JP2016500919A - スクアラインドナー添加剤を用いた高分子光起電技術 - Google Patents

スクアラインドナー添加剤を用いた高分子光起電技術 Download PDF

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Abstract

本明細書では、重畳関係にある2つの電極、および2つの電極の間に配置された光活性領域を含み、光活性領域は、ドナー混合物および有機アクセプタ材料を含み、ドナー混合物は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、および少なくとも1つのスクアラインドナーを含む、有機光電性光電子デバイスが開示されている。また、有機光電性光電子デバイスの製造方法も開示されている。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年10月11日に出願された米国仮出願第61/712,783号、2012年10月22日に出願された米国仮出願第61/717,073号、および2013年2月18日に出願された米国仮出願第61/766,098号の利益を主張し、その全体が参照によってそのまま本明細書に組み込まれる。
連邦政府支援の研究に関する声明
本発明は、Air Force Office of Scientific Research(空軍科学研究局)から授受した契約第FA9550‐10‐1‐0339号の下で、米国政府による支援を受けて為されたものである。連邦政府は本発明において一定の権利を有する。
共同研究契約
本開示の対象は、大学‐企業間の共同研究契約に対する、下記の当事者:ミシガン大学及びグローバルフォトニックエネルギー株式会社(Global Photonic Energy Corporation)の1つ以上によって、当事者を代表して、および/または当事者との連携によってなされたものである。契約は、本開示の対象が作成され、そして契約の範囲内で実施された活動結果としてなされた日およびその前から有効であった。
本開示は、電気的に活性で、光学的に活性な、太陽光を利用する、半導体デバイスに広く関連し、特に、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料および少なくとも1つのスクアラインドナーを含むドナー混合物を有する有機光電性光電子デバイスに関連する。本明細書では、また、有機光電性光電子デバイスの製造方法も開示される。
光電子デバイスは、材料の光学的および電子的特性に依存し、電子的に電磁波を生成もしくは検出する、または周囲の電磁波から電気を生成する。
光電性光電子デバイスは、電磁波を電気に変換する。光起電性(PV)デバイスとも称される太陽電池は、特に電力を生み出すのに使用される光電性光電子デバイスの一種である。太陽光以外の光源から電気的エネルギーを生成し得るPVデバイスは、例えば明かり、熱を提供するために、電力を消費する負荷を駆動するのに使用することができ、あるいは、例えば計算機、ラジオ、コンピュータ、または遠隔監視もしくは通信機器のような、電子回路またはデバイスに電力を供給するのに使用することができる。これらの電力生成の用途はまた、バッテリーまたは他のエネルギー貯蔵デバイスを充電することをしばしば含んでおり、そのため、太陽または他の光源からの直接の照射が得られない場合に継続した稼働が可能になり、あるいは、PVデバイスの出力と特定の用途の要求とのバランスを取り得る。「抵抗負荷」なる用語は、本明細書で使用するとき、電力を消費するもしくは貯蔵する任意の回路、デバイス、機器、またはシステムを指す。
別のタイプの光電性光電子デバイスは、光導電セルである。この機能においては、信号検出回路が、デバイスの抵抗をモニタし、光の吸収に起因する変化を検出する。
他のタイプの光電性光電子デバイスは、光検出器である。動作時、光検出器は、光検出器が電磁波にさらされたとき生じる電流を測定し、印加バイアス電圧を備え得る電流検出回路とともに使用される。本明細書で記載される検出回路は、バイアス電圧を光検出器に供給し、電磁波に対する光検出器の電子的応答を測定することができる。
これら3種類の光電性光電子デバイスは、下で定義される整流接合が存在するかどうかによって特徴づけられてもよく、また、バイアスまたはバイアス電圧としても知られている外部印加電圧によってデバイスが動作するかどうかによって特徴づけられてもよい。光導電セルは、整流接合を有しておらず、通常、バイアスによって動作する。PVデバイスは、少なくとも1つの整流接合を有し、バイアスなしで動作する。光検出器は、少なくとも1つの整流接合を有し、常にではないが通常はバイアスによって動作する。一般的に、光電池は、回路、デバイス、または機器に電力を供給するが、検出回路を制御するための信号もしくは電流は供給せず、または検出回路からの情報を出力しない。その一方、光検出器または光導電体は、検出回路を制御するための信号もしくは電流を供給し、または検出回路からの情報を出力するが、回路、デバイス、または機器に電力を供給しない。
従来、光電性光電子デバイスは、多くの無機半導体、例えば、結晶、多結晶およびアモルファスシリコン、ガリウムヒ素、テルル化カドミウム等によって構成されてきた。本明細書で、「半導体」なる用語は、電荷キャリアが熱的または電磁的な励起によって誘起されたときに電気を伝導し得る材料を意味する。「光導電性」なる用語は、電磁放射エネルギーが吸収されて電荷キャリアの励起エネルギーに変換され、その結果、キャリアが、材料中の電荷を、伝導できる、すなわち輸送できるというプロセスに一般的に関連する。「光導電体」および「光導電性材料」なる用語は、本明細書で使用され、電磁波を吸収して電荷キャリアを生成するという特性によって選出される半導体材料を指す。
PVデバイスは、入射する太陽エネルギーを有用な電力へと変換できる効率によって特徴づけられてもよい。結晶またはアモルファスシリコンを利用するデバイスは、商業的用途を支配しており、23%以上の効率を達成しているものもある。しかしながら、高効率な結晶性デバイス、特に、大きい表面積を有するものは、著しい効率低下を生じさせる欠陥なしに大きな結晶を製造することについてまわる問題に起因して、生産することが困難で高価である。一方、高効率なアモルファスシリコンデバイスは、依然として安定性の問題に悩まされている。現在の商業的に入手できるアモルファスシリコン電池は、4〜8%の安定した効率を有する。より最近の取り組みは、経済的な製造コストで許容範囲内の光電変換効率を実現する有機光電池の使用に向けられている。
PVデバイスは、標準照射条件(すなわち、1000W/m、AM1.5スペクトル照射の標準試験条件)下での最大の電力生成のため、すなわち光電流と光電圧との積の最大値のため、最適化され得る。標準照射条件下でのこのような電池の電力変換効率は、次の3つのパラメータ:(1)ゼロバイアスの下での電流、すなわちアンペアの数値軸における短絡電流ISC、(2)開回路状態の下での光電圧、すなわちボルトの数値軸における開回路電圧VOC、および(3)曲線因子、FFに依存する。
PVデバイスは、負荷に接続され、光が照射されたとき、光発生電流を生じさせる。無限の負荷の下で照射されたとき、PVデバイスは、最大限可能な電圧、V開回路、またはVOCを生じさせる。電気的接点が短絡された状態で照射されたとき、PVデバイスは、最大限可能な電流、I短絡回路、またはISCを生じさせる。PVデバイスは、実際に使用されて電力を生み出すとき、有限の抵抗負荷に接続され、電流と電圧との積、I×Vによって、出力が与えられる。PVデバイスによって生み出される最大総出力は、本質的に、ISC×VOCの積を超えることができない。負荷の値が、最大の出力を取り出すために最適化されるとき、電流および電圧は、ImaxおよびVmaxの値をそれぞれ有する。
PVデバイスの性能指数は、曲線因子、FFであり、次のように定義される。
ここで、ISCおよびVOCは、実際の使用では同時に得られないため、FFは常に1未満である。とはいえ、FFが1に近づくにつれ、デバイスは、より小さい直列または内部抵抗を有し、従って、最適な条件の下で、ISCとVOCとの積のより大きな割合が負荷にもたらされる。Pincをデバイスへ入射する電力とすると、デバイスの電力効率、ηは、次の式によって計算され得る。
半導体の大部分の体積を占める内部生成電場を生じさせる、通常の方法は、特に分子量子エネルギー状態の分布に関し、適切に選択された導電性を備える材料(ドナーおよびアクセプタ)の2つの層を並べて配置することである。これら2つの材料の界面は、光起電性接合と称される。従来の半導体理論では、PV接合を形成するための材料は、一般的にnまたはp型のいずれかとして示されてきた。ここで、n型は、大多数のキャリアの種類が電子であることを示す。これは、比較的自由なエネルギー状態に多くの電子を有する材料としてみなすことができた。p型は、大多数のキャリアの種類が正孔であることを示す。このような材料は、比較的自由なエネルギー状態に、多くの正孔を有する。バックグラウンドの型、すなわち、光発生でない、大多数のキャリアの濃度は、主として、欠陥または不純物による意図しないドーピングに依存している。不純物の型および濃度は、HOMO‐LUMOギャップとしても知られている、伝導帯の最低エネルギーと価電子帯の最高エネルギーとの間のギャップ内にある、フェルミエネルギーまたはフェルミ準位の値を決定する。フェルミエネルギーは、占有確率が1/2と等しくなるエネルギーの値によって示される分子量子エネルギー状態の統計的な占有を特徴づける。伝導帯の最低(LUMO)エネルギーに近いフェルミエネルギーは、電子が主たるキャリアであることを示す。価電子帯の最高(HOMO)エネルギーに近いフェルミエネルギーは、正孔が主たるキャリアであることを示す。従って、フェルミエネルギーは、従来の半導体を第一に特徴づける特性であり、典型的PV接合は、従来、p−n界面であった。
「整流」なる用語は、とりわけ、界面が非対称の伝導特性を有する、すなわち、界面が好ましくは一方向における電荷の輸送を支持することを指す。整流は、通常、適切に選択された材料間の接合で生じるビルトイン電場に関連する。
本明細書で使用するとき、また、当業者によって通常理解されるように、第1の「最高被占分子軌道」(HOMO)または「最低空分子軌道」(LUMO)のエネルギー準位は、第1のエネルギー準位が真空エネルギー準位に近ければ、第2のHOMOまたはLUMOのエネルギー準位よりも「大きい」または「高い」。イオン化ポテンシャル(IP)は、真空準位に対し負のエネルギーとして測定されるため、より高いHOMOエネルギー準位は、より小さい絶対値を有するIP(より小さい負のIP)に相当する。同様に、より高いLUMOエネルギー準位は、より小さい絶対値を有する電子親和力(EA)(より小さい負のEA)に相当する。真空準位が上にある標準的なエネルギー準位図では、材料のLUMOエネルギー準位は、同じ材料のHOMOエネルギー準位よりも高い。「より高い」HOMOまたはLUMOエネルギー準位は、「より低い」HOMOまたはLUMOエネルギー準位よりも、上述の図の上部により近く表れる。
有機半導体における重要な特性はキャリア移動度である。移動度は、電荷キャリアが電場に応じて導電性材料を進むことができる容易さを評価する。有機光電性デバイスにおいては、高い電子移動度に起因して電子によって優先的に伝導する材料を含む層を、電子輸送層、またはETLと称することができる。高い正孔移動度に起因して正孔によって優先的に伝導する材料を含む層を、正孔輸送層、またはHTLと称することができる。一部の例では、アクセプタ材料がETLで、ドナー材料がHTLであってもよい。
従来の無機半導体PV電池は、内部電場を設けるためにp−n接合を採用してもよい。しかしながら、現在では、p−n型接合を設けることに加え、ヘテロ接合のエネルギー準位のオフセットもまた重要な役割を果たし得ることが認識されている。
有機ドナー‐アクセプタ(D−A)ヘテロ接合でのエネルギー準位のオフセットは、有機材料における光生成プロセスの基本的な性質ゆえに、有機PVデバイスの動作にとって重要であると考えられている。有機材料の光学励起においては、局在フレンケルまたは電荷輸送励起子が生成される。電気的検出または電流生成が生じるために、束縛励起子は、構成要素である電子および正孔に解離されなければならない。このようなプロセスは、ビルトイン電場によって引き起こすことができるが、有機デバイスで通常観察されるその電場(F〜10V/cm)での効率は低い。有機材料における最も効率的な励起子の解離は、D−A界面で生じる。このような界面において、低いイオン化ポテンシャルを有するドナー材料が、高い電子親和力を有するアクセプタ材料とヘテロ接合を形成する。ドナーおよびアクセプタ材料のエネルギー準位の並びによっては、励起子の解離は、そのような界面においてエネルギー的に好ましいものとなることができ、アクセプタ材料に自由電子ポーラロンを生じさせ、ドナー材料に自由正孔ポーラロンを生じさせる。
キャリア生成は、励起子の生成、拡散、およびイオン化もしくは収集を要する。これらのプロセスの各々と関係する効率ηが存在する。下付き文字は次のように用いられる。Pは電力効率、EXTは外部量子効率、Aは光子吸収、EDは拡散、CCは収集、およびINTは内部量子効率である。これらの表記を用いると、
励起子の拡散長(L)は、一般的に光吸収長(〜500Å)よりもずっと短く(L〜50Å)、多数のもしくは高度に組み合わされた界面を有する厚いそれ故に抵抗性の電池、または光吸収効率の低い薄い電池を使用することの間のトレードオフが求められる。
有機PV電池は、従来のシリコンベースのデバイスと比較したとき、多くの潜在的な利点を有する。有機PV電池は、軽量で、材料の使用において経済的で、柔軟なプラスチック箔のような低価格な基板に堆積できる。いくつかの最良な有機PVの報告されている効率は、約10%である。しかしながら、商業化のためには、新しい材料およびデバイスの設計に取り組むことを通じて、デバイス効率がさらに改善されなければならない。
有機PVの電力変換効率(PCE)を高めるための1つの効果的な手段は、デバイスの感度を近赤外(NIR)スペクトル領域へ広げることである。このことは、長波長に強い吸収を有するドナーおよび/またはアクセプタ材料を採用する、または、2つ以上の積層されたサブ電池を有し、その各々が異なるスペクトル領域の中央に位置する光吸収を有するタンデム構造を用いることによって、達成できる。有機PVデバイスにおいて有用な多くの高分子が開発されてきたが、顕著なNIR吸収を有する分子の設計および合成は、困難で、かつ時間がかかる可能性がある。さらに、タンデムの設計および製造は、最適化しなければならない多数の層およびパラメータに起因して、複雑化し得る。実際、1つの層を堆積するのに使用される溶剤が先に堆積されたサブ電池を溶解するかもしれない溶解処理を利用して、2つ以上の高分子有機PVサブ電池を積層することは、大変な難題を提示する。
2つの高分子ドナーを混ぜ合わせることによって、吸収のための波長範囲を強めることができ、短絡電流密度(JSC)およびPCEの増加がもたらされることが報告されている。高分子ドナーのための低分子添加剤も、有機PV電池の吸収波長範囲を増大させることが報告されている。
少なくとも1つの有機高分子ドナー材料および少なくとも1つのスクアラインドナーを含むドナー混合物を有する有機光電性光電子デバイスが、本明細書で開示されている。ドナー混合物は、デバイスの吸収範囲を広げ、JSCおよびPCEを改善し得る。
一の実施形態において、有機光電性光電子デバイスは、重畳関係にある2つの電極、および当該2つの電極の間に配置された光活性領域を含み、当該光活性領域は、ドナー混合物および有機アクセプタ材料を含み、前記ドナー混合物は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、および少なくとも1つのスクアラインドナーを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスクアラインドナーは、1つ以上の波長で最大の吸収係数を有し、少なくとも1つのスクアラインドナーの最大の吸収係数は、1つ以上の波長で、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料の吸収係数の少なくとも2倍大きい。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスクアラインドナーは、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料の最大の吸収係数よりも長い波長に最大の吸収係数を有する。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスクアラインドナーは、450から950nmまでの範囲にある1つ以上の波長で、少なくとも10cm−1の吸収係数を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスクアラインドナーは、450から950nmまでの範囲にある1つ以上の波長で、少なくとも10cm−1の吸収係数を有する。
いくつかの実施形態では、ドナー混合物は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料と、少なくとも1つのスクアラインドナーとを、高分子ドナー:スクアラインの比が重量で1:0.005から1:0.2の範囲にあるように含む。いくつかの実施形態では、高分子ドナー:スクアラインの比が、重量で、1:0.01から1:0.1の範囲にある。
いくつかの実施形態では、ドナー混合物、および有機アクセプタ材料は、ドナー‐アクセプタヘテロ接合を形成する。いくつかの実施形態では、ドナー‐アクセプタヘテロ接合は、混合ヘテロ接合、バルクヘテロ接合、平面ヘテロ接合、およびハイブリッド平面混合ヘテロ接合から選択される。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスクアラインドナーは、2,4−ビス[4−(N,N−ジイソブチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル](DBSQ)、2,4−ビス[4−N−カルバゾロ−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(CBZSQ)、2,4−ビス[4−N−フェノチアジノ−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(PTSQ)、2,4−ビス[4−(N,N−ジフェニルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(DPSQ)、2,4−ビス[4−(N−フェニル−1−ナフチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(1NPSQ)、2,4−ビス[4−(N−フェニル−2−ナフチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(2NPSQ)、{2−[4−(N,N−ジイソブチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]−4−ジフェニルアミノ}スクアライン(USSQ)、{2−[4−(N,N−ジフェニルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]−4−ジフェニルアミノ}スクアライン(DPUSQ)、およびジフェニルアミノスクアライン(YSQ)から選択される。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料は、ポリチオフェン、ポリカルバゾール、ポリフルオレン、ポリジチエノシロール、ポリベンゾジチオフェン、およびそれらの共重合体から選択される。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料は、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−p−フェニレンビニレン]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリ[2,6−(4,4−ビス−(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン−alt−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)]、ポリ[N−9’’−ヘプタ−デカニル−2,7−カルバゾール−alt−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)]、ポリ(4,4−ジオクチルジチエノ(3,2−b:2’,3’−d)シロール)−2,6−ジイル−alt−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)−4,7−ジイル)、ポリ{2,6−4,8−ジ(5−エチルヘキシルチエニル)ベンゾ[1,2−b;3,4−b]ジチオフェン−alt−5−ジブチルオクチル−3,6−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン}、ポリ[2,7−(9,9−ジデシルフルオレン)−alt−5,5−(4,7−ジ−2−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール)]、ならびに、チエノ[3,4−b]−チオフェンおよびベンゾジチオフェンの交互共重合体から選択される。
いくつかの実施形態では、有機アクセプタ材料は、ペリレン、ナフタレン、フラーレン、およびそれらの誘導体から選択される少なくとも1つの化合物を含む。
ある実施形態では、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料は、P3HTであり、前記有機アクセプタ材料は、フラーレンまたはその誘導体を含む。
また、第1の電極の上に光活性領域を堆積すること、および、光活性領域の上に第2の電極を堆積することを含み、光活性領域は、ドナー混合物および有機アクセプタ材料を含み、ドナー混合物は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、および少なくとも1つのスクアラインドナーを含む、有機光電性光電子デバイスの製造方法も、本明細書で開示されている。
いくつかの実施形態では、第1の電極の上への光活性領域の堆積は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、および少なくとも1つのスクアラインドナーを第1の電極の上に共堆積すること、ならびに、有機アクセプタ材料を第1の電極の上に堆積することを含み、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料および少なくとも1つのスクアラインドナーの共堆積は、第1の電極の上への有機アクセプタ材料の堆積の前または後に行われる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、および少なくとも1つのスクアラインドナーは、比が重量で1:0.005から1:0.2の範囲にあるように共堆積される。
他の実施形態では、第1の電極の上への光活性領域の堆積は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、少なくとも1つのスクアラインドナー、および有機アクセプタ材料を、第1の電極の上に共堆積することを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、有機アクセプタ材料、および少なくとも1つのスクアラインドナーは、高分子ドナー:アクセプタ:スクアラインの比が、重量で、1:0.5:xから1:1.5:xまでの範囲にあるように共堆積され、xは、0.005から0.2までの範囲内の数字を示す。
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する。
図1は、本開示に従った光電性光電子デバイスの概略図を示す。 図2は、ドナー混合物がアクセプタ材料と接触してドナー‐アクセプタヘテロ接合を形成するデバイスの概略図の例を示す。 図3Aは、DBSQの濃度を変化させたときのP3HT:PCBM:DBSQ薄膜の紫外‐可視吸収スペクトルを示し、図3Bは、DBSQの濃度を変化させたときのP3HT:PCBM:DBSQ薄膜のX線回折スペクトルを示す。 図4は、原子間力顕微鏡の像を示し、(A)はP3HT:PCBM薄膜、(B)はP3HT:PCBM:5重量%DBSQ薄膜、(C)はP3HT:PCBM:10重量%DBSQ薄膜を示す。全ての薄膜は、120℃で10分間アニールされた。走査範囲は、5μm×5μmであった。 図5は、P3HT:PCBM:DBSQ光電池について、DBSQ濃度を変化させたときの(A)電流密度vs電圧のプロット、(B)電力変換効率vs強度のプロット、(C)外部量子効率vs波長のプロットを示す。 図6Aは、P3HT薄膜、P3HT:PCBM薄膜、P3HT:PCBM:5重量%DBSQ薄膜、および、P3HT:PCBM:10重量%DBSQ薄膜の光ルミネセンススペクトルを示し、図6Bは、波長600と800nmとの間の低強度領域を拡大したもののプロットを示す。
「共堆積する」または「共堆積」なる用語は、本明細書で使用するとき、複数の材料を独立して(別々の供給源から)基板上に同時に堆積することを含んでもよく、それらの材料の比率は、各材料の堆積速度によって制御できる。一部の例では、「共堆積される」材料は、順次に堆積されるとともに、熱アニーリングまたは溶媒アニーリングのような更なる処理が施されて、混合物を形成してもよい。気相堆積法は、これらのアプローチの例である。別の方法として、「共堆積する」または「共堆積」は、所望の比率で材料を混ぜ、その混ぜ合わせた材料を基板上に堆積することを含み得る。流体溶液堆積法は、この別のアプローチの例である。
「電極」および「接点」なる用語は、本明細書で使用され、光発生電流を外部回路に伝えるための、またはバイアス電流またはバイアス電圧をデバイスに供給するための媒体を提供する層を指す。すなわち、電極または接点は、電荷キャリアを外部回路へまたは外部回路から輸送するための電線、リード線、配線、もしくは他の手段と、有機光電性光電子デバイスの活性領域との間の接合部を提供する。アノードおよびカソードは例である。電極の開示のため参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,352,777号明細書は、光電性光電子デバイスに用いられ得る電極または接点の例を提供する。光電性光電子デバイスにおいては、デバイス外側からの周囲の電磁波の最大量が、光導電性の活性内部領域に入るようにすることが望ましいであろう。すなわち、電磁波は、光導電性の吸収によって電気に変換できる光導電層に到達しなければならない。このことは、しばしば、電気接点のうちの少なくとも1つは、入射する電磁波の吸収および反射を最小限にすべきであることを要する。場合によっては、このような接点は、透明、または少なくとも半透明であるべきである。電極は、関連する波長における周囲の電磁波の少なくとも50%が電極を透過することを許容するとき、「透明」であると称される。電極は、関連する波長における周囲の電磁波のいくらかは透過するものの50%未満の透過を許容するとき、「半透明」であると称される。その反対側の電極は、吸収されることなく電池を通過した光が電池を通じて反射して戻るように、反射材料であってもよい。
「層」は、本明細書で使用され、表現されるとき、光電性デバイスの部材または構成要素を指し、その基本となる次元は、X‐Y、すなわち、それらの長さおよび幅に沿う。層なる用語は、必ずしも材料の単一の層またはシートに限定されないことが理解されよう。さらに、ある層の表面は、他の材料または層との界面を含み、不完全であってもよく、その表面は、他の材料または層に対し、貫入した、絡まった、または巻き込まれた網目状を示してもよいことが理解されよう。同様に、層は、不連続であってもよく、X‐Yの次元に沿った層の連続性が、他の層または材料によって、妨げられる、さもなくば遮断されてもよいことが理解されよう。
材料または構成要素が、他の材料または構成要素の「上に」堆積されるという表現は、本明細書で使用するとき、堆積される材料または構成要素と、それが「上に」堆積されている材料または構成要素との間に、他の材料または層が存在することを許容する。例えば、層は、たとえ層と電極との間にさまざまな材料または層があったとしても、電極の「上に」堆積されるように記載されてもよい。
「吸収係数」なる用語は、本明細書で使用するとき、所定の波長において吸収される入射光の割合を指す。
本開示の有機材料との関連において、「ドナー」および「アクセプタ」なる用語は、2つの互いに接触するが異なる有機材料のHOMOおよびLUMOエネルギー準位の相対的な位置を指す。他の材料と接触する一の材料のLUMOエネルギー準位がより低い場合、その材料は、アクセプタである。そうでなければドナーである。外部バイアスがない場合、ドナー‐アクセプタ接合における電子はアクセプタ材料へと移動し、正孔はドナー材料へと移動することがエネルギー的に生じ易い。
本開示の有機光電性光電子デバイスは、ドナー材料である少なくとも1つの有機高分子材料および少なくとも1つの低分子添加剤の混合物を利用する。ここで、低分子添加剤はスクアラインドナーである。少なくとも1つの有機高分子材料とスクアラインとのドナー混合物は、有機光電性光電子デバイスの吸収範囲を拡げることができ、例えば可視スペクトルからNIRで効率的な光吸収を実現する。吸収効率の増加によって、デバイスのJSCおよびPCEを大幅に増加させることができる。
図1に示すように、本開示の有機光電性デバイスは、重畳関係にある2つの電極と、当該2つの電極の間に配置された光活性領域と、を含む。「光活性領域」は、本明細書で使用するとき、電磁波を吸収して励起子を生成するデバイスの領域を指す。励起子は、電流を生じさせるために電子と正孔とに解離し得る。光活性領域は、ドナー混合物と、有機アクセプタ材料と、を含み、ドナー混合物は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料と、少なくとも1つのスクアラインドナーと、を含む。
少なくとも1つのスクアラインドナーおよび少なくとも1つの有機高分子ドナー材料の吸収バンドは、互いを補完し、光電性デバイスの光の吸収波長の範囲を広げ得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスクアラインドナーは、1つ以上の波長で最大の吸収係数を有し、少なくとも1つのスクアラインドナーの最大の吸収係数は、1つ以上の波長で、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料の吸収係数の少なくとも2倍大きい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスクアラインドナーは、高分子ドナー材料の最大の吸収係数よりも長い波長に最大の吸収係数を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスクアラインドナーは、450から950nm、450から800nm、500から750nm、650から950nm、650から900nm、または700から850nmの範囲にある1つ以上の波長で、少なくとも10cm−1の吸収係数を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスクアラインドナーは、450から950nm、450から800nm、500から750nm、650から950nm、650から900nm、または700から850nmの範囲にある1つ以上の波長で、少なくとも10cm−1の吸収係数を有する。
ドナー混合物および有機アクセプタ材料は、ドナー‐アクセプタヘテロ接合を形成し得る。ドナー‐アクセプタヘテロ接合は、有機光電性デバイスの技術分野で知られている任意のヘテロ接合であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ドナー‐アクセプタヘテロ接合は、混合ヘテロ接合、バルクヘテロ接合、平面ヘテロ接合、およびハイブリッド平面混合ヘテロ接合から選択され得る。図2は、装置の概略図の例を示し、ここで、ドナー混合物は、有機アクセプタ材料と接触してドナー‐アクセプタヘテロ接合を形成している。図2は、ドナー混合物および有機アクセプタ材料を、形状の整った層として表現しているが、それらの層の表面、例えばドナー混合物と有機アクセプタ材料との間の界面等が、完全に整ったものでなくてもよく、前述の表面が、他の材料または層に対し、貫入した、絡まった、または巻き込まれた網目状を示してもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態では、光活性領域は、ドナー混合物と有機アクセプタ材料とが混ぜ合わされたものを含む。当業者であれば理解する通り、有機アクセプタ材料に対するドナー混合物の配置は、デバイスに求められるドナー‐アクセプタヘテロ接合の種類に依存する。
光活性領域における少なくとも1つのスクアラインドナーの量は、最大のデバイス性能を発揮するために最適化され得る。最適化は、スクアライン濃度の増加によって増加する吸収効率と、そのような増加した濃度での直列抵抗効果とのバランスを取ることを含む。いくつかの実施形態では、ドナー混合物は、少なくとも1つの高分子ドナー材料と、少なくとも1つのスクアラインドナーとを、高分子ドナー:スクアラインの比が、重量で、1:0.005から1:0.2の範囲にあるように含む。いくつかの実施形態では、高分子ドナー:スクアラインの比が、重量で、1:0.01から1:0.1の範囲にある。ある実施形態では、高分子ドナー:スクアラインの比が、重量で、1:0.05である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、アクセプタ材料、および少なくとも1つのスクアラインドナーが、高分子ドナー:アクセプタ:スクアラインの比が、重量で、1:0.5:xから1:1.5:xの範囲にあるように、光活性領域に存在する。ここで、xは、0.005から0.2までの範囲内の数字を示す。いくつかの実施形態では、xは、0.01から0.1までの範囲内の数字を示す。
少なくとも1つの有機高分子ドナー材料は、当該技術分野で知られている任意の有機高分子ドナー材料であってもよい。ポリチオフェン、ポリカルバゾール、ポリフルオレン、ポリジチエノシロール、ポリベンゾジチオフェン、およびそれらの共重合体から選択される有機高分子ドナー材料に限定されない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料は、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−p−フェニレンビニレン]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリ[2,6−(4,4−ビス−(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン−alt−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)]、ポリ[N−9’’−ヘプタ−デカニル−2,7−カルバゾール−alt−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)]、ポリ(4,4−ジオクチルジチエノ(3,2−b:2’,3’−d)シロール)−2,6−ジイル−alt−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)−4,7−ジイル)、ポリ{2,6−4,8−ジ(5−エチルヘキシルチエニル)ベンゾ[1,2−b;3,4−b]ジチオフェン−alt−5−ジブチルオクチル−3,6−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン}、ポリ[2,7−(9,9−ジデシルフルオレン)−alt−5,5−(4,7−ジ−2−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール)]、ならびに、チエノ[3,4−b]−チオフェンおよびベンゾジチオフェンの交互共重合体から選択され得る。
少なくとも1つのスクアラインドナーは、当該技術分野で知られている任意のスクアラインであってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスクアラインドナーは、2,4−ビス[4−(N,N−ジイソブチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(DBSQ)、2,4−ビス[4−N−カルバゾロ−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(CBZSQ)、2,4−ビス[4−N−フェノチアジノ−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(PTSQ)、2,4−ビス[4−(N,N−ジフェニルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(DPSQ)、2,4−ビス[4−(N−フェニル−1−ナフチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(1NPSQ)、2,4−ビス[4−(N−フェニル−2−ナフチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(2NPSQ)、{2−[4−(N,N−ジイソブチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]−4−ジフェニルアミノ}スクアライン(USSQ)、{2−[4−(N,N−ジフェニルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]−4−ジフェニルアミノ}スクアライン(DPUSQ)、およびジフェニルアミノスクアライン(YSQ)から選択される。適切なスクアラインドナーのさらなる例は、米国特許出願公開第2012/0248419号明細書に開示されており、これは、スクアラインの開示のため、参照によって本明細書に組み込まれる。
有機アクセプタ材料の例は、ペリレン、ナフタレン、フラーレン、およびそれらの誘導体を含む。C60、C70、C76、C82、C84、3,4,9,10‐ペリレンテトラカルボン酸ビス−ベンズイミダゾール(PTCBI)、フェニル−C61−酪酸−メチルエステル([60]PCBM)、フェニル−C71−酪酸−メチルエステル([70]PCBM)、チエニル−C61−酪酸−メチルエステル([60]ThCBM)、およびヘキサデカフルオロフタロシアニン(F16CuPc)から選択されるものに限定されない。ある実施形態では、アクセプタ材料は、フラーレンおよびその誘導体から選択される。有機アクセプタ材料は、単一物質に限定されない。アクセプタを組み合わせたものを使用できる。
本開示のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのスクアラインドナーは、2つ以上のスクアラインドナーを含む。スクアラインドナーは、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料の吸収を補完するように選択されて、本明細書で開示されるように、光電性デバイスの光の吸収波長の範囲を広げ得る。いくつかの実施形態では、2つ以上のスクアラインドナーは、少なくとも、第1のスクアラインドナーと、第2のスクアラインドナーと、を含む。ここで、第1および第2のスクアラインドナーの吸収範囲は、完全に、または少なくとも部分的に重なってもよい。いくつかの実施形態では、第1のスクアラインドナーは、1つ以上の波長で最大の吸収係数を有し、第1のスクアラインドナーの最大の吸収係数は、1つ以上の波長で、第2のスクアラインドナーの吸収係数、および少なくとも1つの有機高分子ドナーの吸収係数の少なくとも2倍大きい。いくつかの実施形態では、第2のスクアラインドナーは、1つ以上の波長で最大の吸収係数を有し、第2のスクアラインドナーの最大の吸収係数は、1つ以上の波長で、第1のスクアラインドナーの吸収係数、および少なくとも1つの有機高分子ドナーの吸収係数の少なくとも2倍大きい。
本開示の電極のうちの一方がアノードで、他方の電極がカソードであり得る。電極は、所望のキャリア(正孔または電子)の受け取りおよび輸送を行うように最適化されるであろうことが理解されよう。本明細書で、「カソード」なる用語は、例えばPVデバイスのような外的に印加される電圧がなく抵抗負荷に接続した周囲の放射下の、積み重ねられていないPVデバイス、または積み重ねられたPVデバイスの単一のユニットにおいて、電子は、光導電性材料からカソードへと移動する、というように使用される。同様に、本明細書で、「アノード」なる用語は、照射下のPVデバイスにおいて、正孔が、光導電性材料からアノードへと移動し、これは逆に移動する電子と等しい、というように使用される。
本開示の有機光電性光電子デバイスは、従来のまたは反転した構造を有してもよい。反転したデバイス構造の例は、米国特許出願公開第2010/0102304号明細書に開示されており、これは、反転したデバイス構造の開示のため、参照によって本明細書に組み込まれる。
本開示の有機光電性光電子デバイスは、さらに、このようなデバイスの技術分野で知られているさらなる層を含み得る。例えば、デバイスは、さらに、電荷キャリア輸送層、および/または、励起子ブロック層(EBL)のような例えば1つ以上のブロック層等のバッファ層を含んでもよい。1つ以上のブロック層は、いずれか一方のまたは両方の電極と光活性領域との間に配置され得る。励起子ブロック層として使用され得る材料に関しては、バトクプロイン(BCP)、バトフェナントロリン(BPhen)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTCDA)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ビス−ベンズイミダゾール(PTCBI)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム(III)(Ru(acac))、ならびに、アルミニウム(III)フェノレート(Alq OPH)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−アルファ−ナフチルベンジジン(NPD)、アルミニウムトリス(8−ヒドロキシキノリン)(Alq)、およびカルバゾールビフェニル(CBP)から選択されるものに限定されない。ブロック層の例は、米国特許出願公開第2012/0235125号明細書および第2011/0012091号明細書、ならびに米国特許第7,230,269号明細書および第6,451,415号明細書に記載されており、これらは、ブロック層の開示のため、参照によって本明細書に組み込まれる。
本開示の有機光電性光電子デバイスは、このようなデバイスの技術分野で知られているさらなるバッファ層を含み得る。例えば、デバイスは、さらに少なくとも1つの平滑層を含み得る。平滑層は、例えば、いずれか一方のまたは両方の電極と光活性領域との間に配置され得る。3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルフォネート(PEDOT:PSS)を含む薄膜は、平滑層の例である。
本開示の有機光電子デバイスは、2つ以上のサブ電池を含むタンデム型デバイスとして存在してもよい。サブ電池は、本明細書で使用するとき、ドナー‐アクセプタヘテロ接合を有する少なくとも1つの光活性領域を含むデバイスの構成要素を意味する。サブ電池が個別に光電性光電子デバイスとして使用されるとき、通常それは電極一式を含む。タンデム型デバイスは、タンデム型ドナー‐アクセプタヘテロ接合の間に、電荷輸送材料、電極、または、電荷再結合材料もしくはトンネル接合を含んでもよい。いくつかのタンデム構造では、隣接するサブ電池は、共通のもの、すなわち、共有の、電極、電荷輸送領域、または電荷再結合域を利用することができる。他の場合では、隣接するサブ電池は、共通の電極または電荷輸送領域を共有しない。複数のサブ電池は、並列または直列に電気的に接続し得る。
いくつかの実施形態では、電荷輸送層または電荷再結合層は、Al、Ag、Au、MoO、Li、LiF、Sn、Ti、WO、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(TO)、酸化ガリウムインジウムスズ(GITO)、酸化亜鉛(ZO)、または酸化亜鉛インジウムスズ(ZITO)から選択され得る。他の実施形態では、電荷輸送層または電荷再結合層は、金属ナノクラスター、ナノ粒子、またはナノロッドからなり得る。
本開示のデバイスは、例えば、光検出器、光導電体、または、太陽電池のような有機PVデバイスであってもよい。
本開示の有機光電性光電子デバイスを製造する方法も本明細書で開示される。ある実施形態では、有機光電性光電子デバイスの製造方法は、第1の電極の上への光活性領域の堆積、および光活性領域の上への第2の電極の堆積を含む。ここで、光活性領域は、ドナー混合物と有機アクセプタ材料とを含み、ドナー混合物は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料と、少なくとも1つのスクアラインドナーと、を含む。
いくつかの実施形態では、第1の電極の上への光活性領域の堆積は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料と少なくとも1つのスクアラインドナーとを第1の電極の上に共堆積すること、および、第1の電極の上に有機アクセプタ材料を堆積することを含む。ここで、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料と少なく1つのスクアラインドナーとの共堆積は、第1の電極の上に有機アクセプタ材料を堆積する前または後に行われる。いくつかの実施形態では、第1の電極は、正孔の受け取りおよび輸送を行うように最適化され、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、および少なくとも1つのスクアラインドナーは、有機アクセプタ材料が第1の電極の上に堆積される前に、第1の電極の上に共堆積される。他の実施形態では、第1の電極は、電子の受け取りおよび輸送を行うように最適化され、有機アクセプタ材料は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、および少なくとも1つのスクアラインドナーが第1の電極の上に共堆積される前に、第1の電極の上に堆積される。少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、および少なくとも1つのスクアラインドナーは、高分子ドナー:スクアラインの比が、重量で、1:0.005から1:0.2の範囲にあるように、共堆積されてもよい。いくつかの実施形態では、高分子ドナー:スクアラインの比が、重量で、1:0.01から1:0.1の範囲にある。ある実施形態では、高分子ドナー:スクアラインの比が、重量で、1:0.05である。
他の実施形態では、第1の電極の上への光活性領域の堆積は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、少なくとも1つのスクアラインドナー、および有機アクセプタ材料を、第1の電極の上に共堆積することを含む。いくつかの実施形態では、共堆積は、高分子ドナー:アクセプタ:スクアラインの比が、重量で、1:0.5:xから1:1.5:xまでの範囲にあるように行われる。ここで、xは、0.005から0.2までの範囲内の数字を示す。いくつかの実施形態では、xは、0.01から0.1までの範囲内の数字を示す。
本明細書で記載されているように、輸送層、ブロック層、平滑層、および、有機光電性光電子デバイスの技術分野で知られている他のバッファ層のような、追加の層が、デバイスの製造の間に堆積されてもよい。
その技術分野で知られている手法を用いて、層および材料は堆積されてもよい。例えば、本明細書で記載される層および材料は、溶液、蒸気、またはそれらの組み合わせから堆積することができる。いくつかの実施形態では、有機材料、または有機層は、例えば、スピンコーティング、スピンキャスティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、ドクターブレーディング、インクジェット印刷、または転写印刷から選択される1つ以上の手法のような溶液処理法によって、堆積または共堆積することができる。
他の実施形態では、有機材料は、真空熱蒸着、有機気相成長法、または有機気相ジェット印刷のような真空蒸着を用いて、堆積または共堆積させてもよい。
本明細書中で記載される実施形態は、さまざまな他の構造と関連して用いられ得ることが理解されるであろう。機能的な有機光電子デバイスは、デザイン、性能、および原価要素に基づき、さまざまな態様で記述される種々の層を組み合わせることによって実現されてもよく、または層が完全に省略されてもよい。また、具体的には記述されていない追加の層が含まれてもよい。具体的に記述されたもの以外の材料が用いられてもよい。本明細書で様々な層に付与される名称は、厳密な限定を意図するものではない。
本明細書および特許請求の範囲において使用され、成分の量、反応条件、分析測定値、およびその他を表わす全ての数は、実施例以外、または別段の指示がない箇所では、全ての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。従って、それとは反対の指示がなければ、本明細書および添付の特許請求の範囲において規定される数値パラメータは、本開示によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲への均等論の適用を制限しようとする試みとしてではなく、各数値パラメータは、有効桁数、および通常の四捨五入による丸め処理を考慮して解釈されるべきである。
本開示の広範な範囲を規定する数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、別段の指示がない限り、特定の例で規定された数値はできる限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それぞれの試験測定で見られる標準偏差に必然的に起因する若干の誤差を本質的に含む。
本明細書に記載されるデバイスおよび方法は、単なる典型であることを狙いとする後述の制限されない例によって、さらに説明される。
実施例
有機光電性光電子デバイスは、2,4−ビス[4−(N,N−ジイソブチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(DBSQ)添加剤、およびポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)高分子ドナー材料を用いて製造された。DBSQは、λ=520nmの波長から750nmまで、λ=700nmにおいて2.0×10cm−1の最大の光学密度で、強い吸収を示し、一方、P3HTは、λ=400から630nmで吸収を示す。製造されたデバイスは、次のような構造:インジウムスズ酸化物(ITO、50nm)/ポリ‐(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルホナート(PEDOT:PSS、40nm)/P3HT:[6,6]−フェニル−C61−酪酸−メチルエステル(PCBM):DBSQ(140nm)/LiF(1nm)/Al(200nm)を有していた。光活性領域におけるDBSQ濃度は、0と5重量%と10重量%とで変更された。P3HT:PCBMの相対比は、1:0.7であった。P3HT:PCBM:DBSQの混合物は、4.0重量%の濃度で、クロロベンゼン中で溶解され、シート抵抗が10Ω/sqであるITO層の上に、厚さ140nmまでスピンコーティングされた。スピンコーティングに続き、P3HT:PCBM:DBSQ層が、超高純度窒素ガスが満たされたグローブボックス内で、120℃で10分間、乾燥された。
石英基板上でスピンコーティングされたP3HT:PCBM:DBSQ混合薄膜の吸収スペクトルが、紫外線‐可視(UV‐Vis)分光光度計(Shimadzu、UV‐2501PC)を用いて測定された。光ルミネセンススペクトルが、蛍光分光光度計(Hitachi、F‐7000)を用いて記録された。有機PVデバイスの性能が、Keithley2400ソース測定ユニットとともにAbet太陽シミュレータを用いて、1sun(100mW/cm)放射照度下において、スペクトルのミスマッチ修復後に測定された。P3HT:PCBM:DBSQ薄膜の形態が、Siチップを備える原子間力顕微鏡(AFM;Digital Instrumet Co. Multimode Nanoscope IIIa)をタッピングモードで用いて分析された。PEDOT:PSS/ITOがコーティングされたガラス基板の上にスピンコーティングされたP3HT:PCBM:DBSQ薄膜のX線回折スペクトルが、Rigaku Ultima IVおよびCu Kα 放射源を用いて得られた。
P3HT:PCBM:DBSQ混合薄膜のUV−Vis吸収スペクトルは、図3Aに示される結果とともに、DBSQ濃度の関数として測定された。クロロベンゼン中におけるDBSQの溶解度は4重量%より小さいため、P3HT:PCBM:DBSQ混合物におけるDBSQ濃度は、10重量%以下に保たれた。その混合物は、波長λ>650nmにおいて透明、すなわち、混合物は、波長λ>650nmにおいて入射光の50%以上を透過させるが、λ=650と750nmとの間における吸収は、DBSQ濃度とともに増加する。例えば、λ=680nmでのDBSQの最大の吸収は、僅か10重量%のDBSQ濃度で、P3HTの最大の吸収の40%である。
スピンコーティングされたP3HT:PCBM:DBSQ混合物のX線回折は、膜の形態へのDPSQの影響を考察するために使用された。図3Bは、120℃で10分間、窒素雰囲気下で熱アニーリングした後のP3HT:PCBM:DBSQ薄膜のX線回折パターンを示す。混合薄膜は、P3HTの(100)結晶面からの回折に割り当てられた角度2θ=6.0°において、ピークを示した。2θ=8.0°でDBSQについて期待されるピークがないことがはっきりと分かった。P3HTの回折のピークの強度は、5重量%および10重量%DBSQ混合薄膜について、変化しないままであって、DBSQは、P3HTの結晶化を妨げないことを示した。
図4は、異なるDBSQ濃度を有する一連のP3HT:PCBM:DBSQ薄膜の原子間力顕微鏡(AFM)像を示す。形状の整ったP3HT:PCBM薄膜は、二乗平均平方根粗さRMS=1.1±0.1nmの滑らかな表面形態を示した。混合薄膜の滑らかな表面形態は、DBSQを加えることによって粗くなった。例えば、P3HT:PCBM中に10重量%のDBSQが存在する薄膜の粗さは、RMS=1.6±0.2nmであった。10重量%DBSQ薄膜においては相分離の形跡も観察され、これは、DBSQの沈殿に起因する可能性がある。
図5Aは、P3HT:PCBM:DBSQデバイスの電流密度‐電圧(J‐V)特性を、DBSQ濃度を変えて示す。DBSQを加えることによって、P3HT:PCBM:DBSQ光活性領域のUV‐Vis吸収スペクトル範囲が広がるのに起因して、JSCは、1sun、AM1.5G放射照度下で、7.3±0.3mA/cmから8.9±0.1mA/cmに増加した。わずか5重量%のDBSQを加えることによって、JSC=8.8±0.1mA/cmまで著しく増加した一方、DBSQの含有量をさらに増加させてもJSCは顕著には増加しなかった。一方、−5.3eVにおけるDBSQの最高被占分子軌道(HOMO)エネルギーは、P3HTについての−5.1eVに匹敵するため、VOCは、DBSQを加えても影響を受けず、わずか0.02V増加しただけであった。DBSQのより大きなHOMOエネルギーは、VOCについて観察されるわずかな増加に寄与した。
P3HT:PCBMデバイスの0.64±0.01の曲線因子(FF)は、5重量%DBSQ濃度まで一定であり、そして、10重量%DBSQにおいてFF=0.53±0.04に減少した。PEDOT:PSSの上にスピンコーティングされたP3HT:PCBM:DBSQ薄膜のAFM像に示されるように(図4)、10重量%DBSQでは、広範囲な相分離が観察された。これは、デバイスの直列抵抗の増加を引き起こし、そのため、付随してFFの減少を生じさせた。修正された理想的なダイオード方程式を用いて暗電流密度‐電圧(J‐V)特性から計算されたP3HT:PCBM:DBSQデバイスの具体的な直列抵抗は、形状の整ったP3HT:PCBM膜についての3.2±0.2Ω・cmから、10重量%DBSQでの11±3Ω・cmまで増加した。
P3HT:PCBM:DBSQ有機PVの電力変換効率(PCE)は、AM1.5Gの模擬放射照度の電力強度の関数として測定された。結果を図5Bに示す。P3HT:PCBMデバイスのPCEは、1sun(100mW/cm)の強度において2.8±0.1%であり、5重量%DBSQを加えることによって、3.4±0.3%に増加した。DBSQを加えることによって得られたPCEにおける20%の増加は、主に、混合薄膜において長波長での吸収が増加したことに起因する(図3A参照)。P3HT:PCBM:DBSQの吸収スペクトル範囲の拡大は、JSCの増加をもたらした。しかしながら、DBSQ濃度を10重量%に増加させると、上述したようにFFの減少に起因し、P3HT:PCBMデバイスと比較してPCEには僅かな増加だけが観察された。
図5Cに示される波長λ>650nmにおけるP3HT:PCBM:5重量%DBSQの外部量子効率(EQE)は、DBSQ混合物の追加的なNIRの吸収に起因し、形状の整ったP3HT:PCBMバルクヘテロ接合電池の外部量子効率に比べて増加した。しかしながら、P3HT:PCBMの吸収に起因する可視領域でのEQEは、10重量%DBSQを加えることによって減少した。これは、DBSQの存在下での電荷生成メカニズムの相違に起因する。電荷生成への少なくとも3つの可能なルート:(i)P3HT:PCBMドメイン界面での励起子の解離、(ii)DBSQ:PCBM界面での励起子の解離、および(iii)P3HTからDBSQへのエネルギー輸送による正孔および電子の生成がある。この最後の過程では、P3HTで生じた励起子が、フェルスター過程を通じ、PCBMとの界面へ拡散する前に、エネルギーをDBSQに輸送する。このルートは、P3HTの光ルミネセンス(PL)発光がλ=600と850nmとの間にあり、λ=700nmでのDBSQの最大の吸収に重なるため、エネルギー的に許される。DBSQ励起子は、PCBMとの界面で正孔および電子に解離する。P3HTからDBSQへのエネルギー輸送は、図6に示すスペクトルとともにP3HT:PCBM:DBSQのPL測定によって確認された。
P3HTからの発光は、主に、PCBMによって消され、P3HT:PCBM混合物からのP3HTの発光は、さらに、DBSQを加えることによって消され、そのことによって、P3HTからDBSQへのエネルギー輸送の存在が確認される。P3HT:PCBM:5重量%DBSQの相対的なP3HTの強度は、P3HT:PCBMのP3HTの発光の45%だけであり、5重量%DBSQは、P3HTで生じる励起子の55%を消失できることを示している。P3HT:PCBM:10重量%DBSQについては、P3HTの励起状態の約70%が、DBSQへのエネルギー輸送によって消失された。これらの結果から、P3HTで生じた励起子の95%が、PCBMとの界面で解離され(ルート(i))、P3HTの励起子の3.0%および3.8%が、5重量%および10重量%の濃度のDBSQにそれぞれ輸送される(ルート(iii))と推測され得る。
また、P3HT:PCBM:5重量%DBSQデバイスのEQEは、P3HT:PCBM:5重量%DBSQの吸収に比べて高かった。このことは、DBSQで生じた励起子が効率的に解離されたことを示す。従って、この濃度では、DBSQ分子は、PCBMに近接して(フェルスター半径内に)位置していたようである。DBSQの短い励起子拡散距離(<2nm)、およびDBSQの高いEQEは、DBSQ分子がPCBMにごく近接した範囲内にあったというさらなる証拠を提供する。
デバイスの性能は、下の表1にまとめられる。
要約して述べると、P3HT:PCBM有機PVのPCEは、小さな濃度のDBSQをその混合物に加えることを通じて20%以上増加し、それによって、得られるPVのNIRの吸収を強めた。5重量%DBSQを含むP3HT:PCBM混合物について、3.4±0.3%の電力変換効率、および55%もの外部量子効率が達成された。

Claims (18)

  1. 重畳関係にある2つの電極、および、
    当該2つの電極の間に配置された光活性領域を含み、
    当該光活性領域は、ドナー混合物および有機アクセプタ材料を含み、前記ドナー混合物は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、および少なくとも1つのスクアラインドナーを含む、有機光電性光電子デバイス。
  2. 前記少なくとも1つのスクアラインドナーは、前記少なくとも1つの有機高分子ドナー材料の最大の吸収係数よりも長い波長に最大の吸収係数を有する、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記少なくとも1つのスクアラインドナーは、450から950nmまでの範囲にある1つ以上の波長で、少なくとも10cm−1の吸収係数を有する、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記少なくとも1つのスクアラインドナーは、450から950nmまでの範囲にある1つ以上の波長で、少なくとも10cm−1の吸収係数を有する、請求項1に記載のデバイス。
  5. 前記ドナー混合物は、前記少なくとも1つの有機高分子ドナー材料と、前記少なくとも1つのスクアラインドナーとを、高分子ドナー:スクアラインの比が重量で1:0.005から1:0.2の範囲にあるように含む、請求項1に記載のデバイス。
  6. 前記高分子ドナー:スクアラインの比が、重量で、1:0.01から1:0.1の範囲にある、請求項5に記載のデバイス。
  7. 前記ドナー混合物、および前記有機アクセプタ材料は、ドナー‐アクセプタヘテロ接合を形成する、請求項1に記載のデバイス。
  8. 前記ドナー‐アクセプタヘテロ接合は、混合ヘテロ接合、バルクヘテロ接合、平面ヘテロ接合、およびハイブリッド平面混合ヘテロ接合から選択される、請求項7に記載のデバイス。
  9. 前記少なくとも1つのスクアラインドナーは、2,4−ビス[4−(N,N−ジイソブチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル](DBSQ)、2,4−ビス[4−N−カルバゾロ−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(CBZSQ)、2,4−ビス[4−N−フェノチアジノ−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(PTSQ)、2,4−ビス[4−(N,N−ジフェニルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(DPSQ)、2,4−ビス[4−(N−フェニル−1−ナフチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(1NPSQ)、2,4−ビス[4−(N−フェニル−2−ナフチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]スクアライン(2NPSQ)、{2−[4−(N,N−ジイソブチルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]−4−ジフェニルアミノ}スクアライン(USSQ)、{2−[4−(N,N−ジフェニルアミノ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]−4−ジフェニルアミノ}スクアライン(DPUSQ)、およびジフェニルアミノスクアライン(YSQ)から選択される、請求項1に記載のデバイス。
  10. 前記少なくとも1つの有機高分子ドナー材料は、ポリチオフェン、ポリカルバゾール、ポリフルオレン、ポリジチエノシロール、ポリベンゾジチオフェン、およびそれらの共重合体から選択される、請求項1に記載のデバイス。
  11. 前記少なくとも1つの有機高分子ドナー材料は、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−p−フェニレンビニレン]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリ[2,6−(4,4−ビス−(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン−alt−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)]、ポリ[N−9’’−ヘプタ−デカニル−2,7−カルバゾール−alt−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)]、ポリ(4,4−ジオクチルジチエノ(3,2−b:2’,3’−d)シロール)−2,6−ジイル−alt−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)−4,7−ジイル)、ポリ{2,6−4,8−ジ(5−エチルヘキシルチエニル)ベンゾ[1,2−b;3,4−b]ジチオフェン−alt−5−ジブチルオクチル−3,6−ビス(5−ブロモチオフェン−2−イル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン}、ポリ[2,7−(9,9−ジデシルフルオレン)−alt−5,5−(4,7−ジ−2−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール)]、ならびに、チエノ[3,4−b]−チオフェンおよびベンゾジチオフェンの交互共重合体から選択される、請求項1に記載のデバイス。
  12. 前記有機アクセプタ材料は、ペリレン、ナフタレン、フラーレン、およびそれらの誘導体から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1に記載のデバイス。
  13. 前記少なくとも1つの有機高分子ドナー材料は、P3HTであり、前記有機アクセプタ材料は、フラーレンまたはその誘導体を含む、請求項1に記載のデバイス。
  14. 第1の電極の上に光活性領域を堆積すること、および、
    前記光活性領域の上に第2の電極を堆積することを含み、
    前記光活性領域は、ドナー混合物および有機アクセプタ材料を含み、前記ドナー混合物は、少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、および少なくとも1つのスクアラインドナーを含む、有機光電性光電子デバイスの製造方法。
  15. 第1の電極の上への光活性領域の前記堆積は、前記少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、および前記少なくとも1つのスクアラインドナーを前記第1の電極の上に共堆積すること、ならびに、前記有機アクセプタ材料を前記第1の電極の上に堆積することを含み、
    前記少なくとも1つの有機高分子ドナー材料および前記少なくとも1つのスクアラインドナーの前記共堆積は、前記第1の電極の上への前記有機アクセプタ材料の堆積の前または後に行われる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、および前記少なくとも1つのスクアラインドナーは、高分子ドナー:スクアラインの比が重量で1:0.005から1:0.2の範囲にあるように共堆積される、請求項15に記載の方法。
  17. 第1の電極の上への光活性領域の前記堆積は、前記少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、前記少なくとも1つのスクアラインドナー、および前記有機アクセプタ材料を、前記第1の電極の上に共堆積することを含む、請求項14に記載の方法。
  18. 前記少なくとも1つの有機高分子ドナー材料、前記有機アクセプタ材料、および前記少なくとも1つのスクアラインドナーは、高分子ドナー:アクセプタ:スクアラインの比が、重量で、1:0.5:xから1:1.5:xまでの範囲にあるように共堆積され、xは、0.005から0.2までの範囲内の数字を示す、請求項17に記載の方法。
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C22 Notice of designation (change) of administrative judge

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