JP2011198872A - 座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法及びその識別プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対になった2つの変数をもつ複数のデータからなる被判定データ群のデータが点として表される座標平面に判定領域を設定する。その座標平面の領域を任意の点である領域の分割中心点から放射線状に2つ以上の領域に分割する。分割領域ごとに分割中心点から最大距離にあるデータ点をデータ点分布領域の代表点として選定する。代表点が線で連結されて形成される分布代表点領域と、判定領域とが重なる重複領域の有無を判断する。重複領域があるときは被判定データ群が該当データ群であると判定する。
【選択図】図1
Description
また、各工程でのパターン形成後、ウエハ状態でチップごとに電気的特性試験(ウエハテスト)を行なって良不良の判定を行なっている。
不良分布は大きく分けて、ウエハ上の位置要素に対して均等に分布する場合と、ウエハ上の位置要素に依存して集中分布する場合の2種類に分けられる。ウエハ上の位置に依らず均等に分布する不良はランダム不良、ウエハ上の一部に偏って発生する不良はクラスタリング不良と呼ばれることもある。
集中して分布した不良分布(集中不良分布と称す)の発生原因は、製造工程や製造装置等に起因する場合が多いので、製造工程や製造装置等を調査することにより歩留り低下の原因を究明できることがある。
特許文献1には、不良分布がクラスタ化している様子に従ってウエハをグループ分けし、その様子が既知の不良分布パターンと類似しているかどうかを判定することにより不良原因の特定を行なう方法が記載されている。
また、特許文献2には、欠陥の分布状態に基づいて、繰り返し欠陥、密集欠陥、線状分布欠陥、環あるいは塊状分布欠陥、ランダム欠陥などのカテゴリに欠陥を分類する方法が記載されている。
不良分布が既知の不良分布パターンに適合するかどうかの判断は、ウエハ上(座標平面上)での特定の領域に不良分布があるかどうかで判断される。
ここで、座標平面は、直交座標平面、斜交座標平面、極座標平面など、どのような座標平面であってもよい。
また、座標平面を分割する数は2つ以上であればいくつであってもよい。
また、隣り合う2つの領域の境界上に位置するデータ点は、それらの両方の領域のデータ点として処理してもよいし、いずれか一方の領域のデータ点として処理してもよい。後者の場合、境界上のデータ点をどちらの領域のデータ点として扱うかは、予め定義付けておけばよい。例えば、座標平面の領域を3つ以上の領域に分割する場合、境界上のデータ点は、分割中心点を中心とした時計回り又は反時計回りでより進行方向側にある領域のデータ点として扱われるようにすればよい。
ここで、データ点分布領域の分布範囲を表す情報は、データ点分布領域を構成するデータ点のXY座標のうち、X軸に対する最大値及び最小値、ならびに、Y軸に対する最大値及び最小値によって表されるもの、又は、極座標におけるデータ点分布領域の最大r値、最小r値、最大θ値、及び、最小θ値によって表されるものである。
また、分布代表点領域の分布範囲を表す情報は、分布代表点領域を構成する代表点のXY座標のうち、X軸に対する最大値及び最小値、ならびに、Y軸に対する最大値及び最小値によって表されるもの、又は、極座標における分布代表点領域の最大r値、最小r値、最大θ値、及び、最小θ値によって表されるものである。
この分布代表点領域面積しきい値判断処理は、重複領域の有無を判断する処理の前であってもよいし、後であってもよい。
ここで、被判定データ群のデータ点の分布領域の中心とは、被判定データ群を構成する複数のデータに対して変数ごとに最大値と最小値を足して2で割って求めた値の点を言う。また、被判定データ群のデータ点の分布領域の重心とは、被判定データ群を構成する複数のデータに対して変数ごとに平均値を求めた値の点を言う。
さらに、上記検討領域内に上記成分の大きさが最も大きいデータ点が2つ以上ある場合は、上記分割中心点に最も近いデータ点を上記代表点として追加するようにしてもよい。ただし、上記成分の大きさが最も大きい2つ以上のデータ点の全部を代表点としてもよい。
さらに、領域を分割するのに用いた、上記分割中心点を始点とする上記線が延びる方向に上記成分の大きさが最も大きいデータ点が2つ以上ある場合は、上記分割中心点に最も近いデータ点を上記代表点として追加するようにしてもよい。ただし、上記成分の大きさが最も大きい2つ以上のデータ点の全部を代表点としてもよい。
これにより、データ点分布領域を分布代表点領域に置き換えた状態、すなわち、データ点分布領域を表現するための情報量を小さくした状態で、被判定データ群のデータ点分布領域が特定の判定領域に分布しているかどうかを判断することができる。
さらに、この分布代表点領域面積しきい値判定処理を、重複領域の有無を判断する処理の前に行なうようにすれば、分布代表点領域の面積が小さい、排除されるべき被判定データ群について重複領域の有無判断の処理を行なう必要がなくなる。
図1は、本発明の一実施例を説明するためのフローチャートである。図2は、ウエハ上に設定した判定領域を示す図である。図3は、ウエハ上でのパターン欠陥位置を示す図である。図4は、集中パターン欠陥分布の分布代表点選定ステップを説明するためのフローチャートである。図5は、パターン欠陥グループを拡大して図示し、さらに領域を4分割するための線を図示した図である。図6は、同じ座標平面上に、判定領域と集中パターン欠陥分布代表点領域を重ね合わせて表示した図である。図1から図6を参照してこの実施例を説明する。
例えば、まず、第1のデータ点の分割中心点からの距離の算出し、そのデータ点が属する分割領域を求める。そのデータ点の座標と分割中心点からの距離を代表点候補として記憶する。次のデータ点の分割中心点からの距離の算出し、そのデータ点が属する分割領域を求める。そのデータ点が属する分割領域に既に代表点候補がある場合は、そのデータ点の分割中心点からの距離と、代表点候補の分割中心点からの距離とを比較する。そのデータ点の分割中心点からの距離が代表点候補の分割中心点からの距離よりも大きいときは、そのデータ点の座標と分割中心点からの距離を新たな代表点候補として記憶する。また、そのデータ点の分割中心点からの距離が代表点候補の分割中心点からの距離よりも小さいときは、代表点候補の情報はそのままにしておく。また、そのデータ点の分割中心点からの距離が代表点候補の分割中心点からの距離と等しいときは、そのデータ点の座標と分割中心点からの距離を代表点候補として記憶し、もとの代表点候補の情報もそのまま記憶しておく。そのデータ点が属する分割領域に代表点候補がまだない場合は、そのデータ点座標と分割中心点からの距離を代表点候補として記憶する。その後、すべてのデータ点について上記と同様の処理を繰り返し、各分割領域における代表点候補を求める。すべてのデータ点について処理が終わった後、各分割領域における代表点候補を代表点として記憶する。
ステップS6:同じ座標平面上で、集中パターン欠陥分布9の代表点が線で連結されて形成される集中パターン欠陥分布代表点領域11と判定領域5とが重なる重複領域13の有無が判定される。ここでは、4つの代表点を線が交差しない順番に結線して分布代表点領域11を画定した。例えば、始点となる代表点から時計周り又は反時計周りに順次隣の領域の代表点を通過するように代表点を結線することにより線が交差しない分布代表点領域11を画定できる。図6では、分布代表点領域11を画定する線は直線であるが、例えばVisual BasicのDrawClosedCurve関数等を用いて、代表点を通る滑らかな曲線により分布代表点領域11を画定してもよい。後述する各実施例でも同様である。
しかし、蓄積されたデータに対してこれらの処理を行なう際、毎回同じ基準で処理されるのであれば、データ収集時に集中パターン欠陥分布を構成するデータ点(被判定データ群)に対して代表点選定処理を行ない、代表点情報もウエハ情報(被判定データ群識別情報)に関連付けて蓄積されるデータとしてデータベースに登録しておくほうが合理的である。図7を参照してその実施例を説明する。
ステップS18:データベースに登録されたウエハ情報のうち、該当ウエハ判定を行なうウエハ情報を被判定ウエハ情報として選定する。例えば、ステップS17で設定された判定領域内に位置する集中パターン欠陥分布の代表点をもつ被判定ウエハ情報を選定する。また、ステップS15で、ウエハ情報に関連付けて上記特徴情報を登録している場合には、その特徴情報に基づいて該当ウエハ判定を行なうべき被判定ウエハ情報を選定してもよい。また、ロット番号や品種情報、検査実施日時などの情報を用いて被判定ウエハ情報を選定してもよい。
ステップS20:図1のステップS6の該当ウエハ判定と同様にして、集中パターン欠陥分布代表点領域と判定領域とが重なる重複領域の有無を判定し、重複領域がある場合には、求めるべきパターン欠陥分布を有するパターン欠陥検査結果データをもつウエハ情報と判定する。
ステップS21:ステップS18で選定された被判定ウエハ情報が残っているかどうかを判断する。次の被判定ウエハ情報がある場合(Yes)、ステップS19に戻り、次の被判定ウエハ情報についてステップS19〜S20の処理を行なう。次の被判定ウエハ情報がない場合(No)、処理を終了する。
さらに、集中パターン欠陥分布の代表点情報の情報量は、集中パターン欠陥分布を構成する全欠陥データ点の情報量に比べて小さいので、読込み時間が速くなり、処理時間の短縮を図ることができる。
この分布代表点領域面積の判定処理は、重複領域の有無判定の前に行なってもよいし、後に行なってもよい。なお、この分布代表点領域面積の判定処理を、重複領域の有無判定の前に行なうようにすれば、分布代表点領域の面積が小さい、排除されるべきデータについて重複領域の有無判断の処理を行なう必要がなくなる。
例えば、図8に示すように、判定領域5と分布代表点領域11は重複しているが、判定領域5の面積に対する重複領域13の面積の割合が例えば50%よりも小さい場合は、該当ウエハ情報ではないと判定することにより、求めるべき該当ウエハ情報の判定精度を向上させることができる。
例えば、図8に示すように、判定領域5と分布代表点領域11は重複しているが、分布代表点領域11の面積に対する重複領域13の面積の割合が例えば50%よりも小さい場合は、該当ウエハ情報ではないと判定することにより、求めるべき該当ウエハ情報の判定精度を向上させることができる。
これに対し、判定領域5の配置位置によっては、例えば図9に示すように、判定領域5内にパターン欠陥データ点(黒塗りの丸印)が位置するにもかかわらず、代表点(白抜き丸印)が判定領域5内に位置しないことがある。図9に示した判定領域5と代表点の位置関係の場合、ステップS18で、この代表点情報をもつ被判定ウエハ情報を選定することができない。
図10は、集中パターン欠陥分布の分布範囲の一例を説明するための図である。
集中パターン欠陥分布9の分布範囲を表す情報は、集中パターン欠陥分布を構成する全てのデータ点のXY座標のうち、X軸に対する最大値Xh1及び最小値Xl1、ならびに、Y軸に対する最大値Yh1及び最小値Yl1によって表される。判定領域5の範囲は、X軸に対する最大値Xh0及び最小値Xl0、ならびに、Y軸に対する最大値Yh0及び最小値Yl0によって表される。
この場合、ステップS18で被判定ウエハ情報を絞り込む検索条件は、Xh1>Xl0、Xl1<Xh0、Yh1>Yl0、かつ、Yl1<Yh0、となる。これにより、ステップS18は、図10に示した集中パターン欠陥分布9をもつ被判定ウエハ情報を選定することができる。
ここでは、集中パターン欠陥分布を構成する全てのデータ点を用いて、X軸に対する最大値Xh1及び最小値Xl1、ならびに、Y軸に対する最大値Yh1及び最小値Yl1を求めているが、集中パターン欠陥分布の分布範囲を表す情報として代表点のみを用いてこれらの最大値及び最小値を求めてもよい。
図10では、XY座標を用いているが、極座標を用いて集中パターン欠陥分布9の分布範囲を表してもよい。
極座標を用いる場合、集中パターン欠陥分布9の分布範囲を表す情報は、集中パターン欠陥分布を構成する全てのデータ点のr値及びθ値のうち、最大値rh1及び最小値rl1、ならびに、最大値θh1及び最小値θl1によって表される。判定領域5の範囲は、最大値rh0及び最小値rl0、ならびに、最大値θh0及び最小値θl0によって表される。
この場合、ステップS18で被判定ウエハ情報を絞り込む検索条件は、Rh1>Rl0、Rl1<Rh0、θh1>θl0、かつ、θl1<θh0、となる。これにより、ステップS18は、図11に示した集中パターン欠陥分布9をもつ被判定ウエハ情報を選定することができる。
ここでは、集中パターン欠陥分布を構成する全てのデータ点を用いて、最大値rh1及び最小値rl1、ならびに、最大値θh1及び最小値θl1を求めているが、集中パターン欠陥分布の分布範囲を表す情報として代表点のみを用いてこれらの最大値及び最小値を求めてもよい。
例えば、分布代表点領域11の形状がどれだけ円形に近いかを表す値として、分布代表点領域11の面積を、分布代表点領域11を囲む線長を円周とする円の面積で割った値(以下、円形比率と称す。)を求め、その値をウエハ情報に関連付けてデータベースに登録する。
分布代表点領域11を囲む線長をLとすると、Lを円周とする円の半径rはL/2πである。Lを円周とする円の面積は、πr2=π(L/2π)2=L2/4πである。分布代表点領域11の面積をSとすると、円形比率は、S/(L2/4π)=4πS/L2となる。
円形比率は、1に近づくほど円形になり、0に近づくほど線形になるので、必要に応じて分布識別対象ウエハ選択ステップで対象の限定に活用できる。
図12に示した集中パターン欠陥分布9に対する集中パターン欠陥分布代表点領域11と、図13に示した集中パターン欠陥分布9に対する集中パターン欠陥分布代表点領域11の面積は同じであるが、図12と図13とではパターン欠陥データ点数が異なっており、図12の方が図13に比べてデータ点分布が高密度になっている。分布代表点領域11のデータ点分布密度を予め求めてウエハ情報に関連付けてデータベースに登録しておけば、図13のように集中パターン欠陥分布9のデータ点分布密度が小さい集中パターン欠陥分布9を排除して、図12のように集中パターン欠陥分布9のデータ点分布密度が大きい集中パターン欠陥分布9に限定して被判定ウエハ情報の選定を行ないたいときに活用することができる。
また、パターン欠陥位置を示すデータ点や異物位置を示すデータ点の位置に対応するチップ位置を不良チップとし、不良チップ位置を示すデータを用いて上記実施例と同様の処理を行なうこともできる。ただし、鏡面ウエハ上の異物検査結果データにはチップの概念がないので、ウエハ上に仮想チップを設ける。
例えば、図3に示したウエハ上でのパターン欠陥位置を不良チップに置き換えると、図14に示すようになる。図14で不良チップは符号15で示される。
チップ7及び不良チップ15の中心の点(黒塗り丸印及び白抜き丸印)を用いて代表点(白抜き丸印)を求め、集中不良分布17に対応する集中不良分布代表点領域19を求めると、集中不良分布17を構成する不良チップ15は、集中不良分布代表点領域19に対してはみ出す部分が多くなる。
これが望ましくない場合は、ウエハテスト結果データのチップ7を表す位置情報を、チップ7の4隅を表す位置情報に変換して、集中不良分布17の代表点を求めるようにすればよい。
図17に示すように、不良チップ15の4隅を表す位置情報(黒塗り丸印及び白抜き丸印)を用いて代表点(白抜き丸印)を求め、集中不良分布17に対応する集中不良分布代表点領域19を求めると、図16に比べて、集中不良分布17を構成する不良チップ15は、集中不良分布代表点領域19に対してはみ出す部分が小さくなるのがわかる。
例えば、ノッチ3を下にしてウエハ1の上半分を判定領域としたり、ノッチ3を下にしてウエハ1の右半分を判定領域としたりできる。
また、判定領域は、必ずしも枠状のものでなくてもよい。例えば、X,Y座標平面でX>0,Y>0の領域や、X<2の領域など、枠状ではない領域であってもよい。
判定領域は、判定領域5aのように三角形の領域でもよいし、判定領域5bのように複数の点を滑らかな曲線で連結した領域でもよいし、判定領域5cのように楕円形の領域でもよいし、判定領域5dのようにウエハ1からはみ出した領域でもよい。
図19は、ウエハテスト結果データを座標平面上に示した図である。複数の不良チップ15で構成される集中不良分布17と、集中不良分布17に対応する集中不良分布代表点領域19が図示されている。
図20は、メタル1形成工程の欠陥検査結果データを座標平面上に示した図である。パターン欠陥位置を示すデータ点(黒塗り丸印)と、集中パターン欠陥分布9−1と、集中パターン欠陥分布9−1に対応する集中パターン欠陥分布代表点領域11−1が図示されている。
図21は、メタル2形成工程の欠陥検査結果データを座標平面上に示した図である。パターン欠陥位置を示すデータ点(黒塗り丸印)と、集中パターン欠陥分布9−2と、集中パターン欠陥分布9−2に対応する集中パターン欠陥分布代表点領域11−2が図示されている。
図22は、メタル3形成工程の欠陥検査結果データを座標平面上に示した図である。パターン欠陥位置を示すデータ点(黒塗り丸印)と、集中パターン欠陥分布9−3と、集中パターン欠陥分布9−3に対応する集中パターン欠陥分布代表点領域11−3が図示されている。
ウエハテスト結果にて図19に示すように集中不良分布17がある場合、集中不良分布17に対応する集中不良分布代表点領域19を判定範囲として設定して、各メタル形成工程のパターン欠陥検査結果に対して該当ウエハ判定ステップを行なえばいい。原因となる工程は、メタル2の集中不良分布代表点領域11−2のように、集中不良分布代表点領域19(判定領域)と重なるので、該当ウエハ判定ステップで、集中不良分布17の発生原因となる情報をもつ被判定ウエハ情報を判定できる。
なお、プログラムの機能の1つとして、該当ウエハ情報と判定された複数のウエハ情報の集中不良分布代表点領域又は集中パターン欠陥分布代表点領域を1つの座標平面上に描画して、不要と思われる集中不良分布及び集中パターン欠陥分布を選択し、その分布を有するウエハ情報を該当ウエハ情報から除く機能を備えれば、さらに最適な該当ウエハ情報の分類が可能になる。
図25は、図5に示した集中パターン欠陥分布9を表した座標平面に、領域を8分割するための線を図示した図である。図26は、図25の座標平面に、集中パターン欠陥分布9の集中パターン欠陥分布代表点領域11をさらに図示した図である。
図4、図25及び図26を参照して代表点選定ステップの変形例を説明する。
ステップS5−2で、分割中心点より放射線状に領域を8分割する。ここでは、領域を分割するための線として、分割中心点を通り、X軸に平行な線とY軸に平行な線とその線に斜め45度の線とを用いた(図25参照)。
例えば図27に示すようなデータ点分布の状態である。図27に示すようなデータ点分布23に対して、データ点の分布領域の重心を分割中心点とし、分布領域を放射線状に4分割し、各分割領域において代表点を求め、代表点を結線して分布代表点領域11を画定した状態を図28に示す。
この不具合への対策として、分割領域を画定するための線の角度を狭める、つまり領域の分割数を増やす方法がある。例として、分布領域を放射線状に8分割し、図28よりも分割領域を画定するための線の角度を狭めて代表点を求めた結果を図29に示す。図29中の白抜きの丸印は各分割領域の代表点である。図29では、図28に比べて、分布代表点領域11を上手く画定できている。
隣り合う2つの分割領域を検討領域と定義する。追加すべき代表点の求める際、分割中心点を始点とし各データ点を終点とするベクトルの、検討領域における2つの分割領域が接する線が分割中心点を始点として延びる方向の成分の大きさを指標とする。そして、検討領域内において、上記成分の大きさがいずれの代表点の上記成分の大きさよりも大きいデータ点のうち、上記成分の大きさが最も大きいデータ点を代表点として追加する。仮に、検討領域にこの条件にあうデータ点が2つ以上ある場合は、分割中心点に最も近い座標をもつデータ点を追加する代表点として採用する。
また、検討領域内での代表点のうち上記成分の大きさが最も大きい代表点を比較代表点として用いるようにしてもよい。この場合、検討領域内において比較代表点よりも上記成分の大きさが大きいデータ点のうち上記成分の大きさが最も大きいデータ点を代表点として追加する。
図30において、4つの分割領域をA1〜A4とし、分割領域A1〜A4における代表点をT1〜T4とする。
図33は図32の分割領域A11のデータ点を1点だけ示した図である。図33を用いて三角関数を用いた上記成分の算出方法を説明する。
(上記成分の大きさ)=(分割中心点とデータ点との距離)×cosθ
分割領域A11と分割領域A12からなる検討領域には追加すべき代表点はない。また、分割領域A12と分割領域A13からなる検討領域にも追加すべき代表点はない。分割領域A11と分割領域A13からなる検討領域ではデータ点T11が追加すべき代表点となる。始点となる代表点から時計周り又は反時計周りに、図34に白抜き丸印で示した4つの代表点を結線すると、図35に示す分布代表点領域11が画定される。これにより、より適切な分布代表点領域11を画定できる。
追加すべき代表点の求め方の第2の方法は、次の通りである。
追加すべき代表点の求める際、分割中心点を始点とし各データ点を終点とするベクトルの、領域を分割するのに用いた、分割中心点を始点とする線が延びる方向の成分の大きさを指標とする。この場合、上記検討領域の概念は必要ない。そして、上記成分の大きさがいずれの代表点の上記成分の大きさよりも大きいデータ点のうち、上記成分の大きさが最も大きいデータ点を代表点として追加する。また、分割するのに用いた、分割中心点を始点とする線が延びる方向は複数あるので、その方向ごとに各データ点の上記成分の大きさを指標とし代表点を追加する。仮に、各方向においてこの条件にあうデータ点が2つ以上ある場合は、分割中心点に最も近い座標をもつデータ点を追加する代表点として採用する。
図36に示すように、2つの分割領域ごとに求めた2つの代表点を結線して得られる分布代表点領域11は集中パターン欠陥分布9のデータ点分布状態を表しているが、より適切な分布代表点領域を画定するには追加で代表点を求めることが好ましい。
この実施例では追加すべき代表点の求め方の第2の方法を用いた。具体的には、分割するのに用いた、分割中心点を始点とする線が延びる方向、ここでは図37に示す方向B,Cについて追加で代表点Tb,Tcを求めた。
しかし、図36及び図37のように、領域を分割するための線が座標軸に対して直交又は平行でない場合、上記成分の大きさの算出は各データ点の座標情報や分割中心点の座標情報を用いた加減算だけでは求めることができない。
上記三角関数を用いた上記成分の大きさの算出方法により、方向Bの追加すべき代表点はデータ点Tbとなる。また、方向Cの追加すべき代表点はデータ点Tcとなる。始点となる代表点から時計周り又は反時計周りに、図36に示した2つの代表点と図37に示す代表点Tb,Tcの4つの代表点を結線すると、図37に示す分布代表点領域11が得られる。これにより、より適切な分布代表点領域11を画定できる。
図38のデータ点分布25に対して、図4のステップS5−1,S5−2,S5−3と同様の処理を行なって代表点を求め、得られた代表点を結線して分布代表点領域11を画定した結果を図39に示す。図39では、領域を8分割して分割領域A21〜A28とした。
図39では、分割領域A21,A22にデータ点がないので代表点はない。このように、データ点のない分割領域が設定される場合には分布代表点領域11が必要以上に大きく画定されることがある。
分割領域A21,A22にデータ点がないことに対して、分割中心点を代表点として追加することにより、データ点分布25に対して適切な分布代表点領域11を画定できる。
既に公知の技術である画像データから各種オブジェクトを認識する技術を用いると、駐車車両領域27とロードコーン領域29を知ることができる。駐車車両領域27を表す画素の集合、及びロードコーン領域29を表す画素の集合は、XY座標をもつデータの集合であり、被判定データ群となり得るので、本発明の各ステップを用いることができる。
移動車両31は図42に示す矢印の方向に移動すると想定する。
座標平面上で、移動車両に対応する判定領域31aと、ロードコーン領域29に対応する分布代表点領域29aは重複領域を有さないので、移動車両はロードコーンには接触しないと判断される。
座標平面上で、移動車両に対応する判定領域31aと、駐車車両領域27に対応する分布代表点領域27aは重複領域を有するので、移動車両は駐車車両に接触すると判断される。
一例を説明すると、画面に表示される道路上の様々な物の形に対応する代表点の情報をデータベースに登録しておく。例えば、移動車両から道路を撮像した画像には、図45に示すような、駐車車両領域27やロードコーン領域29、道路標識領域33、道路標識領域35などがある。
ステップS31:画像データの読込みを行なう。
ステップS32:画像データにおける物体領域(被判定データ群のデータ点分布領域)を認識する。例えば、図45において、駐車車両領域27、ロードコーン領域29、第1道路標識領域33及び第2道路標識領域35を認識する。
図48の車両用判定領域27b、図49のロードコーン用判定領域29b、及び図50の第1道路標識用判定領域33bの高さは長さLに設定されている。
ロードコーン分布代表点領域29aの面積に対する、領域27bと29aの重複領域の面積の割合は、例えば95%程度であり、予め設定された第2割合しきい値(80%)以上である。
しかし、車両用判定領域27bの面積に対する、領域27bと29aの重複領域の面積の割合は、例えば25%程度であり、予め設定された第1割合しきい値(80%)よりも小さい。
したがって、ロードコーン領域29を構成するデータ群(被判定データ群)は、車両用判定領域27b(判定領域)に対する該当データではないと判定される。
ロードコーン分布代表点領域29aの面積に対する、領域29aと29bの重複領域の面積の割合は、例えば95%程度であり、予め設定された第2割合しきい値(80%)以上である。
さらに、ロードコーン用判定領域29bの面積に対する、領域29aと29bの重複領域の面積の割合は、例えば90%程度であり、予め設定された第1割合しきい値(80%)以上である。
したがって、ロードコーン領域29を構成するデータ群(被判定データ群)は、ロードコーン用判定領域29b(判定領域)に対する該当データであると判定される。
ロードコーン分布代表点領域29aの面積に対する、領域29aと33bの重複領域の面積の割合は、例えば15%程度であり、予め設定された第2割合しきい値(80%)よりも小さい。
また、第1道路標識用判定領域33bの面積に対する、領域29aと33bの重複領域の面積の割合は、例えば40%程度であり、予め設定された第1割合しきい値(80%)よりも小さい。
したがって、ロードコーン領域29を構成するデータ群(被判定データ群)は、第1道路標識用判定領域33b(判定領域)に対する該当データではないと判定される。
同様に、ロードコーン分布代表点領域29aと第2道路標識用判定領域の重複面積は、図50の場合と同程度になる。したがって、ロードコーン領域29を構成するデータ群(被判定データ群)は、第2道路標識用判定領域(判定領域)に対する該当データではないと判定される。
これにより、図51の場合でも、ロードコーン領域29を構成するデータ群(被判定データ群)はロードコーン用判定領域29b(判定領域)に対する該当データ群であると判定され、ロードコーン領域29はロードコーンを表示するものと特定される。
このように、本発明は画像認識にも適用できる。
図52は、画像に表示された物体領域の代表点情報をデータベース化する処理を説明するためのフローチャートである。
ステップS46:未登録の物体領域があるかどうか判断する。次の物体領域がある場合(Yes)、ステップS43に戻って次の物体領域についてステップS43〜ステップS45の処理を行なう。ステップS46で、次の物体領域がないと判断した場合(No)、処理を終了する。
ステップS51:画像データの読込みを行なう。
ステップS52:画像データにおける物体領域を認識する。
ステップS55:読み込んだ物体名情報ごとの代表点について、物体名情報ごとに代表点を結線して分布代表点領域を画定する。ステップS53で得た判定領域と、分布代表点領域との重複領域の面積を物体名情報ごとに求める。その重複領域の面積が最も大きくなる物体名情報の物体名が判定領域に対応する物体領域の物体名であると特定する。
このように、データベースに登録した代表点情報を物体名の特定に活用することもできる。
例えば、物体領域のX座標の最大値と最小値の真ん中のX座標値と、物体領域のY座標の最大値と最小値の真ん中のY座標値を基準点の座標としてもよい。基準点は、データベース化する際や判定領域を求める際に同じ定義の点であればよい。
また、代表点の数値化について、XY座標を用いたが、極座標を用いて数値化しても構わない。
このように、物体領域の特徴を表す情報を登録しておけば、物体領域の特定を行なう際に、これらの情報を用いて識別対象を限定することができる。
具体的な利用分野としては、2次元バーコードのアライメントマークの検出や、半導体製造工程における寸法測定などの際のアライメントマークの検出などがある。
このように本発明は半導体製造における情報の処理以外でも活用できる。
また、上記実施例ではX,Yの直交座標平面を用いているが、本発明で用いる平面座標は、直交座標平面、斜交座標平面、極座標平面のいずれであってもよい。
T1〜T4,T31a〜T34a,T31b〜T34b 代表点
T5,T6,T11,Tb,Tc 追加の代表点
1 ウエハ
5,5a〜5d 判定領域
9,9−1,9−2,9−3 集中パターン欠陥分布(データ点分布)
11,11−1,11−2,11−3,19 分布代表点領域
13 重複領域
15 不良チップ
17 集中不良分布
23,25 データ点分布
Claims (16)
- 対になった2つの変数をもつ複数のデータからなる被判定データ群に対して、それらのデータが点として表される座標平面の領域を任意の点である領域の分割中心点から放射線状に2つ以上の領域に分割し、分割領域ごとに前記分割中心点から最大距離にあるデータ点をデータ点分布領域の代表点として選定する分布代表点選定ステップと、
前記代表点が線で連結されて形成される分布代表点領域と、前記座標平面に設定された特定の領域である前記判定領域とが重なる重複領域の有無を判断し、前記重複領域があるときは前記被判定データ群が該当データ群であると判定する判定ステップと、を含んだ座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。 - 前記被判定データ群は、半導体装置製造工程におけるパターン欠陥検査結果データ、異物検査結果データ又はウエハテスト結果データである請求項1に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記判定ステップの前に、前記分布代表点選定ステップで得られた前記代表点情報と前記被判定データ群を識別できる情報を関連付けてデータベースに登録する代表点情報登録ステップを含み、
前記判定ステップは、前記データベースから前記被判定データ群識別情報に関連付けられた前記代表点情報を読み込んで前記重複領域の有無を判定する請求項1又は2に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。 - 前記代表点情報登録ステップは、前記データ点分布領域及び前記分布代表点領域の分布範囲、ならびに、前記分布代表点領域の面積、円形比率及びデータ点分布密度のうち少なくとも1つを含む特徴情報を前記被判定データ群識別情報に関連付けて前記データベースに登録し、
前記判定ステップは、前記特徴情報に基づいて判定すべき前記被判定データ群識別情報を絞り込んでから、前記重複領域の有無を判定する請求項3に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。 - 前記判定ステップは、前記分布代表点領域の面積が予め設定された分布代表点領域面積しきい値以上であるかの判定を行ない、前記分布代表点領域の面積が前記分布代表点領域面積しきい値よりも小さい場合は前記被判定データ群を該当データ群ではないと判定する請求項1から4のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記判定ステップは、前記重複領域の面積が予め設定された重複領域面積しきい値以上であるかの判定をさらに行ない、前記重複領域の面積が前記重複領域面積しきい値以上である場合に前記被判定データ群を該当データ群であると判定する請求項1から5のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記判定ステップは、前記判定領域の面積に対する前記重複領域の面積の割合が予め設定された第1割合しきい値以上であるかの判定をさらに行ない、その割合が前記第1割合しきい値以上である場合に前記被判定データ群を該当データ群であると判定する請求項1から6のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記判定ステップは、前記分布代表点領域の面積に対する前記重複領域の面積の割合が予め設定された第2割合しきい値以上であるかの判定をさらに行ない、その割合が前記第2割合しきい値以上である場合に前記被判定データ群を該当データ群であると判定する請求項1から7のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記判定ステップは、前記代表点を前記線が交差しない順番に結線して前記分布代表点領域を画定する請求項1から8のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、前記被判定データ群のデータ点の分布領域の中心又は重心を前記分割中心点として用いる請求項1から9のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、前記分割領域のうちデータ点のない分割領域がある場合に、前記分割中心点を前記代表点として選定する請求項1から10のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、前記代表点を選定した後、隣り合う2つの前記分割領域を検討領域とし、前記検討領域内において、前記分割中心点を始点とし各データ点を終点とするベクトルの、前記検討領域における2つの前記分割領域が接する線が前記分割中心点を始点として延びる方向の成分の大きさがいずれの前記代表点の前記成分の大きさよりも大きいデータ点のうち、前記成分の大きさが最も大きいデータ点を代表点として追加する請求項1から11のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記検討領域内に前記成分の大きさが最も大きいデータ点が2つ以上ある場合は、前記分割中心点に最も近いデータ点を前記代表点として追加する請求項12に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 前記分布代表点選定ステップは、前記代表点を選定した後、領域を分割するのに用いた、前記分割中心点を始点とする線が延びる方向ごとに、前記分割中心点を始点とし各データ点を終点とするベクトルの前記方向の成分の大きさがいずれの前記代表点の前記成分の大きさよりも大きいデータ点のうち、前記成分の大きさが最も大きいデータ点を代表点として追加する請求項1から11のいずれか一項に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 領域を分割するのに用いた、前記分割中心点を始点とする前記線が延びる方向に前記成分の大きさが最も大きいデータ点が2つ以上ある場合は、前記分割中心点に最も近いデータ点を前記代表点として追加する請求項14に記載の座標平面におけるデータ点分布領域の識別方法。
- 請求項1から15のいずれか一項に記載の各ステップをコンピュータに実行させるための、座標平面におけるデータ点分布領域の識別プログラム。
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