JP2011198811A - 光電変換素子及び有機薄膜太陽電池 - Google Patents

光電変換素子及び有機薄膜太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】光エネルギー変換率が良好な子運電変換素子、及びそれを用いた、発電効率の高い有機薄膜太陽電池を提供する。
【解決手段】透明導電性膜12上に、スクアリリウム色素とフラーレン類とを含有する光電変換膜16と、導電性膜18と、をこの順に有する光電変換素子10である。該光電変換素子は、有機薄膜太陽電池の光電変換膜として有用である。
【選択図】図1

Description

本発明は光電変換素子、及び、それを用いた有機薄膜太陽電池に関する。
エネルギー問題を解決するための有力な手段として、各種の太陽電池が開発されており、近年、軽量、低コスト、フレキシブル化が期待できる有機薄膜太陽電池が注目されている。
有機薄膜太陽電池の構成としては、2つの異種電極間に、光電変換素子を配置してなるものが一般的であり、このような有機薄膜太陽電池は、シリコン等を用いてなる無機太陽電池に比べて製造が容易であり、低コストで任意の面積の太陽電池を製造しうるという利点があり、発電効率のよい有機薄膜太陽電池が望まれている。
ここで用いられる光電変換素子の光エネルギー変換効率が太陽電池の発電効率に寄与するため、簡易に製造され、耐久性に優れ、光エネルギー変換効率に優れた光電変換素子が望まれている。
このような有機薄膜太陽電池に用いる有機半導体は、通常は、p型半導体であり、p型半導体としては、良好な特性を有するものが知られているが、有機半導体はn型になりにくく、n型半導体としては、特性十分なものは得られていないのが現状である。また、有機半導体は十分な受光性と深部に至る光透過性が重要であり、これらを満たす光エネルギー変換率の高い材料が求められている。
光エネルギー変換率の高い材料として、例えば、n型半導体に着目し、ITO電極上に、電子ドナーとしてのMgがドープされたフラーレンを含有するn型有機半導体層を備えた有機半導体太陽電池が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、光電変換層として、電子ドナー層と、電子アクセプター層とをサブセル直列接続し、且つ、導電性高分子層を挿入してなる光電変換素子が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。また、フラーレンの効率のよい使用態様として、ビアリールスクアリリウムとフラーレン(C60)とを積層して、平面ヘテロ接合を形成した励起子ブロック層を備える光電変換素子が開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。
これらはいずれも、有機半導体材料の成分や層構成を工夫することで光エネルギー変換率を向上させることを目的としているが、例えば、太陽電池のように高い発電効率を要求される途に使用するには、実用上、十分な変換効率とは言い難く、さらなる光エネルギー変換効率の向上が望まれているのが現状である。
特開2004−335610公報 特開2009−188409公報
’APPLIED PHYSICS LETTERS’ 第94巻, p233304(2009年)
本発明が解決しようとする課題は、光エネルギー変換効率が高く、有機薄膜太陽電池に有用な光電変換素子を提供することにある。また、本発明のさらなる目的は、前記本発明の光電変換素子を用いた、発電効率の高い有機薄膜太陽電池を提供することにある。
上記課題のもと、本発明者が鋭意検討を行った結果、光電変換膜に、スクアリリウム色素とフラーレン類とを混合状態で用いることで、本発明の課題が達成されることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の構成は以下に示すとおりである。
<1> 透明導電性膜上に、スクアリリウム色素及びフラーレン類を混合状態で含有する光電変換膜と、導電性膜と、をこの順に有する光電変換素子。
<2> 前記スクアリリウム色素が、下記一般式(1)で表される化合物である<1>に記載の光電変換素子。
前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数6から30のアリール基、又は、炭素数4から30のヘテロ環基を表す。
<3> 前記一般式(1)中、R及びRがメチン基であり、R及びRは、炭素数4から30のヘテロ環基である<2>に記載の光電変換素子。
<4> 前記透明導電性膜と前記光電変換素膜の間に、ドープされた有機材料層を備える<1>〜<3>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<5> 前記ドープされた有機材料層が、導電性高分子層である<4>に記載の光電変換素子。
<6> 前記光電変換膜と導電性膜との間に、さらに、励起子ブロック層を備える<1>〜<5>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<7> 前記ドープされた有機材料層と光電変換膜との間に、さらに、正孔輸送層を備える<4>から<6>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<8> <1>〜<7>のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えてなる有機薄膜太陽電池。
本発明に係る光電変換膜は、同一層内にスクアリリウム色素とフラーレンとを混合状態で含有することを特徴とする。上述のようにフラーレンはn型半導体材料として知られており、各種色素含有層との積層構造をとることにより、ある程度の光電変換効率向上が達成されることは知られている。しかしながら、積層構造で有効な色素であっても、同一層内に共存させると、却って光電変換効率が低下する場合もある。これは、同一層内に、p型半導体材料である色素とn型半導体材料であるフラーレン類とを共存させることにより、層中に占めるp型半導体材料の割合が低下し、電荷輸送性が低下するためと考えられる。さらにはp型半導体材料のみと接触しているp型半導体材料と、n型半導体材料と接触しているp型半導体材料では、分子間相互作用によってそのエネルギー準位が変化し、いずれかの状態が電荷トラップとなって電荷輸送性が低下するためと考えられる。本発明においては、特定のスクアリリウム色素を選択して、フラーレン類との混合層を正極と負極との間に備えることで、驚くべきことに、両者を積層したヘテロ接合を形成した場合に比較し、より高い光エネルギー変換効率を達成した光電変換素子を得たものである。従って、本発明の光電変換素子は、有機薄膜太陽電池の製造に有用であり、これを用いた有機薄膜太陽電は、発電効率に優れる。
即ち、光エネルギー変換効率は光電変換効率(出力電子数/照射光子数)と出力電圧の積に比例する値であるが、発電効率は光エネルギー変換効率に比例するため、光エネルギー変換効率に優れる本発明の光電変換膜を用いた本発明の有機薄膜太陽電池は、発電効率に優れたものとなる。
本発明によれば、光エネルギー変換効率が高く、有機薄膜太陽電池に有用な光電変換素子を提供することができる。また、本発明によれば、前記本発明の光電変換素子を用いることで、発電効率の高い有機薄膜太陽電池を提供することができる。
本発明の光電変換膜の一態様を示す概略断面図である。 実施例1の有機薄膜太陽電池を示す概略断面図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
<1.光電変換素子>
まず、本発明の光電変換素子をその構造とともに説明する。
本発明の光電変換素子10は、少なくとも、透明導電性膜(正極)12と、光電変換膜16と、負極18とを有し、必要に応じて、その他の層を含んでいてもよい。
図1は、本発明の光電変換素子の一態様を示す概略断面図である。
本実施形態における光電変換素子10は、透明導電性膜12上に、p型半導体層14と、光電変換膜16と、負極18と含んで構成される。
なお、上記構成を有し、本発明の効果を損なわない限り、所望により、n型半導体層や保護層などの公知の層をさらに設けてもよい。
(1−1.透明導電性膜)
本発明に用いうる透明導電性膜の好ましい物性値について述べれば、表面抵抗値は、100Ω/sq以下であることが好ましく、より好ましくは20Ω/sq以下である。また、400nm〜800nmの光波長範囲の平均透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上がより好ましい。
該透明導電性膜は第一電極(正極)12として機能する。
(1−1−1.支持体)
透明導電性膜の形成に用いられる支持体は、表面平滑な基板或いはフィルムであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択しうる。透明導電性膜における基板としてそのまま使用する場合には、透明性(使用する光の透過性)に優れるものが好ましく、プラスチックフィルムやガラスの薄層板などが挙げられる。また、これを仮支持体として透明導電フィルムを形成し、仮支持体を剥離して任意の基板上に透明導電性膜を配置する場合には、仮支持体は特に透明性を必要とせず、プラスチックフィルム、金属箔、紙にプラスチックや金属をラミネートした積層体などを任意に選択して用いることができる。
通常は、支持体を含む透明導電フィルムをそのまま有機薄膜太陽電池などに用いることから、透明性を有する支持体が好ましい。
本発明に係る透明導電性膜の支持体としては、透明性、強度、ハンドリング性が良好で比較的安価なガラス基板、プラスチックフィルム基板を用いることが好ましい。
これらの基板は、所定の強度や耐久性を有すれば、材質、厚み等に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、光、例えば、後述する本発明の有機薄膜太陽電池に用いる際には、400nm〜800nmの波長範囲の光、に対する透過性に優れることが好ましい。
基板に用いうる素材としては、具体的には、例えば、ガラス、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
基板は、耐熱性を有する素材からなることが好ましい。具体的には、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上、及び、線熱膨張係数が40ppm/℃以下の少なくともいずれかの物性を満たす耐熱性を有し、さらに、前記したように露光波長に対し高い透明性を有する素材により成形されることが好ましい。従ってガラスが最も好ましい。
本発明の光電変換素子10において基板は、光に対して透明であることが求められる。より具体的には、400nm〜800nmの波長範囲の光に対する光透過率は、通常80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。光透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光透過率測定装置を用いて全光透過率及び散乱光量を測定し、全光透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
基板の厚みに関して特に制限はないが、典型的には1μm〜800μmであり、好ましくは10μm〜300μmである。
(1−1−2.導電層)
前記支持体に導電層を形成して透明導電性膜が得られる。導電層は公知の方法で形成すればよく、一般的には、酸化インジウムスズ(ITO)蒸着層が用いられるが、導電性ポリマー層を設けてもよい。
また、市販のITO付きガラス基板を透明導電性膜として用いてもよい。
輸送する電荷に関しては、ホール伝導性のものが用いられ、これにより、透明導電層は、有機薄膜太陽電池の正極として使用でされる。具体的には、例えば、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITO、酸化インジウム亜鉛が好ましい。
導電層は、適用しようとする太陽電池の作用スペクトル範囲において透明(即ち、当該波長領域における光透過性が60%以上)であることを要し、通常、可視光から近赤外光の光透過性に優れることを要する。具体的には、膜厚0.2μmのときの波長400nm〜800nm領域における平均光透過率が75%以上であることが好ましく85%以上であることがより好ましい。
導電層としては、ITOなどの金属系材料をスパッタリングなどの気相法で形成することが一般的であるが、導電性ポリマーを用いて導電層を形成してもよい。
(1−1−3.その他の機能性層)
本発明に係る透明導電層は、前記導電層に加え、さらに、目的に応じて機能性層を有してもよい。
表面側(基材の導電層形成面側)に用いる機能性層としては、剥離性の一時保護層が挙げられる。裏面側(基材の導電層を形成しない面側)に用いる機能層の例としては、ガスバリア層、マット剤層、反射防止層、ハードコート層、防曇層、防汚層、易接着層等が挙げられる。このほか、機能性層に関しては特開2006−289627号公報の段落番号〔0036〕〜〔0038〕に詳しく記載されており、ここに記載の機能性層を目的に応じて本発明の透明導電フィルムに設けてもよい。
このようにして本発明に係る透明導電性膜が形成される。透明導電性膜は、導電性と透明性を高いレベルにて両立している。従って、これを備える本発明の光電変換素子は、発電効率に優れた有機薄膜太陽電池に好適に使用される。
<2.光電変換膜>
透明導電性膜12上には、光電変換膜16が設けられる。本発明における光電変換膜16は、スクアリリウム色素とフラーレン類とを混合状態で含有する。この両者が混合状態で含有された層を混合層と称する。
なお、透明導電性膜と光電変換膜との間には、必要に応じて、他の有機材料層を有していてもよい。
(2−1.スクアリリウム色素)
本発明に使用しうるスクアリリウム色素としては、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数6から30のアリール基、又は、炭素数4から30のヘテロ環基を表す。
前記一般式(1)で表されるスクアリリウム色素における−R−Rと、−R−Rとは、互いに同じでも異なっていてもよいが、合成適性上は同一であることが好ましい。
及びRが2価の連結基を表す場合、光エネルギー変換効率の観点からは、共役結合を有するものが好ましく、そのような観点からは、アリーレン基、又は、メチン基が好ましい。
ここで、アリーレン基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、および、フェナジン環からなる群より選択される芳香環やヘテロ芳香環の任意の位置から水素原子を2つ除してなるアリーレン基が挙げられる。
及びRとしては単結合、又は、メチン基が好ましく、メチン基が特に好ましい。
及びRが2価の連結基を表す場合、これらはさらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といっても良い)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環、アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH))、ホスファト基(−OPO(OH))、スルファト基(−OSOH)が挙げられ、特にアルキル基が好ましい。
また、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数6から30、好ましくは炭素数6から20、更に好ましくは炭素数6から14、のアリール基、又は、炭素数4から30、好ましくは炭素数4から20、更に好ましくは炭素数5から14、のヘテロ環基を表す。なお、ここで、ヘテロ環基とは、構造内に少なくとも1つのヘテロ原子、具体的には、O、N、Sなどを有し、且つ、共役二重結合を有する環構造を含む官能基を指す。
アリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、及び、ビフェニル環からなる群より選択される芳香環に由来する1価の基が好ましく、フェニル基、又は、ナフチル基が特に好ましい。
ヘテロ環基としては、好ましくは、ヘテロ原子としてN又はOを含むヘテロアリール基が挙げられる。ヘテロ環基としては、具体的には、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、インドレニン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、ピラン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、およびフェナジン環からなる群より選択されるヘテロ芳香環由来のヘテロアリール基等が挙げられ、より好ましくは、インドレニン環、又は、ピラン環由来のヘテロアリール基が挙げられる。
及びRで表されるアリール基、ヘテロ環基は、さらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といっても良い)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH))、ホスファト基(−OPO(OH))、スルファト基(−OSOH)が挙げられる。
前記一般式(1)で示される化合物のなかでも、好ましい態様としては、前記一般式(1)中、R及びRがメチン基であり、R及びRは、炭素数4から30のヘテロ環基ある態様である。
以下、本発明に好適に用いうるスクアリリウム色素の例〔(S−1)〜(S−16)〕を、骨格と、そこに結合する官能基を示すことで挙げるが、本発明はこれらに制限されない。なお、下記式において、スクアリリウム骨格に結合するRは互いに同一であり、Rにおける「*」マークがスクアリリウム骨格との結合位置を示す。
これらのなかでも、吸収特性、光電変換素子性能の観点からは、(S−3)、(S−6)、(S−7)、(S−8)、(S−9)、(S−10)、(S−11)、(S−12)、(S−14)、又は、(S−16)などが好ましく、さらに好ましくは、(S−3)、(S−6)、(S−8)、(S−11)、(S−12)、(S−14)、又は、(S−16)である。
光電変換膜中に含まれるスクアリリウム色素は1種のみであっても、2種以上を併用してもよい。また、含有量としては、光電変換膜を構成する全固形分中、10質量%〜90質量%であることが好ましく、33質量%〜67質量%であることがさらに好ましい。
(2−2.フラーレン類)
本発明に係る光電変換膜は、フラーレン類を含有する。フラーレン類としては、公知のものを任意に選択指定使用することができ、例えば、C60、C70、C74,C76,C78などが挙げられ、コストの観点から、C60、又は、C70が好ましく、C60がさらに好ましい。
また、以下に示すフラーレン誘導体などを使用してもよい。
光電変換膜中に含まれるフラーレン類は1種のみであっても、2種以上を併用してもよい。また、含有量としては、光電変換膜を構成する全固形分中、10質量%〜90質量%であることが好ましく、33質量%〜67質量%であることがさらに好ましい。
また、スクアリリウム色素とフラーレン類との含有比率〔S:F〕は、質量基準で、1:9〜9:1であることが好ましく、1:2〜2:1であることがより好ましい。
光電変換膜の製膜方法としては、真空蒸着法(共蒸着)や溶媒塗布法を挙げることができる。溶媒に溶けにくい材料を塗布法により形成する場合にはその材料について溶媒可溶化処理を行ってもよい。
光電変換膜の膜厚は、目的に応じて適宜選択されるが、後述する太陽電池に用いる場合には、1nm〜100nmの範囲が好ましく、より好ましくは、3nm〜30nmの範囲である。
光電変換膜には、前記スクアリリウム色素及びフラーレン類以外に、本発明の効果を損なわない範囲で種々の添加剤を併用してもよい。
例えば、製膜を塗布法で行う場合、塗布溶媒を用いてもよく、塗布溶媒としては、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびこれらの混合溶媒などが挙げられる。
<有機薄膜太陽電池>
次に、本発明の有機薄膜太陽電池20について説明する。
本発明の有機薄膜太陽電池20は、前記本発明の光電変換膜16を含む光電変換素子10を備える。最も単純な構成、即ち、透明導電性膜を第一電極12とし、その上に少なくとも光電変換膜16、第二電極(負極)18を積層して構成される光電変換素子10はそのまま有機薄膜太陽電池20となりうる。
本発明の有機薄膜太陽電池20においては、透明導電性膜からなる電極は正極12となり、第二電極は負極18である。
最も単純な有機薄膜太陽電池は、(正極/本発明に係る光電変換膜/負極)の構成をとり、光電変換膜は、既述とのように、スクアリリウム色素とフラーレン類との混合層である。この層はバルクヘテロ層とも呼ばれる。別の構成としては、(正極/正孔輸送層/本発明に係る光電変換膜/電子輸送層/負極)がある。
正極と正孔輸送層との間、又は、負極と電子輸送層との間に、電荷ブロック層や電荷注入層、励起子ブロック層等の補助層を有していてもよい。各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
また、本発明の有機薄膜太陽電池は正孔輸送層と電子輸送層の組を複数組有する、いわゆるタンデム型構成を採ってもよい。タンデム型素子は通常直列接続型であって、開放電圧が高く変換効率が高いため特に好ましい。その際、中間層として再結合層が配される。すなわちタンデム型素子の典型として、正極/本発明に係る光電変換膜/再結合層/本発明に係る光電変換膜/負極、の構成が例示される。また、並列接続のタンデム素子も可能である。
本発明では、必要に応じて、その他の層を設けてもよい。なお、本発明において本発明に係る光電変換膜、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層や電荷注入層、励起子ブロック層など、有機化合物を用いる層の総称として、「有機層」の言葉を用いる。
各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に形成することができる。
<正極>
本発明に係る透明導電層がホール輸送性の導電性ポリマーを用いる場合は、これが有機薄膜太陽電池の正極となる。正極の一部として酸化モリブデンを用いてもよい。この場合、本発明の導電フィルム上に酸化モリブデンを蒸着すればよい。
また、金属系材料を用いる場合には、ITO、SnO、ZnO等を用い、極薄層に形成することで透明電極が形成される。
透明電極の膜厚は20nm〜400nmが好ましく、50nm〜200nmが特に好ましい。
<負極>
負極は、通常、電子輸送層から電子を受け取る機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、太陽電池素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。負極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてはアルカリ金属(たとえば、Li,Na,K,Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg,Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を併用することができる。
これらの中でも、銀、マグネシウム−銀合金、若しくはアルミニウムを主体とする材料を含むことが好ましい。アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
負極の形成方法については、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、前記した負極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、負極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。負極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等を行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
本発明において、負極形成位置は特に制限はなく、有機層上の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。また、負極と有機層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。負極の厚みは、負極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜500nmが好ましい。
また、負極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な負極は、負極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜して、さらにITO、SnO、IZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
本発明の有機薄膜太陽電池には、前記本発明の光電変換素子以外の層を有していてもよいのは先に述べたとおりであるが、以下、これら任意の層について説明する。
<ドープされた有機材料層>
ドープされた有機材料層の形成に用いうる具体的な材料の例としては、例えば、後述する正孔輸送材料およびポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、ポリキノキサリン、ポリベンゾチアジアゾール等や、これら導電骨格を複数有するポリマー等が挙げられる。
前記有機材料に対するドーパントとしては、F3TCNQのような電子欠乏性材料でもよいが、高分子酸が好適に用いられる。
これらのなかで有機材料としては、ポリチオフェンが好ましく、ドープされたポリチオフェンの例としては、ポリスチレンスルホン酸でドープしたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT−PSS)、パーフルオロスルホン酸高分子(デュポン社製、ナフィオンとして市販品としても入手可能)でドープされたポリエチレンジオキシチオフェンが挙げられる。
これらの材料は多くの場合、水系溶液もしくは水系分散物であるため、導電層の形成には、通常の水系塗布法が用いられる。導電性ポリマー塗布液には、塗布助剤として、各種の溶剤(アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール)、アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、界面活性剤、増粘剤等を添加してもよい。
ドープされた有機材料層の形成に際して、導電性の有機材料層を導電性ポリマーで作製する場合の膜厚としては、5nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、10nm〜50nmであることがより好ましい。
<正孔輸送層>
正孔輸送層は、正極又は正極側へ正孔を受け取り輸送する機能を有する層である。正孔輸送層は、単層であっても複数層の積層であってもよい。正孔輸送層の少なくとも一層は光を吸収して電子と正孔を発生する電荷発生能を有していることが好ましい。正孔輸送層は1種又は2種以上の正孔輸送材料からなる。正孔輸送材料は、具体的には、カルバゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、等を含有する層である。
正孔輸送材料としてはChem.Rev.2007,107,953−1010にHole Transport materialとして記載されている化合物群が挙げられ、具体例としては下記が挙げられる。
電荷発生能を有する正孔輸送層の材料としては、ポルフィリン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体が挙げられ、これらの例としてはChem.Rev.1993,93,449−406に記載のものが挙げられる。
正孔輸送層を形成法としては、溶剤塗布法、真空蒸着法が挙げられる。溶剤塗布法としては、例えば、スピンコート、スプレーコート、バーコート、ダイコート等を挙げることができる。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、2nm〜200nmであるのがより好ましく、5nm〜100nmであるのがさらに好ましい。正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
<電子輸送層>
電子輸送層は、負極又は負極側へ電子を輸送する機能を有する層である。電子輸送層は、単層であっても複数層の積層であってもよい。電子輸送層の少なくとも一層は光を吸収して電荷を発生する電荷発生能を有していることが好ましい。電子輸送層は1種又は2種以上の電子輸送材料からなる。電子輸送材料は、具体的には、フラーレン誘導体、パラフェニレンビニレン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物及びこれらから誘導されるイミド類やヘテロ環類、8−キノリノール誘導体の金属錯体、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体等である。電荷発生能を有する電子輸送層の材料としては、フラーレン類、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ペリレンテトラカルボン酸無水物から誘導されるイミド類やヘテロ環類、が挙げられる。それらの例としてはChem.Rev.2007,107, 953−1010にElectron Transport Materialsとして記載されているものが挙げられ、具体例としては下記が挙げられる。
さらにフェナントロリン誘導体の具体例については特表2008−522413号公報に記載され、これら化合物を本発明にも用いることができる。
電子輸送層の形成法としては、溶剤塗布法、真空蒸着法が挙げられる。溶剤塗布法の具体例については既に述べた通りである。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、2nm〜200nmであるのがより好ましく、5nm〜100nmであるのがさらに好ましい。電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
<励起子ブロック層>
光電変換膜と負極あるいは正極との間には励起子ブロック層を有してもよい。励起子ブロック層には、光電変換膜に用いる材料よりも、最高被占軌道(HOMO)と最低空軌道(LUMO)のエネルギーレベル差が大きい化合物(例えばバソクプロイン等)が用いられ、上述の正孔輸送層用の材料、電子輸送層用の材料から適宜選択できる。励起子ブロック層は正孔輸送層または電子輸送層と兼ねることができる。励起子ブロック層の位置は光電変換層と負極の間が良い。励起子ブロック層の膜厚は1nm〜30nmであり、好ましくは3nm〜15nmである。
<再結合層>
タンデム型の素子では、複数の個々の光電変換膜を直列に接続するために、再結合層が設けられる。再結合層の材料としては、導電材料の超薄層が用いられる。好ましい金属としては、金、銀、アルミニウム、白金、酸化ルテニウム等が挙げられる。これらのうち、銀が好ましい。再結合層の膜厚は0.01nm〜5nmであり、0.1nm〜1nmが好ましく、0.2nm〜0.6nmが特に好ましい。再結合層の形成方法については特に制限はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等で形成することができる。
<アニール>
本発明の有機薄膜太陽電池は、有機層の結晶化や有機混合層の相分離促進を目的として、種々の方法でアニールしてもよい。アニールの方法としては、蒸着中の基板温度を50℃〜150℃に加熱する方法や、塗布後の乾燥温度を50℃〜150℃とする方法などがある。また、第二電極の形成が終了したのちに50℃〜150℃に加熱してアニールしてもよい。
<保護層>
本発明の有機薄膜太陽電池は、保護層によって保護されていてもよい。保護層に含まれる材料としては、MgO,SiO,SiO,Al,Y,TiO等の金属酸化物、SiN等の金属窒化物、SiN等の金属窒化酸化物、MgF,LiF,AlF,CaF等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリパラキシリレン等のポリマー等が挙げられる。これらのうち、金属の酸化物、窒化物、窒化酸化物が好ましく、珪素、アルミニウムの酸化物、窒化物、窒化酸化物が特に好ましい。保護層は単層でも多層構成であってもよい。
保護層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、真空紫外CVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。本発明においては、保護層が導電性層として使用されてもよい。
<ガスバリア層>
本発明の有機太陽電池はガスバリア層を有してもよい。ガスバリア層は、ガスバリア性を有する層であれば、特に制限はない。通常、ガスバリア層は無機物の層である。無機物としては、典型的には、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、亜鉛、スズの酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、水素化物等が挙げられる。これらは純物質でもよいし、複数組成からなる混合物や傾斜材料層でもよい。これらのうち、アルミニウムの酸化物、窒化物若しくは酸窒化物、又は珪素の酸化物、窒化物若しくは酸窒化物が好ましい。
無機層は単層でも、複数層の積層でもよい。有機層と無機層の積層でもよく、複数の無機層と複数の有機層の交互積層でもよい。有機層は平滑性の層であれば特に制限はないが、(メタ)アクリレートの重合物からなる層などが好ましく例示される
無機層の厚みに関しては特に限定されないが、1層に付き、通常、5〜500nmの範囲内であり、好ましくは10〜200nmである。無機層は複数のサブレイヤーから成る積層構造であってもよい。この場合、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。また、上述したとおり、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように有機ポリマー層との界面が明確で無く、組成が膜厚方向で連続的に変化する層であってもよい。
本発明の有機薄層太陽電池の厚さは、50μm〜1mmであることが好ましく、100μm〜500μmであることがより好ましい。
本発明の有機薄層太陽電池を用いて太陽電池モジュールを作製する場合、濱川圭弘著、太陽光発電、最新の技術とシステム(出版:株式会社 シーエムシー)等の記載を参酌することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
<透明導電フィルムの作製>
(1.透明電極の作製)
パターニングした表面抵抗値10Ω/sqのITO(膜厚100nm)付きガラス基板上に市販の、ポリスチレンスルホン酸でドープしたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT−PSS)溶液(H.C.シュタルク社製、クレビオスP)をスピンコートにより塗布し、窒素雰囲気下、100℃で20分加熱し、膜厚20nmのドープされた有機材料層と透明電極を有する基板(透明導電性膜)12を得た。
(2.各種機能層の形成)
この透明導電性膜12の表面に対して、真空加熱蒸着法にて、スクアリリウム色素(化合物1:下記構造)化合物を含有するp型半導体層14(膜厚:5nm)、スクアリリウム色素(化合物1)とフラーレンC60(フロンティアカーボン社製:ナノムパープル)を膜厚換算で1:1として用いた光電変換膜16(膜厚:10nm)、バソクプロインを用いた励起子ブロック層17(膜厚:6nm)をこの順で形成した。
(3.負極の形成)
その後、フッ化リチウム(膜厚0.5nm)、アルミニウム(膜厚100nm)を蒸着して負極18を形成し有機薄膜太陽電池20を形成した。
(4.封止)
得られた有機薄膜太陽電池に対し、窒素ガス雰囲気下でガラスキャップを用いて封止を行った。作製した太陽電池素子の有効領域は2mm角、有効面積は4mmである。
<有機薄膜太陽電池の評価>
得られた太陽電池に対し、ペクセルテクノロジーズ社L12型ソーラシミュレーターを用いて、AM1.5、100mW/cmの模擬太陽光を照射しながら、ソースメジャーユニット(SMU2400型、KEITHLEY社製)を用いて電圧範囲−0.1Vから1.0Vにて、電流値を測定した。得られた電流電圧特性をペクセルテクノロジーズ社I−Vカーブアナライザーを用いて評価し、特性パラメーターを算出した。結果を下記表1に示す。
〔実施例2〜4〕
前記スクアリリウム色素を下記化合物2、化合物3、化合物4にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2,実施例3、実施例4の有機薄膜太陽電池を作製し、同様に評価した。結果を表1に併記した。
〔実施例5〕
実施例2におけるC60をC70(フロンティアカーボン社製:ナノムオレンジ)に変えた他は同様にして実施例5の有機薄膜太陽電池を作製し、同様に評価した。結果を表1に併記した。
〔実施例6〕
実施例2におけるスクアリリウム色素とフラーレンC60の膜厚換算比率を2:1として用い、光電変換膜の膜厚を15nmとした他は同様にして実施例6の有機薄膜太陽電池を作製し、同様に評価した。結果を表1に併記した。
〔比較例1〕
実施例1に用いたのと同様の透明電極表面に、本発明に係る光電変換膜を形成せず、真空加熱蒸着法にて、スクアリリウム色素(化合物1)を含有するp型半導体層(膜厚:10nm)、フラーレンC60(フロンティアカーボン社製:ナノムパープル)を用いて(膜厚:20nm)製膜し、バソクプロインを用いたn型半導体層(膜厚:6nm)をこの順で形成した以外は、実施例1と同様にして比較例1の有機薄膜太陽電池得た。これも実施例1と同様に評価した。結果を下記表1に示す。
スクアリリウム色素とフラーレン類とを含む光電変換膜を有する実施例1〜6の有機薄膜太陽電池は、フラーレン類単独の層を有する比較例1に対し、発電効率が良好であることが分かる。

Claims (8)

  1. 透明導電性膜上に、スクアリリウム色素及びフラーレン類を混合状態で含有する光電変換膜と、導電性膜と、をこの順に有する光電変換素子。
  2. 前記スクアリリウム色素が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載の光電変換素子。

    前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数6から30のアリール基、又は、炭素数4から30のヘテロ環基を表す。
  3. 前記一般式(1)中、R及びRがメチン基であり、R及びRは、炭素数4から30のヘテロ環基である請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 前記透明導電性膜と前記光電変換膜の間に、ドープされた有機材料層を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記ドープされた有機材料層が、導電性高分子層である請求項4に記載の光電変換素子。
  6. 前記光電変換膜と導電性膜との間に、さらに、励起子ブロック層を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 前記ドープされた有機材料層と光電変換膜との間に、さらに、正孔輸送層を備える請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えてなる有機薄膜太陽電池。
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