JP2011198579A - 有機半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

有機半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水分による劣化を抑制することが可能とする。
【解決手段】絶縁基板と、前記絶縁基板の上方に配置された有機半導体素子と、前記有機半導体素子を被覆するとともにシリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料によって形成された第1保護層と、前記第1保護層の上方に配置されるとともに前記第1保護層よりも透湿度が高い材料によって形成された第2保護層と、前記第2保護層の上に積層されるとともにシリコン(Si)、酸素(O)、及び、窒素(N)を主成分とする材料によって形成された第3保護層と、前記第3保護層の上に積層されるとともに前記第3保護層よりも透湿度が高い材料によって形成された第4保護層と、前記第4保護層よりも上方であって且つ最外層をなしシリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料によって形成された第5保護層と、を有する保護膜と、を備えたことを特徴とする有機半導体装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、有機半導体装置及びその製造方法に関する。
有機エレクトロルミネセンス(EL)素子をはじめとする各種有機半導体素子は、有機層の活性が高く化学的に不安定であるため、水分等による酸化により特性が劣化し易いという特徴を有する。そのため、有機半導体素子を覆う保護膜を設け、有機層への水分の浸入を抑制する技術が提案されている。
例えば、特許文献1によれば、有機電界発光素子を覆う保護膜がアンモニアガスを用いた化学的気相成長法によって成膜された3層の窒化シリコン膜を積層してなり、且つ、表面層及び最下層の窒化シリコン膜がその間の窒化シリコン膜よりも高密度に構成された技術が開示されている。
また、特許文献2によれば、発光素子を被覆する封止膜が屈折率の異なる2以上の層を積層してなり、その一例として酸窒化シリコンの酸素と窒素との組成比及び膜厚を変えて連続して5層の多層封止膜を形成する技術が開示されている。なお、この特許文献2には、封止膜を形成する他の材料として窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛も適用可能である旨の記述がある。
このような保護膜(あるいは封止膜)には、高い封止性能が要求される。しかしながら、保護膜を形成する過程で異物などに起因したピンホールが発生すると、外部から水分が浸入して進行性の動作不良を引き起こしてしまう。このような不良発生確率を十分小さく抑えるには、異物を覆うのに十分な厚い保護膜が必要となり、生産性及びコストの面で大きな問題である。
特開2007−184251号公報 特開2008−243379号公報
本発明の目的は、水分による劣化を抑制することが可能な有機半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
絶縁基板と、前記絶縁基板の上方に配置された有機半導体素子と、前記有機半導体素子を被覆するとともにシリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料によって形成された第1保護層と、前記第1保護層の上方に配置されるとともに前記第1保護層よりも透湿度が高い材料によって形成された第2保護層と、前記第2保護層の上に積層されるとともにシリコン(Si)、酸素(O)、及び、窒素(N)を主成分とする材料によって形成された第3保護層と、前記第3保護層の上に積層されるとともに前記第3保護層よりも透湿度が高い材料によって形成された第4保護層と、前記第4保護層よりも上方であって且つ最外層をなしシリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料によって形成された第5保護層と、を有する保護膜と、を備えたことを特徴とする有機半導体装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、
絶縁基板の上方に有機半導体素子を備えたアレイ基板をチャンバ内にセットし、シリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料を用いてプラズマCVD法により前記有機半導体素子を被覆する第1保護層を形成し、前記第1保護層よりも透湿度が高い材料を用いて前記チャンバ内においてプラズマCVD法により前記第1保護層の上方に第2保護層を形成し、シリコン(Si)、酸素(O)、及び、窒素(N)を主成分とする材料を用いて前記チャンバ内において前記第2保護層の上に積層される第3保護層を形成し、前記第3保護層よりも透湿度が高い材料を用いて前記チャンバ内においてプラズマCVD法により前記第3保護層の上に積層される第4保護層を形成し、シリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料を用いてプラズマCVD法により前記第4保護層よりも上方であって且つ最外層をなす第5保護層を形成する、ことを特徴とする有機半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、水分による劣化を抑制することが可能な有機半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
図1は、有機半導体装置の一例であるアクティブマトリクス型の有機EL装置の構成を概略的に示す断面図である。 図2は、本実施形態で適用可能な保護膜による水分の有機EL素子への浸入を抑制することを説明するための模式断面図である。 図3は、本実施形態の有機半導体装置に適用可能な保護膜の第1構成例を模式的に示す断面図である。 図4は、本実施形態の有機半導体装置に適用可能な保護膜の第2構成例を模式的に示す断面図である。 図5は、本実施形態の有機半導体装置に適用可能な保護膜の第3構成例を模式的に示す断面図である。 図6は、本実施形態の有機半導体装置に適用可能な保護膜の第4構成例を模式的に示す断面図である。 図7は、本実施形態で適用可能な保護膜の水分の浸入防止効果を評価した各サンプルの保護膜の構成を模式的に示す断面図である。 図8は、図7に示した各サンプルの保護膜による水分の浸入防止効果の評価結果を示す図である。
以下、本発明の一態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、有機半導体装置の一例として、アクティブマトリクス型の有機EL装置の構成を概略的に示す断面図である。
すなわち、有機EL装置は、アレイ基板100及び対向基板200を備えている。アレイ基板100は、ガラスやプラスチックなどの光透過性を有する絶縁基板101、絶縁基板101の上方に形成されたスイッチング素子SW、補助容量コンデンサCS、有機半導体素子の一つである有機EL素子OLEDなどを備えている。
スイッチング素子SWは、例えば半導体層としてポリシリコンを用いた薄膜トランジスタ(TFT)によって構成されている。このスイッチング素子SWには、図示しないゲート配線やデータ配線などが接続されている。このようなスイッチング素子SWや補助容量コンデンサCSなどは、絶縁膜102によって覆われている。
有機EL素子OLEDは、絶縁膜102の上に配置された画素電極PE、画素電極PEの上に配置された有機層ORG、有機層ORGの上に配置された共通電極CEを備えて構成されている。
画素電極PEは、スイッチング素子SWに電気的に接続されている。ここに示した例では、画素電極PEは陽極に相当し、共通電極CEは陰極に相当する。このような画素電極PEの構造については、特に制限はなく、反射層及び透過層が積層された2層構造であっても良いし、反射層単層、あるいは、透過層単層であっても良いし、さらには、3層以上の積層構造であっても良い。反射層は、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)などの光反射性を有する導電材料によって形成されている。透過層は、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)、インジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの光透過性を有する導電材料によって形成されている。有機EL素子OLEDが対向基板200の側から光を放射するトップエミッションタイプ(上面発光型)の場合には、画素電極PEは少なくとも反射層を含んでいる。
絶縁膜102の上であって画素電極PEの周縁には隔壁103が配置されている。
有機層ORGは、少なくとも発光層を含み、さらに、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層、電子輸送層などを含んでいても良い。このような有機層ORGは、例えば、真空蒸着法により形成される。図示した例のように、赤色画素PXR、緑色画素PXG、及び、青色画素PXBの各々に、赤色発光層REM、緑色発光層GEM、及び、青色発光層BEMを形成するにあたっては、成膜したい領域のみに開口部を設けた高精細マスクを用いて真空蒸着法を行うことにより、各画素に応じた発光層が形成される。
共通電極CEは、赤色画素PXR、緑色画素PXG、及び、青色画素PXBの各々に亘って延在した連続膜である。このような共通電極CEは、例えば半透過層によって形成されている。半透過層は、例えば、マグネシウム(Mg)・銀(Ag)などの導電材料によって形成されている。なお、共通電極CEは、半透過層及び透過層が積層された2層構造であっても良いし、透過層単層構造、または、半透過層単層構造であっても良い。このような共通電極CEは、例えば、真空蒸着法によって形成される。
各画素に配置された有機EL素子OLEDは、保護膜300によって被覆されている。すなわち、保護膜300は、水分が浸透しにくい材料によって形成され、共通電極CEの上に配置されている。このような保護膜300は、有機EL素子OLEDへの水分の浸透を抑制する水分バリア膜として機能する。この保護膜300の構成については後に詳細に説明する。
対向基板200は、保護膜300の上方に配置される。この対向基板200は、ガラスやプラスチックなどの光透過性を有する絶縁基板である。対向基板200と保護膜300との間には、樹脂層400が充填されている。この樹脂層400は、例えば、紫外線硬化型樹脂材料や熱硬化型樹脂材料などによって形成され、特に、有機EL素子OLEDがトップエミッションタイプに場合には、樹脂層400は光透過性を有する材料によって形成される。
図1に示した例では、有機EL素子OLEDがトップエミッションタイプである場合について説明したが、絶縁基板101の側から光を放射するボトムエミッションタイプ(下面発光型)であっても良い。また、有機EL装置として、乾燥剤及び中空構造を有さず保護膜300及び樹脂層400により有機EL素子OLEDを封止する固体封止技術を適用した例について説明したが、保護膜300を備えた構成であれば、図1に示した例に限らない。
次に、本実施形態で適用可能な保護膜300の構成について詳細を説明する。
図2は、保護膜300による水分の有機EL素子OLEDへの浸入を抑制することを説明するための模式断面図である。
本実施形態で適用される保護膜300は、2種類の膜、すなわち水分を透過しにくい第一種の膜(水分遮断層)301と、第一種の膜301よりは水分を透過しやすいが比較的水分を透過しにくい第二種の膜(水分低透過層)302とを複数層重ねた多層膜である。特に、保護膜300において、有機EL素子OLEDを被覆する最内層及び図示しない樹脂層に接する最外層は、第一種の膜301によって形成されている。
図2には、異物を被覆した9層積層構造の保護膜300が図示されている。すなわち、保護膜300は、最内層である第1層311、第1層311の上に積層された第2層312、第2層312の上に積層された第3層313、第3層313の上に積層された第4層314、第4層314の上に積層された第5層315、第5層315の上に積層された第6層316、第6層316の上に積層された第7層317、第7層317の上に積層された第8層318、及び、第8層318の上に積層された最外層である第9層319を有している。
第1層311、第3層313、第5層315、第7層317、及び、第9層319は、第一種の膜301によって形成されている。第2層312、第4層314、第6層316、及び、第8層318は、第二種の膜302によって形成されている。つまり、この保護膜300は、第一種の膜301と第二種の膜302とが交互に積層された構造である。
これらの第一種の膜301及び第二種の膜302は、シリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料、シリコン(Si)及び酸素(O)を主成分とする材料、あるいは、シリコン(Si)、酸素(O)及び窒素(N)を主成分とする材料のいずれかによって形成されている。
これらの第一種の膜301及び第二種の膜302の成膜方法としては、例えばプラズマCVD法を用いて、基板温度100℃以下、例えば80℃で成膜する。有機EL素子OLEDは熱に弱いため、保護膜300は100℃以下の低温で形成することが望まれており、成膜方法としてはプラズマCVD法が適している。
なお、第一種の膜301は透湿度が2*10-2g/mday以下の材料を用いて形成されることが望ましく、また、第二種の膜302は透湿度が0.1g/mday以上の材料を用いて形成されることが望ましい。
このような構成の保護膜300は、複数の第一種の膜301及び複数の第二種の膜302を積層した多層構造であるため、異物の境界部分など保護膜300の被覆性が不十分な部分があっても、その被覆不良部から浸入した水分を水分低透過層である第二種の膜302が捕らえ、そして、層内に拡散させ、その下の水分遮断層である第一種の膜301がさらなる下層への水分透過を抑制している。
図示した例では、最外層である第9層319に最も近い第二種の膜302である第8層318が外部から浸入した水分を捕らえ、当該第8層318内で捕らえた水分を拡散させる。第8層318の直下の第7層317では、水分の透過が抑制される。わずかな水分は被覆不良部から更に下層の第6層316に浸透していくが、第6層316に浸入する水分量は、第8層318に浸入した水分量より少ない。第6層316では、第8層318と同様に、捕らえた水分が拡散する。
このような作用が繰り返されることにより、下層に行くほど水分量を低減させることができる。このような作用は、第一種の膜301と第二種の膜302とを交互に積み重ねる層の数を多くするほど効果的であり、それは単純に一層の膜厚を厚くすることとは異なる。したがって、保護膜300は、水分を捕らえる第二種の膜302を2層以上備えた構成であることが望ましい。
本実施形態によれば、保護膜300にピンホールなどの被覆不良部が形成されたとしても、被覆不良部を介して浸入した水分が第二種の膜302に捕らえられ、捕らえた水分が第二種の膜302の内部で拡散する。このように水分を吸収した第二種の膜302の下地には、第二種の膜302よりも透湿度の低い第一種の膜301が存在するため、第二種の膜302よりも下層への水分の浸透が抑制される。このような作用が繰り返され、有機EL素子OLEDの有機層ORGへの水分の到達量を大幅に低減させることができる。したがって、保護膜300の合計膜厚が比較的薄くても(異物のサイズよりも薄い膜厚であっても)、有機層ORGへの水分到達を抑制し、有機EL素子OLEDの水分による劣化を抑制することができ、製造直後の品質を保つことができる。
また、本実施形態の保護膜300を形成するにあたって、第一種の膜301及び第二種の膜302を形成する材料としては、シリコン(Si)及び酸素(O)を主成分とする材料(酸化シリコン)、あるいは、シリコン(Si)、酸素(O)及び窒素(N)を主成分とする材料(酸窒化シリコン)を選択することが望ましく、シリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料(窒化シリコン)を選択した膜の膜厚は極力薄いことが望ましい。
窒化シリコンによって形成された膜は、保護膜として代表的な膜であるが、短波長領域の光を吸収する性質がある。このため、窒化シリコン膜を厚く積むような保護膜の構成は、青色光を有効に取り出すことができない問題があって好ましくない。一方、比較的薄い膜厚の窒化シリコン膜を備えた保護膜300、あるいは、窒化シリコン膜を省略した保護膜300においては、可視光波長領域での光吸収が小さいため、光の取り出しを妨げることなく、効率の良い有機EL装置を得ることができる。
また、本実施形態の多層構造の保護膜300を製造するにあたって、生産技術面でも、同じ製造装置あるいは同一チャンバで膜種を切り替えて形成することができ、製造装置のコスト増大を抑制できる。
次に、保護膜300の具体的な構成例について説明する。
(第1構成例)
図3は、本実施形態の有機半導体装置に適用可能な保護膜300の第1構成例を模式的に示す断面図である。
保護膜300は、合計5層からなる多層膜であり、有機EL素子OLEDを被覆する第1保護層321、第1保護層321の上に積層された第2保護層322、第2保護層322の上に積層された第3保護層323、第3保護層323の上に積層された第4保護層324、及び、第4保護層324の上に積層された第5保護層325を有している。第1保護層321は、有機EL素子OLEDの共通電極CEの上に積層され、保護膜300を構成する最内層に相当する。また、第5保護層325は、保護膜300を構成する最外層に相当する。
第1保護層321、第3保護層323、及び、第5保護層325は、上記した第一種の膜301に相当し、酸窒化シリコン(SiON)によって形成されている。第2保護層322及び第4保護層324は、上記した第二種の膜302に相当し、リン(P)をドーピングした酸化シリコン(以下、PSGと称する)によって形成されている。第1保護層321、第2保護層322、第3保護層323、第4保護層324、及び、第5保護層325の膜厚はいずれも100nmである。
このような構成の保護膜300を適用することにより、最外層を成す第5保護層325によって水分の浸入を抑制することができる。仮に、この第5保護層325にピンホールや異物による被覆不良部分があって保護膜300内に水分が浸入したとしても、第5保護層325の下層の第4保護層324が水分を吸収し当該層内に拡散させてしまう。また、第4保護層324の下層の第3保護層323がさらなる下層への水分浸入を抑制することによって、浸入した大半の水分は第4保護層324内に留まる。第3保護層323からわずかに水分が漏れたとしても、第3保護層323の下層の第2保護層322が水分を吸収し当該層内に拡散させてしまい、第2保護層322の下層の第1保護層321がさらなる下層への水分浸入を抑制する、といった作用によって、有機EL素子OLEDの共通電極CEまで到達する水分量を大幅に低減させることができる。
図3に示した第1構成例では、保護膜300は合計5層からなる多層膜としたが、この水分低減効果は、膜応力によるクラックなどの副作用が無い限りは、第二種の膜302の層の数が多いほど効果的であり、7層、9層といった構成にすると効果が大きい。逆に、PSGによって形成された第二種の膜302が1層しかない合計3層の保護膜300についても水分低減効果はあるが、第二種の膜302が2層以上であること、つまりこの例では、PSGによって形成された膜が2層、すなわち、合計5層以上であることが望ましい。
ここに示した第1構成例では、第1保護層321、第3保護層323、及び、第5保護層325を形成する酸窒化シリコンは、シリコン(Si)、窒素(N)、酸素(O)を主成分とし、Nの濃度がN/Si比で0.1以上0.8以下であり、かつ、Nの濃度がOの濃度よりも少ないように調整した膜であって、透湿度が2*10−2g/mday以下であり、可視光波長領域での透明度が高い。
一方、第2保護層322及び第4保護層324を形成するPSGは、酸化シリコンにリン(P)をドーピングした膜であって、Pの濃度がP/Si比で0.1〜10%の範疇であり、例えば1%程度が適当である。このようなPSGによって形成された膜は、リンをドーピングしていない酸化シリコンよりも水分を吸収しやすく、透湿度が0.1g/mday以上であって、光学的な特性はリンをドーピングしていない酸化シリコンに近い膜である。
こういった酸窒化シリコンによって形成された膜とPSGによって形成された膜とでは、水分の透過性と吸収性は大きく異なるものの、光学的な性質は近く、両者の屈折率の差は0.2以下であって、いずれも可視光波長領域の透明度が高い。保護膜300を構成する多層膜において、屈折率の差が大きい場合には光学干渉による光のロスが大きくなってしまう。なお、屈折率差が0.1以下に抑えられると、光学干渉による光のロスはほとんど無視できるレベルになるので、より望ましい。
例えば、窒化シリコン(SiN)によって形成された膜と酸化シリコン(SiO)によって形成された膜との多層構造を考えると、この場合、窒化シリコンの屈折率が1.85程度であり、酸化シリコンの屈折率が1.46程度であって、その差は0.39にも及ぶ。このため、光学干渉による光のロスが無視できなくなり、このような構成の保護膜300を介して光を取り出す上面発光型の有機EL素子OLEDでは光の取出効率の低下を招く。
したがって、上面発光型の有機EL素子OLEDと組み合わせる保護膜300として、各層を形成する材料としては、互いに積層される2層の屈折率の差ができるだけ小さい材料を選択することが望ましい。
なお、第二種の膜302に相当する第2保護層322及び第4保護層324を形成する材料は、PSGに限らず、ホウ素(B)をドーピングした酸化シリコン(以下、BSGと称する)や、リン及びホウ素をドーピングした酸化シリコン(以下、BPSGと称する)や、炭素(C)を含む酸化シリコン(以下、SiO(C)と称する)や、水素(H)を含む酸化シリコン(以下、SiO(H)と称する)などが適用可能である。この点については、以下に説明する他の構成例においても同様である。
また、第二種の膜302については、上層ほど透湿度が高いことが望ましい。この第1構成例においては、第4保護層324の透湿度は、第2保護層324の透湿度より高いことが望ましい。このような第二種の膜302の透湿度は、酸化シリコンに含まれる不純物(リン、ホウ素、炭素、水素など)の濃度によって制御可能である。酸化シリコンにおける不純物濃度が高くなるほど透湿度が高くなる傾向がある。このため、第4保護層324における不純物濃度は第2保護層322における不純物濃度よりも高く設定されることが望ましい。
(第2構成例)
図4は、本実施形態の有機半導体装置に適用可能な保護膜300の第2構成例を模式的に示す断面図である。
この第2構成例における保護膜300についても、図3に示した第1構成例と同様の合計5層からなる多層膜である。第1保護層321、第2保護層322、第3保護層323、第4保護層324、及び、第5保護層325の膜厚はいずれも100nmである。
第1保護層321、第3保護層323、及び、第5保護層325は、上記した第一種の膜301に相当する。第3保護層323は、シリコン(Si)、酸素(O)、及び、窒素(N)を主成分とする材料、ここでは第1構成例と同様の酸窒化シリコン(SiON)によって形成されている。
第1保護層321及び第5保護層325は、シリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料、ここでは窒化シリコン(SiN)によって形成されている。このような窒化シリコンによって形成された膜も酸窒化シリコンによって形成された膜と同様に、水分を透過しにくい膜であり、第一種の膜301に相当する。窒化シリコンによって形成された膜は、成膜条件にもよるが、酸窒化シリコンによって形成された膜よりも透湿度が更に低くなる傾向がある。
第2保護層322及び第4保護層324は、上記した第二種の膜302に相当し、第1構成例と同様に、PSGによって形成されている。
このような第2構成例の保護膜300においては、特に、最内層である第1保護層321を窒化シリコンによって形成したことに大きな意味がある。酸窒化シリコンやPSGからなる膜を共通電極CEの上に直接形成する場合では、成膜中に基板表面を酸化雰囲気にしてしまうような成膜方法を用いると、共通電極CEやその下層の有機層ORGに酸化ダメージを与えてしまい、有機EL素子OLEDの発光特性が劣化してしまうことがある。もちろん成膜方法によっては酸化ダメージを与えない手法もあるのだが、成膜手法の自由度を上げるために、共通電極CEの上に酸化に対する保護層を設けておくのが有効である。
この第2構成例では、窒化シリコンからなる第1保護層321が共通電極CEなどを酸化ダメージから保護する保護層として機能する。また、第1保護層321は、水分遮断層としての機能も合わせ持たせている。
このような第2構成例の保護膜300についても、第1構成例と同様の作用が得られ、有機EL素子OLEDに到達する水分量を大幅に低減させることができる。また、第2構成例の保護膜300による水分に対する保護性能は、第1構成例の保護膜300と比べて同等以上ではあるが、酸窒化シリコンからなる膜やPSGからなる膜の成膜方法に自由度が広がることがこの第2構成例の利点である。
なお、第2構成例の保護膜300においては、窒化シリコンによる青色光の吸収などの光学吸収や光学干渉の影響を考慮すると、窒化シリコンからなる膜の膜厚は極力薄いことが望ましい。また、第5保護層325については、保護膜300の全体に占める窒化シリコンの割合を低下させて光取り出しのロスの低減する上では酸窒化シリコンによって形成しても良いが、水分に対する遮断性を考慮すると、より透湿度の低い窒化シリコンによって形成することが望ましい。
なお、この第2構成例においても、第4保護層324の透湿度は、第2保護層324の透湿度より高いことが望ましい。
(第3構成例)
図5は、本実施形態の有機半導体装置に適用可能な保護膜300の第3構成例を模式的に示す断面図である。
この第3構成例における保護膜300は、合計7層からなる多層膜であり、図4に示した第2構成例における保護膜300と比較して、第1保護層321と第2保護層322との間に配置された第6保護層326と、第4保護層324と第5保護層325との間に配置された第7保護層327とを追加した点で相違している。
すなわち、有機EL素子OLEDの共通電極CEの上から順に、第1保護層321、第6保護層326、第2保護層322、第3保護層323、第4保護層324、第7保護層327、及び、第5保護層325が積層されている。第1保護層321及び第6保護層326の膜厚はそれぞれ50nmであり、第2保護層322、第3保護層323、及び、第4保護層324の膜厚はそれぞれ100nmであり、第7保護層327及び第5保護層325の膜厚はそれぞれ50nmである。
第1保護層321、第3保護層323、第5保護層325、第6保護層326、及び、第7保護層327は、上記した第一種の膜301に相当する。第1保護層321及び第5保護層325は、シリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料、ここでは窒化シリコン(SiN)によって形成されている。第3保護層323、第6保護層326、及び、第7保護層327は、シリコン(Si)、酸素(O)、及び、窒素(N)を主成分とする材料、ここでは酸窒化シリコン(SiON)によって形成されている。第2保護層322及び第4保護層324は、上記した第二種の膜302に相当し、第1構成例と同様に、PSGによって形成されている。
このような第3構成例の保護膜300は、上記した第1構成例及び第2構成例の構成を併せ持ったような構造であり、第1構成例及び第2構成例と同様の作用が得られる。特に、第6保護層326及び第7保護層327を追加したことにより、保護膜300の総厚は第2構成例と同一である(500nm)にもかかわらず、窒化シリコンによって形成された第1保護層321及び第5保護層325の膜厚が第2構成例よりも薄くなるため、光学干渉や光学吸収による光取り出しのロスを第2構成例よりも低減することができる。しかも、第二種の膜302である第2保護層322及び第4保護層324のそれぞれの膜厚は第2構成例と同一であるため、水分の吸収・拡散能力は第2構成例と同等であり、有機EL素子OLEDに到達する水分量を低減させることができる。
なお、第6保護層326は、第1保護層321の膜厚低減の観点から、第1保護層321と共通電極CEとの間に配置されても良い。しかしながら、共通電極CEなどを酸化ダメージから保護する保護層として窒化シリコンからなる第1保護層321を適用する場合には、第1保護層321が共通電極CEの直上に配置されるため、第6保護層326は、第1保護層321と第2保護層322との間に配置される。これによって、共通電極CEや有機層ORGに酸化ダメージを及ぼすことなく、光学干渉や光学吸収による光取り出しのロスを最小限に抑えることができる。
なお、この第3構成例においても、第4保護層324の透湿度は、第2保護層324の透湿度より高いことが望ましい。
(第4構成例)
図6は、本実施形態の有機半導体装置に適用可能な保護膜300の第4構成例を模式的に示す断面図である。
この第4構成例における保護膜300は、合計9層からなる多層膜であり、図5に示した第3構成例における保護膜300と比較して、第4保護層324と第7保護層327との間に配置された第8保護層328と、第8保護層328と第7保護層327との間に配置された第9保護層329とを追加した点で相違している。
すなわち、有機EL素子OLEDの共通電極CEの上から順に、第1保護層321、第6保護層326、第2保護層322、第3保護層323、第4保護層324、第8保護層328、第9保護層329、第7保護層327、及び、第5保護層325が積層されている。第1保護層321及び第6保護層326の膜厚はそれぞれ50nmであり、第2保護層322、第3保護層323、第4保護層324、第8保護層328、及び、第9保護層329の膜厚はそれぞれ100nmであり、第7保護層327及び第5保護層325の膜厚はそれぞれ50nmである。
第1保護層321、第3保護層323、第5保護層325、第6保護層326、第7保護層327、及び、第8保護層328は、上記した第一種の膜301に相当する。第1保護層321及び第5保護層325は、シリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料、ここでは窒化シリコン(SiN)によって形成されている。第3保護層323、第6保護層326、第7保護層327、及び、第8保護層328は、シリコン(Si)、酸素(O)、及び、窒素(N)を主成分とする材料、ここでは酸窒化シリコン(SiON)によって形成されている。第2保護層322、第4保護層324、及び、第9保護層329は、上記した第二種の膜302に相当し、第1構成例と同様に、PSGによって形成されている。
このような第4構成例の保護膜300においても、第1構成例及び第2構成例と同様の作用が得られる。特に、第二種の膜302である第9保護層329を追加したことにより、水分の吸収・拡散能力を向上することができる。
また、この第4構成例の保護膜300においては、第2保護膜322、第4保護膜324、及び、第9保護膜329における水分の吸収・拡散能力が異なり、上層ほど透湿度が高い。つまり、第4保護層324の透湿度は第2保護層322の透湿度よりも高く、しかも、第9保護層329の透湿度は第4保護層324の透湿度よりも高い。このような透湿度の調整は、各層の不純物濃度を変えることによってなされる。
ここに示した例では、第2保護膜322、第4保護膜324、及び、第9保護膜329は、いずれもPSGによって形成されており、それぞれのリンの濃度が異なる。つまり、第4保護層324におけるリンの濃度は第2保護層322におけるリンの濃度よりも高く、第9保護層329におけるリンの濃度は第4保護層324におけるリンの濃度よりも高い。一例として、PSGのシリコンに対するリンの比をP/Si比としたとき、第2保護層322についてはP/Si比が0.5%であり、第4保護層324についてはP/Si比が1%であり、第9保護層329についてはP/Si比が4%である。
このように、PSGによって形成された膜であっても、下層に比べて上層の方がリンの濃度が高いようになっている。これは、上層の方ほど多くの水分を吸収・拡散させる必要があり、これに対応するためであり、リンの濃度を上げることにより透湿度を高めている。これにより、より下層への水分の到達を遅れさせることができ、有機EL素子OLEDの水分による劣化をさらに抑制することが可能となる。
ここに示した例では、第二種の膜302がPSGによって形成された場合にリンの濃度で各層の透湿度を調整する例について説明したが、第二種の膜302がBSGによって形成された場合にはホウ素の濃度で透湿度の調整が可能であり、第二種の膜302がBPSGによって形成された場合にはホウ素及びリンの合計濃度で透湿度の調整が可能であり、第二種の膜302がSiO(C)によって形成された場合には炭素の濃度で透湿度の調整が可能であり、第二種の膜302がSiO(H)によって形成された場合には水素の濃度で透湿度の調整が可能である。
(製造方法の一例)
次に、本実施形態に適用可能な保護膜300の製造方法について説明する。ここでは、図5に示した第3構成例の保護膜300の製造方法について説明する。
保護膜300を構成する各保護層の成膜には、並行平板型のプラズマCVD法を用いる。まず、真空蒸着法により共通電極CEとしてMg・Ag合金を成膜した被処理基板を、真空または窒素(N)雰囲気でプラズマCVD用のチャンバ(反応室)に輸送する。このチャンバ内において、保護膜300を構成するすべての層の成膜を真空を破らず連続的に行う。
すなわち、反応ガスとしてSiH,NH,Nを用い、高周波プラズマで成膜することにより、共通電極CEの上に窒化シリコンからなる第1保護層321を形成する。
続いて、反応ガスとしてSiH,NH,NO,Nを用い、高周波プラズマで成膜することにより、第1保護層321の上に酸窒化シリコンからなる第6保護層326を形成する。
続いて、反応ガスとしてSiH,PH,NO,Nを用い、高周波プラズマで成膜することにより、第6保護層326の上にPSGからなる第2保護層322を形成する。
続いて、反応ガスとしてSiH,NH,NO,Nを用い、高周波プラズマで成膜することにより、第2保護層322の上に酸窒化シリコンからなる第3保護層323を形成する。
続いて、反応ガスとしてSiH,PH,NO,Nを用い、高周波プラズマで成膜することにより、第3保護層323の上にPSGからなる第4保護層324を形成する。
続いて、反応ガスとしてSiH,NH,NO,Nを用い、高周波プラズマで成膜することにより、第4保護層324の上に酸窒化シリコンからなる第7保護層327を形成する。
続いて、反応ガスとしてSiH,NH,Nを用い、高周波プラズマで成膜することにより、第7保護層327の上に窒化シリコンからなる第5保護層325を形成する。
このとき、第6保護層326などを形成する酸窒化シリコンの成膜工程から第2保護層322などを形成するPSGの成膜工程への切り替え、及び、第2保護層322などを形成するPSGの成膜工程から第3保護層323などを形成する酸窒化シリコンの成膜工程への切り替えは、少なくとも1種類以上の反応ガスを流したまま、チャンバの真空排気を行わずに、反応ガスの種類及び流量の変更を行うことによって行う。この際に、プラズマを切って、反応ガスの切り替えに5秒程度のインターバルを開けてから再度プラズマを放電させると、反応ガスの混合が少なく、膜種・膜質の変化が急峻な積層膜を形成することができるが、本実施形態に適用される保護膜300に求める機能としては、必ずしもそのような急峻性は必要ない。
また、反応ガスの供給及びプラズマ放電を維持したまま、反応ガスの種類及び流量の変更を行うことによって膜種の切り替えを行う方が処理時間を短縮することができる。このような手法を用いれば、保護膜300を構成する膜の層数を増やしても、トータルの膜厚が変わらなければ、成膜に要する処理時間を増やさずに済み、水分浸入防止効果に優れた多層保護膜を高い生産能力で形成することができる。
上述した製造方法の説明では、第2保護膜322及び第4保護膜324を形成する材料としてPSGを適用した場合について説明したが、Bをドーピングした酸化シリコン(BSG)、BとPの双方をドーピングした酸化シリコン(BPSG)、炭素をドーピングした酸化シリコン(SiO(C))、あるいは、水素を多く含む酸化シリコン(SiO(H))を適用しても良い。
BSGからなる膜は、反応ガスとしてSiH,B,NO,Nを用い、プラズマCVD法で成膜することによって形成される。また、BPSGからなる膜は、反応ガスとしてSiH,PH,B,NO,Nを用い、プラズマCVD法で成膜することによって形成される。
また、SiO(C)からなる膜は、プラズマCVD法によって形成されるが、原料ガスの選択には大別して2つの方法が考えられる。ひとつの方法は、TEOS(Tetraethylorthosilicate :Si[OC)などの有機シランとOもしくはNOの混合ガスを用いる方法であり、高周波プラズマのパワーを低くすると有機シランの未分解成分が増えて酸化シリコン膜中の炭素量を増加させることができる。他のひとつの方法は、SiH,NO,NなどにCHやCなどを添加する方法である。
このようなSiO(C)からなる膜として、膜中のCの濃度が1*1021 atoms/cm3以上であるような膜を用いると、透湿度が高い膜が得られ、PSG、BSG、及び、BPSGによって形成された膜と同様に、ピンホールや異物による被覆不良部分から染み込んだ水分を吸収し層内に拡散させる作用が得られる。
また、SiO(H)からなる膜として、酸化シリコンの成膜条件を調整して、膜中に多くの水素を含む酸化シリコン膜を形成すると、やはり同様の効果が得られる。その膜組成の例としては、Hの濃度が3*1021atoms/cm以上であり、不純物であるNの濃度が3*1021atoms/cm以下であると、透湿度が高い膜が得られ、期待する効果が得られる。
(効果の検証)
次に、本実施形態の保護膜300における水分の浸入防止効果を検証した。
まず、ガラス基板の上に共通電極に見立てたマグネシウム(Mg)の薄膜を蒸着し、マグネシウム薄膜を形成する。そして、このマグネシウム薄膜の上に、異物を想定してそれぞれ直径1μm、2μm、4μm、8μmのビーズを散布した。そして、このようなビーズを覆うように、サンプル1乃至5の各構成の保護膜300を形成した。なお、サンプル1乃至5のいずれの保護膜300についても総厚は1200nmとした。
図7に示すように、サンプル1は、マグネシウム薄膜の上から順に、膜厚100nmの窒化シリコン膜、膜厚1000nmの酸窒化シリコン膜、及び、膜厚100nmの窒化シリコン膜の3層積層構造の保護膜300を適用した。このサンプル1については、第二種の膜302に相当する膜を備えていない。
サンプル2は、マグネシウム薄膜の上から順に、膜厚100nmの窒化シリコン膜、膜厚333nmの酸窒化シリコン膜、膜厚333nmのPSG膜、膜厚333nmの酸窒化シリコン膜、及び、膜厚100nmの窒化シリコン膜の5層積層構造の保護膜300を適用した。このサンプル2については、第二種の膜302に相当するPSG膜を1層備えている。
サンプル3は、マグネシウム薄膜の上から順に、膜厚100nmの窒化シリコン膜、膜厚200nmの酸窒化シリコン膜、膜厚200nmのPSG膜、膜厚200nmの酸窒化シリコン膜、膜厚200nmのPSG膜、膜厚200nmの酸窒化シリコン膜、及び、膜厚100nmの窒化シリコン膜の7層積層構造の保護膜300を適用した。このサンプル3については、第二種の膜302に相当するPSG膜を2層備えている。
サンプル4は、マグネシウム薄膜の上から順に、膜厚100nmの窒化シリコン膜、膜厚143nmの酸窒化シリコン膜、膜厚143nmのPSG膜、膜厚143nmの酸窒化シリコン膜、膜厚143nmのPSG膜、膜厚143nmの酸窒化シリコン膜、膜厚143nmのPSG膜、膜厚143nmの酸窒化シリコン膜、及び、膜厚100nmの窒化シリコン膜の9層積層構造の保護膜300を適用した。このサンプル4については、第二種の膜302に相当するPSG膜を3層備えている。
サンプル5は、マグネシウム薄膜の上から順に、膜厚100nmの窒化シリコン膜、膜厚111nmの酸窒化シリコン膜、膜厚111nmのPSG膜、膜厚111nmの酸窒化シリコン膜、膜厚111nmのPSG膜、膜厚111nmの酸窒化シリコン膜、膜厚111nmのPSG膜、膜厚111nmの酸窒化シリコン膜、膜厚111nmのPSG膜、膜厚111nmの酸窒化シリコン膜、及び、膜厚100nmの窒化シリコン膜の11層積層構造の保護膜300を適用した。このサンプル5については、第二種の膜302に相当するPSG膜を4層備えている。
このようなサンプル1乃至5を温度85℃、湿度85%の高温高湿オーブンに投入した。このような手法を用いると、高温高湿保存の間に、ビーズの周りなど、保護膜300がきちんと被覆できていない被覆不良部分から水分が浸入してマグネシウム薄膜まで到達すると、マグネシウムが酸化して色が透明に変化するので、保護膜300の水分浸入防止効果を評価することができる。ここでは、1000時間の間、高温高湿保存を行い、その後のマグネシウムの変色する割合を調査した。
図8は、この評価結果を示す。横軸はPSG膜の層数であり、縦軸はマグネシウム薄膜の色抜け不良率(%)である。
PSG膜の層数が0層のサンプル1の保護膜300については、直径1μmのビーズでもマグネシウム薄膜の変色が確認された。また、直径2μmのビーズ、直径4μmのビーズ、直径8μmのビーズについては略100%の確率でマグネシウム薄膜の変色が確認された。
PSG膜の層数が1層のサンプル2の保護膜300において、直径1μmのビーズについてはマグネシウム薄膜の変色が発生する率はゼロ%であり、マグネシウム薄膜が水分浸入によって酸化されることは無い。しかしながら、直径2μmのビーズについてはマグネシウム薄膜の一部で変色が発生してしまい、また、直径4μmのビーズ及び直径8μmのビーズについては高い確率でマグネシウム薄膜の変色が確認された。
PSG膜の層数が2層のサンプル3の保護膜300においては、直径8μmのビーズについてはわずかにマグネシウム薄膜の変色が発生したものの、直径4μm以下のビーズについては、マグネシウム薄膜の変色がほとんど発生しなかった。
PSG膜の層数が3層のサンプル4及びPSG膜の層数が4層のサンプル5においては、直径8μmのビーズについてもマグネシウム薄膜の変色を完全に抑えることができた。このように、保護膜300の合計膜厚が同じであっても、第一種の膜301と第二種の膜302との層数を増やすことによって、水分の浸入防止効果を向上できることが確認された。特に、保護膜300は、第二種の膜302を2層以上備えていることが望ましいが、第二種の膜302を5層以上とすると、反応ガスの切り替えを頻繁に行う必要があるため望ましくない。
以上説明したように、本実施形態によれば、有機EL素子OLEDへの水分浸入を抑制し、市場不良を起こすことなく、光取り出し効率が良く、生産性・コストの面でも問題の無い保護膜の構成、および、製造方法を提供することが可能となる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本実施形態は、有機半導体装置の一例として、有機半導体素子の一つである有機EL素子を備えた有機EL装置について説明したが、有機半導体素子が有機トランジスタや有機太陽電池などの有機半導体装置にも適用可能である。いずれにしても、本実施形態で説明した保護膜300を適用することにより、安価で信頼性の高い有機半導体装置を提供することが可能となる。
なお、有機EL装置については、有機EL表示装置、有機EL照明、有機ELプリンターヘッドなどに利用可能である。
100…アレイ基板 200…対向基板
OLED…有機EL素子
300…保護膜 301…第一種の膜 302…第二種の膜
321…第1保護層 322…第2保護層 323…第3保護層
324…第4保護層 325…第5保護層 326…第6保護層
327…第7保護層 328…第8保護層 329…第9保護層
400…樹脂層

Claims (13)

  1. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板の上方に配置された有機半導体素子と、
    前記有機半導体素子を被覆するとともにシリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料によって形成された第1保護層と、前記第1保護層の上方に配置されるとともに前記第1保護層よりも透湿度が高い材料によって形成された第2保護層と、前記第2保護層の上に積層されるとともにシリコン(Si)、酸素(O)、及び、窒素(N)を主成分とする材料によって形成された第3保護層と、前記第3保護層の上に積層されるとともに前記第3保護層よりも透湿度が高い材料によって形成された第4保護層と、前記第4保護層よりも上方であって且つ最外層をなしシリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料によって形成された第5保護層と、を有する保護膜と、
    を備えたことを特徴とする有機半導体装置。
  2. 前記保護膜は、さらに、前記第1保護層と前記第2保護層との間に配置されシリコン(Si)、酸素(O)、及び、窒素(N)を主成分とする材料によって形成された第6保護層と、前記第4保護層と前記第5保護層との間に配置されシリコン(Si)、酸素(O)、及び、窒素(N)を主成分とする材料によって形成された第7保護層と、を有することを特徴とする請求項1に記載の有機半導体装置。
  3. 前記第2保護層及び前記第4保護層は、リン(P)及びホウ素(B)の少なくとも一方を含む酸化シリコン、炭素(C)を含む酸化シリコン、あるいは、水素(H)を含む酸化シリコンのいずれかの材料によって形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の有機半導体装置。
  4. 前記第4保護層の透湿度は前記第2保護層の透湿度よりも高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機半導体装置。
  5. 酸化シリコンに含まれるリン、ホウ素、炭素、及び、水素の合計濃度について、前記第4保護層における前記合計濃度は前記第2保護層における前記合計濃度よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の有機半導体装置。
  6. 前記保護膜は、さらに、前記第4保護層と前記第7保護層との間に配置されシリコン(Si)、酸素(O)、及び、窒素(N)を主成分とする材料によって形成された第8保護層と、前記第8保護層と前記第7保護層との間に配置され前記第8保護層よりも透湿度が高い材料によって形成された第9保護層と、を有することを特徴とする請求項2に記載の有機半導体装置。
  7. 前記第2保護層、前記第4保護層、及び、前記第9保護層は、リン(P)及びホウ素(B)の少なくとも一方を含む酸化シリコン、炭素(C)を含む酸化シリコン、あるいは、水素(H)を含む酸化シリコンのいずれかの材料によって形成されたことを特徴とする請求項5に記載の有機半導体装置。
  8. 前記第4保護層の透湿度は前記第2保護層の透湿度よりも高く、しかも、前記第9保護層の透湿度は前記第4保護層の透湿度よりも高いことを特徴とする請求項6に記載の有機半導体装置。
  9. 酸化シリコンに含まれるリン、ホウ素、炭素、あるいは、水素の合計濃度について、前記第4保護層における前記合計濃度は前記第2保護層における前記合計濃度よりも高く、しかも、前記第9保護層における前記合計濃度は前記第4保護層における前記合計濃度よりも高いことを特徴とする請求項8に記載の有機半導体装置。
  10. 前記有機半導体素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機トランジスタ、有機太陽電池の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体装置。
  11. 絶縁基板の上方に有機半導体素子を備えたアレイ基板をチャンバ内にセットし、
    シリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料を用いてプラズマCVD法により前記有機半導体素子を被覆する第1保護層を形成し、
    前記第1保護層よりも透湿度が高い材料を用いて前記チャンバ内においてプラズマCVD法により前記第1保護層の上方に第2保護層を形成し、
    シリコン(Si)、酸素(O)、及び、窒素(N)を主成分とする材料を用いて前記チャンバ内において前記第2保護層の上に積層される第3保護層を形成し、
    前記第3保護層よりも透湿度が高い材料を用いて前記チャンバ内においてプラズマCVD法により前記第3保護層の上に積層される第4保護層を形成し、
    シリコン(Si)及び窒素(N)を主成分とする材料を用いてプラズマCVD法により前記第4保護層よりも上方であって且つ最外層をなす第5保護層を形成する、
    ことを特徴とする有機半導体装置の製造方法。
  12. 前記第1乃至第5保護層を形成する過程において、少なくとも1種類以上の反応ガスを流したまま前記チャンバの真空排気を行わずに、反応ガスの種類及び流量の変更を行うことを特徴とする請求項11に記載の有機半導体素子の製造方法。
  13. 前記第1乃至第5保護層を形成する過程において、反応ガスの供給及びプラズマ放電を維持したまま、反応ガスの種類及び流量の変更を行うことを特徴とする請求項11に記載の有機半導体素子の製造方法。
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