JP2009146981A - 有機薄膜太陽電池及び有機薄膜太陽電池筐体封止パネル - Google Patents

有機薄膜太陽電池及び有機薄膜太陽電池筐体封止パネル Download PDF

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Abstract

【課題】従来品と比べて性能及び耐久性が向上した有機薄膜太陽電池を提供する。
【解決手段】透明電極層上に酸化物半導体層、有機半導体層、導電性ポリマー層及び集電極層が順に形成されている有機薄膜太陽電池であって、
(1)前記酸化物半導体層は、アモルファス酸化チタン層であり、
(2)前記有機半導体層は、[6,6]-フェニル-C61-酪酸メチルエステル(PCBM)とポリ-3-ヘキシルチオフェン(P3HT)とを含有し、
(3)前記導電性ポリマー層は、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)を含有し、
(4)前記集電極層は、金電極層である、
ことを特徴とする有機薄膜太陽電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、性能及び耐久性が向上した有機薄膜太陽電池並びにそれを筐体封止して有機薄膜太陽電池の耐久性を更に高めた有機薄膜太陽電池筐体封止パネルに関する。
現在主流のシリコン系太陽電池は高い光電変換効率を誇るが、資源量及び製作時の二酸化炭素の排出、コスト等の面から環境負荷が大きい。そこで、クリーンで資源の制約の少ない太陽電池として、有機薄膜太陽電池の研究が世界的になされている。
2005年にHeegerらは、ITO/PEDOT:PSS/P3HT:PCBMブレンド膜/Al型のセル(以下「ノーマル型太陽電池」とも言う)を製作し、光電変換効率5%を達成している(非特許文献1)。また、現在報告されている有機薄膜太陽電池の光電変換効率の最高値は、2007年にHeegerらが製作したP3HT:PC70BMブレンド膜とPCPDTBT:PCBMブレンド膜を用いたタンデム型のセルで6.5%である(非特許文献2)。
しかしながら、現状の有機薄膜太陽電池は、性能及び耐久性が十分ではなく今一歩普及するには至っていない。これは、有機薄膜太陽電池がショートし易いこと、電極界面付近の抵抗が大きいこと、上記ノーマル型太陽電池のように、大気中で酸化され易いAl電極を用いていることが原因と考えられている。
従って、性能及び耐久性が向上した有機薄膜太陽電池の開発が望まれている。また、有機薄膜太陽電池に設けられる有機材料層や金属電極は水分、酸素、熱、有機ガスに対して弱いことが知られている。よって、有機薄膜太陽電池の更なる耐久性の向上を目的として、有機薄膜太陽電池の封止構造(パネル化)の開発も進められている。
Wanli Ma, Cuiying Yang, Xiong Gong, Kwaghee Lee, Alan J. Heeger, Adv. Funct. Mater. 15, 1617-1622 (2005) Jin Young Kim, Kwanhee Lee, Nelson E. Coates, Daniel Moses, Thuc-Quyen Nguyen, Mark Dante, Alan J. Heeger, Science, 317, 222-225 (2007)
本発明は、従来品(特にノーマル型太陽電池)と比べて性能及び耐久性が向上した有機薄膜太陽電池を提供することを目的とする。また、更なる耐久性の向上のために、有機薄膜太陽電池を筐体封止した有機薄膜太陽電池筐体封止パネルを提供することも目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定構造の有機薄膜太陽電池及びそれを筐体で封止した有機薄膜太陽電池筐体封止パネルが上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の有機薄膜太陽電池及び有機薄膜太陽電池筐体封止パネルに関する。
1.透明電極層上に酸化物半導体層、有機半導体層、導電性ポリマー層及び集電極層が順に形成されている有機薄膜太陽電池であって、
(1)前記酸化物半導体層は、アモルファス酸化チタン層であり、
(2)前記有機半導体層は、[6,6]-フェニル-C61-酪酸メチルエステル(PCBM)とポリ-3-ヘキシルチオフェン(P3HT)とを含有し、
(3)前記導電性ポリマー層は、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)を含有し、
(4)前記集電極層は、金電極層である、
ことを特徴とする有機薄膜太陽電池。
2.前記透明電極層は、ITO(Indium Tin Oxide)電極層である、上記項1に記載の有機薄膜太陽電池。
3.1)透明性基板、2)前記透明性基板上に形成された上記項1又は2に記載の有機薄膜太陽電池及び3)前記有機薄膜太陽電池を封止する筐体を含む、有機薄膜太陽電池筐体封止パネルであって、
前記有機薄膜太陽電池と前記筐体との間に、水分捕捉剤及びワックスを含むホットメルト型部材が配置されてなる、有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
4.前記有機薄膜太陽電池と前記筐体との間の空間の全てが前記ホットメルト型部材により占められている、上記項3に記載の有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
5.前記水分捕捉剤は、1)有機金属化合物又は2)平均粒子径90μm以下の粉末状無機酸化物を含有する、上記項3又は4に記載の有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
6.前記水分捕捉剤は、前記ホットメルト型部材中50〜99重量%含まれる、上記項3〜5のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
7.前記ワックスは、前記ホットメルト型部材中1〜50重量%含まれる、上記項3〜6のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
8.前記ホットメルト型部材は、真空下150℃で4時間にわたり減圧乾燥した後の重量減少が0.1%以下である、上記項3〜7のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
9.前記ホットメルト型部材は、厚みが100μm以下である、上記項3〜8のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。

以下、本発明について詳細に説明する。
有機薄膜太陽電池
本発明の有機薄膜太陽電池は、透明電極層上に酸化物半導体層、有機半導体層、導電性ポリマー層及び集電極層が順に形成されており、
(1)前記酸化物半導体層は、アモルファス酸化チタン層であり、
(2)前記有機半導体層は、[6,6]-フェニル-C61-酪酸メチルエステル(PCBM)とポリ-3-ヘキシルチオフェン(P3HT)とを含有し、
(3)前記導電性ポリマー層は、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)を含有し、
(4)前記集電極層は、金電極層である、ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の有機薄膜太陽電池は、有機半導体層と集電極層との間にPEDOT:PSSを含有する導電性ポリマー層が形成されていることにより、ショートが抑制されている。また、従来のノーマル型太陽電池に用いられているAl電極に代えてAu電極(集電極)を用いることにより、耐久性が向上している。以下、本発明の有機薄膜太陽電池の各構成について説明する。
(透明電極層)
透明電極層としては、有機薄膜太陽電池に照射される光を効率的に半導体層(酸化物半導体層・有機半導体層)に供給できる光透過性の高い層が好ましい。また、半導体層で生成した電気エネルギーを効率的に取り出せる導電性の高い層が好ましい。
透明電極層の材料としては、例えば、ITO(Indium tin oxide)、FTO(Fluorine-doped tin oxide)等の導電性金属酸化物が好ましい。この中でも、特にITOが好ましい。
透明電極層の厚さは限定的ではないが、1〜10000nm程度が好ましく、10〜300nm程度がより好ましい。
(酸化物半導体層)
酸化物半導体層としては、アモルファス酸化チタン層(TiOx層と称する)を用いる。アモルファス酸化チタン層を用いることにより、結晶質酸化チタン層(TiO2層、例えば、アナターゼ型酸化チタン層)を用いる場合よりも有機薄膜太陽電池の耐久性を向上させることができる。
酸化物半導体層の形成方法は限定されないが、透明電極層上に、例えば、公知のゾルゲル法又は電解還元析出法を用いることにより形成する。形成が容易な観点からは電解還元析出法が好ましい。これらの形成方法で用いる条件は、常法に倣えばよい。
酸化物半導体層(TiOx層)の厚さは限定的ではないが、2〜200nm程度が好ましく、5〜50nm程度がより好ましい。
(有機半導体層)
有機半導体層(有機光電変換層)としては、[6,6]-フェニル-C61-酪酸メチルエステル(PCBM)とポリ-3-ヘキシルチオフェン(P3HT)とを含有する層を用いる。
ここで、PCBMとP3HTの化学構造は次の通りである。
Figure 2009146981
有機半導体層は、P3HTとPCBMの2成分のみから形成すればよいが、適宜、光電変換作用を有する導電性材料や色素などを更に添加しても良い。
導電性材料としては、例えば、ポリアセチレン系、ポリピロール系、ポリチオフェン系、ポリパラフェニレン系、ポリパラフェニンビニレン系、ポリチエニレンビニロン系、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)系、ポリフルオレン系、ポリアニリン系、ポリアセン系の導電性材料が挙げられる(但し、PEDOT:PSSは除く)。
また、色素としては、例えば、シアニン系、メロシアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、キノン系、キノイシン系、キナクドリン系、スクアリリウム系、トリフェニルメタン系、キサンテン系、ポルフィリン系、ペリレン系、インジコ系の色素が挙げられる。
有機半導体層をP3HTとPCBMの2成分から構成する場合には、両者の配合割合は限定的ではないが、P3HT:PCBM(質量比)は5:3〜5:6程度が好ましく、5:3〜5:4程度がより好ましい。その他の添加剤(導電性材料や色素)を添加する場合には、これらの添加量は限定的ではないが、P3HTとPCBMの合計量を100重量部として、1〜100重量部程度が好ましく、1〜40重量部程度がより好ましい。
有機半導体層の形成方法は限定されないが、例えば、酸化物半導体層に、P3HTとPCBMの混合クロロベンゼン溶液をスピンコートすることにより形成する。その他の添加剤を含む場合には、前記溶液に予め混合(溶解)しておくことが好ましい。
有機半導体層の厚さは限定的ではないが、70〜250nm程度が好ましく、100〜200nm程度がより好ましい。
(導電性ポリマー層)
導電性ポリマー層としては、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)を含有する層を用いる。上記ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)は、PEDOTとPSSとが一体化した高分子(化合物)であり、一般に「PEDOT:PSS」と略記される。
Figure 2009146981
上記PEDOTとPSSが一体化した「PEDOT:PSS」の化学構造は、次の通りである。
Figure 2009146981
導電性ポリマー層の形成方法は限定されないが、例えば、有機半導体層にPEDOT:PSSの水分散液、例えば、市販の1.3重量%水分散液(Aldrich製)などをスピンコートすることにより形成する。本発明では、導電性ポリマー層はPEDOT:PSSのみで形成すればよい。
導電性ポリマー層の厚さは限定的ではないが、20〜120nm程度が好ましく、30〜70nm程度がより好ましい。
(集電極層)
集電極層としては、金電極層を用いる。金電極層を用いることにより大気中の酸素や水分の影響による劣化が抑制される。これにより、従来のノーマル型太陽電池に用いられているAl電極層よりも耐久性を向上させることができる。
集電極層は、例えば、導電性ポリマー層に金を蒸着することにより形成する。
集電極層の厚さは限定的ではないが、1〜100000nm程度が好ましく、10〜100nm程度がより好ましい。
有機薄膜太陽電池筐体封止パネル
本発明の有機薄膜太陽電池筐体封止パネルは、1)透明性基板、2)前記透明性基板上に形成された本発明の有機薄膜太陽電池及び3)前記有機薄膜太陽電池を封止する筐体を含み、前記有機薄膜太陽電池と前記筐体との間に、水分捕捉剤及びワックスを含むホットメルト型部材が配置されてなる、ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の有機薄膜太陽電池筐体封止パネルは、有機薄膜太陽電池が筐体により封止され、更に有機薄膜太陽電池と前記筐体との間に前記ホットメルト型部材が配置されているため、有機薄膜太陽電池と大気中の酸素、水分等との接触が抑制されている。そのため、有機薄膜太陽電池筐体封止パネルとして使用することで有機薄膜太陽電池の耐久性をより向上させて長寿命化を図ることができる。
透明性基板としては、例えば、ガラス基板、樹脂フィルム等の公知の透明性基板が使用できる。特に樹脂フィルム等を用いる場合には、有機薄膜太陽電池筐体封止パネルに柔軟性を持たせてフレキシブル化できる点で好ましい。
有機薄膜太陽電池を封止する筐体としては、有機薄膜太陽電池を透明性基板と筐体間で挟み込んで外気から封止できる部材であれば良く、例えば箱型、プレート型等のいずれでも良く、その形状は特に問われない。有機薄膜太陽電池筐体封止パネルを薄膜化する観点からは、平坦な薄板状のガラス板が好ましい。なお、筐体として柔軟性のある樹脂フィルムを用いる場合には、有機薄膜太陽電池筐体封止パネルに柔軟性を持たせてフレキシブル化できる点で好ましい。
本発明の有機薄膜太陽電池筐体封止パネルは、有機薄膜太陽電池と前記筐体との間に、水分捕捉剤(「水分ゲッター剤」とも言う)及びワックスを含むホットメルト型部材が配置される。なお、配置態様としては、有機薄膜太陽電池と筐体との間の空間の全てがホットメルト型部材により占められていることが好ましい。以下、ホットメルト型部材について説明する。
(水分捕捉剤)
水分捕捉剤は、いわゆる水分捕捉剤として知られているものであれば、無機系水分捕捉剤又は有機系水分捕捉剤のいずれでも良く、特に限定されるものではない。例えば、酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)等の粉末状無機酸化物のほか、透明な水分ゲッター剤として知られている有機金属化合物が使用可能である。また、これらの水分捕捉剤は1種又は2種以上を配合して使用することができる。これら水分捕捉剤は、市販品を使用することもできる。
また、上記の粉末状無機酸化物のように、粉末形態の水分捕捉剤を用いる場合、その平均粒子径は通常100μm未満の範囲とすれば良く、好ましくは90μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは0.01μm以上10μm以下とすれば良い。平均粒子径が100μm未満であれば、有機薄膜太陽電池にダメージを与える可能性が低くなり、また、有機薄膜太陽電池筐体封止パネルを製造する際に封止用筐体に凹部を設ける必要がなくなる。なお、粒子径が0.01μm未満となると、粒子が飛散したり、粒子製造コストが高くなることがある。
これらの水分捕捉剤のうち、本発明では、1)有機金属化合物又は2)平均粒子径90μm以下の粉末状無機酸化物を含有することが望ましい。特に、ワックスとの混合及び有機薄膜太陽電池との密着性の観点からは、水分捕捉剤としてワックスと同一の溶剤に溶解する有機金属化合物が好ましい。有機金属化合物としては、特開2005-298598号公報に記載されている有機金属化合物等を好適に用いることができる。
水分捕捉剤の含有量は、用いる水分捕捉剤の種類等に応じて適宜設定できるが、通常はホットメルト型部材中50〜99重量%程度、特に80〜99重量%とすることが好ましい。水分捕捉剤の含有量が50重量%を下回ると水分捕捉性能が不足する可能性があり、99重量%を上回るとホットメルト型部材の有機薄膜太陽電池との密着性・接着性の低下のほか、水分捕捉剤の保持性が低下する可能性がある。
(ワックス)
ワックスとしては、本発明のホットメルト型部材にホットメルト機能を付与できるものであれば限定されず、公知又は市販のワックスから適宜選択することができる。例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等を使用することができる。これらは1種又は2種以上を配合して用いても良い。これらのワックスは、製造工程等の見地より融点が60〜100℃であるものが好ましい。ワックスの融点が60℃を下回ると有機薄膜太陽電池を溶解、膨潤させる可能性があり、融点が100℃を超えるとホットメルト型部材を軟化又は溶融させるときに100℃以上の熱が必要となり、有機薄膜太陽電池にも100℃以上の熱がかかる可能性が生じ、有機物を劣化させるおそれがある。
また、本発明では、特に、有機薄膜太陽電池に悪影響を及ぼすアウトガスの発生を防止できること及びガラス基板等の透明性基板、封止用筐体、有機薄膜太陽電池との密着性に優れることからマイクロクリスタリンワックスを用いることが好ましい。
ワックスの含有量は、用いるワックスの種類等に応じて適宜設定できるが、通常は本発明のホットメルト型部材中1〜50重量%程度、特に1〜10重量%とすることが好ましい。ワックスの含有量が50重量%を超える場合には、水分の捕捉性が不足する可能性がある。また、1重量%未満の場合は、基板等との密着性、接着性や有機金属化合物を水分捕捉剤として用いた際の水分の捕捉に伴う経時的なクラックを抑制する効果が低下するおそれがある。ホットメルト型部材に透明性を持たせる点からは、ホットメルト型部材中のワックスの配合量は10重量%以下が好ましい。
その他、ホットメルト型部材中のワックスの配合量やホットメルト型部材を用いて得られる層の厚みを薄くしてもよい。
(ホットメルト型部材)
本発明のホットメルト型部材は、上記の水分捕捉剤及びワックスの2成分系であっても良いが、その他の成分として必要に応じて各種の添加剤が含まれていても良い。
本発明のホットメルト型部材の形状は限定されず、所望の用途に応じて形状を採用することができる。例えば、薄膜状、板状、不定形状等のいずれであっても良い。特に、本発明では、薄膜状として用いることが好ましい。この場合の厚みは限定されないが、一般的には100μm以下、特に5〜50μm程度とすることが好ましい。
本発明のホットメルト型部材は、乾燥後(溶剤希釈タイプ)または冷却後(無溶剤タイプ)は通常固形状で有機薄膜太陽電池用部材として用いられるものであるが、例えば有機薄膜太陽電池、封止用筐体等の上への積層作業等の使用時には粘調な状態で使用すればよい。即ち、使用時に加熱により軟化又は溶融させて使用したり、有機溶媒に溶解して使用することができる。このためホットメルト型部材を有機薄膜太陽電池、封止用筐体等の上に密着して積層することができるため、水分捕捉剤が有機薄膜太陽電池に密着し、密封容器内に侵入した水分、有機薄膜太陽電池が含んでいる水分、アウトガス等から有機薄膜太陽電池を保護することができる。なお、有機薄膜太陽電池筐体封止パネルが太陽電池として太陽光に照射されている際は、ホットメルト型部材は液体状になっていてもよい。
使用時に加熱により軟化又は溶融させて貼着又は塗布する場合、軟化又は溶融するまで加熱してホットメルト型部材を基板(有機薄膜太陽電池積層面)、封止用筐体等に貼着又は塗布することにより、薄膜状等の所望の形状にて上記部材を形成することが可能である。また、前記のような薄膜状のホットメルト型部材の場合は、一部を軟化又は溶融させれば基板等に貼着(融着)させることができる。
加熱により軟化又は溶融させて使用する方法は、例えば塗布(コーティング)により薄膜を形成する場合、コーティングヘッドを約70〜80℃程度に加熱することにより効率的に薄膜を得ることができる。また、コーティング後の乾燥時間を短縮することができる結果、生産性をより高めることができることに加え、アウトガスの発生の危険性を低下させる点からも好ましい。
アウトガスの発生を抑制する観点からは、下記無溶剤ホットメルト型部材を用いて加熱により軟化溶融させ、有機薄膜太陽電池、封止用筐体等の上への積層作業を行うとよい。
(ホットメルト型部材の製造方法)
ホットメルト型部材の製造方法は、水分捕捉剤、ワックス、更に必要に応じて他の添加剤を均一に混合すれば良い。混合方法としては、ヘプタン、トリエタノールアミン等の有機溶剤を添加し混合を行ったり、有機溶剤を用いずに加熱し、ワックスを溶融させて混合したりすることも可能である。混合の観点からは、水分捕捉剤、ワックスをともに溶解する溶剤を用いて混合することが好ましい。
混合機としては、例えば、攪拌機、ニーダー等の公知の混合装置又は混練装置を用いることができる。各成分を均一に混合した後は、必要に応じて所望の形状に成形することができる。
ホットメルト型部材は混合した後、加熱乾燥することにより溶剤成分を除去しておくことが望ましい。その除去程度は、上記部材を真空下150℃で4時間にわたり減圧乾燥した後の重量減少が0.1%以下となるレベルとすることが好ましい。即ち、真空下150℃で4時間にわたり減圧乾燥した後の重量減少が0.1%以下であるホットメルト型部材が本発明のホットメルト型部材(無溶剤ホットメルト型部材)としてより好ましい。減圧乾燥した後の重量減少が0.1%を超えると、有機薄膜太陽電池筐体封止パネルに用いた場合、アウトガスが発生し、有機薄膜太陽電池を劣化させるおそれがある。
(ホットメルト型部材の使用態様)
ホットメルト型部材は、筐体で封止された有機薄膜太陽電池の前記筐体内部で用いられる。ホットメルト型部材は、水分捕捉剤とワックスとを混合したものであり、有機薄膜太陽電池筐体封止パネルの密封容器内に有機薄膜太陽電池を封止するための密封用材料として使用することができるほか、密封容器を構成する基板等の構成部材を組立・固着するための接着材料としても使用することができる。また、密封容器内に侵入した水分、有機薄膜太陽電池等に含まれる水分等を吸着する水分捕捉剤としても機能する。本発明のホットメルト型部材は、これらの機能を併せ持つ多機能材料である。
ホットメルト型部材は、有機薄膜太陽電池と筐体との間に配置されていればよいが、特に有機薄膜太陽電池と筐体との間の空間の全てがホットメルト型部材により占められていることが好ましい。かかる使用態様を採用することにより、有機薄膜太陽電池と大気中の酸素、水分等との接触を確実抑制して有機薄膜太陽電池の耐久性を向上させることができる。
有機薄膜太陽電池筐体封止パネルは、例えば、ホットメルト型部材の周囲にUV硬化型シール剤を設けて有機薄膜太陽電池、封止用筐体及びホットメルト型部材を固定及び一体化させることができる。ホットメルト型部材の周囲に設けられるシール剤は、UV硬化型シール剤に限定されず、熱硬化エポキシシール剤、シート状接着フィルム、低融点ガラス粉体ペースト等の公知のシール剤も用いることができる。
本発明の有機薄膜太陽電池は、従来のノーマル型太陽電池よりも性能及び耐久性が向上している。特に、好適な実施態様においては、大気下での100時間以上の連続光照射及び高温多湿・暗所での1000時間以上の保管に対して太陽電池の初期性能の90%以上を維持し、優れた高耐久性が得られる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し本発明は実施例に限定されない。
実施例1-1
実施例1-1では、本発明の有機薄膜太陽電池(未封止、TiOx前駆体をゾルゲル法により調製)を作製した。
≪TiOx前駆体の調製:ゾルゲル法≫
先ず、100 mL三口フラスコに2-メトキシエタノール12.5 mLと、6.25mmolのチタニウムテトライソプロポキシドとを入れ、氷浴中で10分間冷却した。次に、12.5mmolのアセチルアセトンをゆっくり加えて、氷浴中で10分間撹拌した。次に、混合溶液を80℃で2時間加熱後、1時間還流した。最後に、室温まで冷却し、TiOx前駆体を得た。このTiOx前駆体は、下記に示される化学構造を有するものと推定される。なお、上記工程は全て窒素雰囲気で行った。
Figure 2009146981
≪有機薄膜太陽電池の作製≫
有機薄膜太陽電池を形成するためのガラス基板(透明性基板)としては、ITO電極層(透明電極層)が既にパターニングされているガラス基板を用いた。透明電極層のシート抵抗は20Ω/□以下、中でも10Ω/□以下、特に5Ω/□以下が好ましい。シート抵抗が上記範囲より大きい場合、発生した光電荷を十分に外部回路に伝達できない可能性があるからである。本実施例では、フルウチ化学(株)製のITOネサガラスIN-100、10Ω/cm2(1t×100×100mm)基板のITO電極層をパターニングしカットしたガラス基板(透明性基板)を使用した(ITO電極層の厚さは211〜231nm)。
次に、2-プロパノール中で煮沸洗浄した前記ITO電極層(透明電極層)上に150mMのTiOx前駆体溶液をスピンコート(回転速度2000 rpm, 回転時間60 s)した。次に、空気中で放置してTiOx前駆体を加水分解させた。次に、TiOx前駆体を150℃で1時間加熱処理して30nmのTiOx層(アモルファス酸化物半導体層)を得た。
次に、酸化物半導体層の上にP3HT(ポリチオフェン誘導体、Aldrich製)とフラーレン誘導体PCBMを質量比5:4で混合した3.9重量%クロロベンゼン溶液をスピンコート(1500 rpm, 60 s)し室温にて約10分間乾燥させて、有機半導体層(有機光電変換層)を200nm成膜した。
次に、有機半導体層の上にPEDOT:PSSの1.3重量%水分散液(Aldrich製)をスピンコート(6000 rpm, 60 s)し風乾して導電性ポリマー層(正孔輸送層)を60nm成膜した。
次に、導電性ポリマー層の上にAu電極層(集電極層)を膜厚約100nmになるように真空蒸着した。詳細には、真空蒸着装置に正極用シャドウマスクを設置し、真空チャンバ内を4×10-4Pa以下の圧力(真空中)にまで、ロータリーポンプ並びにターボ分子ポンプを用いて真空引きした。金線を抵抗加熱し、正極として金を100nm成膜した。成膜速度は10〜15nm/minとし、成膜は2×10-3Pa以下の圧力(真空中)で行った。次に、150℃で5分間加熱処理を行った。
以上の工程を経て、有機薄膜太陽電池(未封止)を作製した。
有機薄膜太陽電池の光電変換面積は、ITO電極層と金電極層に挟まれた部分である。4mm×25mm(1.0cm2)の光電変換面積をもつ太陽電池を作製した。
実施例1-2
実施例1-2では、本発明の有機薄膜太陽電池(未封止、TiOx前駆体を電解還元析出法により調製)を作製した。
≪酸化チタン電着溶液の調製:電解還元析出法≫
0.3M 硝酸カリウム(KNO3)超純水溶液を調製した。この溶液に0.03M 過酸化水素水(H2O2)を加え、更に0.01M オキシ硫酸チタニル(TiOSO4)を加えて電解液とした。次に氷水浴により、この電解液の温度を2 ℃に調整した。
ガラス基板(透明性基板)上にフッ素ドープした酸化錫(FTO電極層)(透明電極層)を積層した(FTO電極層の厚みは700nm)。
次に、FTO電極層を積層したガラス基板を2-プロパノールで煮沸洗浄した後、電解液に漬け、基板の温度が充分下がるまで10分以上浸漬させた。
次に、作用極に前記FTO電極層を積層したガラス基板、対極に白金(Pt)板、基準極に銀・塩化銀(Ag-AgCl)電極を用いた3極1室セル中で、-2.5Vの印加電圧を加えることによりTiO(OH)2・x H2OをFTO電極層上に還元析出させた。次に、150 ℃で1時間加熱処理を行い、50nmのTiOx層(アモルファス酸化物半導体層)を得た。
≪有機薄膜太陽電池の作製≫
酸化物半導体層の上に有機半導体層、導電性ポリマー層、Au電極層を形成する方法については、実施例1-1と同じとした。以上の工程を経て、有機薄膜太陽電池(未封止)を作製した。
実施例2
実施例2では、実施例1-1で得た有機薄膜太陽電池を筐体封止することにより有機薄膜太陽電池筐体封止パネルを作製した。
≪無機酸化物水分捕捉剤含有ホットメルト型部材の作製≫
水分捕捉剤として市販の透明水分捕捉剤「オーレドライ(商標)」(双葉電子工業(株)製、有機金属化合物)を用い、ワックスとしてマイクロクリスタリンワックス(製品名「Hi-Mic-1070」日本精鑞(株)製、融点79℃、炭素数30〜60程度、分子量500〜800程度)を用いた。前記透明水分捕捉剤97重量%に対してマイクロクリスタリン3重量%の割合で混合した後、得られた混合物の溶剤をほぼ完全に除去することによってホットメルト型部材(無溶剤)を得た。
≪封止用筐体(凹部を有していない平坦なガラス板)への塗布≫
窒素ガスで露点-70℃まで置換したグローブボックス内にて、予め洗浄しUVオゾン洗浄を行った封止用筐体(ガラス板、42mm×42mm)に本例のホットメルト型部材(無溶剤)を80℃に加熱しながらスロットダイにて30μmの厚み(幅36mm×36mm(乾燥後))で塗工した。塗工の方法としては封止用筐体上に枚葉方式で塗工できれば良い。その後ホットプレートを用い150℃で10分間乾燥した。乾燥後のホットメルト型部材を真空下150℃、4時間にわたり減圧乾燥した後の重量減少は0.05%以下であった。さらに、封止用筐体の外周部分にUV硬化型シール剤(UV RESIN XNR 5570-B1 ナガセケムテックス(株)製)を塗布した。
≪有機薄膜太陽電池を積層した基板と封止用筐体の貼り合せ≫
前記有機薄膜太陽電池(実施例1-1で得たもの)を、窒素ガスで露点-70℃まで置換したグローブボックス内に移動させ、予め60℃まで加熱しておいた前記封止用筐体と真空貼り合せを行った(有機薄膜太陽電池の金電極層等を積層した面と封止用筐体のホットメルト型部材の積層面が接するように貼り合せた)。その後、有機薄膜太陽電池基板(ITO透明電極層を積層したガラス基板)側から150WのUVランプで紫外線を照射し、UV硬化型エポキシシール剤(UV RESIN XNR 5570-Blナガセケムテックス(株)製)を硬化させたのち、100℃オーブンにて1時間加熱処理する事でシール材の重合反応による硬化を完了させ封止を行うことにより有機薄膜太陽電池筐体封止パネルを得た。
有機薄膜太陽電池と封止用筐体の間にホットメルト型部材が空間無く配置され、ホットメルト型部材が有機薄膜太陽電池に直接充填密着した。
比較例1
比較例1では、TiOx層を設けなかった以外は実施例1-1と同様にして有機薄膜太陽電池を作製した。即ち、比較例1の有機薄膜太陽電池は酸化チタン層を有しない。
比較例2
比較例2では、透明電極層としてFTO電極層を使用し、TiOx層(酸化物半導体層)を更に450℃で1時間焼成することにより、アナターゼ酸化チタン(TiO2)膜とした以外は、実施例1-1と同様にして有機薄膜太陽電池を作製した。
比較例3
比較例3では、ノーマル型太陽電池を作製した。
ITO電極層(陽極)が既にパターニングされているガラス基板を用意した(本実施例では、フルウチ化学(株)製のITOネサガラスIN-100、10Ω/cm2(1t×100×100mm)基板のITO電極層をパターニングしカットしたガラス基板(透明性基板)を使用した)。
上記ITO電極層の上に、有機正孔輸送層形成用塗工液PEDOT:PSSの1.3重量%水分散体(Aldrich製)をスピンコート法(6000 rpm, 60 s)にて塗布し、100℃で10分間乾燥させて有機正孔輸送層(膜厚:約50nm)を形成した。
ポリチオフェン誘導体(P3HT、Aldrich製)と、フラーレン誘導体(PCBM)の2重量%のクロロベンゼン(脱水)溶液(P3HTとPCBMの配合比は質量比で5:3)を調合し、有機光電変換層用塗工液を調製した。この塗工液を上記有機正孔輸送層上にスピンコート法(1500 rpm, 60 s)にて塗布し、室温にて約10分間乾燥させて有機光電変換層(膜厚:約100nm)を形成した。
真空蒸着装置に負極用シャドウマスクを設置し、真空チャンバ内を、4×10-4Pa以下の圧力(真空中)にまで、ロータリーポンプ並びにターボ分子ポンプを用いて真空引きした。アルミナ坩堝を抵抗加熱し、陰極としてアルミニウムを100nm成膜した。成膜速度は10〜15nm/minとし、成膜は4×10-4Pa以下の圧力(真空中)で行った。
以上の工程を経て、ノーマル型太陽電池を作製した。
有機薄膜太陽電池の光電変換面積は、ITO電極層と金電極層に挟まれた部分である。4mm×25mm(1.0cm2)の光電変換面積をもつ太陽電池を作製した。
試験例1(各太陽電池及び筐体封止パネルの評価)
≪電流−電圧特性≫
ITO電極層又はFTO電極層を積層したガラス基板側を上にして各太陽電池をセルホルダーに入れた。
AM1.5Gのスペクトル分布を有し、100 mW/cm2の光強度を有する太陽擬似光(Kansai Kagakukikai, XES-502S)をITO電極層又はFTO電極層側から照射した状態でリニアスイープボルタンメトリー(LSV)測定(Hokuto Denko, HZ-5000)を行い、太陽電池の光電流−電圧プロフィールを得た。
前記プロフィールから短絡電流(Jsc / mA cm-2)、開放電圧(Voc / V)、曲線因子(FF)、エネルギー変換効率(η / %)を算出した。
≪耐久性≫
耐久性試験ではAM1.5G-100 mW/cm2の太陽擬似光(Kansai Kagakukikai, XES-502S)を連続照射させた状態で常時自然電位測定(Hokuto Denko, HZ-5000)を行いながら、1時間おきにLSV測定を行い、太陽電池の光電流-電圧プロフィールから太陽電池性能の耐久性を評価した。
評価結果については、次の通りである。
(1)アモルファス酸化チタン層(TiOx層)を透明電極層(ITO電極層)/有機半導体層(P3HT:PCBM層)の界面に挿入する(実施例1-1、1-2)ことにより、約2.5%のηが得られ、TiOx層を挿入しないとき(比較例1、η= 0.8%)に比べて約3倍高い値であった。これはTiOx層が電子収集層として効果的に働き、整流性が向上したためであると考えられる(図1、図4)。
(2)TiOx層を用いた太陽電池(実施例1-1)、アナターゼ酸化チタン(TiO2)層を用いた太陽電池(比較例2)、金属Alを負極に用いたノーマル型太陽電池(比較例3)に大気中で太陽擬似光を連続照射して耐久性試験を行ったときのηの経時変化を図2に示す。TiO2層(図2、○、比較例2)及び金属Al(図2、△、比較例3)を用いた太陽電池は光照射時間の増加に伴って10時間でそれぞれ相対効率は63.8%及び49.3%まで減衰した。一方、TiOx層(図2、□、実施例1-1)を用いた太陽電池は20時間の光照射でも相対効率96.6%を示し、比較した太陽電池の中で優れた耐久性を示した。
(3)TiOx層を挿入した太陽電池(実施例1-1)を筐体封止して太陽電池筐体封止パネルとし(実施例2)、当該パネルを用いて耐久性試験を行ったときのηの経時変化を図3に示す。未封止の電池では光照射20時間以下では性能劣化がほとんど見られなかったが、さらに照射を続けることにより電池性能が低下し、120時間で相対効率は29.3%まで減衰した。(図3、□、実施例1-1)。一方、パネル化した場合は120時間の光連続照射でも相対効率90%以上を保持し、極めて高い耐久性が得られた(図3、■、実施例2)。
試験例1の結果(光電流−電圧曲線)を示す図である。なお、TiOx前駆体の調製方法はゾルゲル法である。 試験例1の結果(連続光照射による太陽電池の耐久性)を示す図である。 試験例1の結果(連続光照射による太陽電池及び筐体封止パネルの耐久性)を示す図である。 試験例1の結果(光電流−電圧曲線)を示す図である。但し、TiOx前駆体の調製方法は電解還元析出法である。

Claims (9)

  1. 透明電極層上に酸化物半導体層、有機半導体層、導電性ポリマー層及び集電極層が順に形成されている有機薄膜太陽電池であって、
    (1)前記酸化物半導体層は、アモルファス酸化チタン層であり、
    (2)前記有機半導体層は、[6,6]-フェニル-C61-酪酸メチルエステル(PCBM)とポリ-3-ヘキシルチオフェン(P3HT)とを含有し、
    (3)前記導電性ポリマー層は、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)を含有し、
    (4)前記集電極層は、金電極層である、
    ことを特徴とする有機薄膜太陽電池。
  2. 前記透明電極層は、ITO(Indium Tin Oxide)電極層である、請求項1に記載の有機薄膜太陽電池。
  3. 1)透明性基板、2)前記透明性基板上に形成された請求項1又は2に記載の有機薄膜太陽電池及び3)前記有機薄膜太陽電池を封止する筐体を含む、有機薄膜太陽電池筐体封止パネルであって、
    前記有機薄膜太陽電池と前記筐体との間に、水分捕捉剤及びワックスを含むホットメルト型部材が配置されてなる、有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
  4. 前記有機薄膜太陽電池と前記筐体との間の空間の全てが前記ホットメルト型部材により占められている、請求項3に記載の有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
  5. 前記水分捕捉剤は、1)有機金属化合物又は2)平均粒子径90μm以下の粉末状無機酸化物を含有する、請求項3又は4に記載の有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
  6. 前記水分捕捉剤は、前記ホットメルト型部材中50〜99重量%含まれる、請求項3〜5のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
  7. 前記ワックスは、前記ホットメルト型部材中1〜50重量%含まれる、請求項3〜6のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
  8. 前記ホットメルト型部材は、真空下150℃で4時間にわたり減圧乾燥した後の重量減少が0.1%以下である、請求項3〜7のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
  9. 前記ホットメルト型部材は、厚みが100μm以下である、請求項3〜8のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池筐体封止パネル。
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