JP2011196504A - 動力伝達装置 - Google Patents

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一茂 中根
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Abstract

【課題】メインクラッチと操作機構の隙間調整を独立して行うことができる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】外側回転部材3と、内側回転部材5と、メインクラッチ7と、パイロットクラッチ9と電磁石11とを有するアクチュエータ13と、操作機構15とを備え、外側回転部材3が、有底状のハウジング19と、ロータ21とを備えた動力伝達装置1において、ロータ21が、パイロットクラッチ9と軸方向に隣接配置された磁路形成部23と、操作機構15と軸方向に隣接配置された隙間調整部25とを有し、隙間調整部25を、磁路形成部23との径方向間に形成された螺合部27を介して磁路形成部23と一体回転可能に螺合し、メインクラッチ7と操作機構15とを、隙間調整部25を螺合部27に螺合することによる隙間調整部25の軸方向移動によって軸方向隙間を調整した。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に適用される動力伝達装置に関する。
従来、一対の回転部材間の動力伝達を断続する断続機構を備えた動力伝達装置としては、袋状の第1の回転軸と、この第1の回転軸内に軸支された第2の回転軸と、第1の回転軸と第2の回転軸との間に配置されたメインクラッチと、メインクラッチを押圧して接続するカム装置と、カム装置を作動させる電磁クラッチ及びロータとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この動力伝達装置では、第1の回転部材と第2の回転部材との間に配置されたカム装置とロータとの間に隙間調整手段を配設させ、第1の回転部材にスナップリングを組付けることによりロータを第1の回転部材に対して係止させている。そして、隙間調整手段及びスナップリングの軸方向の厚さを変更させることにより、メインクラッチやカム装置などの収容部材の軸方向隙間を調整している。
また、同様な動力伝達装置としては、回転ケースと、この回転ケースの軸心部に支持された連結軸と、回転ケースと連結軸との間に配置されたメインクラッチと、メインクラッチを断続操作するカム機構と、カム機構を作動させるパイロットクラッチ及びロータとを備えたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
この動力伝達装置では、回転ケースに対してロータがねじ結合によって一体回転可能に設けられており、ロータのねじ込み量によってメインクラッチに所定の隙間を与えている。詳細には、ロータを所定トルクで締め付け、メインクラッチとカム機構の軸方向隙間をゼロと規定し、これからロータを逆方向に所定角度回転させることにより、所定角度分の軸方向隙間を設定している。
このようにメインクラッチや操作機構としてのカム機構などの収容部材の軸方向隙間を調整することにより、メインクラッチの断続特性や操作機構の作動特性などを調整することができ、各機構の特性を安定化させることができる。
特開2000−234635号公報 特開2001−107991号公報
しかしながら、上記特許文献1のような動力伝達装置では、隙間調整手段やスナップリングの厚みの変更によって最適な隙間を得ているので、最適な隙間を得るまで隙間調整手段やスナップリングの交換を行わなければならず、交換作業が面倒であると共に、様々な厚みの部材を用意しなければならず、部品点数も増加していた。
これに対して、上記特許文献2のような動力伝達装置では、ロータのねじ込み量によって隙間を調整しているので、部品の交換作業や部品点数の増加などを伴うことがない。
しかしながら、ロータにはパイロットクラッチが軸方向に隣接配置されており、ロータのねじ込みによるメインクラッチや操作機構の軸方向隙間の調整によって、パイロットクラッチの軸方向隙間も変動させてしまい、パイロットクラッチのトルク調整に影響を及ぼす恐れがあり、メインクラッチや操作機構の軸方向隙間の調整のみを独立して行うことができなかった。
そこで、この発明は、メインクラッチと操作機構の隙間調整を独立して行うことができる動力伝達装置の提供を目的としている。
本発明は、外側回転部材と、この外側回転部材と相対回転可能に配置された内側回転部材と、前記外側回転部材と前記内側回転部材との間に配置され前記外側回転部材と前記内側回転部材とを断続するメインクラッチと、このメインクラッチを作動させるパイロットクラッチと、このパイロットクラッチを作動させる電磁石とを有するアクチュエータと、このアクチュエータの作動により前記メインクラッチを断続操作する操作機構とを備え、前記外側回転部材は、前記メインクラッチと前記パイロットクラッチと前記操作機構とを収容する有底状のハウジングと、このハウジングと一体回転可能に設けられ前記パイロットクラッチと前記電磁石との軸方向間に前記ハウジングを閉塞するように配置されたロータとを備えた動力伝達装置であって、前記ロータは、前記パイロットクラッチと軸方向に隣接配置され前記電磁石の励磁による磁束を透過して磁路を形成させる磁路形成部と、この磁路形成部の内径側で前記メインクラッチとの軸方向間に前記操作機構を挟んで前記操作機構と軸方向に隣接配置された隙間調整部とを有し、前記隙間調整部は、前記磁路形成部との径方向間に形成された螺合部を介して前記磁路形成部と一体回転可能に螺合され、前記メインクラッチと前記操作機構とは、前記隙間調整部を前記螺合部に螺合することによる前記隙間調整部の軸方向移動によって軸方向隙間が調整されることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置では、ロータがパイロットクラッチと軸方向に隣接配置された磁路形成部と操作機構と軸方向に隣接配置された隙間調整部とが螺合部で一体回転可能に螺合されているので、隙間調整部を螺合部に螺合させることによる隙間調整部の軸方向移動によってパイロットクラッチに影響を及ぼすことがない。
このため、隙間調整部の螺合部への螺合により、パイロットクラッチに影響を及ぼすことなく、メインクラッチと操作機構の隙間調整を独立して行うことができ、メインクラッチや操作機構の作動特性を安定化させることができる。
本発明によれば、メインクラッチと操作機構の隙間調整を独立して行うことができる動力伝達装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る動力伝達装置の断面図である。 図1の要部拡大図である。 (a)本発明の実施の形態に係る動力伝達装置の固定部材の正面図である。(b)図3(a)の断面図である。
図1〜図3を用いて本発明の実施の形態に係る動力伝達装置について説明する。
本実施の形態に係る動力伝達装置1は、外側回転部材3と、この外側回転部材3と相対回転可能に配置された内側回転部材5と、外側回転部材3と内側回転部材5との間に配置され外側回転部材3と内側回転部材5とを断続するメインクラッチ7と、このメインクラッチ7を作動させるパイロットクラッチ9とこのパイロットクラッチ9を作動させる電磁石11とを有するアクチュエータ13と、このアクチュエータ13の作動によりメインクラッチ7を断続操作する操作機構15とを備えている。
また、外側回転部材3は、メインクラッチ7とパイロットクラッチ9と操作機構15とを収容する有底状のハウジング19と、このハウジング19と一体回転可能に設けられパイロットクラッチ9と電磁石11との軸方向間にハウジング19を閉塞するように配置されたロータ21とを備えている。
そして、ロータ21は、パイロットクラッチ9と軸方向に隣接配置され電磁石11の励磁による磁束を透過して磁路を形成させる磁路形成部23と、この磁路形成部23の内径側でメインクラッチ7との軸方向間に操作機構15を挟んで操作機構15と軸方向に隣接配置された隙間調整部25とを有し、隙間調整部25は、磁路形成部23との径方向間に形成された螺合部27を介して磁路形成部23と一体回転可能に螺合され、メインクラッチ7と操作機構15とは、隙間調整部25を螺合部27に螺合することによる隙間調整部25の軸方向移動によって軸方向隙間が調整される。
また、螺合部27には、磁路形成部23と隙間調整部25との軸方向の相対位置を固定する固定部材29が螺合されている。
さらに、固定部材29は、電磁石11の励磁による磁束を透過し、電磁石11と径方向に対向する部分に電磁石11との径方向間に設けられたエアギャップ31を調整するエアギャップ調整部33が設けられている。
図1〜図3に示すように、外側回転部材3は、ハウジング19と、ロータ21とから構成されている。ハウジング19は、有底状に形成され、底壁部35と、円筒部37とを備えている。底壁部35は、入出力部材のうち一方の回転部材(不図示)が固定手段としてのスタッドボルト39によって連結固定され、一方の回転部材と一体回転される。また、底壁部35には、外側回転部材3内に潤滑油を流入させる注入孔41が設けられ、潤滑油を注入させた後、蓋部材43によって閉塞される。この底壁部35には、連続する一部材として円筒部37が設けられている。
円筒部37は、中空状に形成され、内周にはスプライン形状の係合部45が形成され、メインクラッチ7の外側クラッチ板が係合されている。また、円筒部37の軸方向端部には凹凸形状をなす係合部47が形成され、パイロットクラッチ9の外側プレートが係合されている。また、円筒部37の外周には、径方向に突出した環状凸部49が形成され、この環状凸部49よりも軸方向のロータ21側の外周面にはねじ締結部51が設けられている。このねじ締結部51には、ロータ21が一体回転可能にねじ締結され、環状凸部49と当接することによりロータ21のハウジング19に対する軸方向位置が位置決めされている。
このハウジング19内には、メインクラッチ7と、パイロットクラッチ9と、操作機構15とが収容され、パイロットクラッチ9と電磁石11との軸方向間にハウジング19を閉塞するように配置されたロータ21がねじ締結部51でハウジング19と一体回転可能に設けられている。
ロータ21は、磁性材料からなる磁路形成部23と、隙間調整部25とを備えている。磁路形成部23には、軸方向のハウジング19側に延設された延設部53が設けられている。延設部53は、内周面がねじ形状に形成され、円筒部37の端部の外周面との間でねじ締結部51を形成し、ハウジング19とロータ21とが一体回転可能に固定されている。また、延設部53の軸方向端部の先端面は、環状凸部49の軸方向に対向する側面に対して当接し、ロータ21の軸方向位置が位置決めされている。また、ねじ締結部51の端部における延設部53と円筒部37との径方向間には、外側回転部材3の内部を外部から区画するシール手段としてのOリング55が設けられている。この延設部53には、軸方向の電磁石11側に向けて断面凹状の凹状部57が連続する一部材として設けられている。
凹状部57は、電磁石11の周囲を覆うように設けられている。このため、磁路形成部23は、パイロットクラッチ9と電磁石11との軸方向間に配置され、凹状部57内に電磁石11を配置することによりパイロットクラッチ9と電磁石11とが軸方向に近接配置され、磁路形成部23が磁束ループを近距離で透過形成させることができる。また、凹状部57と電磁石11のコア79との径方向間は、微小隙間を持って対向するエアギャップ31となっており、コア79から磁路形成部23への磁束の受け渡しが可能となっている。
この磁路形成部23の内径側には、ねじ形状の螺合部27が形成され、この螺合部27を介して隙間調整部25が一体回転可能に螺合されている。
隙間調整部25は、筒状に形成されて外周面がねじ形状に形成され、磁路形成部23の内周面との間で螺合部27を形成し、磁路形成部23と隙間調整部25とが一体回転可能に固定されている。また、螺合部27の端部における磁路形成部23と隙間調整部25との径方向間には、外側回転部材3の内部を外部から区画するシール手段としてのOリング59が設けられている。この隙間調整部25は、螺合部27に螺合されることによって軸方向移動可能であり、螺合部27に固定部材29を螺合することにより磁路形成部23との軸方向の相対位置が固定される。
固定部材29は、磁性材料からなり、ナットなどのように環状で内周面がねじ形状に形成され、螺合部27に螺合させることによるダブルナット機能によって、磁路形成部23と隙間調整部25との軸方向の相対位置が固定される。また、固定部材29の外周面、すなわち電磁石11のコア79との対向面には、エアギャップ31の径方向寸法を調整するエアギャップ調整部33が設けられている。このエアギャップ調整部33は、固定部材29の外径寸法dを調整することによって変更可能であり、外径寸法dを変更することによってエアギャップ31の径方向寸法を適当な寸法に変更することができる。これにより、パイロットクラッチ9のトルク感度を容易に調整することができる。
このような外側回転部材3の回転軸心部には、内側回転部材5が外側回転部材3と相対回転可能に配置されている。
内側回転部材5は、中空軸状に形成され外周でベアリング61、摺動リング63、Xリング65を介して外側回転部材3に回転可能に支持されている。なお、Xリング65は、外側回転部材3の内部に潤滑オイルを封入した後、外部に対して区画するシール手段となっている。また、内側回転部材5の外周には、スプライン形状の係合部67が形成され、メインクラッチ7の内側クラッチ板が係合されている。また、内側回転部材5の内周には、スプライン形状の連結部69が形成され、入出力部材のうち他方の回転部材(不図示)と一体回転可能に連結される。また、内側回転部材5の軸心側の中央部には、区画壁71が内側回転部材5と連続する一部材で設けられ、外側回転部材3の内部と外部とを区画している。この内側回転部材5と外側回転部材3とは、メインクラッチ7によって断続される。
メインクラッチ7は、複数の内側クラッチ板と、複数の外側クラッチ板とを備えている。複数の内側クラッチ板は、内側回転部材5の外周に形成された係合部67に軸方向移動可能で内側回転部材5と一体回転可能に係合されている。複数の外側クラッチ板は、複数の内側クラッチ板に対して軸方向に交互に配置され、外側回転部材3の円筒部37の内周に形成された係合部45に軸方向移動可能で外側回転部材3と一体回転可能に係合されている。このメインクラッチ7は、複数の内側クラッチ板と複数の外側クラッチ板とで構成された多板クラッチであり、滑り摩擦を伴い伝達トルクを中間制御可能な制御型の摩擦クラッチとなっている。このメインクラッチ7は、アクチュエータ13によって制御可能に作動され、外側回転部材3と内側回転部材5との動力伝達を断続する。
アクチュエータ13は、ロータ21の磁路形成部23を含み、パイロットクラッチ9と、アーマチャ73と、電磁石11とを備えている。パイロットクラッチ9は、外側回転部材3内でロータ21の磁路形成部23とアーマチャ73との軸方向間に配置され、円筒部37の係合部47に軸方向移動可能で外側回転部材3と一体回転可能に連結する複数の外側プレートと、カムリング87の外周に複数の外側プレートに対して軸方向間に配置され軸方向移動可能でカムリング87と一体回転可能に連結する内側プレートとで構成されている。このパイロットクラッチ9は、アーマチャ73が電磁石11の励磁によって吸引移動されることにより接続される。
アーマチャ73は、磁性材料からなり、外側回転部材3内に軸方向移動可能で軸方向にパイロットクラッチ9を挟んでロータ21の磁路形成部23と対向配置されている。このアーマチャ73は、電磁石11が励磁されたときに形成される磁束ループによって電磁石11側に吸引移動され、パイロットクラッチ9を接続させる。
電磁石11は、磁路形成部23の凹状部57内でベアリング75を介して外側回転部材3の外部に配置され、電磁コイル77とコア79とを備えている。電磁コイル77は、軸方向の一側を覆うようにコア79の内部に配置され、スナップリング81などの固定手段を用いてコア79に対する軸方向の位置決めがなされている。
コア79は、コネクタ83を介して通電を制御するコントローラ(不図示)に接続されており、コントローラによる制御によってメインクラッチ7で必要な摩擦トルクを生じさせるように電磁コイル77に通電される。また、コア79には、外側回転部材3の周囲に設けられたケーシングや車体フレームなどの静止系部材(不図示)と係合して電磁石11を回り止めさせる回り止め部材85が設けられている。
この電磁石11への通電により、コア79、エアギャップ31、磁路形成部23及び固定部材29、パイロットクラッチ9、アーマチャ73を介した磁力線が循環されて磁束ループが形成され、アーマチャ73が電磁石11側に吸引移動されてパイロットクラッチ9が締結される。このパイロットクラッチ9の締結トルクは、操作機構15を介して軸方向推力に変換され、メインクラッチ7を押圧して所定の駆動トルクが伝達される。
操作機構15は、カムリング87と、プレッシャリング89と、カム機構91とから構成されている。カムリング87は、内側回転部材5の外周に軸方向移動可能に配置され、パイロットクラッチ9の内側プレートが一体回転可能に連結されている。このカムリング87とロータ21の隙間調整部25との軸方向間には、カム機構91で生じるスラスト反力を受けるスラストベアリング93が配置されている。このスラストベアリング93は、隙間調整部25との軸方向間に摺動部材としてのシム95が設けられている。このシム95は、メインクラッチ7と操作機構15との軸方向の隙間調整において、隙間調整部25の軸方向移動を伝達させる部材であるが、厚みを選択するなど直接的に隙間を調整する部材ではないので、一定の厚さを有するものを適用することができる。
プレッシャリング89は、内側回転部材5の外周に軸方向移動可能に配置されている。また、プレッシャリング89とメインクラッチ7との軸方向間には、プレッシャリング89をメインクラッチ7の接続解除方向に付勢するリターンスプリング97が配置されている。このプレッシャリング89は、カム機構91で生じるスラスト力によってリターンスプリング97の付勢力に抗してメインクラッチ7の接続方向に軸方向移動され、メインクラッチ7に押圧力を付与して接続させる。
カム機構91は、カムリング87とプレッシャリング89とに周方向に形成されたカム面を対向させ、この間に介在させたカムボール99を備えている。このカムボール99は、パイロットクラッチ9の接続によってカムリング87とプレッシャリング89との間に差回転が生じることにより、パイロットクラッチ9に生じる摩擦トルクに応じた強さでプレッシャリング89をメインクラッチ7側へ軸方向押圧移動させるカムスラスト力を発生させる。
このように構成された動力伝達装置1は、電磁石11への通電によってアーマチャ73が吸引移動され、パイロットクラッチ9を押圧し、パイロットクラッチ9が接続される。パイロットクラッチ9が接続されるとカム機構91でカムスラスト力が発生してプレッシャリング89がメインクラッチ7側に押圧移動される。このプレッシャリング89の移動によりメインクラッチ7が接続され、外側回転部材3と内側回転部材5とが接続されて入出力部材間の動力伝達が可能となる。
このような動力伝達装置1のメインクラッチ7と操作機構15との軸方向の隙間調整は、有底状のハウジング19の内部にメインクラッチ7と操作機構15とを収容した後、ロータ21の磁路形成部23をハウジング19に組付け、この磁路形成部23に対して隙間調整部25を組付けることによって行われる。詳細には、ハウジング19と磁路形成部23とを組付けた状態で、隙間調整部25を回転させ螺合部27に対して螺合させながらハウジング19側に軸方向移動させる。このとき、隙間調整部25の螺合量は、メインクラッチ7と操作機構15との軸方向隙間が無くなるまで行う。この状態から隙間調整部25を、メインクラッチ7と操作機構15との軸方向隙間が所定隙間となるように、所定角度逆回転させながら電磁石11側に軸方向移動させる。この後、固定部材29を螺合部27に螺合させ、磁路形成部23と隙間調整部25との軸方向の相対位置を固定させる。このようにメインクラッチ7と操作機構15との軸方向の隙間調整を行うことにより、パイロットクラッチ9の軸方向に隣接配置された磁路形成部23が軸方向に移動することがなく、パイロットクラッチ9の軸方向隙間が変動されず、隙間調整部25によってメインクラッチ7と操作機構15との軸方向の隙間調整のみを行うことができる。
このような動力伝達装置1では、ロータ21がパイロットクラッチ9と軸方向に隣接配置された磁路形成部23と操作機構15と軸方向に隣接配置された隙間調整部25とが螺合部27で一体回転可能に螺合されているので、隙間調整部25を螺合部27に螺合させることによる隙間調整部25の軸方向移動によってパイロットクラッチ9に影響を及ぼすことがない。
このため、隙間調整部25の螺合部27への螺合により、パイロットクラッチ9などの周辺部材に影響を及ぼすことなく、メインクラッチ7と操作機構15の隙間調整を独立して行うことができ、各機構の特性を確実に安定化させることができる。
また、螺合部27には、磁路形成部23と隙間調整部25との軸方向の相対位置を固定する固定部材29が螺合されているので、メインクラッチ7と操作機構15の隙間が安定して保持され、メインクラッチ7の断続特性や操作機構15の作動特性を安定化させることができる。加えて、磁路形成部23の軸方向位置も固定されるので、パイロットクラッチ9の断続特性を安定化させることができる。
さらに、固定部材29は、電磁石11の励磁による磁束を透過し、電磁石11と径方向に対向する部分に電磁石11との径方向間に設けられたエアギャップ31を調整するエアギャップ調整部33が設けられているので、固定部材29のエアギャップ調整部33の変更のみでエアギャップ31の調整を行うことができ、装置全体を分解するなどしてエアギャップ31の調整を行う必要がなく、エアギャップ31の調整を簡易化することができる。
なお、本発明の実施の形態に係る動力伝達装置では、操作機構と隙間調整部との軸方向間にシムを配置させているが、このシムはスラストベアリングが配置されているため、摺動部材として配置されているだけであり、操作機構がシムを必要としない構成である場合には排除することができる。
また、磁路形成部23と隙間調整部25との間の軸方向位置の固定は、固定部材29によって行われているが、その他の固定手段としては、固定部材29を用いずに、磁路形成部23と隙間調整部25との螺合による軸方向位置合わせの後、両部23,25間のカシメや、両部23,25間の溶接、或いは接着などを用いることができる。
1…動力伝達装置
3…外側回転部材
5…内側回転部材
7…メインクラッチ
9…パイロットクラッチ
11…電磁石
13…アクチュエータ
15…操作機構
19…ハウジング
21…ロータ
23…磁路形成部
25…隙間調整部
27…螺合部
29…固定部材
31…エアギャップ
33…エアギャップ調整部

Claims (3)

  1. 外側回転部材と、この外側回転部材と相対回転可能に配置された内側回転部材と、前記外側回転部材と前記内側回転部材との間に配置され前記外側回転部材と前記内側回転部材とを断続するメインクラッチと、このメインクラッチを作動させるパイロットクラッチと、このパイロットクラッチを作動させる電磁石とを有するアクチュエータと、このアクチュエータの作動により前記メインクラッチを断続操作する操作機構とを備え、前記外側回転部材は、前記メインクラッチと前記パイロットクラッチと前記操作機構とを収容する有底状のハウジングと、このハウジングと一体回転可能に設けられ前記パイロットクラッチと前記電磁石との軸方向間に前記ハウジングを閉塞するように配置されたロータとを備えた動力伝達装置であって、
    前記ロータは、前記パイロットクラッチと軸方向に隣接配置され前記電磁石の励磁による磁束を透過して磁路を形成させる磁路形成部と、この磁路形成部の内径側で前記メインクラッチとの軸方向間に前記操作機構を挟んで前記操作機構と軸方向に隣接配置された隙間調整部とを有し、
    前記隙間調整部は、前記磁路形成部との径方向間に形成された螺合部を介して前記磁路形成部と一体回転可能に螺合され、前記メインクラッチと前記操作機構とは、前記隙間調整部を前記螺合部に螺合することによる前記隙間調整部の軸方向移動によって軸方向隙間が調整されることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の動力伝達装置であって、
    前記螺合部には、前記磁路形成部と前記隙間調整部との軸方向の相対位置を固定する固定部材が螺合されていることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項2記載の動力伝達装置であって、
    前記固定部材は、前記電磁石の励磁による磁束を透過し、前記電磁石と径方向に対向する部分に前記電磁石との径方向間に設けられたエアギャップを調整するエアギャップ調整部が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
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