JP2011196480A - 駆動装置 - Google Patents

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敬幸 益子
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Abstract

【課題】ブレーキ装置の小型化を促進でき、耐久性を容易に向上させることができる駆動装置を提供すること。
【解決手段】外部からの動力によって駆動されるドライブギヤ12、ドライブギヤ12と噛み合うドリブンギヤ13、ドリブンギヤ13と一体に回転する回転体21、および制動力を生じさせるブレーキ装置30のブレーキディスク28が内装されている駆動装置10であって、ドリブンギヤ13は、回転体21の外周側に例えば圧入により連結されているとともに、ブレーキディスク28は、回転体21から軸方向の一方側に突出したディスク取付部27に取り付けられ、このディスク取付部27は、回転体21と同一基材により当該回転体21と一体ものとして形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動装置に係り、例えばフォークリフト等の産業車両での動力伝達に用いられる駆動装置に関する。
従来、車両の駆動装置内に湿式のブレーキ装置を収容することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような駆動装置は、駆動源からの動力で駆動させるドライブギヤ、ドライブギヤにて駆動されるドリブンギヤ、ドリブンギヤと一体に回転する出力ギヤ(太陽歯車)、出力ギヤおよびリングギヤと噛み合って自公転自在に設けられたプラネットギヤ、プラネットギヤを軸支するシャフト、およびこれらを収容するケース等を備えた遊星減速機として構成されている。
また、ブレーキ装置としては、ブレーキディスクやこれを押圧する押圧用可動ディスクなどが駆動装置内に収容されている。特許文献1において、ブレーキディスクは、ドリブンギヤに取り付けられて一体に回転するブレーキディスクと、ケース内に取り付けられて回転しないブレーキディスクとで構成され、このうちドリブンギヤ側のブレーキディスクは、ドリブンギヤを構成する円環状の歯車部の内周側に設けられている。従って、ドリブンギヤの歯車部にあっては、その外周側に刻設された歯と前述のドライブギヤとが噛み合うことになる。
特開2005−29117号公報
しかしながら、特許文献1に記載の駆動装置では、ドリブンギヤの歯車部の内周側にブレーキディスクが取り付けられていることにより、その歯車部が環状に設けられているとともに、ドリブンギヤの円板状フランジ部の外周側に軸方向に突出するようにボルト止めされているため、ドリブンギヤの外周側の質量が増して慣性モーメントが大きくなり、その分大きな制動力を生じさせる必要があってブレーキ装置が大型化するという問題がある。
また、歯車部とフランジ部とがボルト止めによって連結されているが、歯車部に取り付けられたブレーキディスクを利用して大きな制動力を生じさせることから、互いの連結部分に過大な負荷がかかることになり、耐久性を向上させるうえで課題となっていた。
本発明の目的は、ブレーキ装置の小型化を促進でき、耐久性を容易に向上させることができる駆動装置を提供することにある。
本発明の駆動装置は、外部からの動力によって駆動されるドライブギヤ、前記ドライブギヤと噛み合うドリブンギヤ、ドリブンギヤと一体に回転する回転体、および制動力を生じさせるブレーキ装置のブレーキディスクが内装されている駆動装置であって、前記ドリブンギヤは、前記回転体の外周側に連結されているとともに、前記ブレーキディスクは、前記回転体から軸方向の一方側に突出したディスク取付部に取り付けられ前記ディスク取付部は、前記回転体と同一基材により当該回転体と一体ものとして形成されていることを特徴とする。
本発明の駆動装置において、前記回転体の軸方向の他方側には、前記回転体と同一基材により当該回転体と一体ものとして出力ギヤが形成されていることを特徴とする。
本発明の駆動装置において、前記回転体は、前記出力ギヤ側の端部と前記ディスク取付部側の端部とで軸支され、前記ディスク取付部側の端部は、筒状とされた当該ディスク取付部の内方に位置していることを特徴とする。
本発明の駆動装置によれば、ブレーキディスクがドリブンギヤを構成する部分ではなく、回転体から突設されたディスク取付部に取り付けられるため、ドリブンギヤの歯先側を径方向の外方側にストレートに延出させてドライブギヤと噛み合わせることができ、ドリブンギヤの外周側の質量が大きくなるのを抑制できて慣性モーメントを小さくでき、ブレーキ装置を制動能力的に小型にできる。
また、ブレーキディスクを取り付けるためのディスク取付部が回転体と一体ものとして設けられるため、ブレーキディスクを挟持する等して制動力を生じさせた場合でも、ドリブンギヤと回転体との連結部分には負荷がかからず、耐久性を確実かつ容易に向上させることができる。
本発明の駆動装置において、回転体の軸方向の他方側に回転体と一体の出力ギヤを設ける場合には、そのような出力ギヤと回転体との連結部分にも制動時の負荷がかからないので、歯車列を用いた制動力を伝達するうえでの信頼性を向上させることができる。
本発明の駆動装置において、回転体の一方の軸支部であるディスク取付部側の端部を、筒状とされた当該ディスク取付部の内方に位置させる場合には、そのような端部がディスク取付部よりもブレーキ装置側に突出することがないので、ブレーキ装置を構成する押圧用可動ディスクを概略フラットに近い形状にでき、駆動装置全体の小型化をさらに促進できるという効果がある。
本発明の一実施形態に係る駆動装置を示す垂直方向の断面図。 前記駆動装置を示す水平方向の断面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2において、本実施形態の駆動装置10は、電動フォークリフトの駆動輪を駆動するための装置であり、金属製の各種部材から構成されている。
具体的に駆動装置10は、カバー11の外部に図示しない電動モータが取り付けられるとともに、この電動モータの出力軸に対してスプライン結合されるドライブギヤ12、ドライブギヤ12によって駆動されるドリブンギヤ13、ドリブンギヤ13と一体に回転する出力ギヤ14、出力ギヤ14と噛み合うプラネットギヤ15、プラネットギヤ15と噛み合うリングギヤ16、プラネットギヤ15を自公転自在に軸支するシャフト17、シャフト17にスプライン結合されたハブ取付部材18を備え、ハブ取付部材18に駆動輪を構成するタイヤホイールのハブ部分が取り付けられる。
駆動装置10の各部材12〜17およびハブ取付部材18の一部は、カバー11で覆われたケース19内に収容されている。ここで、ドリブンギヤ13は回転体21の外周側に設けられた段差部22に圧入され、出力ギヤ14は回転体21の回転軸の一端側に予め一体に設けられている。ドリブンギヤ13の歯先側は、圧入部分から径方向の外方側にストレートに延出されており、圧入部分とドライブギヤ12との噛み合い部分とが径方向に沿った直線上に位置している。従って、従来のような円環状の歯車部に相当する部材は、本実施形態では存在しない。
回転体21の出力ギヤ14側の端部は、シャフト17に嵌め込まれたベアリング23で軸支され、反対側の端部、つまり次説するディスク取付部27側の端部がベアリング24で軸支されている。ベアリング24は、円環状の保持部材25の内周側に嵌め込まれている。保持部材25は、カバー11の内面から突設した4箇所の取付ボス26にボルトにより固定されている(図2に2箇所のみを図示)。
回転体21の段差部22には、保持部材25の外周側を囲う円筒状のディスク取付部27が、出力ギヤ14とは反対側に突出して設けられ、ディスク取付部27の外周には、複数のブレーキディスク28が回転不能に取り付けられている。また、ベアリング24を保持する保持部材25は、円筒状とされたディスク取付部27内に収容されており、回転体21でのベアリング24による支持端側が、ディスク取付部27の開口側の端縁よりも軸方向の内方に位置している。
この際、出力ギヤ14、回転体21、およびディスク取付部27は、鋳造、鍛造、あるいは適宜な機械加工等により同一基材から一体ものとして形成されている。このことにより、ブレーキディスク28を利用して後述のブレーキ装置30によって制動力を生じさせた場合でも、その制動力を直接的に出力ギヤ14に伝達させることができ、ドリブンギヤ13と回転体21との圧入による連結部分に制動力がかからないようになっている。
一方、プラネットギヤ15と噛み合うリングギヤ16は、周方向の複数箇所にてケース19の内部に固定プレート16A(図2)を介してボルト止めされている。シャフト17は、スプライン結合されたハブ取付部材18の筒状部分と共に一対のベアリング29にて軸支されている。これらのベアリング29は、ケース19に対して内方側および外方側からそれぞれ嵌め込まれている。
本実施形態の駆動装置10には、ブレーキディスク28を挟み込んで駆動輪に制動力を生じさせる湿式のブレーキ装置30が設けられている。
ブレーキ装置30は、カバー11内に位置する略円板状の押圧用可動ディスク31を、カバー11の外部から油圧アクチュエータ32により駆動することで制動力を生じさせる構成であり、押圧用可動ディスク31が軸方向(ドリブンギヤ13等の回転軸の軸方向)に沿ってカバー11に対して近接離間する方向に進退駆動される。
より具体的に先ず、カバー11の開口側の端縁には、環状の押さえ板33がボルトにより固定されている。押さえ板33および押圧用可動ディスク31は互いに対向面を有し、これらの対向面間にはブレーキディスク28が位置している。各ブレーキディスク28の間、および各対向面とブレーキディスク28との間には、カバー11の内側に取り付けられた複数の別のブレーキディスク34が介装されている。押圧用可動ディスク31の進出により、各ブレーキディスク28,34が対向面間で挟持され、制動力が生じる。
押圧用可動ディスク31には、カバー11から突出した取付ボス26が貫通する4つの開口部35が設けられている(図2には2つのみを図示)。4つの開口部35のうち、円柱状に形成された対角線上の一対の取付ボス26用の開口部35Aは丸孔開口とされている。開口部35A内にはスリーブ35Cが挿入され、取付ボス26の外周がスリーブ35Cの内周と摺接する。つまり、スリーブ35Cと摺接する円柱状の一対の取付ボス26は、押圧用可動ディスク31が進退する際のガイドポストとして機能する。
また、そのような押圧用可動ディスク31は、回転体21のベアリング24側の端部がディスク取付部27の内方に位置していることで、概略フラットな円板状とされており、このようなフラットな形状にした場合でも、回転体21の端部と干渉することなしに、押さえ板33との対向面間にてブレーキディスク28,34を確実に押圧、挟持可能である。
油圧アクチュエータ32は、ブレーキ操作時に油が流入する圧油室36と、流入した油によって進出するプランジャ37とを有し、このプランジャ37の動きを動力伝達部材38を介して押圧用可動ディスク31に伝達することで、押圧用可動ディスク31を進出させる構成である。これに対して、押圧用可動ディスク31とベアリング24保持用の保持部材25との間にはコイルバネ39が介装され、ブレーキ操作を解除することで、コイルバネ39のバネ力により押圧用可動ディスク31、動力伝達部材38、およびプランジャ37が退却する。
なお、本実施形態は以上に説明した通りであるが、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、回転体21に出力ギヤ14が設けられていたが、遊星減速機構を有しない駆動装置にあっては、回転体21とシャフト17とを一体に設けてもよく、出力ギヤ14を省略してもよい。
前記実施形態では、ドリブンギヤ13が段差部22へ圧入されていたが、これに限定されず、スプライン結合、溶接、ボルト止め等によって互いを一体に連結してもよい。
また、回転体21のベアリング24による支持端側は、ディスク取付部27よりも軸方向の外方側に突出していてもよいが、内方側に位置させることで、ブレーキ装置30の押圧用可動ディスク31を概略フラットにでき、駆動装置10を小型化できるので、そうすることが好ましい。
本発明は、電動フォークリフトの駆動輪を駆動する駆動装置に利用できる他、ブレーキ装置のブレーキディスクを内蔵したその他の産業車両用の駆動装置にも利用できる。
10…駆動装置、12…ドライブギヤ、13…ドリブンギヤ、14…出力ギヤ、21…回転体、27…ディスク取付部、30…ブレーキ装置、34…ブレーキディスク。

Claims (3)

  1. 外部からの動力によって駆動されるドライブギヤ、前記ドライブギヤと噛み合うドリブンギヤ、ドリブンギヤと一体に回転する回転体、および制動力を生じさせるブレーキ装置のブレーキディスクが内装されている駆動装置であって、
    前記ドリブンギヤは、前記回転体の外周側に連結されているとともに、
    前記ブレーキディスクは、前記回転体から軸方向の一方側に突出したディスク取付部に取り付けられ
    前記ディスク取付部は、前記回転体と同一基材により当該回転体と一体ものとして形成されている
    ことを特徴とする駆動装置。
  2. 請求項1に記載の駆動装置において、
    前記回転体の軸方向の他方側には、前記回転体と同一基材により当該回転体と一体ものとして出力ギヤが形成されている
    ことを特徴とする駆動装置。
  3. 請求項2に記載の駆動装置において、
    前記回転体は、前記出力ギヤ側の端部と前記ディスク取付部側の端部とで軸支され、
    前記ディスク取付部側の端部は、筒状とされた当該ディスク取付部の内方に位置している
    ことを特徴とする駆動装置。
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