、傾斜し、接合界面は、ソース領域13よりもキャリア抜き領域14に近接している。
半導体装置4では、キャリア抜き領域14のp形不純物濃度は、ベース領域12のp形不純物濃度よりも高いので、キャリア抜き領域14側のpn接合界面は、ソース領域12側のpn接合界面に比べ空乏層が延び難い。従って、キャリア抜き領域14側のpn接合界面における耐性は、ソース領域12側のpn接合界面の耐性よりも低くなる。その結果、キャリア抜き領域14側で優先的にアバランシェ降伏が起き易くなり、発生した正孔を直上のキャリア抜き領域14からソース電極80に効率よく流すことができる。従って、アバランシェ耐量がさらに向上する。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、MOSFET構造をIGBT構造へ適用することも可能である。また、半導体材は、シリコンに限定されず、SiCやGaNといった材料を用いることができる。
また、本実施の形態では、第1導電型をn形とし、第2導電型をp形とした場合について説明したが、第1導電型をp形とし、第2導電型をn型とする構造についても実施の形態に含まれ、同様の効果を得る。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて複合させることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
1、2、3、4、100 半導体装置
10 半導体層
11 半導体層
12、12F ベース領域
13、130 ソース領域
14、140 キャリア抜き領域
20 ゲート電極
21、22 絶縁膜
80 ソース電極
81 ドレイン電極
90 マスクパターン
91 トレンチ

Claims (8)

  1. 第1の主電極と、
    前記第1の主電極の上に設けられた第1導電型の半導体層と、
    前記半導体層の上に形成され、前記半導体層の主面に対して平行な第1の方向にストライプ状に延在する複数の第2導電型のベース領域と、
    前記ベース領域のそれぞれの上に形成された第1導電型のソース領域および第2導電型のキャリア抜き領域と、
    前記ソース領域と前記半導体層との間の通電を制御する制御電極と、
    前記ソース領域および前記キャリア抜き領域に接続された第2の主電極と、
    を備え、
    前記ソース領域および前記キャリア抜き領域は、それぞれ前記第1の方向に延在し、前記ベース領域の上で、前記ソース領域と前記キャリア抜き領域とが並設していることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ソース領域と前記半導体層との間の前記通電の経路は、前記制御電極の片側のみに形成されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記ソース領域よりも前記キャリア抜き領域のほうが前記ベース領域側に突き出ていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記キャリア抜き領域側の前記ベース領域よりも前記ソース領域側の前記ベース領域のほうが浅いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置。
  5. 前記半導体層と前記ベース領域との接合界面と前記キャリア抜き領域との距離は、前記半導体層と前記ベース領域との接合界面と前記ソース領域との距離よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置。
  6. 前記ソース領域が前記ベース領域上で占める面積と、前記キャリア抜き領域が前記ベース領域上で占める面積と、は、略同じであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体装置。
  7. 前記制御電極で挟まれた前記ベース領域の幅は、1ミクロン以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体装置。
  8. 請求項1に記載された半導体装置の製造方法であり、
    前記ソース領域および前記キャリア抜き領域を形成する工程は、
    前記ソース領域の第1導電型の不純物を前記半導体層の主面に対して、10°以上の角度をつけて、前記第1の方向に対して略垂直に前記ベース領域に注入する工程と、
    前記第1導電型の不純物を注入する方向とは反対側から、前記キャリア抜き領域の第2導電型の不純物を前記半導体層の主面に対して、10°以上の角度をつけて、前記第1の方向に対して略垂直に前記ベース領域に注入する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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